JP3681572B2 - 偏光板とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期に渡る耐湿熱性と光学特性に優れた高偏光度偏光板、特に液晶ディスプレー(LCD)用に有用な高偏光度偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高偏光度偏光板は、ポリビニルアルコール系(以下、PVAという)フィルムにヨウ素又は2色性染料を吸着配向させた偏光膜に、保護膜であるトリアセチルアセテートフィルム(以下、TACという)を、接着剤であるPVA樹脂の水溶液が未乾燥又は半乾燥の流動性がある状態で積層したものが一般的であった。このような簡単な積層方法が可能であるのは、TACの吸水率が3〜6%と大きく、積層直後に存在する水分が偏光膜(吸水率は一般に3〜7%である)とTACとに吸収され、そして、やがてその表面から蒸散されるからである。このようにTACは吸水率が高いがための利点もある反面、透湿度も400〜600g/m2・dayと大きいため、TACを保護膜とする偏光板は高温多湿の環境下での偏光性能の低下が激しかった。
【0003】
このため透湿度が小さい樹脂からなるフィルムを保護膜とする偏光板が提案されている。例えば、特開平5−212828号公報では、PVAシートの少なくとも一面に、アクリル系粘着剤を介して低透湿度の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートが積層され、加熱圧着されてなることを特徴とする複合シートが開示されている。また、特開平10−130402号公報では低透湿度の高分子フィルム、好ましくは芳香環含有モノマー単位の結合量が20重量%以上である熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる高分子フィルムが開示されている。
【0004】
しかしながら、前記各号公報の保護膜は吸水性やある種の溶剤に対する耐性に欠けるためか、PVA偏光膜と保護膜とを貼着するのに、TACの場合に比し煩雑で生産性に劣る方法によっている。即ち、特開平5−212828号公報では、(1)水系エマルジョン型のアクリル系粘着剤を用いて貼着する方法(2)PVAシートに溶剤型のアクリル系粘着剤を塗布し、溶剤を揮発させた後、熱可塑性飽和ノルボルネン型シートと貼着する方法(3)酢酸エチル、メチルエチルケトン等のエステル系、ケトン系、アルコール系等の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の貧溶媒であって、アクリル系粘着剤が可溶な溶剤を用いたアクリル系粘着剤を用いる方法(4)溶剤型アクリル系粘着剤を離型膜(セパレーター)などに塗布し、溶剤を揮発させた後、熱可塑性飽和ノルボルネン型樹脂シートに転写し、PVAシートと貼着する方法などが採用されている。そしてアクリル系粘着剤の塗布厚みは、10〜50μmであり、前記(1)〜(4)のいずれの方法においても、塗布後、溶剤や水を加熱(例えば溶剤の場合には、塗布後、60〜110℃で1〜5分)によって揮発させ、次いで、PVAシートと熱可塑性飽和ノルボルネン型樹脂シートとを貼り合わせ、50〜120℃の温度範囲で加熱し、1〜5分保ち、次いで1〜10kg/cm2で加圧することにより接着している。
【0005】
また、特開平10−130402号公報では、離型膜の表面に、アクリル系粘着剤をバーコーターを用いて、厚さ20μmに塗布し、80℃で2分間乾燥し、高分子フィルムに転写し、PVA偏光膜の両面に、アクリル系粘着剤層を介して前記高分子フィルムを貼付け、90℃で2時間保持し、5kg/cm2加圧して接着する方法が実施例で開示されている。
【0006】
このような煩雑な積層方法を回避するものとして例えば特開平8−5836号公報がある。これは、PVA偏光膜の両面あるいは片面に吸水率が大きい保護膜(例えばTAC)を、前記PVA偏光膜/TAC積層方法と同じ方法で貼り合わせ(接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等)、さらに保護膜の上に低透湿度の保護フィルムを貼り合わせる方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
液晶ディスプレー(LCD)は近年益々高画質化が図られ、また、用途展開も多岐に渡ってきている。例えば、車載用の場合には高温多湿の環境下での使用が想定されるので、これに使用される偏光板にも過酷なまでの耐湿熱性が要求される。
【0008】
しかしながら、前記した特開平5−212828号公報、特開平10−130402号公報のものは、偏光膜と保護膜との接着力は結構あるにもかかわらず、長期に渡る耐湿熱性が十分あるとは言い難いものである。
同様に、特開平8−5836号公報のものは、長期に渡る耐湿熱性が十分あるとは言い難く、さらに、保護膜と保護フィルムとを必要とするため、コスト的にも工程的にも汎用性があるとは言い難いものである。
【0009】
本発明の第1の課題は、複雑な構成を必要とせず、長期に渡って耐湿熱性に優れた高偏光度偏光板を提供することにある。
