JP3693199B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、電子部品に用いられる保護膜等を形成するための材料、または層間絶縁膜、特に、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の層間絶縁膜を形成するための材料として好適な低誘電性の感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品においては、その劣化や損傷を防止するための保護膜、素子表面を平坦化するための平坦化膜、電気絶縁性を保つための絶縁膜等が設けられている。
また、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す。)型液晶表示素子や集積回路素子においては、層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。
【0003】
しかし、従来知られている電子部品用の熱硬化型絶縁膜形成用の材料を用いて、例えば、層間絶縁膜を形成する場合には、必要とするパターン形状の層間絶縁膜を得るためには工程数が多く、しかも十分な平坦性を有する層間絶縁膜が得られないという問題があるため、パターニング可能な感光性の絶縁膜形成材料が求められてきた。また、近年、配線やデバイスの高密度化に伴い、これらの材料に低誘電性が望まれるようになってきた。
【0004】
しかしながら、感光性、感光後のアルカリ性水溶液による現像性、得られる膜の耐熱性、耐溶剤性および透明性を良好に維持しつつ、得られる膜の低誘電化を図ることは困難であった。即ち、アルカリ性水溶液による現像が可能である感光性を付与するための感光剤および耐熱性や耐溶剤性を発現させるための架橋剤には得られる膜の誘電率を高めるように作用するものが多いため、これらの特性と低誘電化とを同時に実現することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、アルカリ性水溶液で現像でき、その感度が高く、かつ解像度に優れた感放射線性を有し、しかも、絶縁性、平坦性、耐熱性、耐溶剤性、透明性等の諸性能に優れるのみならず、低誘電率であるパターン状薄膜を容易に形成することができる、感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の感放射線性組成物は、
(A)ラジカル重合性(フッ素化)炭化水素(a)に由来する構造単位、
不飽和カルボン酸(b)に由来する構造単位、
酸により分解され、カルボキシル基を生じる不飽和カルボン酸エステル(c)に由来する構造単位、および
カルボキシル基と反応し架橋を形成しうる官能基を有するラジカル重合性化合物(以下、「架橋性単量体」ともいう)(d)に由来する構造単位
を含有する共重合体と、
(B)感放射性酸発生剤(以下、「酸発生剤」ともいう)と
を含有する組成物であって、該組成物を硬化して得られる硬化物の比誘電率が3以下であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の組成物について具体的に説明する。
(A)共重合体
(A)成分の共重合体(以下、「共重合体(A)」という)は、(a)〜(d)の単量体に由来する構造単位(単量体単位)を必須として含むものである。
【0008】
ラジカル重合性(フッ素化)炭化水素(a)
ラジカル重合性(フッ素化)炭化水素(a)は、構造中にラジカル重合性の不飽和二重結合を有する炭化水素またはフッ素化された炭化水素であり、共重合体(A)の誘電率を低減する働きをする。
このようなラジカル重合性(フッ素化)炭化水素(a)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−iso −プロピルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−シクロヘキシルスチレン、p−フェニルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルアントラセン等の芳香族ビニル化合物;2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2,3−ジフルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、3,4−ジフルオロスチレン、3,5−ジフルオロスチレン、2−トリフルオロメチルスチレン、3−トリフルオロメチルスチレン、4−トリフルオロメチルスチレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)スチレン、2,4−ビス(トリフルオロメチル)スチレン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)スチレン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)スチレン、3,4−ビス(トリフルオロメチル)スチレン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)スチレン、ペンタフルオロスチレン等のフッ素含有芳香族ビニル化合物;ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、1,4−ジメチルブタジエンなどの共役ジエン化合物を挙げることができる。これらは一種単独でも適宜二種以上組み合わせて用いても良く、好ましくは芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを組み合わせて用いられる。
共重合体(A)において、単量体(a)〜(d)に由来する各構造の含有比率は目的に応じて適宜選定されるが、ラジカル重合性(フッ素化)炭化水素(a)に由来する構造単位は、通常10〜50重量%であることが好ましい。
【0009】
不飽和カルボン酸(b)
