JP3695175B2 - 車両用二次電池の満充電判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用二次電池の満充電判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、車両用バッテリの満充電判定装置としては、バッテリの充電時にて、その満充電時付近で、端子電圧が上昇する現象を利用して、端子電圧の上昇を検出しその上昇電圧を所定の閾値と比較して満充電状態を判定するものがある。
【0003】
しかし、車両の走行中においては、放電特性や充電特性が変化する履歴現象が発生する。このため、必ずしも、バッテリの満充電状態と、その対応端子電圧とが一致しない。よって、バッテリの満充電状態を正確に検出できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バッテリ内では、充電電流の流入直後、若しくは負荷電流の放電直後には、バッテリ内に生じる分極により、電圧変化(以下、電圧変化ΔVという)が発生する。
具体的には、バッテリ内に分極が生じていない状態では、端子電圧Vと充電電流Iと間には、数1の式の関係を有するけれど、分極が生じている状態では、数1の式に示す関係が成り立たず、数2の式にて示す電圧変化ΔVが生じることになる。
【0005】
【数1】
V=E+I・R
但し、符号Eはバッテリの起電力を示し、符号Rはバッテリの内部抵抗を示す。
【0006】
【数2】
ΔV=V−E−I・R
そこで、本発明者等は、分極による電圧変化ΔVに着目して、この電圧変化ΔVに関して調査してみると、電圧変化ΔVは、バッテリを充電することにより増大する一方、この電圧変化ΔVは、バッテリを放電することにより減少する現象(以下、電圧変化増減現象という)があることが分かった。
【0007】
この電圧変化増減現象の原因を調べてみると、電圧変化ΔVが電極表面での濃度変化に応じて生じ、当該濃度変化が分極の一要因である電解液の拡散層の発生に応じて生じることによることが分かった。
特に、十分に短い時間における電解液の濃度変化は、電極表面での電池反応に基づき生じる。このため、十分に短い時間での濃度変化は、電池反応に寄与した電気量、ひいては、電池反応に寄与した電流を積算することにより見積もることができると考えられる。
【0008】
また、電圧変化ΔVに関する調査によれば、電圧変化ΔVは、バッテリを充放電をせずに放置すると、電圧変化ΔVは次第に減少し、値としては0になる現象があることが分かった。
このように、時間の経過でもって、電圧変化ΔVが減少する現象が生じるのは、電極表面での電解液の一時的な濃度変化が、時間の経過でもって、拡散し、電極表面での電解液の濃度が、バッテリの電池漕内の平均濃度に落ちつくからである。
【0009】
そこで、発明者等は、上述した電圧変化ΔVの減少過程を詳細に調査するため、実験で、充電状態80%の鉛蓄電池に、振幅10A、波長60sec の矩形波の1波長分の電流を充電し、その時の鉛蓄電池の端子電圧を測定したところ図4に示すタイミングチャートが得られた。
ここで、図4では、図示左側縦軸は端子電圧(V)を示し、図示右側縦軸は電流(I)を示し、符号Aは当該鉛蓄電池に充電した電流を示し、符号Bは鉛蓄電池の端子電圧を示す。
【0010】
そして、本発明者等は、図4のタイミングチャートを参照し、符号Bにて示す端子電圧が指数関数的に減少することに着目して、電圧変化ΔVの減少過程は、数3の式でもってほぼ近似できることを見出した(図4にて符号VB参照)。
【0011】
【数3】
VB=L×exp{−(t−t0 )/td}+M
但し、符号L及び符号Mは定数を示し、符号t0 は電圧変化ΔVの減少の開始時間を示し、符号tdは電圧変化ΔVの減少過程の時定数を示す。
上述の如く、電圧変化ΔVの減少過程は数3にて示す指数関数で見積もられ、上記電圧変化増減現象は電流積算で見積もられる。
【0012】
これにより、分極の大きさを示す値(以下、分極指標Pという)を数4の式でもって定義できることを見出した。
【0013】
【数4】
【0014】
但し、符号P0は時刻t1直前の分極指標を示す。そして、符号tは時間を示し、符号a[1/sec ]は定数を示す。そこで、実際に車両に搭載されたバッテリにつき、その非満充電時にて、端子電圧及び充電電流を交互に複数回サンプリングして、このサンプリングによる各サンプリングデータでもって、数2及び数4の両式に基づき電圧変化ΔV及び分極指標Pを算出した。
