JPH11139804A - 超純水の比抵抗調整装置及び調整方法 - Google Patents

超純水の比抵抗調整装置及び調整方法

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JPH11139804A
JPH11139804A JP30846697A JP30846697A JPH11139804A JP H11139804 A JPH11139804 A JP H11139804A JP 30846697 A JP30846697 A JP 30846697A JP 30846697 A JP30846697 A JP 30846697A JP H11139804 A JPH11139804 A JP H11139804A
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hollow fiber
ultrapure water
carbon dioxide
fiber membrane
dioxide gas
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JP30846697A
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Kazunari Sakai
一成 酒井
Hitoshi Kato
均 加藤
Toshio Kanbe
利夫 神戸
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御機構の不要な簡便かつコンパクトな超純
水の比抵抗値を調整する装置及び方法を提供する。 【解決手段】 中空糸膜外側とハウジングの間の空間部
に超純水を流し、中空糸膜の内側に炭酸ガスを給気する
外部潅流型モジュールであり、中空糸膜の内側から中空
糸膜外側の超純水中への炭酸ガスの総括透過速度が1×
10-7以上1×10-4以下[cm2(STP)/cm2
sec・cmHg]となるように中空糸膜が複数本収束
された状態でハウジング内に配設された中空糸膜モジュ
ールと、膜モジュールに供給される炭酸ガスの圧力を一
定に保持するための調圧弁とからなる超純水の比抵抗調
整装置及び方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に半導体分野や
液晶分野での洗浄用水に用いられる超純水の比抵抗を調
整する装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶の製造工程において、超純
水(比抵抗≧18MΩ・cm)を使用してフォトマスク
基板、シリコンウェハーを洗浄する場合、ダイシングマ
シンにてウェハーを切断する場合に、超純水の比抵抗が
高いために静電気が発生し、そのために絶縁破壊を起こ
したり、或いは微粒子の吸着などが生じることで、基板
の製品歩留まりに著しく悪影響を及ぼす事が広く知られ
ている。そこでこのような悪影響を解消するために、一
般的には超純水流路にマグネシウムのメッシュを装着し
て超純水の比抵抗を低下させる方法が知られている。
【0003】又、疎水性の多孔質中空糸膜モジュールを
用いて超純水に炭酸ガスを溶解させ、解離平行により発
生した炭酸イオンにより比抵抗を低下させる方法として
は、超純水の比抵抗調整装置(特公平5−21841号
公報)、超純水の比抵抗調整方法及び装置(特開平7−
60082号公報)が提案されている。
【0004】また、シリコンウェハーの洗浄、ダイシン
グ等の工程では、超純水の流量変動が激しく、流量が変
動しても比抵抗が変動しないことが要求される。極端な
場合には、数秒単位での流量変動が起こる。超純水の流
量が変動しても比抵抗を一定に制御する方法として、”
超純水の科学”(半導体基盤技術研究会編、株式会社リ
アライズ社発行)に、炭酸ガス溶解後の比抵抗を測定
し、炭酸ガス流量をフィードバック制御を行う方法(3
