JP3677744B2 - 無黄変リサイクル樹脂成形物および無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装または印刷が施された熱可塑性樹脂成形物のリサイクルにおいて、該熱可塑性樹脂成形物に形成される塗膜を分離・剥離することなく一体的にリサイクルした熱可塑性樹脂成形物、および該熱可塑性樹脂成形物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂成形物表面には塗料、インキ(インク)等の塗布材が塗布される場合がある。
該塗布材のビヒクルである樹脂が該成形物の樹脂と相溶性がない場合、塗膜を剥離することなくリサイクルすると粉砕溶融成形過程で塗布材の樹脂が相分離を起し、リサイクルされた樹脂からなる成形物(リサイクル樹脂成形物)の強度は低下する。
更に塗布材のビヒクルに塗装作業性や顔料分散性、乾燥性等を改良するためにニトロセルロースや低分子の塩化ビニル樹脂を添加することが行われているが、これらの添加剤は熱安定性に乏しく、塗膜を剥離することなくリサイクルすると粉砕、溶融成形過程では黄変し、リサイクル樹脂成形物の色調を劣化させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
塗料やインキが塗布された熱可塑性樹脂成形物をリサイクルする場合は、塗料やインキの塗膜を剥離する必要があるが、該塗膜を剥離するには溶剤による除去、研削等の作業が必要であるが、これらの作業は非常に手間がかかり円滑なリサイクルの妨げとなっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、被塗装熱可塑性樹脂成形物の熱可塑性樹脂と相溶性を有するスチレン変性アクリル樹脂と無黄変繊維素誘導体とをビヒクルとするリサイクル用塗布材によって塗装された上記熱可塑性樹脂成形物を、塗膜を剥離することなく粉砕し、加熱溶融成形しても黄変しないリサイクル樹脂成形物を提供する。
【0005】
上記リサイクル用塗布材において、該無黄変繊維誘導体とは、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテート、アセチルセルロース、ベンジルセルロース、セルロース、セルロースアセテートブチレートである。
該セルロースアセテートブチレートの粘度は、0.1〜0.55秒の範囲内であり、アセチル基含有量は、0〜15.0%の範囲内であり、ブチリル基含有量は30.0〜55.0%の範囲内であることが望ましい。
また該酢酸セルロースは二酢酸セルロースであり、酢化度が50〜60%であることが望ましい。
該エチルセルロースのエトキシ基含有量が45〜50%の範囲内であることが望ましく、該メチルセルロースのメトキシ基含有量が19〜31.5%の範囲内であることが望ましい。
該ヒドロキシプロピルメチルセルロースのヒドロキシプロポキシ基含有量が4〜12%の範囲内であることが望ましく、該ヒドロキシエチルメチルセルロースは、ヒドロキシエトキシ基含有量が4〜12%の範囲内であることが望ましい。
上記リサイクル用塗布材とは、例えば、塗料でありまたはインキである。
【0006】
また本発明は上記課題を解決するために、表面に上記リサイクル用塗布材が塗布された熱可塑性樹脂成形物を、塗膜を剥離することなくリサイクルしても黄変しないリサイクル樹脂成形物の製造方法を提供するものである。
例えば、上記熱可塑性樹脂成形物には該成形物の熱可塑性樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂とセルロースアセテートブチレートとをビヒクルとする塗布材によって塗装された前記熱可塑性樹脂成形物を、塗膜を剥離することなく粉砕し、加熱溶融成形する。
また、前記加熱溶融成形において、該熱可塑性樹脂成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するゴム状物質がリサイクル改良剤として添加されていてもよく、更に該熱可塑性樹脂成形物および該付属部材の熱可塑性樹脂には、該熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するゴム状物質がリサイクル改良剤として添加されていてもよい。該リサイクル改良剤は、オレフィン系ゴムグラフト重合体および/またはアクリル系ゴムグラフト重合体であることが好ましい。
【0007】
【作用】
熱可塑性樹脂成形物を該可塑性樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂をビヒクルとする塗布材で塗装すれば、その廃品は塗膜を剥離することなく粉砕し所望なればペレット化して成形材料として使用出来る。該塗布材には無黄変繊維素誘導体が添加されているからリサイクルしても黄変せず、リサイクル成形品の色彩を損なわない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
〔熱可塑性樹脂〕
本発明において、成形物の材料として使用する熱可塑性樹脂としては、一般的に成形に用いられている熱可塑性樹脂であれば種類を問わない。該熱可塑性樹脂を例示すれば、スチレン系単量体を重合せしめてなるポリスチレン系樹脂、例えばポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ニトリル系単量体、スチレン系単量体との共重合体であるスチレン系樹脂、例えば、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ニトリル系単量体・スチレン系単量体・ブタジエン系ゴムからなる樹脂、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のエンジニアリングプラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、塩化ビニル(PVC)等のビニル系樹脂等、あるいは上記熱可塑性樹脂の二種以上の混合物である。
なお、本発明の成形物の材料として特に有用であるのは、ポリスチレン系樹脂、ニトリル系単量体・スチレン系単量体との共重合体、PPE、ABS、AAS(ASA)、AES、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、あるいはABSおよび/またはHIPSを含むPPE、PP、ABSおよび/またはHIPSとPC、PA、PBT、PSF、PEI等の混合物、ポリマーブレンド、またはポリマーアロイである。
以下に上記熱可塑性樹脂のいくつかについて詳細な説明を行う。
【0009】
(A:スチレン系樹脂)
本発明の対象とするスチレン系樹脂とは、重合体中にスチレン系単量体を少なくとも25重量%以上含有する樹脂であり、スチレン系単量体の単独重合体または該スチレン系単量体の二種以上の共重合体、該スチレン系単量体と該スチレン系単量体と共重合可能な他の単量体の一種または二種以上との共重合体、上記ジエン系ゴムに上記スチレン系単量体の単独もしくは二種以上をグラフト重合せしめたグラフト共重合体、上記スチレン系樹脂と上記ジエン系ゴムとのミクロブレンドあるいはポリマーブレンド等が包含される。
【0010】
