JP3690569B2 - 超純水の比抵抗調整装置及び調整方法 - Google Patents

超純水の比抵抗調整装置及び調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に半導体分野や液晶分野での洗浄用水に用いられる超純水の比抵抗を調整する装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶の製造工程において、超純水(比抵抗≧18MΩ・cm)を使用してフォトマスク基板、シリコンウェハー、ガラス板を洗浄する場合、ダイシングマシンによりウェハーを切断する場合に、超純水の比抵抗が高いために静電気が発生し、そのために絶縁破壊を起こしたり、或いは微粒子の吸着などが生じることで、基板の製品歩留まりに著しく悪影響を及ぼす事が広く知られている。
そこでこのような悪影響を解消するために、超純水流路にマグネシウムのメッシュを装着して超純水の比抵抗を低下させる方法が知られている。
【0003】
又、疎水性の多孔質中空糸膜モジュールを用いて超純水に炭酸ガスを溶解させ、解離平行により発生した炭酸イオンにより比抵抗を低下させる方法としては、超純水の比抵抗調整装置(特公平5−21841号公報)、超純水の比抵抗調整方法及び装置(特開平7−60082号公報)が提案されている。
【0004】
また、シリコンウェハーの洗浄、ダイシング等の工程では、超純水の流量変動が激しく、流量が変動しても比抵抗が変動しないことが要求される。極端な場合には、数秒単位での流量変動が起こる。超純水の流量が変動しても比抵抗を一定に制御する方法として、”超純水の科学”(半導体基盤技術研究会編、株式会社リアライズ社発行)に、炭酸ガス溶解後の比抵抗を測定し、炭酸ガス流量をフィードバック制御を行う方法(392ページ)、超純水流量を測定し炭酸ガス流量をマスフローコントローラーによりフィードフォワード制御する方法(401ページ)が記されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特公平5−21841号公報に記載の炭酸ガスの流量を制御する方法、”超純水の科学”に記載の方法の炭酸ガスの流量をフィードバック制御する方法では、短時間の流量変動には到底追従できない。また、”超純水の科学”に記載の方法の超純水流量の測定値から炭酸ガスの流量をフィードフォワード制御する方法では、高価なマイコン回路、高価なマスフローコントローラーを必要とし、その制御性も満足できるものではない。特開平7−60082号公報には超純水流量が変動した際に比抵抗値を一定値に制御するという考えが含まれていない。また、炭酸ガス圧力を設定しただけでは超純水流量が変化した場合の比抵抗値の変動は避けられない。
【0006】
本発明の目的は、これらの問題点を全て解決し、制御機構の不要な簡便且つ、コンパクトな超純水の比抵抗値を調整する装置及び方法を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は以下である。
【0008】
(1) ハウジング内に気体透過膜が配設され、それを境界として超純水通過部と炭酸ガスまたはアンモニアガス通過部が形成されたハウジングを有する膜モジュールを備え、
前記超純水通過部と連絡する超純水原水入口と、それらを連絡する中間部に設けられた分配部を備え、
前記超純水通過部と連絡する比抵抗調整超純水出口と、それらを連絡する中間部に設けられた合流部を備え、
前記分配部と前記合流部とを連絡するバイパス流路を備え、
前記分配部が前記超純水原水入口から入れられる超純水原水を前記超純水通過部とバイパス流路とに定率流量比で分配し、
前記気体透過膜が、前記超純水通過部を通過する超純水原水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを、そのガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の濃度まで溶解させる能力を有するものである、超純水の比抵抗調整装置。
【0009】
(2) 超純水の比抵抗を調整するために、超純水に気体透過膜を介して炭酸ガスまたはアンモニアガスを接触させ、超純水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを供給して所望の比抵抗値とする、所定比抵抗値を有する超純水を製造するための装置であって、
気体透過膜を備えた膜モジュールとして、予め想定される変動流量の超純水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを、そのガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の濃度まで溶解させる能力を有する膜モジュールを備え、それによって、供給される超純水の流量が変動してもほぼ一定の比抵抗値となる如く、炭酸ガスまたはアンモニアガスが溶解された超純水を生成させる手段を備え、
超純水原水(炭酸ガスまたはアンモニアガス未溶解超純水)側に分配部とバイパス流路を備え、超純水原水を膜モジュールとバイパス流路とへ定率流量比で分配させ、
生成した炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水とバイパス流路からの超純水原水とを合流させ均一混合させる手段を備え、
混合後の超純水が最終目標の比抵抗値となる様に希釈する、超純水の比抵抗調整装置。
