JP3687958B2 - 位置制御装置および位置制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、NC工作機械等の制御対象の位置制御を行う位置制御装置および位置制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、NC工作機械におけるワークを固定するテーブルの位置やワークを切削する工具等の制御対象の位置制御は、たとえば、ラック及びピニオン、ボールねじ及びナットなどからなる伝達機構を介して制御対象に接続されたサーボモータの回転量を制御することによって行っている。
このような制御対象の位置制御方式としては、セミクローズドループ制御方式、フルクローズドループ制御方式、および、ハイブリッド制御方式が知られている。
【0003】
セミクローズドループ制御方式では、たとえば、ロータリエンコーダ等の検出器でサーボモータの回転位置を検出し、検出したサーボモータの回転位置を制御対象の位置に変換し、この変換した回転位置を可変位置指令にフィードバックしてサーボモータの回転量を制御するサーボ制御系を構成する。
フルクローズドループ制御方式は、テーブル等の制御対象に対して、たとえば、リニアスケールを直接設け、このリニアスケールの検出した制御対象の位置を可変位置指令にフィードバックしてサーボモータの回転量を制御するサーボ制御系を構成する。
ハイブリッド制御方式は、サーボモータの回転位置および制御対象の位置の双方を検出し、可変位置指令に制御対象の位置に変換したサーボモータの回転位置をフィードバックするとともに、制御対象の位置と変換したサーボモータの回転位置との差を一次遅れフィルタでフィルタリングしてから可変位置指令にフィードバックすることによってサーボモータの回転量を制御するサーボ制御系を構成する。
【0004】
サーボモータと制御対象との間に設けられる伝達機構に、たとえば、バックラッシや摩擦等の非線形な特性が存在すると、サーボモータの回転位置を正確に制御しても、制御対象の送り方向を反転した際にサーボモータは回転するが制御対象は停止したままとなる、いわゆるロストモーションが発生し、可変位置指令に対して制御対象が即座には追従しないことが知られている。
この追従誤差を補正する方法として、可変位置指令の送り方向の反転を検出したのちサーボモータに対する制御指令を補正して、速やかにロストモーションを除去して制御対象の可変位置指令からの追従誤差を抑制するいわゆるバックラッシ補正が知られている。
上記のセミクローズドループ制御方式では、制御対象の位置をサーボモータの回転位置から間接的に得ており、直接には管理していないため、バックラッシ補正を行っても、制御対象にオフセットが生じない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のフルクローズドループ制御方式では、制御対象が移動中に、すなわち、リニアスケールからのフィードバック値が変化している最中に上記のようなバックラッシ補正を行うと、制御対象の位置情報が補正されることになり、制御対象の位置にオフセットが生じる。
一方、ハイブリッド制御方式では、リニアスケールからのフィードバック値とともに、サーボモータのフィードバック値を用いているため、このサーボモータのフィードバック値を補正することで、制御対象の位置決め位置にオフセットが生じることは防げる。
しかしながら、ハイブリッド制御方式では、目標位置にリニアスケールの検出位置を一致するように制御するため、制御対象の移動方向が反転する直前にリニアスケールからの制御対象の位置のフィードバック値がロストモーションが発生する向きとは逆向きに少しでも変化すると、可変位置指令が変化しないにも関わらずサーボモータがロストモーション領域を通過して制御対象を動かし、制御対象の位置のフィードバック値と可変位置指令とが一致すると停止し、ロストモーションが除去された状態となる。
この状態から、可変位置指令の送り方向の反転が検出されると、バックラッシ補正が働き、制御対象が目標位置から一瞬ずれてしまう。このような現象が発生すると、たとえば、制御対象を直交する2軸方向に制御して円弧指令に追従させたような場合には、いわゆる象限切り替え位置において制御対象の移動軌跡が円弧の内側に食い込んでしまう。
【0006】
また、フルクローズドループ制御方式およびハイブリッド制御方式のいずれの場合にも、可変位置指令が停止状態にあり、かつ、制御対象が目標位置に停止した状態であっても、制御対象の微小な位置誤差等に起因して、サーボモータはロストモーションの範囲内で制御対象の位置誤差を打ち消すように回転する可能性がある。このサーボモータの回転により制御対象も目標位置から一瞬移動する可能性がある。
可変位置指令が変化せず制御対象が目標位置に停止した状態から、サーボモータの回転位置が変化して制御対象が目標位置から一瞬移動したような場合においては、サーボモータはロストモーション領域を通過している可能性がある。
このため、新たな目標位置へ移動するための可変位置指令が入力されたのちに、バックラッシ補正を一律に働かせると、制御対象は可変位置指令から一瞬ずれて可変位置指令に追従しない可能性がある。さらに、可変位置指令が変化しない状態においてサーボモータの回転位置が変化していると、制御対象が移動を再開したときには、可変位置指令の向きがいずれの方向(順方向および反転方向)であっても、ロストモーションが発生する可能性がある。このようなロストモーションを一律の補正量によって補正すると、可変位置指令に対して追従誤差が発生する可能性がある。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、機械的伝達誤差をもつ伝達機構を介して位置決めされる制御対象が目標位置に停止した状態から移動を再開した際に発生する可変位置指令に対する追従誤差を抑制できる位置制御装置および位置制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点の位置制御装置は、伝達機構を介してモータと連結された制御対象を時間的に変化する可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御装置であって、前記可変位置指令を出力可能な指令発生手段と、前記可変位置指令と前記制御対象の検出位置とに基づいて、前記制御対象の制御偏差を生成する制御偏差生成手段と、前記制御偏差に基づいて、前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御するサーボ制御手段と、前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正する異なる態様の第1および第2の補正手段からなる追従誤差補正手段と、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無に基づいて、前記第1および第2の補正手段のうち起動させるべき補正手段を選択する補正選択手段とを有し、前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び入力されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び入力されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、前記補正選択手段は、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する。