上記スチレン系樹脂の代表的なものとしては、スチレン単独重合体であるポリスチレン(PS)、上記ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴムにスチレンをグラフト重合したゴム状重合体とポリスチレンとのブレンドポリマーである耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・α―メチルスチレン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、スチレン・エチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、ジエン系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト共重合したグラフト共重合体にアクリロニトリル・スチレン共重合体をブレンドしたABS樹脂、塩素化ポリエチレンとアクリロニトリル・スチレン共重合体との混合樹脂であるACS、オレフィン系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト重合したオレフィン系ゴム含有のアクリロニトリルとスチレンとの3元共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体との混合樹脂であるAES、アクリル系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト重合したアクリル系ゴム含有のアクリロニトリルとスチレンとの3元共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体との混合樹脂であるAAS、アクリロニトリル・ジメチルシロキサン・スチレン共重合体とアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂との混合樹脂であるASiS、オレフィン系ゴムにスチレンをグラフト重合したオレフィン系ゴム含有のスチレン共重合体とスチレン重合体との混合樹脂、アクリル系ゴムにスチレンをグラフト重合したアクリル系ゴム含有のスチレン共重合体とスチレン重合体との混合樹脂等がある。
【0011】
(B:ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂)
本発明が対象とするPPE系樹脂の代表的なものとしては、2,6−キシレノールを銅触媒で酸化重合して得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)があるが、さらに2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルと2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテルとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等がある。また上記PPE系樹脂にスチレン系樹脂および/またはアミド系樹脂等で変性したものも本発明のPPE系樹脂に含まれる。
【0012】
(C:ポリカーボネート樹脂(PC樹脂))
本発明においてPC樹脂は成形(型)用熱可塑性樹脂として単独に使用されることもできるが、主として上記スチレン系樹脂やPPE系樹脂等と混合してポリマーアロイ・ポリマーブレンドとする材料として使用される。
上記PC樹脂(芳香族PC樹脂)としては、芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されたポリ炭酸エステルであれば特に制限はない。
【0013】
上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールAともいう)、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロムルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニル等を使用することができるが、通常はビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系ジヒドロキシ化合物が選択され、特にビスフェノールA、またはビスフェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物との組み合わせが好ましい。
【0014】
(D:ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂とは、α−オレフィンの一種または二種以上をラジカル開始剤、金属酸化物系触媒、チーグラー・ナッタ触媒、カミンスキー触媒等を使用して重合することによって得られる樹脂であり、上記樹脂は二種以上混合されてもよい。
上記α−オレフィンはα位に重合性の二重結合を有する直鎖状・分岐状あるいは環状オレフィンであって、通常炭素数2〜8のものが選ばれる。
上記α−オレフィンの具体例としてはエチレンおよびプロピレンがある。
本発明の対象であるポリオレフィン系樹脂には、α−オレフィンと共重合可能な他の単量体が共重合されてもよい。
【0015】
他の単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド等のα−β不飽和有機酸またはその誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシランがあり、さらに1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−4−メチル−1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン(4−エチリデン−2−ノンボルネン)等の非共役ジエンを少量共重合させてもよい。
【0016】
上記ポリオレフィン系樹脂として代表的なものは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等である。
【0017】
上記ポリオレフィン系樹脂は、単独または二種以上の混合物の状態で成形材料として使用されるが、さらに上記スチレン系樹脂、例えばPS、HIPS、AS、ABS樹脂、PPE系樹脂等の他の熱可塑性樹脂と混合されてもよい。
【0018】
(E:ポリマーブレンド、ポリマーアロイ)
以上、本発明の成形物に使用される熱可塑性樹脂(成形用熱可塑性樹脂)の代表的なものについて詳細な説明をおこなったが、上記熱可塑性樹脂は二種以上を混合してポリマーブレンドあるいはポリマーアロイとされてもよい。
【0019】
上記ポリマーブレンドあるいはポリマーアロイはたとえば押出成形機におけるスクリュー混練等によって製造される。
さらに上記成形用熱可塑性樹脂には、耐衝撃性を改良するために、前記ジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、アクリル系ゴム等例えば、NR、BR、SBR、STR、IR、CR、CBR、IBR、IBBR、IIR、アクリルゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロブチルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素系ゴム等のゴム類やエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩化ビニル等で代表されるビニル系樹脂、ポリノルボリネン等の他の熱可塑性樹脂が混合されてもよい。
【0020】