【0010】
第2の課題は、複雑な工程を必要とせずに、前記第1の課題を解決する具体的製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する手段として本発明は、PVA偏光膜の少なくとも1方の面に接着剤層を介して環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を積層してなる偏光板において、該接着剤がポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤の混合物である偏光板であることを特徴とする。
【0012】
また、前記2液タイプ接着剤がアクリル系主剤とイソシアネート系硬化剤を主成分とする接着剤であることを特徴とする。
【0013】
また、接着剤原液が完全には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを積層する工程を含む偏光板の製造方法であることを特徴とする。
【0014】
また、PVA偏光膜の少なくとも1方の面に接着剤層を介して環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を積層してなる偏光板において、該接着剤層がポリビニルアルコール系接着剤層と2液タイプ接着剤層の積層構成からなる層である偏光板であることを特徴とする。
【0015】
また、前記2液タイプ接着剤がアクリル系主剤とイソシアネート系硬化剤を主成分とする接着剤であるであることを特徴とする。
【0016】
さらに、ポリビニルアルコール系接着剤原液又は2液タイプ接着剤原液が完全には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを積層する工程を含む偏光板の製造方法であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の偏光膜は、ポリビニルアルコール又はその誘導体からなるフィルムを1軸延伸配向した後、ヨウ素を吸着させ、ホウ酸水処理し、緊張下で乾燥することにより製造される。あるいは、ポリビニルアルコール又はその誘導体からなるフィルムをヨウ素の水溶液に浸漬してヨウ素を吸着させた後、ホウ酸水中で1軸延伸配向し、緊張下で乾燥することからも得られる。ヨウ素の代わりに、アゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染料を用いた偏光膜も同様にして製造される。
かくして得られる偏光膜の偏光度は、好ましくは90.0%以上、より好ましくは99.0%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。
【0018】
本発明の環状オレフィン系樹脂とは一般的な総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとのランダム共重合体、(d)前記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。環状オレフィンとしては特に限定するものではなく、例えばノルボルネンやテトラシクロドデセンが例示できる。
環状オレフィン系樹脂には紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
【0019】
環状オレフィン系樹脂から保護膜を得る方法は特に限定はなく、例えば押出し法、カレンダー法等熱可塑性を利用した方法でも良いが、異物の除去(フィルターによる濾過)、偏肉精度、無配向等の点から、溶液流延法による製造方法がより望ましい。
【0020】
溶液流延法に用いる溶剤としては、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水素及びそれらの誘導体、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素及びそれらの誘導体が例示できる。溶剤は1種類でもよいが溶液粘度や乾燥条件によっては平滑な膜が得にくい場合がある。そのときには、レベリング剤を液に添加するか、あるいは沸点の差が10℃以上ある少なくとも2種類の混合溶剤を用いることにより望ましい膜が得られる。
保護膜の厚さは通常5〜150μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜60μmが望ましい。厚さが薄すぎる場合は取り扱いにくく、厚すぎる場合は後記する積層後の放置時間が長くなる傾向にある。
【0021】
偏光膜との接着性や(液晶基板と接着するための)粘着剤との接着性を向上させるため、保護膜の表面にコロナ放電処理、オゾンの吹き付け、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理、その他公知の表面処理を施してもよい。処理程度は濡れ張力が40dyn/cm以上、好ましくは50dyn/cm以上、さらに好ましくは55dyn/cm以上となる程度が望ましい。
【0022】
