JP3690583B2 - 測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばICテスタに用いられ、スイッチング電源により動作する測定装置に関し、測定誤差が小さい測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICテスタは、IC、LSI等の被測定対象(DUT)の直流特性を試験するために、電圧・電流測定装置を用いて、試験を行っている。このような装置を図4に示し説明する。
【0003】
図において、測定装置100は、交流源1、スイッチング電源2、D/A変換器3、アンプ4、電流/電圧変換部5、バッファ6、スイッチSW、A/D変換器7、コントローラ8から構成される。DUT200は、負荷9、インピーダンス10を有する。
【0004】
交流源1は交流電圧を出力する。スイッチング電源2は、交流源1からの交流電圧を入力し、グランド、アースに接続し、直流電圧Vaを出力する。D/A変換器3は、電圧設定値を入力し、アナログ信号を出力する。アンプ4は、スイッチング電源2からの直流電圧Vaとグランドとにより動作し、D/A変換器3からのアナログ信号を入力し、電圧出力、電流出力を行う。
【0005】
電流/電圧変換部5は、抵抗Rと差動増幅器51とからなる。抵抗Rは、一端をアンプ4の出力に接続し、他端を負荷9の入力端に接続する。差動増幅器51は、抵抗Rの両端に接続し、抵抗Rの両端間の電圧を出力する。
【0006】
バッファ6は、入力端を、負荷9の入力端に接続する。スイッチSWは、差動増幅器51の出力とバッファ6の出力とを切り換える。A/D変換器7は、スイッチSWからの出力をデジタルデータに変換する。コントローラ8は、D/A変換器3に設定値を出力すると共に、A/D変換器7からのデジタルデータを測定値とする。
【0007】
負荷9は、インピーダンス91、コンデンサCとからなる。インピーダンス91は、一端を電流/電圧変換部5の出力端及びバッファ6の入力端に接続し、他端をグランドに接続すると共に、インピーダンス10を介して、アースに接続する。コンデンサCは、インピーダンス91に並列に接続する。つまり、一端をインピーダンス91の一端に接続し、他端をインピーダンス91の他端に接続する。
【0008】
このような装置の動作を以下に説明する。まず、電圧出力、電流測定を行う場合について説明する。スイッチSWを電流/電圧変換部5の出力に接続する。そして、コントローラ8は、設定値を出力し、D/A変換器3により所定の出力電圧を発生する。この出力電圧を、アンプ4は増幅し、抵抗Rを介して、負荷9に出力する。そして、A/D変換器7は、差動増幅器51からの出力をデジタルデータ(測定値)として、コントローラ8に出力する。
【0009】
次に、電流出力、電圧測定を行う場合について説明する。スイッチSWをバッファ6の出力に接続する。そして、コントローラ8は、設定値を出力し、D/A変換器3により所定の出力電圧を発生する。この出力電圧により、アンプ4は電流出力を行い、抵抗Rを介して、負荷9に出力する。そして、バッファ6を介して、A/D変換器7は、負荷9の入力端の電圧をデジタルデータ(測定値)として、コントローラ8に出力する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような装置では、スイッチング電源2により発生する出力ノイズが、アンプ4の出力、グランド、抵抗R等の電圧・電流測定系に混入するために、測定確度が悪化してしまう。特に、負荷9のコンデンサCにノイズ電流が流れ、測定誤差が増大してしまうという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、スイッチング電源を用いても、測定誤差が小さい測定装置を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
スイッチング電源の電力により、被測定対象に出力を与え、電流測定または電圧測定の少なくとも一方を行う測定装置において、
前記電流測定または電圧測定の電圧を入力し、デジタルデータに変換するA/D変換器と、
このA/D変換器で、デジタルデータに変換する時に、前記スイッチング電源の停止またはスイッチング周波数を測定帯域外にする制御部と
を有することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例を示した構成図である。ここで、図4と同一のものは同一符号を付し説明を省略する。
【0014】
図において、スイッチング電源21は、測定装置100に設けられ、図示しない出力コンデンサ(平滑コンデンサ)を有し、交流源1からの交流電圧を入力し、グランド、アースに接続し、直流電圧Vaをアンプ4に出力する。
【0015】
A/D変換器71は、測定装置100に設けられ、スタート信号とエンド信号とにより、スイッチSWからの出力をデジタルデータに変換する。
【0016】
コントローラ(制御部)81は、測定装置100に設けられ、D/A変換器3に設定値を出力すると共に、スイッチング電源21を停止させ、A/D変換器71にスタート信号とエンド信号とを出力し、A/D変換器71からのデジタルデータを測定値とする。
【0017】
このような装置の動作を以下で説明する。図2は図1に示す装置の動作を示したタイミングチャートである。(a)はスイッチング電源21のスイッチ素子(図示せず)への制御信号、(b)はスイッチング電源21へのオン/オフ信号、(c)はA/D変換器71のスタート信号、(d)はA/D変換器71のエンド信号、(e)はスイッチング電源21が出力する直流電圧Vaである。
【0018】
