JP3682862B2 - 移動無線通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動無線通信装置に関し、特に長距離広帯域移動無線通信に使用される中継局及び端局両用の移動無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヘリコプター等の航空機(以下、航空機等)によるTV中継のような映像撮影・伝送においては、撮影機等の端局(以下、端局)から地上局へ空中の移動可能な中継局(中継機などの航空機等、以下中継局)なしで直接伝送している場合が多く伝送距離が制限されていた。また、中継局なしで直接伝送する場合、距離の制限があることに加え、端局が低空を飛行する場合等は地形等の影響で電波が遮蔽され伝送できない場合や、電波の遮蔽を回避するため端局の行動範囲が限定される場合が発生した。
【0003】
そこで、現在は通信距離を延ばすため、もしくは、障害物を回避して中継するため、固定の中継局もしくは移動可能な中継局を使用する場合がある。
【0004】
また、端局、中継局のアンテナには、対向局への指向制御が不要な無指向性アンテナを用いる場合が多い。しかし、航空機等に搭載する場合(特に小型の航空機に搭載する場合)、放熱の問題、消費電力の制約などから、送信出力を増大するなどの方法により伝送距離を延ばすことに限界がある。このため、消費電力に対し伝送距離の長い指向性アンテナを用いる方法がとられる場合がある。指向性アンテナを使用することは、他の通信系との妨害・干渉の軽減に加え周波数資源の有効利用上も有効である。
【0005】
しかし、指向性アンテナを使用する場合、端局は地上局もしくは中継局の位置、中継局は端局並びに地上局の位置、地上局は端局もしくは中継局の位置を確認しアンテナの向きを制御する必要がある。
【0006】
また、指向性アンテナは、端局もしくは中継局が移動もしくは旋回等しながら通信する場合に、自機の機体等により電波が遮蔽される問題が発生する。
特に、航空機に指向性アンテナを搭載して通信する場合、航空機が大型・低速でアンテナを支柱等により大きく機外に突出させられるような場合を除き、指向性アンテナは航空機の形状・姿勢、対向局との相対方位等による電波の遮蔽(ブランキング)を回避するために2個以上搭載し送受信器と接続替えしながら使用する方法がとられる。
【0007】
また、従来の比較的長距離・高速通信でない場合は、増幅・送受共用部と送受信部が一体化された送受信器が使用されている。このため、高周波帯域を使用した高速データ通信においては、アンテナと送受信器間のケーブルによる高周波信号の減衰の問題が発生するか、もしくは、アンテナと送受信器間のケーブルによる高周波信号の減衰を避けるため送受信器とアンテナの設置位置が制限される問題が発生する。
【0008】
また、端局用と中継局用の移動無線通信装置のそれぞれの機能は各々専用化されていて、端局用のものを中継局用に使用できないため、状況に応じた柔軟な対応が困難である。
【0009】
図4に従来型の指向性アンテナ201、202を使用した端局用移動無線通信装置系統図の例を示す。通常、増幅・送受共用部204と送受信部208が、送受信器221として一体化されている。
【0010】
図4は、2個の指向性アンテナ201、202を使用し、自機の機体等による電波の遮蔽を防ぐため、自機と対向局(中継局または地上局)の位置関係により指向性アンテナ201、202を切替えて使用する装置の例を示している。増幅・送受共用部204と送受信部208を一体化した送受信器221と、指向性アンテナ201、202は、信号ケーブルで接続され、この間で信号は電波周波数(高周波)で伝送される。このように増幅・送受共用部204と送受信部208とを送受信器221として一体化する方式では、設置した航空機の搭載制限や搭載位置により、送受信器からアンテナの間の信号が高周波で伝送される信号ケーブルは、数m以上の長さが必要になることが多い。
また、指向性アンテナ201、202は2個装備されているが、増幅・送受共用部204、送受信部208、エンコーダ・デコーダ210は一系統しか無く、指向性アンテナ201、202のどちらか一つを一つの対向局に対してしか使用できない。
【0011】
図6は従来の端局用移動無線通信装置の増幅・送受共用部204を示す。
増幅・送受共用部204は、アンテナ送受共用部301、送信用電力増幅器302、送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、送信用周波数変換器305、受信用周波数変換器306、低雑音増幅器307、局部発振器308により構成される。通常端局は、中継局と通信するほか、中継局を介さないで直接地上局と通信をする場合もあるので、それぞれの対向局に合わせた2種の周波数に対応した送信用フィルタ303、受信用フィルタ304と送受信に使用する周波数に対応した局部発振器308を装備している。
【0012】
図5に従来型の中継局用移動無線通信装置の系統図(本例では対端局用に指向性アンテナ201、202を、対地上局用に無指向性アンテナ222を使用した場合)を示す。通常、増幅・送受共用部203、225と送受信部207、224が、送受信器224、223として一体化されている。
【0013】
図5の中継局用移動無線通信装置は、対端局用として2個の指向性アンテナ201、202を使用し、自機の機体等による電波の遮蔽を防ぐため、自機と端局の位置関係により指向性アンテナを切替えて使用する。対端局用の増幅・送受共用部203と送受信部207を一体化した送受信器224は指向性アンテナ201、202と、信号ケーブルで接続され、この間で信号は電波周波数(高周波)で伝送される。このように増幅・送受共用部203と送受信部207とを送受信器224として一体化する方式では、設置した航空機の搭載制限や搭載位置により、送受信器224と指向性アンテナ201、202の間で高周波信号が伝送される信号ケーブルは、数m以上の長さが必要になることが多い。また、指向性アンテナ201、202に対応する通信系統は1系統しかなく、一方の指向性アンテナが通信している間は、他の指向性アンテナは通信することができない。
【0014】
図7に中継局用移動無線通信装置の対端局用増幅・送受共用部203を示す。
増幅・送受共用部203は、アンテナ送受共用部301、送信用電力増幅器302、送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、送信用周波数変換器305、受信用周波数変換器306、低雑音増幅器307、局部発振器308により構成される。通常、端局と通信する場合しか想定していないので、1種の周波数の電波に対応した送信用フィルタ303と受信用フィルタ304、および送受信に使用する周波数に対応した局部発振器308しか具備していない。
【0015】
また、図5に示す中継局用移動無線通信装置は対地上局用アンテナとして、無指向性アンテナ222を使用している。この場合も、送受信部224と増幅・送受共用部225は、送受信器223として一体として使用するのが一般的である。
【0016】
図8に中継局用移動無線通信装置の対地上局用増幅・送受共用部225を示す。
増幅・送受共用部225は、アンテナ送受共用部301、送信用電力増幅器302、送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、送信用周波数変換器305、受信用周波数変換器306、低雑音増幅器307、局部発振器308により構成される。地上局と通信する場合しか想定していないので、1種類の周波数に対応した送信用フィルタ303と受信用フィルタ304、及び送受信に使用する周波数に対応した局部発振器308しか具備していない。
【0017】
上記のように、従来の端局用移動無線通信装置、中継局用移動無線通信装置ではその機能及び、それぞれのアンテナの対向局が専用化されてしまう。
【0018】
上記に示す端局と中継局の機能が専用化している従来の端局専用及び中継局専用の無線通信装置を用いて、複数の航空機等により長距離もしくは広域を偵察する場合、航空機に搭載した装置の種類により航空機の端局、中継局の役割が固定される。即ち、装置を交換しなければ、端局用、中継局用として使用できないため、状況に合わせて柔軟に対応することができない。
【0019】
