JP3683372B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からチューブレス空気入りタイヤにおいては、空気圧を保持するためにブチルゴムなどの低空気透過性のゴムがインナーライナーに用いられてきた。図3は、典型的な従来のチューブレス空気入りタイヤのケースコード被覆ゴム層付近の概略断面図であり、図3中、1はケースコード被覆ゴム層であって、その中にケースコード4が通常一列に配列されている。そのタイヤ内側には空気圧保持用のブチルゴムなどからなるインナーライナー7があり、タイヤ外側にはインスレーション層8を介してジエン系ゴムを主成分とするサイドウォール層9が設けられている。
【0003】
一方、低燃費性という要請にもとづいてタイヤの軽量化が求められ、かつタイヤの製造工程の簡素化も要請されており、低空気透過性のブチルゴムやイソブチレン−メチルスチレン共重合体の臭素化物などを配合したゴム組成物でタイヤのケースコード被覆ゴム層1を作製し、インナーライナー7を省くことが提案されている(特開平6−156007号、特開平6−55665号、特開平8−157648号各公報)。
【0004】
しかし、ブチルゴムなどの高飽和ゴムは高不飽和ゴムであるジエン系ゴムとの接着性に劣るため、ケースコード被覆ゴム層とサイドウォールやトレッドゴムなどのジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材とのあいだの接着性が劣り、えられるタイヤの耐久性に問題があった。
【0005】
該問題点に鑑み、本発明者らは、ケースコード被覆ゴム層に低空気透過性およびジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との充分な接着性を付与すべく種々検討し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
叙上の事実に鑑み、本発明の目的はインナーライナーのないチューブレスタイヤであって、ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性にすぐれ、かつ耐久性のあるインナーライナーのない軽量なチューブレス空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケースコード列を内部に有するケースコード被覆ゴム層とその内側に直接配設されてなるインスレーション層とをもつチューブレスタイヤであって、
ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aのゴム成分が50〜70重量%のジエン系ゴムと50〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、かつ
インスレーション層用ゴム組成物Bのゴム成分が65〜90重量%のジエン系ゴムと35〜10重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、
前記ゴム組成物Aがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含んでなるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤに関する。
【0008】
また、本発明はケースコード列を内部に有するケースコード被覆ゴム層をもつチューブレスタイヤにおいて、
ケースコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ内側部分が60〜70重量%のジエン系ゴムと40〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとをゴム成分とするゴム組成物Cからなり、
ケースコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ外側部分が65〜90重量%のジエン系ゴムと35〜10重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとをゴム成分とするゴム組成物Bからなり、
前記ゴム組成物Cがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含んでなるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤにも関する。
【0009】
