JP3695649B2 - 感光性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重クロム酸塩/水溶性高分子系の感光性組成物に関し、さらに詳しくは高感度であり、該感光性組成物を使用する製品の製造工程の生産性向上に優れた感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、重クロム酸塩系感光性組成物は、水溶性で取り扱いやすく、比較的に価格が安いために、凸版、平凹版、スクリン版などの刷版の製造や、カラーブラウン管のシャドウマスク、リードフレーム、金属エッチング製品などのフォトエッチング加工におけるレジスト材料として広く使用されてきた。
【0003】
しかしながら、これらの重クロム酸塩系感光性組成物は、紫外線などの活性エネルギー線の露光光源に対して感度が低く、このためにその使用時において長時間露光したり、活性エネルギー線の照射強度を強く、かつ照射量を多くしなければならないという問題があり、印刷製版やフォトエッチング製品の生産性が上がらないという問題がある。特に、重クロム酸塩を含むカゼインやポリビニルアルコール系の感光性組成物を使用したシャドウマスクの大量生産においては、露光に要する時間がかかり、また、活性エネルギー線の照射エネルギー量が多くなり、このために著しく製品の生産性が低いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、従来の重クロム酸塩系感光性組成物に匹敵する解像度を保持したまま、優れた感度を有し、露光時間を短縮および活性エネルギー線の露光量を削減し、製品の生産性を向上させることができる感光性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、(A)重クロム酸塩およびクロム酸塩からなる群より選択された少なくとも一種の感光剤と、(B)水溶性高分子と、(C)エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールである感度向上剤と、(D)水とからなることを特徴とする感光性組成物を提供する。
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決して上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、重クロム酸塩および/またはクロム酸塩を含む特定の水溶性高分子の水溶液に多価アルコールをさらに含有することにより、従来の重クロム酸塩系感光性組成物に比べて、それらの感光性組成物の解像度と同程度の高い解像度を保持したまま、極めて高感度をもたらし、そのために露光時間の短縮および活性エネルギー線の露光量を削減し、印刷製版やフォトエッチング製品の生産性を向上させることができることを見いだした。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明の感光性組成物は、重クロム酸塩および/またはクロム酸塩を含む特定の水溶性高分子の水溶液に感度向上の目的で多価アルコールを適当量添加させたことを特徴とする。
【0008】
本発明に使用する水溶性高分子(B)としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ゼラチンおよびフィッシュグルーなどが挙げられる。上記のカゼインとしては、数平均分子量が25,000〜35,000、好ましくは数平均分子量が26,000〜30,000のカゼインをベースとした塩酸カゼイン、乳酸カゼイン、硫酸カゼインなどの酸カゼイン、アンモニウムカゼネート、ナトリウムカゼネートなどのカゼネートおよびそれらの混合物が挙げられる。また、その他カゼインをレンニンにより部分的に加水分解した分解カゼインも使用することができる。
【0009】
上記の酸カゼインは、公知の製造方法で製造されたものを使用することができる。例えば、脱脂乳に20℃で0.5Nの酸を加え、pHを4.5とし、これに水蒸気を直接加え、55℃まで加熱すると、カゼインが析出して凝固する。これを分離してカゼインを得ることができる。また、乳酸カゼインは、脱脂乳に乳酸菌スタータを0.1〜0.5重量%加え、22〜26℃で発酵させると、pH4.6でカゼインが析出凝固し、これを分離してカゼインを得ることができる。
【0010】
前記の酸カゼインは、無機や有機アルカリの水溶液に溶解(10〜20重量%)して調製し、本発明で使用することができる。上記のアルカリ水溶液に使用する無機アルカリ類としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸塩、重炭酸塩およびホウ酸塩などが挙げられる。また、有機アルカリ類としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、シクロプロピルアミン、第3級アミンなどのアミン類が挙げられる。