また、指向性アンテナを用いて通信する場合、航空機等に搭載できるアンテナの大きさ、重量を考慮すると、高い周波数帯域を使用するほど指向性利得が大きくなり有利である。ただし、周波数帯域が高くなるほど大気、水蒸気等による吸収損失、ケーブル伝搬損失、消費電力に対する発射電波電力効率等が不利となるので、使用する周波数帯域は、通信系に適した範囲の高周波帯域が使用される。
【0020】
しかし、上記に示す従来の移動無線通信装置では、航空機内のアンテナと送受信部の設置位置の制限等により、アンテナと送受信器間の信号ケーブルの長さが長くなる場合がある。このため、ケーブルにおける高周波の電波周波数での信号の伝送は損失が大きく、特に高周波帯域で映像などの広帯域を長距離通信する場合には、ケーブルでの信号の減衰の影響が大きくなる。また、このケーブルでの信号の減衰を防ぐため、アンテナと送受信器を近接して設置しなければいけないといった設置上の制限が発生し、自由な設置レイアウトができない問題が発生する。
【0021】
また、通常、映像等の高速データを長距離伝送するためには、SHF等の高い周波数で指向性アンテナを用いて通信する必要があるが、自己の位置及び通信ステータス等のの低速データの場合には、通達しやすいため、必ずしも映像と同じ周波数・指向性アンテナで送受する必要はない場合があり、VHF等の低い周波数で無指向性アンテナを用いてできる場合がある。このような場合には、指向性アンテナ等を用いる回路系統は、映像等伝送系統のみでよく、送受でのアンテナ送受共用部等も不要となり単純化される。しかし、システム構築上は、低周波・無指向性的アンテナ使用システムを併用することになり、映像等伝送系とは別の装置(発振器、変調・復調部、増幅部等、アンテナ等)が必要となること、低周波では長距離伝搬しやすいことに加え無指向性的なアンテナを介して同一周波数を使用している広域の多くのシステム等からの雑音が多いことが予想されること、ひいては周波数の逼迫などの理由から利用できない場合も多いことなどの問題が発生する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、災害時等の事前情報が無くかつ流動的な状況に柔軟に対応し、迅速な広域捜査・監視活動をするため、複数の航空機等に端局及び中継局両方の機能をもたせ、状況に合わせ柔軟にその機能を変更しながら通信することができる移動無線通信装置を提供することである。
【0023】
また、本発明の別の目的は、指向性アンテナを使用して映像等の高速データを高周波・広帯域で長距離通信する場合に、アンテナ部と送受信部の間の信号ケーブルにおいて発生する高周波信号の伝送時の減衰を、無視できる範囲に減少させることができる移動無線通信装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0025】
本発明の移動無線通信は、装置航空機を含む移動機器に搭載され、端局101用及び中継局102用の両方の機能を有し、前記端局101、前記中継局102、及び地上局103を含む複数の対向局との通信に使用される切替え可能な複数の指向性アンテナ201、202を具備する。従来の技術では複数の指向性アンテナは、特定の対向局とのみと通信する点で本発明とは異なる。
【0026】
本発明の移動無線通信装置は、前記航空機を含む前記移動機器に搭載され、前記端局101用及び前記中継局102用の両方の機能を有し、前記端局101、前記中継局102、及び前記地上局103を含む前記複数の対向局との通信に使用される切替え可能な前記複数の指向性アンテナ201、202と、前記複数の指向性アンテナ201、202の送受信に使用される通信系統と、前記複数の指向性アンテナ201、202の指向を制御し、前記通信系統の切替え制御をするアンテナ制御装置209とを具備する。
【0027】
前記複数の指向性アンテナ201、202のうち第1の前記指向性アンテナ201が前記複数の対向局のうち第1の前記対向局101との通信に使用されるときは、前記複数の指向性アンテナ201、202のうち第2の前記指向性アンテナ202は前記複数の対向局のうち第2の前記対向局103との通信に使用されることができる。また、前記第1の指向性アンテナ201が、前記第2の対向局103との通信に使用されるときは、前記第2の指向性アンテナ202が前記第1の対向局101との通信に使用されることができる。
【0028】
前記移動無線通信装置の前記通信系統は、前記複数の指向性アンテナ201、202にそれぞれ対応して設置される複数の増幅・送受共用部203、204と、前記複数の対向局にそれぞれ対応して設置される複数の送受信部207、208と、スイッチ205、206とを具備する。
【0029】
前記スイッチ205、206は、前記第1の指向性アンテナ201が前記第1の対向局101と通信し前記第2の指向性アンテナ202が前記第2の対向局103と通信するときは、前記第1の指向性アンテナ201に対応する前記増幅・送受共用部203を、前記第1の対向局101に対応する前記送受信部207と接続し、前記第2の指向性アンテナ202に対応する前記増幅・送受共用部204を、前記第2の対向局103に対応する前記送受信部208と接続するように切替えられる。
【0030】
また、前記第1の指向性アンテナ201が前記第2の対向局103と通信し前記第2の指向性アンテナ202が前記第1の対向局101と通信するときは、前記第1の指向性アンテナ201に対応する前記増幅・送受共用部203を、前記第2の対向局103に対応する前記送受信部208と接続し、前記第2の指向性アンテナ202に対応する前記増幅・送受共用部204を、前記第1の対向局101に対応する前期送受信部207と接続するように切替えられる。
【0031】
前記移動無線通信装置の前記複数の増幅・送受共用部203、204のそれぞれは、前記複数の対向局との受信に使用される複数の電波周波数に対応して設けられる切替え可能な複数の受信用フィルタ304と、前記複数の対向局との送信に使用される複数の電波周波数に対応して設けられる切替え可能な複数の送信用フィルタ303と、前記複数の対向局との送受信に使用される複数の電波周波数に対応して設けられる切替え可能な複数の局部発振器308とを具備する。
【0032】
前記移動無線通信装置の前記アンテナ制御装置209は、前記移動無線通信装置が前記端局101として一つの前記対向局と通信する場合に使用される端局用制御プログラム216(端局用)と、前記移動無線通信装置が前記中継局102として前記複数の対向局との通信を中継する場合に使用される中継局用制御プログラム216(中継局用)とを使用する。
【0033】
前記移動無線通信装置の前記アンテナ制御装置209は、前記移動無線通信装置が前記端局101として通信するときに、前記第1の指向性アンテナ201が通信している前記対向局の位置等のデータと前記端局101である自機の位置等のデータとに基づいて、前記第1の指向性アンテナ201が前記対向局との通信に使用されるように前記第1の指向性アンテナ201を指向制御し、前記第1の指向性アンテナ201と前記対向局との通信が遮蔽される前に前記第2の指向性アンテナ202と前記対向局が通信するように前記第2の指向性アンテナ202を指向制御する。このとき前記アンテナ制御装置209は前記通信系統も切替制御する。
【0034】
前記移動無線通信装置の前記アンテナ制御装置209は、前記移動無線通信装置が前記中継局102として通信するときに、前記複数の指向性アンテナ201、202がそれぞれ通信している前記複数の対向局の位置等のデータと前記中継局102である自機の位置等のデータとに基づいて、前記第1の指向性アンテナ201が前記第1の対向局101との通信に使用されるように指向制御し、前記第2の指向性アンテナ202が前記第2の対向局103との通信に使用されるように指向制御し、前記複数の指向性アンテナ201、202と前記複数の対向局101、103との通信のうち少なくとも一つが遮蔽される前に、前記複数の指向性アンテナ201、202が通信可能な前記複数の対向局へ前記複数の指向性アンテナ201、202をそれぞれ指向制御する。このとき前記アンテナ制御装置209は前記通信系統も切替制御する。
【0035】
前記自機の位置等のデータは、前記自機の位置、方位、姿勢、速度のデータの少なくとも一つのデータであり、前記対向局の位置等のデータは、前記対向局の位置、方位、姿勢、速度のデータの少なくとも一つのデータである。
【0036】