【0010】
(3) 気体透過膜として中空糸膜を備え、相対的に小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を生成させるための中空糸膜モジュールと、相対的に大流量の超純水原水を通過させるバイパス管路と、該膜モジュールとバイパス管路に超純水原水を定率流量比で分配する分配装置と、生成した炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水とバイパス管路を経た超純水原水とを合流させ均一に混合させる合流混合装置と、膜モジュールに供給される炭酸ガスまたはアンモニアガスの圧力を一定に保持するための調圧弁とからなる前記(2)記載の装置。
【0011】
(4) バイパス管路が中空糸膜モジュール内に設けられた前記(3)記載の装置。
【0012】
(5) 中空糸膜モジュールが、中空糸膜外側とハウジングの間の空間部に炭酸ガスまたはアンモニアガスを給気し、中空糸膜の内側に超純水を流す内部灌流型であって、組み込まれた中空糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設されたものである前記(3)又は(4)記載の装置。
(6) 中空糸膜モジュールが、中空糸膜の内側に炭酸ガスまたはアンモニアガスを給気し、中空糸膜外側とハウジングの間の空間部に超純水を流す外部灌流型であって、組み込まれた中空糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設されたものである前記(3)又は(4)記載の装置。
(7) バイパス管路が中空糸膜モジュール内に設けられ、当該バイパス管路が、管壁から炭酸ガスまたはアンモニアガスを透過させない円筒管からなり、複数本の中空糸膜と共に収束されハウジング内に配設された、前記(5)記載の装置。
(8) 中空糸膜モジュールが、炭酸ガス透過速度が100×10−6[cm3/cm2・sec・cmHg]以上またはアンモニアガス透過速度100×10−6[cm3/cm2・sec・cmHg]以上である疎水性の気体透過膜をハウジング内に組み込んだものである前記(3)〜(7)のいずれか1に記載の装置。
(9) 中空糸膜がポリー4メチルペンテンー1を素材とし、その内径が20〜350μm、外径が50〜1000μmである前記(8)記載の装置。
(10)炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水と超純水原水とを合流させる手段と、その下流側に均一混合手段としてスタティックミキサーを配設させたものである前記(2)又は(3)記載の装置。
(11)生成した比抵抗値調整済み超純水の比抵抗値を見張るための比抵抗センサーを設け、それと応動する比抵抗計、比抵抗センサーからの信号で炭酸ガスまたはアンモニアガスの供給を遮断する電磁弁を備える、装置に異常が発生した場合のガス遮断装置が溶解された前記(3)記載の装置。
(12)超純水原水を2つの流れに定率流量比で分配する工程と、
超純水の一方の流れに気体透過膜を介して、供給する炭酸ガス圧またはアンモニアガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度まで炭酸ガスまたはアンモニアガスを溶解して、比抵抗調整超純水を生成する工程と、
前記炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水と他方の超純水原水の流れとを合流する工程
とを備えた、超純水の比抵抗調整方法。
(13)変動する消費量に応じた量の比抵抗値調整済み超純水を製造するための、超純水の比抵抗調整方法において、
消費量に応じて供給される超純水原水を、分配装置によって流量に相対的に大小のある2流に定率流量比で分流し、
膜を隔てて超純水と炭酸ガスまたはアンモニアガスを流すための中空糸膜モジュールに一方の流れを供給して小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を、予め想定された変動流量の範囲内で生成させ、
且つ該炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水をその際の炭酸ガス圧またはアンモニアガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度とさせ、
その炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を大流量に分けられた超純水原水と合流させて均一に混合し、所定の比抵抗値に調整した超純水とする、超純水の比抵抗調整方法。
【0013】
(14)大流量流に分けられた超純水原水を、中空糸膜モジュール内に設けられたバイパス管路を通じて流す前記(13)記載の超純水の比抵抗調整方法。
(15)小流量流の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水の大流量流の超純水に対する流量の比率が1/50より小である前記(13)又は(14)記載の方法。
【0014】
