JP3681423B2 - 半導体微細柱の集合体,半導体装置及びそれらの製造方法 - Google Patents

半導体微細柱の集合体,半導体装置及びそれらの製造方法 Download PDF

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    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、量子サイズ効果によりエレクトロルミネッセンス,フォトルミネッセンス,光電変換機能等を行う半導体微細柱の集合体,半導体装置及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特開平4−356977号公報に開示されるように、多孔質シリコンを形成して発光デバイスとして使用とするものがある。これは、図33に示すように、陽極化成によってシリコン基板101の表面部に多数の微細孔102を設けた多孔質シリコンを形成したものである。この多孔質シリコンに光を照射すると吸収端が可視部にあるフォトルミネッセンスが観察され、シリコンによる受光発光素子が可能となる。すなわち、通常のシリコン単結晶からなる半導体装置では、励起された電子は低エネルギーレベルに間接遷移するので、遷移によるエネルギは熱に変換される。そのため、可視部での発光が困難とされていたが、多孔質シリコンのように壁部を構成するシリコンの壁厚が0.01μm程度になると、シリコンのバンド巾が量子サイズ効果によって1.2eVから2.5eVに広くなるに伴い、励起された電子がバンド間を直接遷移する現象があると報告されている。そして、このバンド間の直接遷移によって、発光が可能となった。
【0003】
また、この多孔質シリコンの両端に電極を設けて電界をかけ、エレクトロルミネッセンスを観察することも報告されている。
【0004】
一方、半導体集積回路を搭載した半導体装置では、情報社会の進展にともない、高度かつ大容量な情報通信機器をパーソナル化する方向に進展してきている。すなわち、ハンディコンピュータや携帯電話から、さらに高度の情報がやり取りできる機器が要請されている。そのためには、従来の電気信号のみを扱う半導体装置を高機能にするとともに、光や音声等を扱える複合的な機能を有する半導体装置であることが望ましい。図34は、このようなニーズに応えるべく構成された3次元集積回路システムの断面構造を示す。このような3次元集積回路システムは、従来の2次元集積回路システムでは必然的に生じる微細化の限界を越え得るだけでなく、機能の向上や機能の多様化をもたらすものと期待されている。同図において、第1層目のP型シリコン基板101aに形成されたNウェル102の表面領域に、ソース103,ドレイン104,ゲート酸化膜105及びゲート106からなるPMOSFET110aが形成されており、第1層目シリコン基板101aの表面領域に、ソース103,ドレイン104,ゲート酸化膜105及びゲート106からなるNMOSFET110b等の半導体装置が形成されている。そして、各ソース・ドレイン領域等を接続する配線107と、各部の上を覆う層間絶縁膜108とが形成され、この層間絶縁膜108は平坦化されている。さらに、この層間絶縁膜108の上にシリコン単結晶からなる第2層目のシリコン基板101bが形成されている。この第2層目のシリコン基板101bにも、上記第1層目のシリコン基板101aにおける半導体装置と同様に、PMOSFET110aやNMOSFET110b等の半導体装置が形成されている。そして、第1層目の半導体装置と第2層目の半導体装置との間は、金属配線109を介して電気的に接続されている(例えば第1回新機能素子技術シンポジウム予稿集p76,1982年 5月)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図33に示すような陽極化成によってシリコン基板101の表面部に形成された多孔質シリコンでは、電界を印加してエレクトロルミネッセンスを得たり、光を照射してフォトルミネッセンスを得ようとすると、下記のような問題があった。
【0006】
すなわち、陽極化成法によって形成される微細孔102の径や深さの制御が難しく、微細孔102の形状も複雑でその壁厚の分布が極めてランダムである。そのため、壁厚を薄くすべくエッチングを強く行うと、一部が基板から分離して剥がれてしまう虞れがある。また、壁厚がランダムなので、量子サイズ効果が全壁部に亘って均一に生じるわけではなく、シャープな波長の発光が得られない。さらに、多孔質シリコンの複雑な形状の微細孔の壁面には陽極化成中に分子や原子が吸着しやすく、このようなシリコン表面に付着した原子や分子の影響で発光波長の再現性がなく、寿命も短くなる。
【0007】
本発明の第1の目的は、上記問題点に鑑み、多孔質構造ではなく、半導体微細柱を多数個並設する構造を利用すれば、径方向の寸法が均一となる点に着目し、高強度かつ波長分布のバラツキの小さいエレクトロルミネッセンス,フォトルミネッセンス等の発光や、光信号−電気信号の変換を行わせるための量子化領域及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
また、前述のごとく提唱されている3次元集積回路システムでは下記の問題がある。図34に示される配線109を形成する際、コンタクトホールを形成した後、コンタクトホールへの配線材料を堆積して埋め込むという堆積法で形成される。したがって、コンタクトホールが非常に深くなるので、配線材料の埋込不良による抵抗値の増大や断線等の不良が生じやすく信頼性に乏しい。このような製造技術の問題から、実用に耐えうる3次元集積回路システムを実現することは困難であり、特に、3次元を越える集積回路システムの実現は極めて困難である。
【0009】
本発明の第2の目的は、多種の信号変換機能を有する半導体微細柱の集合体を集積回路システムに組み込むことにより、高度の情報処理機能を備えた半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本願では、半導体微細柱の集合体及びその製造方法に関する請求項4〜11に開示される手段を講じている。
【0011】
また、上記第2の目的を達成するために、本願では、半導体装置及びその製造方法に関する請求項1〜312〜18に開示される手段を講じている。
【0012】
請求項1の発明の講じた手段は、半導体装置として、半導体基板と、上記半導体基板の表面から所定深さまで延び、径方向の寸法が量子サイズ効果を生じる程度に微細な半導体微細柱の集合体からなる量子化領域と、上記量子化領域の上に、上記各半導体微細柱の上端部と電気的に接続される上部電極とを設け、上記半導体基板の上記各半導体微細柱の下端部に接触する部分を下部電極として機能させ、上記活性領域内の各半導体微細柱に軸方向の応力を生ぜしめる応力発生手段を更に設け、上記量子化領域を、上記第1電気信号を受けて、上記各半導体微細柱の応力に応じた波長を有する第2光信号を生成するように構成したものである。
【0013】
請求項2の発明の講じた手段は、請求項1の発明において、上記応力発生手段を、上記上部電極と、上部電極に連結され外部からの機械的力を伝達するプローブとで構成したものである。
【0014】
請求項3の発明の講じた手段は、半導体装置として、半導体基板と、上記半導体基板の表面から所定深さまで延び、径方向の寸法が量子サイズ効果を生じる程度に微細な半導体微細柱の集合体からなる量子化領域と、上記半導体基板の量子化領域の側方に、上記量子化領域を他の領域から分離するように取り囲む絶縁分離層と、上記絶縁分離層を貫通して上記半導体基板の下部電極に接続し且つ上記量子化領域を取り囲む複数個の側方電極とを設け、上記各側方電極に同一周波数の高周波電力をその位相が順次変化するように印加する高周波電源を印加する高周波電力印加手段を更に設けたものである。
【0015】
請求項4の発明の講じた手段は、半導体微細柱の製造方法として、半導体基板の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、上記第1点状マスクを用いて、上記半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱を形成する工程とを有し、上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として堆積するように形成する方法である。
【0016】
請求項5の発明の講じた手段は、半導体微細柱の製造方法として、半導体基板の上に、絶縁膜を堆積する工程と、上記絶縁膜の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、上記第1点状マスクを用いて、上記絶縁膜をパターニングし、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状絶縁膜からなる第2点状マスクを形成する工程と、上記第2点状マスクを用いて半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱を形成する工程とを有し、上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として堆積するようにに形成する方法である。
【0017】
請求項6の発明の講じた手段は、請求項4又は5の発明において、上記半導体微細柱の集合体を形成する工程の後に、上記点状マスクを除去する工程を有する方法である。
【0018】
請求項7の発明の講じた手段は、請求項5〜7のいずれか1つの発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレイン成長の核となる金属の種を粒状体として形成する方法である。
【0019】
請求項8の発明の講じた手段は、請求項5〜7のいずれか1つの発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、金属の種を形成し、この核の周囲に半導体物質のグレインを粒状体として成長させる方法である。
【0020】
請求項9の発明の講じた手段は、請求項5〜7のいずれか1つの発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、<311>配向をもつシリコン結晶からなるグレインを粒状体として形成する方法である。
【0021】
請求項10の発明の講じた手段は、請求項5〜7のいずれか1つの発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、アモルファスシリコンからなるグレインを粒状体として形成する方法である。
【0022】