このばあい、ビード部を巻くケースコード被覆ゴム層のタイヤ外側部分にも前記ゴム組成物Bからなる層を有するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態は、ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物A(以下、単に「ゴム組成物A」ともいう)のゴム成分が50〜70重量%のジエン系ゴムと50〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、かつケースコード被覆ゴム層のタイヤ内圧側に存在するインスレーション層用ゴム組成物B(以下、単に「ゴム組成物B」ともいう)のゴム成分が65〜100重量%のジエン系ゴムと35〜0重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなることを特徴とする。ゴム組成物Aがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含むことから、ゴム組成物Aからなるケースコード被覆ゴム層は低空気透過性にすぐれ、かつゴム組成物Bからなるインスレーション層は、従来は主としてケースコード被覆ゴム層の耐久性のために設けられていたが、本発明においては前記ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着層としての役割も果たす。そして本発明のチューブレス空気入りタイヤは、ケースコード被覆ゴム層1として特定のゴム組成物Aを用い、図3においてインナーライナー7を省いた構成を有する。
【0011】
本発明におけるゴム組成物Aを構成するジエン系ゴムは、従来からタイヤの分野でとくにケースコード被覆ゴム層を用いられているものであればよく、たとえば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどがあげられ、これらを単独でまたは任意に組み合わせて用いることができるが、機械的強度という点から主として天然ゴムを用いるのが好ましい。
【0012】
また、本発明においてゴム組成物Aを構成する高飽和ゴムは、従来からタイヤの分野で用いられているものが使用できる。とくにケースコード被覆ゴム層に低空気透過性を付与するものであればよく、たとえばブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物、エピクロロヒドリンゴム、エポキシ化天然ゴム、多硫化ゴムなどがあげられ、これらを単独でまたは任意に組み合わせて用いることができるが、低空気透過性、耐水蒸気性という点からブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物を用いるのが好ましく、さらに機械的強度という点からブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物を用いるのがとくに好ましい。またポリノルボルネンゴムも低空気透過性および耐水蒸気性という点から好ましい。
【0013】
ここで、本発明において用いる高飽和ゴムの不飽和度とは、繰返しユニット100個中、主鎖に二重結合を有するユニットの個数をいい、機械的強度がよいという点から0〜50個、または空気透過性が低くなるという点から好ましくは0〜70個であるのがよい。
【0014】
本発明におけるゴム組成物Aのゴム成分の配合割合は、低空気透過性およびジエン系ゴムとの接着性の両立という点からジエン系ゴム50〜70重量%、高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴム(以下、「高飽和ゴム」に代表させて説明する)50〜30重量%であるが、空気透過性を下げるという点からジエン系ゴム50〜65重量%、高飽和ゴム50〜35重量であるのが好ましく、さらに接着力も高いという点からジエン系ゴム55〜65重量%、高飽和ゴム45〜35重量%であるのがとくに好ましい。
【0015】
また、ゴム組成物Aは、加工性と低空気透過性の両立という点から関係式(1):(ゴム成分100重量部中のジエン系ゴム含有量(重量部))+4×(ゴム成分100重量部に対する可塑剤の配合量(重量部))≦76の関係を満たす可塑剤をゴム成分に配合してなるのが好ましい。
【0016】
可塑剤としては、ゴムの分野、とくにタイヤの分野に用いられているものであればよく、たとえばミネラルオイル、アロマオイルなどがあげられ、これらを単独でまたは任意に組み合わせて用いることができるが、接着性という点からミネラルオイルを用いるのが好ましい。
【0017】
また、ゴム組成物Aは、えられるケースコード被覆ゴム層のジエン系ゴムとの接着性をより向上させるために架橋剤であるヘキサメチレン−1,6−ビスチオ硫酸ジナトリウム塩2水和物(D−HTS)を配合してなるのが好ましい。
【0018】
このばあいの配合割合としては、ゴム成分100重量部に対して、接着性という点から0.5〜10重量部配合すればよいが、機械的強度という点から0.5〜5重量部配合するのが好ましい。
【0019】
さらに、ゴム組成物Aには、前記ゴム成分以外の成分としてカーボンブラック、シリカなどの充填剤、イオウなどの加硫剤、ステアリン酸、亜鉛華などの加硫助剤、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)、ジベンゾチアジルスルフィド(DM)などの加硫促進剤、アルキルフェノールジスルフィド、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジンなどの配合剤を、えられるケースコード被覆ゴム層の低空気透過性を損なわない量で適宜配合してもよい。
【0020】