【0011】
また、前記のアンモニウムカゼネートおよびナトリウムカゼネートは、それ自体単独で水に溶解(10〜15重量%)し、水溶液に調製して本発明で使用する。このアンモニウムカゼネートは、上記の酸カゼインの一種と水とを混合し、次にアンモニア水を混合した後、混合物を加熱溶解して、酸カゼインとアンモニアとを反応させた生成物である。
【0012】
また、本発明で使用する前記のポリビニルアルコールは、公知のPVA系感光性組成物に使用されているポリビニルアルコールおよびカチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコールを使用することができ、好ましい上記のポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、平均重合度が300〜3,000で、かつ、鹸化率が70.0〜99.0mol%、より好ましくは平均重合度が500〜1,000、鹸化率が80.0〜88.0mol%であるものが挙げられる。これらは、公知の方法で製造することができ、ポリビニルアルコールは、クラレ(株)から「クラレポバール105」、「クラレポバール205」、「クラレポバール217」、「クラレポバール224」、日本合成化学(株)から「ゴーセノールGL−05」、「ゴーセノールGM−14」などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
【0013】
上記のポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールの平均重合度が上記上限を越える場合には、得られる感光性組成物の粘度が高くなりすぎて、製版基材やフォトエッチング基材への塗布性が低下し、塗布むらが発現することがある。一方、上記下限未満の場合には、得られる感光性組成物の粘度が低過ぎて十分な膜厚のレジストが得られないという問題が発生することがある。また、ポリビニルアルコールの鹸化率が上記下限未満の場合には、ポリビニルアルコールは水に対する溶解性が低下しすぎるという問題を有することがある。これらのポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは5〜20重量%水溶液に調製して使用することができる。
【0014】
上記のカチオン性ポリビニルアルコールとしては、例えば、酢酸ビニールとカチオン性モノマーを共重合させた後加水分解して生成されるものであり、カチオン性モノマーとしては、3級または4級アミノ基を有するアクリレートおよびメタクリレート、N置換メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピリジン4級アンモニウム塩、ビニルイミダゾールなどが挙げられる。
【0015】
また、アニオン性ポリビニルアルコールとしては、ポリビニルアルコールにカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのアニオン基を導入したものが挙げられ、例えば、ポリビニルアルコールにマレイン酸、フマル酸、フタル酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などの2塩基酸あるいはその無水物を反応させたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそれらのエステルや塩と酢酸ビニルとを共重合させた後、鹸化したスルホン酸基変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
【0016】
上記のカチオン性およびアニオン性ポリビニルアルコールは、クラレ(株)からカチオン性ポリビニルアルコールとして「C−408」、「C−506」、「C−318」、「C−118」、「CM−318」など、また、アニオン性ポリビニルアルコールとして「KL−118」、「KL−318」、「KL−506」、「KM−118」、「KM−618」などの商品名で入手して使用することができる。
【0017】
本発明で使用するゼラチンは、公知の方法によりコラーゲンをアルカリ処理または酸処理した、灰分2重量%以下、油脂分0.5重量%以下、不溶解分0.5重量%以下の生成物で、5〜20重量%水溶液に調製し、また、フィッシュグルーは、市販の固形分50重量%液状のものを5〜20重量%水溶液に調製して本発明で使用する。
【0018】
また、本発明において感光性化合物(感光剤)として使用する重クロム酸塩および/またはクロム酸塩は、従来のクロム酸塩系感光性組成物に使用されているものでよく、例えば、重クロム酸アンモニウム、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、クロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム等が挙げられる。