請求項11の発明の講じた手段は、請求項5〜10のいずれか1つの発明において、上記第1点状マスクの形成工程の後に、上記粒状体を少なくとも1回アニールして、被着体との界面の面積を縮小させる工程を含む方法である。
【0023】
請求項12の発明の講じた手段は、半導体装置の製造方法として、半導体基板の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、上記第1点状マスクを用いて、上記半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱の集合体を形成する工程と、上記第1点状マスクを除去する工程と、上記各半導体微細柱の先端上に、各半導体微細柱と電気的に接続する上部電極を形成する工程とを有し、上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として形成する方法である。
【0024】
請求項13の発明の講じた手段は、半導体装置の製造方法として、半導体基板の上に、絶縁膜を堆積する工程と、上記絶縁膜の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、上記第1点状マスクを用いて、上記絶縁膜をパターニングし、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状絶縁膜からなる第2点状マスクを形成する工程と、上記第2点状マスクを用いて半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱の集合体を形成する工程と、少なくとも上記第1点状マスクを除去する工程と、上記各半導体微細柱の先端上に、各半導体微細柱と電気的に接続する上部電極を形成する工程とを有し、上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として形成する方法である。
【0025】
請求項14の発明の講じた手段は、請求項12又は13の発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレイン成長の核となる金属の種を粒状体として形成する方法である。
【0026】
請求項15の発明の講じた手段は、請求項12又は13の発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、成長核となる金属の種を形成し、この核の周囲に半導体物質のグレインを粒状体として成長させる方法である。
【0027】
請求項16の発明の講じた手段は、請求項12又は13の発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、<311>配向をもつシリコン結晶からなるグレインを粒状体として形成する方法である。
【0028】
請求項17の発明の講じた手段は、請求項12又は13の発明において、上記第1点状マスクを形成する工程では、アモルファスシリコンからなるグレインを粒状体として形成する方法である。
【0029】
請求項18の発明の講じた手段は、請求項12〜17のいずれか1つの発明において、上記第1点状マスクの形成工程の後に、上記グレインを少なくとも1回アニールして、被着体との界面の面積を縮小させる工程を有する方法である。
【0030】
【作用】
以上の構成により、請求項1又は2の発明では、半導体装置において、量子化領域に光が照射されると、量子化領域のキャリアが励起され、発光を生じる。
【0031】
また、上部電極を介して電圧が印加され、あるいは光が照射されると、半導体微細柱の集合体が量子サイズ効果によって発光するので、半導体装置が発光素子,波長変換素子として機能する。また、量子化領域に光が照射されると、半導体微細柱の抵抗値が変化する ので、上部電極を介して抵抗値の変化を検知することで、半導体装置が検知感度のよい受光素子等として機能することになる。
【0032】
更に、量子化領域を介して力が光信号に変換されるので、力−光変換素子を構成することが可能となる。
【0033】
請求項3の発明では、半導体装置において、量子化領域に光が照射されると、量子化領域のキャリアが励起され、発光を生じる。
【0034】
また、半導体装置の量子化領域が絶縁分離層によって他の領域から絶縁されているので、他の領域からの干渉を受けることなく、量子化領域の作動が確実に維持されることになる。
【0035】
更に、半導体装置の量子化領域を取り囲む絶縁分離層を貫通して側方電極が形成されているので、半導体装置を受光素子,発光素子等とする際の電気信号の授受が円滑となる。
【0036】
これに加えて、量子化領域を取り囲む複数の側方電極に高周波電力印加手段から高周波電源が印加されると、半導体微細柱に高周波電力によって励起された電子が蓄積され、キャリアとして注入されるので、多量の電子の注入により、量子化領域の発光強度が極めて高くなる。すなわち、印加電圧により発光する場合には、極めて強い発光が得られるとともに、入射光によって発光する場合には、弱い入射光に対しても強い発光が得られることになる。
【0037】
請求項4の発明では、半導体微細柱の集合体を形成するに際し、半導体物質の量子サイズ効果が生じる寸法に対応する寸法の微細な第1点状マスクを形成し、この第1点状マスクを用いて半導体基板を所定深さまでエッチングするようにしているので、得られる半導体微細柱の径方向の寸法が微細となり、半導体微細柱が互いにほぼ分離した構造となる。したがって、各半導体微細柱において、電圧の印加や光の照射に対して量子サイズ効果による受光や発光が可能な半導体微細柱の集合体が形成されることになる。しかも、このような製造方法では、半導体微細柱の形状も真直性のよい形状となるので、発光の取出し効率や、受光の際における光の入射効率のよい半導体微細柱の集合体が形成されることになる。
【0038】
また、粒状態としての半導体物質のグレインの堆積を利用して第1点状マスクが形成されるので、CVD技術を利用したマスクの形成が可能となる。
【0039】
更に、第1点状マスクとして半導体物質のグレインが形成されるので、微細なグレインの成長が容易である半導体物質の特性を利用して、径方向の寸法の揃った半導体微細柱の集合体の形成が容易となる。
【0040】
請求項5の発明では、微細な粒状体を除去した後に残る島状の絶縁膜を第2点状マスクとして半導体基板がエッチングされ、量子サイズ効果が生じうる半導体微細柱の集合体が得られる。その場合、半導体基板上の絶縁膜は半導体基板のエッチング用マスクとしての機能が高いので、半導体微細柱の集合体中の各半導体微細柱の径や深さがより均一になる。
【0041】
また、粒状体としての半導体物質のグレインの堆積を利用して第1点状マスクが形成されるので、CVD技術を利用したマスクの形成が可能となる。
【0042】
更に、第1点状マスクとして半導体物質のグレインが形成されるので、微細なグレイン の成長が容易である半導体物質の特性を利用して、径方向の寸法の揃った半導体微細柱の集合体の形成が容易となる。
【0043】
請求項6の発明では、半導体微細柱の集合体が形成された後、点状マスクが除去されるので、その後半導体微細柱の上に電極を形成することが可能になる。
【0044】
請求項7の発明では、グレインの成長核となる金属の種が第1点状マスクとして形成されるので、半導体物質のグレインよりもさらに微細な金属の種を利用して、より微細な半導体微細柱の集合体が形成されることになる。
【0045】
請求項8の発明では、金属の種を成長核として半導体物質のグレインが形成されるので、半球状に近い良好な形状のグレインが形成される。したがって、このグレインをマスクに用いて形成される各半導体微細柱の形状も真円に近い良好なものとなる。
【0046】
請求項9の発明では、半導体物質のグレインとして、<311>配向をもつシリコン結晶のグレインが形成されるので、各グレインの分離性及び形状の良好なグレインが形成されることになる。
【0047】
請求項10の発明では、半導体物質のグレインとして、アモルファスシリコンのグレインが形成されるので、各グレインの分離性及び形状の良好なグレインが形成されることになる。
【0048】
請求項11の発明では、粒状体がアニールされて被着体との界面の面積が縮小されるので、粒状体の分離性及び形状がさらに良好なものとなる。
【0049】
請求項12の発明では、第1点状マスクを形成し、第1点状マスクを用いて半導体基板をエッチングするようにしているので、得られる半導体微細柱の径方向の寸法が微細となり、半導体微細柱が互いにほぼ分離した構造となる。したがって、発光の取出し効率や、光の入射効率のよい半導体微細柱の集合体が形成され、受光素子,発光素子,波長変換素子等として特性の良好な半導体装置が得られる。さらに、このような工程はシリコン等の半導体デバイスを製造するための工程で用いられる加工技術であるので、半導体デバイスの製造プロセスとの互換性が得られる。
【0050】
また、第1点状マスクとして半導体物質のグレインが形成されるので、微細なグレインの成長が容易である半導体物質の特性を利用して、径方向の寸法の揃った半導体微細柱の集合体の形成が容易となる。
【0051】
請求項13の発明では、微細な粒状体を除去した後に残る島状の絶縁膜を第2点状マスクとして半導体基板がエッチングされ、量子サイズ効果が生じうる半導体微細柱の集合体が得られる。その場合、半導体基板上の絶縁膜は半導体基板のエッチング用マスクとしての機能が高いので、半導体微細柱の集合体中の各半導体微細柱の径や深さがより均一になる。
【0052】
また、第1点状マスクとして半導体物質のグレインが形成されるので、微細なグレインの成長が容易である半導体物質の特性を利用して、径方向の寸法の揃った半導体微細柱の集合体の形成が容易となる。
【0053】
請求項14の発明では、グレインの成長核となる金属の種が第1点状マスクとして形成されるので、半導体物質のグレインよりもさらに微細な金属の種を利用して、より微細な半導体微細柱の集合体が形成されることになる。
【0054】
請求項15の発明では、金属の種を成長核として半導体物質のグレインが形成されるので、半球状に近い良好な形状のグレインが形成される。したがって、このグレインをマスクに用いて形成される各半導体微細柱の形状も真円に近い良好なものとなる。
【0055】
請求項16の発明では、半導体物質のグレインとして、<311>配向をもつシリコン結晶のグレインが形成されるので、各グレインの分離性及び形状の良好なグレインが形成されることになる。
【0056】
請求項17の発明では、半導体物質のグレインとして、アモルファスシリコンのグレインが形成されるので、各グレインの分離性及び形状の良好なグレインが形成されることになる。
【0057】
請求項18の発明では、グレインがアニールされて被着体との界面の面積が縮小されるので、粒状体の分離性及び形状がさらに良好なものとなる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0059】
