JP3687315B2 - B含有ステンレス鋼およびその熱延板の製造方法 - Google Patents
B含有ステンレス鋼およびその熱延板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、核燃料輸送用容器や使用済核燃料保管用ラック等の原子力関連の中性子遮蔽板として好適なB含有ステンレス鋼とその熱延板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Bを含有させたステンレス鋼が、核燃料輸送用容器や使用済核燃料保管用ラック等の中性子遮蔽材の素材として用いられている。例えば、0.6重量%前後のBを含有させたSUS304系ステンレス鋼は、中性子遮蔽効果に加え、高温強度と耐食性に優れているために、上記ラック等の素材として用いられている。近年、特に、上記ラック等を小型化することが指向されてきたため、素材として薄肉のB含有ステンレス鋼板が必要となり、製造性に優れるB含有ステンレス鋼の開発が要望されている。
【0003】
しかし、Bを含有するステンレス鋼の製造性には以下の問題がある。
【0004】
Bを含有するステンレス鋼を連続鋳造すると、鋳型内で受ける冷却によりスラブの表面が抜熱されて、表面割れが発生しやすい。この問題を解決する方法として、モールドパウダーの融点、鋳造温度、鋳造速度およびオシレーションの条件等を適宜工夫する方法が公知である。ところが、この方法では、素材の化学組成によっては、連続鋳造後に表面割れが発生するものが多数あった。
また、Bを含有するステンレス鋼には、熱間加工性に劣るという問題もある。例えば、B含有ステンレス鋼のスラブに熱間圧延を施すと耳割れが発生することがよく知られている。B含有ステンレス鋼には、ボライドと呼ばれるCr2 B、Fe2 B、(Fe,Cr)2 B等の脆弱な低融点金属間化合物が生成し割れの起点となり、熱間圧延の際に耳割れを発生させる。
【0005】
耳割れを低減する方法として、例えば、特許公報第2546549号には、熱間加工性を向上させるためにAl含有量を0.3重量%以下に規制した鋼を熱間圧延する方法が記載されている。しかし、この方法では、熱間圧延を施す前処理として、1100℃以上の温度で5時間以上も保持するソーキングが必要となり、熱延板を製造する際の生産性を著しく悪化させる。
【0006】
耳割れを低減する他の方法として、特開平8−157958号公報には、熱間圧延前のスラブの加熱温度を1200℃未満とし、1パス当たりの限界圧下率をB含有量と熱延温度により決定して圧延する方法が開示されている。ところが、この方法では素材の化学組成が考慮されていないので、鋼種によっては耳割れが発生するものがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、中性子遮蔽能力が高く、連続鋳造時に表面割れが起こりにくいB含有ステンレス鋼とそのスラブを素材として耳割れの発生が少ない熱延板を製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、次のB含有ステンレス鋼とそのステンレス鋼のスラブを素材とする熱延板の製造方法にある。
【0009】
(1)重量%で、C:0.03%以下、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Ni:7〜15%、Cr:18〜25%、B:0.9〜2.5%、Mo:0.1〜1.0%、Al:0.3%を超え0.8%以下およびN:0.04%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるB含有ステンレス鋼。このステンレス鋼は、上記の成分の他に0.01%以下(但し、0%を除く)のCaおよび0.01%以下(但し、0%を除く)の希土類元素の一方または両方を含有してもよい。
【0010】
(2)上記(1)に記載の化学組成を持つB含有ステンレス鋼のスラブを1200℃未満の温度にした後、下記式で表される限界圧下率(Rc)以下で1パス当たりの圧下を行うことを特徴とするB含有ステンレス鋼の熱延板の製造方法。
【0011】
Rc={T(℃)/10}−20×B(%)−35
ここで、Rc:1パス当たりの限界圧下率(%)
T:当該パスの圧延直前のスラブの温度
B:スラブ中のBの含有量(重量%)である。
【0012】
本発明鋼では、次の▲1▼〜▲3▼の構成を採ることにより、連続鋳造で製造する際の表面割れの発生を低減させている。
【0013】
▲1▼0.3重量%を超えるAlを含有させていること
▲2▼Nの含有量を重量%で0.04%以下に制限していること
▲3▼Moを重量%で0.1%以上含有させていること
0.3重量%を超えるAlを含有させることにより、凝固時に微細なAl2O3を析出させる。微細なAl2O3は、Cr2 B等のボライドの析出核となるので、析出するボライドも微細になる。そのために、鋼の延性と強度が向上し、連続鋳造時に引張応力がスラブにかかっても、表面割れが発生しにくい。
