JP3691631B2 - 導波路型半導体受光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導波路型半導体受光素子に関し、更に詳細には、受光した光信号を高いリニアリティ(低変調歪)で電流信号に光−電気変換し、かつ高速動作性に優れた導波路型半導体受光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長波長帯の光伝送システムで使用されている受光素子には、空乏層で発生した電子・ホールが電極まで走行することによって発生する光電流を検出するPIN型、光電流を増幅する機能を有するAPD型、半導体層の表面に一対の電極を形成し、これらの電極の間に発生する光電流を検出するMSM型などの受光素子がある。
【0003】
最も基本的な構造のPIN型の受光素子は、面入射型受光素子と呼ばれ、半導体層に垂直な方向から光を受光し、空乏化したi型の半導体層で光電変換して光電流を検出している。面入射型受光素子は、構造が簡単で、製造コストが低く、しかも感度などの特性が優れ、更に、低い逆バイアス印加電圧で駆動でき、雑音が小さいなどの長所がある。
ところで、アナログ光伝送の受光素子では、高速動作性に優れ、受光した光信号を高いリニアリティで電流信号に光−電気変換できること、即ち低変調歪で光−電気変換できることが重要であるが、面入射型の受光素子では、この要求を満足することが困難であった。この点について、以下に詳しく説明する。
面入射型受光素子では、一般に、GaInAs材料を光吸収層に使っている。
GaInAsは光伝送システムで用いられる1.3μm 或いは1.55μm の波長の光に対する吸収係数が大きいため、感度特性の点では優れた材料であるが、光吸収層のクラッド層との界面近傍で大きな光吸収が生じ、結果として界面近傍で多くの光キャリアが発生する。
光キャリアが一部分に密集して発生すると、光キャリア自身の空間電荷効果により、電界に不均一が生じ、そのためにキャリアの拡散が抑制され、その結果として変調歪が大きくなるので、面入射型受光素子には、変調歪が大きいという問題があった。
【0004】
従来、面入射型受光素子で発生する変調歪を低減するために、図4に示すように、面入射型受光素子の受光面にフォーカスからずれた形で光を入射し、受光面全面にわたり出来るだけ均一な強度で光を受光するような試みも成された。
しかし、フォーカスからずれた形で光を入射すると、受光感度が低下し、また積層構造の深さ方向に見ると、やはり光キャリアが一部で集中して発生していることには変わり無く、変調歪の発生を抑制する効果には限界があった。
【0005】
そこで、面入射型受光素子に代えて、図5に示すように、受光素子を構成する半導体積層構造の端面から光を受光して、光の入射方向に設けた導波路構造に光を導き、光吸収を受けながら導波させるようにした導波路型半導体受光素子が開発された。
導波路型半導体受光素子では、低キャリア濃度の光吸収層の上下にP型及びN型の導電層がそれぞれ配置され、PN接合を形成している。P型導電層とN型導電層との間に逆バイアス電圧を印加して、低キャリア濃度の光吸収層を空乏化すると共に空乏層内に生じた高電界を利用して、光吸収層に入射した信号光を光電変換し、発生した光電流を検出する。
すなわち、入射光によって励起キャリアが空乏層内でホール・電子の対として発生し、空乏層内に形成されている電界によって分離され、ドリフトする。この結果、ホールはP型導電層に、電子はN型導電層に達し、光電流として検出される。
導波路型半導体受光素子では、光吸収層が最も高い屈折率を有し、光吸収層を挟むP型導電層とN型導電層が光吸収層より低い屈折率を有するように構成することにより、光吸収層と1対の光閉じ込め層とからなる導波路構造を形成し、光吸収を受けつつ、端面で受光した入射光を導波する。
導波路型半導体受光素子では、光吸収層を薄くすることにより、キャリアの走行時間を短くして、高速動作性を向上させ、変調歪を抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の導波路型受光素子では、光吸収層の厚さを2μm 以上にして感度を向上させているために、高速動作性及び変調歪の特性が、面入射型の受光素子に比べて優れているとは評価できなかった。