不飽和カルボン酸(b)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸およびこれらのジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらのうち、好ましいものとして、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸が挙げられる。この中でも低誘電率の発現には、メタクリル酸が特に好ましい。また、これらの化合物は、一種単独でまたは適宜二種以上組み合わせて用いることができる。
【0010】
不飽和カルボン酸(b)に由来する構造単位は、通常3〜50重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。不飽和カルボン酸(b)に由来する構造単位は、共重合体に適度なアルカリ溶解性を付与するものであり、共重合体中の該構造単位が少なすぎると、得られる組成物の感度が低下し、また、多すぎるとアルカリ性水溶液への溶解性が高くなりすぎるため、現像時の残膜率を保持できない。
【0011】
不飽和カルボン酸エステル(c)
不飽和カルボン酸エステル(c)は、酸により加水分解されてカルボキシル基を生じる不飽和カルボン酸エステルであり、放射線照射により酸発生剤から発生した酸により分解されて、共重合体(A)にアルカリ可溶性を付与するものである。具体例としては、不飽和カルボン酸のt−ブチルエステル、ピラニルエステル、t−アミルエステル、ジメチルベンジルエステル、3−オキソシクロヘキシルエステルが挙げられる。これらのうち、好ましいものとして、t−ブチルエステル、ピラニルエステルが挙げられ、特にメタクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸ピラニルエステルが好ましい。
【0012】
不飽和カルボン酸エステル(c)に由来する構造単位は、通常3〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。該構造単位に由来する構造単位が少なすぎると感度が低下する傾向にあり、また、多すぎると感度は高まるものの、他の共重合成分の比率、特に低誘電性をもたらすラジカル重合性炭化水素に由来する構造単位の比率の減少により、誘電率の低減が不十分となる場合がある。
【0013】
架橋性単量体(d)
架橋性単量体(d)は、カルボキシル基(COOH)と反応し架橋を形成しうる官能基を有するラジカル重合性化合物である。ここで、カルボキシル基と反応し架橋を形成しうる官能基としては、例えば、アルコール性水酸基、ベンジルエーテル基、ベンジルアセテート基等があげられる。
【0014】
このような架橋性単量体(d)としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、ビニルベンジルアルコール、ビニルベンジルアセテート、ビニルベンジルメチルエーテル等が挙げられる。これらの架橋性単量体のうち、アルコール性水酸基を有する化合物が好ましく、特に好ましくはメタクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。
共重合体(A)における架橋性単量体(d)に由来する構造単位は、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。該架橋性単量体に由来する構造単位は、パターン形成後の組成物を加熱して架橋させることにより耐熱性を高めるのに寄与するものである。したがって、該構造単位が少なすぎると架橋密度が十分に高まらず、得られる膜の耐熱性が不足する場合がある。また、多すぎると、耐熱性は向上するものの、他の共重合体成分、特にラジカル重合性(フッ素化)炭化水素(a)に由来する構造単位の含有率低下により誘電率の低減が不十分となる場合がある。
【0015】
任意的単量体
共重合体(A)は、上述した単量体(a)〜(d)を必須の単量体単位として含む他に、場合によっては、それ以外のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を含んでもよい。
このような任意的な単量体としては、例えば、(C)成分以外の(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられ、これは共重合体(A)の溶解性、硬度、ガラス転移温度、接着強度等を向上させたり、製造の際の重合速度の向上のために、共重合成分として使用することができる。
【0016】
このような(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、共重合体(A)において10重量%以下の範囲で共重合させてもよい。
【0017】
共重合体(A)のポリスチレン換算数平均分子量は、本発明の組成物が後述する有機溶剤に均一に溶解し、アルカリ性水溶液での現像が可能である限り、特に限定されるものではないが、通常、1000〜20000の範囲である。
【0018】
共重合体(A)は、通常、上記の単量体(a)〜(d)および場合により用いられる任意的単量体を、例えば不活性溶媒中でラジカル重合することにより得られる。
単量体の重合に用いられる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤を使用することができ、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、3、5、5ートリメチルヘキサノイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物や過酸化水素等を挙げることができる。また、過酸化物を重合開始剤として使用する場合には、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型の開始剤として使用してもよい。
【0019】
単量体の重合に用いられる重合溶媒としては単量体と生成する共重合体が溶解し、重合反応に阻害しないものであれば、特に制限はない。例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類が挙げられる。
