JP3694900B2 - シリカ系被膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シリカ被膜、炭化水素などの疎水性官能基を有するシリカ被膜、及びド−プドシリカ被膜の製造方法に関する。このようなシリカ被膜は、絶縁性、耐殺傷性、アルカリ溶出防止性などに優れ、撥水性コ−テイング膜や光導波路など機能膜として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素基を含有するシリカ、いわゆるシリコ−ンの被膜を湿式で形成する方法として、アルキルシリコンアルコキシドからなる調製液を基材に塗布し、乾燥し、膜形成する方法が一般に行われている。また、特開昭57−196744号公報、特開平4−16505号公報などには、過飽和状態までシリカが溶解したケイフッ酸、あるいはケイフッ化アンモニウム溶液に基材を入れ、溶液中でシリカ被膜を形成する、いわゆる液相析出法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアルコキシドの塗布法では、乾燥収縮による割れの発生、膜質の緻密性、基材との密着性などがしばしば問題になると言われてきた。また、従来の液相析出法では、過飽和状態までシリカが溶解した溶液を必要とするため、使用する溶液がケイフッ酸、あるいはケイフッ化アンモニウム溶液に限定されていた。本発明は、これらの問題を回避するため、新規な成膜方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、シリカ系被膜の新しい形成方法について鋭意検討を行った結果、炭化水素、弗素および水素などの疎水性官能基を有するケイ酸が溶液中で基材表面に析出し、被膜を形成することを見出だし本発明に到達した。すなわち、本発明は、炭化水素、弗素および水素の中から選ばれる少なくとも1種以上の疎水性官能基を有するケイ酸を含む水系溶液に、基材を浸漬または接触させ保持することにより、溶液中で基材表面に該疎水性官能基を含むシリカを膜として析出させ、被膜を形成することを特徴とする、シリカ系被膜の製造方法である。また本発明は、上述の方法で得られたシリカ系被膜を焼成することにより、疎水性官能基を除去した、シリカ被膜または金属元素含有シリカ被膜とすることを特徴とするシリカ系被膜の製造方法である。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0005】
本発明でいう疎水性官能基とは、炭化水素、弗素、及び水素の中から選ばれる。炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基、ビニルなどのアリ−ル基、フェニルなどの芳香族基などが挙げられる。これら疎水性官能基を有するケイ酸とは、一般式XSi(OH)3(Xは炭化水素、弗素または水素を示す。以下同じ。)で表示される一官能性シロキサンを主体とするものが代表的であるが、これに加えて、X2Si(OH)2で表される二官能性のものや、Si(OH)4で表される官能基のないものを一部含んでいても構わない。また、これらモノマ−だけでなく、これらモノマ−が疎水性官能基を残したまま重合してポリマ−の形態となったものでもよい。
【0006】
このようなケイ酸を含む溶液は、最も簡単には、例えばRnSi(OR)4-n[1≦n≦2]、FnSi(OR)4-n[1≦n≦3]、およびHnSi(OR)4-n[1≦n≦3](ただしRは炭化水素基、Fは弗素、Hは水素である)で表されるアルコキシシラン化合物を水に添加し、攪拌し、加水分解反応を進めることにより得られる。特に、アルコキシシラン化合物として、RSi(OR)3、FSi(OR)3、およびHSi(OR)3は、水による加水分解反応が速く、室温で短時間攪拌することにより反応が進行するため、好ましいものである。
【0007】
ただし、炭化水素基Rがフェニル基などの親水性に乏しい場合は、アルコキシシランと溶媒である水との混合が進みにくくなるので、水にエタノ−ルなどのアルコ−ルを添加した後、攪拌して加水分解を進めることが好ましい。また、FSi(OR)3、HSi(OR)3は水による加水分解が速すぎるため、やはりエタノ−ルなどアルコ−ルで希釈した後、水に添加し、混合することが好ましい。ただし、このようなアルコ−ルが相当量含まれる水系溶媒とする場合でも、その添加量は50vol%以下としなければ、被膜形成が困難となる。