(16)炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度を維持するため、調圧弁により中空糸膜に接する炭酸ガス圧またはアンモニアガス圧を一定に保持させ、中空糸膜モジュールに分流して流入する超純水原水の流量の変動に応じて炭酸ガスまたはアンモニアガスの供給量を相対的に変化させる前記(13)記載の方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の典型的なもの及び最良の状態は後記の実施例に具体的に示されるが、その概要を示すと以下の通りである。
【0016】
図1は本発明に適する装置の一例である。
【0017】
本発明は複雑な制御機構を持たない、簡便且つコンパクトな超純水の比抵抗調整装置及び調整方法を提案するものであり、具体的な方法としては比抵抗を調整するべき超純水原水を2流に分け、その一方の流れにガスを付加して小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガスが溶解された超純水を生成させ、それと大流量の超純水原水とを合流させ、均一混合、希釈する事により比抵抗調整を行う装置及び方法である。
【0018】
この炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解効率を高めるために当該装置の中に膜モジュールを配設させ、この膜を介して炭酸ガスまたはアンモニアガスを超純水中へ供給溶解させる事を更なる提案としている。
【0019】
本発明に使用する気体透過膜は、炭酸ガスまたはアンモニアガス透過速度の大きなものであれば素材及び構造及び形態等特に制限は無いが、膜素材は疎水性の高い素材が好ましい。例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン等の各種フッ素樹脂、ポリブテン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)系樹脂等の素材が好適に挙げられる。また膜構造も、微多孔膜、均質膜、不均質膜、複合膜、ポリプロピレン微多孔膜等層でウレタン等の薄膜をサンドイッチ膜いわゆるサンドイッチ膜等いずれも使用できる。膜の形態としては平膜、中空糸膜が挙げられるが、ガスの溶解効率の面では中空糸膜が好ましい。中空糸膜の炭酸ガス透過速度またはアンモニアガス透過速度は、1×10−6[cm3/cm2・sec・cmHg]以上10[cm3/cm2・sec・cmHg]以下であることが好ましい。1×10−6[cm3/cm2・sec・cmHg]未満であると中空糸膜を透過する炭酸ガスまたはアンモニアガスの透過速度が遅く、目標とする比抵抗値に到達しなかったり、超純水流量が変動した際に比抵抗値が変動する。また、10[cm3/cm2・sec・cmHg]を越えるとゲージ圧で0.1kg/cm2以上で炭酸ガスまたはアンモニアガスを供給すると炭酸ガスまたはアンモニアガスが気泡となって超純水に混入したり、逆に超純水が炭酸ガスまたはアンモニアガス側に透過するという問題点がある。炭酸ガスまたはアンモニアガスが気泡となると比抵抗値を一定に調整することが困難となる。
【0020】
特にポリ(4−メチルペンテン−1)系樹脂を素材とする中空糸不均質膜は炭酸ガスまたはアンモニアガスの透過性に優れ且つ水蒸気バリヤー性が高く最も好ましい。本不均質膜については、例えば特公平2−38250号公報、特公平2−54377号公報、特公平4−15014号公報、及び特公平4−50053号公報等に詳しく述べてある。
【0021】
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン系樹脂等のごとく素材のガス透過性が低く、従って炭酸ガスまたはアンモニアガスの溶解用途に適用するためには微多孔構造を取り、その多孔部分により炭酸ガスまたはアンモニアガスを透過させざる得ないこれら膜と比較し、ポリ(4−メチルペンテン−1)系樹脂を素材とする本不均質膜は、素材自体気体透過性が十分高く、また緻密層部の膜厚が十分に薄く、膜表面全体が炭酸ガスまたはアンモニアガス透過に寄与する事ができ、結果として実質的な膜面積が大きくなり極めて好ましい。
【0022】
また、このポリ(4−メチルペンテン−1)系樹脂からなる不均質膜は、高い気体透過性能を有しつつ膜壁を貫く連通細孔の孔径及びその開孔面積が極めて小さく、従ってPPやPEの微多孔膜に比べ水蒸気のバリヤー性に極めて優れた性能を有する。
【0023】
中空糸膜を配設するハウジングについては、上述の超純水への不純物の溶出の無いものであれば、何ら材質は一切問わない。
【0024】
具体的に例示すれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン1などのポリオレフィン系、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリサルフォンなどのエンジニアリングプラスチック、或いは低溶出の為超純水の配管素材として使用されている、クリーン塩化ビニル系などが挙げられる。
【0025】
中空糸膜モジュール構造としては、中空糸膜を複数本収束しハウジング内に配設し、中空糸膜外側とハウジングの間の空間部に炭酸ガスまたはアンモニアガスを給気し中空糸膜の内側に超純水を流す内部灌流型のみならず、それ以外にも特公平5−21841号公報にある中空糸の外側に超純水を流し、内側に炭酸ガスまたはアンモニアガスを流す外部灌流型も考えられる。
【0026】