【0020】
これらの中では、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセロソルブアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類を、各単量体の溶解性および重合反応時にゲルが発生し難い点で好適に用いることができる。
【0021】
特に好ましくは、3ーエトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびメチルアミルケトンが挙げられる。ラジカル重合反応の温度は、反応に用いる単量体の重合性、重合開始剤の分解温度等に応じて決めれば良く、通常、10〜150℃、好ましくは、50〜120℃の範囲である。また、反応時間は通常、0.5〜50時間である。
【0022】
(B)感放射線性酸発生剤
本発明で規定される(B)酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルフォニウム塩、フェニルジアゾニウム塩の如きオニウム塩;イミドスルホネート誘導体、トシル化合物、ベンジル誘導体のカルボナート化合物、トリアジン誘導体のハロゲン化物等が挙げられる。
これらの酸発生剤のうち、具体的なジフェニルヨードニウム塩を構成するカチオンとしては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニル−フェニルヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム等があげられ、トリフェニルスルフォニウム塩を構成するカチオンとしては、トリフェニルスルフォニウム、メトキシフェニル−ジフェニルスルフォニウム、ビス(メトキシフェニル)−フェニルスルフォニウム、トリス(メトキシフェニル)スルフォニウム、4-メチルフェニル−ジフェニルスルフォニウム、2,4,6−トリメチルフェニル−ジフェニルスルフォニウム、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルフォニウム、トリス(4−t−ブチルフェニル)−ジフェニルスルフォニウム等のカチオンが挙げられる。また、アニオンとしては、ナフタレン−1−スルフォネート、ナフタレン−2−スルフォネート、2−t−ブチル−ナフタレン−2−スルフォネート等のナフタレン誘導体;アントラセン−1−スルフォネート、アントラセン−2−スルフォネート、9−ニトロアントラセン−1−スルフォネート、5,6−ジクロロアントラセン−3−スルフォネート、9,10−ジクロロアントラセン−2−スルフォネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2,5−ジスルフォネート、9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルフォネート、ベンズ(a)アントラセン−4−スルフォネート等のアントラセン誘導体;フェナンスレン−2−スルフォネート、ピレン−スルフォネート、トリフェニレン−2−スルフォネート、クリセン−2−スルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、ベンゼンスルフォネート、アントラキノンスルフォネート等のアニオンが挙げられる。
【0023】
また、上記イミドスルホネート誘導体としては、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1 ]−ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート等が挙げられ、上記トシル化合物としては、ベンジルトシレート、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシレート等のベンジルカチオン誘導体が挙げられる。さらに、上記ベンジル誘導体のカルボナート化合物としては、ベンジルカルボナート、ニトロベンジルカーボナート、ジニトロベンジルカーボナート等が挙げられ、上記トリアジン誘導体のハロゲン化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)-s- トリアジン等のトリクロロメチルトリアジン誘導体が挙げられる。
【0024】
酸発生剤(B)の使用割合は、(A)共重合体100重量部に対して、通常0.5〜20重量部でよく、好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。酸発生剤の添加量が少なすぎると、得られる組成物の感度が低下し、また、多すぎると得られる硬化膜の誘電率、耐熱性、透明性等の特性が低下する場合がある。
【0025】
その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて他の成分を添加することができる。
組成物の放射線感応性を向上させる目的で、酸発生剤(B)と共に増感剤を添加することができる。該増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体;アントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等のアントラセン誘導体;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体を挙げることができる。これらのうち、アントラセン誘導体およびチオキサントン誘導体が好ましく、これらの増感剤から選ばれた少なくとも1種の増感剤を、前述の酸発生剤のうちのジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルフォニウム塩およびイミドスルフォネート誘導体から選ばれた少なくとも1種の酸発生剤と組み合わせることにより、特に優れた放射線感応性を発現させることができる。
【0026】
これらの増感剤の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して、通常0.5〜20重量部でよく、好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。