【0008】
本発明のケイ酸溶液を得るその他の方法としては、RSiCl3などのアルキルクロロシランを水に加え、加水分解する方法があげられる。また、メチル基を有するケイ酸の稀薄溶液が市販されており、それを用いることもできる。
【0009】
疎水性官能基を有するケイ酸の溶液濃度は、SiO2換算で0.005〜0.5mol/lの範囲にすることが好ましい。0.005mol/l未満では、ケイ酸の液中密度が小さすぎて、基材表面への膜の析出が認めにくい。また、ケイ酸の濃度が増加するにつれて、基材表面での膜形成のみならず、液中でのコロイド粒子の凝集も増し、沈殿を生成したり、基材表面に付着したりする現象が見られる。ケイ酸の濃度をさらに高くしても、膜形成に預からない沈殿凝集粒子が増えるだけの状態を示し始める。従って、ケイ酸濃度の上限を設けることは難しいが、そのような状態が激しくならない濃度は、SiO2換算で0.5mol/l以下である。通常は、0.01〜0.1mol/lの範囲が適当であり、さらに好ましくは、0.02〜0.06mol/lの範囲である。
【0010】
本発明の被膜形成プロセスは、基本的には、上記の成膜用溶液に基材を浸漬し、所定温度に保持しておくだけでなされる。被膜は時間経過とともに、溶液中で基材表面に次第に厚く形成されていく。被膜形成を促進するために、基材を浸漬した溶液は通常、室温以上の温度に加温した状態で保持される。その際、液の蒸発を防ぐため、容器を密閉することが好ましい。また、溶液を攪拌したり、時間経過とともに減っていく溶液中のケイ酸を補給するため、溶液を循環系にすることも好ましい方法である。
【0011】
基材としては、ガラス、プラスティック、金属などあらゆる種類のものを用いることができる。
【0012】
炭化水素基を有するシリカ被膜を形成するために、成膜用溶液として、上記炭化水素基を有するケイ酸と水、アルコールなどの溶媒のみを含む溶液を使用しても勿論構わないが、この溶液に弗素化合物を溶解することにより、被膜形成を最も促進することができる。弗素化合物としては、水に溶解性をもつ物ならいかなるものでも使用できるが、特にNH4F、KF、NaF、H2SiF6、(NH4)2SiF6が好ましい。HFはシリカ系物質を溶かすため、溶液中に含まれるケイ酸を溶かすに相当する量以上に添加することはできないが、ごく微量の添加は膜形成を促進する。溶液中の弗素化合物の濃度は、F濃度として0.8〜3.5atm/lの範囲が好ましく、さらに、好ましくは1.0〜2.5atm/lの範囲である。
【0013】
成膜液のpHは、フッ化アンモニウム系で6〜7.5、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム系で8〜9、ケイフッ化アンモニウム系で3〜4、ケイフッ酸系で3以下である。特にフッ化アンモニウム、フッ化カリウム系は中性付近にあり、取扱いが容易である。
【0014】
炭化水素基を有するシリカ被膜の形成を促進させるもう一つの方法は、炭化水素基を有するケイ酸と水を含む溶液に、酸、アルカリ、及び/または無機塩を添加する方法である。酸またはアルカリを触媒として添加する方法では、例えば、HCl、HNO3などの酸の場合、0.003〜0.02mol/l、アンモニアなどのアルカリの場合も同程度の微量で十分成膜を行うことができる。しかしながら、最も効果的で好ましいのは、HClを1〜2mol/lと高濃度添加する方法である。酸性側では、膜の密着性がよくなるので、特に酸を添加することが好ましい。また、NH4Cl、NH4F、KCl、KF、NaClなどの無機塩の場合は、0.003〜0.03mol/l程度の微量の添加で成膜可能であるが、1mol/l程度の大量の添加を行っても構わない。
【0015】
以上記載した炭化水素を有するケイ酸溶液を加温して保持すると、ケイ酸コロイドの凝集により、液の濁りが増す場合がある。この凝集コロイドは、膜形成に関与しないばかりか、膜表面に付着するため、膜面の平滑性を悪くする。従って、この場合、調製した液を室温〜80℃で0.1〜数十間保持することにより、凝集コロイド粒子の生成をほぼ終了させ、これを分離し、残液で成膜処理することがよい。たとえば、メチルケイ酸とフッ化アンモニウムからなる液では、60℃で2〜4時間程度保持すれば、凝集コロイド粒子の生成はほぼ終了時点に達する。凝集粒子を分離する方法として、通常、フィルタ−による濾過が適する。フィルタ−の孔径は0.1μm以上であることが好ましい。
