JP3687223B2 - 繊維製品加工用処理剤および繊維製品の製造方法 - Google Patents

繊維製品加工用処理剤および繊維製品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維製品に独特の風合いや香り、あるいはうるおいのある素肌を保つ保湿性や抗菌性、防臭性などを付与することができる繊維製品加工用処理剤およびそれを用いてなる繊維製品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、疎水性物質を繊維製品に付与する加工用処理剤としては、疎水性物質を有機溶剤に溶解するか、または乳化剤を用いて水に分散乳化させる方法などの手段が採用されていた。かかる有機溶剤に溶解する方法の場合、人体に有害のものが多いため取扱いに十分注意が必要で、生産における設備では換気装置が必要であったり、また、有機溶剤は、繊維製品の染色堅牢度を低下させる傾向が強いなどの問題があって、実際にはあまり採用されてないのが実状である。つぎに繊維製品に付与する方法としてパッド法、スプレイ法、グラビアコーティング法など通常の方法で行い、このときは常温であるが、その後乾燥機にて乾燥を行うので、出来上った製品は、疎水性物質の付与前に比較してかなり風合いの粗硬なものになってしまっていた。顕微鏡で観察してみれば、疎水性物質が部分的に固まった状態で特に繊維の交絡点に多く見受けられ、また繊維が束状に拘束されていたりして、これが風合いを固くしていたものである。またこの様な付着形態は物理的作用で簡単に脱落し易いので耐久性にも問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術での問題に鑑み、耐久性に優れたレベルを維持したまま、独特の風合いや香り、あるいはうるおいのある素肌を保つ保湿性や抗菌性、防臭性などを付与することができる繊維製品加工用処理剤およびそれを用いてなる繊維製品の製造方法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の繊維製品加工用処理剤は、疎水性物質および重合度1500〜5000で、かつ、ケン化度60〜80%未満の部分ケン化ポリビニルアルコールとが乳化されていることを特徴とするものである。
【0005】
また、本発明の繊維製品の製造方法は、かかる繊維製品加工用処理剤の水溶液に繊維製品を浸漬し、該水溶液の曇点以上の温度で処理することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、独特の風合いや香り、あるいはうるおいのある素肌を保つ保湿性や抗菌性、防臭性などを付与することができる繊維製品加工用処理剤について、鋭意検討したところ、疎水性物質と特定な部分ケン化ポリビニルアルコールとからなる組成物を処理剤として使用すると、意外にも、上述課題を一挙に解決することができることを究明したものである。
【0007】
その場合、つまりかかる処理剤を使用して繊維製品を製造する際に、該処理剤の曇点を利用して、すなわち、曇点以上の温度条件を維持しながら処理する、意外にも、浴中で繊維にむらなく疎水性物質を付着させることができ、これが上述課題の解決に極めて優れた効果を奏することを究明したものである。
【0008】
ここで、曇点とは、ある界面活性剤の水溶液を徐々に加熱していくと急に全体が白濁してきて、その界面活性剤が細かい液滴になって析出してくるときの温度のことである。この時析出した界面活性剤および疎水性物質が繊維製品にむらなく付着(吸着ともいう)する。
【0009】
本発明において、疎水性物質とは、化粧品原料エステル油、動植物系油性材料、鉱物性油性材料、高級アルコール系材料、および固形微細粉体などを使用することができる。具体的には、化粧品原料エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸オクタデシル、2−エチルヘキサン酸セチルなどを使用することができる。動植物系油性材料としては、ラノリン、スクワラン、馬油、ミンク油、ヤシ油、オリーブ油、ひまし油、オレンジラフィー油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、しそ油などを使用することができる。鉱物性油性材料としては、流動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィン、ワセリンなどを使用することができる。高級アルコール系材料としては、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、バノールアルコール、ベヘニルアルコールなどを使用することができる。固形微細粉体としては、金属化合物、無機物などを使用することができる。
【0010】
これらの薬剤の中には、化粧品にも用いられ保湿、肌荒れ防止、抗菌性、日焼け防止などの効果があるものや、また布帛物に独特のヌメリ感、さらさら感や香りなどを付与する機能を有するものがあるので、適宜必要に応じて、使用することができる。
【0011】
上述の部分ケン化ポリビニルアルコールは、下記一般式[1]で示される化合物であり、重合度およびケン化度は下記式で求める。
【0012】
【化1】
Figure 0003687223
ここで
【0013】
【式1】
Figure 0003687223