外部灌流型の場合には、ハウジング内への中空糸の充填むらなどの原因による水の偏流(チャンネリング)が生じるのを防ぐために、中空糸を、中空糸同士又は他の糸条とによってシート状、例えば簾状に組織されたシート状物とし、それから得られる重畳体、捲回体、収束体の状態でハウジング内に組み込むことが効果的である。また中空糸を筒状芯に綾巻きするなどした三次元組織を組み込む等適宜の形状を採ることもできる。
【0027】
内灌流、外灌流どちらの型を採るかは、超純水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを溶解する事により比抵抗値を下げるという目的からすればどちらの構造でも構わないが、製造する炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水の流量の大幅な変動に追随させねばならない場合に、設定比抵抗値への高速応答性・精度や再現性・安定性などを考慮して超純水へ効率的に均等且つ均一に炭酸ガスまたはアンモニアガスを溶解させる必要があり、こういった点から内部灌流型の中空糸膜モジュールの方が好ましい。
【0028】
超純水原水を中空糸膜モジュールとバイパス管路に分配する分配装置としては、分流される2流の合計流量が変動しても2流の流量比率が常に一定性を保った状態で2流に分流できるものであれば何ら規定するべきものはなく、簡便的に配管用ティーズや分岐バルブなどが使用できる。しかし、更にそれらの分配比率を精密バルブ付き流量計や、規定水量しか流せないようなオリフィスによって制御する様にしたものでも良い。
【0029】
但しその材質面では、超純水への不純物溶出を考慮する必要があり、フッ素系ポリマーやクリーン塩化ビニル、超純水対応のオーステナイト系ステンレス、無機ガラスなどを使用しなくてはならない。
【0030】
生成した炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水とバイパス管路を経た原水を合流させる合流装置としては2流を合流させる流入口があれば何ら規定するべきものはなく、簡便的には配管用ティーズで良い。
【0031】
合流装置の下流側には、合流した2流を均一に混合させる目的で、スタティックミキサーを配設させればより一層好ましいが、適当な長さの屈曲管路を設ける事によって、均一混合され希釈された超純水が得られる。合流装置及びスタティックミキサーの材質も超純水への不純物溶出には十分考慮し、フッ素系ポリマーやクリーン塩化ビニル、超純水対応のオーステナイト系ステンレス、無機ガラスなどを使用しなくてはならない。
【0032】
従来技術では、炭酸ガスの流量または圧力について精密な自動制御を行っていたが、本発明では炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度がある程度の一定値に保たれれば良いので、バルブの高度な自動制御を必要としない。必要とされる炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度は、炭酸ガスまたはアンモニアガスが溶解される超純水の水温と、ヘンリーの法則によって供給炭酸ガスまたはアンモニアガスの圧力に比例して定まる平衡濃度の90%以上の値で、ほぼ一定した値である。本発明において適当な炭酸ガスまたはアンモニアガスの圧力は0.15〜1.5kgf/cm2・Gである。
【0033】
炭酸ガスまたはアンモニアガスは調圧弁によって定圧的に供給する事により、膜モジュール内の超純水の流量変動に応じた供給量が保持され、炭酸ガスまたはアンモニアガスの定濃度性がが保たれる。
【0034】
炭酸ガスまたはアンモニアガス圧力調圧弁については、供給元側(一時側)のガス中コンタミネーションが中空糸膜に付着しない様、事前にフィルタレーションを行ってさえおけば、何ら構造,材質,型式を規定する必要はなく、半導体や液晶分野で一般的に使用されているもので差し支えない。
【0035】
例示すれば、プレッシャーレギュレーティングバルブ、ベローズプレッシャーバルブ、プレッシャーレギュレータ、バックプレッシャーバルブ等の圧力制御バルブ(レギュレータ)が挙げられる。
【0036】
バイパス管路は、超純水を流す管であってその管壁が炭酸ガスまたはアンモニアガスを透過させない管であれば良く、2分流された超純水が所定比率で一定に保たれておればその形状は問題とはならない。
【0037】
又、必ずしもバイパス管路数は1本に限定されるものではない。
【0038】
バイパス管路内を超純水が通ることから、その管の材質は、前期同様の観点から、プラスチック製、樹脂製よりも超純水対応のオーステナイト系ステンレスや無機ガラスが好ましい。
【0039】
本発明を更に説明する。
【0040】
これ迄に各種文献などで炭酸ガスまたはアンモニアガスの超純水への溶解メカニズム、超純水へ炭酸ガスまたはアンモニアガスを直接溶解させる場合の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度と比抵抗値の関係は公知となっている。
【0041】
従って超純水の比抵抗を調整する目的で、中空糸膜を介して超純水に所定量の炭酸ガスを溶解する事は特公平5−21841、”超純水の科学”に記載のフィードフォワード法、フィードバック法などでも提案されてきた。しかしながら超純水量が瞬時に変動する場合、それに応答させ所定の比抵抗値に追従、制御させる事は実際には難しい。
然るに本発明者らは超純水原水を2流に分け、比抵抗所定値を与える炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度より高い濃度で炭酸ガスまたはアンモニアガスを溶解した超純水を、超純水原水で希釈し、その一定比率を保持させ均一に混合させる方法により比抵抗調整できる事を見いだした。