【0016】
凝集粒子の分離によって、成膜に供する液中のSiO2濃度は、調製液に比較して当然減少するが、0.01〜0.04mol/lの範囲にあれば、特に問題はない。この範囲に収まるように、保持時間と温度を選べば良い。
【0017】
疎水性官能基として弗素または水素を有するケイ酸溶液は、FまたはHを有するシリコンアルコキシド、たとえば、FSi(OCH3)3、FSi(OC2H5)3、HSi(OCH3)3、HSi(OC2H5)3などのアルコキシドを水に添加し、攪拌すればよい。この場合、すでに述べたように、アルコ−ルで薄めて、水に添加することが好ましい。溶媒としては、水以外に、水/アルコ−ル混和溶液、シリカが飽和溶解したNH4 F溶液などが使用できる。
【0018】
本発明の製造方法のもう一つは、金属元素含有シリカ被膜に関する。すなわち、疎水性官能基を有するケイ酸溶液に、加水分解する性質をもつ金属フッ化物を添加し、上述の成膜処理を行うことにより、金属元素を含有したシリカ被膜を形成する方法である。加水分解する性質をもつ金属フッ化物として、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Nb、Ta、Sb、Pb、Snなどのフッ化物が存在する。特に、TiF4、SbF3、SnF2およびNbF5が好ましい。成膜用溶液は、例えば最も簡単には、CH3Si(OCH3)3などのアルキルアルコキシドを水に添加し、数時間攪拌し、加水分解させた後、金属フッ化物を加え、混合溶解させればよい。
【0019】
添加する金属フッ化物の濃度は、形成しようとする膜組成に応じて決定されるが、成膜用溶液の組成と膜組成は、通常同じにならない。膜に含有される金属元素は、溶液中の組成より多くなる傾向がある。たとえばスズの場合、溶液組成を原子比Sn/Si=1/10にすると膜組成はSn/Si=1/3程度となる。またチタンの場合、溶液組成Ti/Si=1/10にすると、膜組成はTi/Si=2/1程度となる。通常、シリカ被膜への金属ド−プ量は1〜20モル%の範囲であるので、溶液組成として金属元素/Si原子比を1/20〜1/100の範囲として行えばよい。
【0020】
成膜処理は、溶液に基材を浸漬し、通常、室温から100℃までの温度に保持することにより行われる。この加温は、溶液中のケイ酸の重合反応を高め、膜形成を促すためになされる。特に好ましい温度は、30〜70℃である。その場合、膜形成速度は、5〜50nm/h程度である。加圧容器を用いれば、勿論、100℃以上の温度に保持しても構わない。
【0021】
本発明で得られる析出被膜は、疎水性官能基を含有したシリカ被膜である。たとえば、メチル基を有するケイ酸から得られた被膜は、通常、10〜16モル%のCH3を含有するシリカ被膜となる。また、弗素または水素を有するケイ酸から得られた被膜は、1〜5モル%の弗素または水素を有するシリカ被膜となる。また、メチル基を有するケイ酸と金属フッ化物を含む溶液から得られた被膜は、通常、メチル基と少量の弗素および金属元素を含有する被膜となる。これら炭化水素、弗素、水素は、ケイ素原子に結合した状態で含有されていると推定される。
【0022】
この析出被膜は、加熱することにより、疎水性官能基成分が除去されたシリカ被膜に容易に変換し得る。たとえば、メチルなど炭化水素基を有するシリカ被膜は、大気中、500℃以上の焼成で炭素分のないシリカ被膜となる。また、弗素を含むシリカ被膜は、大気中、300℃以上の焼成でほぼ弗素のないシリカとなる。
【0023】
本発明で成膜を可能とならしめている物質は、疎水性官能基をもつケイ酸である。この物質が水溶液中に稀薄濃度存在する場合、基材表面でのケイ酸の重合が被膜を形成する形で促進されるためと推定される。したがって、疎水性官能基をもたないケイ酸では成膜は不可能である。また、本発明は従来の液相析出法と異なり、過飽和状態までシリカが溶解した溶液を必要とせず、従って、過飽和状態を作り出すための添加剤の投与も必要としない。
【0024】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明をさらに説明する。しかし本発明は、これら実施例にのみ限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