92ページ)、超純水流量を測定し炭酸ガス流量をマス
フローコントローラーによりフィードフォワード制御す
る方法(401ページ)が記されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公平5
−21841号公報に記載の炭酸ガスの流量を制御する
方法、”超純水の科学”に記載の方法の炭酸ガスの流量
をフィードバック制御する方法では、短時間の流量変動
には到底追従できない。また、”超純水の科学”に記載
の方法の超純水流量の測定値から炭酸ガスの流量をフィ
ードフォワード制御する方法では、高価なマイコン回
路、高価なマスフローコントローラーを必要とし、その
制御性も満足できるものではない。特開平7−6008
2号公報には超純水流量が変動した際に比抵抗値を一定
値に制御するという考えが含まれていない。また、炭酸
ガス圧力を設定しただけでは超純水流量が変化した場合
の比抵抗値の変動は避けられない。
【0006】本発明の目的は、これらの問題点を全て解
決し、制御機構の不要な簡便且つ、コンパクトな超純水
の比抵抗値を調整する装置及び方法を提供するところに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の通
りである。 (1)超純水の比抵抗を調整するために、中空糸膜モジ
ュールを用いて超純水に炭酸ガスを供給し、所望の比抵
抗値の超純水を製造する装置において、中空糸膜外側と
ハウジングの間の空間部に超純水を流し、中空糸膜の内
側に炭酸ガスを給気する外部潅流型であり、中空糸膜の
内側から中空糸膜外側の超純水中への炭酸ガスの総括透
過速度が1×10-7以上1×10-4以下[cm3(ST
P)/cm2・sec・cmHg]となるように、中空
糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設され
た中空糸膜モジュールと、膜モジュールに供給される炭
酸ガスの圧力を一定に保持するための調圧弁とからなる
超純水の比抵抗調整装置装置。 (2)変動する消費量に応じた量の比抵抗値調整済み超
純水を製造する比抵抗調整方法において、中空糸膜モジ
ュールを用いて超純水に炭酸ガスを供給し、中空糸膜モ
ジュールとして、中空糸膜外側とハウジングの間の空間
部に超純水を流し、中空糸膜の内側に炭酸ガスを給気す
る外部潅流型であり、中空糸膜の内側から中空糸膜外側
の超純水中への炭酸ガスの総括透過速度が1×10-7
上1×10 -4以下[cm3(STP)/cm2・sec・
cmHg]となるように、中空糸膜が複数本収束された
状態でハウジング内に配設された中空糸膜モジュールを
用い、中空糸膜モジュールに供給する炭酸ガスの圧力を
一定に保持することからなる超純水の比抵抗調整方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態及び最良の状
態は、後記の実施例に具体的に示されるが、その典型例
を示すと以下の通りである。
【0009】中空糸膜モジュールとしてはポリー4−メ
チルペンテンー1を素材とした、炭酸ガス透過速度が1
0×10-5[cm3(STP)/cm2・sec・cmH
g]、内径200[μm],外径250[μm]の不均
質中空糸膜を多数収束させ、クリーン塩化ビニル樹脂製
の内容積200〜700ccのハウジング内に糸の両端
を樹脂で固めることにより、中空糸膜外表面の表面積が
0.5[m2]の図2に示される構造の外部潅流型のモ
ジュールを用い、図1に示す装置に該モジュールを組み
込む。
【0010】原水として25[℃]にて18.2[MΩ
・cm]の比抵抗を持つ超純水を流量8[リットル/m
in.]で流す場合、得られる超純水の比抵抗値が0.
1[MΩ・cm]となるように炭酸ガス供給量を調整す
ると、炭酸ガスを圧力0.5[kg/cm2・G]、流
量280[cm3(STP)/min]で供給するのが
適当である。このときの炭酸ガスの総括透過速度は2.