また、導波路構造のヘテロ界面の価電子帯のエネルギー段差に起因したノッチに有効質量の大きいホールがパイルアップするために、変調歪が増大するという問題もあった。
【0007】
そこで、受光感度が高く、高速動作性及び低変調歪特性に優れた導波路型受光素子を実現するために、以下に列挙するような種々の試みが成されている。
(1)クラッド層と光吸収層の間に、両者の中間的な屈折率を持つ光閉じ込め層を設け、導波光のスポットサイズを拡大するとともに、高次モードの励起を可能にする。
(2)(1)と同様に光閉じ込め層を設け、かつ光吸収層の層厚を2μm から3μm の範囲の厚さにする。
(3)(1)と同様に光閉じ込め層を設け、(2)とは逆に光吸収層の層厚を0.1μm 以下の厚さに薄くする。
【0008】
ところで、(1)又は(2)の方法では、受光感度を高めることはできるが、高速動作性の向上と低変調歪とを実現することは難しかった。
また、(3)の方法では、高速動作性を向上させ、低変調歪を実現できるものの、光吸収層が薄いために光の閉じ込め能が弱くなり、その結果、実効的な吸収係数が小さくなるので、十分な光吸収を行って受光感度を高くするためには、長い導波路長が必要になる。一方、光吸収層が薄いために、空乏層が薄くなって、大きな内部容量が発生するので、それを改善するには、導波路長を短くする必要がある。このように、満足すべき両者の導波路長条件が相反しているために、(3)のやり方では、高感度、高速動作性及び低変調歪を満足できる導波路型受光素子を実現することは難しかった。
【0009】
上述した問題に照らして、本発明の目的は、感度が高く、高速動作性に優れ、しかも優れた光−電気変換歪特性を有する導波路型半導体受光素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成する上で、受光感度、高速動作性及び変調歪に関係する因子として、結合効率、導波路の吸収係数、光閉じ込め係数、空乏層の厚さ、光閉じ込め層の厚さ及びクラッド層の厚さを挙げ、それぞれについて以下のように考察した。
【0011】
(1)結合効率
受光感度は、受光素子の最も基本的な特性であって、一次近似では基本モードのスポットサイズ(1/e2になる全幅)によって決まる。
図6は、基板及びクラッド層をInP、光閉じ込め層を3μm 厚でエネルギーギャップ波長1.15μm のGaInAsP、及び光吸収層をGaInAsで、それぞれ形成した層構造の場合に、光吸収層の厚さに対して計算で求めたスポットサイズの大きさを示すグラフである。また、図6は、波長1.3μm の光をDSF(Dispersion Shift Fiber)から入射したときの結合効率を同時に示している。図6で用いたGaInAsP層、及びGaInAs層は、それぞれ、基板のInPに格子整合している。
図6によれば、光吸収層の厚さが薄くなるに従い、スポットサイズが大きくなり、結合効率は大きくなる。例えば、スポットサイズが2.2μm では結合効率が80%、2.7μm では90%となる。図6に示す計算値は、同様な層構造を有する試料の実験結果とも一致している。
高感度を得るには、少なくとも70%以上の結合効率、望ましくは、波長1.3μm の光の受光感度が0.84A/W、また波長1.55μm の光の受光感度が1.0A/Wになる、80%以上の結合効率が必要である。80%以上の結合効率を得るためには、図6によれば、光吸収層の厚さは、0.1μm 以下、望ましくは0.07μm 以下にすることが必要である。
【0012】
(2)導波路の吸収係数
導波路で局部的に光が吸収され、光キャリアがそこに密に発生すると、変調歪が大きくなる。従って、導波路の光の吸収係数を下げ、光の吸収を導波路領域全域で受けるようにすれば、このような現象を防いで、変調歪の発生を抑制することができる。
即ち、受光感度を高くするには、吸収係数が大きいことが望ましいが、一方、低変調歪を実現するためには、吸収係数が小さく、導波路長に沿って均一に光吸収が生じるようにすることが必要である。