(実施例1)
図1は、実施例1に係る光半導体装置の断面図である。図1に示すように、この半導体装置は、単結晶構造を有するシリコン基板1と、このシリコン基板1の表面から所定深さまで延び、軸方向が基板1の面に垂直な多数の半導体微細柱2と、その周囲のスペースを埋めるシリコン酸化膜からなる絶縁層3と、半導体微細柱2及び絶縁層3の上端を平坦化した上に形成された透明電極4とを備えている。そして、上記半導体微細柱2の集合体が量子化領域Rqaとして機能する。上記半導体微細柱2の基端は上記基板1に連なって支持されており、各半導体微細柱2の径は2〜50nm程度である。上記絶縁層3は、各半導体微細柱2を構成するシリコンの表面部を熱酸化して形成される。上記透明電極4は、各半導体微細柱2の上端と接することにより各半導体微細柱2とは電気的に接続されていて、透明電極4と各半導体微細柱2の基端に接続される半導体基板1との間に所定の電圧を印加し、あるいは量子化領域Rqaに光を照射することにより、各半導体微細柱2に量子サイズ効果による発光を生ぜしめ、エレクトロルミネッセンス,フォトルミネッセンスが発生可能な構造としている。
【0060】
次に、光半導体装置の製造方法について説明する。図2(a)〜(e)は、上記光半導体装置の製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【0061】
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板1上に熱酸化,CVD等により、シリコン酸化膜,シリコン窒化膜等からなる上面絶縁膜5を形成した後、LPCVD法によりシリコンからなる半球状グレイン6を堆積した。この際、原料ガスとしてHeベースの20%SiH4 ガスを用い、ガス流量を300ccmとすると、同図に示すような数nmの半径を持つ半球状グレイン6が得られた。
【0062】
ただし、この半球状グレイン6の作成は、水素ガス雰囲気中でSiH4 ガスを用いてもよい。その場合、特に半球状グレイン6の堆積が制御しやすくなる。
【0063】
次に、図2(b)に示すように、多数の半球状グレイン6からなる第1点状マスクMs1として、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜等の上面絶縁膜5をエッチングし、多数の半球状グレイン6のパターンに対応する島状パターンをもつ上面絶縁膜5の残存部からなる第2点状マスクMs2を形成した。シリコン基板1上の上面絶縁膜5のエッチングは、例えばCF4 /CHF3 =30/40sccmの混合ガス雰囲気中、圧力1Paで、RFパワー400Wで行なっている。その後、各半球状グレイン6はエッチングして除去する。
【0064】
次に、図2(c)に示すように、島状にパターニングされた第2点状マスクMs2を使用して、シリコン基板1を所定深さだけエッチングし、シリコン基板1の表面に垂直な多数の半導体微細柱2を形成した。エッチング条件は、Cl2/O2=90/3sccmの混合ガス雰囲気中、圧力1Paで、RFパワーが200Wで行った。この各半導体微細柱2の側部は半導体基板1の表面にほぼ垂直で、かつほぼ真直であり、後述のように、半球状グレイン6の形成条件を適正にすることで、互いに連続することなく独立したものとしうる。
【0065】
そして、図2(d)に示すように、半導体微細柱2の側面をシリコン酸化膜からなる絶縁層3で覆い、半導体微細柱2間の隙間を絶縁層3で埋めた後、その先端面を平坦化した。
【0066】
さらに、図2(e)に示すように、絶縁層3のうち平坦化された半導体微細柱2先端部の表面の絶縁層3を除去し、その上に透明電極4を形成した。
【0067】
なお、上記実施例1では、半導体基板1の上に上面絶縁膜5を形成し、この上に第1点状マスクMs1を形成した後、上面絶縁膜5からなる第2点状マスクMs2を形成して、この第2点状マスクMs2を用いてシリコン基板1をエッチングしたが、第1点状マスクMs1を直接シリコン基板1上に形成し、この第1点状マスクMs1を用いて、半導体微細柱2を形成するためのエッチングを行ってもよい。
【0068】
次に、以上のように構成された光半導体装置の動作を説明する。ここでは、p型シリコン基板1の表面から所定深さの部位まで半導体微細柱2を形成した領域が量子化領域Rqaとなる。そして、シリコン基板1を接地電位として、各半導体微細柱2に電気的に接続されている透明電極4に、順方向の電圧20Vを印加すると、室温において、可視光のエレクトロルミネッセンスが確認された。シリコンの場合、電圧の印加等によって励起された電子は一般には間接遷移を生じるので、遷移によるエネルギはほとんど熱に変換され、可視部での発光が困難とされていた。それに対し、上記実施例1では、シリコンの量子化領域Rqaが数nmの半径を持つ半導体微細柱2の集合体からなる構造となっているので、シリコンのバンド巾が量子サイズ効果によって1.2eVから2.5eVに広くなると同時に、励起された電子が直接遷移し、バンド間の直接遷移による可視部での発光が生じるのである。しかも、従来のような陽極化成法によって形成された多孔質シリコンに比べ、上記実施例1のようなシリコンの微細柱2の集合体では、高い発光強度とシャープな波長特性とを得ることができる。
【0069】
以下、その理由について、構造上の相違に基づき推察する。図4(a)は、上述の製造工程でマスクとして使用したグレインをアモルファスシリコンとした場合、図4(b)はグレインを<311>配向のシリコン単結晶とした場合における横断面構造をそれぞれ示し、これらの構造が形成される条件の相違については後述する。図4(c)は従来の陽極化成法で形成された多孔質シリコンの横断面構造である。図4(c)に示すように、従来の陽極化成法で形成された多孔質シリコンでは、基本的にシリコンの陽極酸化によって生じる酸化膜中の微細孔を利用してシリコンを多孔質状にするものであるから、多孔質シリコン中でシリコンは壁部を構成する。そして、シリコンの壁厚つまり両端の隣接する微細孔間の距離dにバラツキが多い(図中の距離d1,d2参照)。また、両端の隣接する微細孔間の距離dが大きいと(図中のd2のように)量子サイズ効果を生じないと考えられる。それに対し、本発明では、図4(a),(b)に示すように、各半導体微細柱2は横断面内で互いにほぼ孤立した島状となっており、各半導体微細柱2においては、方向によって多少の径のバラツキはあるもののほぼ量子サイズ効果を維持しうる寸法に収まっていると考えられる。よって、高い発光強度とシャープな波長特性とを得ることができるのである。
【0070】
図5は、透明電極4への印加電圧に対する半導体微細柱2の集合体に流れる電流(注入電流)の特性を示し、図6は半導体微細柱2の集合体への注入電流に対するエレクトロルミネッセンスの発光強度を示す。この2つの図から、透明電極4への印加電圧が高いほど発光強度も高いことがわかる。また、図7はキャリア注入電圧に対する発光強度の変化特性を示し、キャリア注入電圧を変化させることによって、赤、青、黄色等の各色の発光に対応したカラーの表示素子を形成することが可能となることが分かる。
【0071】
また、図2(a)〜(e)に示されるように、上記実施例1における製造工程では、数nmの半径を持つシリコン単結晶の微細な半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaを作成するために実施される加工方法は、全て通常のMOSFET等の半導体装置を作成する場合におけるプロセスで用いられているものである。すなわち、各半導体微細柱2間のスペースを酸化膜3で埋め込み、上端を平坦化し、量子化領域に透明電極4が電気的に接続されるように構成されているので、通常の半導体装置を製造するためにシリコンウエハを加工するプロセスと互換性があり、本発明による光半導体装置を形成した後に、通常のMOSFET等の従来の半導体装置を形成することができる。
【0072】
次に、上記光半導体装置の製造方法における各工程の条件の詳細について説明する。
【0073】
まず、図2(a)に示す工程におけるグレインを形成する方法は、DRAMの容量を増加する方法として1990年から報告されている。たとえば、Y.Hayashideet al., Ext.Abs.22nd SSDM (1990) p.869-872、 H.Watanabe et al.,J.Appl.Phys. 71 (1991) p.3538-3543 、H.Itoh et al.,Tech. Dig. of VLSI Symp (1991) p.6-7 などに開示されており、これらの方法を適用することにより、容易にグレインを形成することができる。
【0074】
図3は、グレインの形成工程において、ガス流量が300ccmの条件下で、堆積温度とSi H4 分圧を変化させた場合のグレインの形状変化を示し、同図中に挿入したグラフはシリコンの結晶相図である。すなわち、グレインとして、アモルファスシリコンが形成されるアモルファス領域、基板面に垂直な方向の方位が<311>となる単結晶シリコンが形成される<311>配向領域、基板面に垂直な方向の方位が<110>となる単結晶シリコンが形成される<110>配向領域である。
【0075】
また、形成された粒の形状からは、下記3つの領域
(i)半球状グレイン(HSG−hemi spherical grain)とアモルファスシリコン(αSi )とが混在するHSG−aSi 領域
(ii)全面的に半球状グレインが形成されるHSG領域
(iii)数個のグレインが結合して表面から見た形状が円筒形(CTG−cylindrical trained grain )になっているクレスタ状のグレインが形成されるCTG領域が重要である。
【0076】
これらの結果から、次のことが確かめられた。
【0077】
(1) HSG領域は、温度範囲が570℃〜580℃、Si H4 分圧(形成圧力)の範囲が0.5Torrから2.0Torrの間に存在し、<311>配向領域内に存在する
(2) HSG−aSi 領域は、アモルファス領域と<311>配向領域との境界付近に存在する
(3) CTG領域は、主に<311>配向領域と<110>配向領域との境界に存在する
(4) また、HSG領域は、上記の(311)配向領域の中で上記2つの領域(HSG−aSi 領域とCTG領域とに挟まれる領域に存在する
(5) グレインがアモルファスシリコンに近いほどグレインサイズが大きく、<110>配向に近いほどグレインサイズが小さくなっている
(6) Si H4 分圧(形成圧力)が高いほど、アモルファス領域が増大する
(7) グレインサイズの相違は、膜表面でのグレイン成長核(Ni ,W等の金属)の密度の相違に起因する