さらに上記熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改良するためには、熱可塑性エラストマー(TPE)を添加してもよい。該熱可塑性エラストマーとは常温で加硫ゴムの性質を有するが熱可塑性で熱成形可能なものであり、ハードセグメントとソフトセグメントとによって構成されるものである。
該TPEとしては、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ビニル系エラストマー、エステル系エラストマー等がある。
【0021】
〔成形物〕
本発明の成形物は上記熱可塑性樹脂を材料として射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形、押出成形等、種々の成形方法によって製造され、容器状、箱状、トレイ状、シート状等、種々の形状を有してもよい。
【0022】
〔付属部材〕
付属部材は上記成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂を材料として該成形物と同様な成形方法で製造される。付属部材は例えば該成形物に接着される把手、脚、シールやラベルの類、フレーム等である。
該成形物の熱可塑性樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂とは、加熱混合溶融しても該成形物の熱可塑性樹脂と相分離を起さないような熱可塑性樹脂を言う。
【0023】
付属部材に使用される熱可塑性樹脂としては、一般的には上記成形物の熱可塑性樹脂として例示される熱可塑性樹脂が使用される。
【0024】
例えば、上記成形物の熱可塑性樹脂が、HIPS(あるいはPS)である場合、付属部材の熱可塑性樹脂としては、成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するHIPS、PS等が使用される。
【0025】
成形物の熱可塑性樹脂が、ABS(あるいはAS)である場合、付属部材の熱可塑性樹脂としては、成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するABS、AS、AES、AAS、ACS、ASiS等が使用される。
【0026】
成形物の熱可塑性樹脂が、PPE(あるいは変性PPE)である場合、付属部材の熱可塑性樹脂としては、成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するPPE、変性PPE、PS、HIPS等が使用される。
【0027】
成形物の熱可塑性樹脂が、PC/ABSの混合物(ポリマーアロイ、ポリマーブレンドを含む。以下、PC/ABSの混合物等)である場合、付属部材の熱可塑性樹脂としては、成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するPC/ABSの混合物等、AS、AES、AAS、ACS、ASiS等が使用される。
【0028】
〔塗布材〕
本発明において使用される塗布材は塗料、インキ等の成形物表面に塗布されるものであって、該成形物の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂をビヒクルとする。
【0029】
即ち上記ビヒクルとしての熱可塑性樹脂は該成形物の熱可塑性樹脂と溶融混合した場合に相分離を起さないような樹脂である。このうよな樹脂としては例えばスチレン系樹脂、PPE樹脂、PC樹脂を材料とする成形物に対してはスチレン系樹脂、スチレン変性アクリル樹脂等がある。
【0030】
上記ビヒクルとしての熱可塑性樹脂には、塗装作業性、顔料分散性、乾燥性等を改良するために繊維素誘導体が添加されるが、該繊維素誘導体としては無黄変のものを選択する。このような繊維素誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテート、アセチルセルロース、ベンジルセルロース、セルロース、セルロースアセテートブチレート等がある。
【0031】
上記セルロースアセテートブチレートの粘度は、0.1〜0.55秒の範囲内であることが望ましい。
粘度が上記範囲にあるセルロースアセテートブチレートは、溶剤に対する溶解性が最も良く、塗布材の調整および塗布材の塗装作業性において最も適しており、また該塗布材中の顔料等の分散性も良い。
【0032】
上記セルロースアセテートブチレートのアセチル基含有量は、0〜15.0%の範囲内であることが望ましい。
該セルロースアセテートブチレートのアセチル基含有量が多い程、該セルロースアセテートブチレートを含む塗布材より得られる塗膜の耐グリース性、引っ張り強度、固さ、融点、比重が高くなるという利点がある。一方、アセチル基含有量が15.0%を越えると、通常、塗膜に対して要求される性能が損なわれる。
従って該セルロースアセテートブチレートのアセチル基含有量は0〜15.0%の範囲内であることが望ましい。
【0033】
上記セルロースアセテートブチレートのブチリル基含有量は30.0〜55.0%の範囲内であることが望ましい。
セルロースアセテートブチレートのブチリル基含有量が上記範囲内にあると、該セルロースアセテートブチレートの溶剤に対する溶解性、相溶性、耐希釈性および該セルロースアセテートブチレートを含む塗布材より得られる塗膜の柔軟性、耐水性等が良くなる。
【0034】
上記酢酸セルロースは二酢酸セルロースであり、酢化度が50〜60%の範囲内であることが望ましく、更に54〜56%の範囲内であることが望ましい。
上記範囲内にある酢酸セルロース(二酢酸セルロース)は、エステル系、ケトン系、ハロゲン化炭化水素系等の溶剤に対する溶解性が最も良く、塗布材の調整および塗布材の塗装作業性において最も適しており、また該塗布材中の顔料等の分散性も良い。
なお酢酸セルロース(二酢酸セルロース)の酢化度が60%を越えると、該酢酸セルロース(二酢酸セルロース)を含む塗布材より得られる塗膜は、塗膜として通常要求される性能を有しなくなり、酢化度が50%よりも小さいと溶剤に対する溶解性の劣るものとなる。
【0035】
上記エチルセルロースのエトキシ基含有量が45〜50%の範囲内であることが望ましい。
エトキシ基含有量が45〜50%の範囲内にあるエチルセルロースは、塗料用、印刷インキ用等の塗布材に使用される樹脂との相溶性が最も良くなる。
【0036】
上記塗布材は、クリアラッカーであってもよいが、着色を目的とする場合には例えば、チタン白、ベンガラ、コバルトブルー、カーボンブラック等の顔料、分散染料、カチオン染料、塩基性染料、酸性染料、金属錯塩染料、反応染料、直接染料、硫化染料、建染染料、アイゾック染料、複合染料等の染料が添加される。
【0037】
更に上記塗布材にはジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、顔料あるいは染料の分散剤等が添加されてもよい。
【0038】
特にスチレン系樹脂、PPE樹脂、PC樹脂に使用される塗布材のビヒクルとしてはスチレン変性アクリル樹脂を使用することが望ましい。
【0039】
上記スチレン変性アクリル樹脂とは、スチレンとアクリルエステルからなる共重合体である。該アクリルエステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のアクリレートが例示され、またメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタクリレートが使用されてもよい。