【0011】
好適には、前記補正量決定手段は、前記制御対象の移動方向に応じた第1および第2の補正量を保持しており、前記制御対象の検出位置の変動方向に応じて前記第1および第2の補正量を決定する。
【0012】
さらに好適には、前記第2の補正手段は、前記補正量決定手段によって決定された前記第1および第2の補正量の一方を、再び入力された前記前記可変位置指令の送り方向に応じて選択し、前記制御偏差の補正を行う。
【0013】
本発明の第2の観点の位置制御装置は、伝達機構を介してモータと連結された制御対象を時間的に変化する可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御装置であって、前記可変位置指令を出力可能な指令発生手段と、前記可変位置指令と前記制御対象の検出位置と前記モータの検出回転位置に基づいて、前記制御対象の制御偏差を生成する制御偏差生成手段と、前記制御偏差に基づいて、前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御するサーボ制御手段と、前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正する異なる態様の第1および第2の補正手段からなる追従誤差補正手段と、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無に基づいて、前記第1および第2の補正手段のうち起動させるべき補正手段を選択する補正選択手段とを有し、前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び入力されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び入力されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、前記補正選択手段は、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する。
【0014】
本発明の第3の観点の位置制御方法は、時間的に変化する可変位置指令を生成し、前記可変位置指令と伝達機構を介してモータと連結された制御対象の検出位置とに基づいて、前記制御対象の前記可変位置指令に対する制御偏差を生成し、前記制御偏差に基づいて前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御し、前記制御対象を可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御方法であって、前記制御対象が目標位置に停止し、次の目標位置に対する前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無を検出するステップと、前記変動の有無の検出結果に応じて、異なる態様の第1および第2の補正手段のうち一方を選択するステップと、選択された前記補正手段によって、前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正するステップとを有し、前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び生成されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び生成されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、前記選択するステップでは、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する。
【0015】
本発明の第4の観点の位置制御方法は、時間的に変化する可変位置指令を生成し、前記可変位置指令と伝達機構を介してモータと連結された制御対象の検出位置と前記モータの検出回転位置に基づいて、前記制御対象の前記可変位置指令に対する制御偏差を生成し、前記制御偏差に基づいて前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御し、前記制御対象を可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御方法であって、前記制御対象が目標位置に停止し、次の目標位置に対する前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無を検出するステップと、前記変動の有無の検出結果に応じて、異なる態様の第1および第2の補正手段のうち一方を選択するステップと、選択された前記補正手段によって、前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差を生成するのに用いる前記モータの検出回転位置を補正するステップとを有し、前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び生成されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び生成されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、前記選択するステップでは、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する。
【0016】
本発明では、可変位置指令および制御対象の検出位置に応じてモータが駆動され、このモータに伝達機構を介して接続された制御対象は可変位置指令に追従していく。
たとえば、可変位置指令が停止状態となり制御対象が目標位置に停止した状態となった場合に、伝達機構にロストモーションの原因となるバックラッシや摩擦や弾性変形等の非線形要素が存在すると、制御対象を目標位置に位置決めしていても、モータはロストモーションの範囲で微小回転する可能性がある。さらに、制御対象は外乱や位置の微小誤差等が原因で、目標位置からに停止した状態であっても若干移動する可能性がある。制御対象の位置が目標位置からずれると、モータはこの誤差を打ち消すように駆動されるため、モータはロストモーション領域を通過する可能性がある。したがって、制御対象が目標位置に停止した状態であっても、モータから制御対象までの間の状態は変化する可能性がある。