本発明において、使用できる部分ケン化ポリビニルアルコールは、重合度が1500〜5000の範囲で、より好ましくは重合度が2000〜3000の範囲である。さらにケン化度が60%〜80%未満のものであり、より好ましくはケン化度が70%〜80%未満の範囲のものである。重合度が1500未満のものは、乳化力が不足し、疎水性物質の安定した乳化物が得にくい。また重合度が5000を超えるものは水に溶けにくくなり、また水溶液の粘度も上昇し乳化分散性に問題となる。ケン化度が60%未満のものでは曇点が低くなり、低温で付着するため、むらづきになりやすい。反対にケン化度が80%以上となると曇点が上昇し、繊維に付着しなくなる。
【0014】
また乳化分散を行なうにあたって、繊維製品加工処理剤の安定化のため一般的な乳化剤も併用できる。アニオン系乳化剤としては、脂肪酸石鹸、アルキルサルフェートの金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル硫酸塩などがある。カチオン系乳化剤としては、アルキルアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などがある。ノニオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルエステル型、ソルビタンアルキルエステル型、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル型などを用いてもよい。
【0015】
本発明の繊維製品製造方法において、風合い調整や疎水性物質の付着耐久性向上の目的でバインダー樹脂液を繊維製品加工用処理剤と同時に用いることができる。樹脂としては水分散乳化系のアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、酢酸ビニール系などから適宜選べば良い。また樹脂の重合度は特に限定しないが、低分子量の樹脂を用い、ある一定温度になったら溶液中で重合が開始し高分子量となり繊維に付着するものが良い。この時に架橋剤を用いても良い。かかる樹脂付着繊維を取り出し、乾燥後、好ましくは120〜180℃の温度でキュアするのがよい。
【0016】
本発明の繊維製品加工用処理剤の適用繊維製品の素材としては、木綿、絹、麻、羊毛、などの天然繊維あるいはナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、レーヨン、ベンベルグ、アセテートなどの合成繊維、半合成繊維、再生繊維あるいはこれらの混用繊維からなるものがあげられる。
【0017】
かかる繊維からなる布帛としては、該繊維単独からなる編織物や不織布、あるいは混紡、混繊や交編織などの混用繊維布帛など各種適用されるが、いかなる構造、形状の布帛であってもさしつかえない。また糸状のものでもよい。
【0018】
本発明の繊維製品加工用処理剤および繊維製品製造方法について例示すれば、本発明の部分ケン化ポリビニルアルコールの10%以下の水溶液を事前に作成しておき、疎水性物質、適量の乳化剤、それに事前に作成した部分ケン化ポリビニルアルコールの水溶液、それに必要な水の約1/10の水をホモジナイザーを用いて混合し、温度を約50℃に保ちながら5000rpm以上で30分乳化する。その後必要な水の残り約9/10を加えて希釈し、撹拌しながら冷却すると本発明の繊維製品加工用処理剤が得られる。
【0019】
次に本発明の繊維製品製造方法は、繊維製品布帛物100に対して処理剤約1〜20部(重量比)を事前に秤量しておく、液流染色機や撹拌付きバスなどを用いて浴比1:5〜100になる様に水を張り、その中に繊維製品布帛物を投入し撹拌しながら事前に秤量しておいた処理剤を投入する、その後徐々に昇温していくとある温度(曇点)になったら液の乳化剤の白い色が消えて透明になってくる、その温度より若干高めの温度をキープしながら約5〜30分間処理を行ない、その後除冷し繊維製品布帛物を取り出し乾燥する。この時に風合い調整や疎水性物質の付着耐久性向上の目的でバインダー樹脂液を本発明の処理剤と同時に用いることもできる。
【0020】
処理温度は曇点またはそれ以上の温度が必要で、処理温度が50℃以下であれば繊維に急激に付着して斑付きとなり好ましくない。140℃以上は染色堅牢度などの物性面や設備上の制約から好ましくない。より好ましい温度範囲は60〜100℃である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
【0022】
実施例1
ラノリン500g、部分ケン化ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製L−25;重合度2500、ケン化度75%)の5%水溶液200g、ソルビタントリオレエート40g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数10モル)15gおよび水100gを秤量した。つぎにバス付きビーカーに部分ケン化ポリビニルアルコール5%水溶液とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水を投入しホモジナイザーを用いて7000rpmで撹拌しながら昇温し、温度が50℃になったら、事前に50℃で溶解しておいたラノリンとソルビタントリオレエート混合物をビーカーに添加した。その後50℃を30分間キープしながら撹拌し、その後加熱を停止した。次に約40℃の水1000gを加えて希釈し撹拌速度を1000rpmに落とし冷却した。得られたものは、白色に乳化し均一なものであった。この繊維製品加工用処理剤を30℃の室内で3か月間放置テストを行ったが、分離や沈降、ゲル化などの変化は見られず安定した状態であった。