前記移動無線通信装置の前記複数の増幅・送受共用部203、204は、それぞれ前記複数の指向性アンテナ201、202の近傍に設置され、前記送受信部207、208は、前記増幅・送受共用部203、204と分離して設置され、前記増幅・送受共用部203、204と前記送受信部207、208との間は中間周波数帯で伝送される。
【0037】
本発明の通信システムは、前記移動無線通信装置がそれぞれ搭載されている複数の前記移動機器を備え、前記複数の移動機器のうち第1の前記移動機器が、前記複数の移動機器のうち第2の前記移動機器と通信し、かつ、前記第2の移動機器が、前記第1の移動機器からの通信を、前記複数の移動機器のうち第3の前記移動機器または前記地上局103に中継する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例における構成と各装置の役割を説明する。
【0039】
図1は、ヘリコプター等の複数の航空機(以下、航空機)を使用して、その一つを、撮影等を実施する端局とし、他を中継局とすることで、長距離広帯域通信をする場合の実施例を示す。
【0040】
捜索等を行う航空機101、102は、捜索活動等のため飛行を開始する時点では、端局・中継局の役割を固定されていない。各航空機101、102は、後述する端局・中継局両用の長距離広帯域用移動無線通信装置を搭載し、端局、中継局の両方としての機能を有している。
【0041】
状況に応じ航空機101が撮影等を実施する端局として動作する場合で、かつ航空機101が障害物の存在や遠距離通信により地上局103と直接通信できない場合は、他の航空機102が、端局となる航空機101と地上局103の両方と通信可能な場所に移動し適宜中継局となり通信を中継する。もしくは複数の航空機の中から中継可能な位置にいる機が選択され中継が行われる場合もある。航空機101、102の役割は相互に変更可能で、航空機102が端局となった場合は、航空機101が中継局となることもできる。
【0042】
なお、端局101の位置が、地上局103と直接通信することができる場合は、中継局102を使用しない場合もある。
【0043】
航空機は2機に限られず複数の場合もある。また、中継局が複数となる場合もある。航空機は有人機、無人機に限られず、機種は固定翼、旋回翼に限られない。航空機の代りに、車両、船舶を含む移動機器を使用する場合もある。また、地上局は最終的に通信を受信する目的地を意味し、固定されている場合もあるし、航空機、車両、船舶を含む移動機器で移動しながら通信する場合もある(例えば、移動可能な指令車等による指令部、指令艦、指令機などの場合。)。
【0044】
また、端局、中継局は、移動しながら通信をすることができるし、必要に応じ、地上停止(着陸)、空中停止、旋回しながら通信することもできる。
【0045】
また、通信する内容は、撮影した映像を含むデータに限られず、音声、プログラムを含むの情報データの場合もある。また、端局―中継局―地上局の間は、双方向に映像等の高速データを通信する場合もある。
【0046】
また、通信を行うとき、各航空機101、102は、後述する方法で地上局103及び自機以外の機の位置等を確認しているので、最適な中継方法ができる各機の役割を、アンテナ制御装置209または別途用意される航空機管理システムで自動的に、もしくは通信制御装置212に入力することにより手動で、選択もしくは変更することができる。
【0047】
以下においては、航空機101を端局と、航空機102を中継局とした場合の実施例を記載する。
【0048】
本例では、長距離、高速通信で電力効率、伝送距離上有利な周波数分割受信方式を採用しているので、それぞれの通信に別の周波数の電波を使用する。図1の各周波数f1、f2、f3、f4は、それぞれ別の周波数の電波を示す。
【0049】
端局101から中継局102へ、映像等のデータが周波数f1で送信される。このデータには、自機(=端局)101の位置及び通信ステータス等の必要なデータが多重化により加えられ同時に送信される。
【0050】
中継局102から端局101へ、自機(=中継局)102の位置及び通信ステータス等の必要なデータに、必要に応じ地上局103から受信されたデータが加えられたデータが、周波数f2で送信される。双方向で映像等の通信をする場合(中継局102から端局101へ映像等の高速データを送信する場合)は、データが多重化され同時に送信される。
【0051】
中継局102から地上局103へ、端局101から受信した映像等のデータ、端局101の位置及び通信ステータス等を含むデータに加え、自機(=中継局)102の位置及び通信ステータス等を含む必要なデータが、多重化され周波数f3で送信される。端局101からのデータに中継局102のデータを加えて送信されるよう信号をフォーマット等することもできる。
【0052】
地上局103から中継局102へ、必要により地上局103の位置及び通信ステータス等を含むデータが、周波数f4で送信される。双方向で映像等の通信をする場合(地上局103から中継局へ映像の高速データを送信する場合)は、データは多重化され同時に送信される。
【0053】
使用する各周波数は、対向局に対応する周波数及び後述する長距離広帯域移動無線通信装置の増幅・送受共用部203、204に含まれる送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、局部発振器308の装備されている範囲で、アンテナ制御装置209により選択され、もしくは通信制御装置212又は入力装置220へ手動で選択することにより決定される。通信に使用する電波の周波数は事前に決めておくこともできるし、使用できる範囲から選択することもできる。
中継局を介さない場合は、端局101と地上局103が選択可能な2種の周波数の電波で送受信する。
【0054】
図2は端局・中継局両用の長距離広帯域移動無線通信装置200の構成を示す。長距離広帯域移動無線通信装置200は、複数の指向性アンテナ201、202、各指向性アンテナの近傍に設置される各増幅・送受共用部203、204、送受信部(変復調部)207、208、増幅・送受共用部203、204と送受信部207、208を接続する中間周波数用のケーブル213及び中間周波数用スイッチ205、206、エンコーダ・デコーダ210、211、通信制御装置212、アンテナ制御装置209、アンテナ制御装置209からの指向制御信号により指向性アンテナを駆動するアンテナ駆動部214、215、アンテナ制御装置209で使用される制御プログラム(端局用/中継局用)216で構成され、別途、撮影したデータ等を出力する撮影機器等の装置217、その他自機の位置等のデータを検出する装置218等から必要なデータが入力される。
【0055】
また、必要に応じ映像や各種データを写す外部ディスプレイ219が設置される場合もあるし、データの修正や所要データを入力する場合は入力装置220が設置される場合もある。なお、外部ディスプレイ219、入力装置220は、通信制御装置212と一体とすることもできるし、別途設置して接続することもできる。
【0056】
指向性アンテナ201、202は、搭載される機体の特性や制限、要求される伝送する映像等の安定性等に応じて複数が適宜配置される。
【0057】
特に、航空機に指向性アンテナ201、202を搭載して通信する場合、航空機が大型・低速でアンテナを支柱等により大きく機外に突出させられるような場合を除き、指向性アンテナ201、202は航空機の形状・姿勢、対向局との相対方位等による電波の遮蔽(ブランキング)を回避するために2個以上搭載し送受信器と接続替えしながら使用する方法が必要となる。この場合のアンテナの指向(ステアリング)制御要領、使用するアンテナへの切替タイミング制御要領等は、できるだけ通信の中断を避けるため、端局及び中継局では異なる(例えば、端局は2つのアンテナのうちのどちらかを中継局もしくは地上局方向に向けるよう制御すればよいが、中継局は空中をぐるぐる旋回・滞空しながら2つのアンテナの一方を端局に、もう一方を地上局に向けるように制御する必要がある。)。
【0058】