【0015】
なお、電圧変化ΔVは、数2の式の電圧Vに端子電圧のサンプリングデータを代入すると共に、数2の式の電圧Iに充電電流のサンプリングデータを代入して算出される。そして、分極指標Pは、数4の式の充電電流Iに充電電流のサンプリングデータを代入し算出される。そして、電圧変化ΔV及び分極指標Pの関係を調べるため、横軸を電圧変化ΔVとし、縦軸を分極指標Pとする座標とした場合、図5に図示するように、互いに対応する電圧変化ΔV及び分極指標Pに基づく多数のプロット点が得られた。
【0016】
一方、上記バッテリの満充電時にて、上述した非満充電時の場合と実質的に同様に、端子電圧及び充放電電流の双方を複数回サンプリングし、これによる各サンプリングデータでもって、電圧変化ΔV及び分極指標Pを算出した。そして、上述した非満充電時の場合と実質的に同様に、横軸を電圧変化ΔVとし、縦軸を分極指標Pとする座標とした場合、図6に図示するように、互いに対応する電圧変化ΔV及び分極指標Pに基づく多数のプロット点が得られた。
【0017】
そこで、図5の各プロット点に基づき、最小二乗法でもって、非満充電時における電圧変化ΔV及び分極指標Pの双方の関係を一次近似した回帰直線(図5にて図示符号C1参照)に変換しその勾配(以下、勾配K1という)を算出した。これと共に、図6の各プロット点に基づき、満充電時における電圧変化ΔV及び分極指標Pの双方の関係を一次近似した回帰直線(図6にて図示符号C2参照)に変換しその勾配(以下、勾配K2という)を算出した。
【0018】
これにより、バッテリの満充電時の勾配K2は、その非満充電時の勾配K1よりも大きく、両勾配K1、K2の比較判定でもってバッテリの満充電時を判定できることが分かった。そこで、本発明は、このようなことに鑑みて、二次電池内に生じる分極に着目して、履歴現象による影響とは係わりなく、満充電状態を判定する車両用二次電池の満充電判定装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、車両に搭載された二次電池に流れる電流を検出する電流検出手段(40)と、二次電池の端子電圧を検出する電圧検出手段(50)と、電圧検出手段によって検出された複数の端子電圧と電流検出手段によって検出された複数の電流とに基づき、二次電池内に生じる分極による電圧変化と分極の大きさを示す分極指標との関係を示す一次直線の勾配を算出する勾配算出手段(150)と、勾配算出手段の算出勾配が、予め定められた二次電池の満充電状態の電圧変化と分極指標との関係を示す一次直線の勾配より大きいか否かを判定する判定手段(170)とを備える。なお、分極の大きさを示す分極指標は、数4の式でもって定義される値を意味する。
【0020】
このように、判定手段は、勾配算出手段による算出勾配と予め定められた満充電状態の電圧変化と分極指標との関係を示す一次直線の勾配との比較判定に応じて、二次電池の満充電状態を判定するため、履歴現象の影響とは係わりなく、精度良く満充電状態の判定をし得る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る車両用バッテリBを充電制御するための充電制御システムの一例を示す。当該バッテリBは、二次電池の一種である鉛蓄電池である。
当該充電制御システムは、図1に示すように、オルタネータ10、整流器20及びレギュレータ30を備えている。オルタネータ10は、レギュレータ30による制御のもと、当該車両のエンジンの駆動に応じて発電する。
【0022】
整流器20は、オルタネータ10からの発電出力を受けて、整流出力を発生する。これにより、オルタネータ10はその発電による電気エネルギーを整流器20を通して負荷L或いはバッテリBに供給することになる。
レギュレータ30は、整流器20からの整流電圧及び後述するマイクロコンピュータからの信号に応じて、ロータコイルR(図1参照)に流す電流量を制御する。
【0023】
具体的には、レギュレータ30は、基準電圧(以下、基準電圧Dという)と整流器20からの整流電圧との比較に応じて、ロータコイルR(図1参照)に流す電流量を制御する。これにより、オルタネータ10からの発電電圧が調整されることになる。また、マイクロコンピュータからの信号は、レギュレータ30の基準電圧Dの値を補正する役割を果たす。