(8) 以上のことから、堆積温度を560〜590℃、Si H4 分圧を0.1〜0.4Torrの条件でグレインを堆積すると、半球状グレインとクラスタ状グレインとが面密度0.4〜0.7で得られる。
【0078】
上記実施例では、シリコン単結晶の半導体微細柱2の側部を熱酸化して、シリコン酸化膜からなる絶縁層3で半導体微細柱2の周囲の隙間を埋めたが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、必ずしも絶縁層を設けなくても量子サイズ効果による発光は生じる。ただし、上記実施例1のごとく、半導体微細柱2の側部を熱酸化等して形成した絶縁層3で覆うことにより、下記の利点が得られる。すなわち、シリコン基板1をエッチングして半導体微細柱2を形成する際に半導体微細柱2の側面に不純物や異物が付着するが、このような不純物や異物を絶縁層3中に固定できる。また、その後も、シリコン単結晶の半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaに不純物や異物が侵入するのを阻止することができる。そして、この不純物等の量子化領域Rqaへの入り込みを防止することで、半導体微細柱2の側面に付着した原子や分子の影響を排除し、再現性安定性よく一定の発光波長を得ることができ、長寿命のシリコン受光発光素子等の半導体装置を得ることができる。
【0079】
また、シリコン酸化物や窒化物等からなる絶縁層3は、必ずしも上記実施例1のごとく半導体微細柱2の周囲の隙間を埋めている必要はなく、単に半導体微細柱2の表面付近に形成するだけでも、不純物等の固定及び侵入阻止機能は得られる。ただし、上記実施例1のごとく、半導体微細柱2の周囲の隙間を絶縁層3で埋めることで、各半導体微細柱2間の短絡を確実に防止しうるとともに、半導体微細柱2の形状を崩すことなく先端部を平坦化することができ、透明電極4との電気的接続を確実に行うことができる。
【0080】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。図8(a)〜(e)は、実施例2における光半導体装置の製造工程を示し、上述の実施例1とほど同様の手順によっている。ここで、上記実施例1との相異点は、LPCVD法による半球状グレイン6の堆積条件が変更されている点と、半導体微細柱2の側面を熱酸化膜3aで覆った後、半導体微細柱2間の隙間をCVD等によるシリコン酸化膜3bで埋めて平坦化した点である。すなわち、この2つの酸化膜3a及び3bにより、絶縁層3が構成されている。
【0081】
半球状グレイン6の堆積工程では、原料ガスとしてHe ベースの15%Si H4 を用い、ガス流量は100ccm、堆積温度は500〜700℃、Si H4 の分圧は0.1〜0.4Torrという条件で堆積を行っている。ガス流量を少なくし、堆積速度を遅くすると堆積温度が低い条件でデポを行いうる。図9は、ガス流量が100ccmという条件下で、堆積温度とSi H4 の分圧を変化させた場合の半球状グレイン6の形状変化を示す。実施例1と同様に、形成された粒形状から上述の(i)HSG−aSi 領域、(ii)HSG領域、(iii)CTG領域の3つの領域に分けられる。
【0082】
これらの結果から、次のことが確かめられた。
【0083】
(1) HSG領域は、温度範囲にして500℃〜650℃、Si H4 分圧の範囲で0.1Torrから0.4Torrである
その他、上記実施例1において述べた(2) 〜(7) と同様の傾向がある
(8) 以上のことから、適正な半球状グレイン6を得るのための堆積温度範囲は、上記実施例1に比べて広い。
【0084】
したがって、本実施例2では、原料ガスであるSi H4 のHe ベースに対する濃度とガス流量とを変えることで、適正な堆積温度温度の範囲を拡大させることができる。また、各半導体微細柱2の間の隙間をCVD法による酸化膜3b又は窒化膜で埋めることで、上記実施例1のように熱酸化膜のみにより隙間を埋めるのに比べ、より確実に隙間を埋めることができる。
【0085】
なお、上記実施例2では、熱酸化膜3aを形成してからCVDによるシリコン酸化膜3bを形成したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、工程の都合によっては、すべての絶縁層3をCVD法により形成してもよい。
【0086】
その場合、すべての絶縁層3をシリコン酸化物で構成すると、シリコン酸化物の屈折率は小さいので、横方向に発光を取り出すことができる。また、すべての絶縁層3を窒化物で構成すると、シリコン窒化物とシリコンとの熱膨張係数の相違によって半導体微細柱2に圧縮歪みを与えることで、量子サイズ効果をより顕著に発揮することができる。また、本実施例におけるCVDによるシリコン酸化膜3bの代わりにシリコン窒化膜を形成しても同じである。
【0087】
(実施例3)
次に、半球状グレイン6の形状の改良に関する実施例3について説明する。上記実施例1とほぼ同じ製造工程中において、半球状グレイン6を形成した後、配管内のSiH4 ガスを真空引きして抜き、連続してチューブ内に不活性ガスであるN2 ガスを導入しながらアニールを行なった。図11は、アニール時間と粒径、粒密度との関係を示す。アニール時間を長くすると、粒径が小さくなることがわかる。粒径が小さくなるに従い、表面及び界面の面積が収縮しようとするので、グレインが半球状に近づく傾向が見られ、グレイン自体の表面積の増加率は高くなる。また、アニール時間が2分以上になると半球状グレイン6が形成されていない領域が増加する。半球状グレイン6が形成されにくくなるのは、アニールによる表面酸化の度合いが大きくなり、表面でのグレイン成長を妨げる為である。さらに、酸素分圧が異なる2つの条件下で2ステップ・アニールを行うことによって、半球状グレイン6の粒径をさらに均一に制御できる。
【0088】
図10(a)〜(c)は、いずれも成膜条件を共通とし(温度575℃,圧力1.0Torr ,20%SiH4 ガス流量300sccm)、アニール条件のうちアニール温度も共通とし(575℃)、アニール条件の他の条件を変えた場合における半球状グレインのSEM写真である。図10(a)は、成膜後すぐにN2雰囲気,1.0Torr で30min アニールした場合、同図(b)は成膜後真空(約0.01Torr )中で2min アニールした後連続して0.14Torr で10分間アニールした場合、同図(c)は、成膜後真空(約0.01Torr )中で5min アニールした後連続してN2 雰囲気,1.0Torr で、30min アニールした場合の半球状グレインのSEM写真である。
【0089】
なお、半球状グレイン6を形成した後の半導体微細柱2,絶縁層3,透明電極4等の形成を行うが、この工程は、基本的に上記実施例1とほぼ同様である。
【0090】
本実施例3では、半球状グレイン6をアニールしてその粒径を小さくし、かつ形状をより半球状に近付けるように改良したので、シリコン基板1の表面付近の面内にほぼ均一に半径のそろった半導体微細柱2を形成することができた。そして、量子化領域となる半導体微細柱2の半径が均一になったことで、発光波長がより急峻になり、発光強度も大きくなる。
【0091】
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。図12(a),(b)は、実施例4における半球状グレインの形成手順を示す断面図である。
【0092】
まず、図12(a)に示すように、シリコン基板1の上面絶縁膜5の上に、グレインの結晶成長の核となる結晶成長核8を形成した。この結晶成長核8は、錫やロジウム等の金属で構成されている。その際、核形成には、上面絶縁膜5を堆積したシリコン基板1を、表面処理液に常温で1分間浸した後、水洗乾燥した。表面処理液には鍍金などで用いられる処理液を用いた。
【0093】
次に、図12(b)に示すように、この結晶成長核8を核として、上面絶縁膜5上にLPCVD法でシリコンの半球状グレイン6を成長させた。原料ガスとしてはHe ベースの15%Si H4 を用い、ガス流量は100ccmであった。堆積温度を500〜700℃、Si H4 分圧は0.1〜0.4Torrである。この条件下で、選択的にシリコン粒状体6を結晶成長核8上に堆積させ、多数のシリコン粒状体6からなる第1点状マスクMs1を形成した。
【0094】
その後、実施例1の工程(図2(c)〜(e)参照)と同じ工程で、半球状グレイン,絶縁層,透明電極等の形成を行った。
【0095】
図13は、上記図12(a)に示す表面処理を行った場合と行わなかった場合のグレインの粒度分布を比較する図である。表面処理をしない場合は、粒径分布の平均値が110オングストロームであり、最大粒径が200オングストロームを超えるのに対して、表面処理をした場合は、粒径分布の平均値が60オングストロームであり、最大粒径が120オングストローム以下であった。このように、グレインの形成に先立って結晶成長核8を形成するための表面処理を行うことで、半球状グレイン6の分布及び大きさが均一となり、面内に均一に半球状のグレインの分布が得られた。そして、量子化領域となる半導体微細柱2の半径及び分布が均一化されたことで、発光波長がより急峻になり、発光強度も面内で均一になり大きくなる。
【0096】
このようにして形成したシリコン受光素子に対し、p型シリコン基板1に負の電圧を印加し各半導体微細柱の先端側に接地電位としておき、高圧水銀ランプを光源として半導体微細柱の集合体(量子化領域)に光を照射した。その結果、光の照射によって、半導体微細柱をもつ量子化領域の抵抗値が変化し、受光素子として用いることができた。
【0097】
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。図14は、実施例5に係る光半導体装置の断面図である。図14では、光半導体装置の基本的な構成は、上記実施例1の図1に示す構造とほぼ同じであるが、本実施例では、シリコン基板1上の量子化領域Rqaの側方が絶縁分離層9によって他の領域と区画されている。この絶縁分離層9の深さは、半導体微細柱2の深さhよりも深い。さらに、半導体微細柱2上の透明電極4とは別に、絶縁分離層9を貫通する側方電極10が形成されている。この側方電極10は、各半導体微細柱2の上部電極である透明電極4に対し下部電極として機能するシリコン基板1に接続されている。
【0098】
以上のように構成された光半導体装置について、その動作を説明する。透明電極4と側方電極10との間に電圧(例えば50Volt程度)が印加されると、量子化領域Rqa内の各半導体微細柱2の先端と基端との間に電位差が生じ、実施例1と同様の量子サイズ効果により、室温において可視光のエレクトロルミネッセンスが発生する。本実施例5では、キャリア注入電圧を25〜200Voltに変化させることによって、赤、青、黄色、それぞれの発光に対応した可視光のエレクトロルミネッセンスが確認された。特に、本実施例5のように側方電極10を設けることにより、光半導体装置の量子化領域Rqaと外部との間で信号の授受を行うことが容易となる。