4×10-5[cm3(STP)/cm2・sec・cmH
g]と成る。超純水流量を2〜8[リットル/mi
n.]で変動させると、炭酸ガスの流量もそれに応じて
変化し、その際得られる超純水の比抵抗値の変動幅は、
±0.02[MΩ・cm]以内に留まる。
【0011】所望の比抵抗値の超純水を所望の流量で任
意に得るためには、原水供給流量を変え、炭酸ガスの圧
力を調整して炭酸ガス流量を変更したり、更には膜の総
表面積を変更したり、膜モジュール構造を変えて内部の
流水状態を調整すること等の種々の調整を、本発明で特
定される炭酸ガスの総括透過速度の所定範囲内で行うこ
とによって達成することができる。
【0012】以下に本発明を更に詳細に述べる。図1は
本発明に係わる装置の一例を示す。本発明は複雑な制御
機構を持たない、簡便且つコンパクトな超純水への炭酸
ガス付加装置及び付加方法を提案するものである。この
炭酸ガス付加効率を高めるために当該装置の中に中空糸
膜モジュールを配設させ、この膜を介して炭酸ガスを超
純水中へ供給付加させる事を更なる提案としている。
【0013】本発明に使用する中空糸は、炭酸ガス透過
速度の大きなものであれば素材及び構造及び形態等特に
制限は無いが、膜素材は疎水性の高い素材が好ましい。
例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシフ
ッ素樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン等の各種フッ
素樹脂、ポリブテン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリ
(4−メチルペンテン−1)系樹脂等の素材が好適に挙
げられる。また膜構造も、微多孔膜、均質膜、不均質
膜、複合膜、ポリプロピレン微多孔膜等の層でウレタン
等の薄膜をサンドイッチしたいわゆるサンドイッチ膜等
いずれも使用できる。
【0014】中空糸膜の炭酸ガス透過速度は、1×10
-6(cm3(STP)/cm2・sec・cmHg)以上
であることが好ましい。1×10-6(cm3(STP)
/cm2・sec・cmHg) 未満であると中空糸膜を
透過する炭酸ガスの透過速度が遅く、目標とする比抵抗
値に到達しなかったり、超純水流量が変動した際に比抵
抗値が変動する。また、炭酸ガス透過速度は大きい方が
好ましいが、少なくともゲージ圧で0.1kg/cm2
以上で炭酸ガスを供給しても炭酸ガスが気泡とならない
程度にとどめることが好ましい。炭酸ガスが気泡となる
と比抵抗値を一定に調整することが困難となる。
【0015】特にポリ(4−メチルペンテン−1)系樹
脂を素材とする中空糸不均質膜は炭酸ガスの透過性に優
れ且つ水蒸気バリヤー性が高く最も好ましい。本不均質
膜については、例えば特公平2−38250号公報、特
公平2−54377号公報、特公平4−15014号公
報、特公平4−50053号公報及び特開平6−210
146号公報等に詳しく述べてある。
【0016】ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂及びポリフッ化ビニリデン系樹脂等のごとく素材のガ
ス透過性が低く、従って炭酸ガスの溶解用途に適用する
ためには微多孔構造を取り、その多孔部分により炭酸ガ
スを透過させざる得ないこれら膜と比較し、ポリ(4−
メチルペンテン−1)系樹脂を素材とする本不均質膜
は、素材自体気体透過性が十分高く、また緻密層部の膜
厚が十分に薄く、膜表面全体が炭酸ガス透過に寄与する
事ができ、結果として実質的な膜面積が大きくなり極め
て好ましい。
【0017】また、このポリ(4−メチルペンテン−
1)系樹脂からなる不均質膜は、高い気体透過性能を有
しつつ膜壁を貫く連通細孔の孔径及びその開孔面積が極
めて小さく、従ってPPやPEの微多孔膜に比べ水蒸気
のバリヤー性に極めて優れた性能を有する。
【0018】中空糸膜を配設するハウジングについて
は、上述の超純水への溶出無き事さえ考慮すれば、何ら
材質は一切問わない。具体的に例示すれば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン1などの
ポリオレフィン系、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレンなどのフッ素系、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリサルフォンなどのエンジニアリングプラスチッ
ク、或いは低溶出の為超純水の配管素材として使用され