【0019】
本発明を主として特徴づける多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0020】
前記の多価アルコールは、得られる感光性組成物の感度向上を目的として使用するため、得られるレジスト膜を所望のフォトマスクを介してキセノンランプや超高圧水銀灯などの紫外線光源(波長350〜450nm)にて露光する時点で、レジスト膜中にその一部が残留していることが必須条件であり、その残留量は、得られる感光性組成物被膜中に5〜20重量%であるのが好ましい。その残留量が上記上限を越える場合には、得られるレジスト膜の乾燥性が低下して、タックを生じ、焼き付けパターンフィルムが付着してしまうことがあるという問題があり、一方、残留量が上記下限未満の場合には、十分な感度向上効果が得られないことがある。
【0021】
また、前記の多価アルコールに関して、前記感光性組成物の水溶液で前記基材上にレジスト膜を形成する際の乾燥条件は、特に限定されるものではないが、該組成物の水溶液の塗膜を、例えば、50〜90℃の雰囲気下で加熱して水分を蒸発させて塗膜を乾燥した場合、レジスト膜にタックが残らず、かつ、レジスト膜中に前記の多価アルコールが一部残留していることが必要であり、そのために、前記の多価アルコールは、その沸点が100℃を越えるものが好ましく、その沸点が100℃以下の場合には、レジスト膜中の多価アルコール(C)の残留量が低下して、十分な感度向上が得られないことがあるという問題がある。
【0022】
前記の多価アルコール(C)によるレジスト膜の感度向上は、下記のとおり推定される。すなわち、重クロム酸塩および/またはクロム酸塩の光活性種である酸性クロム酸イオンの6価クロム原子が光還元して3価クロム原子となる光化学反応と、3価クロム原子が引き続き非共有電子対を持つ水溶性高分子(B)と配位結合を作り、水溶性高分子(B)を橋かけする反応の過程において、前記の多価アルコール(C)はその保湿作用により酸性クロム酸イオンの発生の促進、または光還元をより促進することにより橋かけ硬化を促進すると推定される。
【0023】
前記の多価アルコール(C)は、前記の水溶性高分子(B)の水溶液に添加しても、あるいは重クロム酸塩および/またはクロム酸塩(A)と前記水溶性高分子(B)の水溶液からなる感光性組成物に後から添加してもよく、添加方法に関しては特に限定するものではない。上記の(C)成分の配合割合は、前記の水溶性高分子(B)100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。
【0024】
多価アルコール(C)の配合割合が、上記上限を越える場合には、得られる感光性組成物を製版基材やフォトエッチング基材などの金属基板などに塗布し、乾燥した場合に形成されるレジスト膜にベタツキが発現して、超高圧水銀灯などの紫外線光源を使用して露光する時に、レジスト膜が露光用のパターンフィルムと接着したり、あるいはレジスト膜の感度が、多価アルコール(C)を含まない従来の重クロム酸塩系感光性組成物の感度に比べて16倍以上に感度が上昇し過ぎて、得られる感光性組成物のレジスト膜の感度の調整が困難になることがあるという問題がある。一方、その配合割合が、上記下限未満の場合には、得られるレジスト膜の感度が所望の感度まで向上しないことがある。好ましい多価アルコール(C)の配合割合は、成分(C)を含まない従来の重クロム酸塩系感光性組成物のレジスト膜感度を1とした場合、得られる感光性組成物のレジスト膜の感度が1.4〜16倍程度となる範囲である。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、必要に応じて本発明の感光性組成物に腐敗や微生物の繁殖による感度阻害を防止するため防腐剤を添加することができる。防腐剤としては、公知の防腐剤が使用することができ、例えば、フェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、モノクロロ−2−フェニルフェノール、パラクロロフェノール、オルトフェニルフェノールなどのフェノール系化合物;ヘキサヒドロトリアジン等のトリアジン系化合物;グルコン酸クロルヘキシジン系化合物;5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、4−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−3−イソチアゾロン、2−n−オクチル−3−イソチアゾロン、2−エチル−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−3−イソチアゾロンなどのイソチアゾロン系化合物、1,2−ベンゾイソチアゾロン、N−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾロン、2−オクチル−4−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾロン、2−オクチル−4,7−ジクロロ−1,2−ベンゾイソチアゾロンなどのベンゾイソチアゾロン系化合物など、およびそれらの混合物が挙げられる。上記の防腐剤の好ましい配合割合は、本発明の感光性組成物100重量部に対して0.001〜0.1重量部である。