【0014】
Nは、酸素よりもAlと反応しやすい元素である。すなわち、Nを含有させておくと、Al2O3に優先してAlNが生成してまう。したがって、ボライドの微細析出の核となるAl2O3が減少し、表面割れを発生させやすくなる。本発明鋼は、上記のようにAlを通常のB含有ステンレス鋼よりも多量に含有させているので、N含有量を少なくする必要がある。本発明鋼では、N含有量を0.04重量%以下に制限することにより、AlNの悪影響を防いでいる。
【0015】
Moは、フェライト相を形成する元素である。一方、Bはオーステナイト相を形成する働きが強い元素である。本発明鋼では、Moを0.1重量%以上含有させてオーステナイト相が形成されすぎないようにすることにより、表面割れの発生を低減させている。
【0016】
本発明の熱延板の製造方法では、次の対策により、熱間圧延の際の耳割れの発生を低減している。
【0017】
本発明方法の素材として用いる本発明鋼は、延性と強度を備えるので連続鋳造時にかかる引張応力によっても表面割れが発生しにくい。したがって、本発明鋼のスラブに熱間圧延を施しても、従来のB含有ステンレス鋼よりも耳割れが発生しにくい。
【0018】
また、本発明方法では、熱間圧延直前のスラブの温度を1200℃未満とする。1200℃以上の温度にすると、ボライドが再溶融して液相となり、スラブの表面に露出した液相部は容易に酸化されて酸化物となり、圧延によって表面に疵が生じてしまう。また、スラブ内部の液相部はわずかな歪が加わることでスラブ内部に割れを起こす、いわゆる液膜脆化が起こる。
【0019】
さらに、本発明方法では、1パス当たりの圧下率を前記式で求められる限界圧下率(Rc)以下に維持して、熱間圧延を行う。1パス当たりの圧下率がRcを超えると大きな耳割れが発生するからである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(1)本発明鋼の化学組成
以下の化学組成の説明で用いる%は、重量%を意味している。
【0021】
C:Cは、オーステナイト相を安定させるとともに高温強度を高める作用を持つ。一方、過剰に含有させると、溶接した場合に溶接熱影響部でCrと化合しCr23C6 として析出して耐食性を悪化させてしまう。したがって、上限を0.03%とした。用途によっては、C含有量を極めて低くくすることがあるので、下限は特に制限しない。
【0022】
Si:Siは、脱酸のために必要な元素である。この効果を発揮させるためには、0.1%以上含有させておく必要がある。一方、1%を超えるとB含有ステンレス鋼を加工する際の熱間加工性を悪化させる。したがって、Siの含有量は、0.1〜1.0%に規定した。
【0023】
Mn:Mnは、脱酸のために必要な元素である。また、Mnを含有させるとSを固定し、B含有ステンレス鋼の熱間加工性を向上させる。これらの効果を得るためには、0.2%以上含有させる必要がある。しかし、2.0%を超えるとステンレス鋼の耐食性を悪化させる。したがって、Mnの含有量を0.2〜2.0%とした。望ましいのは、0.8%以上、1.5%以下である。
【0024】
P:Pは、本発明鋼の耐食性および熱間加工性を悪化させる有害元素なので、含有量を0.05%以下に規制する。望ましいのは、0.035%以下である。
S:Sは、本発明鋼の粒界へ偏析して熱間加工時に割れを発生させる原因となる。また、SとMnが化合したMnSは、孔食の起点となり、耐孔食性を悪化させる。したがって、Sの含有量は、0.01%以下とする。望ましいのは、0.005%以下である。
【0025】
Ni:Niは、オーステナイト相の安定化および強度の確保のために必要な元素である。この効果を発揮させるためには、7%以上含有量させる必要がある。一方、含有量が15%を超えるとオーステナイト相が過度に安定し、熱間鍛造等の熱間加工を施した際に割れが発生する。したがって、上限は15%とする。望ましいのは、7%以上、12%以下である。
【0026】
Cr:Crは、本発明鋼の耐食性の確保のために必須の元素であり、18%以上含有させる。耐食性を向上させる観点のみからは、Crの含有量は多いほど好ましい。ところが、含有量が25%を超えると、熱間加工性を悪化させ、オーステナイト生成元素とフェライト生成元素の量のバランスを保つために高価なNiの添加量を増加させる必要があり、原料コストを上昇させる。したがって、上限を25%とした。より好ましいのは、23%以下である。
【0027】
B:Bは、中性子を吸収する作用を持つので必須の元素である。この効果を得るためには、0.9%以上含有させる必要がある。しかし、含有量が2.5%を超えると熱間加工性を著しく悪化させる。したがって、含有量を0.9〜2.5%とした。
【0028】