さらに、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、接着助剤等を含有させることができる。
【0027】
架橋剤は、耐熱性改善等を目的として添加される。該架橋剤としては、分子内にベンジルアルコール基またはそれから誘導される官能基を有する化合物が挙げられ、具体的にはp−キシリレンジオール、m−キシリレンジオール、p−キシリレンジオールジメチルエーテル、m−キシリレンジオールジメチルエーテル、p−キシリレンジオールジアセテート、m−キシリレンジオールジアセテート、テトラメチロールベンゼン、テトラメチロールビフェニル等が挙げられる。架橋剤の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して20重量部以下、特に0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0028】
また界面活性剤は、組成物の塗布性、膜の平坦化性を向上させるために用いられ、例えばBM−1000(BM Chemie社製)、メガファックスF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、フロラードFC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(東レシリコーン(株)製)等として市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
この使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して5重量部以下、特に0.01〜2重量部であることが好ましい。
【0029】
さらに、接着助剤は、基体との接着性を向上させるために添加される。このような接着助剤としては、例えば、官能性シランカップリング剤を好適に用いることができる。この官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアナート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシラン化合物を意味し、その具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
接着助剤の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して20重量部以下、特に0.05〜10重量部であることが好ましい。
【0030】
感放射線性樹脂組成物の調製
本発明の組成物は、共重合体(A)、酸発生剤(B)および必要に応じて用いられるその他の任意成分を均一に混合することによって調製することができる。通常、本発明の組成物は有機溶剤に溶解して組成物溶液として調製し、提供される。ここで使用される有機溶剤としては、これらの成分(A)、(B)および任意的に使用される成分と反応せず、これらを溶解するものであれば、特に制限はない。好ましくは、前述の共重合体(A)の重合に用いられるものとして例示した溶媒が挙げられる。
上記組成物溶液は、通常、使用前に濾過して用いられる。例えば孔径1〜0.2μmのミリポアフィルター等を用いて濾過した後、使用に供することができる。
【0031】
用途
本発明の組成物を用いることにより、例えば次のようにしてパターン状薄膜を形成することができる。
(1)調製した組成物溶液を基板表面に塗布し、プリベークを行うことにより溶剤を除去して感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する。
この塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の各種の方法を採用することができる。プリベークの条件としては、各成分の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃で30秒間〜15分間程度である。
(2)形成された塗膜に所定のパターンのマスクを介して、放射線を照射する。
【0032】
放射線のエネルギー量および放射線の種類は、所望の解像度、光酸発生剤の感光波長、必要に応じて添加した増感剤の吸収波長等に応じて適宜決めればよく、通常、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)i線(波長365nm)等の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線を用いることができ、好ましくはg線またはi線が用いられる。
【0033】
放射線照射後、ポストエクスポジュアベーキング処理(以下、「PEB処理」という)を行う。PEB処理を行うことにより、放射線の照射された部分で、酸発生剤(B)から発生した酸により共重合体(A)中の不飽和カルボン酸エステル(c)由来の構造単位が分解してカルボキシル基を生成し、アルカリ性水溶液に溶出するようになる。PEB処理の条件は、通常、50〜180℃の温度で、0.1〜15分間程度でよい。
(3)PEB処理後にアルカリ性水溶液からなる現像液を用いて現像処理して放射線の照射部分を除去することによりパターニングを行う。
【0034】
上記現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノナン等のアルカリ類の水溶液を用いることができ、特に好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液である。
また、上記のアルカリ類の水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。さらに、現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法等を利用することができる。
【0035】