ところで、導波路の光の吸収係数は、材料で決まる値αと導波路の構造で決まる光閉じ込め係数Гとの積、Гαで表されるので、光閉じ込め係数Гを下げることにより、光の吸収係数を擬似的に下げることが可能である。
図7は、導波路の光の吸収係数をパラメータとした、導波路長と受光感度との関係を示すグラフである。グラフでは、飽和感度を1A/Wとした。例えば、吸収係数が1000cm-1の場合には、光は導波路長50μm で殆ど吸収されるが、吸収係数が100cm-1のときには、導波路長300μm でも、波路長50μm の時の光吸収の95%程度の吸収しか起きない。
従って、実用的な導波路長は50μm 以上であり、また後述する容量の制限から導波路長を300μm 以下にすることが必要であることを考慮すると、受光感度を0.65A/W以上にするには、導波路の吸収係数は、200cm-1から1000cm-1の範囲、好ましくは300cm-1から400cm-1の範囲である。
【0013】
(3)光閉じ込め係数
光閉じ込め係数Гとは、光吸収層に存在する光エネルギーの導波光に対する割合であって、光吸収層の厚さと光閉じ込め層の厚さで決まる係数である。InPに格子整合した波長1.55μm 以上のGaInAsP層やGaInAs層を光吸収層として用いる場合、バルクの吸収係数αは、波長1.55μm の光に対して5x103cm-1から6.9x103cm-1である。
従って、GaInAsの場合、導波路の吸収係数をそれぞれ200cm-1、300cm-1、400cm-1及び1000cm-1にするために必要な光閉じ込め係数Гは、それぞれ、2.9%、4.4%、5.9%及び14.7%である。よって、導波路の吸収係数を200cm-1から1000cm-1の範囲、好ましくは300cm-1から400cm-1の範囲にするためには、光閉じ込め係数を2.9%〜14.7%、好ましくは4.4%〜5.9%にする。
【0014】
図8は、光吸収層の厚さと光閉じ込め係数との関係を示すグラフであって、その層構造は、図6と同様に、基板及びクラッド層がInP、光閉じ込め層が3μm 厚でエネルギーギャップ波長1.15μm のGaInAsP、及び光吸収層がGaInAsで形成されている。図8によれば、光吸収層の厚さが0.05μm のときには、光閉じ込め係数は3.5%であるが、厚さが0.1μm のときには、光閉じ込め係数は12%になる。
従って、導波路の吸収係数を上述した特定の範囲にするために、光閉じ込め係数を2.9%から14.7%の範囲にするには、図8のグラフを外挿して、光吸収層の厚さは、0.04μm から0.12μm の範囲になり、光閉じ込め係数を4.4%から5.9%の範囲にするには、光吸収層の厚さは0.055μm から0.066μm の範囲になる。
(1)で述べたように、光吸収層の厚さは受光感度からも制限を受けるので、双方を満足させるには、光吸収層の厚さが0.04μm から0.1μm の範囲、好ましくは、0.055μm から0.066μm の範囲にあることが必要である。
【0015】
(4)空乏層の厚さ
先ず、導波路構造について考える。
従来の導波路型半導体受光素子では、図9に示すように、i層の光吸収層の両面をp層及びn層によって挟むような導波路構造になっている。そのため、図9に示すように、導波路構造のヘテロ界面の価電子帯のエネルギー段差に起因したノッチに、有効質量の大きいホールがパイルアップし、変調歪が増大するという問題を招いている。
そこで、本発明者は、ヘテロ界面の価電子帯のエネルギー段差によるホールのパイルアップをなくすために、ヘテロ界面に高電界を作用させることを着想した。即ち、図10に示すように、光吸収層に隣接するp層及びn層のうち所定厚さだけの境界層をi層に転化しておくことにより、逆バイアス電圧の印加時、境界層が空乏化し、ヘテロ界面に高電界が発生して、ホールのパイルアップを抑制することができる。
【0016】
空乏層の厚さ、即ちp層及びn層の境界層の厚さは、ドープ濃度を階段状に変えることにより、材料の種類に因ることなく定義することができる。例えば、1x1015cm-3の低濃度のキャリア濃度では、逆バイアス電圧が1Vでも、2μm 程度の厚さの層が空乏化するが、キャリア濃度が1x1018cm-3では、逆バイアス電圧が10Vでも、0.1μm 程度の厚さの層しか空乏化しない。