とくに、カーボンブラックを配合するばあいは、ゴム成分100重量部に対して、ゴムの機械的強度を出し、低空気透過性という点から30〜100重量部配合すればよいが、接着性という点から30〜60重量部配合するのが好ましく、さらに、電気抵抗を下げるという点から40〜60重量部配合するのがとくに好ましい。
【0021】
本発明におけるゴム組成物Aは各成分を常法により混練りすることによりうることができる。
【0022】
通常のタイヤに設けられている従来からのインスレーション層は、ジエン系ゴムを主成分とし、ケースコード被覆ゴム層に耐久性を持たせる役割を果たすものである。これに対し、本発明におけるインスレーション層は、低空気透過性をうるために高飽和ゴムを配合した前記ゴム組成物Aからなるケースコード被覆ゴム層と、ジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材とのあいだの接着層としての役割も果たし、ジエン系ゴムおよび高飽和ゴムを含むことにより、前記ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムタイヤ部材との両方に対して良好な接着性を有する。
【0023】
本発明におけるインスレーション層用のゴム組成物Bを構成するジエン系ゴムおよび高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムの概念および種類については、前述したゴム組成物Aのばあいと同様である。
【0024】
本発明におけるゴム組成物Bのゴム成分の配合割合は、ケース被覆ゴム層との接着性の向上という点からジエン系ゴム65〜100重量%、高飽和ゴム35〜0重量%であるが、ケース被覆ゴム層との接着性のさらなる向上という点からジエン系ゴム65〜85重量%、高飽和ゴム35〜15重量%であるのが好ましい。
【0025】
また、ゴム組成物Bには、前記ゴム成分以外の成分として前述のゴム組成物Aについて掲げたものと同様の配合剤を、ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性を損なわない量で適宜配合してもよい。
【0026】
また、本発明のゴム組成物Bも各成分を常法により混練りすることによりうることができる。
【0027】
なお、本発明においていうジエン系ゴムを主成分とするタイヤ部材としては、たとえばサイドウォール部、トレッド部およびベルトなどがあげられる。
【0028】
また、前記ゴム成分Aにより被覆するコードとしては、従来からタイヤの分野で用いられているものであればよく、たとえばレーヨン、ナイロン、テトロン(ポリエステル)、ケブラーなどの有機系繊維、ガラス繊維、スチールワイヤーなどがあげられるが、ゴム組成物Aとの接着性、えられるタイヤの耐久性、軽量化という点から好ましくは有機系繊維を用いるのがよく、なかでもポリエステルを用いるのがとくに好ましい。
【0029】
ゴム組成物Aでコードを被覆してケースコード被覆ゴム層をうる方法としては従来からの方法でよいが、たとえばゴム組成物Aからえた2枚のゴムシートのあいだにコードをはさみ、ロールにより押し出して被覆(ゴム引き)することによりえられる。また、ゴム組成物Bからなるインスレーション層をケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材とのあいだに設けるには、従来からの方法でよいが、ゴム組成物Bからなるゴムシートをタイヤ成形時にトップ反に貼り合わせるという方法で行なうのが好ましい。他は従来のタイヤ製造における方法および条件により本発明のインナーライナーのないチューブレスタイヤをうることができる。
【0030】
本発明の第1の実施の形態によれば、前記構成とすることにより、ケースコード被覆ゴム層そのものに低空気透過性を付与し、かつジエン系ゴムを主成分とするトレッドゴムやサイドウォールゴムなどの他のタイヤ部材およびケースコードとの接着性を充分なものにすることができる。これにより、軽量で耐久性のあるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤをうることができる。
【0031】
通常、ケースコード被覆ゴム層は、前述のように、ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物からなる2枚のゴムシートにコードをはさみ、ロールにより押し出してゴム引きして作製する。したがって図1の概略断面図に示すように、ケースコード被覆ゴム層1は、ケースコード被覆内側ゴム層2およびケースコード被覆外側ゴム層3の2つのゴム層とケースコード4とからなるともいえる。
【0032】
そこで、本発明の第2の実施の形態は、ケースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成物C(以下、単に「ゴム組成物C」ともいう)のゴム成分が35〜70重量%のジエン系ゴムと65〜30重量%の高飽和ゴムとからなり、かつケースコード被覆外側ゴム層用ゴム組成物Bのゴム成分が65〜100重量%のジエン系ゴムと35〜0重量%の高飽和ゴムとからなり、ゴム組成物Cがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムを含んでなるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤにも関する。