Mo:Moは、フェライト相を形成する元素である。本発明鋼は、B添加によりオーステナイト相側に移行するので、Moを0.1%以上含有させて過度にオーステナイト側に移行しないようにする。好ましいのは、0.2×B(%)以上、0.8×B(%)以下の範囲で含有させることである。ただし、Moの含有量が増えると、固溶強化により強度が高くなり逆に熱間加工性を悪化させるので、上限を1.0%とした。
【0029】
Al:Alは、脱酸剤および微細なボライドを生成させるための核形成剤として添加する。Bは、極めて酸化されやすいので、本発明鋼では、Bを添加する前に脱酸を十分に行っておく必要がある。また、Alは、前述したように本発明鋼を連続鋳造した場合のスラブの表面に発生する割れを防止する作用もある。前述したように溶鋼が凝固する過程で、Alは酸素と化合して微細なAl2O3となる。微細なAl2O3は、Cr2 Bなどの析出の核となり、ボライドの微細化に寄与し、延性と強度を向上させる。したがって、連続鋳造時に引張応力がかかっても表面割れが発生しにくいのである。これらの効果を得るためには、0.3%以上含有させる必要がある。一方、Alを多量に含有させると、AlNとなり、熱間加工性を悪化させるので、含有量の上限を0.8%とする。
【0030】
N:Nの含有量は、できるだけ低くする。不可避的に混入してくる場合は、含有量を0.04%以下にする必要がある。Nは、前述したように酸素よりもAlと反応しやすい元素である。すなわち、Nの含有量が多いと、Al2O3に優先してAlNが生成してまう。したがって、ボライドの微細析出の核となるAl2 O3 が減少し、表面割れを発生させやすくなる。本発明鋼では、N含有量を0.04%以下とする。望ましいのは、0.03%以下である。
【0031】
Ca:Caは、必要に応じて添加する元素である。含有させれば、鋼中のSと結合して熱間加工性の低下を抑える作用を持つ。この効果を確実に得るためには、0.0005%以上含有させるのが好ましい。しかし、含有量が0.01%を超えると鋼の清浄度を低下させて熱間加工や冷間加工の際に非金属介在物に起因する疵が発生する。したがって、含有量を0〜0.01%とした。
【0032】
希土類元素:本発明でいう希土類元素とは、Sc、Y、La、Ce等を意味しており、含有量とは、Sc、Y、La、Ce等の希土類元素の合計含有量を意味している。希土類元素は、必要に応じて添加する元素である。含有させれば、熱間加工性を改善する働きをする。この効果を確実に得るためには、希土類元素を合計で0.0005%以上含有させる必要がある。一方、含有量が0.01%を超えると鋼の清浄度を低下させて熱間加工や冷間加工の際に非金属介在物に起因する疵が発生する。したがって、含有量は0〜0.01%とした。
【0033】
上記の元素以外は、Feとする。ただし、不可避的に混入する元素であって不純物と見なせるものであれば、含有していてもかまわない。
【0034】
(2)熱延板の製造方法
本発明の熱延板の製造方法は、上記(1)に規定する化学組成を満たす、1200℃未満の温度のB含有ステンレス鋼のスラブを1パス当たりの圧下率を特定値以下として圧下する方法である。ここで、1パスとは、1組のロール対による1回の圧延を意味する。したがって、複数のロール対からなる圧延機で熱間圧延を施す際には、1回の圧延で複数パス圧延を施すことになるが、各ロール対で限界圧下率(Rc)以下の圧下率を保った圧延を施す必要がある。1パス当たりの圧下率とは、1パス毎の圧延前のスラブの厚さと1パス毎の圧延終了後の熱延板の厚さによって定義される値であって、〔(圧延前のスラブの厚さ)−(圧延終了後の熱延板の厚さ)〕×100/(圧延前のスラブの厚さ)である。
【0035】
熱間圧延時のスラブの温度とは、各パス直前のスラブの表面温度を意味している。スラブの温度は、1200℃未満とする。スラブの温度を1200℃以上にすると、前述したようにボライドとオーステナイトが再溶融して液相となり、スラブの表面に露出した液相部は容易に酸化されて酸化物となり、圧延によって表面に疵が生じてしまう。また、スラブ内部の液相部はわずかな歪が加わることでスラブ内部に割れを起こす、いわゆる液膜脆化が起こる。
【0036】
熱間圧延の際のスラブの温度の下限は、通常の熱間圧延の設備で圧延が可能な最低温度でよい。その温度は700℃程度である。
【0037】
さらに、本発明方法では、1パス当たりの圧下率を前記式で求められる限界圧下率(Rc)以下に維持して、熱間圧延を行う。1パス当たりの圧下率がRcを超えると大きな耳割れが発生するからである。
【0038】
1パス当たりの圧下率をRc以下、すなわち{T(℃)/10}−20×B(%)−35以下に制限することにより、熱延板に発生する耳割れの量を低減することができる。Rc以下で圧延を行うことにより、スラブの表面には、耳割れを起こさない程度の引張応力しかかからないからである。圧下率の下限については、特に規定しないが、5%未満の圧下率では、パスの回数が増え生産性を悪化させる恐れがあるので、5%以上の圧下率で実施するのが好ましい。
【0039】