従って、空乏化したい領域を1x1015cm-3以下のキャリア濃度又はノンドープ層とし、空乏化させない領域を1x1018cm-3程度のキャリア濃度にしておけば、逆バイアス電圧に依存しない空乏層の厚さを設定することができる。
【0017】
ところで、光吸収層を薄くした場合は、トンネル電流がツェナーブレークダウンにより発生して暗電流として検知され、信号電流のS/N比の劣化、寿命の低下などの原因となるので、その発生を押さえなければならない。
そこで、光吸収層の厚さを0.04μm から0.1μm の範囲、好ましくは、0.055μm から0.066μm の範囲に薄くするためには、空乏層の厚さを厚くして、ツェナーブレークダウンを防止する必要がある。
図11は、空乏層の厚さをパラメータとし、逆バイアス電圧に対してGaInAs光吸収層に流れるトンネル電流を計算により求め、その計算値を示したグラフである。図11に示すトンネル電流の計算値は、その正さが実験によって確認されている。
図11に示すように、薄い空乏層から厚い空乏層の順に、同じ逆バイアス電圧で、大きなトンネル電流が発生する。
受光素子に印加する逆バイアス電圧の大きさは、電子回路などの設計条件に依存しており、最近の小消費電力化の傾向に応じて、3V程度の低バイアス化が進んでいる。しかし、アナログ用途の低歪性受光素子の場合、ビデオ回路が高い電圧で駆動されるため、受光素子にも8V程度の逆バイアス電圧を印加することが多い。一方、10nA以下のトンネル電流であれば、素子の特性の低下は顕著でない。
よって、最大逆バイアス電圧を8V、許容トンネル電流を10nAとすれば、図11により、空乏層の厚さ、即ちp層及びn層の境界層の厚さは、0.4μm 以上であれば良い。
【0018】
また、容量について見ると、図12に示すように、同じ導波路長では、空乏層の厚さを薄くするにつれて、容量が増大する。図12は、空乏層の厚さをパラメータとした、導波路長と容量との関係を示すグラフである。
受光素子の帯域、出力インピーダンス、S/Nなどの観点から、0.8pF以下に容量を制限することが好ましいので、100μm から200μm の範囲を最適な導波路長としたとき、空乏層の厚さは0.5μm 以上あることが必要である。
【0019】
空乏層では、光電変換により励起したキャリアは、空乏層内の高電界によって拡散、走行してして、p層及びn層に到達する。この空乏層の走行時間が、受光素子の帯域を決める1つの要因となる。
図13は、光吸収層の厚さをパラメータとした、キャリアの速度と帯域幅との関係を示すグラフである。2.4GHzの帯域幅が高速受光素子の1つの基準であるとすれば、空乏層の厚さを3μm 以下とすると、3GHz以上の帯域を有するためには、図13から、キャリアの速度を1x106 cm/sec 以上にする必要がある。
【0020】
図14は、GaInAs層中の電子とホールの速度と電界強度との関係を示すグラフである。図14に示すように、有効質量の小さい電子は、10kV/cm以下の低い電界でも、1x106 cm/sec 以上の十分に速い速度を有するが、有効質量の大きいホールは、10kVcm以上の大きな電界が必要となる。
【0021】
図15は、空乏層の厚さをパラメータとして、バイアス電圧と電界との関係を示すグラフである。空乏層の厚さを1μm 以下にすることで、1V以上の逆バイアス電圧によって20kV/cm以上の電界強度をもつことができる。
図15に示すように、空乏層の厚さが薄いと、同じ逆バイアス電圧で電界強度が大きくなるが、一方、図11に示すように、大きなトンネル電流が発生する。
これは、トレードオフの関係にある。
【0022】
以上の許容トンネル電流値、容量及びキャリアの速度を総合して、本発明者は、空乏層の厚さは、0.5μm 以上でかつ3μm 以下、好適には0.7μm 以上、1.5μm 以下であるとした。
【0023】
図14に示すように、20kV/cmの電界では、電子の速度は、ホールの速度の5倍、100kV/cmの電界では、電子の速度は、ホールの速度の2倍である。