このため、本発明では、制御対象が目標位置に停止した状態から可変位置指令が再び入力されるまでの間に、制御対象の位置が変動したか否かを検出し、この検出結果に応じた補正手段により、制御対象の移動を再開した際に発生する可変位置指令に対する制御対象の追従誤差を抑制するように補正する。
さらに、本発明では、上記の制御対象の位置の変動の有無に加えて、再び入力される可変位置指令の送り方向を考慮し、送り方向に応じた追従誤差補正を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る位置制御システムの構成を示す図である。
図1において、本実施形態に係る位置制御システム1は、位置制御装置10と、サーボモータ101と、サーボモータ101に取り付けられた、たとえば、光学式あるいは磁気式の回転位置検出器110と、サーボモータ101に接続され外周にねじ部が形成されたボールねじ軸102と、ボールねじ軸102のねじ部に螺合するねじ孔が形成された可動部材103と、可動部材103に連結され矢印A1およびA2のボールねじ軸102の軸方向に移動自在に図示しない案内機構によって保持されたテーブル104と、テーブル104に対して固定された検出部105aと矢印A1およびA2の方向に沿って設けられたスケール105bとからなるリニアスケール105とを備える。
ここで、テーブル104は本発明の制御対象の一実施態様である。
【0018】
ボールねじ軸102は、可動部材103のねじ孔に螺合しており、ボールねじ軸102が回転することによって、ボールねじ軸102の回転運動が可動部材103の直線運動に変換され、これによりテーブル104が直動する。
ボールねじ軸102と可動部材103との間には、バックラッシ等の機械的誤差や摩擦や弾性変形等の非線形要素が存在する。このボールねじ軸102と可動部材103との間の非線形特性によって、モータ101とテーブル104との間には、機械的伝達誤差が発生する。
たとえば、ボールねじ軸102を一方向に回転させてテーブル104を矢印A2の方向に移動させた後、回転方向を反転させてテーブル104を矢印A1の方向に移動させた際に、ボールねじ軸102は反転してもテーブル104が移動せず、停止したまま状態となるロストモーションが発生する。
【0019】
リニアスケール105は、テーブル104に対して固定された検出部105aがスケール105bに対する位置を、たとえば、磁気的あるいは光学的に検出し、この検出位置信号Ptを位置制御装置10にフィードバックする。この検出位置信号Ptは、たとえば、テーブル104の変位に応じた数のパルス信号である。
【0020】
回転位置検出器110は、サーボモータ101の回転位置を検出し、この検出回転位置信号Pcを位置制御装置10にフィードバックする。この検出回転位置信号Pcは、たとえば、回転位置検出器110の回転量に応じた数のパルス信号である。
【0021】
位置制御装置10は、位置指令生成部11と、制御偏差生成部14と、サーボ制御部15と、ドライバ16と、指令状態検出部22と、追従誤差補正部23と、補正選択/補正量決定部24とを有している。
ここで、位置指令生成部11は本発明の指令出力手段、制御偏差生成部14は本発明の制御偏差生成手段、サーボ制御部15およびドライバ16は本発明のサーボ制御手段、追従誤差補正部23は本発明の追従誤差補正手段、補正選択/補正量決定部24は本発明の補正選択手段および補正量決定手段のそれぞれ一実施態様である。
【0022】
位置指令生成部11は、テーブル104の移動すべき目標位置に応じた可変位置指令Prを出力する。この可変位置指令Prは、所定のサンプリング時間毎に変化する。また、可変位置指令Prは、たとえば、パルス量によって与えられる。
【0023】
制御偏差生成部14は、位置指令生成部11から与えられる可変位置指令Prと、リニアスケール105から与えられる検出位置信号Ptとから、テーブル104の制御偏差Eを生成して、サーボ制御部15に出力する。
具体的には、可変位置指令Prからテーブル104の検出位置信号Ptを減算して位置偏差Eを演算する。
【0024】
サーボ制御部15は、制御偏差生成部14から与えられる位置偏差Eに基づいてテーブル104の位置を可変位置指令Prの変化に追従させつつ一致させる制御指令15sをドライバ16に出力する。
具体的には、サーボ制御部15は、速度ループおよび電流ループから構成され、位置偏差Eに位置ループゲインによって比例動作を施し、これを速度ループに対する速度指令として出力する。速度ループでは、たとえば、この速度指令と回転位置検出器110からの検出回転位置信号Pcのサンプリング時間毎の差分値(速度フィードバック信号)との偏差に比例動作および積分動作を施してトルク指令とし、これを電流ループに出力する。電流ループでは、たとえば、サーボモータ101の駆動電流から換算したサーボモータ101の出力トルク信号と上記トルク指令との偏差に比例動作を施して電流指令とし、これを所定の信号15sに変換してドライバ16に出力する。
ドライバ16は、サーボ制御部15から入力された制御指令15sに応じて増幅した駆動電流を操作量16sとしてサーボモータ101に出力する。
【0025】
指令状態検出部22は、位置指令生成部11で発生された可変位置指令Prが入力され、可変位置指令Prの状態を検出し、検出した指令状態信号Psts を追従誤差補正部23および補正選択/補正量決定部24に出力する。
指令状態信号Psts は、具体的には、可変位置指令Prの送り方向および可変位置指令Prの入力の有無の情報を持っている。したがって、指令状態信号Psts から可変位置指令Prの送り方向の反転、送りの停止および送りの再開を検出することができる。
【0026】
追従誤差補正部23は、モータ101とテーブル104との間の機械的伝達誤差に起因するテーブル104の可変位置指令Prに対する追従誤差を抑制するように制御偏差Eを補正する補正指令Mrを制御偏差生成部14に出力可能な異なる態様の第1補正部23aおよび第2補正部23bを有する。
第1補正部23aおよび第2補正部23bは、補正選択/補正量決定部24から入力される選択信号SLCに応じて選択され、制御偏差Eを補正する補正指令Mrを制御偏差生成部14に出力する。
なお、第1補正部23aおよび第2補正部23bにおける具体的な処理については後述する。
【0027】
補正選択/補正量決定部24は、リニアスケール105からの検出位置信号Ptと、回転位置検出器110からの検出回転位置信号Pcと、指令状態検出部22からの指令状態信号Psts が入力され、これらの信号に基づいて、選択信号SLC、移動/停止信号Msts および補正量Bf 、Br を上記の追従誤差補正部23に出力する。
【0028】