Rcを求める前記式は、B含有量と圧延直前のスラブの表面温度を種々変え、多数の熱間圧延試験を繰り返すことにより、耳割れが発生しくい臨界の1パス当たりの圧下率を検討し、整理したものである。
【0040】
本発明の方法で製造した熱延板は、冷却後そのまま熱延板として使用してもよく、更に冷間加工等や熱処理等を施して所望の製品に成形して利用することができる。
【0041】
【実施例】
表1に示される化学組成を持つB含有ステンレス鋼の連続鋳造スラブ(厚さ150×横幅1000×全長2000(mm))を製造した。
【0042】
【表1】
【0043】
(実施例1)
上記で製造したスラブの表面状態を目視で観察し、スラブ片面の1m2 当たりの表面割れの総長さを算出することにより、本発明鋼および本発明で規定する化学組成から外れている組成の鋼(以下、比較鋼という)について、連続鋳造スラブの表面割れの発生のしにくさを評価した。なお、スラブ片面の表面割れ総長さが450mm以下のものを表面割れが発生しにくいB含有ステンレス鋼と評価した。450mm以下程度の表面割れは、通常の次工程の熱間圧延による表面の圧下によって消失するので問題にならないからである。
【0044】
結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】
表2から、本発明鋼は、連続鋳造法で製造してもスラブの表面割れが発生しにくい鋼であることがわかる。一方、比較鋼を連続鋳造法で製造すると表面割れが多く発生していることがわかる。例えば、Al含有量が少ない比較鋼11や逆にAl含有量が多すぎる比較鋼12では、表面割れの発生量が多くなっていた。Nの含有量が多い比較鋼13も表面割れの発生量は多かった。Moの含有量が多すぎても少なすぎても(比較鋼15、14)、表面割れの発生量は多かった。
【0047】
(実施例2)
上記のスラブの表面を手入れし、スラブを1050℃に加熱し、2段可逆式圧延機を使用して、1パスのみの熱間圧延を実施して熱延板を製造した。
【0048】
これらの熱延板の耳割れの発生状況を目視で観察し、発生した最大の耳割れ長さを測定した。なお、最大の耳割れ長さが5mm以下の熱延板を耳割れの発生が少ない熱延板であると評価した。最大の耳割れ長さが5mm以下の熱延板は、耳割れ発生箇所を切断する必要がなく、製品歩留まりを低下させることがないからである。
【0049】
結果を表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】
表3から本発明方法で規定する化学組成および圧下率を満足する方法で製造した熱延板の最大の耳割れ長さは5mm以下であり、本発明方法により耳割れの発生が少ない熱延板を製造できることが明らかである。一方、化学組成および圧下率のうち少なくとも一つが本発明方法の規定から外れる方法(以下、比較方法という)で製造した熱延板には、5mmを超える耳割れが発生していた。例えば、化学組成は満たすが、限界圧下率は超えている比較方法10では、最大長さが35mmの耳割れが発生していた。
【0052】
【発明の効果】
本発明の鋼は、Bを含有しているが、連続鋳造によって製造しても表面割れが少ない。したがって、生産性の向上を図ることができる。本発明の方法で製造した熱延板は、Bを含有しているが、耳割れの発生が少ない。したがって、製品歩留まりに優れている。
Claims (3)
- 重量%で、C:0.03%以下、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Ni:7〜15%、Cr:18〜25%、B:0.9〜2.5%、Mo:0.1〜1.0%、Al:0.3%を超え0.8%以下およびN:0.04%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるB含有ステンレス鋼。
- 重量%で、C:0.03%以下、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Ni:7〜15%、Cr:18〜25%、B:0.9〜2.5%、Mo:0.1〜1.0%、Al:0.3%を超え0.8%以下、N:0.04%以下、ならびにCa:0.01%以下(但し、0%を除く)および希土類元素:0.01%以下(但し、0%を除く)の一方または両方を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるB含有ステンレス鋼。
- 請求項1または2に記載の化学組成を持つB含有ステンレス鋼のスラブを1200℃未満の温度にした後、下記式で表される限界圧下率(Rc)以下で1パス当たりの圧下を行うことを特徴とするB含有ステンレス鋼の熱延板の製造方法。
Rc={T(℃)/10}−20×B(%)−35
ここで、Rc:1パス当たりの限界圧下率(%)
T:当該パスの圧延直前のスラブの温度
B:スラブ中のBの含有量(重量%)である。
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