JP3686390B2 - 光ファイバ測定装置 - Google Patents

光ファイバ測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3686390B2
JP3686390B2 JP2002140343A JP2002140343A JP3686390B2 JP 3686390 B2 JP3686390 B2 JP 3686390B2 JP 2002140343 A JP2002140343 A JP 2002140343A JP 2002140343 A JP2002140343 A JP 2002140343A JP 3686390 B2 JP3686390 B2 JP 3686390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
signal
optical fiber
pulse
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002140343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003329545A (ja
Inventor
雅哉 清水
達幸 牧
真司 星野
和彦 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
NEC Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp, NEC Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2002140343A priority Critical patent/JP3686390B2/ja
Publication of JP2003329545A publication Critical patent/JP2003329545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3686390B2 publication Critical patent/JP3686390B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定光を被測定対象の光ファイバに入射させて、この光ファイバからの後方散乱及びフレネル反射に起因する戻り光を検出して、この戻り光から光ファイバの特性を測定する光ファイバ測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいて光信号の伝送媒体としての光ファイバにおける伝送特性、減衰特性等の特性測定や異常発生検出等を実施する光ファイバ測定装置は、一般的に図7に示すように構成されている。
【0003】
光ファイバ測定装置1内において、パルス発生器2は、パルス幅T1を有したパルスaを発生して一定の繰返し周期T0で光源3へ送出する。例えば半導体レーザからなる光源3は、入力されたパルスaに対応するパルス幅T1 繰返し周期T0を有する光パルスbを出力する。この光パルスbの光の周波数(又は波長)は、実際の光通信システムで使用される光の周波数(又は波長)に等しい単一周波数fに設定されている。光源3から出射された光パルスbは、光サーキューレータ4を透過してこの光ファイバ測定装置1から出力されて、測定対象の光ファイバ5の一端5aへ入射される。
【0004】
測定対象の光ファイバ5へ入射した光パルスbは、この光ファイバ5内を他端5bへ向かって伝搬していくが、その伝搬過程で後方散乱やフレネル反射に起因して光パルスbに対して進行方向が逆である戻り光dが発生する。この戻り光dは、光ファイバ5の一端5aから光ファイバ測定装置1へ戻り、光サーキューレータ4で入射される光パルスbと分離されて、受光器6で電気信号の戻り信号eに変換されて、特性算出部7へ入力されている。
【0005】
この特性算出部7には、パルス発生器2からパルスaに同期するトリガが入力される。そして、この特性算出部7は、戻り信号eの光パルスbの出力時刻からの後方散乱光やフレネル反射光を含む戻り光dにおける強度の時間変化特性8を表示画面に表示する。そして、この得られた戻り光dの時間変化特性8から、前述した測定対象の光ファイバ5の伝送特性や減衰特性等の各種特性を算出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示す光ファイバ測定装置1においても、まだ解決すべき次のような課題があった。
【0007】
すなわち、光ファイバ5の伝送特性や減衰特性等の各種特性を高い精度で測定するためには、前述した戻り光dにおける強度の時間変化特性8を高い精度で求める必要がある。この戻り光dにおける強度の時間変化特性8を高い精度で求めるには、この光ファイバ5に印加する測定光である光パルスbの強度を増加して、対応する戻り光d自体の強度を増加してダイナミックレンジを広げる必要がある。