本発明のポリビニルアルコール系接着剤とは、酢酸ビニル樹脂をけん化処理して得られる樹脂を主成分とするものであり、好ましくはけん化度が70〜99%、重合度が200〜3000のものである。
合目的に他のモノマー、例えば、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等を数モル%程度共重合したものや、例えば、アルキル基やエポキシ基等で変性したものであってもよい。
【0023】
本発明の2液タイプ接着剤とは、主剤と、主剤と反応して硬化させる硬化剤とからなるものであれば特に限定するものではなく、例えば、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系接着剤が例示できる。耐湿熱性の点からは、イソシアネート基と反応する官能基を有する、例えばアクリル酸等を共重合したアクリル系主剤と、イソシアネート系硬化剤とからなるアクリル系接着剤が最も好ましい。
【0024】
本発明の1つの形態は、PVA偏光膜の少なくとも1方の面に接着剤層を介して環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を積層してなる偏光板において、該接着剤としてポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤の混合物を用いるものである。混合比は、2液タイプ接着剤の固形分100重量部に対してポリビニルアルコール系接着剤の固形分が好ましくは1〜300重量部、より好ましくは3〜200重量部、さらに好ましくは5〜80重量部が望ましい。
なお、2液タイプ接着剤の主剤と硬化剤の混合比は、各々の官能基の量によって、適宜決めればよい。
【0025】
偏光板の長期に渡る耐湿熱性を向上させるためには、偏光板の表面からの水分の進入を防ぐと共に、偏光板の端面からの水分の進入を防ぐことが重要である。本発明では、表面からの水分の進入を防ぐため、保護膜として透湿度の非常に小さい環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を採用する。
そして、端面からの水分の進入を防ぐため、接着剤層として前記混合接着剤を採用する。
【0026】
ポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤との混合接着剤を接着剤層とすると、驚くべきことに長期に渡る耐湿熱性が大幅に向上する。その理由は定かではないが、ポリビニルアルコール系接着剤と、2液タイプ接着剤の主剤と、硬化剤との3成分において、各々単独の場合や、各々2成分の混合物の場合に比べて耐湿熱性が大幅に向上することからして、3成分が何らかの相互作用を醸し出しているからであろうと推測される。
【0027】
本発明の他の形態は、PVA偏光膜の少なくとも1方の面に接着剤層を介して環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を積層してなる偏光板において、該接着剤層としてポリビニルアルコール系接着剤層と2液タイプ接着剤層の積層構成を用いるものである。積層方法としては、例えば、環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜にポリビニルアルコール系接着剤、又は、2液タイプ接着剤を塗布乾燥し、この面とPVA偏光膜とを2液タイプ接着剤、又は、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて積層する方法が例示できる。
なお、接着剤層を積層するタイミングは連続的であってもよいし、数ヶ月後のような長期間後であってもよい。
【0028】
接着剤層を前記の如き積層構成にしても、驚くべき程長期に渡る耐湿熱性が大幅に向上する。これも、ポリビニルアルコール系接着剤、2液タイプ接着剤の主剤、硬化剤の3成分が何らかの相互作用を醸し出しているからであろうと推測される。
【0029】
偏光膜と保護膜とを積層する方法は特に限定するものではないが、生産性よく、且つ、空隙の発生を皆無にするためには、下記の方法によるのが望ましい。
即ち、接着剤原液が未乾燥、又は半乾燥の状態で、偏光膜と保護膜とを積層する方法である。接着剤原液は偏光膜に塗布してもよいし、保護膜に塗布してもよい。
積層は偏光膜や保護膜の製造とは別工程であってもよいが、偏光膜の製造時に行うのが生産性の点からより好ましい。偏光膜の製造速度は一般的には5〜15m/分である。
【0030】
積層手段は公知のいかなる手段を用いてもよいが、ニップロールによるのが簡便で、且つ、生産性にも優れるのでより好ましい。ニップロールとしてはゴムロール/金属ロールやゴムロール/ゴムロールの組み合わせが例示できる。
ニップ圧は、線圧で通常1〜100kg/cm、好ましくは3〜30kg/cmである。
【0031】
接着剤原液の粘度は特に限定はないが、10〜20000cp(センチポアズ)