【0023】
タテ糸にポリエステルフィラメントの加工糸、ヨコ糸にポリエステルスパン糸使いからなる紡毛調のブルーに染めた染色上がり織物40gをミニカラー染色機のポットに投入し、上記で作成した処理剤2gと水800gをポットに注入した。ミニカラー染色機を2℃/分で昇温し80℃×30分間キープした、その後2℃/分で常温まで降温し、織物を取出し水洗、乾燥した。
【0024】
得られた物は、重量変化による付着量で約1%であった。タッチはウールに良く似たヌメリ感のある良質なもので高級感があり、また硬さは若干柔らかいか、変化ない程度で問題ないレベルであった。付着状態を顕微鏡で観察して見れば、繊維1本1本に均一に付着された状態であった。重量変化による洗濯20回の耐久性を測定した結果、保持率50%であった。
【0025】
実施例2
スクワラン500g、部分ケン化ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製L−25;重合度2500、ケン化度75%)の5%水溶液200g、ソルビタントリオレエート40g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数10モル)15gおよび水100gを秤量した。つぎにバス付きビーカーに部分ケン化ポリビニルアルコール5%水溶液とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水を投入しホモジナイザーを用いて7000rpmで撹拌しながら昇温し、温度が40℃になったら、事前に常温で溶解しておいたスクワランとソルビタントリオレエート混合物をビーカーに添加した。その後50℃を30分間キープしながら撹拌し、その後加熱を停止した。次に約40℃の水1000gを加えて希釈し撹拌速度を1000rpmに落とし冷却した。得られたものは、白色に乳化し均一なものであった。この繊維製品加工用処理剤を30℃の室内で3か月間放置テストを行ったが、分離や沈降、ゲル化などの変化は見られず安定した状態であった。
【0026】
次に染色上がりナイロン製パンティストッキング1Kgをパッケージ染色機に投入し、上記で作成した処理剤50gと熱反応型水溶性ウレタンポリマー25%液125gと水20Kgを染色機に注入した。パッケージ染色機を2℃/分で昇温し80℃×30分間キープした、その後2℃/分で常温まで降温し、その後水洗しパンティストッキングを取出し乾燥した。
【0027】
得られた物は、重量変化による付着量で約3.5%であった。タッチはシットリした感じの良質なものであり、また硬さは染色上がりに比較して若干柔らかく良い方向であった。付着状態を顕微鏡で観察して見れば、実施例1と同じ様に繊維1本1本に均一に付着された状態であった。重量変化による洗濯20回の耐久性を測定した結果、保持率70%であった。本発明の方法で得られたパンティストッキングと、染色上がりパンティストッキングを左右の脚に別けて縫製し10名の女性パネラーに1〜2月の2か月間、比較着用テストを行った。2週間毎に2か月間、角質水分率を測定したところ、染色上がりパンティストッキング側の脚は平均3%で、肌荒れが見受けられた。一方本発明の方法で得られたパンティストッキング側の脚は平均8%で、肌荒れは観察されなかった。着用感も本発明の方法で得られたパンティストッキングがシットリした感じで有意差があった。
実施例3
ミリスチン酸オクタデシル500g、部分ケン化ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製L−25;重合度2500、ケン化度75%)の5%水溶液300g、ソルビタントリオレエート40g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数10モル)15gおよび水100gを秤量した。つぎにバス付きビーカーに部分ケン化ポリビニルアルコール5%水溶液とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水を投入しホモジナイザーを用いて7000rpmで撹拌しながら昇温し、温度が40℃になったら、事前に常温で溶解しておいたミリスチン酸イソプロピルとソルビタントリオレエート混合物をビーカーに添加した。その後50℃を30分間キープしながら撹拌し、その後加熱を停止した。次に約40℃の水1000gを加えて希釈し撹拌速度を1000rpmに落とし冷却した。得られたものは、白色に乳化し均一なものであった。この繊維製品加工用処理剤を30℃の室内で3か月間放置テストを行ったが、分離や沈降、ゲル化などの変化は見られず安定した状態であった。
【0028】
次にナイロン製ナイト手袋1Kgをパッケージ染色機に投入し、上記で作成した処理剤50gと熱反応型水溶性ウレタンポリマー25%液125gと水20Kgを染色機に注入した。パッケージ染色機を2℃/分で昇温し80℃×30分間キープした、その後2℃/分で降温し、その後水洗しナイト手袋を取出し乾燥し、130℃×2分間キュアした。
【0029】
得られた物は、重量変化による付着量で約3.0%であった。タッチはシットリした感じの良質なものであり、また硬さは処理前に比較して若干柔らかく良い方向であった、付着状態を顕微鏡で観察して見れば、実施例1と同じ様に繊維1本1本に均一に付着された状態であった。重量変化による洗濯20回の耐久性を測定した結果、保持率80%であった。本発明の方法で得られたナイト手袋と、処理前ナイト手袋を左右の手に別けて10名の女性パネラーに1〜2月の2か月間、就寝時比較着用テストを行った。2週間毎に2か月間、角質水分率を測定したところ、処理前ナイト手袋側の手は平均4%で、肌荒れが見受けられた。一方本発明の方法で得られたナイト手袋側の手は平均8%で、肌荒れは観察されなかった。着用感も本発明の方法で得られたナイト手袋がシットリした感じで有意差があった。