ている、クリーン塩化ビニル系などが挙げられる。
【0019】中空糸膜モジュール構造としては、中空糸
膜を複数本収束しハウジング内に配設し、中空糸膜外側
とハウジングの間の空間部に超純水を流し、中空糸膜の
内側に炭酸ガスを供給する外部潅流型であり、中空糸膜
の内側から中空糸膜外側の超純水中への炭酸ガスの総括
透過速度が1×10-7以上1×10-4以下[cm3(S
TP)/cm2・sec・cmHg]となるように中空
糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設され
た構造のものであればいかなる物でも良い。
【0020】総括透過速度は、中空糸膜外側とハウジン
グの間の空間部に超純水を流し、所定の値の比抵抗値に
なるように中空糸の内側から外側に炭酸ガスを透過させ
る際の炭酸ガス流量をモジュール内の中空糸の膜面積、
炭酸ガスの分圧で割ることにより求められる。即ち、中
空糸膜モジュールにおける炭酸ガスの超純水への溶解の
効率を現すものであり、炭酸ガスの中空糸膜の透過速
度、中空糸外表面での炭酸ガスの超純水への溶解速度、
超純水に溶解した炭酸ガスのモジュール内での拡散速度
など総合したものである。
【0021】例えば膜面積5000[cm2]のモジュ
ールに比抵抗値18[MΩ・cm]の超純水を流し、炭
酸ガスを圧力76[cmHg]で5[cm3/sec]
供給することにより、比抵抗値が0.1[MΩ・cm]
となる場合は、総括透過係数は、5/(5000×7
6)=1.31×10-5となる。
【0022】図2、図3に代表的なモジュール構造を示
す。超純水がモジュールに入り、出口から出て行くまで
に、中空糸に有効に接触するようなモジュール構造では
総括透過速度は大きくなり、中空糸に有効に接触するこ
との無い超純水の比率が多いモジュール構造では総括透
過速度が小さくなる。一般に図2の構造の方が図3の構
造よりも総括透過速度が大きくなる。また、モジュール
構造が同じでもモジュールの内容積に占める中空糸膜の
容積が大きいほど総括透過速度が大きく、中空糸膜の容
積が小さいほど総括透過速度が小さくなる傾向にある。
【0023】総括透過速度が1×10-4[cm3(ST
P)/cm2・sec・cmHg]以上であると、超純
水流量が変動した際に、炭酸ガス圧力を一定にしても比
抵抗値が変動する。また、炭酸ガス透過速度の大きな中
空糸膜を用いた場合には、ゲージ圧0kg/cm2以下
で供給しなければ適切な比抵抗値を得られない。その為
には、炭酸ガスを他のガスで希釈した混合ガスを供給す
るか、真空排気しながら炭酸ガスを供給するというよう
な複雑な操作が必要となり好ましくない。総括透過速度
が1×10-7[cm3(STP)/cm2・sec・cm
Hg] 以下であると炭酸ガスの透過量が不充分となり
比抵抗値が目標値に到達しない。
【0024】炭酸ガス圧力調圧弁については、供給元側
(一時側)のガス中コンタミネーションが中空糸膜に付
着しない様、事前にフィルタレーションを行ってさえお
けば、何ら構造,材質,型式を規定する必要はなく、半
導体や液晶分野で一般的に使用されているもので差し支
えない。
【0025】例示すれば、プレッシャーレギュレーティ
ングバルブ、ベローズプレッシャーバルブ、プレッシャ
ーレギュレータ、バックプレッシャーバルブ等の圧力制
御バルブ(レギュレータ)が挙げられる。
【0026】炭酸ガス圧力は、比抵抗値が設定値になる
ように圧力調整弁により調整する。
【0027】これ迄に各種文献などで炭酸ガスの超純水
への溶解メカニズム、超純水へ炭酸ガスを直接溶解させ
る場合の炭酸ガス濃度と比抵抗値の関係は公知となって
いる。
【0028】従って超純水の比抵抗を調整する目的で、
中空糸膜を介して超純水に所定量の炭酸ガスを付加する
事は特公平5−21841、”超純水の科学”に記載の
フィードフォワード法、フィードバック法などでも提案
されてきた。しかしながら超純水量が瞬時に変動する場
合、それに応答させ所定の比抵抗値に追従、制御させる
事は実際には難しい。
【0029】即ち本発明の重点は、中空糸膜外側とハウ
ジングの間の空間部に超純水を流し、中空糸膜の内側に
炭酸ガスを給気する外部潅流型とすることであり、これ
によって中空糸膜の内側から中空糸膜外側の超純水中へ
炭酸ガスを透過させ、その際の炭酸ガスの総括透過速度
が1×10-7以上1×10-4以下[cm3(STP)/
cm2・sec・cmHg]となるように、中空糸膜が
複数本収束された状態でハウジング内に配設された中空
糸膜モジュールと、膜モジュールに供給される炭酸ガス