【0008】
この光パルスbの強度を増加するには、光パルスbのピークレベルを上昇するか光パルスbのパルス幅を増加することが考えられる。しかし、半導体レーザからなる光源3から出力される光パルスbのピークレベルを上昇するには一定の限界がある。さらに、光パルスbのパルス幅を増加すれば、測定された光ファイバ5の空間分解能が低下する。
【0009】
このような不都合を解消するために、測定対象の光ファイバ5に入射する測定光を、単一の光パルスbではなくて、所定長の擬似ランダムパルス信号を光信号に変換した擬似ランダム光パルス列で構成し、この擬似ランダム光パルス列からなる測定光を測定対象の光ファイバ5に入射することが考えられる。
【0010】
そして、光ファイバ5から得られた戻り光を電気信号に変換して、戻り光の光強度の時間変化信号を得る。そして、この時間変化信号と擬似ランダムパルス信号との相関関係を算出して相関信号を得る。この相関信号は、戻り光の時間変化信号におけるパルス幅単位の各時刻における擬似ランダムパルス信号が含まれる程度を示すので、結果的に、戻り光の時間変化信号の時間分解能、すなわち空間分解能をパルス幅単位まで向上できる。さらに、測定光のパルス幅を等価的に拡大できるので、戻り光のダイナミックレンジを拡大できる。
【0011】
しかしながら、この測定光として擬似ランダム光パルス列を採用した光ファイバ測定装置においてもまだ次のような課題があった。
【0012】
例えば、この光ファイバ5が海底に敷設された場合においては、図8に示すように、この光ファイバ5は長距離になるので、上り経路の光ファイバ5cと下り経路の光ファイバ5dとからなる光ケーブル5eにおける例えば50km毎に中継器9が設けられている。各中継器9内には一対の光増幅器10a、10bが組込まれている。さらに、この各光増幅器10a、10b内には、増幅された光信号の信号強度を一定にする自動強度制御回路(APC)11が組込まれている。さらに、各光増幅器10a、10bの出力端どうしはループ光ファイバ12で接続されている。
【0013】
このような光ケーブル5eにおける一方の光ファイバ5cに対する試験を上述した光ファイバ測定装置1を用いて実施する場合、この一方の光ファイバ5cに光パルスbを印加する。光ファイバ5cにおける各中継器9相互間の区間で発生する後方散乱とフレネル反射に起因する戻り光dは、各ループ光ファイバ12及び他方の光ファイバ5dを経由して、光ファイバ試験装置1へ戻る。
【0014】
ここで、前記自動強度制御回路(APC)11は、増幅された光信号の信号強度を一定にする機能を有しているので、一方の光ファイバ5cに印加する測定光として擬似ランダム光パルス列を採用した場合、この擬似ランダム光パルス列は、図9(a)に示すように、光有り区間と光無し区間とが不規則に並び、かつ光有り区間と光無し区間との区間長も一定していない。
【0015】
したがって、このような擬似ランダム光パルス列を信号強度を一定にする処理を実施すると、それまで無信号で励起状態にあった中継器9内の光増幅器10が過渡応答特性を示し、図9(b)に示すように、パルスピークパワーが変化してしまう。その結果、このように、各パルスピークパワーが変化した戻り光の時間変化信号と擬似ランダムパルス信号との相関関係を算出した場合に正しい相関信号が得られない問題が生じる懸念がある。その結果、測定対象の光ファイバに対する特性の測定精度が低下する。
【0016】
図10は、光ファイバ測定装置から一定長(擬似ランダムパルス列長)の擬似ランダム光パルス列を一方の光ファイバ5cに印加して、他方の光ファイバ5dから得られる戻り光の光強度の特性を示す図である。シミュレーション波形である実線特性に示すように、擬似ランダム光パルス列の出力開始時刻から、この擬似ランダム光パルス列の出力終了までは、戻り光の光強度は上昇する。そして、擬似ランダム光パルス列の出力が終了すると、戻り光の光強度はパルス列の送出時間に対応する期間だけ一定値を維持し、パルス列は、パルス列の先頭から被測定ファイバを順次通りぬけるため低下する。
【0017】
しかし、自動強度制御(APC)を実施すると、図10の破線特性に示すように、擬似ランダム光パルス列の影響によりシステムが線形応答をせず、戻り光の光強度は上昇し続けてしまう。
【0018】
したがって、測定光として単なる擬似ランダム光パルス列を採用して、自動強度制御(APC)が実施された中継器9を含む光ファイバを測定すると、正確な戻り光の光強度の時間変化信号が得られない。