(4)現像処理後に、流水洗浄によるリンス処理を行い、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾し、必要に応じて例えば紫外線を該薄膜の表面に照射した後、ホットプレート、オーブン等の加熱装置によりポストベークを行う。ポストベークの条件は、通常、例えば150〜250℃の温度で3分〜1時間でよい。このようにして硬化したパターン状薄膜が基板の上に形成される。
こうして得られるパターン状薄膜の比誘電率は3以下、好ましくは2.9以下である。また、該パターン状薄膜は、高解像度、低誘電率であって、絶縁性、平坦度、耐熱性、透明度、硬度等の物性に優れる。したがって、電子部品の保護膜、平坦化膜、層間絶縁膜等に有用であり、特に液晶表示素子、集積回路素子および固体撮像素子の層間絶縁膜に有用である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
《(A)共重合体の合成》
<合成例1>(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを乳酸エチルに溶解した溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、スチレン35g、メタクリル酸20g、メタクリル酸t−ブチル30gおよびメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液▲1▼(共重合体分31.6重量%)を300g得た。
【0038】
<合成例2> (スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸ピラニル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを乳酸エチルに溶解した溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、スチレン35g、メタクリル酸20g、メタクリル酸ピラニル30gおよびメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液▲2▼(共重合体分32.1重量%)を300g得た。
【0039】
<合成例3> (スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを溶解した乳酸エチル溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、スチレン30g、メタクリル酸20g、メタクリル酸t−ブチル30gおよびメタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル20gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液▲3▼(共重合体分31.2重量%)を300g得た。
【0040】
<合成例4>(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸t−ブチル/ビニルベンジルアルコール共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを溶解した乳酸エチル溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、スチレン30g、メタクリル酸20g、メタクリル酸t−ブチル30gおよびビニルベンジルアルコール20gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液▲4▼(共重合体分32.6重量%)を300g得た。
【0041】
<合成例5> (スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸t−ブチル/ビニルベンジルアセテート共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを溶解した乳酸エチル溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、スチレン30g、メタクリル酸20g、メタクリル酸t−ブチル30gおよびメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル20gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液▲5▼(共重合体分32.0重量%)を300g得た。
【0042】
<比較合成例1>(メタクリル酸/メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを乳酸エチルに溶解した溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、メタクリル酸20g、メタクリル酸t−ブチル65gおよびメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液(i) (共重合体分30.5重量%)を300g得た。
【0043】
<比較合成例2>(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸t−ブチル共重合体)
還流冷却器を具えたフラスコを用い、このフラスコ内を窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7.0gを溶解した乳酸エチル溶液200gをフラスコ内に仕込んだ。
次いで、スチレン35g、メタクリル酸20gおよびメタクリル酸t−ブチル45gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌しながら、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を7時間保持して単量体を共重合し、共重合体溶液(ii)(共重合体分32.1重量%)を300g得た。
【0044】
<実施例1>
〔組成物溶液の調製〕