【0033】
つまり、本発明の第2の実施の形態においては図1に示す2層からなるケースコード被覆ゴム層において、ケースコード被覆内側ゴム層に低空気透過性を付与し、ケースコード被覆外側ゴム層に前記内側ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との両方に対する充分な接着性を付与する。これにより、耐久性があり軽量化したインナーライナーのないチューブレスタイヤをうることができる。
【0034】
なお、このケースコード被覆ゴム層を用いてタイヤを作製するばあい、ジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性の点から、図2の概略断面図に示すように、ケースコード被覆内側ゴム層2がビード6から巻き上がった部分のタイヤ外側部分に、ケースコード被覆外側ゴム層3を構成するものと同じゴム組成物Bからなる層(ビード部外側ゴム層)を設けるのが好ましい。
【0035】
本発明の第2の実施の形態によれば、さらにインスレーション層を有しない構造をとることができ、ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性が充分で、より軽量化されたインナーライナーのないチューブレスタイヤをうることができる。
【0036】
本発明におけるゴム組成物Cを構成するジエン系ゴムおよび高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムの概念および種類については、前述したゴム組成物AおよびBのばあいと同様である。
【0037】
ゴム組成物Cのゴム成分の配合割合は、低空気透過性とジエン系ゴムとの接着性の両立という点からジエン系ゴム35〜70重量%、高飽和ゴム65〜30重量%であるが、低空気透過性を重視するという点からジエン系ゴム35〜65重量%、高飽和ゴム65〜35重量%であるのが好ましく、さらに、接着性を重視するという点からジエン系ゴム50〜70重量%、高飽和ゴム50〜30重量%であるのがとくに好ましい。
【0038】
また、ゴム組成物Cは前記ゴム組成物Aと同様に、前述の関係式(1)を満たす可塑剤および/または架橋剤であるヘキサメチレン−1,6−ビスチオ硫酸ジナトリウム塩2水和物を配合してなるのが好ましい。さらに前述のゴム成分以外の配合剤を、えられるケースコード被覆内側ゴム層の低空気透過性を損なわない量で適宜配合してもよい。カーボンブラックを配合するばあいについてもゴム組成物Aのばあいと同様である。また、ゴム組成物Cも、各成分を常法で混練りすることによりうることができる。
【0039】
本発明におけるケースコード被覆外側ゴム層は、前述のゴム組成物Bからなる。
【0040】
ゴム組成物CおよびBを用いてコードを被覆してケースコード被覆ゴム層をうる方法としては、それぞれのゴム組成物からえたゴムシートのあいだにコードをはさみ、ロールで押し出してゴム引きすればよいが、その後、図2に示すようにビード部を巻くケースコード被覆ゴム層のタイヤ外側部分にビード部外側ゴム層を設けるばあいは、サイドウォールゴムの内側にアッセンブルしたものを用意し、従来からの方法でサイドウォールをはりつけることにより設けるのが好ましい。他は従来のタイヤ製造における方法および条件により本発明のインナーライナーのない、さらにはインスレーション層のないチューブレスタイヤをうることができる。
【0041】
本発明の第2の実施の形態によれば、前記構成とすることにより、ケースコード被覆内側ゴム層に低空気透過性を付与し、ケースコード被覆外側ゴム層の前記内側ゴム層およびジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材に対する接着性を充分なものにし、さらに前記内側ゴム層および外側ゴム層とケースコードとの接着性を充分なものにすることができる。これによりインスレーション層を省くこともでき、軽量で耐久性のあるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤをうることができる。
【0042】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0043】
製造例1〜7
ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物A(および/またはゴム組成物C)として表1に示す配合割合のゴム組成物A−1〜A−7を、まずバンバリーミキサーを用いてゴム成分、カーボンブラック、可塑剤を混練し、えられた混練物にロールを用いてイオウ、NS、亜鉛華、D−HTS、ステアリン酸を混練するという方法で製造した。
【0044】