【0019】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、測定対象の光ファイバに入射する測定光を実質的に連続光となる擬似ランダム光パルス列を採用することにより、戻り光の時間変化信号の空間分解能をパルス幅単位まで向上でき、さらに、測定光のパルス幅を等価的に拡大できるので、戻り光のダイナミックレンジを拡大でき、測定対象の光ファイバが有する特性の測定精度を大幅に向上できる光ファイバ測定装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明は、測定光を測定対象の光ファイバに入射させて、この光ファイバからの後方散乱及びフレネル反射に起因する戻り光を検出して、この戻り光から光ファイバの特性を測定する光ファイバ測定装置において、一定周波数の連続光を発生する光源と、電気信号である所定長の擬似ランダムパルス信号を一定の繰返し周期で発生するパルス発生器と、連続光が入射され、パルス発生器より印加される擬似ランダムパルス信号の信号レベルに応じて、入射した連続光を0次光と高次光とに切換えて出力する音響光学素子と、この音響光学素子から出力された0次光と高次光とを合波して光ファイバに測定光として入射する合波器と、光ファイバからの戻り光と光源からの連続光とを合波して光ヘテロダイン検波を実施する光ヘテロダイン検波器と、この光ヘテロダイン検波器から出力された検波信号から戻り光の強度の時間変化を示す時間変化信号を抽出する信号抽出部と、この信号抽出部で抽出された時間変化信号と擬似ランダムパルス信号との相関を算出して相関信号として出力する相関器と、この相関器から出力された相関信号に基づいて光ファイバの特性を算出する特性算出部とを備えている。
【0021】
このように構成された光ファイバ測定装置においては、パルス発生器から所定長の擬似ランダムパルス信号が一定の繰返し周期で出力する。また、光ファイバ測定装置内には音響光学素子が組込まれている。周知のように、音響光学素子は外部から高周波振動を印加すると内部に弾性波が発生する。この状態で一定周波数(又は波長)を有する光を入射させると、弾性波が格子として作用して、入射した光を回折させると共に、外部から印加された周波数分だけ、周波数(又は波長)がシフトする。この周波数(又は波長)がシフトした光を高次光と称する。外部から高周波振動を印加しない状態においては、入射した光は回折されずにそのまま透過する。この回折されずに、すなわち周波数(又は波長)がシフトしない光を0次光と称する。
【0022】
したがって、擬似ランダムパルス信号の信号レベルに応じて音響光学素子に印加する高周波振動をオン/オフ制御することによって、擬似ランダムパルス信号の信号レベルに応じて連続光を0次光と高次光とに切換えて音響光学素子から出力可能となる。
【0023】
この音響光学素子から出力された0次光と高次光とを合波して測定光として光ファイバに入射している。この測定光においては、擬似ランダムパルス信号のハイレベル(ON)期間は高次光となり、擬似ランダムパルス信号のローレベル(OFF期間)及び信号無し期間は0次光となる。したがって、測定光は擬似ランダムパルス信号で周波数(又は波長)変調された実質的な連続光となる。
【0024】
測定対象の光ファイバから得られた戻り光にも0次光と高次光とが含まれる。この戻り光を光源からの連続光でヘテロダイン検波することにより、光源からの連続光と高次光との差の周波数(又は波長)の光と、光源からの連続光と高次光との和の周波数(又は波長)の光とを電気信号にした検波信号が得られる。この検波信号から、例えば、フィルタ等からなる信号抽出部で、元の擬似ランダムパルス信号に対応する戻り光の時間変化信号が得られる。
【0025】
この得られた戻り光の時間変化信号と元の擬似ランダムパルス信号との相関信号は、戻り光の時間変化信号におけるパルス幅単位の各時刻における擬似ランダムパルス信号が含まれる程度を示すので、結果的に、戻り光の時間変化信号の空間分解能をパルス幅単位まで向上できる。したがって、この相関信号に基づいて光ファイバの各種特性が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光ファイバ測定装置の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
例えば、半導体レーサからなる光源20は、図4に示すように、一定周波数(又は波長)fの連続光gを光増幅器21へ送出する。光増幅器21は入力した連続光gを増幅して音響光学素子22へ入射する。一方、パルス発生器23は、図4に示すように、所定長(所定パルス数)T1の擬似ランダムパルス信号(PN信号)hを一定の繰返し周期T0で出力する。パルス発生器23から出力された擬似ランダムパルス信号(PN信号)hは、同じく音響光学素子22へ印加される。
【0028】
図2は音響光学素子22の動作原理を示す図である。この音響光学素子22は、音響光学素子本体22aと、この音響光学素子本体22aの一端面に貼付けられた超音波振動子22bと、この超音波振動子22bに高周波信号を印加する発振器22cとで構成されている。発振器22cは、パルス発生器23から入力される擬似ランダムパルス信号(PN信号)hがハイレベル(ON)期間で起動し、ローレベル(OFF)期間で停止する。