【0024】
充電制御システムは、電流計40、電圧計50、マイクロコンピュータ60及び不揮発性メモリ70を備えている。電流計40はバッテリBの充放電電流を検出し、電圧計50はバッテリBの端子電圧を検出する。
マイクロコンピュータ60は、図2及び図3にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを実行し、このマイクロコンピュータ60は、コンピュータプログラムを実行中にて、電流計40からの検出電流、電圧計50からの検出電圧及び不揮発性メモリ80のデータに応じてバッテリBの満充電判定処理、その他の処理を行う。
【0025】
このように構成した実施形態の作動について説明する。マイクロコンピュータ60は、イグニッションスイッチのオンにて、図2及び図3に示すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを開始する。ステップ100で、先回算出したバッテリBの充電状態のデータが不揮発性メモリ70から呼び出され、先回の充電状態(以下、充電状態SOC0 という)として、マイクロコンピュータ60のRAMに記憶される。なお、当該充電状態(残存容量)は満充電状態を100%としたバッテリBの充電状態の割合(%)である。
【0026】
そして、ステップ110で、電流計40からの検出電流に基づきサンプリングがなされ、このサンプリングによるサンプリングデータ(以下、サンプリングデータS1という)がマイクロコンピュータ60のRAMに記憶される、
これと共に、電圧計50からの検出電圧に基づきサンプリングがなされ、このサンプリングによるサンプリングデータ(以下、サンプリングデータS2という)がマイクロコンピュータ60のRAMに記憶される。。
【0027】
ついで、ステップ120で、各サンプリングデータS1に基づき、電流積算でもって、バッテリBの充電状態(以下、充電状態SOCという)が算出される。
具体的には、数5の式でもって充電状態SOCが算出される。
【0028】
【数5】
SOC=SOC0 +{100/[容量]}・I・Δt
但し、符号SOC0 は充電状態の先回値を意味する。そして、[容量]はバッテリの定格容量(A・sec )を示し、符号Iは電流、すなわちサンプリングデータS1を意味し、符号Δtはサンプリング間隔(sec)を示す。
【0029】
そして、ステップ130で、各サンプリングデータS1、S2に基づき、電圧変化ΔVが、数2の式でもって、算出される。
具体的には、数2の式にて示す電圧VにサンプリングデータS2が代入されると共に、数2の式にて示す電流IにサンプリングデータS1が代入されて電圧変化ΔVが算出される。なお、数2の式にて示す起電力E及び内部抵抗Rの両データはマイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。
【0030】
ついで、算出された電圧変化ΔVのデータがマイクロコンピュータ60のRAMに記憶される。そして、分極指標Pのデータが、数4の式に示す電流IにサンプリングデータS1が代入されて算出される。なお、数4に示す定数aのデータはマイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。
【0031】
ついで、算出された分極指標Pのデータがマイクロコンピュータ60のRAMに記憶される。
しかして、ステップ140で、マイクロコンピュータ60のRAMに記憶された、分極指標P(或いは電圧変化ΔV)のデータ個数(以下、データ個数Mという)と閾値(以下、閾値Kという)との比較判定がなされる。当該閾値Kは、後述するステップ150の処理での最小二乗法の信頼性を確保するための最小限度のデータ個数である。
【0032】
そこで、ステップ140で、データ個数M>閾値Kであるならば、YESと判定される。
すると、ステップ150で、ステップ130での処理で算出された各分極指標Pの各データ及び各電圧変化ΔVの各データに基づき、最小二乗法でもって、分極指標P及び電圧変化ΔVの関係を示す回帰直線の勾配(以下、勾配K3という)が、算出される。そして、この勾配K3のデータがマイクロコンピュータ60のRAMに記憶される。
【0033】