キャリアの拡散では、ホールの方に問題があることを考えると、p層に隣接する空乏層を薄くする方が効果的であって、p層に隣接する空乏層の厚さは、n層に隣接する空乏層の1/15から1/2、好ましくは1/5から1/2の厚さにする。すなわち、p層に近い領域を0.5μm の厚さでノンドープで配置するときには、n層に近い領域を1μm の厚さでノンドープで配置することが好ましい。
【0024】
(5)光閉じ込め層の厚さ
図16は、光閉じ込め層の厚さと最大励起次数との関係を示すグラフである。
図16では、図6と同様に、基板及びクラッド層をInP、光閉じ込め層を3μm 厚でエネルギーギャップ波長1.15μm のGaInAsP、及び光吸収層をGaInAsで形成した層構造を想定し、光吸収層の厚さを0.06μm としいる。
図16に示すように、光吸収層の厚さを0.06μm としたとき、光閉じ込め層の厚さを厚くするにつれて、最大励起次数は増える。最大励起次数が大きいほど、軸ずれを生じた際に放射光の発生を押さえることができ、感度の低下が少ない。
位置ずれを生じた際の感度低下の許容量を実装許容量と言うが、光ファイバとの突き合わせのモジュール作製を考えた場合、0.5dB程度の低下を許容するとして、光ファイバと受光素子との芯合わせを1.5μm 程度の位置ずれ以内に収める必要がある。これを実現するためには、最大励起次数は、少なくとも4以上、好適には、6以上となる。
このためには、図16によれば、光閉じ込め層の厚さは、少なくとも2μm 、好適には3μm 以上にする。しかし、厚さをあまりに厚くすると、良質の結晶成長を行うことが難しくなるので、現実的には光閉じ込め層の厚さは5μm 以下にする。
【0025】
(6)クラッドの厚さ
図17は、6次の導波光のフィールドの形を示したものである。図17では、図6と同様に、基板及びクラッド層をInP、光閉じ込め層を3μm 厚でエネルギーギャップ波長1.15μm のGaInAsP、及び光吸収層をGaInAsで形成した層構造を想定している。図17は、厚さ3μm の光閉じ込め層を越えてクラッドに滲み出した光が励起されていることを示している。
このため、クラッド層の厚さは、0.5μm 以上、好適には1μm 以上にする。特に、基板をInPとした場合、基板をクラッドとして使用することもあるが、基板とエピタキシャル成長層の界面は、光を散乱する原因となる種々の欠陥が存在しているため、基板側には、バッファーとしてクラッド層の厚さを0.5μm 以上、好適には1μm 以上にすることが必要である。
【0026】
上記目的を達成するために、以上の知見に基づいて、本発明に係る導波路型半導体受光素子は、半導体基板上に、第1の半導体層と、第1の半導体層上にあって所定波長の光を吸収する第2の半導体層と、第2の半導体層上の第3の半導体層とを有し、かつ第1及び第3の半導体層のエネルギーギャップが第2の半導体層のエネルギーギャップより大きな半導体積層構造の導波路を備え、第2の半導体層に平行に入射した光を積層構造の端面で受光する導波路型受光素子において、
第1及び第3の半導体層を成す半導体層のうち、第2の半導体層と界面を有する所定厚さの境界層が、それぞれ、1x1015cm-3以下の低いキャリア濃度層又はノンドープ層であることを特徴としている。
【0027】
好適には、第1及び第3の半導体層の境界層のうちの少なくとも一方の所定厚さが、それぞれ、0.5μm以上であって3μm以下であるようにする。
また、第1の半導体層及び第3の半導体層がそれぞれnドープ及びpドープされており、かつ第1の半導体層の境界層の所定厚さが第1の半導体層の境界層の所定厚さの2倍から15倍、好ましくは2倍から5倍である。
更に、好適には、第1から第3の半導体層からなる半導体積層構造がInPからなる基板上に形成されたInP系の半導体積層構造で構成され、第1の半導体層及び第3の半導体層のそれぞれの外側に、0.5μm以上の層厚のInP層を基板とは別に設ける。