電圧出力、電流測定を行う場合、スイッチSWを差動増幅器51の出力に接続する。そして、コントローラ81は、スイッチング電源21をオンとし、設定値を出力する。この設定値により、D/A変換器3は所定の出力電圧を発生する。この出力電圧を、アンプ4は増幅し、抵抗Rを介して、負荷9に出力する。A/D変換器7は、スイッチSWを介して、差動増幅器51の出力を入力する。
【0019】
時刻t1のとき、コントローラ81は、スイッチング電源21をオフとする。これにより、スイッチング電源21は、スイッチ素子への制御信号を止める。この結果、スッチング電源21の直流電圧Vaは、出力コンデンサから電流が流れ、徐々に下降し始める。
【0020】
時刻t2のとき、コントローラ81は、A/D変換器71にスタート信号を与え、A/D変換器71は、差動増幅器51からの電圧をデジタルデータとして、コントローラ81に出力を開始する。
【0021】
時刻t3のとき、コントローラ81は、A/D変換器71にエンド信号を与え、A/D変換器71はA/D変換を終了する。
【0022】
時刻t4のとき、コントローラ81は、スイッチング電源21をオンとする。これにより、スイッチング電源21は、スイッチ素子への制御信号の動作を再び開始する。この結果、スイッチング電源21の直流電圧Vaは、元の電圧に復帰する。
【0023】
なお、時刻t1〜t4、スイッチング電源21のオフ時間は、直流電圧Vaの許容範囲内で収まることが条件である。
【0024】
電流出力、電圧測定を行う場合は、スイッチSWをバッファ6の出力に接続するだけで、その他の動作は変わらないので、説明を省略する。
【0025】
このように、A/D変換器71のA/D変換時に、コントローラ81がスイッチング電源21の停止を行うので、スイッチング電源21のノイズ発生を防止でき、測定誤差を小さくすることができる。特に、高精度電流測定では、一般に測定電流が小さく、スイッチング電源2の出力電流が小さいので、スイッチング電源2の出力コンデンサにより、直流電圧Vaを維持することができる。
【0026】
また、スイッチング電源21の出力ノイズの対策部品やシールドを設ける必要がないので、安価にできる。
【0027】
次に、他の実施例を図3に示し説明する。ここで、図1と同一のものは同一符号を付し説明を省略する。
【0028】
図において、電流/電圧変換部5は、抵抗R1〜R4、スイッチSW1〜SW3、差動増幅器51からなる。抵抗R1〜R4は、一端をアンプ4の出力に接続する。スイッチSW1〜SW3は、それぞれ一端を抵抗R1〜R3の他端に接続する。抵抗R4、スイッチSW1〜SW3の他端は、負荷9に接続する。差動増幅器51は、抵抗R1〜R4の一端とスイッチSW1〜SW3、抵抗R4の他端とに接続し、両端間の電圧を出力する。
【0029】
このような装置は、電流測定時に、スイッチSW1〜SW3を切り換えて、低電流レンジの電流測定を可能にしている。その他の動作は上記と同一なので、説明を省略する。
【0030】
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、コントローラ81はスイッチング電源21をオン/オフする構成を示したが、スイッチング電源21によるノイズを防止できる構成であればよい。すなわち、コントローラ81が、スイッチング電源21のスイッチング周波数を高くしたり、低くしたりして、測定帯域外にする構成でもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、A/D変換器のA/D変換時に、制御部がスイッチング電源の停止またはスイッチング周波数を測定帯域外にするので、スイッチング電源のノイズ発生を防止でき、測定誤差を小さくすることができる。
【0032】
また、スイッチング電源の出力ノイズの対策部品やシールドを設ける必要がないので、安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した構成図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示したタイミングチャートである。
【図3】本発明の他の実施例を示した構成図である。
【図4】従来の測定装置の構成を示した図である。
【符号の説明】
5 電流/電圧変換部
6 バッファ
21 スイッチング電源
71 A/D変換器
81 コントローラ
100 測定装置
200 DUT
Claims (3)
- スイッチング電源の電力により、被測定対象に出力を与え、電流測定または電圧測定の少なくとも一方を行う測定装置において、
前記電流測定または電圧測定の電圧を入力し、デジタルデータに変換するA/D変換器と、
このA/D変換器で、デジタルデータに変換する時に、前記スイッチング電源の停止またはスイッチング周波数を測定帯域外にする制御部と
を有することを特徴とする測定装置。 - スイッチング電源の電力により、被測定対象に電圧出力を与え、電流測定を行う測定装置において、
前記被測定対象に与える電圧出力の信号経路上に設けられ、信号経路上の電流値を電圧に変換する電流/電圧変換部と、
この電流/電圧変換部からの電圧を入力し、デジタルデータに変換するA/D変換器と、
このA/D変換器で、デジタルデータに変換する時に、前記スイッチング電源の停止またはスイッチング周波数を測定帯域外にする制御部と
を有することを特徴とする測定装置。 - スイッチング電源の電力により、被測定対象に電流出力を与え、電圧測定を行う測定装置において、
前記被測定対象の入力電圧を入力するバッファと、
このバッファの出力を入力し、デジタルデータに変換するA/D変換器と、
このA/D変換器で、デジタルデータに変換する時に、前記スイッチング電源の停止またはスイッチング周波数を測定帯域外にする制御部と
を有することを特徴とする測定装置。
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