【0029】
図3に示すように、擬似ランダムパルス信号(PN信号)hがハイレベル(ON)期間においては、音響光学素子本体22a内に、超音波振動子22bの振動による弾性波22dが発生し、この状態で入射した周波数fの連続光gは周波数(f+Δf)の高次光iとして出力される。一方、擬似ランダムパルス信号(PN信号)hがローレベル(OFF)期間においては、音響光学素子本体22a内には弾性波22dは発生しないので、この状態で入射した周波数fの連続光gは周波数シフトされずに元の周波数fを有した0次光jとして出力される。
【0030】
音響光学素子22から出力された0次光jと高次光iとは、合波器24で合波されて、測定光kとしてこの光ファイバ測定装置の出力端子25aから、光ケーブル26を構成する一対の光ファイバ26a、26bの測定対象の光ファイバ26aへ印加される。この測定光kは、図3に示すように、擬似ランダムパルス信号(PN信号)hがローレベル期間は周波数fの光であり、擬似ランダムパルス信号(PN信号)hがハイレベル期間は周波数(f+Δf)の光である実質的な連続光となる。
【0031】
光ケーブル26には、図8で示したように、多数の中継器9が介挿されている。したがって、試験対象の光ファイバ26aを伝搬中の測定光kの後方散乱やフレネル反射に起因する戻り光mは、他方の光ファイバ26bから光ファイバ測定装置の入力端子25bへ入力する。
【0032】
入力端子25bから光ファイバ測定装置内へ入射した戻り光mは光ヘテロダイン検波器27の合波器28の一端へ入射される。この合波器28の他端には、光源20から出力された周波数fを有する連続光gが入射される。戻り光mには、周波数fの光(0次光)と周波数(f+Δf)の光(高次光)とが含まれる。したがって、図4に示すように、連続光gと戻り光mとを合波し、検波した信号oには、(f+Δf―f)=Δfの周波数の信号と(f+Δf+f)=(2f+Δf)の周波数の信号とが含まれる。
【0033】
この検波信号oにおいては、Δfと(2f+Δf)の信号がビートを発生している状態である。具体的には、連続光gの周波数は192T(テラ)Hz程度であり、音響光学素子22に変調信号として印加されるΔfは約100MHz程度である。この検波信号oはΔfの成分のみが信号抽出部30へ入力される。
【0034】
信号抽出部30内には、フィルタ31、A/D変換器32、2乗加算回路33が組込まれている。フィルタ31は、この信号抽出部30へ入力された検波信号oに含まれる約100MHz程度のΔfの成分のみを抽出して戻り光の強度の時間変化信号pとする。すなわち、図4に示すように、この戻り光の強度の時間変化信号pには、パルス発生器23から出力された擬似ランダムパルス信号hに対応する信号成分のみが含まれる。言い換えれば、擬似ランダムパルス信号hのみの光を測定光として、光ファイバ26aに印加した状態に対応する戻り光の強度の時間変化信号が得られる。
【0035】
この戻り光の強度の時間変化信号pはA/D変換器32でA/D変換され、2乗加算器33で(+)成分に変換され、複数の繰返し周期T0に亘って平均化され、最終の戻り光の強度の時間変化信号p1として、信号抽出部30から相関器34へ入力される。相関器34には、パルス発生器23から出力された擬似ランダムパルス信号(PN信号)hが入力される。
【0036】
相関器34は、戻り光の強度の時間変化信号p1と擬似ランダムパルス信号hとの相関関係を算出して相関信号qを出力する。この図4に示す相関信号qは、結果的に、空間分解能をパルス幅単位まで向上された戻り光の時間変化信号を示す。
【0037】
相関器34から出力された精度の高い戻り光の時間変化信号を示す相関信号qは、特性算出部36内のLOG変換器37で対数変換されて、デシベル単位に変換されて、表示器38に表示される。さらに、この特性算出部36は、この精度の高い戻り光の時間変化信号を示す相関信号qを用いて、測定対象の光ファイバ26aに対する伝送特性や減衰特性等の各種特性を算出する。
【0038】
このように構成された光ファイバ測定装置においては、一定の繰返し周期T0毎に光ファイバ26aへ印加される光パルスのパルス幅を図7に示す従来の光パルス試験装置1の光パルスに比較して、実質的に拡大できる。したがって、得られる戻り光のダイナミックレンジを拡大でき、S/N比を向上できる。
【0039】
さらに、このように構成された光ファイバ測定装置においては、測定対象の光ファイバ26aに入射される測定光kは、図3に示すように、擬似ランダムパルス信号hで周波数変調した実質的に連続光とみなせる光である。したがって、この測定光kは、どの期間を抽出したとしても、光強度は一定である。よって、この測定光kが図8に示す光ケーブル5eの中継器9の各光増幅器10a、10bに組込まれた自動強度制御回路(APC)11を通過したとしても、擬似ランダムパルス信号hのパルスピークレベルが変化することはない。