本発明の好適な実施態様では、導波路型受光素子は、半導体積層構造の端面に平行な導波路の断面の幅が、電極との接触面で最大に、光吸収層で最小になるように、逆台形型に形成されたリッジストライプ構造の導波路を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施例1
本実施例は、GaInAsを光吸収層にした受光素子に本発明に係る導波路型半導体受光素子の構成を適用した実施例であって、図1は本導波路型半導体受光素子の要部の層構造を示す模式的断面図である。
本実施例の導波路型半導体受光素子10(簡単に受光素子10と言う)は、図1に示すように、キャリア濃度4x1018cm-3のn−InP基板12と、基板12上に、順次、基板と格子整合してエピタキシャル成長させた、バッファ層(兼下部クラッド層)14、n−光閉じ込め層16、光吸収層18、p−光閉じ込め層20、p−上部クラッド層22、p−コンタクト層24及びp−バッファ層26からなる半導体層の積層構造とから構成されている。
【0029】
以下に各半導体層の構成を示す。
【0030】
本実施例では、n−光閉じ込め層16の光吸収層18と接する厚さ0.6μm の境界層16a、及び、p−光閉じ込め層20の光吸収層18と接する厚さ0.3μm の境界層20aは、それぞれ、ノンドープ層として構成されている。
【0031】
以下に、実施例1の受光素子10の作製方法を説明する。
先ず、基板12上に、基板と格子整合して、順次、n−バッファ層(兼下部クラッド層)14、n−光閉じ込め層16、光吸収層18、p−光閉じ込め層20、p−上部クラッド層22、p−コンタクト層24及びp−バッファ層26をエピタキシャル成長させ、半導体積層構造を形成した。
尚、n−光閉じ込め層16及びp−光閉じ込め層20のドーピングする際には、それそれ、境界層16a及び境界層20aをノンドープ層として形成するような条件でドーピングする。
次いで、通常のフォトリソグラフの手法によりパターン形成を行い、図2に示すように、p−ブッファ層26、p−コンタクト層24、p−上部クラッド層22、p−光閉じ込め層20、光吸収層18及びn−光閉じ込め層16の一部をウェットエッチングし、断面が逆台形型のリッジストライプ状に加工した。ストライプの幅は18μm 、長さは300μm であった。ストライプの方向は、〔011〕方向であり、ウエットエッチングは臭化メタノール溶液を用いた。
リッジを形成した後、p−バッファ層26上にSiNを蒸着し、パッシベーションと絶縁の処理を施し、次いで、ポリイミドを蒸着し、素子分離する領域からポリイミドを除去した。
【0032】
次に、ストライプ上の一部のSiNを除去してコンタクト用の窓とし、その上にTi、Pt及びAuからなるp型オーミック電極28を蒸着した。電極はストライプ上部からポリイミド上に引き出し、ポリイミド上で50μm 四方のボンディング領域のみを形成した。ボンディング領域は、4μm と厚いポリイミドの上に配置し、不要な容量が発生しないようにした。
基板12を裏面から研磨して120μm の板厚に調節した後、基板12の裏面にAuGeNi合金とAuからなるn型オーミック電極29を蒸着した。
ストライプの中央部で、ストライプに垂直にへき開し、平坦な受光端面を作製した。これにより、ストライプ長さは150μm に制限される。更に、光の入射する側の端面には、SiNxからなる無反射膜を蒸着した。
最後に、個々の受光素子に分離して、本実施例の受光素子10を得た。
【0033】
得た受光素子10の特性を評価するために、次の評価試験を行った。
先ず、受光素子10とDSF(Dispersion Shift Fiber)ファイバとをバッドジョイントで突き合わせ結合して受光素子10の感度を測定したところ、最大結合点で1.55μm の波長の光に対して0.95A/W、1.3μm の波長の光に対して0.9A/Wという高感度で受光した。
受光素子10の素子容量は0.2pF、直列抵抗も5Ωと良好であり、50Ωの負荷抵抗により周波数特性を試験したところ、3Vの逆バイアス電圧印加時で3dB低下の帯域幅が9GHzという良好な値を得ることができた。