【0042】
即ち本発明の重点は、消費量に応じて供給される超純水原水を、分配装置によって流量に大小のある2流に一定比率で分流し、膜を隔てて超純水と炭酸ガスまたはアンモニアガスを流すための中空糸膜モジュールに一方の流れを供給して小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水を高い炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度で生成させ、その炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水を大流量に分けられた原水へ合流させて均一に混合させる方法により、容易に比抵抗調整超純水を得る事にあるが、更には分流を当該装置内の配管系で実施するか、バイパス管路を中空糸膜モジュール内に設けて実施するか、いくつかの方法で考えられる。
尚炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解は常温水温下の前記好ましい炭酸ガス圧力またはアンモニアガス圧下で行えば、その条件における平衡濃度の炭酸ガスまたはアンモニアガスが溶解してほぼ一定値となり、比抵抗調整は行いやすくなる。
【0043】
炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を生成させる為の超純水原水とバイパス管路に流す超純水原水の分流比率は、所望とする比抵抗値により大きく変わり、又比抵抗値をどの程度の範囲内にコントロールすればよいのかは、超純水使用対象の半導体或いは液晶分野でのデバイスの種類や使用する洗浄工程によって大きく変わる。
【0044】
従って比抵抗調整超純水の使用目的によって、前記流量比の大小関係は適宜変更して対応することが極めて効果的である。
【0045】
近年の半導体や液晶分野でのウエハ洗浄工程では、比抵抗値0.1[MΩ・cm]以上が特に望まれており、この場合小流量側の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水の大流量側の超純水に対する比率が1/50より小さければ良い。
【0046】
【実施例】
以下に本発明を実施例及び比較例によって更に具体的に説明をする。 ただし、本発明はこれに限定され制約されるものではない。
【0047】
これらの例において超純水の比抵抗は、市販の比抵抗測定器(THORNTON社製200CR及び、COS社製CE−480R)を用いて測定した。
【0048】
原水としては25[℃]にて18.2[MΩ・cm]の比抵抗を持つ超純水を用い、超純水の流量は2〜8[リットル/min.]の間で変動させた。その流量維持時間は30秒で段階的に変動させた。その供給水圧は2[kgf/cm2・G] とした。
【0049】
炭酸ガス及びアンモニアガス源には7[m3] の炭酸ガスボンベ及びアンモニアガスボンベを用意し、二段式圧力調整器及びプレッシャーレギュレーティングバルブにて、膜モジュールへ給気すべき炭酸ガスまたはアンモニアガスの圧力を1[kgf/cm2・G]とした。
【0050】
実施例1
中空糸膜モジュールとしてはポリー4−メチルペンテンー1を素材とし、内径200[μm],外径250[μm]の糸を収束させ、クリーン塩化ビニル樹脂製のハウジング内に糸の両端を樹脂で固めることにより、0.5[m2]の膜面積を持つ内部灌流型の気体給気用中空糸モジュール1(大日本インキ化学工業(株)製SEPAREL PF−001)を得た。中空糸膜の炭酸ガス透過速度は3.5×10−5[cm3/cm2・sec・cmHg]であった。これは以下の実施例及び比較例において共通する。
【0051】
図1は当該中空糸膜モジュール1を組み込んだ実施例1の装置の模式図である。
【0052】
実施例1の装置は、中空糸膜モジュール1が炭酸ガス溶解流路2の途中に設けられている。中空糸膜モジュール1の上流側では、バイパス管路3の一端が分配装置5を介して炭酸ガス溶解流路2に接続している。バイパス管路3の他端は、中空糸膜モジュール1の下流側で合流装置6を介して炭酸ガス溶解回路2に接続している。分配装置5の上流側には超純水原水入口7が設けられている。合流装置6の下流側には比抵抗調整処理を行った超純水の出口8が設けられている。中空糸膜モジュール1と分配装置5との間の炭酸ガス溶解流路2およびバイパス管路3にはそれぞれ流量計FI1、FI2が設けられている。中空糸膜モジュール1の中央部には炭酸ガス給気口9が設けられ、ここに炭酸ガス流路4が接続される。炭酸ガス流路4の途中には調圧弁10が設けられている。炭酸ガス給気口9と調圧弁14との間の炭酸ガス流路4には炭酸ガス圧力計PIが設けられている。
【0053】
実施例1の装置は次のように作動する。超純水原水は超純水原水入口7から装置内に入れられる。超純水原水は、分配装置5で比較的小流量の流れと比較的大流量の流れとに分配される。比較的小流量の流れは炭酸ガス溶解流路2に導かれ、さらに中空糸膜モジュール1内の中空糸膜の内部に導かれる。比較的大流量の流れはバイパス管路3に導かれる。炭酸ガスは炭酸ガス流路4に導入される。この炭酸ガスは調圧弁14で一定圧力に調整された後に、炭酸ガス給気口9から中空糸膜モジュール内に導かれ、中空糸膜を透過し、中空糸内の超純水原水に溶解される。ここで中空糸膜内の超純水原水は炭酸ガス付加超純水となる。この炭酸ガス溶解超純水は、中空糸膜モジュール1の出口側の流路に導かれ、合流装置6でバイパス管路3からの比較的大流量の流れと合流し、目的とする比抵抗調整超純水が得られる。