出発液として、メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3)を純水に添加し、4時間攪拌混合して得た4wt%溶液、フッ化アンモニウム試薬を純水に溶解した36%NH4F溶液、および純水を用いた。メチルトリメトキシシラン溶液を純水で薄め、そこにNH4F溶液を投入するという操作で、表1に示す組成の液を調製した。これら調製液を、それぞれ表1に示す条件で保持した。その後、孔径0.2μmのフィルタ−を用いて、凝集コロイド粒子を分離し、成膜用の液を得た。各製膜用液中のSi濃度及びpHは表1に示す通りであった。これらの液を、一旦減圧にし、液中のガスを追い出した後、基材として、ソ−ダライムガラス板とシリコンウエハ−を液中に浸漬し、密封カバ−をつけて、60℃の恒温槽に入れ、表1に示す時間保持した。その後、基材を取り出し、水で洗浄し、乾燥した。基材表面には膜が形成されており、膜厚をSEM観察により求めた。得られた結果を表1にまとめて示す。
【0026】
【表1】
【0027】
(実施例2)
実施例1で得られたシリコンウエハ−基板上の膜を赤外吸収スペクトルにより分析した。Si−O結合に基づく吸収とSi−CH3結合に起因する吸収が観察され、シリコ−ン系の膜が形成されていることが判った。また、ESCAによる分析の結果、主成分として、Si、O、Cが検出された。C含量は、表1のNo1の試料で15atm%、No12で12atm%であった。これらの結果から得られた膜は、メチル基を含む酸化ケイ素(シリコ−ン)であることが確認された。
【0028】
(実施例3)
市販シリカゾル(商品名「セラメ−トC−100」)とNH4F溶液及び純水を用いて、表2に示す組成の調製液を作成した。調製液を60℃で2h保持することにより、凝集粒子を生成させ、それを孔径0.2μmのフィルタ−で分離した液を成膜用液とした。基材として、ソ−ダライムガラス、シリコンウエハーを用い、40℃で成膜処理を行った。基材上には、緻密な膜が形成さており、実施例2と同様の分析の結果、シリコ−ン系被膜と確認された。結果をまとめて表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
(実施例4)
出発液として、メチルトリエトキシシランを純水に添加し15時間攪拌して得た4%溶液、フッ化カリウム試薬を純水に溶解した45%溶液、および純水を用いた。メチルトリエトキシシラン液を純水で薄めた液を攪拌し、そこにKF溶液を投入するという操作で、表3に示す組成の液を調製した。これら調製液を表3に示す条件で保持した。以下、実施例1と同様の方法で、フィルター瀘過及び減圧処理した後、表3に示す製膜処理条件で成膜を行い、膜厚をSEM観察により求めた。また得られた膜について、実施例2と同様の分析を行い、シリコ−ン系被膜であることを確認した。さらに、膜中にはカリウムがまったく含まれないこともESCA分析の結果、判った。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
(実施例5)
実施例1のソ−ダライムガラス基板上のシリコーン系被膜(表1のNo1)を大気中で、200、300、400、又は500℃で各1時間焼成した。ESCAによる分析の結果、300℃までの膜にはC成分が含まれるが、それ以上の温度では、Cがまったく含まれないシリカ系被膜となることがわかった。実施例4のシリコンウエハー上の試料(表3のNo1)をHe中で、400、500、又は600℃で各1時間焼成した。IRによる分析の結果、600℃でシリカ系被膜になることが判った。焼成した膜は、割れの発生を伴わない、緻密なものであった。
【0033】
(実施例6)
ケイフッ化アンモニウム溶液(濃度1mol/l)100ml中に、メチルトリメトキシシランを純水中で加水分解した4wt%溶液9mlを加えた。液を減圧にし、脱気した後、基材としてシリコンウエハ−とソ−ダライムガラスを浸漬し、60℃で20h保持し成膜処理した。基材表面には、厚み0.6μmの膜が形成されており、実施例2と同様の分析の結果、シリコ−ン系膜であることが判った。
【0034】
(実施例7)