端局として機能する場合、中継局または地上局のどちらかに対し、自機位置・方位・姿勢、対向局の位置等に応じ電波的に見通し可能なアンテナの一つが選択され対向局(中継局または中継局を使用しない場合は地上局)に向くよう駆動される。指向すべき方向等の計算は、後述のアンテナ制御装置209と制御プログラム端局用216によりなされ、アンテナ駆動部214、215で駆動される。この場合、複数の指向性アンテナ201、202は全て一つの対向局(中継局もしくは地上局)の方向を向くように制御され、通信に使用している指向性アンテナ201(または202)と対向局との間が機体で遮蔽される場合は、遮蔽がおきる前に伝搬経路が遮蔽されていない別の指向性アンテナ202(または201)に切替るよう制御する。アンテナ制御に必要な自機のデータは、GPS、慣性センサ、高度計、姿勢制御装置等の自機の位置等のデータを検出する装置218から得られ、対向局の位置等のデータは対向局からの通信により得られる(地上局が固定局の場合は、位置データを入力することもできる)。
【0059】
中継局として機能する場合、通常、機体は中継対象局(端局及び地上局)の両方から電波が通じる空域で移動または旋回(回転翼の場合でも燃料効率をよくする等のため通常一定の速度で旋回する場合が多い。)もしくは停止しながら双方向の中継をする。このため自機の旋回、動揺等に応じ、また対向する端局の移動に応じ、指向性アンテナ201、202の一つは端局に、同時に別の一つは地上局に向けて指向制御され、この2つの対向局と同時に通信する。指向すべき方向等の計算はアンテナ制御装置209と制御プログラム(中継局用)216によりなされ、指向性アンテナ201、202の駆動はアンテナ駆動部214、215で行われる。アンテナ制御に必要な、自機の位置等のデータはGPS、慣性センサ、高度計、姿勢制御装置等の自機の位置等のデータを検出する装置218から得られ、対向局の位置等のデータは通信により得られる(地上局が固定局に場合は位置データを入力することもできる。)少なくともどちらか一方のアンテナの対向局との通信が自機の機体等で遮蔽される前に、両方の指向性アンテナが通信可能な対向局と通信するように指向制御され、同時に対端局及び対地上局に使用している両通信系統が切替制御される。
【0060】
本件の例のように中継局で使用する指向性アンテナが2個のみの場合、中継局の旋回による各指向性アンテナの対向局への接続替えの際、指向性アンテナをほぼ180゜回転させる必要があり、この間通信は断になるので、高品質の通信が必要な場合にはアンテナ個数等を増加させて接続替えさせることもできる。
【0061】
増幅・送受共用部203、204は各指向性アンテナ201、202の近傍にそれぞれ設置される。各々の増幅・送受共用部203、204の内部構造は同じで、それぞれ同じ機能を有し、図3で示すように、アンテナ送受共用部301、送信用電力増幅器302、送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、送信用周波数変換器305、受信用周波数変換器306、低雑音増幅器307、局部発振器308により構成される。
【0062】
アンテナ送受共用部301は、その系統の指向性アンテナを使用しているときは受信・送信に使用される。
【0063】
送信用電力増幅器302は、送信用の出力を通信に必要なレベルまで増幅する。
【0064】
送信用フィルタ303は各送信用周波数に応じたものを複数備え、対応するアンテナが送信に使用する周波数に応じ切替接続する。切替は指向性アンテナ201、202の切替に対応し、アンテナ制御部209により制御される。フィルタの種類は全体の送信周波数配置、要求する性能、価格許容度などに応じて、個別のバンドパスフィルタ(「BPF」と略記)とする場合もあれば、低域通過フィルタ(「LPF」と略記)あるいは高域通過フィルタ(「HPF」と略記)などとする場合もある。高周波応答性能、雑音性能等を満たしたディジタルフィルタとすることもできる。
【0065】
受信用フィルタ304は、各受信用周波数に応じたものを複数備え、対応するアンテナが受信に使用する周波数に応じ切替接続する。切替は指向性アンテナ201、202の切替に対応し、アンテナ制御部209により制御される。送信用フィルタ303と同様BPF、LPF、HPF、ディジタルフィルタとする場合がある。
【0066】
なお、中継局となる場合は端局と地上局の両方と同時に送受信し、かつアンテナの切替によりそれぞれのアンテナで使用する電波の周波数が切替えられるため、それぞれのアンテナに対応する送信用フィルタ303及び受信用フィルタ304は、それぞれの対向局との通信に使用する電波の周波数に対応するのに必要な数が装備される。また、端局になる場合があるため、端局として使用するのに対応した電波の周波数に対応したものが装備される。したがって、例えば図1の場合、端局、中継局両方の機能を持たせるためには、送信用にf1、f2、f3、受信用にf1、f2、f4、の周波数に対応することが必要となる。
なお、柔軟な対応を可能とするため、対応する周波数を増やして装備することができる。
【0067】
送信用周波数変換器305は、中間周波数で受信した信号を送信する電波周波数に変換する。
【0068】
受信用周波数変換器306は、受信電波周波数で受信した信号を中間周波数に変換する。
【0069】
低雑音増幅器307は、受信した電波の微弱な電波周波数の信号を受信用フィルタ304を通した後に増幅する。周波数帯を分担させること、全受信周波数帯域に対応させておくこともできる。
【0070】
局部発振器308は、使用周波数に応じ送信用周波数変換器305および受信用周波数変換器306に切替接続され、各送信及び受信用に応じた周波数の信号を発生する。切替接続は、指向性アンテナ201、202の切替に対応し、アンテナ制御部209により制御される。局部発振器308の対応周波数は、送受信に使用する周波数に対応した数が装備される。
【0071】
なお、使用する局部発振器308はシンセサイザとすることもできるし、長距離・高速通信のためには低雑音の周波数発生が必要なので、水晶発振子・逓倍回路等から構成することもできる。
【0072】
端局101として機能する場合、一つの指向性アンテナ201(もしくは202)を使用するので、使用する送受信周波数は、対向する一つの局に応じた送信用・受信用各1波、計2波を使用する。使用する周波数は予め定めておく場合も、後から可能な範囲で変更する場合もある。増幅・送受共用部203、204の内通信に使用される一つで使用される増幅・送受共用部内の系統は、例えば図1のような周波数配分の場合、送信系統はf1、受信系統はf2の周波数に対応した送信用フィルタ303、受信用フィルタ304及び局部発振器308に接続するよう制御される。
【0073】
中継局102の場合、端局と地上局に対し同時に2つの指向性アンテナ201、202を使用するので、使用する送受信周波数は、同時に各2波づつ計4波となる。アンテナ切替の際に、各増幅・送受共用部203、204内の周波数発生回路系統も4波分一挙に接続替えするよう制御される。図1のような周波数配分の場合、対端局用アンテナ側では、送信系はf2に、受信系はf1に対応するように接続され、対地上局用アンテナ側では受信系はf3に、送信系はf4に対応するように接続される。そして、機体の旋回等に応じて各アンテナの対向局が切替えられる。その際、各増福・送受共用部203、204のそれぞれの送信フィルタ303、受信フィルタ304及び局部発振器308の送信・受信周波数も一挙に、次の対向局との通信に使用される周波数に対応するよう切替えられる。
【0074】
また、中継局を増やす場合は、使用する電波の周波数が増加するので、増加する中継局の数、切替発生の状況、担当する可能性がある役割に合わせて、対応する周波数に応じた送信フィルタ303、受信フィルタ304及び局部発振器308を備える必要がある。
【0075】
送受信部(変復調部)207、208はエンコーダ210、211からのデータビットストリームを所要の変調型式、周波数帯の中間周波数に変調、増幅して、増幅・送受共用部203、204に向けて送出するとともに、増幅・送受共用部203、204から中間周波数で伝送された信号を復調してデコーダ210、211に送出する。
【0076】
映像等の高速データの双方向通信をしないで、一方が高速データ、一方が位置及び通信ステータス等の低速データの場合、対向局が端局の場合と、中継局または地上局の場合で伝送すべき信号内容が、高速データか低速データか異なり、それに対応して信号の帯域・周波数等が大きく異なる。このため送受信部の機能は送受信部(対端局用)207と送受信部(対地上局用または対中継局用用)208に区分される。送受信部(対端局用)207と送受信部(対中継局用)208は、同じ容器に収納される場合もあるし別々に収納される場合もある。自機が端局101の場合は、送受信部(対端局用)207は使用されない。