【0054】
図1の装置を用いて、超純水全体の流量を変動させて比抵抗調整超純水の比抵抗値を測定した。表1に本装置による比抵抗値変化の結果を示す。流量変動に対する追従のずれはほとんど認められなかった。
実施例2
本実施例では、バイパス管路を付加した内部潅流中空糸膜モジュール11(大日本インキ化学工業(株)製SEPAREL PF−001R5)を用いた。図2にこの中空糸膜モジュール11の断面図を示す。
【0055】
この中空糸膜モジュール11は、バイパス管路19となる円筒部分と中空糸膜部分20とをクリーン塩化ビニル樹脂製のハウジング内に組み込んだ、内部潅流型のモジュールである。中空糸膜部分20は、ポリ−4−メチルペンテン−1を素材とし、内径200[μm]、外径250[μm]の中空糸膜を収束させて構成され、0.5[m2]の膜面積を有する。この中空糸膜部分20の両端は樹脂で固められ、中空糸膜とハウジングとを接着封止する接着封止部23を形成している。バイパス管路19は、超純水対応のSUS316製円筒である。実施例2の装置において、中空糸膜部分20に対するバイパス管路19への超純水原水の供給比率は50倍である。中空糸膜モジュール11のハウジング中央部には炭酸ガス給気口22が設けられている。
【0056】
この中空糸膜モジュール11は、ハウジングの両端で中空糸膜部分20の膜端開口部とバイパス管路19の開口とが並んで配置されている。ハウジングの両端はそれぞれエンドキャップ21で覆われている。これによって、それぞれのエンドキャップ21の内部に超純水の分配部15及び合流部16が形成される。合流部16を形成するエンドキャップ21には比抵抗調整処理を行った超純水の出口18が形成されている。従って、本実施例の中空糸膜モジュール11は、分配装置、中空糸膜モジュール、バイパス管路及び合流装置等の全体が一体化されたものとされている。超純水原水の中空膜部分20及びバイパス管路への前記供給比率は、分配部15側の中空糸膜部分20の開口の総面積と、バイパス管路19の開口面積との比率に反映される。
【0057】
実施例2の装置は次のように動作する。超純水原水は超純水原水入口17から装置内の分配部15に入れられる。超純水原水は、1:50の割合で中空糸膜部分20の中空糸膜内とバイパス管路内とにそれぞれ導入される。炭酸ガスは、炭酸ガス給気口22から中空糸膜モジュール1内に導かれ、中空糸膜の外表面に接する。炭酸ガスはさらに中空糸膜を透過し、中空糸膜内の超純水原水に溶解される。ここで超純水原水は炭酸ガス溶解水となる。この炭酸ガス溶解水は、合流部16に導かれ、ここでバイパス管路19からの超純水原水と合流する。こうして得られた目的とする比抵抗調整超純水は、出口18から取り出される。
【0058】
図2の装置を用いて、超純水全体の流量を変動させて比抵抗値調整超純水の比抵抗値を測定した。表1に本装置による比抵抗値変化の結果を示す。流量変動に対する追従のずれはほとんど認められなかった。
実施例3
実施例3の中空糸膜モジュールは、中空糸膜部分に対するバイパス管路への超純水原水の供給比率を150倍とした以外は、実施例2の中空糸膜モジュールと同様の構成を有する内部潅流型モジュール(大日本インキ化学工業(株)製SEPAREL PF−001R15)とした。
【0059】
この装置を用いて、超純水全体の流量を変動させて比抵抗調整超純水の比抵抗値を測定した。表1に本装置による比抵抗値変化を示す。流量変動に対する追従のずれはほとんど認められなかった。
実施例4
実施例1の装置と同じ中空糸膜モジュールを用いて、この中空糸膜モジュールへの炭酸ガスと超純水の流れる側を実施例1とは反対にし、中空糸膜の中に炭酸ガスを又中空糸膜の外側に超純水を流すようにして実施例4の装置とした。この実施例4の装置を用いて、超純水全体の流量を変動させて比抵抗調整超純水の比抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。流量変動に対する追従のずれはほとんど認められなかった。
実施例5
炭酸ガスの代わりにアンモニアガスを用いること以外は実施例1と同一にして実施例5の装置とした。実施例5の装置を用いて、超純水全体の流量を変動させて比抵抗調整超純水の比抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。流量変動に対する追従のずれはほとんど認められなかった。
比較例
比較例として、実施例1の装置からバイパス管路を取り外したものを装置として用いた。超純水原水が2[リットル/min]の時、設定比抵抗値が0.1[MΩ・cm]となるように炭酸ガス圧力を調整しようとしたが、炭酸ガス圧力を0.01[kgf/cm2・G]にしても比抵抗値が0.03[MΩ・cm]となってしまい、比抵抗値の調整が不可能であった。そこで、炭酸ガスの供給流路にニードルバルブを設け、ニードルバルブの開度を変化させる事により比抵抗値を0.1[MΩ・cm]に調整した。次いでニードルバルブの開度をそのままに維持し、超純水流量を2〜8[リットル/min]の間で変化させて比抵抗調整超純水の比抵抗値を測定した。その時の比抵抗値変化を表1に示す。
【0060】