【0040】
この測定光kの戻り光mに含まれる擬似ランダムパルス信号hの成分以外の連続光gの成分は、光ヘテロダイン検波器27及び次の信号抽出部30で除去される。
【0041】
この余分な成分が除去された後の戻り光の強度の時間変化信号p1と擬似ランダムパルス信号hとの相関関係が算出されて相関信号qとなる。この相関信号qは、結果的に、空間分解能をパルス幅単位まで向上された戻り光の時間変化信号を示す。したがって、この相関信号qから得られる測定対象の光ファイバ26aに対する特性の測定精度を向上できる。
【0042】
図5、図6は擬似ランダムパルス信号として4ビットのゴーレー(Golay)符号を用いた場合の信号処理手順を示す図である。
【0043】
ゴーレー符号は、図5(a)に示すように、符号列A(1,1,1,―1)とこの符号列Aのコンプリメンタリペアである符号列B(1,1,―1,1)とで表現できる。このゴーレー符号を光パルス列に応用すると、「―1」は表現できないため、この光ファイバ測定装置においては、下記に示す4種類のパルス列で表現する。
【0044】
=(1,1,1,0)
A_=(0,0,0,1)
=(1,1,0,1)
B_=(0,0,1,0)
従って、図5(b)に示すように、所定長T1の擬似ランダムパルス信号として4ビットの各パルス列A、A_、B+、B_を一定の繰返し周期T0で測定対象の光ファイバに印加する。
【0045】
4ビットの各パルス列を測定対象の光ファイバに印加すると、理論的には、図5(c)に示すように、印加された各ビット毎に、1ビットずつ遅延した、後方散乱とフレネル反射に起因する戻り光が現れる。しかし、実際に観測される戻り光は、図5(d)に示すように4個の戻り光を加算(合成)した波形(時間経過波形)を示す。
【0046】
この戻り光の波形(戻り光波形)を、前述した4種類のパルス列A、A_、B+、B_毎に求める。実際には、測定精度を向上させるために、各パルス列A、A_、B+、B_毎に、該当パルス列を複数回、測定対象の光ファイバに印加して、図5(d)に示す戻り光波形を測定して平均値を算出して、該当パルス列の戻り光波形とする。
【0047】
図6は、この4種類のパルス列A、A_、B+、B_の戻り光波形から1パルス分の戻り光波形(戻り光の強度の時間変化信号)を得る手順を示す流れ図である。
【0048】
まず、パルス列A(1,1,1,0)を測定対象の光ファイバに印加してパルス列A(1,1,1,0)の戻り光波形を得る(S1)。同様に、A_(0,0,0,1)測定対象の光ファイバに印加してパルス列A_(0,0,0,1)の戻り光波形を得る(S2)。
【0049】
次に、パルス列A+(1,1,1,0)の戻り光波形からパルス列A_(0,0,0,1)の戻り光波形を減算して、差の戻り光波形、すなわちゴーレーA(1,1,1,―1)の戻り光波形(戻り光の強度の時間変化信号)を得る(S3)。このゴーレーA(1,1,1,―1)の戻り光波形と元のゴーレーA(1,1,1,―1)との相関(相関信号)RAを得る(S4)。
【0050】
同様な手順で、パルス列B(1,1,0,1)を測定対象の光ファイバに印加してパルス列B(1,1,0,1)の戻り光波形を得る(S5)。同様に、B_(0,0,1,0)測定対象の光ファイバに印加してパルス列B_(0,0,1,0)の戻り光波形を得る(S6)。
【0051】
次に、パルス列B(1,1,0,1)の戻り光波形からパルス列B_(0,0,1,0)の戻り光波形を減算して、差の戻り光波形、すなわちゴーレーB(1,1,―1,1)の戻り光波形(戻り光の強度の時間変化信号)を得る(S7)。このゴーレーB(1,1,―1,1)の戻り光波形と元のゴーレーB(1,1,―1,1)との相関(相関信号)RBを得る(S8)。
【0052】
最後に、相関(相関信号)RAと相関(相関信号)RBとを加算して、1パルス分の戻り光波形(戻り光の強度の時間変化信号)を得る。
【0053】
このように、擬似ランダム信号としてゴーレー(Golay)符号を用いることによって、パルス幅分の空間分解能でダイナミックレンジを向上させた戻り光の強度の時間変化信号を得ることができる。
【0054】
具体的には、擬似ランダムパルス信号hのビット数をL(上述したゴーレー符号の場合、L=32)とすると、図7に示した従来の光パルス試験装置における1パルスの測定光bに比較して、特性算出部36における表示器38の表示画面上において、5log[(L1/2)/2]dBだけダイナミックレンジを改善できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ファイバ測定装置においては、測定対象の光ファイバに入射する測定光を擬似ランダム光パルス列が組込まれた実質的に連続光となる光を採用している。
【0056】