【0040】
なお上記スチレン変性アクリル樹脂は、成形物等の熱可塑性樹脂との相溶性を損なわない程度において、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪族ビニル、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等のジエン類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アトロパ酸、シトラコン酸等のα、β−不飽和カルボン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアルコール等の水酸基含有単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩等の加水分解性シリル基含有ビニル単量体等の単量体が、共重合されてもよい。
【0041】
なお上記単量体は単独で、または二種以上組合せて使用されてもよい。
該スチレン変性アクリル樹脂からなる塗料等は、上記スチレン系樹脂(HIPS、PS、ABS、AS)、PPE(変性PPE)、PC/ABSの混合物等、等からなるいずれの成形物等の塗装においても使用可能であり、また付着性、耐候性、作業性も良好であり特に有用な塗料等であるといえる。
【0042】
上記塗料等を使用して上記成形物および付属成形物を塗装する方法としては、公知の塗装方法の何れでも可能であり、一般的にはエアースプレー塗装が用いられる。
【0043】
上記塗布材である塗料あるいはインキにより塗装あるいは印刷によって塗布した成形物は、上記塗布材の樹脂が該成形物の樹脂と相溶性を有する樹脂から構成されるのでこのような成形物をリサイクルする場合には、塗膜等を成形物から分離する必要がない。従って本発明の塗布材を塗布した樹脂成形物はリサイクル性の優れた樹脂成形物であると言える。
【0044】
本発明で使用される接着剤は、上記成形物と上記付属部材とを接合するために使用される。
【0045】
〔接着剤〕
本発明の接着剤は、上記成形物、付属部材双方の熱可塑性樹脂および上記塗布材のビヒクルとしての熱可塑性樹脂に対する相溶性を有する熱可塑性樹脂を、有機溶剤に溶解させて、有機溶剤溶液として調製される。
なお接着剤に使用される熱可塑性樹脂において、成形物等の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂とは、成形物等の熱可塑性樹脂と加熱溶融しても相分離を起こさないような熱可塑性樹脂を言う。
【0046】
なお上記接着剤に使用される熱可塑性樹脂としては、一般的には上記成形物(および付属部材)の熱可塑性樹脂として例示される熱可塑性樹脂が使用されるが、特に、数平均分子量が100,000以下、望ましくは50,000以下、更に好ましくは20,000以下である熱可塑性樹脂が使用される。そのような数平均分子量の熱可塑性樹脂を使用した接着剤は、粘度が低く、従って塗布作業時糸ひきが起こらず、塗布性が良好である。
【0047】
上記有機溶剤は、上記接着剤に使用される熱可塑性樹脂と同時に成形物や付属部材の熱可塑性樹脂を溶解させるものが選択される。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンのようなケトン系有機溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の鎖状または環状炭化水素系有機溶剤、セロソルブアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール系有機溶剤等が例示される。これらの有機溶剤は単独でまたは二種以上組合せて使用される。
【0048】
〔溶接棒〕
本発明で使用される溶接棒は、上記成形物と上記付属部材とを接合するために使用される。
本発明の接着剤は、上記成形物、付属部材双方の熱可塑性樹脂および上記塗布材のビヒクルとしての熱可塑性樹脂に対する相溶性を有する熱可塑性樹脂を、有機溶剤に溶解させて、有機溶剤溶液として調製される。
なお接着剤に使用される熱可塑性樹脂において、成形物等の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂とは、成形物等の熱可塑性樹脂と加熱溶融しても相分離を起こさないような熱可塑性樹脂を言う。
【0049】
なお上記溶接棒に使用される熱可塑性樹脂としては、一般的には上記成形物(および付属部材)の熱可塑性樹脂として例示される熱可塑性樹脂が使用される。
【0050】
上記溶接棒は、例えば、押出機を使用し熱可塑性樹脂を円柱状、角柱状等の簿棒状に成形して製造される。
【0051】
上記溶接棒を使用して上記成形物および付属部材を接合する方法としては、該溶接棒を温風器等で加熱し、溶融させて該成形物および該付属部材の溶接面(接着面)に溶融した溶接棒を付着させて該成形物および該付属部材を溶接(接着)する。
なお成形物に付着した溶融状態にある溶接棒を、ヘラ等で押圧して溶接性(接着性)を向上せしめてもよい。
なお溶接に際し、予め溶接される成形物および付属部材を加熱しておくことが溶接性(接着性)を向上させる上で、望ましい。
【0052】
〔リサイクル方法〕
上記成形物をリサイクルして、新たな樹脂成形物を製造する方法としては、該成形物の塗膜等を分離・剥離することなく、そのまま粉砕して粉砕物とし、該粉砕物を加熱溶融成形等して成形物を製造する方法がある。
また上記粉砕物を加熱溶融してペレットを成形し、該ペレットを加熱溶融成形して成形物の製造を行って、上記成形物のリサイクルを行ってもよい。
また更に、上記加熱溶融過程において、成形物を構成する熱可塑性樹脂と相溶性を有するゴム状物質をリサイクル改良剤として添加して、新たな成形物を製造し、上記成形物のリサイクルを行ってもよい。
【0053】
〔リサイクル改良剤〕
上記リサイクル改良剤として使用されるゴム状物質は、幹部分がジエン系ゴム、オレフィン系ゴムまたはアクリル系ゴムであり、上記成形物、付属部材、接着剤、溶接棒および塗布材のビヒクルとして使用される熱可塑性樹脂と相溶性を有するグラフト鎖を有するグラフトゴムである。
即ち本発明において使用されるリサイクル改良剤としてのゴム状物質とは、ジエン系ゴムグラフト重合体、オレフィン系ゴムグラフト重合体およびアクリル系ゴムグラフト重合体である。特に熱安定性に優れているオレフィン系ゴムグラフト重合体およびアクリル系ゴムグラフト重合体が好ましい。
以下、各ゴム状物質について説明する。
【0054】
(A:オレフィン系ゴムグラフト重合体)
本発明のリサイクル改良剤に使用されるオレフィン系ゴムはα−オレフィンの一種または二種以上の重合体、あるいは該α−オレフィンの一種または二種以上と共重合可能な他の単量体の一種または二種以上との共重合体であり、特にエチレンと他のα−オレフィンの一種または二種以上との共重合体あるいはさらにそれらと共重合可能な他の単量体、特に非共役ジエン化合物との共重合体である。
上記エチレン−α−オレフィン系共重合体において、エチレンと共重合される単量体として使用されるα−オレフィンとは、炭素数が3〜12のα−オレフィンがあり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、4メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等がある。
