JPH11107163A - 繊維処理剤、繊維または繊維素材生地、および衛生用品表面材 - Google Patents

繊維処理剤、繊維または繊維素材生地、および衛生用品表面材

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JPH11107163A
JPH11107163A JP26853597A JP26853597A JPH11107163A JP H11107163 A JPH11107163 A JP H11107163A JP 26853597 A JP26853597 A JP 26853597A JP 26853597 A JP26853597 A JP 26853597A JP H11107163 A JPH11107163 A JP H11107163A
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JP
Japan
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fiber
linolenic acid
surface material
treating agent
sanitary
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JP26853597A
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Shinko Sano
真弘 佐野
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚への刺激を低減できるとともに良好な保
湿性および吸湿性を付与できる繊維処理剤、低刺激性で
ありかつ保湿性および吸湿性に優れた繊維または繊維素
材生地、および衛生用品表面材を提供する。 【解決手段】 γ−リノレン酸を含有する油脂を乳化ま
たはマイクロカプセル化したものを含んで繊維処理剤を
構成する。この繊維処理剤により、繊維素材生地、繊
維、衛生用品表面材を処理してγ−リノレン酸を付着さ
せる。これにより、皮膚への刺激が少なく保湿性および
吸湿性に優れた繊維製品、衛生用品表面材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維処理剤、繊維
製品を構成する繊維、または、織物、編物、不織布等の
繊維素材生地、および、衛生用品表面材に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、下着、パジャマ、ブラウス、シ
ーツ、タオル、寝装用品、靴下およびストッキング等の
繊維製品、生理用品および紙おむつ等の衛生用品におい
ては、天然物からなる材料を添加することで、天然物由
来の機能を付与した製品が提案されている。具体的に
は、天然物材料として、キトサン、コラーゲン、スクワ
ラン、ヒノキチオール、ヨモギ、アロエ等を用いること
で、抗菌・防臭効果、保湿効果等の向上が図られてい
る。このような天然物材料は、繊維製品や衛生用品に付
着させることにより添加している。
【0003】一方、近年、アトピー性皮膚炎の患者が増
加しており、繊維製品や衛生用品表面材は、皮膚に直接
接触するものであることから、皮膚への刺激が少ない製
品が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、天然物材料を
添加する方法では、繊維製品等に対して、添加した材料
に由来する機能しか付与できないため、保湿性等の機能
を向上できても、皮膚への刺激を充分に低減できない場
合がある。このため、アトピー性皮膚炎の患者等が使用
できる程度に低刺激性の製品の種類は少なく、刺激が少
なくて優れた機能を有する製品が望まれている。
【0005】本発明の目的は、皮膚への刺激を低減でき
るとともに良好な保湿性および吸湿性を付与できる繊維
処理剤、低刺激性でありかつ保湿性および吸湿性に優れ
た繊維または繊維素材生地、および衛生用品表面材を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは、繊維等に添加する材料の種類に着目
し、各種材料の特性について調べた。その結果、植物性
脂肪に含まれるγ−リノレン酸は、皮膚への刺激の低減
に有効であるという知見が得られた。すなわち、γ−リ
ノレン酸には、アトピー性皮膚炎、高コレステロール血
症、アルコール性脂肪肝、糖尿病の合併症等の各種の欠
乏症状が存在することが知られており、これと逆に、γ
−リノレン酸の投与は、コレステロールの低減、アルコ
ール代謝の改善、アトピー性皮膚炎の改善等に有効であ
ることが報告されている。近年では、食品用油脂にγ−
リノレン酸を配合したもの等が商品化され、英国におい