40℃の恒温槽に保ったケイフッ化水素酸溶液(濃度2mol/l)100ml中に、メチルトリメトキシシランを純水中で加水分解した4wt%溶液9mlを加え、攪拌した。そこに、基材としてシリコンウエハ−とソ−ダライムガラスを浸漬し、40℃で20h保持し成膜処理した。基材表面には、厚み0.5μmの膜が形成されており、実施例2と同様の分析の結果、C成分が極めて少ない酸化ケイ素膜であることが判った。
【0035】
(実施例8)
CH3Si(OCH3)340gを純水1000mlに入れ5時間攪拌し加水分解して得たケイ酸溶液、濃塩酸および純水を用い、それぞれの量を、11ml/10ml/79ml、11ml/20ml/69mlおよび11ml/30ml/59mlの割合で混合した3種の溶液を調製した。一旦減圧して脱気した後基材として、シリコンウエハ−とソ−ダライムガラスを各溶液に浸漬し、60℃で20h保持し成膜処理した。各基材表面には膜が形成されており、膜の厚みはSEM観察より約0.4μmであると判った。また、赤外線吸収スペクトルとESCAによる分析の結果、この膜はCH3基を有する酸化ケイ素(シリコ−ン)であることが判った。
【0036】
(実施例9)
CH3Si(OCH3)3の加水分解液と、添加剤として1.0モル/リットルのHCl溶液、1.6モル/リットルのNH3 水の一方或いは両方を用いて、表4No1−5の調製液を調製した。これらの調製液各100mlを用い、実施例1と同様にして成膜実験を行い、シリコ−ン被膜が形成されていることを確認した。以上の結果を表4のNo1〜5に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
(実施例10)
CH3Si(OC2H5)3とSi(OCH3)4をモル比3:1で水に加えた溶液と、添加剤として1.6モル/リットルのNH3溶液、2.3モル/リットルのHF溶液、および1.0モル/リットルのHNO3溶液とを用いて、表4のNo6−8の調製液を調製した。各々の液100mlに、基材としてソ−ダライムガラス板を浸漬し、30℃で、40時間保持した後、基材を取りだし、水で洗浄し、乾燥させ、基材上に膜が形成されていることを確認した。膜厚をSEM観察から求めた。以上、得られた結果を表4のNo6〜8に示す。
【0039】
(実施例11)
オルガノシロキサンを含む市販シリカゾル(商品名セラメ−トC−100)と添加剤としてNH3、HCl、HFを使用して、表5の初期調製液を調製した後調製液を表5に記載の温度、時間で放置し、初期沈殿を発生させた。その液を孔径0.2μmのフィルタ−に通し、沈殿を除去した。瀘液を調製液としてソーダライムガラス又はシリコンウエハーの基材を浸漬し、60℃で15時間保持し、シリコ−ン系膜の形成を行った。以上の結果を表5のNo1〜6に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
(実施例12)
添加剤として、1mol/lの濃度に調製したNH4F溶液、NH4Cl溶液KF溶液、KCl溶液、およびNaCl溶液を用いた以外は、実施例10と同様の方法で表6の初期調製液を調製し、表6に記載の温度、時間で放置し、初期沈殿を発生させた。その液を実施例10と同様にして瀘過し、瀘液を調製液としてソーダライムガラスを60℃、20時間浸漬し、表6のNo1〜9の結果を得、シリコ−ン膜の形成を確認した。
【0042】
【表6】
【0043】
(実施例13)
CH3SiCl3を水に吸収させ、加水分解した溶液(Si濃度0.2モル/リットル)をケイ酸溶液として用いた以外は、実施例11と同様の方法で表7の初期調製液を調製し、表7に記載の時間、温度で放置し、初期沈殿を発生させた。その液を実施例11と同様にして瀘過し、瀘液を調製液としてソーダライムガラスを70℃、15時間浸漬し、表7のNo1〜4の結果を得、シリコ−ン膜の形成を確認した。
【0044】
【表7】
【0045】
(実施例14)
実施例8で出発液として用いたケイ酸溶液をSi濃度0.15mol/lとなるよう純水で薄め、80℃で20時間保持した。これにより、液の濁りが増加したので、孔径0.2μmのフィルタ−で凝集沈殿を除去した。除去後の瀘液中のSi濃度は、0.12mol/lとなった。この瀘液に基材としてスライドガラスを液面に垂直となるように浸漬した。容器を密閉後、再び80℃で20時間保持した。これにより、スライドガラス上にシリコ−ン膜が形成できた。
【0046】
(実施例15)
実施例8で得られたガラス基板上のシリコ−ン被膜を大気中500℃で1時間焼成した。ESCAによる分析の結果、SiとOのみが検出され、CH成分が除去されたシリカ膜になることが判った。