【0055】
該非共役ジエン化合物としては、たとえばジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、4,7,8,9−テトラヒドロ−インデン、およびイソプロピリデンテトラヒドロ−インデン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトルエン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、2,2' −ジシクロペンテニル、トランス−1,2−ジビニルシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,4ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−1,8−ノナジエン等がある。
【0056】
これら非共役ジエン化合物の中で好ましいものは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、および/またはジシクロペンタジエン(DCP)、さらに好ましくはジシクロペンタジエンがある。5−エチリデン−2−ノルボルネンを用いたオレフィン系ゴムグラフト重合体とAS、またはPSとの混合樹脂は成形物の外観が良好になる。またオレフィン系ゴムグラフト重合体において、その主成分をなすゴムとしてEPMよりもEPDMを用いた方が成形用熱可塑性樹脂の衝撃強度を高くすることができる。
【0057】
本発明に使用されるオレフィン系ゴムグラフト重合体のおけるエチレン−α−オレフィン、および必要に応じて使用される非共役ジエン化合物の使用割合は、モル分率で好ましくは、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエン化合物=0.2〜1.0/0.2〜0.8/0〜0.2、さらに好ましくは、0.5〜0.9/0.25〜0.75/0〜0.1であり、エチレン/プロピレンのモル比は60/40以上、望ましくは65/35以上即ち、得られる樹脂成形物の機械的性質(耐衝撃性等)の再生性(以下、再生性)の点からみれば、エチレンリッチなエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)あるいはエチレン・プロピレン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EPDM)を使用することが望ましい。
【0058】
また本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体のムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、再生性の点からみて好ましくは5〜150、さらに好ましくは、10〜120、最適値は20〜80である。
【0059】
上記オレフィン系ゴムの代表的なものは、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン共重合ゴム(EBM)、エチレン・ブテン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EBDM)である。該EBDMに使用される非共役ジエン化合物は上述したEPDMの場合と同じである。
【0060】
上記オレフィン系ゴムには対象である熱可塑性樹脂に相溶性を付与するためにスチレン系単量体やニトリル系単量体がグラフト重合せしめられる。
上記オレフィン系ゴムにグラフト重合させるスチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−アルキルモノビニリデン芳香族単量体(たとえばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−メチルジアルキルスチレン等)、環置換アルキルスチレン(たとえばo、m、またはp−ビニルトルエン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−第三級ブチルスチレン等)、環置換ハロスチレン(たとえばo−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−プロモスチレン、2,4−ジクロスチレン等)、環−アルキル,環ハロ−置換スチレン(たとえば2−クロロ−4−メチルスチレン、2,6−ジクロロスチレン等)ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のスチレン系単量体の一種、またはこれらの混合物が用いられる。
【0061】
また一般にアルキル置換基は1〜4個の炭素原子を有し、直鎖および分岐アルキル基の両方が含まれる。
【0062】
上記オレフィン系ゴムにグラフト重合させるニトリル系単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリルおよびこれらの混合物があげられる。
【0063】
上記スチレン系単量体およびニトリル系単量体以外に他の単量体を共重合させてもよい。上記他の単量体(第3成分)とは上記スチレン系単量体、ニトリル系単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定しないが、一般にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類や、N−フェニルマレイミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、(p−ブロモフェニル)マレイミドメタクリレート、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン酸、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類等があげられる。
【0064】
(メタ)アクリレート類としては炭素数1〜4のアルキルエステル、特にメタクリレートが望ましい。
【0065】
上記オレフィン系ゴムに上記単量体をグラフト重合させるには、一般に上記オレフィン系ゴム存在下に上記単量体を前記した油溶性あるいは水溶性開始剤および/または紫外線、電子線等の高エネルギー線によって重合させる重合方式が使用され、該重合方式としては塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の一般的方法が適用される。グラフト重合によって得られるグラフトオレフィン系ゴムは、オレフィン系ゴムを幹とし上記単量体の重合鎖を枝とする狭義のグラフト重合体を主成分とし、場合によって該狭義のグラフト重合体にオレフィン系ゴムおよび/または上記単量体から成る重合体がミクロブレンドされているものである。
【0066】
以下、上記リサイクル方法においてリサイクル改良剤として使用される、各熱可塑性樹脂に適するオレフィン系ゴムのグラフト重合体について説明する。
(1)スチレン系樹脂用グラフト重合体
スチレン系樹脂、特にPS(あるいはHIPS)に対しては、スチレンおよび/またはスチレンと類似な単量体として前記〔スチレン系樹脂〕の項に例示されている他のスチレン系単量体の一種または二種以上をグラフト重合したオレフィン系グラフト重合体(オレフィン系ゴム含有のスチレンおよび/またはスチレンと類似な単量体とのグラフト共重合体で、以下スチレングラフトオレフィン系グラフト重合体という)が使用される。