補正選択/補正量決定部24は、可変位置指令Prが停止状態(一定の値)となることによってテーブル104が移動を停止し、可変位置指令Prが制御偏差生成部14に再び入力(可変位置指令Prが再び変化)されるまでの期間におけるリニアスケール105からの検出位置信号Ptの変動の有無に基づいて、上記の第1および第2補正部23a,23bのうち起動させるべき補正部を選択する選択信号SLCを出力する。
具体的には、リニアスケール105からの検出位置信号Ptが変動しない場合には、第1補正部23aを選択する選択信号SLCを出力する。リニアスケール105からの検出位置信号Ptが変動した場合には、第2補正部23bを選択する選択信号SLCを出力する。
【0029】
また、補正選択/補正量決定部24は、入力されるリニアスケール105からの検出位置信号Ptに基づいて、テーブル104が移動状態にあるか停止状態にあるかを判断し、判断結果に応じた移動/停止信号Msts を追従誤差補正部23に出力する。
【0030】
さらに、補正選択/補正量決定部24は、入力されるリニアスケール105からの検出位置信号Ptおよび回転位置検出器110からの検出回転位置信号Pcに基づいて、第2補正部23bにおいて使用する補正量Bf 、Br を追従誤差補正部23に出力する。
なお、補正選択/補正量決定部24の具体的な処理内容は後述する。
【0031】
図2は、上記構成の位置制御装置10のハードウエア構成の一例を示す図である。
図2において、マイクロプロセッサ51は、ROM(Read Only Memory) 52、RAM(Random Access Memory) 53、インターフェース回路54,56、グラフィック制御回路58、表示装置59、キーボード61、ソフトウエアキー60等とバスを介して接続されている。
マイクロプロセッサ51は、ROM52に格納されたシステムプログラムにしたがって、位置制御装置10を総合的に制御する。
ROM52には、上記の位置指令生成部11、制御偏差生成部14、サーボ制御部15、指令状態検出部22、追従誤差補正部23、補正選択/補正量決定部24等を構成するプログラムおよびシステムプログラム等の所要のソフトウエアが格納される。
【0032】
RAM53は、ROM52に格納されたプログラムがダウンロードされたり、各種のプログラム、データなどが格納され、例えば、追従誤差補正部23において使用する補正量等が格納される。
グラフィック制御回路58は、ディジタル信号を表示用の信号に変換し、表示装置59に与える。
表示装置59には、例えば、CRT表示装置や液晶表示装置が使用される。表示装置59は、ソフトウエアキー60またはキーボード61を用いて作業者が対話形式で加工プログラムを作成していくときに、形状、加工条件および生成された加工プログラム等を表示したり、作業者が必要なデータを入力する際に入力データなどを表示する。
【0033】
表示装置59の画面には、受けられる作業またはデータがメニュー形式で表示される。メニューのうちどの項目を選択するかは、メニューの下のソフトウエアキー60を押すことにより行う。
ソフトウエアキー60およびキーボード61は、位置制御装置10に必要なデータを入力するのにも使用される。
インターフェース回路54は、マイクロプロセッサ51から出力されたサーボモータ101に対する制御指令を所定の信号に変換してドライバ16に出力するとともに、回転位置検出器110の検出信号110sを逐次サンプリングしてプロセッサ51に出力する。
インターフェース回路56は、リニアスケール105から出力されたフィードバック信号105sを所定のサンプリング周期でサンプリングし、所定のディジタル信号に変換してマイクロプロセッサ51に出力する。
【0034】
次に、上記構成の位置制御システム1を用いた本発明の位置制御方法について説明する。
まず、位置制御システム1の基本的な制御方法について図3を参照して説明する。
図3に示すように、位置指令生成部11において、テーブル104の移動すべき目標位置を特定する可変位置指令Prを生成し、制御偏差生成部14に可変位置指令Prを所定のサンプリング時間毎に逐次出力する(ステップS1)。
【0035】
一方、リニアスケール105は、テーブル104の位置を検出し、テーブル104の検出位置信号Ptを制御偏差生成部14にフィードバックする(ステップS2)。
【0036】
制御偏差生成部14では、可変位置指令Prからフィードバックされたテーブル104の検出位置Ptを減算してテーブル104の可変位置指令Prからの位置偏差Eを生成する(ステップS3)。
制御偏差生成部14で生成された位置偏差Eは、サーボ制御部15に入力される。
【0037】
サーボ制御部15では、入力される位置偏差Eに基づいて、テーブル104の位置を目標位置に追従させる制御指令15sを生成し(ステップS4)、ドライバ16に出力する。
ドライバ16は、入力された制御指令15sに応じた駆動電流を操作量としてサーボモータ101に供給する。この結果、サーボモータ101が駆動され、テーブル104は可変位置指令Prに追従する。可変位置指令Prが停止状態(可変位置指令Prが一定)となった場合には、テーブル104は目標位置に位置決めされる。
【0038】
次に、補正選択/補正量決定部24および追従誤差補正部23における処理手順について説明する。
具体的な処理手順を説明する前に、本実施形態の追従誤差補正が適用される可変位置指令Prの具体例を図4を参照して説明する。なお、図4において、可変位置指令Prを実線で示しているとともに、可変位置指令Prに対するテーブル104の位置Ptの応答の例を点線で示している。
【0039】
図4(a)に示す可変位置指令Prは、テーブル104を位置P0 から位置P1 まで一定速度で移動させ、位置P1 に位置決めしたたのち、所定時間T0 の経過後に、位置P1 から送り方向を反転させて再度位置P0 に位置決めする指令の一例である。
図4(a)に示す可変位置指令Prにおいては、テーブル104を位置P0 から位置P1 まで移動位置決めしたのち所定時間T0 が経過するまでの間、テーブル104の位置Ptが変動しない場合には、送り方向を反転して位置P1 から位置P0 に移動を再開する際に追従誤差Teが発生する。
本実施形態では、この追従誤差Teの発生を抑制するように、上記した第1の補正部23aにより位置偏差Eを補正する。
【0040】
図4(a)に示す可変位置指令Prにおいて、位置P1 から位置P0 に向かうための可変位置指令Prが入力されるまで、すなわち、テーブル104が位置P1 に停止したのち可変位置指令Prが入力されるまでの期間内にテーブル104の位置Ptが位置P1 から変動すると、可変位置指令Prは入力されていなくても位置偏差Eが発生する。このため、サーボモータ101が回転する。位置偏差Eを打ち消すためにサーボモータ101はロストモーション領域を通過する可能性がある。
【0041】
テーブル104が停止した状態から位置P0 に向けて移動を再開するまでの間にテーブル104の位置Ptが位置P1 から変動すると、テーブル104の停止した状態からのボールネジ102等の伝達機構の状態が変化し、追従誤差Teの発生量はテーブル104の位置Ptが変動しない場合とは異なる。