【0047】
(実施例16)
試薬フルオロトリエトキシシラン、FSi(OC2H5)30.54gをエタノ−ル10mlに溶かし、それを水90mlに攪拌しながら添加した。液は懸濁したが、30分間静置した。その後、基材として、シリコン基板とソ−ダライムガラス板を浸漬し、密封した。それを40℃に保持した恒温槽に入れ、40時間放置した。一方、同様にして、保持温度を70℃とし、24時間放置する実験も行った。それぞれの放置後、基材を液から取り出し、水で洗浄し、乾燥させた。保持温度にかかわらず、シリコン基板、ソ−ダライムガラスのどちらの基材上にも、薄膜が形成されていた。
【0048】
シリコン上の薄膜の赤外吸収スペクトルを測定した結果、SiO2に特有な吸収が見られた。またESCAにより分析した結果、Si:33atm%、O:65atm%、F:2atm%の値が得られた。これらの結果から、少量の弗素を含む二酸化ケイ素の薄膜が得られていることがわかった。またSEM観察によって膜を観察した結果、膜厚は、保持温度40℃で0.3μm,70℃で0.2μmであることがわかった。
【0049】
(実施例17)
試薬トリメトキシシラン、HSi(OCH3)30.49gをエタノ−ル20mlに溶かし、それを水80mlに攪拌しながら添加した。液は懸濁したが、30分間静置した。その後、基材としてシリコン基板とソ−ダライムガラス板を浸漬し、密封した。それを60℃に保持した恒温槽に入れ、40時間放置した。放置後、基材を液から取り出し、水で洗浄し、乾燥させた。シリコン、ソ−ダライムどちらの基材上にも、多孔質の薄膜が形成されていた。
【0050】
シリコン上の薄膜の赤外吸収スペクトルを測定した結果、SiO2に特有な吸収が見られた。また、ESCAにより分析した結果、Si:35atm%、O:65atm%の値が得られた。これらの結果から、二酸化ケイ素の薄膜が得られていることがわかった。またSEM観察によって膜を観察した結果、膜厚は、0.2μmであることがわかった。
【0051】
(実施例18)
出発液として、メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3)を純水に添加し、4時間攪拌混合した4wt%溶液と、TiF4試薬、および純水を用いた。メチルトリメトキシシラン溶液を純水で薄め、攪拌しながら、そこに、TiF4を所定量投入し、さらに攪拌するという操作で、表8に示す組成の液を調製した。これらの液を、一旦減圧にし、液中のガスを追い出した後、基材として、石英ガラス板とシリコンウエハ−を液中に浸漬し、密封カバ−をつけて、60℃の恒温槽に入れ、15時間保持した。その後、基材を取り出し、水で洗浄し、乾燥した。
【0052】
基材表面には膜が形成されており、膜厚をSEM観察により求めた。またシリコンウエハ−基板上に形成された膜を、赤外吸収スペクトルにより分析したところ、Si−O結合に基づく吸収と、Si−CH3結合に起因する吸収とが観察され、炭化水素基含有シリカ被膜が形成されていることが判った。また、ESCAによる分析の結果、主成分としてSi、Ti、O、Cが検出され、さらにNo.1の被膜ではFが検出された。結果を表8に示す。表中、n.d.は検出されないことを示す。膜組成は表8に示す通りであり、Tiがド−プされていることが判った。
【0053】
【表8】
【0054】
(実施例19)
TiF4試薬をSnF2試薬に代えた以外は、実施例18と同様の方法で膜形成を行った。基材表面には膜が形成されており、膜圧をSEM観察により求めた。またシリコンウエハー基板上に形成された膜を、赤外吸収スペクトルにより分析したところ、Si−O結合に基づく吸収と、Si−CH3結合に起因する吸収とが観察され、炭化水素含有シリカ被膜が形成されていることが判った。また、ESCAによる分析の結果、主成分としてSi、Sn、O、Cが検出され、さらにNo.1の被膜ではFが検出された。結果を表9に示す。表中、n.d.は検出されないことを示す。膜組成は表9に示す通りであり、Snがド−プされていることが判った。
【0055】
【表9】
【0056】
(実施例20)