の圧力を一定に保持することにある。
【0030】炭酸ガスの圧力を一定に保持することのみ
で、超純水の流量が変動しても比抵抗値が一定となる理
由は明確ではないが以下の様に推測している。即ち、中
空糸膜の内側から中空糸膜外側の超純水中への炭酸ガス
の総括透過速度が1×10-4[cm3(STP)/cm2
・sec・cmHg]以下であることから、ハウジング
内を流れる超純水の大半は中空糸外表面に有効に接触し
ない。炭酸ガスは、中空糸外表面に接触する超純水に高
濃度で溶解する。その濃度は炭酸ガスの圧力との平衡濃
度となり、超純水流量が変動しても変化しない。従っ
て、一定の炭酸ガス濃度とされた一部の超純水がモジュ
ール内もしくはモジュールの下流において中空糸膜面に
有効に接触しなかった超純水により一定比率で希釈され
ることとなり、中空糸膜モジュールに供給される超純水
の総流量が変動しても、比抵抗値は変動しないと考えら
れる。
【0031】比抵抗値をどの程度にコントロールすれば
よいのかは、半導体或いは液晶分野でのデバイスの種類
や使用する洗浄工程によって大きく変わる。近年の半導
体や液晶分野でのウエハ洗浄工程、ダイシング工程では
比抵抗値0.1[MΩ・cm]〜1[MΩ・cm]が特
に望まれている。設定したい比抵抗値の範囲によりハウ
ジング内容積に占める中空糸膜の容積の割合、中空糸膜
の膜面積、モジュールの容積、炭酸ガス圧力として適切
なものを選択すれば良い。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に説明をす
る。 ただし、本発明はこれに限定され制約されるもの
ではない。
【0033】超純水の比抵抗は市販の比抵抗測定器(T
HORNTON社製200CR及び、COS社製CE−
480R)を用いて測定した。原水としては25[℃]
にて18.2[MΩ・cm]の比抵抗を持つ超純水を用
い、超純水の流量は2〜8[リットル/min.]の間
で変動させた。
【0034】炭酸ガス元には7[m3]の炭酸ガスボン
ベを用意し、二段式圧力調整器及びプレッシャーレギュ
レーティングバルブにて、膜モジュールへ給気すべき炭
酸ガスの圧力を調整した。
【0035】(実施例1)中空糸膜モジュールとしては
ポリー4−メチルペンテンー1を素材とし、炭酸ガス透
過速度が10×10-5[cm3(STP)/cm2・se
c・cmHg]、内径200[μm],外径250[μ
m]の不均質膜中空糸を、外表面の表面積が0.5[m
2]となるように収束させ、クリーン塩化ビニル樹脂製
の内容積640ccのハウジング内に糸の両端を樹脂で
固めることにより、図2の構造の外部潅流型のモジュー
ル1を得た。
【0036】図1に当該中空糸膜モジュールを組み込ん
だ装置のフローを示す。超純水流量8[リットル/mi
n.]において炭酸ガスを圧力0.5[kg/cm2
G]で供給することにより比抵抗値が1[MΩ・cm]
となった。その際の炭酸ガス流量は4[cm3(ST
P)/min]であった。炭酸ガスの総括透過速度は、
3.0×10-7[cm3(STP)/cm2・sec・c
mHg]となる。超純水流量を変動させた時のモジュー
ル1による比抵抗値変化の結果を表1示す。また、炭酸
ガス圧力を1.0[kg/cm2・G]とした場合の結
果も表1に示す。
【0037】(実施例2)中空糸膜モジュールとしては
ポリプロピレンを素材とし、炭酸ガス透過速度が500
×10-5[cm3(STP)/cm2・sec・cmH
g]、内径300[μm],外径380[μm]の糸
を、中空糸膜外表面の表面積が0.5[m2]となるよ
うに収束させ、ポリプロピレン樹脂製の内容積320c
cのハウジング内に糸の両端を樹脂で固めることによ
り、図2の構造を持つ外部潅流型のモジュール2を得
た。超純水流量8[リットル/min.]において炭酸
ガスを圧力0.5[kg/cm2・G]で供給すること
により比抵抗値が0.1[MΩ・cm]となった。その
際の炭酸ガス流量は280[cm3(STP)/mi
n]であった。炭酸ガスの総括透過速度は、2.4×1
-5[cm3(STP)/cm2・sec・cmHg]と
なる。超純水流量を変動させた時のモジュール2による
比抵抗値変化の結果を表1示す。
【0038】(実施例3)中空糸膜としては実施例1と
同一のものを用いポリスルホン樹脂製の内容積260c
cのハウジング内に糸の両端を樹脂で固めることによ
り、中空糸膜外表面の表面積が1.0[m2]の図2の
構造の外部潅流型のモジュール3を得た。超純水流量8
[リットル/min.]において炭酸ガスを圧力1[k
g/cm2・G]で供給することにより比抵抗値が0.