したがって、テーブル104の位置Ptが変動しないときに発生する追従誤差Teと同様に追従誤差Teを補償しようとすると、逆に、可変位置指令Prに一瞬追従しなくなる可能性がある。
本実施形態では、後述するように、テーブル104が停止した状態から可変位置指令Prが入力されるまでにテーブル104の位置Ptが変動した場合には、テーブル104の位置Ptが可変位置指令Prから外れてしまうことがないように第2の補正部23bにより位置偏差Eの補正を行う。
【0042】
一方、図4(b)に示す可変位置指令Prは、テーブル104を位置P0 から位置P1 まで一定速度で移動させ、位置P1 に位置決めしたたのち、所定時間T0 の経過後に、位置P1 からさらに順方向の位置P2 に位置決めする指令の一例である。
図4(b)に示す可変位置指令Prの場合には、テーブル104が位置P1 に停止したのち可変位置指令Prが入力されるまでの期間内にテーブル104の位置Ptが位置P1 から変動しない場合には、停止した状態から移動を再開する際にロストモーションはほとんど発生しない。
【0043】
しかしながら、テーブル104が停止した状態から可変位置指令Prが入力されるまでに、テーブル104の位置Ptが変動した場合には、ボールネジ102等の伝達機構の状態が変化するため、順方向に再び移動する場合には、図4(b)に示すように、ロストモーションによって追従誤差Te’が発生する。
このため、本実施形態では、後述するように、テーブル104が停止した状態から可変位置指令Prが入力されるまでにテーブル104の位置Ptが変動し、かつ、順方向に再び移動する場合にも、テーブル104の位置Ptが可変位置指令Prから外れてしまうことがないように第2の補正部23bにより位置偏差Eの補正を行う。
【0044】
次に、補正選択/補正量決定部24および追従誤差補正部23における処理手順について図5および図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図5は、補正選択/補正量決定部24における処理手順を示すフローチャートである。
補正選択/補正量決定部24は、指令状態検出部22からの指令状態信号Psts に基づいて、可変位置指令Prの停止状態(可変位置指令Prの値が一定)を検出する(ステップS11)。
図4(a)および(b)に示した可変位置指令Prの場合、テーブル104が位置P1 に近づくと、可変位置指令Prの停止(可変位置指令Prが一定)が検出される。
【0045】
テーブル104が位置P1 に到達しテーブル104が停止すると、このテーブル104の停止がリニアスケール105の検出位置信号Ptから検出される(ステップS12)。
【0046】
次いで、補正選択/補正量決定部24では、選択信号SLCによって選択する補正手段を第1補正部23aとする(ステップS13)。これにより、第1補正部23aを選択する内容の選択信号SLCが追従誤差補正部23に出力される。
【0047】
テーブル104が停止した状態において、テーブル104の検出位置Ptに変動がないかが監視される(ステップS14)。
テーブル104の検出位置Ptが外乱等により変動した場合には、上述したように、テーブル104が位置P1 に停止した時点からのボールネジ102等の伝達機構の噛合状態等が変化する。
このため、補正選択/補正量決定部24では、選択信号SLCによって選択する補正手段を第1補正部23aに代えて第2補正部23bとする(ステップS15)。これにより、第2補正部23bを選択する内容の選択信号SLCが追従誤差補正部23に出力される。
【0048】
次いで、補正選択/補正量決定部24は、テーブル104の検出位置Ptに変動があった場合には、テーブル104の移動方向を検出する(ステップS16)。
なお、テーブル104が位置P0 から位置P1 に向かう方向を順方向とし、位置P1 から位置P0 に向かう方向を反転方向とする。
【0049】
補正選択/補正量決定部24は、テーブル104の移動方向を検出すると、追従誤差補正部23の第2補正部23bにおいて使用される補正量Bf 、Br を設定する。
なお、補正量Bf は、可変位置指令Prが再入力された際に、送り方向が順方向である場合に使用する補正量であり、補正量Br は送り方向が反転方向の場合に使用する補正量である。
【0050】
テーブル104の移動方向が順方向であった場合、補正量Br を0、補正量Bf を所定の値Binに設定する(ステップS17)。
テーブル104の移動方向が反転方向であった場合、補正量Br を所定の値Bin、補正量Bf を0に設定する(ステップS18)。設定された補正量Br および補正量Bf は、追従誤差補正部23に送られる。
【0051】
次いで、補正選択/補正量決定部24は、可変位置指令Prが再入力されたか否かを確認する(ステップS19)。
可変位置指令Prが再入力されていない場合には、ステップS14に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。可変位置指令Prが再入力されている場合には、処理を終了する。
なお、ステップS14〜ステップS19の処理は、たとえば、位置制御ループの所定のサンプリング周期毎に行われる。
【0052】
一方、ステップS14において、テーブル104の検出位置Ptに変動がない場合には、モータ101が回転していないかが監視される(ステップS20)。テーブル104の検出位置Ptに変動がなく、かつ、モータ101も回転していない場合には、可変位置指令Prが再入力されたか否かを確認する(ステップS19)。
【0053】
モータ101が回転している場合には、選択信号SLCによって現在、第1補正部23aおよび第2補正部23bのいずれが選択されているかのチェックを行う(ステップS21)。
【0054】
第1補正部23aが選択されている場合、すなわち、テーブル104が位置P1 に停止したのち未だテーブル104の検出位置Ptに変動がない場合には、可変位置指令Prが再入力されたか否かを確認する(ステップS19)。
【0055】
第2補正部23bが選択されている場合、すなわち、テーブル104が位置P1 に停止したのちテーブル104の検出位置Ptに変動があった場合にのみ、テーブル104が停止した時点から現在までのモータ101の回転量Esを回転位置検出器110の検出回転位置信号Pcから取得する(ステップS22)。
【0056】
次いで、モータ101の回転量Esを取得したのち、反転方向の補正量Br から回転量Esを減算し、順方向の補正量Bf に回転量Esを加算する(ステップs23)。
したがって、モータ101がテーブル104が停止した時点から現在まで回転している場合には、反転方向の補正量Br および順方向の補正量Bf の値は、回転量Esによって変更されることになる。このため、追従誤差補正部23において保持されている補正量Br および補正量Bf の値は更新される。