合成例1で得られた共重合体溶液を共重合体分が23重量%になるように乳酸エチルで希釈し、その共重合体溶液100g(共重合体分23g)にジフェニルヨードニウム−9、10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネート0.69gおよび界面活性剤BM−1000(BM Chemie社製)を溶解混合させた。次いで、溶液を孔径0.22μmのミリポアフィルターで濾過することにより組成物溶液1を得た。
【0045】
〔塗膜の形成〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、組成物溶液1を塗布した後、90℃て90秒間ホットプレート上でプリベークして膜厚4.0μmの塗膜を形成した。
【0046】
〔放射線照射処理、および現像処理〕
得られた塗膜に所定のパターンのマスクを介して、365nmにおける光強度が3.5mW/cm2 である紫外線を空気中で29秒間照射し、照射後の熱処理(PEB処理)を120℃で2分間、ホットプレート上で行った。
次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.5重量%水溶液により25℃で20秒間現像処理を行った後、超純水で1分間リンス処理し、ポジ型のパターンを形成させた。
【0047】
〔ポストベーク〕
このパターンが形成されたシリコン基板をホットプレート上で240℃で30分間加熱することにより、パターンのポストベークを行い、パターン状薄膜を形成したシリコン基板を得た。
〔誘電率の測定〕
室温、1MHzの条件で測定した。結果を表1に示す。
【0048】
〔放射線感応性の評価〕
紫外線照射時に照射時間を変えて、PEB処理および現像を行い、5.0μm×5.0μm以下の大きさの解像度で、しかもその時の感度が100mJ/cm2 以下でパターニングが可能な放射線感応性を◎とし、200mJ/cm2 以下でパターニングが可能な放射線感応性を○とし、上記解像度および200mJ/cm2 以下の感度のいずれか、または両者がこの基準に達しない放射線感応性を×とした。結果を表1に示す。
【0049】
〔耐熱寸法安定性の評価〕
パターン状薄膜を形成したシリコン基板を240℃のオーブンを用いて30分間加熱した後、パターン状薄膜の膜厚変化を測定した。加熱後の膜厚が、加熱前の膜厚の95%を超える場合を○、90〜95%の範囲にある場合を△、90%未満の場合を×とした。結果を表1に示す。
【0050】
〔平坦性の評価〕
シリコン基板の代わりに、1.0μmの段差を有するシリコン酸化膜基板を用いたこと以外は、前記と同様にしてパターン状薄膜を形成し、接触式の膜厚測定器を用いて、パターン状薄膜の段差を測定し、段差の最大値が5%未満である場合を○とし、5%以上である場合を×とした。結果を表1に示す。
【0051】
〔透明性の評価〕
シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング7059(コーニング社製)」を用いた以外は上記と同様にしてパターン状薄膜を形成したガラス基板を得た。
次いで、得られたガラス基板の透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム(日立製作所製)」を用いて400〜800nmの波長で測定した。このとき最低透過率が90%を超える場合を○、90%未満である場合を×とした。結果を表1に示す。
【0052】
〔耐熱変色性の評価〕
パターン状薄膜を形成したガラス基板を240℃のオーブンで30分間加熱した後、このガラス基板の透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム」を用いて400〜800nmの波長で測定し、加熱処理後における透過率の変化を求めた。変化率が5%未満の場合を○、5〜10%の範囲にある場合を△、10%を超える場合を×とした。結果を表1に示す。
【0053】
〔耐溶剤性の評価〕
パターン状薄膜を形成したガラス基板を70℃中のジメチルスルフォキシド中に浸せきし、膜厚変化を測定し、20%以下の膜厚変化を○、20%以上の膜厚変化を△、膨潤が大きく、基板から剥がれてしまう状態を×とした。結果を表1に示す。
【0054】
<実施例2〜5>
合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに表1で示した合成例2〜5で得られた共重合体溶液のそれぞれを用いた以外は実施例1と同様にして組成物溶液を得た。
各々の組成物溶液を用い、実施例1と同様の操作を行い、ポジ型のパターンを形成することができた。また、パターン状薄膜について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0055】
<実施例6>
架橋剤として、p−キシリレンジオール1.15gをさらに添加した以外は実施例1と同様にして組成物溶液を得た。この組成物溶液を用い、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.2重量%水溶液により20秒間現像処理を行った以外は実施例1と同様の操作を行い、ポジ型のパターンを形成することができた。また、パターン状薄膜について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
<実施例7>
ジフェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネートの代わりにトリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1 ]−ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミド0.69gを用い、さらに増感剤として2−エチル−9、10−ジメトキシアントラセン0.69gを用いた以外は、実施例1と同様にして組成物溶液を得た。この組成物溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポジ型のパターンを形成することができた。また、パターン状薄膜について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