そして、ステップ160で、各サンプリングデータS1、S2、各分極指標P及び電圧変化ΔVの各データが、マイクロコンピュータ60のRAMから先に記憶された順に一個づつ消去される。しかして、ステップ170で、勾配K3と、閾値(以下、閾値Nという)との比較判定がなされる。当該閾値Nは、最小二乗法でもって、満充電状態時における分極指標P及び電圧変化ΔVに関係を示す回帰直線の勾配のデータを意味する。なお、閾値Nのデータは、マイクロコンピュータ60のROMに予め記憶されている。また、閾値Nのデータは、図5にて図示回帰直線C2の勾配K2のデータに相当する。
【0034】
そこで、ステップ170で、勾配K3>閾値Nであるならば、バッテリBが満充電状態であるとYESとの判定されて、ステップ180で、マイクロコンピュータ60のRAMに記憶された充電状態SOCが満充電状態、すなわち100%に修正される。ついで、ステップ190で、当該満充電状態に応じたレギュレータ30の制御処理がなされる。
【0035】
ここで、マイクロコンピュータ60は、当該満充電状態を示す信号をレギュレータ30に出力する。レギュレータ30の基準値Dは、当該信号に応じて補正される。このように補正された基準値Dに応じて、レギュレータ30は、ロータコイルRに流す電流を少なくする。この結果、オルタネータ10からの発電電圧は下がる。
【0036】
また、ステップ170で、勾配K3≦閾値Nであるならば、非満充電状態であるとNOとの判定されて、ステップ190で、ステップ120の処理での充電状態SOCに応じて、レギュレータ30の制御処理がなされる。
ここで、マイクロコンピュータ60は上記充電状態SOCを示す信号をレギュレータ30に出力する。レギュレータ30の基準値Dは、当該信号に応じて補正される。このように補正された基準値Dに応じて、レギュレータ30は、ロータコイルRに流す電流を多くする。この結果、オルタネータ10からの発電電圧は上がる。
【0037】
その後、ステップ210で、充電状態SOCが不揮発性メモリ70に記憶され、充電状態SOC0 の値が充電状態SOCの値で置き換えられる。
具体的には、ステップ140或いはステップ170での判定処理で、NOとの判定された場合には、ステップ120での処理で算出された充電状態SOCのデータが不揮発性メモリ70に記憶される。
【0038】
なお、ステップ170での判定処理で、満充電状態であるとYESとの判定された場合には、上述の如く、ステップ180の処理で、充電状態SOCが満充電状態を示すデータに修正されているため、満充電状態を示すデータが不揮発性メモリ70に記憶される。そして、ステップ220で、イグニッションスイッチ(以下、スイッチSWという)がオンであるか否かが判定されて、スイッチSWがオンであるならばYESとの判定がなされ、ステップ110の処理がなされる。
【0039】
以上説明した如く、各サンプリングデータS1と各サンプリングデータS2とに基づき、電圧変化ΔVと分極指標Pとの関係を示す回帰直線の勾配K3が算出される。そして、当該回帰直線の勾配K3と、満充電状態における電圧変化ΔVと分極指標Pとの関係を示す回帰直線の勾配(閾値N)との比較判定でもって、満充電状態が判定される。このため、履歴現象の影響とは係わりなく、正確な満充電状態の判定をし得る。
【0040】
また、上述の如く、判定された満充電状態を示す信号がマイクロコンピュータ60でもってレギュレータ30に出力されると、当該信号に応じてレギュレータ30が制御されるため、オルタネータ10の発電出力が少なくなる。この結果、バッテリBへの充電電流が少なくなるため、バッテリBの過充電を精度よく防ぐことができる。この結果、バッテリBの寿命を延ばすことができる。
【0041】
また、上述の如く、勾配K3と閾値Nとの判定に応じてバッテリBの満充電状態の判定がなされれば、その後の処理にて、この満充電状態が初期値として、数5の式に基づき電流積算でもって充電容量が算出される。よって、数5の式に基づく充電容量の算出の精度が向上する。なお、本実施形態によれば、上述の如く、充電状態が電流積分でもって算出される。この算出充電状態に応じてレギュレータ30が制御されており、この制御に応じてオルタネータ10の発電出力が調整される。この結果、例えば、充電状態の低い場合でも、応答性良く充電されるため、不意のバッテリ上がりを未然に防ぐことができる。
【0042】