【0057】
反転方向の補正量Br および順方向の補正量Bf の値の回転量Esによる変更が完了すると、可変位置指令Prが再入力されたか否かを確認する(ステップS19)。
なお、ステップS20〜ステップS23の処理は、たとえば、位置制御ループの所定のサンプリング周期毎に行われる。
【0058】
図6は、追従誤差補正部23における処理手順を示すフローチャートである。追従誤差補正部23は、指令状態検出部22からの指令状態信号Psts に基づいて、位置P1 に位置決めされたテーブル104を位置P0 あるいは位置P2 に移動させる可変位置指令Prの入力を監視する(ステップS31)。なお、この状態においては、テーブル104は位置P1 に停止している。
【0059】
追従誤差補正部23は、可変位置指令Prの再入力があった場合には、選択信号SLCに基づいて、第1補正部23aおよび第2補正部23bのいずれが選択されているかのチェックを行う(ステップS32)。
【0060】
次いで、選択信号SLCによって第1補正部23aが選択されている場合、可変位置指令Prの送り方向が反転したか否かを確認する(ステップS33)。可変位置指令Prの送り方向を確認するのは、送り方向が反転した場合のみ補正を行うためである。すなわち、図4(b)に示した可変位置指令Prのように、再び入力された可変位置指令Prの送り方向が反転しない場合には、補正を行わない。
可変位置指令Prの送り方向が反転する場合には、制御偏差Eを補正する補正指令Mrの初期値として補正量ΔBを設定する。
なお、補正量ΔBは、たとえば、テーブル104とモータ101との間に発生するロストモーション量を予め測定しておくことで決定することができる。また、補正量ΔBは、通常のバックラッシュ補正に用いる補正量よりも小さい値である。さらに、補正量ΔBはテーブル104の送り方向に応じた正負の符号を持っている。
【0061】
補正指令Mrの初期値として補正量ΔBを設定した後、補正を実行する(ステップS35)。これにより、位置偏差Eが補正される。
位置偏差Eが補正されたのちに、テーブル104の移動が再開されるかを確認する(ステップS36)。
【0062】
テーブル104の移動が再開されない場合には、補正指令Mrに補正量ΔBを加算して補正量Mrを更新する(ステップS37)。
このように、補正指令Mrを補正量ΔBで周期的に更新するのは、補正指令Mrを徐々に変化させることによりテーブル104が急激を再開するのを避けるためである。
なお、補正指令Mrに一定の補正量を設定し更新を行わず、テーブル104の移動が再開されるまで補正を行う構成とすることも可能である。
【0063】
補正指令Mrが位置偏差Eに加算されると、見かけ上の位置偏差Eは増大する。この位置偏差Eの増大により、サーボモータ101は増速され、速やかにボールねじ軸102はロストモーション区間を通過する。この結果、可変位置指令Prに対するテーブル104の追従誤差が抑制される。
追従誤差補正部23の第1補正部23aは、テーブル104の移動が再開された場合には、補正指令Mrによる位置偏差Eの補正を終了する。
なお、補正指令Mrによる補正は、たとえば、位置制御ループのサンプリング時間毎に行われる。
【0064】
一方、追従誤差補正部23は、ステップS32において、選択信号SLCによって第2補正部23bが選択されている場合、再び入力された可変位置指令Prの送り方向が順方向か反転方向かを確認する。
図4(b)に示した可変位置指令Prの場合は順方向であり、順方向の補正量Bf が補正指令Mrに設定される(ステップS41)。図4(a)に示した可変位置指令Prの場合は反転方向であり、反転方向の補正量Br が補正指令Mrに設定される(ステップS42)。
【0065】
補正指令Mrに、可変位置指令Prの送り方向に応じて補正量Br あるいは補正量Bf が設定されると、位置偏差Eの補正が実行される(ステップS43)。これにより、テーブル104が位置P1 に停止したのち、位置P0 あるいは位置P2 に向けて移動する際に生じる可変位置指令Prに対するテーブル104の追従誤差が抑制される。
また、補正量Br あるいは補正量Bf には、テーブル104が位置P1 に位置決めされた後のモータ101の回転量Esの情報が加味されている。このため、補正が過剰、あるいは、不十分とならず、最適な追従誤差の抑制が可能になる。
【0066】
以上のように、本実施形態によれば、テーブル104を位置P0 から位置P1に位置決めしたのち、可変位置指令Prが再度入力されるまでにテーブル104の検出位置の変動の有無にかかわらず、可変位置指令Prが再び入力されたのちテーブル104が移動を再開する際に発生する可変位置指令Prに対する追従誤差を適切に抑制することが可能になる。
また、本実施形態によれば、テーブル104が位置P1 に位置決めされたのち、いずれの送り方向に移動した場合にも、追従誤差を適切に抑制することが可能となる。
さらに、テーブル104が位置P1 に位置決めされたのち、テーブル104の検出位置Ptが変動していないときのサーボモータ101の回転量Esを取得し、これを用いて補正量を生成するので、テーブル104の位置とサーボモータ101の回転位置との相互関係を一定にでき、回転量Esを用いて算出した補正量Br あるいは補正量Bf の値が正確な値となる。
また、本実施形態によれば、テーブル104の検出位置Pt、すなわち、リニアスケール105の検出位置信号Ptを補正しないため、可変位置指令Prに対してテーブル104の位置にオフセットが発生することがない。
【0067】
第2実施形態
図7は、本発明の第2の実施形態に係る位置制御システムの構成を示す図である。
なお、図7に示す位置制御システム300において、第1の実施形態に係る位置制御システム1と同一の構成部分については、同一の符号を付している。
本実施形態に係る位置制御システムと第1の実施形態に係る位置制御システムとで異なる構成は、本実施形態に係る位置制御装置200における制御偏差生成部210である。
また、本実施形態に係る位置制御システム300では、サーボモータ101に取り付けられた、たとえば、光学式あるいは磁気式の回転位置検出器110の検出回転位置信号Pcが制御偏差生成部210にフィードバックされる。
【0068】
制御偏差生成部210は、変換部216と、位置誤差算出部215と、フィルタ部214と、位置算出部212と、減算部213と、位置偏差算出部211とを有する。
【0069】
変換部216は、サーボモータ101の回転位置を検出する回転位置検出器110の検出回転位置信号Pcをテーブル104の位置Pmに変換し、変換後の回転位置Pmを減算部213に出力する。
【0070】
位置誤差算出部215は、変換部216で変換されたサーボモータ101の回転位置Pmと、リニアスケール105の検出位置信号Ptとの位置誤差Peを算出し、この位置誤差Peをフィルタ部214に出力する。
【0071】