【0099】
(実施例6)
次に、実施例6について説明する。図15は、実施例6に係る光半導体装置の断面図であって、基本的な構成は上記実施例5の図14に示す構造とほぼ同じである。ただし、実施例6では、上記実施例5と異なり、n型シリコン基板1が用いられ、このn型シリコン基板1の一部にpウェル11が形成されているとともに、pウェル11の上方からシリコン基板1の表面に至る領域にはn型不純物がドープされている。そして、量子化領域Rqa内の各半導体微細柱2は、シリコン基板1をシリコン基板1の表面からpウェル11の内部に至る深さまでエッチングして形成されている。つまり、各半導体微細柱2の高さhは、シリコン基板1のpウェル11とその上方との間のpn接合部の深さよりも大きい。したがって、各半導体微細柱2の基端部付近はp型シリコンで構成され、各半導体微細柱2の基端部よりも上方の部分はn型シリコンで構成されており、半導体微細柱2の途中にpn接合部2aが形成されている。また、pウェル11とシリコン基板1の本体部との間にもpn接合が形成されているので、量子化領域Rqaはn型シリコン基板1と分離されている。そして、側方電極10は、このpウェル11に接続するように構成されている。
【0100】
本実施例6においても、透明電極4と側方電極10との間に順方向に電圧50Voltを印加すると、室温で可視光のエレクトロルミネッセンスが生じることが確認された。さらに、キャリア注入電圧を25〜200voltに変化させることによって、赤、青、黄色、それぞれの発光に対応した可視光のエレクトロルミネッセンスの発生が確認された。
【0101】
したがって、上記実施例6では、上記実施例5と同様の効果に加えて、下記の効果が得られる。すなわち、半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaが、側方の絶縁分離層9によって他の領域と分離されているとともに、pウェル11によってn型シリコン基板1に対しても分離されているので、絶縁分離層9に形成された側方電極10と透明電極4との間に電圧を印加することで、シリコン基板上に多くの量子化領域を形成した場合にも、各量子化領域ごとに発光させることができる。また、各半導体微細柱2の中にpn接合を形成しているので、各半導体微細柱2に効率良くキャリアを注入することができ、発光効率の高い光半導体装置を提供できる。
【0102】
(実施例7)
次に、実施例7について説明する。図16は、実施例7に係る光半導体装置の断面図である。本実施例7における光半導体装置の基本的な構造は、上記実施例5の図14に示す構造とほぼ同じであって、p型シリコン基板1上に半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaが形成され、さらに量子化領域Rqa上の透明電極4と、量子化領域Rqaを取り囲む絶縁分離層9と、該絶縁分離層9を貫通したシリコン基板1に接続する側方電極10とが形成されている。ただし、本実施例では、半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaが単層ではなく、半導体微細柱2及びその周囲の隙間を埋める絶縁層3が混在してなる直線縞状量子化領域12aと、シリコン酸化膜からなる直線縞状分離層13aとが交互に配置された構造となっている。図17(a)は、この両者の直線縞状構造の平面状態を概略的に示し、直線縞状量子化領域12a(図中の暗部)と直線縞状分離層13a(図中の白紙部)とが1次元フレネルレンズを構成するような間隔で交互に形成されている。
【0103】
また、図17(b)は別例を示し、リング状量子化領域12bとリング状分離層13bとを交互に配置させて2次元フレネルレンズを構成した場合の平面状態を示す。
【0104】
本実施例においても、透明電極4と側方電極10との間に順方向に電圧を印加すると、室温において、可視光のエレクトロルミネッセンスが発生することが確認された。
【0105】
以上のように構成された光半導体装置では、領域12a,12bと隣接する分離層13a,13bとが交互に配置され、量子化領域Rqa全体がフレネルレンズとして機能する。したがって、別途集光装置は不要である。すなわち、図17(a)に示す1次元フレネルレンズ又は図17(b)に示す2次元フレネルレンズを形成する量子化領域Rqaが発光すると、シリコン基板1の表面に対して垂直な方向に向かう光は線上あるいは点上に集光され、設計された領域に光を集めることができる。したがって、その焦点近傍に別途受光素子を配置しておくと、この光半導体装置から発光される光が受光素子に効率良く集光され、受光素子を介して信号又は光に変換された電力を遠隔地に送信することが可能となる。また、フォトルミネッセンスを行わせる波長変換素子や受光素子として使用する場合には、線状光源や点状光源からの光を量子化領域Rqa全体に照射することが可能となる。
【0106】
(実施例8)
次に、実施例8について説明する。図18は実施例8に係る光半導体装置の断面構造を示し、基本的には、上記実施例7の図15に示す光半導体装置の構造とほぼ同じである。すなわち、pn接合部2aを有する半導体微細柱2及び絶縁層3の集合体からなる量子化領域Rqaと、量子化領域Rqaの上の透明電極4と、量子化領域Rqaの各半導体微細柱2の基端を支持し、n型シリコン基板1と電気的に絶縁されたpウェル11と、量子化領域Rqaを取り囲む絶縁分離層9と、該絶縁分離層9を貫通してpウェル11に接続する側方電極10とが配置されている。
【0107】
本実施例では、図は省略するが、上記量子化領域Rqaの製造工程において、シリコン基板1にpウェル11を形成し、さらにその情報をn領域にして、上記実施例1で述べたような第1又は第2点状マスクを用いて半導体基板1をpウェル11に達する深さまでエッチングする。この製造工程により、半導体微細柱2にpn接合部2aが形成される。
【0108】
また、本実施例8では、上記側方電極10は量子化領域Rqaの側方2か所に設けられ、この2つの側方電極10間を接続する回路17に高周波電圧を印加するための高周波電源14が介設されている。また、上記回路17と透明電極4とを接続する回路18には、回路18を開閉するためのスイッチ15と、直流電源16とが直列に接続されている。
【0109】
以上のように構成されたシリコン発光素子について、その動作を説明する。
【0110】
図19に示すように、シリコンの結晶に高周波電力が印加されると、高い周波数で変化する電場にシリコンの結晶格子内の電子(黒丸で示す部分)が励起され、ある程度周期的な運動を行う。本実施例の場合、半導体微細柱2近傍の絶縁分離層9に形成された2つの側方電極10,10に、高周波電源14が接続されているので、p型シリコン基板1に高周波電力によって励起された電子が蓄積される。この蓄積された電子は、透明電極4を介して印加された順方向電圧によって、量子化領域Rqa内の各半導体微細柱2に導かれ、各半導体微細柱2内のpn接合部2aを通して多量の電子が注入される。この注入によって、量子化領域Rqaの発光強度は増大する。透明電極4には電圧100Voltを印加した。この場合も、室温において、可視光のエレクトロルミネッセンスが確認された。
【0111】
以上のように、本実施例8では、p型シリコン基板1に高周波電力を印加することによって励起された電子を、量子化領域Rqa内の各半導体微細柱2に導き、pn接合部2aを通して多量の電子を注入し、量子化領域Rqaを強く発光させ、透明電極4に与えられる弱い信号に対しても効率良く発光させることができる。
【0112】
なお、上記実施例8では、量子化領域Rqaの側方に2つの側方電極10を形成したが、量子化領域Rqaを取り囲む3つ以上の側方電極10を設け、この側方電極に同一周波数の高周波電力をその位相が昇順又は降順に変化するように印加することにより量子化領域Rqaに回転磁場を発生させてもよい。その場合、より高い発光効率を得ることができる。
【0113】
(実施例9)
次に、実施例9について説明する。図20は、実施例9に係る光半導体装置の断面構造の一部を示す。本実施例では、シリコン基板1の上に、半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaと、p領域20a及びn領域20bからなるフォトダイオード20とが搭載されている。また、上記フォトダイオード20及び量子化領域Rqaの上には、共通の透明電極4が設けられている。そして、上記透明電極4とシリコン基板1との間に所定の電圧を印加するための駆動回路部21が設けられている。すなわち、駆動回路部21を介してフォトダイオード20に一定のバイアスが印加された状態で、フォトダイオード20に光信号Sgo0 が入力されると、フォトダイオード20に起電力が生じ、駆動回路21により例えば15Vに昇圧され、第1電気信号Sge1 として量子化領域Rqa内の各半導体微細柱2に印加される。その結果、各半導体微細柱2が発光して第2光信号Sgo2 として出力される。各半導体微細柱2の製造仕様を変更することで、この時の発光波長は、変化させることができる。
【0114】
次に、図21(a)〜(c)を参照しながら、上記図20の構造を少し変形させた構造を有する光半導体装置の製造工程について説明する。まず、図21(a)に示すように、シリコンで構成されるシリコン基板1上のある部分に、半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaを形成する。次に、図21(b)に示すように、上記量子化領域Rqaとは異なる領域が開口されたフォトレジストマスク25を用いて、シリコン基板1内にAs+ イオンを注入することで、n領域24aを深く形成し、続けてB+ イオンを注入してp領域24bを浅く形成する。その際、As+ イオンとB+ イオンとのいずれもがほとんど注入されない中間部が真性領域24cとなり、p領域24a,n領域24b及び真性領域24cからなるいわゆるPIN構造のフォトダイオード24が形成される。なお、フォトダイオード24を形成しようとする部分のシリコン基板を予め深く掘り込んでおき、各領域24a,24c,24bを順次エピタキシャル成長させることにより、フォトダイオード24を形成してもよい。その後、図21(c)に示すように、シリコン基板1の上に光を透過する伝導体配線25(例えばAuからなる)を形成し、さらに駆動回路21を形成する。
【0115】