、好ましくは100〜12000cpの範囲にあることが望ましい。10cp未満であると、原液が未乾燥の状態で積層する場合にはニップ圧力によって流れ出す結果、得られる接着剤の厚みが極端に薄くなりすぎる傾向にある。また、半乾燥の状態で貼着する場合には適度の粘度になるまで乾燥するのに要する時間が長くなり、生産性という点からは好ましいとは言い難い。一方、20000cpを超えると、塗布時に充分な注意が必要となる。
【0032】
積層が終了したら、ロール巻き状で常温又は加温(約40℃位)の部屋に約24〜72時間程度放置しておく。この間に乾燥と硬化が完了する。ロール巻き状で放置するだけなので、生産性には何ら影響はない。
【0033】
【実施例】
次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明する。本発明において使用した物性値の測定方法及び評価方法は次の通りである。
【0034】
吸水率はASTM D570により23℃×24hrで測定した。
【0035】
透湿度はモコン法(モコン社製 PERMARTRAN−W600型透湿度測定装置)により40℃×90%RHで測定した。
【0036】
偏光板の偏光度は、以下の方法により算出した。
即ち、配向方向が同一方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、分光光度計を使用して、400nmから700nmまで連続的に測定した、光線透過率の値の平均値をT1 とする。次に、配向方向が互いに直交する方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、同様にして測定した光線透過率の値の平均値をT2 とする。そして下記数1により偏光度を算出した。数値が大きいほど偏光性能がよい。
【0037】
(数1)
【0038】
偏光板の単体透過率は、分光光度計を使用して400nmから700nmまで連続的に測定した、偏光板1枚の光線透過率の値の平均値である。数値が大きいほど偏光板の透明性がよい。
【0039】
偏光板の耐湿熱試験は、偏光板を200mm角に切り取って、恒温恒湿器を85℃×93%RH雰囲気と25℃×99%RH雰囲気とに12時間ずつ交互に設定変更し、この恒温恒湿器内にのべ6000時間放置することにより行った。偏光度保持率とは、試験後の偏光度を試験前の偏光度で除した値に100を掛けた数値である。数値が大きいほど耐湿熱性がよい。
【0040】
(実施例1)
環状オレフィン系樹脂(日本ゼオン株式会社製 ZEONEX 490K)30重量部をキシレン70重量部に溶解し、流延法によりフィルムを製膜し、次いで両面を空気中で処理強度100W/m2・分でコロナ放電処理をして、厚み50μmの保護膜を得た。この保護膜の吸水率は0.01%、透湿度は3.1g/m2・24時間、濡れ張力は60dyn/cmであった。
【0041】
(実施例2)
PVAフィルム((株)クラレ製 クラレビニロンフィルムVF−9X75R、厚さ75μm)を水5000重量部、ヨウ素35重量部、ヨウ化カリウム525重量部からなる水溶液に5分間浸漬し、ヨウ素を吸着させた。次いでこのフィルムを45℃の4重量%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向1軸延伸をした後、緊張状態のまま乾燥して偏光膜を得た。
次いでこの偏光膜を、接着剤としてエマルジョン型2液タイプのアクリル系接着剤(主剤が日本合成ゴム株式会社製 イーテックエマルジョンAE943(固形分濃度52重量%)、硬化剤が日本ポリウレタン工業株式会社製 アクアネート100(固形分濃度100重量%)、主剤/硬化剤=100/10)110重量部と和光純薬株式会社製 ポリビニルアルコール163−03045(けん化度約88%、重合度約500)の30重量%水溶液10重量部との混合液を入れたパンに緊張下で2秒浸漬した後引き上げ、直ちに偏光膜の両面に実施例1で得た保護膜がくるようにして、ゴムロール/金属ロール(ゴムロール直径200mm、金属ロール直径350mm、線圧10kg/cm)間でニップし、巻き取った。このときの巻き取り速度は10m/分であった。
このロール巻き状物(50m長)を40℃の部屋に24時間放置した。かくして得られた偏光板の評価結果を表1に示す。
【0042】
(実施例3)
ポリビニルアルコールの30重量%水溶液10重量部に代えて100重量部とした以外、実施例2と同様にして偏光板を得た。この偏光板の評価結果を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
接着剤としてエマルジョン型2液タイプのアクリル系接着剤(主剤が日本合成ゴム株式会社製 イーテックエマルジョンAE943(固形分濃度52重量%)、硬化剤が日本ポリウレタン工業株式会社製 アクアネート100(固形分濃度100重量%)、主剤/硬化剤=100/10)を用いた以外、実施例2と同様にして偏光板を得た。この偏光板の評価結果を表2に示す。
【0044】
(比較例2)
接着剤として和光純薬株式会社製 ポリビニルアルコール163−03045(けん化度約88%、重合度約500)の30重量%水溶液を用いた以外、実施例2と同様にして偏光板を得た。この偏光板の評価結果を表2に示す。
【0045】
【0046】
【0047】