該スチレングラフトオレフィン系グラフト重合体は前記スチレン系樹脂、特にPSと略同一なソルビリティーパラメーターを有するスチレン系単量体の重合鎖を枝としているので、PSに対して良好な相溶性を示す。
【0067】
スチレン系樹脂、特にAS(あるいはABS)に対しては、スチレン(スチレン化ビニル)および/または他のスチレン系単量体の一種または二種以上と、アクリロニトリル(シアン化ビニル)および/または他のニトリル系単量体の一種または二種以上をグラフト重合したオレフィン系グラフト重合体(オレフィン系ゴム含有のスチレンおよび/または他のスチレン系単量体、またはスチレンと類似な単量体と、アクリロニトリルおよび/または他のニトリル系単量体とのグラフト共重合体で、以下スチレンニトリルグラフトオレフィン系グラフト重合体という)が使用される。
上記単量体以外にオレフィン系ゴムには上記単量体と共重合可能な他の単量体がグラフト共重合されてもよい。このような単量体は〔スチレン系樹脂〕の項において例示されている。
上記スチレンニトリルグラフトオレフィン系グラフト重合体は前記スチレン系樹脂、特にAS(あるいはABS)と略同一なソルビリティーパラメーターを有するスチレン・ニトリル共重合鎖を枝としているので、AS(あるいはABS)に対して良好な相溶性を示す。
【0068】
上記オレフィン系ゴムグラフト重合体においては、オレフィン系ゴムとして単独または二種以上の混合ゴムが用いられてもよい。また該オレフィン系ゴムの含有量が10〜80重量%、望ましくは15〜75重量%、グラフトに使用されている単量体の含有量(グラフト率)が合計90〜20重量%、望ましくは55〜25重量%であり、スチレンニトリルグラフトオレフィン系ゴムグラフト重合体の場合にはスチレン系単量体が5〜95重量%、ニトリル系単量体が95〜5重量%の範囲が望ましい。この範囲で上記オレフィン系ゴムグラフト重合体の熱可塑性樹脂に対する相溶性と、該熱可塑性樹脂に対する再生性の向上効果、即ちリサイクルの際の耐衝撃性の低下防止効果とがバランスする。
【0069】
また上記オレフィン系ゴムグラフト重合体の粒子径は分子レベルで混ざり合うレベルから5.0μmの範囲が望ましく、さらに0.001〜2.0μmの範囲が望ましい。この粒子径範囲で該オレフィン系ゴムグラフト重合体の再生性を改良する効果は特に大きくなる。ゴム粒径が異なるオレフィン系ゴムグラフト重合体を数種類使用することはさらに物性の向上させるので、該オレフィン系ゴムグラフト重合体の添加量を少なくすることができる。
【0070】
さらに上記オレフィン系ゴムグラフト重合体は、分子量の尺度であるトルエン可溶分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、トルエン溶液、30℃測定)が0.30〜1.00g/dlの範囲にあることが望ましく、0.50〜0.80g/dlの範囲にあることがさらに望ましい。
【0071】
上記オレフィン系ゴムグラフト重合体の具体例を示せば、PSあるいはHIPS用としてEPMおよび/またはEPDMにスチレン系単量体をグラフト重合したスチレングラフトEPMおよび/またはEPDM(St−g−EPM,St−g−EPDM,St−g−EPM・EPDM)、ASあるいはABS用としてEPMおよび/またはEPDMにニトリル系単量体とスチレン系単量体とをグラフト共重合したアクリロニトリル・スチレングラフトEPMおよび/またはEPDM(AnSt−g−EPM、AnSt−g−EPDM、AnSt−g−EPM・EPDM)、PS用としてエチレン・ブテンゴム(EBM)および/またはエチレン・ブテン・ジエン三元共重合体(EBDM)にスチレン系単量体をグラフト重合したスチレングラフトEBMおよび/またはEBDM(St−g−EBM,St−g−EBDM,St−g−EBM・EBDM)、ASあるいはABS用としてEBMおよび/またはEBDMにニトリル系単量体例えばアクリロニトリルとスチレン系単量体例えばスチレンとをグラフト共重合したアクリロニトリル・スチレングラフトEBMおよび/またはEBDM(AnSt−g−EBM、AnSt−g−EBDM、AnSt−g−EBM・EBDM)がある。
本発明では、ASとAnSt−g−EPMの混合樹脂をEPM−AS、ASとAnSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPDM−AS、ASとAnSt−g−EPMおよびAnSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−ASとも、PSとSt−g−EPMの混合樹脂をEPM−PS、PSとSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPDM−PSと、PSとSt−g−EPMおよびSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−PSとも称する。
またアクリル系ゴムとニトリル系単量体例えばアクリロニトリルとスチレン系単量体のグラフトゴム(AnSt−g−アクリル系ゴム)とASとの混合樹脂をアクリル−AS、アクリル系ゴムとスチレン系単量体のグラフトゴム(St−g−アクリル系ゴム)とASとの混合樹脂をアクリル−PSとも称する。
【0072】
(2)PPE系樹脂用グラフト重合体
PPEは前記したようにフェニル基を有する構成ユニットからなり、したがってグラフト重合体としては上記St−g−EPM,St−g−EPDM,St−g−EPM・EPDM,St−g−EBM,St−g−EBDM,St−g−EBM・EBDMのようなスチレングラフトオレフィン系ゴムグラフト重合体が選択されることが望ましい。該オレフィン系ゴムグラフト重合体はPPEと近似したソルビリティーパラメーターを有するスチレン重合鎖を枝として有し、PPE系樹脂と良好な相溶性を有するので、該オレフィン系ゴムグラフト重合体はPPE系樹脂に分離を起こすことなく安定に混合され、該PPE系樹脂の再生性を改良する。
本発明では、PPEとオレフィン系ゴムグラフト重合体St−g−EPMの混合樹脂をEPM−PPE、St−g−EPDMとの混合樹脂をEPDM−PPEと、St−g−EPMおよびSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−PPE、PSとEPM−PPEとの混合樹脂EPM−PS−PPEと、EPDM−PPEとの混合樹脂をEPDM−PS−PPEと、St−g−EPMおよびSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−PS−PPEとも称する。
またPPEとアクリル系ゴムグラフト重合体St−g−アクリル系ゴムの混合樹脂をアクリル−PPE、PSとアクリル−PPEとの混合樹脂アクリル−PS−PPEとも称する。
【0073】
(3)オレフィン系樹脂用グラフト重合体
ポリエチレン,ポリプロビレン等のポリオレフィン系樹脂に対しては、オレフィン系ゴムはポリオレフィン系樹脂と同一または類似の単量体が共重合されているので前記ポリオレフィン系樹脂、特にPPと略同一なソルビリティーパラメーターを有しているので、良好な相溶性を示すのでそのままでリサイクル改良剤として使用され得る。