ては、γ−リノレン酸は、アトピー性皮膚炎治療薬(E
pogam;商品名)として認可されている。一方、保
湿効果の向上、皮膚の肌荒れ防止、および乾燥からの皮
膚の保護等を目的として、化粧品用油脂にγ−リノレン
酸を配合したものや、このγ−リノレン酸含有油脂を配
合した化粧品等が商品化されている。
【0007】本発明は、繊維製品を構成する繊維または
繊維素材生地、或いは、衛生用品表面材に対して、γ−
リノレン酸を添加することで、保湿効果および吸湿効果
の向上および皮膚刺激の低減を実現しようとするもので
ある。
【0008】具体的には、本発明の繊維処理剤は、γ−
リノレン酸を含有することを特徴とする。
【0009】本発明の繊維処理剤は、γ−リノレン酸を
含む油脂を用いることにより製造できる。ここで、γ−
リノレン酸は、自然界においては、月見草等の特殊な植
物種子油や母乳等にしか含まれていないものであり、γ
−リノレン酸を含有する油脂としては、例えば、月見草
油、ボラージ油、或いは、ブドウ糖を主原料にして微生
物による発酵方式で製造された油等が挙げられる。ま
た、本発明の繊維処理剤によって処理するものは特には
限定されないが、例えば、繊維、繊維素材生地、衛生用
品表面材に用いられる不織布、フィルム等である。
【0010】この場合、繊維処理剤は、乳化またはマイ
クロカプセル化した油脂を含有し、この油脂中に前記γ
−リノレン酸が含まれていることが望ましい。このよう
に、γ−リノレン酸含有油脂を乳化またはマイクロカプ
セル化することで、処理対象となる繊維等に対してγ−
リノレン酸を均一に付着させることができる。
【0011】γ−リノレン酸含有油脂をマイクロカプセ
ル化する方法としては、既存の各種の方法を採用でき
る。具体的には、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属
の炭酸塩、シリカ、酸化チタン等の金属酸化物等の多孔
質微粒子、シルク、コラーゲン、ウール、セルロース、
キトサン、麻等の天然有機物微粉末に油脂を内包させる
方法、或いは、サイクロデキストリンに包接する方法等
がある。
【0012】γ−リノレン酸含有油脂の乳化物は、水等
の分散媒にγ−リノレン酸含有油脂を分散させたO/W
(水中油滴)型エマルジョンであることが好ましい。ま
た、γ−リノレン酸含有油脂の乳化には、分散性を向上
させるために界面活性剤を用いてもよい。この界面活性
剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤のう
ち、いずれか一種類以上を選択して用いることができ
る。これらの界面活性剤〜としては、例えば、次の
ものを採用できる。 陰イオン界面活性剤 : 高級アルコール硫酸エステ
ル塩類,アルキルアリルスルホン酸塩類等 陽イオン界面活性剤 : 脂肪アミン塩類,第四アン
モニウム塩類等 非イオン界面活性剤 : ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類,ソルビタンアルキルエステル類等 両性界面活性剤 : アルキルアミノ酸等
【0013】そして、繊維処理剤には、品質の安定化等
の目的に応じて、添加剤を適宜添加することができる。
すなわち、油脂の酸化劣化を防止するために、ビタミン
E等の酸化防止剤を添加してもよい。また、安定した流
動性を確保するために、増粘剤を添加してもよい。この
増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、アルギン酸
ソーダ、キサンタンガム等を用いることができる。
【0014】さらに、繊維処理剤には、処理対象となる
繊維等に抗菌性や防臭性を付与するために、公知の抗菌
剤や消臭剤を配合してもよい。また、処理対象となる繊
維等の風合いを向上させるために、柔軟仕上げ剤を配合
してもよい。この柔軟仕上げ剤としては、例えば、シリ
コーン系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、アク
リル系エマルジョン等を採用できる。
【0015】このような本発明の繊維処理剤は、周知の
任意の固着方法、例えば、吸尽法(浸漬吸収法)、パッ
ド法、スプレー法、グラビア、ナイフ等によるコーティ
ング法等により、処理対象である繊維等に固着させるこ
とができる。
【0016】一方、本発明の繊維または繊維素材生地
は、γ−リノレン酸を付着させたことを特徴とする。こ
こで、繊維には、例えば、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊
維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、
レーヨン等の半合成繊維、これらの繊維を組み合わせた
複合繊維等が含まれる。また、繊維素材生地としては、