フィルタ部214は、位置誤差算出部215から入力される位置誤差Peに一次遅れフィルタ処理を施して平滑化し、平滑化した位置誤差Pe’を位置算出部212に出力する。
【0072】
減算部213は、変換部216からの変換後の位置Pmから追従誤差補正部23から出力される補正指令Mrを減算し、補正位置Psとして偏差算出部212および位置誤差算出部215に出力する。
【0073】
位置算出部212は、フィルタ部214から出力される平滑化した位置誤差Pe’と減算部213から出力される補正位置Psを加算し、テーブル104の実質的な位置Ptrとして位置偏差算出部211に出力する。
【0074】
位置偏差算出部211は、位置指令生成部11から出力される可変位置指令Prから、位置算出部212から出力されるテーブル104の実質的な位置Ptを減算して位置偏差Eを算出する。
【0075】
次に、本実施形態に係る位置制御システムの基本的な制御方法について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、位置指令生成部11において可変位置指令Prを生成し、制御偏差生成部210の位置偏差算出部211に所定のサンプリング時間毎に出力する(ステップS51)。
【0076】
一方、リニアスケール105は、テーブル104の位置を検出し、テーブル104の検出位置信号Ptを制御偏差生成部210に逐次フィードバックする(ステップS52)。
さらに、サーボモータ101に取り付けられた回転位置検出器110は、検出回転位置信号Pcを制御偏差生成部210に逐次フィードバックする(ステップS53)。
【0077】
制御偏差生成部210では、入力された可変位置指令Prと、リニアスケール105および回転位置検出器110からフィードバックされた信号PtおよびPcから位置偏差Eを生成する(ステップS54)。生成された位置偏差Eは、サーボ制御部15に出力される。
サーボ制御部15では、入力される位置偏差Eに基づいてテーブル104の位置を目標位置に追従させる操作量15sを生成する(ステップS55)。これにより、テーブル104は可変位置指令Prに追従する。可変位置指令Prが停止状態(可変位置指令Prが一定)となった場合には、テーブル104は目標位置に位置決めされる。
【0078】
このように、本実施形態に係る位置制御システムの基本制御系は、リニアスケール105の検出位置信号Ptおよびサーボモータ101の検出回転位置信号Pcの双方を用いてテーブル104の位置制御を行ういわゆるハイブリッド制御系を採用している。
【0079】
本実施形態では、このようなハイブリッド制御系において、上述した第1の実施形態において説明したのと同じ処理手順により、補正指令Mrを生成し、回転位置検出器110の変換後の検出回転位置信号Pmを補正する。したがって、指令状態検出部22、追従誤差補正部23および補正選択/補正量決定部24における具体的処理についての説明は省略する。
このような構成とすることにより、ハイブリッド制御系においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、制御対象が停止した後、移動を再開した際に発生する伝達機構のバックラッシ等の機械的伝達誤差に起因する可変位置指令に対する追従誤差を適切に抑制することができる。
この結果、工作機械等に本発明を適用した際に、工具のワークに対する経路誤差を適切に補正することができ、ワークの加工精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る位置制御システムの構成を示す図である。
【図2】位置制御装置10のハードウエア構成を示す図である。
【図3】位置制御システム1の基本的な位置制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】(a)は送り方向が反転する可変位置指令Prの一例を示すグラフであり、(b)は送り方向が反転しない場合の可変位置指令Prの一例を示すグラフである。
【図5】補正選択/補正量決定部24における処理手順を示すフローチャートである。
【図6】追従誤差補正部23における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る位置制御システムの構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る位置制御システムの基本的な制御方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…位置制御システム
10…位置制御装置
11…位置指令生成部
14…制御偏差生成部
15…サーボ制御部
16…ドライバ
22…指令状態検出部
23…追従誤差補正部
23a…第1補正部
23b…第2補正部
24…補正選択/補正量決定部
101…サーボモータ
102…ボールねじ軸
104…テーブル
110…回転位置検出器
Claims (8)
- 伝達機構を介してモータと連結された制御対象を時間的に変化する可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御装置であって、
前記可変位置指令を出力可能な指令発生手段と、
前記可変位置指令と前記制御対象の検出位置とに基づいて、前記制御対象の制御偏差を生成する制御偏差生成手段と、
前記制御偏差に基づいて、前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御するサーボ制御手段と、
前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正する異なる態様の第1および第2の補正手段からなる追従誤差補正手段と、
前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無に基づいて、前記第1および第2の補正手段のうち起動させるべき補正手段を選択する補正選択手段と
を有し、
前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び入力されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、
前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び入力されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、
前記補正選択手段は、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する
位置制御装置。 - 前記補正量決定手段は、前記制御対象の移動方向に応じた第1および第2の補正量を保持しており、前記制御対象の検出位置の変動方向に応じて前記第1および第2の補正量を決定する