【0077】
端局として動作する時、エンコーダ・デコーダ211は、撮影したデータ等を出力する撮影機器等の装置217からの映像等のデータ信号をシリアル・パラレル変換、速度変換、多重化等し、送受信部208に送出するとともに、送受信部208からのビットストリームを同期、信号分離、内容解読等し、機体の表示装置(=ディスプレイ)219、アンテナ制御装置209、データバス(図示なし)、に送出する。
【0078】
なお、図2では撮影したデータ等を出力する撮影機器等の装置217からの映像等のデータは、通信制御装置212を経由して入力される例を示しているが、入力経路は特に限定されない。
【0079】
中継局として動作する時は、エンコーダ・デコーダ210は、端局から受信した送受信部207からのデータ信号を同期、信号分離、内容解読等し、一方のエンコーダ・デコーダ211に送出する。エンコーダ・デコーダ211は、受信したデータ信号に自機のデータ等を加え、シリアル・パラレル変換、速度変換、多重化等し、送受信部208へ送出する。また、エンコーダ・デコーダ211は、地上局または中継局から受信した送受信部208からのデータ信号を同期、信号分離、内容解読等し、一方のエンコーダ・デコーダ210に送出する。エンコーダ・デコーダ210は、受信したデータ信号に自機のデータ等を加え、シリアル・パラレル変換、速度変換、多重化等し、送受信部207へ送出する。
また、エンコーダ・デコーダ210、211は内容解読したデータを、機体の表示装置(=ディスプレイ)219、アンテナ制御装置209、データバス(図示なし)、に送出することができる。
【0080】
映像等の高速データの双方向通信をしないで、一方が高速データ、一方が位置及び通信ステータス等の低速データ場合、対向局が端局の場合と、中継機または地上局の場合で伝送すべき信号内容が、高速データか低速データか異なるので、機能的には、エンコーダ・デコーダ(対端局用)210とエンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)211に区分される。エンコーダ・デコーダ(対端局用)210とエンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)211は同じ容器に収納する場合もあるし、別々に収納する場合もある。端局の場合には、エンコーダ・デコーダ(対端局用)210は使用されない。
【0081】
自機の位置等のデータを検出する装置218は、GPS、慣性センサ、高度計、速度計、方位計、姿勢制御装置等の少なくとも一つを含む装置で、自機の位置、方位、姿勢、速度の少なくとも一つを検出する装置である。
自機の位置等のデータを検出する装置218からのデータは自機の位置等のデータとして、エンコーダ・デコーダ210、211へ送られるとともに、アンテナ制御部209へ送出される。
【0082】
中間周波数系統切替スイッチ205、206は増幅・送受共用部203、204と増幅・送受共用部203、204の間に設置され、それぞれの送受信の接続、切替えを行なう。この中間周波数系統切替スイッチ205、206は各対向局と通信している増幅・送受共用部203、204と各対向局に対応している送受信部207、208を接続するよう配置される。また、中間周波数系統切替スイッチ205、206は指向性アンテナ201、201の切替に対応し、アンテナ制御装置209で制御される。
【0083】
各増幅・送受共用部203、204と各送受信部207、208の間は、中間周波数系統切替スイッチ205、206と、中間周波数用ケーブル213により、図2に示すように、中間周波数系統切替スイッチ205、206により各送受信部207、208と各増幅・送受共用部203、204が、それぞれの送受信の2系統をそれぞれ切替られるように接続される。送受信部207、208と増幅・送受共用部203、204の間は各増幅・送受共用部203、204もしくは送受信部207、208で適当な中間周波数に変換された中間周波数信号で伝送される。
【0084】
各増幅・送受共用部203、204及び各送受信部207、208で各データ信号は伝送距離に応じ十分増幅されると共に、データ信号は中間周波数帯で伝送されるので、信号が高周波数帯(電波周波数)のまま伝送される場合のケーブルによる信号減衰に比べ、信号のケーブル損失が十分小さい。このため複数のアンテナが機体の左右等に離隔されたような場合でも、最終的な信号品質(信号対雑音等)には殆ど影響しない。したがって指向性アンテナ201、202と送受信部207、208を離して設置でき、自由な配置が可能となる。
【0085】
通信制御装置212は航空機のコックピット等操作に適した場所に設置され本通信システム全体の電源オン、OFF、各装置状況表示、端局・中継局のモード切替などを含む操作板を具備することができる。スイッチ、キーなどにより手動で所要の情報入力・制御がされる場合もある。また、撮影したデータ等を出力する撮影機器等の装置217からの入力を受けたり、データの修正や所要データを入力する場合は入力装置220からの入力を受けたりする。必要に応じ映像を写す外部ディスプレイ219が接続され、所要データや映像データ等が出力される。なお、入力装置220や外部ディスプレイ219は、通信制御装置212に含める場合もあるし、別個に接続できるようにする場合もある。その他必要なデータの入出力を中継する場合もある。
【0086】
アンテナ制御装置209は、自機の位置、方位・姿勢等のデータ(GPS、慣性センサ、高度計、姿勢制御装置等を含む自機の位置等のデータを検出する装置218から入力される。)及び対向局の位置等のデータ(各局が相互に送受信する。ただし、地上局の位置データは電波で送信してもらってもよいし、簡単のため入力装置220により予め手動で入力してもよい。)から指向性アンテナ201、202の指向方向を計算し、アンテナ駆動部214、215を駆動する指向制御及び切替制御信号を出力する。また、アンテナの切替に対応し、送信フィルタ303、受信フィルタ304、局部発振器308、中間周波数系統切替スイッチ205、206、送受信部207、208、エンコーダ・デコーダ210、211、電源(図示なし)などの一部もしくは全てを含む各系統・機能を切替える制御信号を出力することもできる。
さらに、アンテナ制御装置209は自機の各機器の通信ステータス等の情報を、他局へ送信するための情報を収集し送出することもできる。
【0087】
これらの制御信号は、端局の場合と中継局の場合で、切替タイミング、制御するアンテナの指向方向、制御する対象数等が異なるので、それぞれに応じた制御プログラム216をメモリ等に保有し、役割に応じて切替えられるようにする。
【0088】
なお、制御プログラム216の切替は、その機の役割切替に応じてモード切替と同時に自動的に切替えることもできるし、マニュアルで選択することもできる。
【0089】
また、制御プログラム216は、端局用、中継局用を別個のプログラムとして使用するものとすることもできるし、一つのプログラムの中に、2つの機能を含めて使用するものとすることもできる。
【0090】
なお、制御プログラム216については上記のように機上装置のメモリに蓄積しておく方法のほか、必要に応じて地上等から無線回線を通じてダウンロードする方法としてもよい。
また、制御プログラム216を格納するメモリ及び読み込み装置(図示なし)は、通信制御装置またはアンテナ制御装置と一体とする場合もあるし、分離して設置してもよい。
【0091】
アンテナ制御部209は、送受信部207、208及びエンコーダ・デコーダ210、211と一体化してもよいし、通常小型の航空機等のコックピット等は狭隘なため、両機能を分離できるようにしてもよい。
【0092】
次に、図1の例のように、航空機101が端局となり撮影を実施し、航空機102が中継局となり、地上局103と通信を中継する場合の動作例を示す。
【0093】
端局101は、撮影等をし映像等のデータと、自機(=端局)101のデータ(位置及び通信ステータス等のデータを含む、以下同じ)を、周波数f1で中継局102に送信している。また、端局101は中継局102から、周波数f2で、自機(=中継局)102のデータ(必要に応じ地上局103のデータ)を受信している。