【0030】
比較例1
実施例1で用いた本発明の繊維製品加工処理剤の製法で部分ケン化ポリビニルアルコール(信越化学工業(株)製L−25;重合度2500、ケン化度75%)の5%水溶液200gを除いた処方で、下記の通り処理剤を作成した。ラノリン500g、ソルビタントリオレエート40g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数10モル)15gおよび水100gを秤量した。つぎにバス付きビーカーにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水を投入しホモジナイザーを用いて7000rpmで撹拌しながら昇温し、温度が50℃になったら、事前に50℃で溶解しておいたラノリンとソルビタントリオレエート混合物をビーカーに添加した。その後50℃を30分間キープしながら撹拌し、その後加熱を停止した。次に約40℃の水1000gを加えて希釈し撹拌速度を1000rpmに落とし冷却した。得られたものは、白色に乳化し均一なものであった。
【0031】
実施例1で用いた紡毛調のブルーに染めた染色上がり織物40gを用い、実施例1と同じミニカラー染色機を用い、同じ条件にて処理をおこなった。得られた物は、重量変化による付着量が0.2%でほとんど付着してなかった。タッチや硬さはほとんど加工前に比べて変化なく効果が得られなかった。
【0032】
比較例1で得られた処理剤を10倍の水で希釈し、常温で上記織物を希釈液に浸漬しマングルで絞液し、その後乾燥をおこなった。
【0033】
得られた物は、重量変化による付着量で約1%で実施例1と同じであった。タッチはウールに良く似たヌメリ感のある良質なものであるが、硬さが硬くなり問題があるレベルであった。付着状態を顕微鏡で観察して見れば、実施例1のように繊維1本1本に均一に付着された状態でなく、繊維の交絡点に多く、また繊維が束状に拘束された状態であった。重量変化による洗濯20回の耐久性を測定した結果、実施例1よりもかなり悪く保持率が20%であった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、独特の風合いや香り、あるいはうるおいのある素肌を保つ保湿性や抗菌性、防臭性などを繊維製品に確実に、かつ、耐久性よく付与することができる。

Claims (11)

  1. 疎水性物質および重合度1500〜5000で、かつ、ケン化度60〜80%未満の部分ケン化ポリビニルアルコールとが乳化されていることを特徴とする繊維製品加工用処理剤。
  2. 該疎水性物質が、化粧品原料エステル油、動植物系油性材料、鉱物性油性材料、高級アルコール系材料および固形微細粉体から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の繊維製品加工用処理剤。
  3. 該化粧品原料エステル油が、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸オクタデシルおよび2−エチルヘキサン酸セチルから選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の繊維製品加工用処理剤。
  4. 該動植物系油性材料が、ラノリン、スクワラン、馬油、ミンク油、ヤシ油、オリーブ油、ひまし油、オレンジラフィー油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油およびしそ油から選ばれた少なくとも一種である請求項2記載の繊維製品加工用処理剤。
  5. 該鉱物性油性材料が、流動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィンおよびワセリンから選ばれた少なくとも一種である請求項2記載の繊維製品加工用処理剤。
  6. 該高級アルコール系材料が、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、バノールアルコールおよびベヘニルアルコールから選ばれた少なくとも一種である請求項2記載の繊維製品加工用処理剤。
  7. 該固形微細粉体が、金属化合物および無機物の少なくとも一種である請求項2記載の繊維製品加工用処理剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の繊維製品加工用処理剤の水溶液に繊維製品を浸漬し、該水溶液の曇点以上の温度で処理することを特徴とする繊維製品の製造方法。
  9. 該曇点以上の温度が、50〜140℃の範囲である請求項8記載の繊維製品の製造方法。
  10. 該繊維製品加工用処理剤の水溶液が、バインダー樹脂を含むものである請求項9記載の繊維製品の製造方法。
  11. 該バインダー樹脂が、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂および酢酸ビニール系樹脂から選ばれた少なくとも一種である請求項10記載の繊維製品の製造方法。
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