<実施例8>
ジフェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルフォネートの代わりにトリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1 ]−ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミド0.69gを用い、さらに増感剤として9−ブロモアントラセン0.69gを用いた以外は、実施例1と同様にして組成物溶液を得た。この組成物溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポジ型のパターンを形成することができた。また、パターン状薄膜について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
<比較例1〜2>
合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに表1に示した比較合成例1〜2で得られた樹脂溶液のそれぞれを用いた以外は実施例1と同様にして組成物溶液を得た。
各々の組成物溶液を用い、実施例1と同様の操作を行い、ポジ型のパターンを形成することができた。また、パターン状薄膜について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003693199
【0060】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、アルカリ性水溶液で現像でき、高解像度、高感度であり、しかも、絶縁性、平坦性、耐熱性、耐溶剤性、透明性等の諸特性とともに、従来これらの特性と同時に実現することが困難であった低誘電性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができる。

Claims (9)

  1. (A)ラジカル重合性の炭化水素基およびフッ素化炭化水素から選ばれる少なくとも1種(a)に由来する構造単位、
    不飽和カルボン酸(b)に由来する構造単位、
    飽和カルボン酸のt−ブチルエステル、ピラニルエステル、t−アミルエステル、ジメチルベンジルエステルまたは3−オキソシクロヘキシルエステル(c)に由来する構造単位、並びに
    アルコール性水酸基、ベンジルエーテル基またはベンジルアセテート基を有するラジカル重合性化合物(d)に由来する構造単位
    を含有する共重合体と、
    (B)感放射性酸発生剤と
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
  2. (A)成分の共重合体が、前記(a)の単量体に由来する構造単位を10〜50重量%、前記(b)の単量体に由来する構造単位を3〜50重量%、前記(c)の単量体に由来する構造単位を3〜50重量%、そして前記(d)の単量体に由来する構造単位を5〜50重量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. (A)成分の共重合体が、前記の(a)〜(d)の化合物に由来する構造単位のほかにこれら以外のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記の(A)成分及び(B)成分以外に、さらに、増感剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. (1)(A)ラジカル重合性の炭化水素基およびフッ素化炭化水素から選ばれる少なくとも1種(a)に由来する構造単位、
    不飽和カルボン酸(b)に由来する構造単位、
    不飽和カルボン酸のt−ブチルエステル、ピラニルエステル、t−アミルエステル、ジメチルベンジルエステルまたは3−オキソシクロヘキシルエステル(c)に由来する構造単位、並びに
    アルコール性水酸基、ベンジルエーテル基またはベンジルアセテート基を有するラジカル重合性化合物(d)に由来する構造単位
    を含有する共重合体と、
    (B)感放射性酸発生剤と
    を含有する感放射線性樹脂組成物の有機溶剤溶液を基板表面に塗布し塗膜を形成する;
    (2)こうして得られた塗膜をプリベークして有機溶剤を除去して該組成物の乾燥した被膜を基板上に形成する;
    (3)形成された被膜に所定のパターンのマスクを介して、放射線を照射する;
    (4)放射線照射後の被膜にポストエクスポジュアベーキング処理(PEB処理)を施す;
    (5)こうしてPEB処理した基坂をアルカリ性水溶液からなる現像液を用いて現像処理して被膜のパターニングを行う;
    (6)こうしてパターニングされた被膜をポストベークに付す、
    諸工程を有することを特徴とする硬化したパターン状薄膜の形成方法。
  6. (A)成分の共重合体が、前記(a)の単量体に由来する構造単位を10〜50重量%、前記(b)の単量体に由来する構造単位を3〜50重量%、前記(c)の単量体に由来する構造単位を3〜50重量%、そして前記(d)の単量体に由来する構造単位を5〜5 0重量%を含有することを特徴とする請求項5に記載の形成方法。
  7. A )成分の共重合体が、前記の( a )〜( d )の化合物に由来する構造単位のほかにこれら以外のラジカル重合性単量体に由来する構造単位を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の形成方法。
  8. 前記の組成物が(A)成分及び(B)成分以外に、さらに、増感剤を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の形成方法。
  9. 請求項に記載の方法により基板上に形成された、比誘電率が3以下であるパターン状薄膜。
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