【0094】
このとき、端局101では、映像等のデータ信号が撮影したデータ等を出力する撮影機器等の装置217から通信制御装置212に入力され、エンコーダ(対地上局用または対中継局用)211に伝送される。映像等のデータ信号はエンコーダ(対地上局用または対中継局用)211で変換され、送受信部(対地上局用または対中継局用)208に送られる。このとき、自機の位置等のデータを検出する装置218からのデータ信号もエンコーダ(対地上局用または対中継局用)211で変換、多重化され、映像等のデータと合わせて送受信部(対地上局用または対中継局用)208に送られる。自機の位置等のデータを検出する装置218からのデータ信号は、同時にアンテナ制御装置209にも送られる。また、各種データをディスプレイ219で確認する場合、各種データ信号は通信制御装置を経て、ディスプレイ219に送ることもできる。
【0095】
送受信部(対地上局用または対中継局用)208に送られたデータ信号は、所要の変調型式、周波数帯の中間周波数に変調、増幅される。送受信部(対地上局用または対中継局用)208から送出されたデータ信号は、中間周波数系統切替スイッチ206で、使用している指向性アンテナ(ここでは202とする)の増幅・送信共用部204に接続される。送受信部(対地上局用または対中継局用)208と増幅・送信共用部204の間は、信号が中間周波数で伝送されるので減衰を抑えることができ、ケーブルを長くすることができる。
【0096】
増幅・送信共用部204に送られたデータ信号は、増幅・送信共用部204内の送信用周波数変換器305で、中間周波数から送信用の電波周波数f1に変換される。また、送信用周波数変換器305はf1に対応した局部発振器308に接続される。変換されたデータ信号は、f1に対応した送信用フィルタ303を通り、送信用電力増幅器302により増幅され、送受共用部301を経て、指向性アンテナ202から高周波・広帯域の電波で中継局102へ送信される。
【0097】
同時に、端局の指向性アンテナ202は、中継局102から周波数f2で送信された電波を受信する。この電波に含まれるデータは、中継局102の位置及び通信ステータス等を含むデータ(必要に応じ地上局103のデータも含む)でアンテナ制御等に使用される。地上局または中継局から映像等のデータを送信する場合はこれらのデータを含むこともできる。受信された電波からのデータ信号は、増幅・送信共用部204内の送受共用部301経て、f2に対応する受信用フィルタ304を通り、低雑音増幅器307で増幅される。増幅された信号は、受信用周波数変換器306で、中間周波数に変換され送出される。また、受信用周波数変換器306はf2に対応した局部発振器に接続される。
【0098】
増幅・送受信共用部204から送出されたデータ信号は、中間周波数系統切替スイッチ205で送受信部(対地上局用または対中継局用)208へ接続さる。増幅・送信共用部204と送受信部(対地上局用または対中継局用)208の間は中間周波数で伝送されるので減衰を抑えることができ、ケーブルを長くすることができる。送受信部(対地上局用または対中継局用)208で所要の周波数に変調、増幅されたデータ信号は、デコーダ(対地上局用または対中継局用)211に送られる。デコーダ(対地上局用または対中継局用)211で、脱コード化されたデータ信号は、アンテナ制御装置に送られる。映像等のデータを含む場合は外部ディスプレイ219等に向けて送られる。
【0099】
端局においてアンテナ制御装置209では、中継局からの位置等のデータと、自機の位置等のデータを検出する装置218からのデータを用い、指向性アンテナ202の向きを計算し、アンテナ駆動部215に指向制御信号を出力する。また、中継局102と自機(=端局)101の位置等のデータと旋回等の飛行状況により、使用している指向性アンテナ202が自機(=端局)101の機体等により電波が遮蔽されるタイミングを計算し、電波が遮蔽される前に、他の使用できる指向性アンテナ201に切替える切替制御信号を出力する。通信系統の切替は、アンテナ制御装置209の切替制御信号により中間周波数系統切替スイッチ205、206により行われる。使用していなかった指向性アンテナ201は、切替える前から中継局と通信できる向きに制御しておくことでスムーズに切替えることができる。また、アンテナ切替前に次に使われる指向性アンテナ201に対応する増幅・送受信共用部203内の送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、局部発振器308を対応する周波数に切替えておくこともできる。
【0100】
端局として使用する場合は、送受信部(対端局用)207、エンコーダ・デコーダ(対端局用)210は使用しない。
また、端局として機能する場合は、制御プログラム(端局用)316が使用される。
【0101】
次に中継局として本発明の移動無線通信装置が使用される場合の動作を示す。
中継局102は、端局101から、映像データと端局のデータを周波数f1で受信し、端局103に、中継局102のデータ(必要に応じ地上局103のデータ)をf2で送信している。また、中継局102は、地上局103へ、端局101から受信したデータ(映像データと端局のデータ)に加え自機(=中継局)102のデータをf3で送信し、地上局103から、地上局103のデータを、f4で受信している。
【0102】
本例では、中継局における指向性アンテナ201が端局101に対向し、指向性アンテナ202が、地上局103へ向かって使用している場合を説明する。
【0103】
中継局の指向性アンテナ201において端局101から周波数f1で受信した電波はデータ信号として、増幅・送受共用部203内の送受共用部301、f1に対応した受信用フィルタ304、低雑音増幅器307、受信用周波数変換器306を経て送出される。受信用周波数変換器306はf1に対応した局部発振器308に接続される。送出されたデータ信号は中間周波数系統切替スイッチ205で、送受信部(対端局用)207に接続される。増幅・送受共用部203から送受信部(対端局用)207の間は、中間周波数で伝送されるため、距離が長くなっても減衰が抑えられる。送受信部(対端局用)207で復調されたデータ信号は、エンコーダ・デコーダ(対端局用)210を経てエンコーダ・デコーダ(対地上局用)211に送られる。このとき、端局101の位置及び通信ステータス等の必要なデータは、アンテナ制御部209へ送られる。エンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)211で、自機の位置等のデータを検出する装置218からの自機(=中継局)102のデータが、映像等のデータを含む端局101からのデータに加えられ、送受信部(対地上局用または対中継局用)208へ送られる。送受信部(対地上局用または対中継局用)208でデータ信号は中間周波数に変調され送出される。送受信部(対地上局用または対中継局用)208が、中間周波数系統切替スイッチ206により、地上局103に対応する指向性アンテナ201の増幅・送受共用部204に接続される。送受信部(対地上局用または対中継局用)208と増幅・送受共用部204の間は信号が中間周波数で伝送されるので、距離が長くなっても信号の減衰を抑えることができる。増幅・送受共用部204内では、送信用周波数変換器305、f3に対応した送信フィルタ303、送信用電力増幅器302、送受共用部301を経て、指向性アンテナ202から地上局103へ向け周波数f3で送信される。また、送信用周波数変換器305は、f3に対応した局部発振器308に接続される。
【0104】