図21(c)に示す光半導体装置では、ある波長の光信号Sgo0 をフォトダイオード24で受けて、量子化領域Rqaの各半導体微細柱2から第2光信号Sgo2を出力するように構成することができる。この第2光信号Sgo2 の波長は構造や製造方法により変化させることができる。このような光半導体装置が、シリコンプロセスにより製造できるので、微小なチップ内に収納することができ、光通信等への応用が可能となる。
【0116】
なお、上記実施例における光半導体装置の構成に加え、量子化領域Rqaから出力される第2光信号Sgo2 を電気信号に変換する回路を設けることで、信号経路において伝達情報を光で変調する機能を有するデバイスを作成することもできる。
【0117】
(実施例10)
次に、半導体微細柱の集合体を用いて応力センサを構成した実施例10について説明する。図22は、実施例10における応力センサの構造及び作動原理を示す。すなわち、本実施例では、シリコン基板1上に半導体微細柱2の集合体からなる量子化領域Rqaと、透明電極4とが形成されている。また、光半導体装置には、さらに、量子化領域Rqaに透明電極4を介して電圧を印加するための駆動回路28が配設されている。
【0118】
ここで、図22の各丸で囲んだ箇所は、各半導体微細柱2に加わる応力状態の変化に対する半導体微細柱2の形状の変化を示す。前述のように、半導体微細柱2の両端に電圧が印加されると、量子閉じ込め効果により、半導体微細柱2内でバンドギャップワイドニングが生じ、可視部におけるエレクトロルミネッセンスが観測される。このバンドギャップワイドニング量ΔEは、一般に半導体微細柱2の径に反比例することが知られている。したがって、外部から印加される力によって、10nm程度である半導体微細柱2の径dが変化すると、1/ΔEに反比例する発光波長λも変化する。例えば、半導体微細柱2に圧縮応力が作用すると、半導体微細柱2の径dはポアソン比に応じて増大し、発光波長λは長波長側にシフトする。また、半導体微細柱2に引張応力が作用すると、半導体微細柱2の径dがポアソン比に応じて減少し、発光波長λは短波長側にシフトする。
【0119】
図23(a)は、半導体微細柱の集合体を利用した応力センサの構造例を示し、上記図22に示す基本的な構造に加え、外部からの力を量子化領域Rqaの各半導体微細柱に伝達するための透明プローブ29a,29bをシリコン基板1の上下に配設している。図23(b)は、量子化領域Rqaから出力される第2光信号Sgo2 の発光スペクトルを示し、中心波長630nmに対し、1Paの圧縮,引張りに応じ、それぞれ短波長,長波長側に中心発光波長が約10nmシフトしているのが観察された。特に、応力を検知するためのプローブ29a,29bを外部の力を検知しようとする対象物に接続し、プローブ29a,29b及び透明電極4を応力伝達手段とすることで、応力を感度よく光に表示することができる。本実施例においても、光半導体装置をシリコンプロセスを用いて容易に製造することができる。
【0120】
また、後述の実施例のごとく、本実施例における量子化領域Rqaからの第2光信号Sgo2 をさらに受光素子により検知して、電気信号に変換するようにしてもよい。
【0121】
(実施例11)
次に、実施例11について説明する。図24は、実施例11における半導体装置の全体構成を示し、高機能のポケットコンピュータとして使用可能なものである。半導体チップ50の上には、半導体チップ50上の各回路に関する信号の処理を行う中央処理回路51と、メモリ52と、電気入出力回路53と、光信号を集光機構を介して受ける受光部54と、光信号を出力する第1発光部55と、半導体チップ50上の画素を通して信号を表示する第2発光部56と、音波の入出力を行う音波センサ部57及び音波出力部58と、TFT液晶パネルからなる表示パネルを駆動するための駆動回路59と、外部からの光信号を電気信号に変換し半導体チップ50内の各部回路に電源として供給する電源供給部60とが配設されている。そして、上記メモリ52,電気入出力回路53,受光部54,各発光部55,56,音波センサ部57,音波出力部58,表示パネル駆動回路59等の各部は中央処理回路51と信号線を介して接続されている。
【0122】
ここで、上記各部のうち中央処理回路51,メモリ52,電気入出力回路3等は従来のシリコン集積回路と同様のMOSトランジスタ構造を有する。また、受光部54は一般的なフォトトランジスタ構造を有する。
【0123】
それに対し、第1発光部55及び第2発光部56は、上記実施例1等と同様の半導体微細柱の集合体からなる量子化領域により構成されている。
【0124】
図25(a)〜(d)は、本実施例における半導体微細柱の集合体を形成する工程を示し、各図の左側は断面図、右側は平面図である。まず、図25(a)に示すように、シリコン基板1の上にフォトレジスト膜Frsを形成する。次に、図2(b)に示すように、2光束に分けたF2真空紫外線レーザ光を重ねて斜めから入射させ、干渉縞を露光して現像する。すると、1回目の露光によって、図25(b)の右側に示すように、フォトレジスト膜Frsのうち干渉縞の露光強度の高い部分が除去されてなる縞模様のマスクパターンが形成される。そして、図は省略するが、図25(b)に示すシリコン基板1を90度回転させた位置で、同じ2光束のレーザ光を入射することで、最終的に数nm角の第1点状マスクMs1が得られる。レーザ光の干渉縞を形成する際、波長と入射角度により決まる所定ピッチの縞が形成されるので、点状マスクMs1の大きさを任意に調整し得る。次に、図25(c)に示すように、第1点状マスクMs1を用いてシリコン基板1を0.5〜数μmの深さまでエッチングし、半導体微細柱2の集合体を形成する。エッチング条件は上記第1実施例と同様である。その後、フォトレジスト膜Frsを除去した後、半導体微細柱2の側方を側部を熱酸化して絶縁層3で埋め、平坦化する。さらに、図25(d)に示すように、平坦化された各半導体微細柱2の上端部の酸化層を除去した後、量子化領域Rqaの上に透明電極4を形成する。
【0125】
なお、フォトレジスト膜Frsをパターニングして点状マスクMs1を形成するには、本実施例のごとく、干渉縞を形成するほか原子間力顕微鏡のカンチレバーの探針を所定の押圧力で押付けた状態でシリコン基板を水平方向に移動して、プリべーキングされたフォトレジスト膜に縦横多数の凹状溝を形成し、残存する点状の部分を点状マスクとしてもよい。また、フォトレジスト膜をパターニングして点状マスクを形成する場合、上記実施例1のごとく、シリコン基板1の上に酸化膜を形成した後、フォトレジスト膜の第1点状マスクを用いて酸化膜を点状にパターニングし、これを第2点状マスクとして半導体をエッチングするようにしてもよい。
【0126】
次に、図26は本実施例に係る半導体チップ50の平面図であって、半導体チップ50上にはマトリクス状に配置された多くの量子化領域Rqa(半導体微細柱の集合体)からなる第2発光部56が搭載されている。つまり、第2発光部56の各量子化領域Rqaが信号に応じて、所定パターンを表示するようにオン・オフすることで、例えば半導体チップ50上の回路の良否判定等を表示するようにしている。
【0127】
一方、第1発光部55が出力する光信号は、光ファイバーを介して外部に伝達される。図27は、第1発光部55の部分の断面構造を示し、半導体微細柱の集合体からなる量子化領域Rqaの上に透明電極4が形成されているとともに、さらに透明電極4の上にフィルタ62を介して集光機構である凸レンズ61が載置されている。そして、凸レンズ61で集光された第2光信号Sgo2 が光ファイバー(図示せず)を介して外部に出力される。このフィルタ62は、透明な屈折率の異なる薄膜を複数層重ねて多重干渉を生ぜしめたバンドパスフィルタである。このフィルタ62は必ずしも必要でないが、比較的長距離の信号伝搬が必要な場合、光のバンドを狭めることで信号の減衰を抑制し得るので、第1発光部55の量子化領域Rqaの上にはフィルタを設けることが好ましい。そして、凸レンズ等の集光機構を付設することで、光ファイバーとの結合状態が良好になる。なお、光ファイバーは半導体チップ50の表面にほぼ垂直に設置されている。
【0128】
表示パネル駆動回路59は、通常のMOS集積回路で構成されており、大面積の表示機能が必要な場合に液晶表示装置(LCD)を使用するためのものである。
【0129】
上記音波センサ部57は、図28(a),(b)に示すように、4点で支持された薄いダイアフラム63を半導体チップ50上に形成しておき、音波を受けて生じるダイアフラム63の変位量がブリッジの抵抗の変化量と比例する現象(ピエゾ抵抗効果)を用いて音波を電気信号に変換している。ピエゾ抵抗効果素子は応力センサとして開発が進められており、本実施例はこの技術を応用したものである。ただし、コンデンサマイクロフォンのように電極と基板との間の静電容量の変化量を検知し音波を検出することもできる。
【0130】
上記音波出力部58は、図29に示すように、片持梁状のダイアフラム64を備え、音声信号を受けて発生する静電気力により、ダイアフラム64を振動させて、音波を発生させるように構成されている。ただし、このような構造の部材の代わりに、音声信号で外部の小電力のスピーカーを駆動するようにしてもよい。
【0131】
上記電源供給部60は、外部からの光を電気エネルギーに変換し、半導体チップ50内の各部の回路に供給する回路であり、光を受けて電流信号に変換するフォトダイオードと、この電流信号を受けて3〜5V程度の定電圧を生ぜしめる定電圧回路とにより構成されている(図面は省略する)。電源の供給が光ではなくミリ波やマイクロ波等の電磁波である場合には、アンテナとダイオードとからなる検波回路と定電圧回路とをこれに変えて使用することができる。
【0132】
本実施例のごとく、光を用いて信号を入力し、また光により電力を供給することにより、ワイヤレスで半導体装置を機能させることができる。また、信号や電力を入力するための配線をなくすことで、寄生インピーダンスに起因して生じる信号の遅延を最小限にすることができる。1チップでこのような多種の機能を実現し得るので、携帯用コンピュータ等の小型化に大きな役割を果たすことができる。また、音波による信号の入力や出力の機能を持たせることで、音声記憶や電話回線を介する信号の授受等、コンピュータのヒューマンインターフェースの高度化に役立つ。さらに、半導体装置の製造工程においても、ワイヤの接続の工程の一部が不要となり、製造コストの低減、歩留まりの向上を図ることができる。さらに、発光表示機能と自己検査機能とを併用すれば、不良品だけを表示機能により容易に選別することができ、検査費用及び検査時間の低減を図ることができる。
【0133】
(実施例12)