実施例18、19で得られた石英ガラス板上の膜を大気中、800℃で、1時間、焼成した。得られた膜をESCAにより分析した結果、C、Fはまったく検出されず、実施例18で得られた膜を焼成したものからは、Si、O、Tiのみが検出され、実施例19で得られた膜を焼成したものからは、Si、O、Snのみが検出された。ド−プ元素であるTi、SnのSiに対するモル比はそれぞれ焼成前と同じであった。このことから、TiあるいはSnがド−プされ、炭化水素基を含まないシリカ膜であることが判った。
【0057】
(実施例21)
ビニルトリメトキシシランCH2 CHSi(OCH3)3、トリフルオロプロピルトリメトキシシランCF3CH2CH2Si(OCH3)3、水及びフッ化アンモニウムを用いて、ビニルトリメトキシシラン0.03mol/l及びフッ化アンモニウム1.5mol/lを含む溶液、ならびにトリフルオロプロピルメトキシシラン0.03mol/l及びフッ化アンモニウム1.5mol/lを含む溶液をそれぞれ調製した。各溶液をガラス製ビ−カ−に入れ、攪拌しながら60℃に加熱し、15時間保持した。保持後、溶液を排出し、ビ−カ−の内面に被膜が形成されていることを確認した。ビ−カ−の一部を切り出し、IRスペクトルを測定した結果、それぞれビニル基を含むシリカ被膜、トリフルオロプロピル基を含むシリカ被膜であることがわかった。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、液相中でシリカ系被膜を直接形成する方法を提供する。本法の特徴として、低温で膜形成できる、大面積の膜形成が容易である、一度に大量の膜付けが行える、任意形状の表面に膜形成可能、さらに、製造装置が簡便なものとなるなどが挙げられる。従って、工業上、価値ある方法となる。
Claims (8)
- 炭化水素、弗素および水素の中から選ばれる少なくとも1種以上の疎水性官能基を有するケイ酸を含む水系溶液に、添加剤として、フッ化チタン、フッ化アンチモン、フッ化スズ、フッ化ニオブ、及びフッ化タンタルの中から選ばれる少なくとも1種以上を溶解させ、その溶液に基材を浸漬または接触させ保持することにより、添加金属元素と疎水性官能基とを含有するシリカを、膜として溶液中で基材表面に析出させて被膜を形成することを特徴とする、シリカ系被膜の製造方法。
- 疎水性官能基を有するアルコキシシラン化合物を水系溶媒に添加し、加水分解することにより、疎水性官能基を有するケイ酸を含む水系溶液を調製することを特徴とする、請求項1に記載のシリカ系被膜の製造方法。
- 疎水性官能基を有するアルコキシシシランとして、以下の化合物を使用することを特徴とする、請求項2に記載のシリカ系被膜の製造方法;
RnSi(OR)4−n[1≦n≦2]、
FnSi(OR)4−n[1≦n≦3]、または
HnSi(OR)4−n[1≦n≦3]
(ただし、Rは炭化水素基、Fは弗素、Hは水素を示す)。 - FnSi(OR)4−nおよび/またはHnSi(OR)4−n(ただし、Rは炭化水素基、nは1≦n≦3を示す)を水系溶媒に添加し、加水分解することにより調製した疎水性官能基を有するケイ酸を含む水系溶液に、基材を浸漬または接触させ保持することにより、該疎水性官能基を含むシリカを、膜として溶液中で基材表面に析出させて被膜を形成することを特徴とする、シリカ系被膜の製造方法。
- 炭化水素基を有するケイ酸を含む水系溶液に、酸(フッ酸およびケイフッ化水素酸を除く)、アルカリ、及び/又は無機塩を溶解させ、その溶液に基材を浸漬または接触させ保持することにより、該炭化水素基を含むシリカを、膜として溶液中で基材表面に析出させて被膜を形成することを特徴とする、シリカ系被膜の製造方法。
- 基材を浸漬または接触させた溶液を、室温以上の温度に加熱した状態で保持することにより、被膜形成を促進させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ系被膜の製造方法。
- 溶液中の疎水性官能基を有するケイ酸濃度が、SiO2濃度として、0.005〜0.5モル/リットルの範囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のシリカ系被膜の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかの項に記載の方法で得られたシリカ系被膜を焼成することにより、疎水性官能基を除去した、シリカ被膜または金属元素含有シリカ被膜とすることを特徴とするシリカ系被膜の製造方法。
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