また、中継局102は地上局103から指向性アンテナ202を使用して、周波数f4の電波を受信している。受信した電波から変換されたデータ信号は、増幅・送受共用部204内で、送受共用部301、f4に対応した受信用フィルタ304、低雑音増幅器307、受信用周波数変換器306を経て送出される。また、受信用周波数変換器306で、f4に対応する局部発振器308に接続される。増幅・送受共用部204から送出されたデータ信号は中間周波数系統切替スイッチ205を経て送受信部(対地上局用または対中継局用)208に伝送される。増幅・送受共用部204と送受信部(対地上局用または対中継局用)208の間は、信号が中間周波数で伝送されるので、距離が長くなっても減衰を抑えることができる。送受信部(対地上局用または対中継局用)208で復調されたデータ信号はエンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)211に送られる。エンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)211から地上局の位置等のデータ信号はアンテナ制御装置に送られる。また、エンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)211に送られたデータのうち、端局101へ送信する必要のあるデータは、自機の位置等のデータを検出する装置218からのデータと合わせて、エンコーダ・デコーダ(対端局用)210を経て、送受信部(対端局用)207へ送られる。送受信部(対端局用)207からのデータ信号は、中間周波数系統切替スイッチ206で、対端局用に使用されている指向性アンテナに対応する増幅・送受共用部203に接続される。送受信部(対端局用)207と増幅・送受共用部203の間は、電波が中間周波数で伝送されるので、距離が長くなっても減衰を抑えることができる。増幅・送受共用部203内では送信用周波数変換器305、f2に対応した送信フィルタ303、送信用電力増幅器302、送受共用部301を経て、指向性アンテナ202から端局101へ向け周波数f2で送信される。また、送信用周波数変換器305は、f2に対応した局部発振器308に接続される。
【0105】
なお、端局101、中継局102それぞれで、自機もしくは他機のデータ、受信した映像データ等を確認したい場合は、エンコーダ・デコーダ210、211から、通信制御装置212にデータを送り、ディスプレイ等219で確認することができるようにすることもできる。
【0106】
また、地上局103から映像等のデータもしくは中継局102からの映像等のデータを端局101に送信することもできる。
【0107】
中継局102においてアンテナ制御装置209は、端局101の位置、自機(=中継局)102の位置、地上局103の位置、および端局101、自機(=中継局)102、地上局103の旋回等の動き及び移動状況から、制御プログラム(対中継局用)216により、複数の指向性アンテナ201、202の向きを制御する。
【0108】
また、アンテナ制御装置209は端局101または地上局103のどちらかとの通信が、自機(=中継局)102の旋回等の動きまたは端局101の移動により、自機(=中継局)102の機体等により電波が遮蔽される前に、指向性アンテナ201、202の対向局を同時に切替える。切替時期はアンテナ制御装置209により計算され、アンテナ制御装置209からの制御信号により通信系統が中間周波数系統切替スイッチ205、206で切替えられ、同時に、それぞれの指向性アンテナ201、202に対応する増幅・送受共用部203、204内の、送信用フィルタ303、受信用フィルタ304、局部発振器308の周波数が、新たに対向する局と通信に使用される電波の周波数に対応するように切替えられる。切替と同時に指向性アンテナ201、202は、アンテナ制御装置209からの制御信号でアンテナ駆動部214、215により新たな対向局へ向くよう駆動される。また、エンコーダ・デコーダ210、211、送受信部203、204、電源等の各系統で切替、調整が発生する場合は同時に制御される。
【0109】
中継局102でのアンテナ等の制御は、端局101でのアンテナ等の制御と異なるため、中継局102では端局のときとは別の制御プログラム(中継局用)216が使用される。制御プログラム(中端局用・継局用)316の切替は、通信制御装置212の手動によるモード切替によりすることもできるし、アンテナ制御装置により自動的に切替えることとすることもできる。また、同一プログラムの中に、2つのモードを含め、自動的にもしくは手動で、切替えられるようにすることもできる。
【0110】
なお、本例のように指向性アンテナ201、202が2個のみの中継局102では、指向性アンテナ201、202を切替えるとき、対向局の位置にもよるが、ほぼ180°回転させる必要があるので、この間通信が断となる。高品質の通信が必要な場合は、アンテナ個数を増加させて、通信の切断が発生しないように制御することもできる。
この場合は、複数(3個以上)の指向性アンテナにおいて、通信している指向性アンテナは通信が維持できるようにそれぞれ指向制御され、通信していない指向性アンテナは次に通信する対向局に向け指向制御される。この場合、通信している2個または複数の指向性アンテナを同時に切替える必要はない。
【0111】
また、上記の無線通信装置は、高速デーを含むデータの相互伝送が必要なn:nの移動体間のネットワーク的な通信形態の骨幹部分にも適用できる。
【0112】
【発明の効果】
災害時等の事前情報が無くかつ流動的な状況に柔軟に対応し、迅速な広域捜査・監視活動ができるよう、複数の航空機等に端局及び中継局両方の機能をもたせ、状況に合わせ、柔軟にその機能を変更しながら通信するシステムが可能となる。
【0113】
複数の航空機等に、端局、中継局両方の機能がある共通の装置を搭載し、制御プログラムを切替えることにより、その機能を状況により柔軟に変更しながら、長距離、広範囲を長距離通信することができる。
【0114】
複数の指向性アンテナ及び送受信共用部が、それぞれ対端局、対地上局の両方に対応できる機能を持ち、端局と地上局を中継する中継局が、移動、旋回等しても、自機による遮蔽等を受けないように、複数の指向性アンテナを切替ながら中継ができる。
【0115】
高周波を使用した通信において、映像等の広帯域、高速データを、指向性アンテナにより長距離通信をする場合に、指向性アンテナの近傍に増幅・受信共用部を配置し、ケーブルでの伝送に中間周波数を使用することで、ケーブルでの減衰を無視できる範囲まで減じることができることにより、高周波を使用した長距離通信が可能となる。
【0116】
映像等の広帯域、高速データを、高周波を使用した指向性アンテナにより長距離通信をする場合に、指向性アンテナの近傍に増幅・受信共用部を配置しケーブルでの信号の伝送に中間周波数を使用することでケーブルでの減衰を無視することができる範囲まで減じることができることにより、指向性アンテナと送受信部を離して配置できる。
【0117】
中継局が、対端局、対地上局に指向性アンテナを使用することにより、双方向の映像等の広帯域、高速データ通信が可能となる。
【0118】
機上用装置は、現状では端局用装置及び周波数並びに中継局用装置及び周波数のように、専用装置として構築されているが、本発明のような方法により、簡単な操作(モード設定のためのスイッチ操作等)で、端局として動作できると共に随時中継局としても動作できるようになる。
これにより、災害時等の事前不明かつ流動的な状況に柔軟に対応し、迅速な広域捜索・監視活動が可能なシステムの実現を可能とする(即ち、現用の一部中継システムのように空対地の通信をする機(即ち中継局)と、途中に中継局を介さないと地上と通信ができない機(即ち端局)が固定化されず、航空機の運用融通性を増加する。)。
【0119】
さらに、周波数を多数保有し、それに対応したフィルタ、LO等の系統を準備すれば、中継区間を増加することができる等、システム構築の自由度・拡張性が大きく、さらに運用融通性を向上できる。
【0120】
また、器材に同じ機能を保有させるので、相互の器材の不調等に対しても柔軟に対応できる。
【0121】
増幅・送受共用部をアンテナの近傍に設置する方法を採用することにより、機体の大きさ(アンテナ〜送受信機の距離)・形状にとらわれず、アンテナ設置自由度も増大するので、各種のプラットーフォームにて、長距離高速双方向中継通信システム構築が可能になる。
【0122】
端局、中継局用装置の主にハードウェアは極力共通化し、アンテナ指向制御、回路切替制御のためのプログラム(ソフトウェア)を切り替える方法により、端局・中継局用で専用装置を製造する場合に比べシステム構築費低減の面で量産効果を得やすい。
【0123】
また、高周波回路も、フィルタ等のディジタル処理技術の進歩による処理のソフトウェア化・高集積化、シンセサイザの高品質化等によっては、格段の小型化・低価格化が可能となる。
【0124】