次に、実施例12について説明する。図30(a)〜(d)は、受光素子,発光素子を集積回路内に組み込んだ光半導体装置の製造工程を示す。まず、図30(a)に示すように、p型シリコン基板1a上に、n型ソース71,n型ドレイン72,ゲート酸化膜73,ゲート電極74及び層間絶縁膜75からなるMOSFET70を形成する。次に、図30(b)に示すように、上記MOSFET70の形成領域に隣接する層間絶縁膜75の開口領域に、上記実施例1等の工程により、半導体微細柱の集合体からなり発光素子として機能する量子化領域Rqaを形成する。そして、図30(c)に示すように、各量子化領域の部分を開口する絶縁膜76を形成し、量子化領域Rqaを覆いさらに上記絶縁膜76の一部まで覆うようにITOからなる透明電極4を形成する。その後、ドレイン72と透明電極4とを電気的に接続する金属配線77を形成する。そして、図30(d)に示すように、金属,ポリシリコン等からなる配線77や透明電極4の上に量子化領域Rqaの上を開口した基板間絶縁膜78を形成し、表面を平坦化する。
【0134】
一方、図面は省略するが、別のシリコン基板1bに、上記図30(a)〜(d)に示す工程における量子化領域Rqaの代りに、p領域及びn領域からなり受光素子として機能するフォトダイオード79を形成し、このフォトダイオード79の上に透明電極4を付設して、さらにフォトダイオード79の上方を開口した基板間絶縁膜78を形成する。
【0135】
図31は、上記2つのシリコン基板1a,1bを、量子化領域Rqaとフォトダイオード79とが対向するように、基板間絶縁膜78を介して張合わせてなる光半導体装置の断面構造を示す。下側の論理回路の出力電極であるMOSFET70のドレイン72は厚さ0.1μmの半導体微細柱の集合体からなる量子化領域Rqaに透明電極4とを介して接続されている。そして、出力電極であるドレイン72の電位が2Vに上昇すると、第1電気信号Sge1 が出力され、配線77を介して量子化領域Rqaの各半導体微細柱に0.2MV/cm程度の電界が印加される。この第1電気信号Sge1 を受けて、各半導体微細柱が発光し、量子化領域Rqaから第2光信号Sgo2 が出力される。そして、透明電極4を透過した第2光信号Sgo2 が、フォトダイオード79に入力されると、フォトダイオード79から第3電気信号Sge3 が出力される。そして、この第3電気信号Sge3 は、金属配線77を介して側方のMOSFET70のドレインに入力される。その後の信号処理は、通常の集積回路と同様に行われる。
【0136】
したがって、本実施例では、集積回路上に形成した受光素子により出力信号が電気信号から光信号に変換された後、再び電気信号に変換されるという光複合素子を組み込んだ光半導体装置が得られることになる。
【0137】
(実施例13)
次に、実施例13について説明する。図32(a)〜(d)は、溝部を介して発光素子,受光素子を相対向させた構造を有する光半導体装置の製造工程を示す。まず、図32(a)に示すように、シリコン基板1の相隣接する2つの領域に、半導体微細柱の集合体からなり発光素子として機能する量子化領域Rqaと、p領域及びn領域からなり受光素子として機能するフォトダイオード79とを形成する。次に、図32(b)に示すように、量子化領域Rqaとフォトダイオード79との上に、層間絶縁膜75やポリシリコンからなる配線77を形成する。なお、この場合には、量子化領域Rqa及びフォトダイオード79の上に透明電極は形成する必要がない。次に、図32(c)に示すように、シリコン基板1の量子化領域Rqa及びフォトダイオード79の一部を含む両者間の領域をエッチングして、溝部80を形成する。
【0138】
図32(d)は、光半導体装置の仕上り状態における断面構造を示す。同図に示すように、発光素子として機能する量子化領域Rqaと、受光素子として機能するフォトダイオード79との側部が露出している。言い換えると、量子化領域Rqaとフォトダイオード79とが溝部80の側壁に形成され、両者が相対向している。そして、上記実施例1の図1に示すように、量子化領域Rqaの各半導体微細柱2の周囲は透明なシリコン酸化膜からなる絶縁層3が形成されているので、量子化領域Rqaからの発光がその側方からも観察可能な状態となっている。したがって、本実施例では、第1電気信号Sge1 が配線77を介して量子化領域Rqaに入力されると、量子化領域Rqaから第2光信号Sgo2 が出力され、さらにフォトダイオード79で第3電気信号Sge3 に変換される。特に、本実施例では、2つの基板を張合わせる必要がなく、2次元集積回路で実施例12の3次元集積回路構造と同様の機能を発揮することができる。しかも、位置合わせの問題もないので、製造上も極めて容易に光複合素子を搭載し得る。
【0139】
以上の各実施例では、半導体基板としてシリコンの単結晶基板を用いたが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、例えばゲルマニウム等の単一元素からなる半導体や、Ga As ,Ga P,Ga N,In P等のII−V族化合物半導体にも適用しうる。特に、Ga As 等の直接遷移型のバンド構造を有する物質の半導体微細柱を形成すると、量子サイズ効果によって発光強度が高くなるとともに、特性のよいレーザー光が容易に得られることができる利点がある。また、必ずしも単結晶体である必要はなく、例えばアモルファスシリコンの微細柱の集合体を利用して効率の高い光電変換を行わせることで、高効率の太陽電池等を構成することも可能である。
【0140】
また、上記各実施例では、シリコン基板1の上に直接半導体微細柱2の集合体を形成したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、シリコン基板上に絶縁膜を介して半導体微細柱の集合体を形成してもよい。すなわち、いわゆるSOI構造とすることもできる。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は2の発明によれば、半導体装置の構成として、半導体基板と半導体微細柱の集合体からなる量子化領域とを設けたので、半導体装置を光変換素子、具体的には発光素子,波長変換素子又は受光素子等、更に具体的には力−光変換素子として機能させることができる。
【0142】
請求項3の発明によれば、量子化領域の作動を確実に維持し、半導体装置を受光素子,発光素子等とする際の電気信号の授受を円滑とし、発光強度の向上を図ることができる。
【0143】
請求項4の発明によれば、半導体微細柱の集合体の形成方法として、第1点状マスクを形成し、第1点状マスクを用いて半導体基板を所定深さまでエッチングするようにしたので、高い量子サイズ効果による受光や発光を生じる半導体微細柱の集合体を容易に形成することができると共に、CVD技術を利用してマスクを形成することができ、径方向の寸法の揃った微細な半導体微細柱の集合体を容易に形成することができる。
【0144】
請求項5の発明によれば、半導体微細柱の集合体中の各半導体微細柱の径や深さの均一化を図ることができる。
【0145】
請求項6の発明によれば、半導体微細柱の集合体が形成された後、点状マスクを除去するようにしたので、その後の工程を円滑に進めることができる。
【0146】
請求項7又は8の発明によれば、半導体微細柱の集合体中の各半導体微細柱の径や深さの均一化を図ることができる。
【0147】
請求項9、10又は11の発明によれば、各グレインの分離性及び形状の改善を図ることができる。
【0148】
請求項12の発明によれば、半導体デバイスの製造プロセスとの互換性を図りつつ、受光素子,発光素子,波長変換素子等として特性の良好な半導体装置を得ることができる。
【0149】
また、径方向の寸法の揃った微細な半導体微細柱の集合体を容易に形成することができる。
【0150】
請求項13の発明によれば、半導体微細柱の集合体中の各半導体微細柱の径や深さの均一化を図ることができる。
【0151】
請求項14又は15の発明によれば、径方向の寸法の揃った微細な半導体微細柱の集合体を容易に形成することができる。
【0152】
請求項16、17又は18の発明によれば、各グレインの分離性及び形状の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係る光半導体素子の断面図である。
【図2】 実施例1における光半導体素子の製造工程中における構造の変化を示す断面図である。
【図3】 実施例1において堆積温度とSi H4 分圧とを変化させた場合の半球状グレインの形状変化を示す図である。
【図4】 実施例1の製造方法によるアモルファス領域,<311>配向領域のグレインを用いて作成された半導体微細柱の集合体,及び従来の陽極化成法による多孔質シリコンの構造を示す横断面図である。
【図5】 量子化領域への印加電圧に対する電流の変化特性を示す図である。
【図6】 量子化領域の発光の強度の電流依存性を示す図である。
【図7】 量子化領域の発光の波長の電圧依存性を示す図である。
【図8】 実施例2に係る半導体装置の製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【図9】 実施例2において堆積温度とSi H4 分圧とを変化させた場合の半球状グレインの形状変化を示す図である。
【図10】 アニール条件を変化させた場合の半球状グレインの形状を示すSEM写真である。
【図11】 実施例3における半球状グレインのアニール時間と粒径、粒密度との関係を示す図である。
【図12】 実施例4におけるグレインの形成工程における状態の変化を示す断面図である。
【図13】 実施例4における表面処理の有無によるグレインの粒径の分布の相違を示す図である。
【図14】 実施例5に係る光半導体装置の断面図である。
【図15】 実施例6に係る光半導体装置の断面図である。
【図16】 実施例7に係る光半導体装置の断面図である。
【図17】 1次元及び2次元フレネルレンズの平面構造を模式的に示す図である。
【図18】 実施例8に係る光半導体装置の断面図である。
【図19】 高周波電力を印加されたシリコンの結晶格子内における電子の運動状態を説明する図である。
【図20】 実施例9に係る半導体装置の断面図である。
【図21】 実施例9の半導体装置の製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【図22】 実施例10に係る量子化領域を利用した応力センサの原理を説明するための断面図である。
【図23】 実施例10の応力センサの断面構造と、応力センサからの出力光の波長の応力に対する変化とを示す図である。
【図24】 実施例10に係る半導体装置の全体構成を示すブロック図である。
【図25】 実施例11に係る半導体装置の製造工程における構造の変化を示す断面図及び平面図である。
【図26】 実施例11に係る表示装置の平面図である。
【図27】 実施例11に係る半導体装置の第1発光部の部分の断面図である。
【図28】 実施例11に係る半導体装置中の音波センサ部の構造を示す断面図及び平面図である。