【0026】
また、本発明の好ましい実施形態では、必要に応じて本発明の目的を妨げない範囲において、製版基材やフォトエッチング基材などの基材への本発明の感光性組成物のコーティング適性、レベリング性の向上および消泡性付与の目的で従来公知のノニオン界面活性剤を添加することができる。該ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。上記のノニオン界面活性剤の配合割合は、本発明の感光性組成物100重量部に対して0.1〜0.2重量部にするのが好ましい。
【0027】
本発明の感光性組成物は、前記のカゼイン、ポリビニルアルコール、ゼラチンおよびフィッシュグルーなどの水溶性高分子の水溶液と重クロム酸塩および/またはクロム酸塩からなる感光性化合物と、前記の多価アルコールを配合した水溶液(10〜20重量%)として提供される。上記の各々の成分の配合割合は、水溶性高分子(B)100重量部、多価アルコール(C)が5〜40重量部、重クロム酸塩および/またはクロム酸塩(A)5〜20重量部が好ましい。
【0028】
本発明の感光性組成物の使用例を説明する。本発明の感光性組成物は、製版基材やフォトエッチング基材などの脱脂処理された金属基材などに、公知の塗布方法、例えば、スピンコート、ディップコート、フローコート、ロールコート、カーテンコート、ブレードコート、スプレコート、スリットコートなどの方法によって5〜10μm(乾燥厚み)に塗布し、熱風乾燥や遠赤外線乾燥などの乾燥方法により50〜90℃の雰囲気下で水分を蒸発し、塗膜にタックが残らず、かつ塗膜中に前記の多価アルコール(C)が一部残留(5〜20重量%)程度に乾燥する。その結果、レジスト膜を形成する。
【0029】
次に形成されたレジスト膜に所望のパターンを介して超高圧水銀灯やメタルハライドランプなどの紫外線光源により露光量(照射量)500〜5,000mJ/cm2(405〜436nm)で5〜50秒間(多価アルコールを含まない従来の感光性組成物の場合は20〜100秒間)露光する。なお、露光条件中、照射強度および積算露光量は、レジスト膜厚や光源の種類によって適宜設定できる。本発明の感光性組成物の感度は、従来の重クロム酸塩系感光性組成物(成分(C)が配合されていないもの)の感度の1.4〜16倍程度の範囲に調整して使用する。感度の範囲が、前記範囲の上限を超える場合は露光条件の調整が困難になり、一方、感度が前記範囲の下限未満の場合には、感度向上効果が少ないことを意味し、生産性が上がらない。
【0030】
上記露光後、20〜50℃、好ましくは40〜50℃の温水(純水、硬水あるいは軟水など)を使用して、公知の現像方法、例えば、スプレイ法、パドル法、ディップ法など、好ましくはスプレイ法によってレジスト膜を現像する。現像後、必要に応じて、上記レジスト膜の製版基材やフォトエッチング基材などの金属基板への密着性やエッチング液に対する耐エッチング性を向上させる目的で、上記レジスト膜を無水クロム酸の3重量%水溶液に浸漬し、浸漬後、120〜150℃にて熱処理することによって硬膜処理する。
【0031】
上記の方法で現像されたレジスト膜を使用したエッチング方法の一例としては、例えば、カゼインやポリビニルアルコールを使用したエッチングマスク(現像されたレジスト膜)を形成した金属基材(鉄を主成分とする低炭素アルミキルド冷延鋼板、鉄およびニッケルを主成分とする合金(Fe64/Ni36インバー材など)、銅合金、ニッケル合金またはステンレス鋼)を、公知の酸性エッチング液、例えば、硝酸、塩酸、塩化第2鉄、塩化第2銅など、好ましくは塩化第2鉄の40〜50重量%水溶液を使用してエッチング処理することができる。スプレイ法や浸漬法などの公知の方法により上記のエッチング液を使用して40〜80℃で上記エッチング処理を実施できる。エッチング条件は特に限定するものではないが、サイドエッチが少なく、一般的にエッチング速度が速いスプレイ法が好ましく、必要に応じて超音波照射などを併用することができる。
【0032】