高周波フィルタを高精度のBPFとすることなどにより、撮影機〜中継機〜地上局の間で、妨害・干渉等の低減が容易となり、また、妨害等の状況に応じアップリンク及びダウンリンク用の周波数の専用化を回避し随時の周波数変更が容易になり、限られた周波数で融通性をもって効率的に運用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中継局を使用した通信形態の実施例を示す図である。
【図2】端局用、中継局用両用の移動無線通信装置の構成を示す図である。
【図3】端局用、中継局用両用の移動無線通信装置の増幅・送受共用部の構成を示す図である。
【図4】端局用移動無線通信装置の構成を示す図である。
【図5】中継局用移動無線通信装置の構成を示す図である。
【図6】端局用移動無線通信装置の増幅・送受共用部の構成を示す図である。
【図7】中継局用移動無線通信装置の対端局用増幅・送受共用部の構成を示す図である。
【図8】中継局用移動無線通信装置の対地上局用増幅・送受共用部の構成を示す図である。
【符号の説明】
101 端局
102 中継局
103 地上局
200 長距離広帯域用移動無線通信装置
201、202 指向性アンテナ
203、204 増幅・送受共用部
205、206 中間周波数用スイッチ
(205‘、206’ スイッチ(高周波信号で使用される))
207 送受信部(対端局用)
208 送受信部(対地上局用または対中継局用)
209 アンテナ制御装置
210 エンコーダ・デコーダ(対端局用)
211 エンコーダ・デコーダ(対地上局用または対中継局用)212 通信制御装置
213 中間周波数用のケーブル
214、215 アンテナ駆動部
216 制御プログラム(端局用/中継局用)
217 撮影したデータ等を入力する撮影機器等の装置
218 自機の位置等のデータを検出する装置
219 外部ディスプレイ(219)
220 入力装置
221 送受信器(端局の対端局用)
222 無指向性アンテナ
223 送受信器(中継局の対地上局用)
224 増幅・送受信共用部(中継局の対地上局用)
225 増幅・送受信共用部(中継局の対端局用)
301 アンテナ送受共用部
302 送信用電力増幅器
303 送信用フィルタ
304 受信用フィルタ
305 送信用周波数変換器
306 受信用周波数変換器
307 低雑音増幅器
308 局部発振器
f1、f2、f3、f4 周波数

Claims (7)

  1. 航空機を含む移動機器に搭載される端局用及び中継局用の両方の機能を有する移動無線通信装置であって、
    前記端局、前記中継局、及び地上局を含む複数の対向局との通信に使用される切替え可能な複数の指向性アンテナと、
    前記複数の指向性アンテナの送受信に使用される通信系統と、
    前記複数の指向性アンテナの指向を制御し、前記通信系統の切替え制御をするアンテナ制御装置と、
    を具備し、
    前記複数の指向性アンテナのうちの第1の指向性アンテナが前記複数の対向局のうち第1の対向局との通信に使用されるときは、前記複数の指向性アンテナのうち第2の指向性アンテナが前記複数の対向局のうち第2の対向局との通信に使用され、
    前記第1の指向性アンテナが、前期第2の対向局との通信に使用されるときは、前期第2の指向性アンテナが前記第1の対向局との通信に使用され、
    中継局として動作する場合、機体の移動又は旋回に応じて、前記第1及び第2の指向性アンテナは前記第1及び第2の対向局との通信に同時に使用され、前記アンテナ制御装置により、前記複数の指向性アンテナのうち少なくとも一つの指向方向が機体の陰になる前に、前記複数の指向性アンテナの各々が前記複数の対向局のうち通信可能な対向局の一つと通信するようにそれぞれ指向制御され、
    端局として動作する場合、機体の移動又は旋回に応じて、前記アンテナ制御装置により、前記複数の指向性アンテナのうち前記複数の対向局のいずれかとの見通しが最適なアンテナの一つが選択されて通信に使用され、前記選択された指向性アンテナ以外の指向性アンテナは前記選択された指向性アンテナの指向方向が機体の陰になる際に直ちに切替使用可能となるように前記通信中の対向局の方向に指向制御される、
    移動無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の移動無線通信装置において、
    前記通信系統は、
    前記複数の指向性アンテナにそれぞれ対応して設置される複数の増幅・送受共用部と、
    前記複数の対向局にそれぞれ対応して設置される複数の送受信部と、
    スイッチと、
    を具備し、
    前記スイッチは、
    前記第1の指向性アンテナが前記第1の対向局と通信し前記第2の指向性アンテナが前記第2の対向局と通信するときは、前記第1の指向性アンテナに対応する前記増幅・送受共用部を、前記第1の対向局に対応する前記送受信部と接続し、前記第2の指向性アンテナに対応する前記増幅・送受共用部を、前記第2の対向局に対応する前記送受信部と接続するように前記通信系統を切替え、
    前記第1の指向性アンテナが前記第2の対向局と通信し前記第2の指向性アンテナが前記第1の対向局と通信するときは、前記第1の指向性アンテナに対応する前記増幅・送受共用部を、前記第2の対向局に対応する前記送受信部と接続し、前記第2の指向性アンテナに対応する前記増幅・送受共用部を、前記第1の対向局に対応する前記送受信部と接続するように前記通信系統を切替える、
    移動無線通信装置。
  3. 請求項2記載の移動無線通信装置において、
    前記複数の増幅・送受共用部のそれぞれは、
    前記複数の対向局との受信に使用される複数の電波周波数に対応して設けられる切替え可能な複数の受信用フィルタと、
    前記複数の対向局との送信に使用される複数の電波周波数に対応して設けられる切替え可能な複数の送信用フィルタと、
    前記複数の対向局との送受信に使用される複数の電波周波数に対応して設けられる切替え可能な複数の局部発振器と、
    を具備する、
    移動無線通信装置。
  4. 請求項1から3に記載のいずれかの移動無線通信装置において、
    前記アンテナ制御装置は、
    前記移動無線通信装置が前記端局として通信するときに、
    前記第1の指向性アンテナが通信している前記対向局のデータと前記端局である自機のデータとに基づいて、前記第1の指向性アンテナが前記対向局との通信に使用されるように前記第1の指向性アンテナを指向制御し、前記第1の指向性アンテナと前記対向局との通信が遮蔽される前に前記第2の指向性アンテナと前記対向局が通信するように前記第2の指向性アンテナを指向制御し、
    前記移動無線通信装置が前記中継局として通信するときに、
    前記複数の指向性アンテナがそれぞれ通信している前記複数の対向局のデータと前記中継局である自機のデータとに基づいて、前記第1の指向性アンテナが前記第1の対向局との通信に使用されるように指向制御し、前記第2の指向性アンテナが前記第2の対向局との通信に使用されるように指向制御し、前記複数の指向性アンテナと前記複数の対向局との通信のうち少なくとも一つが遮蔽される前に、前記複数の指向性アンテナが通信可能な前記複数の対向局へ前記複数の指向性アンテナをそれぞれ指向制御する、
    移動無線通信装置。
  5. 請求項4に記載の移動無線通信装置において、
    前記自機のデータは、前記自機の位置、方位、姿勢、速度のデータの少なくとも一つのデータであり、
    前記対向局のデータは、前記対向局の位置、方位、姿勢、速度のデータの少なくとも一つのデータである、
    移動無線通信装置。
  6. 請求項2に記載の移動無線通信装置において、
    前記複数の増幅・送受共用部は、それぞれ前記複数の指向性アンテナの近傍に設置され、
    前記送受信部は、前記増幅・送受共用部と分離して設置され、
    前記増幅・送受共用部と前記送受信部との間は中間周波数帯で伝送される、
    移動無線通信装置。
  7. 請求項1から6に記載のいずれかの移動無線通信装置がそれぞれ搭載されている複数の前記移動機器を備え、
    前記複数の移動機器のうち第1の前記移動機器が、前記複数の移動機器のうち第2の前記移動機器と通信し、かつ、前記第2の移動機器が、前記第1の移動機器からの通信を、前記複数の移動機器のうち第3の前記移動機器または前記地上局に中継する、
    通信システム。
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