なお、高飽和ゴムとしてはイソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物(エクソン社製のEXXPRO90−10)(不飽和度:0)、可塑剤としては出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルPS−32、カーボンブラックとしてはHAFクラスのN330として三菱化学(株)製のダイヤブラックHを用いた。
【0045】
[空気透過性の評価]
えられたゴム組成物A−1〜A−6を油圧プレスにて加硫圧9.8MPa(100kgf/cm2)、加硫温度170℃、加硫時間12分間の条件で加硫してえた加硫ゴム組成物A−1〜A−6の空気透過性を、ASTM D−1434−75Mの試験方法にしたがい、東洋精機(株)製のガス透過率測定装置M−C1を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0046】
[コードとゴム組成物Aとの接着性の評価]
5cm当たり約48本のポリエステル糸(1670DTE×2(直径0.66mm))をケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aとしてのゴム組成物A−1〜A−6でゴム引きし、テキスタイルコード入りゴムシート(ケースコード被覆ゴム層)A−1〜A−6をえた。えられたゴムシート2枚を内部のコードの向きが互いに直角になるようにして重ね、あいだにマイラーシートを挿入して150℃で30分間、9.8MPaの圧力で加硫接着した。えられた接着強度測定用サンプルについて、引張試験器を用いて、テストスピード50mm/minで剥離試験を行ない、接着(剥離)強度(kgf/25mm)を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003683372
【0048】
製造例7〜11
インスレーション層用(およびケースコード被覆外側ゴム層用)ゴム組成物Bとして表2に示す配合割合のゴム組成物B−1〜B−5を、製造例1と同様にして製造した。なお高飽和ゴムとしては製造例1と同じものを用いた。
【0049】
[インスレーション層用(ケースコード被覆外側ゴム層用)ゴム組成物Bとジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性の評価]
えらえたゴム組成物B−1〜B−5からロールを用いて厚さ2mmでシート状にし、そのシートから厚さ2mm、幅80mm、長さ150mmのゴムシートB−1〜B−5を作製した。また、天然ゴム40重量部ブタジエンゴム60重量部、カーボンブラック45重量部、イオウ1.5重量部および加硫促進剤(NS)1重量部からなるゴム組成物から同様にして同サイズのジエン系ゴムシートを作製した。
【0050】
ゴムシートB−1〜B−5とジエン系ゴムシートを加硫圧2MPa、加硫温度170℃および加硫時間12分間の条件で油圧プレスを用いて加硫接着して接着強度測定用サンプルをえ、前述と同じ条件および方法で接着強度(剥離強度)(kgf/25mm)を測定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0003683372
【0052】
[ゴム組成物A(ゴム組成物C)とゴム組成物Bとの接着性]
ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物A(またはゴム組成物C)としてのゴム組成物A−1〜A−6とインスレーション層用(ケースコード被覆外側ゴム層用)ゴム組成物Bとしてのゴム組成物B−1〜B−5との接着強度を前記と同様にして測定した。さらに、接着させたもの(ゴム組成物Cからなる内側ゴム層とゴム組成物Bからなる外側ゴム層からなるゴム層)の空気透過性も測定した。結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0003683372
【0054】
[ケースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成物Cおよびケースコード被覆外側ゴム層用ゴム組成物Bとケースコードとの接着性の評価]
ケースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成物Cとしてのゴム組成物A−1〜A−5とケースコード被覆外側ゴム層用組成物Bとしてのゴム組成物B−3とのあいだに前述のポリエステル糸をはさんでゴム引きしてテキスタイルコード入りゴムシートをえ、前記と同様にして接着強度を測定した。結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
Figure 0003683372
【0056】
実施例1
ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aとしてゴム組成物A−4、インスレーション層用ゴム組成物Bとしてゴム組成物B−4を用い、他は従来の方法で205/65R15のサイズを有する本発明によるインナーライナーのないチューブレスタイヤ(タイヤ1)を作製した。
【0057】