前記繊維からなるものを採用できる。この繊維素材生地
には、例えば、糸、織物、編物、不織布等が含まれる。
そして、繊維または繊維素材生地へのγ−リノレン酸の
付着は、例えば、前述した繊維処理剤で繊維または繊維
素材生地を処理することにより行うことができる。
【0017】また、本発明の衛生用品表面材は、γ−リ
ノレン酸を付着させたことを特徴とする。ここで、衛生
用品表面材とは、衛生用品のうち皮膚に接触する部分に
使用されるものをいう。例えば、紙おむつや生理用品等
の衛生用品は、一般に、衛生用品表面材と防水シートと
の間に液体を保持する吸収体を介装した構造を有し、使
用時には、その衛生用品表面材が肌にあてられる。
【0018】このような衛生用品表面材の基材として
は、合成繊維、不織布等を用いることができる。また、
衛生用品表面材の基材として、ポリプロピレン或いはポ
リエステルのスパンボンド不織布、ポリエチレンおよび
ポリプロピレンのサーマルボンド不織布を採用してもよ
く、これによると、***物を吸収体に迅速に導くための
透水性、皮膚を傷つけない柔らかさ、清潔さ、人の動き
に対する破れにくさを確保できる。なお、サーマルボン
ド不織布は、ポリエチレンおよびポリプロピレンを芯鞘
構造で単繊維中に一本化させた繊維を用いた不織布であ
る。
【0019】さらに、衛生用品表面材には、単層構造の
ものだけでなく、多層構造のものも用いることができ
る。多層構造の衛生用品表面材としては、例えば、吸収
した液体を逆戻りさせないために微細な孔を開けた合成
樹脂フィルムを、表面材の最表面となるように基材に重
ねた構造のものがある。なお、合成樹脂フィルムとして
は、ポリエチレンフィルム等を採用できる。
【0020】このような衛生用品表面材へのγ−リノレ
ン酸の付着は、例えば、前述した繊維処理剤を用いて、
当該表面材の最表面となる部分、具体的には、基材やフ
ィルム等を処理することにより行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本実施形態の繊維処理剤は、次の
ようにして得られたものである。すなわち、γ−リノレ
ン酸を含有する油脂を撹拌しながら、界面活性剤を徐々
に加え、この油脂および界面活性剤の混合物に、分散媒
としての精製水を加えつつさらに撹拌して乳化させ、O
/W型のエマルジョンとした。このエマルジョンにおい
ては、γ−リノレン酸を含有する油脂100重量部に対
して、界面活性剤は1〜100重量部とした。このエマ
ルジョンに柔軟仕上げ剤としてのシリコーン系エマルジ
ョンを配合し、本実施形態の繊維処理剤を得た。
【0022】一方、γ−リノレン酸を付着させた本実施
形態の繊維素材生地は、前記繊維処理剤を用いて繊維素
材生地を処理したものである。すなわち、繊維処理剤
を、吸尽法(浸漬吸収法)、パッド法、スプレー法、コ
ーティング法等により、処理の対象である繊維素材生地
に固着させて、乾燥させることにより本実施形態の繊維
素材生地を得た。
【0023】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。すなわち、γ−リノレン酸を含有する
繊維処理剤で繊維素材生地を処理したので、繊維素材生
地による皮膚への刺激を低減できるとともに、繊維素材
生地に対して良好な保湿性および吸湿性を付与できる。
従って、この繊維素材生地を、皮膚に直接接触する製
品、例えば、下着、パジャマ、ブラウス、シーツ、タオ
ル、寝装用品、靴下およびストッキング等の繊維製品、
生理用品および紙おむつ等の衛生用品の表面材に用いる
ことで、低刺激性でありかつ保湿性および吸湿性に優れ
た製品が得られる。また、γ−リノレン酸を含有する油
脂を乳化させたエマルジョンにより繊維処理剤を構成し
たので、繊維素材生地に対してγ−リノレン酸を均一に
付着させることができる。
【0024】以上に述べた実施形態では、繊維素材生地
について説明したが、この繊維素材生地と同様にして、
繊維を前述した繊維処理剤によって処理することで、γ
−リノレン酸を付着させた繊維が得られる。
【0025】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例1では、前記実施形態に基づい
て、繊維処理剤5000gを調製し、この繊維処理剤を
用いて、γ−リノレン酸を付着させた繊維素材生地であ
るパンティストッキングを得た。また、本実施例1で
は、前記実施形態において、以下の具体的な材料、条件
等を採用した。 (1)繊維処理剤の材料 γ−リノレン酸含有油脂:出光マテリアル株式会社
製,GLARO25(商品名),γ−リノレン酸含有率
25wt%,ブドウ糖を主原料として微生物による発酵
方式で製造されたもの 界面活性剤 :ポリオキシエチレンソルビ
タンモノステアレート 柔軟仕上げ剤 :シリコーン系エマルジョ