変調周波数が244MHz及び250MHz、変調度70%、平均入力電力0dBmの試験条件で光ヘテロダイン法により、受光素子10の2次及び3次の相互変調歪を求めたところ、2次及び3次の変調歪は、それぞれ、平均で−80dBc及び−110dBcであり、従来の受光素子の中で最良値を示した。
また、位置ずれによる感度の低下を調べたところ、最大結合点から±2.0μm の位置で0.5dBの低下が観測された。±2.0μm という実装許容度は、モジュール化を極めて容易にする数値である。
受光素子10の暗電流を測定したところ、逆バイアス電圧が3Vで100pAと極めて低かった。更に、逆バイアス電圧を上げ、テェナーブレークダウンを生じさせた時の降伏電圧は、20Vと高かった。
【0034】
実施例2
本実施例は、波長が1.3μm の光専用に用いる受光素子に本発明に係る導波路型半導体受光素子の構成を適用した実施例であって、図3は本導波路型半導体受光素子の要部の層構造を示す模式的断面図である。
本実施例の導波路型半導体受光素子30(簡単に受光素子30と言う)は、図3に示すように、キャリア濃度4x1018cm-3のn−InP基板32上に、順次、基板と格子整合してエピタキシャル成長させた、n−バッファ層(兼下部クラッド層)34、n−光閉じ込め層36、光吸収層38、p−光閉じ込め層40、p−上部クラッド層42、p−コンタクト層44及びp−バッファ層46の半導体層の積層構造とから構成されている。
実施例2の受光素子30は、図3に示すように、バンドギャップ波長1.4μm のGaInAsPで光吸収層38を構成し、n−光閉じ込め層36及びp−光閉じ込め層40の光吸収層38に接する厚さ1μm 及び0.1μm の境界層36a及び40aがノンドープ層となっていることを除いて、実施例1の受光素子10の構成と同じである。
【0035】
受光素子30では、光吸収層38とn−光閉じ込め層36及び光吸収層38とp−光閉じ込め層40との屈折率差が小さいので、スポットサイズが大きくなり、光閉じ込め係数が小さくなる効果を奏する。
受光素子30は、ストライプの長さを100μm にしたことを除いて、実施例1の受光素子10と同様にして作製されている。
実施例1と同様にして、受光素子30の変調歪を求めたところ、2次、3次の変調歪は平均で−90dBcと−110dBcであり、実施例1と同様にこれまでの受光素子の最良値を示した。特に、2次歪は、以下に述べるように容量が低下しているために、更に、良くなっている。
空乏層の厚さが厚くなったことと、ストライプの長さが短くなったことのために、素子容量は0.1pFと極めて低くなった。
3dB低下の高周波応答のバイアス依存性を調べたところ、逆バイアス電圧が3Vのときは、電界が低く、ホールの速度が十分でないため8GHzであったが、10Vの逆バイアス電圧を印加すると、ホールが十分加速されて3dB帯域も30GHzまで延びた。
【0036】
以上、実施例では、光閉じ込め層にGaInAsP層を用いているが、AlGaInAsなどの材料を用いても同様な効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、光吸収層の第2の半導体層を第1及び第3の半導体層で挟んだ半導体積層構造で構成された導波路を有する導波路型受光素子において、第1及び第3の半導体層のうち、それぞれ第2の半導体層との界面を有する所定厚さの境界層を1x1015cm-3以下の低いキャリア濃度層又はノンドープ層にすることにより、高感度で、高速動作性に優れ、しかも低変調歪の導波路型受光素子を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の導波路型半導体受光素子の要部の層構造を示す模式的断面図である。
【図2】実施例1の導波路型半導体受光素子の斜視図である。
【図3】実施例2の導波路型半導体受光素子の要部の層構造を示す模式的断面図である。
【図4】従来の面入射型受光素子の層構造を示す模式的断面図である。
【図5】従来の導波路型半導体受光素子の層構造を示す模式的断面図である。
【図6】基板及びクラッド層をInP、光閉じ込め層を3μm 厚でエネルギーギャップ波長1.15μm のGaInAsP、光吸収層をGaInAsにした層構造の場合の、光吸収層の厚さに対して計算で求めたスポットサイズの大きさ、及びDSFにより入射したときの結合効率を示す。