オレフィン系樹脂のリサイクル改良剤としてのエチレン−α−オレフィン、および必要に応じて使用される非共役ジエン化合物の使用割合は、モル分率で好ましくは、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエン化合物=0.2〜1.0/0.2〜0.8/0〜0.2、さらに好ましくは、0.5〜0.9/0.25〜0.75/0〜0.1であり、エチレン/プロピレンのモル比は60/40以上、望ましくは65/35以上即ち、得られる樹脂成形物の機械的性質(耐衝撃性等)の再生性(以下、再生性)の点からみれば、エチレンリッチなエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)あるいはエチレン・プロピレン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EPDM)を使用することが望ましい。
【0074】
また本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体のムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、再生性の点からみて好ましくは5〜150、さらに好ましくは、10〜120、最適値は20〜80である。
【0075】
また、St−g−EPM、St−g−EPDM、AnSt−g−EPM、AnSt−g−EPDM等のオレフィン系ゴムグラフト重合体もポリオレフィン系樹脂に対して良好な相溶性を有し、ポリオレフィン系樹脂に機械的物性を付与させるとともにリサイクル改良剤として使用することもできる。
【0076】
(B:アクリル系ゴムグラフト重合体)
本発明で使用されるアクリル系ゴムとは、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の望ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアクリレートの単独重合体、あるいは上記アクリレートの二種以上の共重合体、あるいは上記アクリレートの一種または二種以上とブタジエンあるいはEPDMに使用されているものと同様な非共役ジエン化合物、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、プロピレン等の他の単量体の一種または二種以上との共重合体、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の官能性単量体、あるいはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル- α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシッシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩等の重合性シランカップリング剤との共重合体である。
【0077】
汎用のアクリル系ゴムとしては、例えば若干の上記官能性単量体を共重合したポリエチルアクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート−アクリロニトリル共重合体、n−ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体、n−ブチルアクリレート−エチレン共重合体、n−ブチルアクリレート−γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン共重合体、n−ブチルアクリレート−ビニルトリメトキシシラン共重合体等であり、望ましいアクリル系ゴムとしてはn−ブチルアクリレート/ブタジエンのモル比が30/70以上であるn−ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体がある。
【0078】
上記アクリル系ゴムは通常サスペンション重合、エマルション重合等によって製造される。
上記アクリル系ゴムは上記オレフィン系ゴムと同様にしてスチレン系単量体あるいはスチレン系単量体とニトリル系単量体とがグラフト重合され、スチレン系樹脂、PPE系樹脂、PC系樹脂との相溶性を付与される。オレフィン系ゴムグラフト重合体と同様相溶性とリサイクルの際の耐衝撃性の低下防止効果とのバランスからみて、該アクリル系ゴムの含有量が10〜80重量%、望ましくは15〜75重量%、グラフトに使用されている単量体の含有量(グラフト率)が合計90〜20重量%、望ましくは55〜25重量%であり、スチレン・ニトリルグラフトアクリル系ゴムグラフト重合体の場合にはスチレン系単量体が5〜95重量%、ニトリル系単量体が95〜5重量%の範囲が望ましい。この範囲で上記アクリル系ゴムグラフト重合体の熱可塑性樹脂に対する相溶性と、該熱可塑性樹脂に対する再生性の向上効果、即ちリサイクルの際の耐衝撃性の低下防止効果とがバランスする。
【0079】
以下、本発明の塗布材(塗料)の耐熱試験について説明する。
なお本発明で使用される塗布材は以下に示される組成のみの塗布材に限定されない。
〔耐熱試験〕
スチレン:メチルメタクリレート:エチルアクリレート:アクリル酸(20:40:39:1重量比)からなる共重合体100重量部に、10重量部のセルロースアセテートブチレートを添加、混練することにより塗料Aを製造した。
また、上記塗料Aのセルロースアセテートブチレートに替えて、硝化度(N%)が11.5%のニトロセルロースを使用して塗料Bを製造した。
また更に上記塗料Aのセルロースアセテートブチレートに替えて酢酸ビニルを25%共重合させた塩化ビニルを使用して塗料Cを製造した。
【0080】
【表1】
上記塗料A、BおよびCを、ABSペレットおよびHIPSペレットに乾燥塗膜の含有量が2.5重量%となるようにそれぞれコーティングした。
塗料A〜Cが塗布されたそれぞれのペレットを、ABSペレットの場合は240℃の溶融樹脂温度で、HIPSペレットの場合は225℃の溶融樹脂温度で射出成形して、試験片を得た。
それぞれの試験片のバージン材との色差を比較した結果を表2に記した。
なお該色差は、色差計(CR−300(測定ヘッド)、DP−300(データプロセッサ)、ミノルタカメラ(株)製)を使用し、測定を行った。
【0081】
【表2】
注)バージン材の色をZEROとセットした。
【0082】
本発明の一実施例を以下に示す。但し、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
本発明の実施例1を図1に示す。図において(1)はキャビネットであり、該キャビネット(1)のキャビネット本体(2)には脚部(3)およびラベル(4)が接着されている(脚部(3)が溶接され、ラベル(4)が接着されている)。
該キャビネット本体(2)、脚部(3)、およびラベル(4)はABS樹脂を材料とし、接着剤と該キャビネット本体(2)に塗装される塗料、およびラベル(4)に印刷されるインキは下記の組成を有する。
(接着剤)
スチレン:メチルメタクリレート:エチルアクリレート:アクリル酸(20:40:39:1重量比)共重合体のメチルエチルケトン:キシロール(50:50)溶液(40重量%)。
(塗料)
上記接着剤に使用した共重合体溶液100重量部に更に10重量部のセルロースアセテートブチレートを添加し、更に40重量部の顔料を添加し混練することによって製造した。
(インキ)
上記塗料に、更に40重量部の染料を添加して製造した。
【0083】
上記シール(4)には上記インキを使用してリペレなる文字が印刷されているが、リペレの文字にはこの成形物は分離、分別されることなくそのまま粉砕、溶解してリサイクルすることが出来るという情報を担持している。