ン,共栄社化学株式会社製,CLコート6400(商品
名) 精製水
【0026】(2)繊維処理剤5000g中の各材料の
配合量 γ−リノレン酸含有油脂 : 1000g 界面活性剤 : 250g 柔軟仕上げ剤 : 2500g 精製水 : 1250g
【0027】(3)繊維素材生地:パンティストッキン
グ(ゾッキタイプ),ポリウレタン繊維製の芯糸(20
デニール)をナイロン繊維(12デニール)でカバリン
グした複合繊維からなるもの
【0028】(4)繊維処理剤によるパンティストッキ
ングの処理 繊維処理剤は、吸尽法によってパンティストッキングに
付着させた。すなわち、ドラム染色機に、パンティスト
ッキングおよび水を入れて、浴比(パンティストッキン
グと水との比)を1:20とする。この浴中に、前記繊
維処理剤を20%o.w.f.(対繊維重量比)で投入し、浴
を40℃で20分間回転させて、繊維処理剤をパンティ
ストッキングに含浸させた。この吸尽処理したパンティ
ストッキングを、ピックアップ率が30%となるように
遠心脱水した後、足型に装着して110℃で3分間乾燥
させ、これにより、γ−リノレン酸を固着させたパンテ
ィストッキングを得た。
【0029】〔実施例2〕本実施例2では、前記実施例
1において、繊維処理剤、繊維素材生地、および、繊維
処理剤による処理を次のようにした以外は、前記実施例
1と同様にして、γ−リノレン酸を付着させた本実施例
2の繊維素材生地を得た。 (1)繊維処理剤 :前記実施例1の繊維処理剤の柔軟
仕上げ剤を省略したもの(γ−リノレン酸含有油脂、界
面活性剤および水からなるエマルジョン) (2)繊維素材生地:ポリエステル/綿(50/50)
の織物を、縦30cm×横30cmにカットしたもの
【0030】(3)繊維処理剤による織物の処理 前記織物を、本実施例2の繊維処理剤100g中に5分
間浸漬した後、マングルを用いてピックアップ率100
%となるように脱水してから、120℃で15分間乾燥
した。この乾燥させた織物を加熱室において150℃で
2分間加熱して、製品の形を固定する仕上げ加工を行っ
た。なお、マングルとは、金属ロールおよびゴムロール
の間に濡れたものを挿入して水を絞り出す絞り装置であ
る。
【0031】〔実施例3〕本実施例3では、前記実施例
1において、繊維素材生地を繊維とし、繊維処理剤およ
び、繊維処理剤による処理を、次のようにした以外は、
前記実施例1と同様にして、γ−リノレン酸を付着させ
た本実施例3の繊維を得た。 (1)繊維処理剤:前記実施例2で用いた繊維処理剤と
同じもの (2)繊維 :異形断面ポリエステル繊維 (3)繊維処理剤による繊維の処理 前記繊維を繊維処理剤中に浴比1:5となるように浸
し、30分間浸漬して繊維処理剤を含浸させた後、この
繊維を120℃で15分間乾燥して、γ−リノレン酸を
付着させた繊維を得た。
【0032】〔実施例4〕本実施例4では、前記実施例
1において、繊維素材生地を、衛生用品表面材である生
理用品の表面材とし、繊維処理剤および、この繊維処理
剤による処理を、次のようにした以外は、前記実施例1
と同様にして、γ−リノレン酸を付着させた本実施例4
の衛生用品表面材を得た。 (1)繊維処理剤 :前記実施例2で用いた繊維処理
剤と同じもの (2)衛生用品表面材:ポリプロピレン不織布 (3)繊維処理剤による衛生用品表面材の処理 前記ポリプロピレン不織布に、繊維処理剤をグラビアコ
ーティング機によって目付10g/m2となるように塗
布した後、熱風乾燥機により、80℃で1分間乾燥し
て、γ−リノレン酸を付着させた衛生用品表面材を得
た。
【0033】〔比較例1〕前記実施例1において、繊維
処理剤として、柔軟仕上げ剤であるCLコート6400
(商品名)を単独で用いた以外は、実施例1と同様にし
て、パンティストッキングを処理した。
【0034】〔比較例2〕前記実施例2の繊維素材生地
としての織物を、実施例2の繊維処理剤による処理を行
わないで、未処理のまま用いた。 〔比較例3〕前記実施例3の繊維としての異形断面ポリ
エステル繊維を、実施例3の繊維処理剤による処理を行
わないで、未処理のまま用いた。 〔比較例4〕前記実施例4の衛生用品表面材としてのポ
リプロピレン不織布を、実施例4の繊維処理剤による処
理を行わないで、未処理のまま用いた。
【0035】〔吸湿性の評価〕以上の実施例1,2およ
び比較例1,2で得られた繊維素材生地、実施例3およ
び比較例3で得られた繊維、実施例4および比較例4で
得られた衛生用品表面材について、それぞれ吸湿性を評
価した。吸湿性の評価は、各実施例および各比較例の繊
維素材生地、繊維および衛生用品表面材を試料として、
吸湿率を求めることにより行った。この吸湿率は、各試
料を110℃で1時間乾燥させ、30℃、80%RHに
調温・調湿した恒温恒湿槽に入れて4時間放置し、放置