したがって、中継器を有する光ファイバ回線において、戻り光の時間変化信号の空間分解能を1パルス幅単位まで向上でき、さらに、測定光のパルス幅を等価的に拡大できるので、戻り光のダイナミックレンジを拡大できるという擬似ランダムパルス列の有効性を十分に発揮し、測定対象の光ファイバに対する特性の測定精度を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる光ファイバ測定装置の概略構成を示すブロック図
【図2】同実施形態の光ファイバ測定装置に組込まれた音響光学素子の動作原理を説明するための図
【図3】測定対象の光ファイバに入射する測定光を得る手順を示す各光の波形を示す図
【図4】同実施形態の光ファイバ測定装置の全体動作を示すタイムチャート
【図5】擬似ランダムパルス信号としてゴーレー(Golay)符号を採用した場合における動作を説明するための図
【図6】同擬似ランダム信号としてゴーレー(Golay)符号を用いた場合の信号処理手順を示す図
【図7】従来の光ファイバ測定装置の概略構成を示すブロック図
【図8】光ケーブルと中継器との関係を示す図
【図9】中継器に組込まれたの自動強度制御回路(APC)の動作を説明するための図
【図10】戻り光における自動強度制御回路(APC)の影響を示す図
【符号の説明】
20…光源
21…光増幅器
22…音響光学素子
23…パルス発生器
24、28…合波器
26…光ケーブル
26a、26b…光ファイバ
27…光ヘテロダイン検波器
29…光電変換器
30…信号抽出部
31…フィルタ
32…A/D変換器
33…2乗加算器
34…相関器
36…特性算出部
37…LOG変換器
38…表示器

Claims (1)

  1. 測定光(k)を測定対象の光ファイバ(26a)に入射させて、この光ファイバからの後方散乱及びフレネル反射に起因する戻り光(m)を検出して、この戻り光から前記光ファイバの特性を測定する光ファイバ測定装置において、
    一定周波数の連続光を発生する光源(20)と、
    電気信号である所定長の擬似ランダムパルス信号を一定の繰返し周期で発生するパルス発生器(23)と、
    前記連続光が入射され、前記パルス発生器より印加される前記擬似ランダムパルス信号の信号レベルに応じて、前記入射した連続光を0次光と高次光とに切換えて出力する音響光学素子(22)と、
    この音響光学素子から出力された0次光と高次光とを合波して前記光ファイバに測定光として入射する合波器(24)と、
    前記光ファイバからの戻り光と前記光源からの連続光とを合波して光ヘテロダイン検波を実施する光ヘテロダイン検波器(27)と、
    この光ヘテロダイン検波器から出力された検波信号から前記戻り光の強度の時間変化を示す時間変化信号を抽出する信号抽出部(30)と、
    この信号抽出部で抽出された時間変化信号と前記擬似ランダムパルス信号との相関を算出して相関信号として出力する相関器(34)と、
    この相関器から出力された相関信号に基づいて前記光ファイバの特性を算出する特性算出部(36)と
    を備えた光ファイバ測定装置。
JP2002140343A 2002-05-15 2002-05-15 光ファイバ測定装置 Expired - Lifetime JP3686390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002140343A JP3686390B2 (ja) 2002-05-15 2002-05-15 光ファイバ測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002140343A JP3686390B2 (ja) 2002-05-15 2002-05-15 光ファイバ測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003329545A JP2003329545A (ja) 2003-11-19
JP3686390B2 true JP3686390B2 (ja) 2005-08-24

Family

ID=29701244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002140343A Expired - Lifetime JP3686390B2 (ja) 2002-05-15 2002-05-15 光ファイバ測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3686390B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101104554B1 (ko) * 2004-04-02 2012-01-11 주식회사 케이티 통합 광선로 품질 특성 측정 장치
JP4891045B2 (ja) * 2006-12-18 2012-03-07 日置電機株式会社 光伝送路測定装置およびインパルス応答測定方法