次に、超純水原水が2[リットル/min]の時、設定比抵抗値が0.2[MΩ・cm]となるようにニードルバルブの開度を調整し、超純水原水流量を2〜8[リットル/min]の間で変動させて比抵抗調整超純水の比抵抗値を測定した。この結果も表1に示す。
【0061】
本比較例では、いずれの設定比抵抗値においても、流量変動に対する追従のずれが顕著に認められた。
【0062】
【表1】
Figure 0003690569
【0063】
【発明の効果】
本発明では、消費量に応じて供給される超純水原水を、分配装置によって流量に大小のある2流に一定比率で分流し、中空糸モジュールに一方の流れを供給して小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水を生成させ、その炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水を大流量に分けられていた原水へ合流させて均一に混合させる事により、容易に比抵抗調整が可能となる。
【0064】
当該装置の下流側のウエットプロセス洗浄機で使用の際には、超純水使用量が瞬時に変動しても、何ら制御機器を用いる事なく容易且つ安定して、所望の比抵抗値を有する超純水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、バイパス管路19を中空糸膜20と共に収束、配設させた内部灌流型中空糸膜モジュールの縦断面図である。
【図2】 本発明による、比抵抗調整を目的とした超純水の比抵抗調整装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
PI 炭酸ガスまたはアンモニアガス圧力計
FI1 超純水小流量側の、炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解水流量計
FI2 超純水大流量側のバイパス流量計
1 炭酸ガスまたはアンモニアガス給気用の中空糸膜モジュール
2 炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解流路
3 バイパス管路
4 炭酸ガスまたはアンモニアガス流路
5 分配装置
6 合流装置
7 超純水原水入口
8 比抵抗調整超純水出口
9 炭酸ガスまたはアンモニアガス給気口
10 調圧弁
11 中空糸膜モジュール
12 炭酸ガスまたはアンモニアガス給気口
13 中空糸膜とモジュールハウジングの接着封止部
14 調圧弁
15 分配部
16 合流部
17 超純水原水入口
18 比抵抗調整超純水出口
19 バイパス管路
20 中空糸膜部分
21 エンドキャップ
22 炭酸ガスまたはアンモニアガス給気部
23 接着封止部

Claims (16)

  1. ハウジング内に気体透過膜が配設され、それを境界として超純水通過部と炭酸ガスまたはアンモニアガス通過部が形成されたハウジングを有する膜モジュールを備え、
    前記超純水通過部と連絡する超純水原水入口と、それらを連絡する中間部に設けられた分配部を備え、
    前記超純水通過部と連絡する比抵抗調整超純水出口と、それらを連絡する中間部に設けられた合流部を備え、
    前記分配部と前記合流部とを連絡するバイパス流路を備え、
    前記分配部が前記超純水原水入口から入れられる超純水原水を前記超純水通過部とバイパス流路とに定率流量比で分配し、
    前記気体透過膜が、前記超純水通過部を通過する超純水原水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを、そのガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の濃度まで溶解させる能力を有するものである、超純水の比抵抗調整装置。
  2. 超純水の比抵抗を調整するために、超純水に気体透過膜を介して炭酸ガスまたはアンモニアガスを接触させ、超純水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを供給して所望の比抵抗値とする、所定比抵抗値を有する超純水を製造するための装置であって、
    気体透過膜を備えた膜モジュールとして、予め想定される変動流量の超純水に炭酸ガスまたはアンモニアガスを、そのガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の濃度まで溶解させる能力を有する膜モジュールを備え、それによって、供給される超純水の流量が変動してもほぼ一定の比抵抗値となる如く、炭酸ガスまたはアンモニアガスが溶解された超純水を生成させる手段を備え、
    超純水原水(炭酸ガスまたはアンモニアガス未溶解超純水)側に分配部とバイパス流路を備え、超純水原水を膜モジュールとバイパス流路とへ定率流量比で分配させ、
    生成した炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水とバイパス流路からの超純水原水とを合流させ均一混合させる手段を備え、
    混合後の超純水が最終目標の比抵抗値となる様に希釈する、超純水の比抵抗調整装置。