前後の重量変化量を測定して、この測定値から求めた。
その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1より、実施例1のパンティストッキン
グ、実施例2の織物、実施例3のポリエステル繊維、お
よび実施例4のポリプロピレン不織布は、γ−リノレン
酸を含有する繊維処理剤で処理することでγ−リノレン
酸を付着させたため、同じ繊維素材生地、繊維、衛生用
品表面材を用いた比較例1〜4とそれぞれ比較して吸湿
率が高く、優れた吸湿性が得られることがわかる。
【0038】一方、比較例1では、繊維処理剤(柔軟仕
上げ剤)に、γ−リノレン酸が含まれていなかったた
め、パンティストッキングにγ−リノレン酸を付着させ
ることができず、吸湿性が不良であることがわかる。ま
た比較例2の織物、比較例3の繊維、比較例4の衛生用
品表面材に対しては、γ−リノレン酸を付着させる処理
を行わなかったので、吸湿性の向上を図れないことがわ
かる。
【0039】〔保湿性の評価〕前記実施例1および比較
例1で得られた各パンティストッキングについて、保湿
性を評価した。保湿性の評価は、女性パネル10人に官
能評価してもらうことにより行った。すなわち、20
℃、40%RHの雰囲気下において、実施例1および比
較例1の各パンティストッキングを片足ずつ履いてもら
い、着用直後、着用後1,3,5時間後に、両足の各大
腿部の皮膚水分率を測定した。この皮膚水分率の測定に
は、角質水分率測定機を用いた。これらの皮膚水分率の
測定値から、着用直後の皮膚水分率を100%として、
着用後の皮膚水分率の増加率を求めた。その結果を表2
に示す。なお、表2の数値は、パネル10人の平均値で
ある。
【0040】〔皮膚刺激性の評価〕前記実施例1および
比較例1で得られた各パンティストッキングについて、
皮膚刺激性を評価した。この皮膚刺激性の評価は、市販
パンティストッキングを履くと痒みを感じるアトピー性
皮膚炎の女性パネル6人に、実施例1および比較例1の
各パンティストッキングを、それぞれ10日間昼間のみ
履いてもらい、着用による症状の変化について回答を得
た。その結果を表3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】表2より、実施例1のパンティストッキン
グを着用した大腿部の皮膚水分率は、着用時間の経過と
ともに増加し、比較例1のパンティストッキングを着用
した大腿部の皮膚水分率は、ほとんど変化しなかった。
これにより、実施例1のパンティストッキングは、γ−
リノレン酸を含有する繊維処理剤で処理されたものであ
るため、γ−リノレン酸により保湿効果が付与され、優
れた保湿性を確保できることがわかる。一方、比較例1
のパンティストッキングには、γ−リノレン酸が付着し
ていないため、充分な保湿効果が得られないことがわか
る。
【0044】また、表3より、実施例1のパンティスト
ッキングは、γ−リノレン酸を含有する繊維処理剤で処
理されたものであるため、γ−リノレン酸によって皮膚
への刺激が低減され、アトピー性皮膚炎の症状の改善に
有効であることがわかる。一方、比較例1のパンティス
トッキングは、γ−リノレン酸が付着していないもので
あるため、アトピー性皮膚炎の患者にとっては皮膚への
刺激がやや強く、症状の改善効果が見られないことがわ
かる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、繊維処理剤にγ−リノ
レン酸を含有させることで、処理の対象となる繊維等の
皮膚刺激性を低減できるとともに良好な保湿性および吸
湿性を付与できる。また、本発明によれば、γ−リノレ
ン酸を繊維または繊維素材生地に付着させることで、皮
膚への刺激が少なく保湿性および吸湿性に優れた繊維製
品が得られる。そして、γ−リノレン酸を衛生用品表面
材に付着させることで、皮膚への刺激が少なく保湿性お
よび吸湿性に優れた衛生用品表面材が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−リノレン酸を含有することを特徴と
    する繊維処理剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した繊維処理剤におい
    て、 乳化またはマイクロカプセル化した油脂を含有し、この
    油脂中に前記γ−リノレン酸が含まれていることを特徴
    とする繊維処理剤。
  3. 【請求項3】 γ−リノレン酸を付着させたことを特徴
    とする繊維または繊維素材生地。
  4. 【請求項4】 γ−リノレン酸を付着させたことを特徴
    とする衛生用品表面材。
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