(実施例4)
実施例1で得た保護膜の1方の面にエマルジョン型2液タイプのアクリル系接着剤(主剤が中央理化工業株式会社製 AP−P9739−3(固形分濃度55重量%)、硬化剤が中央理化工業株式会社製 GL−P9908(固形分濃度100重量%)、主剤/硬化剤=100/10)を厚さが5μmとなるようにコートし、熱風で乾燥して、巻き取った。
【0048】
(実施例5)
PVA系フィルム((株)クラレ製 クラレビニロンフィルムVF−9X75R、厚み75μm)を、加熱金属ロール/加熱金属ロール(温度110℃、直径350mm、加圧力3.8t)間で圧延することにより縦方向に3.4倍(厚み換算で)の1軸延伸をし、次いで、フィルムの両端約10mm幅をトリミングし、次いで、加熱金属ロール/加熱金属ロール(温度110℃、直径350mm、加圧力3.8t)間でさらに1.2倍(厚み換算で)の1軸延伸をし、次いで、パンに入れたヨウ素水溶液(水18000gにヨウ素90gとヨウ化カリウム1440gとを溶解させた液)に緊張下で30秒浸漬し、水切りロールによって水切りし、次いで、パンに入れた60℃硼酸水溶液(水6000gに硼酸300gとヨウ素1.5gとヨウ化カリウム24gとを溶解させた液)に緊張下で5秒浸漬し、水切りロールによって水切りし、次いで、緊張下で冷風によって乾燥した(これによって偏光膜が得られたことになる)。
【0049】
次いで、この偏光膜をパンに入れた和光純薬株式会社製 ポリビニルアルコール163−03045(けん化度約88%、重合度約500)の30重量%水溶液に緊張下で2秒浸漬した後引き上げ、直ちに偏光膜の両面に実施例4で得た保護膜のコート面がくるようにして、ゴムロール/金属ロール(ゴムロール直径200mm、金属ロール直径350mm、線圧10kg/cm)間でニップし、巻き取った。
なお、縦延伸から巻き取りに至るまでの操作は全て一連の操作であり、巻き取り速度は10m/分であった。
【0050】
このロール巻き状物(50m長)を40℃の部屋に24時間放置した。かくして得られた偏光板の初期性能は偏光度が100%、単体透過率が44.4%であった。そして耐湿熱試験後の偏光度保持率は80.7%、単体透過率は53.5%であった。
【0051】
(実施例6)
エマルジョン型2液タイプのアクリル系接着剤に代えて和光純薬株式会社製 ポリビニルアルコール163−03045(けん化度約88%、重合度約500)の30重量%水溶液を用いた以外、実施例4と同様にしてポリビニルアルコールをコートした保護膜を得た。
次いでポリビニルアルコールに代えてエマルジョン型2液タイプのアクリル系接着剤(主剤が中央理化工業株式会社製 AP−P9739−3(固形分濃度55重量%)、硬化剤が中央理化工業株式会社製 GL−P9908(固形分濃度100重量%)、主剤/硬化剤=100/10)を用いた以外、実施例5と同様にして偏光板を得た。偏光板の初期性能は偏光度が100%、単体透過率が44.4%であった。そして耐湿熱試験後の偏光度保持率は80.1%、単体透過率は53.6%であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成からなるので、以下に記載する効果を奏す。
【0053】
本発明の偏光板は耐湿熱性に優れ、LCD用に最適な偏光板である。
【0054】
本発明の製造方法によれば、複雑な工程を必要とせず、生産性がよく、且つ、気泡の巻き込みもない品質が良好な偏光板を製造することができる。
Claims (4)
- ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも1方の面に接着剤層を介して環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を積層してなる偏光板において、該接着剤がポリビニルアルコール系接着剤とアクリル系主剤とイソシアネート系硬化剤を主成分とする2液タイプ接着剤の混合物であることを特徴とする偏光板。
- 接着剤原液が完全には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを積層する工程を含む請求項1記載の偏光板の製造方法。
- ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも1方の面に接着剤層を介して環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜を積層してなる偏光板において、該接着剤層がポリビニルアルコール系接着剤層とアクリル系主剤とイソシアネート系硬化剤を主成分とする2液タイプ接着剤層の積層構成からなる層であることを特徴とする偏光板。
- ポリビニルアルコール系接着剤原液又はアクリル系主剤とイソシアネート系硬化剤を主成分とする2液タイプ接着剤原液が完全には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを積層する工程を含む請求項3記載の偏光板の製造方法。
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