  3. 気体透過膜として中空糸膜を備え、相対的に小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を生成させるための中空糸膜モジュールと、相対的に大流量の超純水原水を通過させるバイパス管路と、該膜モジュールとバイパス管路に超純水原水を定率流量比で分配する分配装置と、生成した炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水とバイパス管路を経た超純水原水とを合流させ均一に混合させる合流混合装置と、膜モジュールに供給される炭酸ガスまたはアンモニアガスの圧力を一定に保持するための調圧弁とからなる請求項2記載の装置。
  4. バイパス管路が中空糸膜モジュール内に設けられた請求項3記載の装置。
  5. 中空糸膜モジュールが、中空糸膜外側とハウジングの間の空間部に炭酸ガスまたはアンモニアガスを給気し、中空糸膜の内側に超純水を流す内部灌流型であって、組み込まれた中空糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設されたものである請求項3又は4記載の装置。
  6. 中空糸膜モジュールが、中空糸膜の内側に炭酸ガスまたはアンモニアガスを給気し、中空糸膜外側とハウジングの間の空間部に超純水を流す外部灌流型であって、組み込まれた中空糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設されたものである請求項3又は4記載の装置。
  7. バイパス管路が中空糸膜モジュール内に設けられ、当該バイパス管路が、管壁から炭酸ガスまたはアンモニアガスを透過させない円筒管からなり、複数本の中空糸膜と共に収束されハウジング内に配設された、請求項5記載の装置。
  8. 中空糸膜モジュールが、炭酸ガス透過速度が1×10−6[cm3/cm2・sec・cmHg]以上10[cm3/cm2・sec・cmHg]以下またはアンモニアガス透過速度が1×10−6[cm3/cm2・sec・cmHg]以上10[cm3/cm2・sec・cmHg]以下である疎水性の気体透過膜をハウジング内に組み込んだものである請求項3〜7のいずれか1に記載の装置。
  9. 中空糸膜がポリー4メチルペンテンー1を素材とし、その内径が20〜350μm、外径が50〜1000μmである請求項8記載の装置。
  10. 炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水と超純水原水とを合流させる手段と、その下流側に均一混合手段としてスタティックミキサーを配設させたものである請求項2又は3記載の装置。
  11. 生成した比抵抗値調整済み超純水の比抵抗値を見張るための比抵抗センサーを設け、それと応動する比抵抗計、比抵抗センサーからの信号で炭酸ガスまたはアンモニアガスの供給を遮断する電磁弁を備える、装置に異常が発生した場合のガス遮断装置が付加された請求項3記載の装置。
  12. 超純水原水を2つの流れに定率流量比で分配する工程と、
    超純水の一方の流れに気体透過膜を介して、供給する炭酸ガス圧またはアンモニアガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度まで炭酸ガスまたはアンモニアガスを溶解して、比抵抗調整超純水を生成する工程と、
    前記炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水と他方の超純水原水の流れとを合流する工程
    とを備えた、超純水の比抵抗調整方法。
  13. 変動する消費量に応じた量の比抵抗値調整済み超純水を製造するための、超純水の比抵抗調整方法において、
    消費量に応じて供給される超純水原水を、分配装置によって流量に相対的に大小のある2流に定率流量比で分流し、
    膜を隔てて超純水と炭酸ガスまたはアンモニアガスを流すための中空糸膜モジュールに一方の流れを供給して小流量の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を、予め想定された変動流量の範囲内で生成させ、
    且つ該炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水をその際の炭酸ガス圧またはアンモニアガス圧と水温によって定まる平衡濃度の90%以上のほぼ一定の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度とさせ、
    その炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水を大流量に分けられた超純水原水と合流させて均一に混合し、所定の比抵抗値に調整した超純水とする、超純水の比抵抗調整方法。
  14. 大流量流に分けられた超純水原水を、中空糸膜モジュール内に設けられたバイパス管路を通じて流す請求項13記載の超純水の比抵抗調整方法。
  15. 小流量流の炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水の大流量流の超純水に対する流量の比率が1/50より小である請求項13又は14記載の方法。
  16. 炭酸ガスまたはアンモニアガス溶解超純水の炭酸ガス濃度またはアンモニアガス濃度を維持するため、調圧弁により中空糸膜に接する炭酸ガス圧またはアンモニアガス圧を一定に保持させ、中空糸膜モジュールに分流して流入する超純水原水の流量の変動に応じて炭酸ガスまたはアンモニアガスの供給量を相対的に変化させる請求項13記載の方法。
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