ケースコード被覆内側ゴム層用ゴム組成物Cとしてゴム組成物A−4を、ケースコード被覆外側ゴム層用ゴム組成物Bとしてゴム組成物B−4を用い、図2に示すようなケースコード被覆ゴム層をえ、サイドウォール内側にビード外側ゴム層をアッセンブルしたものをはりつけたほかは従来の方法でタイヤ1と同じサイズの本発明によるインナーライナーおよびインスレーション層のないチューブレスタイヤ(タイヤ2)を作製した。
【0058】
また、ジエン系ゴム(NR70重量部、SBR30重量部)のみをケースコード被覆ゴム層に用い、他は従来の方法でタイヤ1と同じサイズのインスレーション層がなくインナーライナーのあるチューブレスタイヤ(タイヤ3)を作製した。
【0059】
さらに、インナーライナーのないこと以外はタイヤ3のばあいと同様にしてタイヤ4を作製した。
【0060】
えられたタイヤ1〜4のタイヤ重量を測定し、転がり抵抗および空気透過(エアリーク)性を以下の要領で測定した。結果を表5に示す。
【0061】
[転がり抵抗]
ドラム試験機を用いて、80km/h、荷重400kgfの条件で測定し、タイヤ2のばあいを100として指数で示した。値が小さいほど転がり抵抗が小さい。
【0062】
[空気透過(エアリーク)性]
えられたタイヤをリムに組み、内圧を3kgf/cm2にして3カ月後の内圧の低下率を測定して、タイヤ2のばあいを100として指数で示した。値が大きいほど低下率が小さい。
【0063】
[耐久性]
えられたタイヤをリムに組み、走行速度80km/h、内圧190kPa、加重646kgという条件で室内でのドラム耐久テストを行なった。すべてのタイヤについて、20,000km走行後にも異常はなかった。
【0064】
【表5】
Figure 0003683372
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、ケースコード被覆ゴム層とジエン系ゴムを主成分とする他のタイヤ部材との接着性にすぐれ、より軽量なインナーライナーのないチューブレスタイヤをうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施の形態におけるケースコード被覆ゴム層の概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるケースコード被覆ゴム層の一実施態様を示す概略断面図である。
【図3】従来のチューブレス空気入りタイヤのケースコード被覆ゴム層付近の層構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ケースコード被覆ゴム層
2 ケースコード被覆内側ゴム層
3 ケースコード被覆外側ゴム層
4 ケースコード
5 ビード部外側ゴム層
6 ビード
7 インナーライナー
8 インスレーション層
9 サイドウォール層

Claims (3)

  1. ケースコード列を内部に有するケースコード被覆ゴム層とそのタイヤ外側に直接配設されてなるインスレーション層とをもつチューブレスタイヤであって、
    ケースコード被覆ゴム層用ゴム組成物Aのゴム成分が50〜70重量%のジエン系ゴムと50〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、かつ
    インスレーション層用ゴム組成物Bのゴム成分が65〜90重量%のジエン系ゴムと35〜10重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとからなり、
    前記ゴム組成物Aがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含んでなるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤ。
  2. ケースコード列を内部に有するケースコード被覆ゴム層をもつチューブレスタイヤにおいて、
    ケースコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ内側部分が60〜70重量%のジエン系ゴムと40〜30重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとをゴム成分とするゴム組成物Cからなり、
    ケースコード被覆ゴム層のケースコード列からタイヤ外側部分が65〜90重量%のジエン系ゴムと35〜10重量%の高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムとをゴム成分とするゴム組成物Bからなり、
    前記ゴム組成物Cがゴム組成物Bよりも多い高飽和ゴムまたはポリノルボルネンゴムを含んでなるインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤ。
  3. ビード部を巻くケースコード被覆ゴム層のタイヤ外側部分に前記ゴム組成物Bからなる層を有する請求項2記載のインナーライナーのないチューブレス空気入りタイヤ。
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