US7872737B2 (en) * 2007-07-27 2011-01-18 Tyco Electronics Subsea Communications Llc System and method for optical time domain reflectometry using multi-resolution code sequences
FR2958399B1 (fr) * 2010-03-31 2012-05-04 Alcatel Lucent Surveillance d'un systeme par reflectometrie optique
CN111998933B (zh) * 2020-08-10 2023-01-24 武汉理工大学 一种基于脉冲编码的光纤光栅振动测量装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003329545A (ja) 2003-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2566606C1 (ru) Распределенное волоконно-оптическое устройство обнаружения звуковых волн
US11320302B2 (en) High-rate distributed acoustic sensing using high-power light pulses
JP5043714B2 (ja) 光ファイバ特性測定装置及び方法
JP7435160B2 (ja) 光ファイバ振動検知装置及び振動検知方法
JP7156386B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
WO2020071128A1 (ja) 後方散乱光増幅装置、光パルス試験装置、後方散乱光増幅方法、及び光パルス試験方法
JPWO2018083732A1 (ja) ブリルアン散乱測定方法およびブリルアン散乱測定装置
US11385127B2 (en) Optical frequency multiplexing coherent OTDR, testing method, signal processing device, and program
JP5753834B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
JP5849056B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
JP3686390B2 (ja) 光ファイバ測定装置
JP2020056904A (ja) 後方散乱光増幅装置、光パルス試験装置、後方散乱光増幅方法、及び光パルス試験方法
JPH0926376A (ja) Otdr測定装置
JP7156132B2 (ja) 光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法
JP5753882B2 (ja) 光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法
JP6226854B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
JPS63145938A (ja) 時間領域反射率計
JP5941877B2 (ja) 光パルス試験装置及び光パルス試験方法
RU2695058C1 (ru) Многоканальное волоконно-оптическое устройство регистрации вибрационных воздействий с одним приёмным модулем регистрации
JP2022548102A (ja) 光ファイバ分布計測システムおよび光ファイバ分布計測の信号処理方法
JP5428630B2 (ja) 光反射計測装置および光反射計測方法
JP3222970U (ja) 分布型光ファイバセンサ
JP2009293950A (ja) 光反射測定装置
JP7298471B2 (ja) 光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法
KR102644918B1 (ko) 감도 향상형 광섬유 음향 분포센서

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3686390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080610

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130610

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term