【図7】導波路の光の吸収係数をパラメータとした、導波路長と受光感度との関係を示すグラフである。
【図8】図6と同じ層構造の場合の、光吸収層の厚さと光閉じ込め係数との関係を示すグラフである。
【図9】従来の光吸収層付近でのキャリアの挙動を示す模式図である。
【図10】本発明に係る導波路型半導体受光素子の光吸収層付近でのキャリアの挙動を示す模式図である。
【図11】空乏層の厚さをパラメータとし、逆バイアス電圧に対してGaInAs光吸収層に流れるトンネル電流を強度を示したグラフである。
【図12】空乏層の厚さをパラメータとした、導波路長と容量との関係を示すグラフである。
【図13】光吸収層の厚さをパラメータとした、キャリアの速度と帯域幅との関係を示すグラフである。
【図14】GaInAs層中の電子とホールの速度と電界強度との関係を示すグラフである。
【図15】空乏層の厚さをパラメータとして、バイアス電圧と電界との関係を示すグラフである。
【図16】図6と同じ層構造とし、光吸収層の厚さを0.06μm とした時の、光閉じ込め層の厚さと最大励起次数との関係を示すグラフである。
【図17】図6と同じ層構造における6次の導波光のフィールドの形を示したものである。
【符号の説明】
10 実施例1の導波路型半導体受光素子
12 基板
14 n−バッファ層(兼下部クラッド層)
16 n−光閉じ込め層
16a n−光閉じ込め層うちのノンドープ層
18 光吸収層
20 p−光閉じ込め層
20a p−光閉じ込め層うちのノンドープ層
22 p−上部クラッド層
24 p−コンタクト層
26 p−バッファ層
28 p型電極
29 n型電極
30 実施例2の導波路型半導体受光素子
32 基板
34 バッファ層(兼下部クラッド層)
36 n−光閉じ込め層
36a n−光閉じ込め層うちのノンドープ層
38 光吸収層
40 p−光閉じ込め層
40a p−光閉じ込め層うちのノンドープ層
42 p−上部クラッド層
44 p−コンタクト層
Claims (4)
- 半導体基板上に、第1の半導体層と、第1の半導体層上にあって所定波長の光を吸収する第2の半導体層と、第2の半導体層上の第3の半導体層とを有し、かつ第1及び第3の半導体層のエネルギーギャップが第2の半導体層のエネルギーギャップより大きな半導体積層構造の導波路を備え、第2の半導体層に入射した光を上記積層構造で吸収して、受光する導波路型受光素子において、
導波路長が100〜200μmであり、
第1及び第3の半導体層を成す半導体層のうち、第2の半導体層と界面を有する所定厚さの境界層が、それぞれ、1x1015cm-3以下の低いキャリア濃度層又はノンドープ層で、第1及び第3の半導体層の境界層のうちの少なくとも一方の所定厚さが、0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする導波路型半導体受光素子。 - 第1の半導体層及び第3の半導体層がそれぞれnドープ及びpドープされており、かつ第1の半導体層の境界層の所定厚さが第3の半導体層の境界層の所定厚さの2倍から15倍、好ましくは2倍から5倍であることを特徴とする請求項1に記載の半導体導波路型受光素子。
- 第1から第3の半導体層を有する半導体積層構造がInPからなる基板上に形成されたInP系の半導体積層構造で構成され、第1の半導体層及び第3の半導体層のそれぞれの外側に、0.5μm以上の層厚のInP層を基板とは別に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体導波路型受光素子。
- 半導体積層構造の端面に平行な導波路の断面の幅が、電極との接触面で最大に、そこから光吸収層に近くなるにつれて小さくなるように、逆台形型に形成されたリッジストライプ構造の導波路を有することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の半導体導波路型受光素子。
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