請求項1に記載の位置制御装置。 - 前記第2の補正手段は、前記補正量決定手段によって決定された前記第1および第2の補正量の一方を、再び入力された前記前記可変位置指令の送り方向に応じて選択し、前記制御偏差の補正を行う
請求項2に記載の位置制御装置。 - 伝達機構を介してモータと連結された制御対象を時間的に変化する可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御装置であって、
前記可変位置指令を出力可能な指令発生手段と、
前記可変位置指令と前記制御対象の検出位置と前記モータの検出回転位置に基づいて、前記制御対象の制御偏差を生成する制御偏差生成手段と、
前記制御偏差に基づいて、前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御するサーボ制御手段と、
前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正する異なる態様の第1および第2の補正手段からなる追従誤差補正手段と、
前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無に基づいて、前記第1および第2の補正手段のうち起動させるべき補正手段を選択する補正選択手段と
を有し、
前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び入力されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、
前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び入力されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、
前記補正選択手段は、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が前記制御偏差生成手段に再び入力されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する
位置制御装置。 - 前記補正量決定手段は、前記制御対象の移動方向に応じた第1および第2の補正量を保持しており、前記制御対象の検出位置の変動方向に応じて前記第1および第2の補正量を決定する
請求項4に記載の位置制御装置。 - 前記第2の補正手段は、前記補正量決定手段によって決定された前記第1および第2の補正量の一方を、再び入力された前記前記可変位置指令の送り方向に応じて選択し、前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置の補正を行う
請求項5に記載の位置制御装置。 - 時間的に変化する可変位置指令を生成し、前記可変位置指令と伝達機構を介してモータと連結された制御対象の検出位置とに基づいて、前記制御対象の前記可変位置指令に対する制御偏差を生成し、前記制御偏差に基づいて前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御し、前記制御対象を可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御方法であって、
前記制御対象が目標位置に停止し、次の目標位置に対する前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無を検出するステップと、
前記変動の有無の検出結果に応じて、異なる態様の第1および第2の補正手段のうち一方を選択するステップと、
選択された前記補正手段によって、前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正するステップと
を有し、
前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び生成されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、
前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び生成されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差を補正し、
前記選択するステップでは、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、
前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する
位置制御方法。 - 時間的に変化する可変位置指令を生成し、前記可変位置指令と伝達機構を介してモータと連結された制御対象の検出位置と前記モータの検出回転位置に基づいて、前記制御対象の前記可変位置指令に対する制御偏差を生成し、前記制御偏差に基づいて前記制御対象を前記可変位置指令に追従させる操作量を生成して前記モータを駆動制御し、前記制御対象を可変位置指令に追従させて位置決めする位置制御方法であって、
前記制御対象が目標位置に停止し、次の目標位置に対する前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間における前記制御対象の検出位置の変動の有無を検出するステップと、
前記変動の有無の検出結果に応じて、異なる態様の第1および第2の補正手段のうち一方を選択するステップと、
選択された前記補正手段によって、前記伝達機構の機械的伝達誤差に起因する前記制御対象の前記可変位置指令に対する追従誤差を抑制するように前記制御偏差を生成するのに用いる前記モータの検出回転位置を補正するステップと
を有し、
前記第1の補正手段は、再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転しないときは補正を行わず、前記再び入力された可変位置指令の送り方向が停止前の送り方向に対して反転するときは、前記可変位置指令が再び生成されたのち前記制御対象が移動を再開するまでの期間、予め定められた一定の補正量又は予め定められた一定の補正量を周期的に加算した補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、
前記第2の補正手段は、前記可変位置指令が再び生成されたのちに、当該可変位置指令の送り方向に応じた補正量であって、前記制御対象の検出位置および前記モータの検出回転位置に基づいて決定された補正量によって前記追従誤差を抑制するように前記制御偏差の生成に用いる前記モータの検出回転位置を補正し、
前記選択するステップでは、前記制御対象が停止し前記可変位置指令が再び生成されるまでの期間に前記制御対象の検出位置が変動しない場合には、前記第1の補正手段を選択し、前記制御対象の検出位置が変動した場合には、前記第2の補正手段を選択する
位置制御方法。
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