上記エッチング後、エッチングマスクは、60〜100℃に加熱された水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機アミンなどの無機あるいは有機アルカリ水溶液を使用して、必要に応じて、次亜塩素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤を添加して、スプレイ法、浸漬法などの公知の方法で剥離除去し、その後、水洗処理して、金属エッチング製品が得られる。
【0033】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは重量基準である。また、本発明の感光性組成物の調製は下記の実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜(感光性組成物K1〜K
水88部に硫酸カゼイン10部を懸濁させ、この懸濁液に硼砂1部を添加し、密閉雰囲気下で80℃で15分間、加熱撹拌して均一なカゼイン水溶液を調製した。上記で得られたカゼイン水溶液に重クロム酸アンモニウム1部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、後記表1の実施例1に記載のように多価アルコールa1を1部添加し、均一混合物になるようによく撹拌して、本発明の感光性組成物K1を調製した(実施例1)。上記と同様に調整した水溶液に、多価アルコールを表1の実施例2〜に示す様に添加して、本発明の感光性組成物K2〜Kを調整した(実施例2〜)。
【0035】
実施例(感光性組成物K〜K
水88部にアンモニウムカゼネート11部を添加し、密閉雰囲気下で80℃で15分間、加熱撹拌して均一なカゼイン水溶液を調製した。上記で得られたカゼイン水溶液に重クロム酸アンモニウム1部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、後記表2の実施例に記載のように多価アルコールa1を1部添加し、均一混合物になるようによく撹拌して、本発明の感光性組成物K5を調製した(実施例)。上記と同様に調整した水溶液に、多価アルコールを表2の実施例に示す様に添加して、本発明の感光性組成物K〜Kを調整した(実施例)。
【0036】
実施例14(感光性組成物P1〜P6)
水90部にポリビニルアルコール(鹸化率88.0モル%、平均重合度500)を10部溶解させ、この水溶液に重クロム酸アンモニウム1部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、後記表3の実施例に記載のように多価アルコールa4を2部添加し、均一混合物になるようによく撹拌して、本発明の感光性組成物P1(実施例)を調製した。上記と同様に調整した水溶液に、多価アルコールを表3の実施例1014に示す様に添加して、本発明の感光性組成物P2〜P6を調整した(実施例1014)。
【0037】
実施例1520(感光性組成物P7〜P12)
ポリビニルアルコールを鹸化率88.0モル%、平均重合度300に代えて、それ以外は実施例14と同様にして表4に記載の本発明の感光性組成物P7〜P12を調製した。
【0038】
実施例2126(感光性組成物P13〜P18)
ポリビニルアルコールを鹸化率98.0モル%、平均重合度500に代えて、それ以外は実施例14と同様にして表5に記載の本発明の感光性組成物P13〜P18を調製した。
【0039】
実施例27(感光性組成物P19)
水90部にカチオン変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、C−408)を10部溶解させ、この水溶液に重クロム酸アンモニウム1部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、グリセリンを2部添加し、均一によく撹拌混合して、本発明の感光性組成物P19を調製した。
【0040】
実施例28(感光性組成物P20)
水90部にアニオン変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、KL−118)を10部溶解させ、この水溶液に重クロム酸アンモニウム1部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、グリセリンを2部添加し、均一によく撹拌混合して、本発明の感光性組成物P20を調製した。
【0041】
実施例29(感光性組成物G1)
水40部にフィッシュグルー60部を分散させ、この水溶液に重クロム酸アンモニウム3部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、グリセリンを2部添加し、均一によく撹拌混合して、本発明の感光性組成物G1を調製した。
【0042】
実施例30(感光性組成物H1)
水88部に酸処理ゼラチン11部を分散させ、この水溶液に重クロム酸アンモニウム1部を添加してよく撹拌して水溶液とし、次に該水溶液に、グリセリンを2部添加し、均一によく撹拌混合して、本発明の感光性組成物H1を調製した。