1[MΩ・cm]となった。その際の炭酸ガス流量は2
80[cm3(STP)/min]であった。炭酸ガス
の総括透過速度は、6.1×10-6[cm3(STP)
/cm2・sec・cmHg]となる。表1に超純水流
量を変動させた時のモジュール3による比抵抗値変化の
結果を示す。
【0039】(実施例4)中空糸膜としては実施例1と
同一のものを用い、外表面の表面積が1.0[m2]と
なるように収束させ、クリーン塩化ビニル樹脂製の内容
積200ccのハウジング内に糸の片端を樹脂で固める
ことにより、図3の構造の外部潅流型のモジュール4を
得た。超純水流量8[リットル/min.]において炭
酸ガスを圧力0.5[kg/cm2・G]で供給するこ
とにより比抵抗値が1[MΩ・cm]となった。その際
の炭酸ガス流量は4[cm3(STP)/min]であ
った。炭酸ガスの総括透過速度は、1.75×10
-7[cm3(STP)/cm2・sec・cmHg]とな
る。超純水流量を変動させた時のモジュール4による比
抵抗値変化の結果を表1示す。
【0040】(比較例1)中空糸膜モジュールとしては
ポリー4−メチルペンテンー1を素材とし、炭酸ガス透
過速度が10×10-5[cm3(STP)/cm2・se
c・cmHg]、内径200[μm],外径250[μ
m]の不均質膜中空糸を、中空糸膜外表面の表面積が
0.5[m2]となるように収束させ、クリーン塩化ビ
ニル樹脂製の内容積110ccのハウジング内に糸の両
端を樹脂で固めることにより、図2の構造の外部潅流型
のモジュール5を得た。超純水流量8[リットル/mi
n.]において炭酸ガスを圧力0.05[kg/cm2
・G]で供給することにより比抵抗値が0.1[MΩ・
cm]となった。その際の炭酸ガス流量は280[cm
3(STP)/min]であった。炭酸ガスの総括透過
速度は、2.5×10-4[cm3(STP)/cm2・s
ec・cmHg]となる。超純水流量を変動させた時の
モジュール5による比抵抗値変化の結果を表1示す。
【0041】(比較例2)中空糸膜モジュールとしては
ポリー4−メチルペンテンー1を素材とし、炭酸ガス透
過速度が10×10-5[cm3(STP)/cm2・se
c・cmHg]、内径200[μm],外径250[μ
m]の不均質膜中空糸を、中空糸膜外表面の表面積が
0.1[m2]となるように収束させ、クリーン塩化ビ
ニル樹脂製の内容積3200ccのハウジング内に糸の
両端を樹脂で固めることにより、図2の構造の外部潅流
型のモジュール6を得た。超純水流量8[リットル/m
in.]において比抵抗値を0.5[MΩ・cm]とな
るように炭酸ガス圧力を調整しようとしたが、炭酸ガス
圧力を1.5[kg/cm2・G]にしても比抵抗値が
2[MΩ・cm]に到達するのみで、中空糸膜表面から
超純水中に気泡の混入が認められた。炭酸ガスの総括透
過速度は、1×10-8[cm3(STP)/cm2・se
c・cmHg]以下となる。
【0042】(比較例3)中空糸膜モジュールとしては
ポリー4−メチルペンテンー1を素材とし、炭酸ガス透
過速度が10×10-5[cm3(STP)/cm2・se
c・cmHg]、内径200[μm],外径250[μ
m]の不均質膜中空糸を、中空糸膜内表面の表面積が
0.1[m2]となるように収束させ、クリーン塩化ビ
ニル樹脂製のハウジング内に糸の両端を樹脂で固めるこ
とにより、内部潅流型のモジュール7を得た。超純水流
量8[リットル/min.]において比抵抗値が0.1
[MΩ・cm]となるように炭酸ガス圧力を調整しよう
としたが炭酸ガス圧力を0.05[kgf/cm2
G]にしても比抵抗値が0.03[MΩ・cm]となっ