なお、本発明にあたり、バッテリBのケースの表面に温度センサを装着して、この温度センサの検出温度に応じて、勾配K3、バッテリBの起電力E、内部抵抗R及び定数a(数4の式参照)の各データを、各々、換えて各ステップの処理を行うようにしてもよい。これは、勾配K3、バッテリBの起電力E、内部抵抗R及び定数aは、各々、バッテリBの温度により値が変動するからである。
【0043】
この場合、勾配K3、バッテリBの起電力E、内部抵抗R及び定数aを、各々、各温度毎の複数のデータをマイクロコンピュータ60のROMに予め記憶しておき、マイクロコンピュータ60は、温度センサからの検出温度に応じて各データを選択して各ステップの処理を実行する。
これにより、上記実施形態に比較してより一層、精度良くバッテリBの満充電状態の判定をするこができる。
【0044】
なお、本発明にあたり、バッテリBの起電力E及び内部抵抗Rをステップ120での充電状態SOCに応じて換えて各ステップの処理を行うようにしてもよい。これは、起電力E及び内部抵抗RがバッテリBの充電状態に応じて値が変動するからである。
この場合、各充電状態SOCに応じた起電力E及び内部抵抗Rの複数のデータをマイクロコンピュータ60のROMに予め記憶しておき、マイクロコンピュータ60は、ステップ120の処理による充電状態SOCに応じて各データを選択して各ステップの処理を実行する。
【0045】
なお、本実施形態では、電圧変化ΔV及び分極指標Pの関係を示す勾配K3に応じてバッテリBの満充電状態を判定した例について説明したが、これに限らず、電圧変化ΔV及び分極指標Pを2つの変数とし、両変数の分布のばらつきを示す相関係数に基づきバッテリBの満充電状態を判定してもよい。具体的には、非満充電時には、図5に示すように、各プロット点の分布状態は直線的に集中しているが、満充電時には、図6に示すように、各プロット点の分布状態は、非満充電時に比較して拡がっている。このように、各プロット点の分布状態が、満充電時と非満充電時とで、異なる原因を調べて見ると、満充電時には、電池反応が進み難く、副反応である水の電気分解反応が相対的に進み易くなり、電圧変化ΔVが、相対的に大きくなって、非満充電時の直線的に集中した分布状態が崩れるからである。
【0046】
なお、本発明の実施にあたり、ステップ170の処理の判定でもって満充電状態であると判定された場合、その旨を当該車両の乗員に知らせるブザー或いは表示装置を設けるようにしてもよい。さらに、本発明の実施にあたり、ステップ120の処理でもって充電状態SOCが低い(例えば、30%以下)の場合には、その旨を当該車両の乗員に知らせるブザー或いは表示装置を設けるようにしてもよい。
【0047】
また、本発明の実施にあたり、上記実施形態のフローチャートにおける各ステップの処理は、それぞれ、機能実行手段としてハードロジック構成により実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータの作用の一部を示すフローチャートである。
【図3】上記マイクロコンピュータの作用の残りを示すフローチャートである。
【図4】車両用バッテリの端子に矩形状電流を流したときのその電流と、端子電圧とを示すタイミングチャートである。
【図5】非満充電時の鉛蓄電池における電圧変化ΔVと分極指数Pとの関係を示す回帰直線を調べるためのプロット分布図である。
【図6】満充電時の鉛蓄電池における電圧変化ΔVと分極指数Pとの関係を示す回帰直線を調べるためのプロット分布図である。
【符号の説明】
40…電流計、50…電圧計、60…マイクロコンピュータ、B…バッテリ。
Claims (1)
- 車両に搭載された二次電池(B)に流れる電流を検出する電流検出手段(40)と、
前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出手段(50)と、
当該電圧検出手段によって検出された複数の端子電圧と前記電流検出手段によって検出された複数の電流とに基づき、前記二次電池内に生じる分極による電圧変化と当該分極の大きさを示す分極指標との関係を示す一次直線の勾配を算出する勾配算出手段(150)と、
当該勾配算出手段の算出勾配が、予め定められた前記二次電池の満充電状態の電圧変化と分極指標との関係を示す一次直線の勾配より大きいか否かを判定する判定手段(170)とを備える車両用二次電池の満充電判定装置。
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