上記キャビネット本体(2)、脚部(3)およびラベル(4)からなるキャビネット(1)を粉砕し、ペレット化し、該ペレットのみからなるIzod衝撃強度の測定用の検体A、およびペレットおよび該ペレット95重量部に対して5重量部の割合で添加されるリサイクル改良剤(AnSt−g−EPDM)からなる検体Bを作成し、Izod衝撃強度測定(ASTM−D256)を行った。なお上記検体AおよびBと比較するためにバージン材(ABS樹脂)からなる検体Cを作成し、上記検体と同様にして試験を行った。試験結果は表3に示す。
なお、該リサイクル改良剤(AnSt−g−EPDM)はEPDMにアクリロニトリルおよびスチレンがグラフト重合されたグラフト状ゴム重合体であり、その第三成分はDCP、E/P/DCP(モル比)=65/25/10、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)は80、平均ゴム粒径1μm、An/EPDM/St=23/29/48(グラフト率71重量%)である。
【0084】
【表3】
【0085】
上記検体AおよびBのIzod衝撃強度(kg−cm/cm)は、検体Cの衝撃強度と比較(成形し、粉砕、ペレット化した場合)しても殆ど遜色が無いことがわかった。
また上記検体AおよびBには、塗布材に起因する黄変は見られなかった。
【0086】
〔実施例2〕
上記実施例1において示されるキャビネット本体(2)、脚部(3)、およびラベル(4)からなるキャビネット(1)を、HIPSを材料として製造し、さらに上記実施例1と同様に各検体A´、B´およびC´を作成しIzod衝撃強度測定(ASTM−D256)を行った。試験結果は表4に示す。
なお上記リサイクル改良剤(St−g−EPDM)は、EPDMにスチレンがグラフト重合されたグラフト状ゴム重合体であり、その第三成分はDCP、E/P/DCP(モル比)=65/25/10、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)は80、平均ゴム粒径1μm、EPDM/St=45/55である。
【0087】
【表4】
【0088】
上記検体A´およびB´のIzod衝撃強度(kg−cm/cm)は、検体C´の衝撃強度と比較(成形し、粉砕、ペレット化した場合)しても殆ど遜色が無いことがわかった。
また上記検体A´およびB´には、塗布材に起因する黄変は見られなかった。
【0089】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂成形物は、該熱可塑性樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂をビヒクルとする塗布材で塗装されているので、その廃品は塗膜を剥離することなくリサイクルすることが出来る。
また本発明の塗布材は、無黄変繊維素誘導体を使用しているのでリサイクル成形品の色彩は損なわれない。
【図面の簡単な説明】
図1は本実施例の一実施例を示すものである。
【図1】キャビネットの斜視図
【符号の説明】
1 キャビネット
2 キャビネット本体
3 脚部
4 シール
Claims (16)
- 被塗装熱可塑性樹脂成形物の熱可塑性樹脂と相溶性を有するスチレン変性アクリル樹脂とセルロースアセテートブチレートとをビヒクルとする塗布材によって塗装された上記熱可塑性樹脂成形物を、塗膜を剥離することなく粉砕して加熱溶融成形した無黄変リサイクル樹脂成形物
- 該セルロースアセテートブチレートの粘度は、0.1〜0.55秒の範囲内である請求項1に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 該セルロースアセテートブチレートのアセチル基含有量は、0〜15.0%の範囲内である請求項1または請求項2に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 該セルロースアセテートブチレートのブチリル基含有量は、30.0〜55.0%の範囲内である請求項1〜請求項3に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 該塗布材は、塗料である請求項1〜請求項4に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 該塗布材は、インキである請求項1〜請求項4に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 前記加熱溶融成形において、前記熱可塑性樹脂成形物の前記熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するゴム状物質がリサイクル改良剤として添加された請求項1〜請求項6に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 該リサイクル改良剤は、オレフィン系ゴムグラフト重合体および/またはアクリル系ゴムグラフト重合体である請求項7に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物
- 被塗装熱可塑性樹脂成形物の熱可塑性樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂とセルロースアセテートブチレートとをビヒクルとする塗布材によって塗装された前記熱可塑性樹脂成形物を、塗膜を剥離することなく粉砕し、加熱溶融成形した無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 該セルロースアセテートブチレートの粘度は、0.1〜0.55秒の範囲内である請求項9に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 該セルロースアセテートブチレートのアセチル基含有量は、0〜15.0%の範囲内である請求項9または請求項10に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 該セルロースアセテートブチレートのブチリル基含有量は、30.0〜55.0%の範囲内である請求項9〜請求項11に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 該塗布材は、塗料である請求項9〜請求項12に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 該塗布材は、インキである請求項9〜請求項12に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 前記加熱溶融成形において、前記熱可塑性樹脂成形物の前記熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するゴム状物質がリサイクル改良剤として添加されている請求項9〜請求項14に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
- 該リサイクル改良剤は、オレフィン系ゴムグラフト重合体および/またはアクリル系ゴムグラフト重合体である請求項15に記載の無黄変リサイクル樹脂成形物の製造方法
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