てしまった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明は以上の様なものであるから、比
抵抗の高い超純水に気液接触用の中空糸膜を利用して炭
酸ガスを付加溶解し、低められた比抵抗値に調整された
超純水を製造するに際し、比抵抗調整済み超純水の消費
側での消費量の急激な変動があっても、それに応じて一
定範囲の比抵抗値を備えた超純水を安定供給しうる方法
及び装置が、膜モジュールを外部潅流型とし、或る特定
の数値範囲の炭酸ガスの総括透過速度を指標として簡単
に算出できる、そのハウジング内で占める膜の総表面積
と、炭酸ガス圧を設定し、それを調圧弁で単に一定に保
つという単純な手段と、これに伴う極めて簡素化された
部材の構成によって達成される。これによって高価な特
別の制御機構を不要とし、取り扱いやすく信頼性の高
い、コンパクトで低コストな装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、比抵抗調整を目的とした超純水
の比抵抗調整装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明による第1のタイプの中空糸膜モジュー
ルの模式図である。
【図3】本発明による第2のタイプの中空糸膜モジュー
ルの模式図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜モジュール 2 炭酸ガス調圧弁 3 圧力計 4 ハウジング 5 中空糸 6 接着シール樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/304 648 H01L 21/304 648G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超純水の比抵抗を調整するために、中空
    糸膜モジュールを用いて超純水に炭酸ガスを供給し、所
    望の比抵抗値の超純水を製造する装置において、中空糸
    膜外側とハウジングの間の空間部に超純水を流し、中空
    糸膜の内側に炭酸ガスを給気する外部潅流型であり、中
    空糸膜の内側から中空糸膜外側の超純水中への炭酸ガス
    の総括透過速度が1×10-7以上1×10-4以下[cm
    3(STP)/cm2・sec・cmHg]となるように
    中空糸膜が複数本収束された状態でハウジング内に配設
    された中空糸膜モジュールと、膜モジュールに供給され
    る炭酸ガスの圧力を一定に保持するための調圧弁とから
    なる超純水の比抵抗調整装置。
  2. 【請求項2】 変動する消費量に応じた量の比抵抗値調
    整済み超純水を製造する比抵抗調整方法において、中空
    糸膜モジュールを用いて超純水に炭酸ガスを供給し、中
    空糸膜モジュールとして、中空糸膜外側とハウジングの
    間の空間部に超純水を流し、中空糸膜の内側に炭酸ガス
    を給気する外部潅流型であり、中空糸膜の内側から中空
    糸膜外側の超純水中への炭酸ガスの総括透過速度が1×
    10-7以上1×10-4以下[cm3(STP)/cm2
    sec・cmHg]となるように中空糸膜が複数本収束
    された状態でハウジング内に配設された中空糸膜モジュ
    ールを用い、中空糸膜モジュールに供給する炭酸ガスの
    圧力を一定に保持することからなる超純水の比抵抗調整
    方法。
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