【0043】
比較例1〜9(比較例の感光性組成物Z1〜Z9)
プロピレングリコールを添加しないことを除き、実施例1、と、またジエチレングリコールを添加しないことを除き実施例1521と、さらにグリセリンを添加しないことを除き実施例27282930と同様にして比較例の感光性組成物Z1〜Z9を調製した。
【0044】
Figure 0003695649
Figure 0003695649
【0045】
Figure 0003695649
Figure 0003695649
【0046】
Figure 0003695649
【0047】
ただし、表1、表2、表3、表4および表5においてa1〜a7は下記の多価アルコールを示す。
a1:プロピレングリコール、a2:トリメチレングリコール、a3:ジプロピレングリコール、a4:ジエチレングリコール、a5:ポリエチレングリコールa6:エチレングリコール、a7:グリセリン。
【0048】
前記の各々の実施例および比較例の感光性組成物を使用し、脱脂処理された金属基板(Fe64/Ni36、150μm)に、スピンコーターにより膜厚5μm(乾燥膜厚)になるように塗布し、熱風乾燥炉を使用して50〜90℃の雰囲気下で、水分を蒸発乾燥し、塗膜にタックが残らない程度にレジスト膜を調製した。各々のレジスト膜について、それらの感度を下記の測定方法により評価した。
【0049】
(感度の測定方法)(露光量)
上記の金属基板上の各々のレジスト膜上にコダック社製ステップタブレットNo.2(Kodak Photographic Step Tablet No.2;濃度0.05〜3.05、21段階)を介して、超高圧水銀灯により(365nm)露光し、現像後に残存しているステップ段数が5段となる露光量を測定した。評価結果を表6〜表11に示す。
【0050】
Figure 0003695649
Figure 0003695649
Figure 0003695649
【0051】
Figure 0003695649
Figure 0003695649
Figure 0003695649
【0052】
【発明の効果】
本発明の感光性組成物は、従来の重クロム酸系感光性組成物に匹敵する解像度を保持したまま、極めて高感度で、露光工程の時間の短縮および活性エネルギー線露光量を削減し、印刷製版やフォトエッチング製品などの生産効率の向上を可能とする。

Claims (9)

  1. (A)重クロム酸塩およびクロム酸塩からなる群より選択された少なくとも一種の感光剤と、(B)水溶性高分子と、(C)エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールである感度向上剤と、(D)水とからなることを特徴とする感光性組成物。
  2. 前記少なくとも一種の感度向上剤(C)を、水溶性高分子(B)100重量部に対して5〜40重量部の割合で含有している請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 該感光性組成物を用いて感光性被膜を形成した場合、前記少なくとも一種の感度向上剤(C)が、該被膜中に5〜20重量%の範囲で残留するような割合で前記少なくとも一種の感度向上剤(C)が含まれている請求項1または2に記載の感光性組成物。
  4. 水溶性高分子(B)が、カゼイン、ポリビニルアルコール、ゼラチンおよびフィッシュグルーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 水溶性高分子(B)がカゼインであって、該カゼインが、酸カゼイン、アンモニウムカゼネートおよびナトリウムカゼネートからなる群より選択される請求項に記載の感光性組成物。
  6. 水溶性高分子(B)がポリビニルアルコールであって、該ポリビニルアルコールが、平均重合度300〜3,000で、かつ鹸化率70.0〜99.0mol%のポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコールおよびアニオン性ポリビニルアルコールからなる群から選択される請求項に記載の感光性組成物。
  7. 水溶性高分子(B)がゼラチンであって、該ゼラチンが酸処理したゼラチンおよびアルカリ処理したゼラチンからなる群から選択される請求項に記載の感光性組成物。
  8. さらに防腐剤を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  9. さらにノニオン界面活性剤を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性組成物。
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