【図29】 実施例11に係る半導体装置中の音波出力部の構成を示す断面図である。
【図30】 実施例12に係る半導体装置の製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【図31】 実施例12に係る半導体装置の断面図である。
【図32】 実施例13に係る半導体装置の製造工程における構造の変化を示す断面図である。
【図33】 従来の陽極化成によって形成した多孔質シリコンの断面図である。
【図34】 従来提唱されている3次元集積回路システムの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 半導体微細柱
3 絶縁層
4 透明電極
5 上面絶縁膜
6 半球状グレイン
8 結晶成長核
9 絶縁分離層
10 基板側電極
11 pウェル
12 帯状活性層
13 帯状分離層
14 高周波電源
15 スイッチ
16 直流電源
17 ,18 回路
Rqa 量子化領域
Ms1 第1点状マスク
As2 第2点状マスク

Claims (18)

  1. 半導体基板と、
    上記半導体基板の表面から所定深さまで延び、径方向の寸法が量子サイズ効果を生じる程度に微細な半導体微細柱の集合体からなる量子化領域と、
    上記量子化領域の上に設けられた、上記各半導体微細柱の上端部と電気的に接続される上部電極とを備え、
    上記半導体基板の上記各半導体微細柱の下端部に接触する部分が下部電極として機能し、
    上記上部電極と下部電極とを介して上記量子化領域に所定の第1電気信号を入力させる電気信号入力手段と、
    上記活性領域内の各半導体微細柱に軸方向の応力を生ぜしめる応力発生手段とを更に備え、
    上記量子化領域は、上記第1電気信号を受けて、上記各半導体微細柱の応力に応じた波長を有する第2光信号を生成することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    上記応力発生手段は、上記上部電極と、上部電極に連結され外部からの機械的力を伝達するプローブとで構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 半導体基板と、
    上記半導体基板の表面から所定深さまで延び、径方向の寸法が量子サイズ効果を生じる程度に微細な半導体微細柱の集合体からなる量子化領域と、
    上記半導体基板の量子化領域の側方に設けられ、上記量子化領域を他の領域から分離するように取り囲む絶縁分離層と、
    上記絶縁分離層を貫通して上記半導体基板の下部電極に接続する側方電極とを備え、
    上記側方電極は、量子化領域を取り囲むように複数個設けられており、
    上記各側方電極に同一周波数の高周波電力をその位相が順次変化するように印加する高周波電力印加手段を更に備えたことを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体基板の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、
    上記第1点状マスクを用いて、上記半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱を形成する工程とを備え、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として堆積するように形成することを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  5. 半導体基板の上に、絶縁膜を堆積する工程と、
    上記絶縁膜の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、
    上記第1点状マスクを用いて、上記絶縁膜をパターニングし、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状絶縁膜からなる第2点状マスクを形成する工程と、
    上記第2点状マスクを用いて半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱を形成する工程とを備え、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として堆積するように形成することを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  6. 請求項4又は5記載の半導体微細柱の集合体の製造方法において、
    上記半導体微細柱の集合体を形成する工程の後に、上記点状マスクを除去する工程を含むことを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の半導体微細柱の集合体の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレイン成長の核となる金属の種を粒状体として形成することを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  8. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の半導体微細柱の集合体の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、金属の種を形成し、この核の周囲に半導体物質のグレインを粒状体として成長させることを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  9. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の半導体微細柱の集合体の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、<311>配向をもつシリコン結晶からなるグレインを粒状体として形成することを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  10. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の半導体微細柱の集合体の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、アモルファスシリコンからなるグレインを粒状体として形成することを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  11. 請求項4〜10のいずれか1つに記載の半導体微細柱の集合体の製造方法において、
    上記第1点状マスクの形成工程の後に、上記粒状体を少なくとも1回アニールして、被着体との界面の面積を縮小させる工程を含むことを特徴とする半導体微細柱の集合体の製造方法。
  12. 半導体基板の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に多数の微小な点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、
    上記第1点状マスクを用いて、上記半導体基板を表面から所定深さまでエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ半導体微細柱の集合体を形成する工程と、
    上記第1点状マスクを除去する工程と、
    上記各半導体微細柱の先端上に、各半導体微細柱と電気的に接続する上部電極を形成する工程とを備え、
    上記第1第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 半導体基板の上に、絶縁膜を堆積する工程と、
    上記絶縁膜の上に、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状領域を覆う第1点状マスクを形成する工程と、
    上記第1点状マスクを用いて、上記絶縁膜をパターニングし、径方向の寸法が上記半導体の量子サイズ効果を生じる寸法に対応する程度に微小な多数の点状絶縁膜からなる第2点状マスクを形成する工程と、
    上記第2点状マスクを用いて半導体基板をエッチングして、軸方向が互いにほぼ平行となるように並ぶ多数の半導体微細柱の集合体を形成する工程と、
    少なくとも上記第1点状マスクを除去する工程と、
    上記各半導体微細柱の先端上に、各半導体微細柱と電気的に接続する上部電極を形成する工程とを備え、
    上記第1第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレインを粒状体として形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項12又は13記載の半導体装置の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、半導体物質のグレイン成長の核となる金属の種を粒状体として形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項12又は13記載の半導体装置の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、金属の種を形成し、この核の周囲に半導体物質のグレインを粒状体として成長させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項12又は13記載の半導体装置の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、<311>配向をもつシリコン結晶からなるグレインを粒状体として形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 請求項12又は13記載の半導体装置の製造方法において、
    上記第1点状マスクを形成する工程では、アモルファスシリコンからなるグレインを粒状体として形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項12〜17のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記第1点状マスクの形成工程の後に、上記グレインを少なくとも1回アニールして、被着体との界面の面積を縮小させる工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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