JP3676107B2 - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金属板と貼合せて絞り加工などの製缶加工をする際優れた成形加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、保味保香性、耐衝撃性などに優れた金属缶、例えば飲料缶、食品缶などを製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属缶には内外面の腐蝕防止として一般に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工等により製缶する方法の検討が進められている。
【0003】
この熱可塑性樹脂フィルムとしては、成形加工性、耐熱性、耐衝撃性、保味保香性などの点で、共重合ポリエステルフィルムが適していることが明らかになりつつある。しかしながら、このポリエステルフィルムは緑茶類など極めて微妙な味わいが重要な飲料、さらには無味無臭が要求されるミネラルウォーターを内容物とした場合、必ずしも十分な保味保香性を示さず、臭気や味に対する変化が感知される。
【0004】
これに対し、特開平6−116376号公報では、特定量のアルカリ金属元素とゲルマニウム元素を含有する共重合ポリエステルからなるフレーバー性を向上せしめた金属板成形加工用ポリエステルフィルムが提案されている。しかし、このフィルムを用いた場合、コールドパックシステムのような内容物をつめた段階で熱のかからない工程では優れた保味保香性を示すが、レトルト処理のような内容物をつめた段階で熱処理が行われる工程においては、必ずしも十分な保味保香性が得られない。
【0005】
一方、本発明者のこれまでの検討で、ある特定の融点を有する共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、特定のガラス転移温度、動的粘弾性を有するフィルムとすれば、保味保香性が改善できることを見出した(特開平10−166440)。しかしながら、製缶加工条件によっては、必ずしも十分な成形性を得られるものではないことがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を解消し、共重合ポリエステルフィルムが持っている優れた耐熱性および耐衝撃性を保持しながら、保味保香性、特にレトルト処理後の保味保香性に優れ、かつ成形加工性を改善した金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の融点を有する共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、特定のガラス転移温度、動的粘弾性を有すると共に、特定の化合物を微量含有させることにより、保味保香性と成形加工性が改善できることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とする、融点が210〜245℃であるポリエステルからなる二軸配向フィルムであって、該フィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)と、DSC測定におけるガラス転移温度(Tg)が下記式(1)および(2)を満足し、かつ、該ポリエステル中にナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを、ナフトエ酸メチルエステルとしての換算で0.5〜100ppm含有することを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムである。
Tg≧78 …(1)
Te−Tg≦30 …(2)
(ここで、Tgは290℃加熱溶融−急冷後のDSC測定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。)
【0009】
また、該フィルムをイオン交換水で121℃、2時間、抽出処理したときの抽出量が0.078 mg cm 2 以下であることが好ましい。
【0010】
本発明においては、種々のポリエステルのなかでも、優れた耐熱性および耐衝撃性を保持しながら、保味保香性、特にレトルト処理後の保味保香性を改善することができることから、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするポリエステルを使用する。該ポリエステルには、さらに他の成分を共重合させてもよく、その成分はジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。
【0011】
2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の共重合成分としては以下の成分が挙げられる。ジカルボン酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、またジオール成分としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールが例示できる。
【0012】
2,6−ナフタレンジカルボン酸およびその他の共重合成分の割合は、その種類にもよるが、結果としてポリマー融点が210〜245℃、好ましくは215〜240℃の範囲になる割合である。融点が210℃未満では耐熱性が劣ることになる。一方、融点が245℃を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎて成形加工性が損なわれる。
【0013】
ここで、ポリエステルの融点測定は、Du Pont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0014】
さらに、本発明で用いるポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)は0.52〜1.50であることが好ましく、さらに好ましくは0.57〜1.00、特に好ましくは0.60〜0.80である。この固有粘度が0.52未満の場合には耐衝撃性が不足することがあり好ましくない。他方、固有粘度が1.50を超える場合には、成形加工性が損なわれることがある。
【0015】
本発明におけるポリエステルは、その製法により限定されることはないが、テレフタル酸、エチレングリコールおよび共重合成分をエステル化反応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合度になるまで重縮合反応させる方法、あるいはテレフタル酸ジメチルエステル、エチレングリコールおよび共重合成分をエステル交換反応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合度になるまで重縮合反応させる方法を好ましく挙げることができる。また、上記の方法(溶融重合)により得られたポリエステルは、必要に応じて固相状態での重合方法(固相重合)により、さらに重合度の高いポリマーとすることができる。
【0016】
該ポリエステルには必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色相改良剤、滑剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加えることができる。
【0017】
前記重縮合反応に使用する触媒としては、アンチモン化合物(Sb化合物)、チタン化合物(Ti化合物)、ゲルマニウム化合物(Ge化合物)などが好ましく挙げられ、これらの中、チタン化合物、ゲルマニウム化合物はフィルムの保味保香性の点でさらに好ましい。チタン化合物としては、例えばチタンテトラブトキシド、酢酸チタンなどが好ましく挙げられる。また、ゲルマニウム化合物としては、(イ)無定形酸化ゲルマニウム、(ロ)微細な結晶性酸化ゲルマニウム、(ハ)酸化ゲルマニウムをアルカリ金属またはアルカリ土類金属もしくはそれらの化合物の存在下にグリコールに溶解した溶液、(ニ)酸化ゲルマニウムを水に溶解した溶液などが好ましく挙げられる。
【0018】
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル中にナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを、ナフトエ酸メチルエステルとしての換算で0.5〜100ppm、好ましくは1〜80ppm、特に好ましくは2〜50ppm含有することが必要である。ここでナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルとは、ポリエステル中に含まれる遊離ナフトエ酸、遊離ナフトエ酸の低級アルキルエステルだけでなく、ポリエステル鎖の末端に結合したナフトエ酸も含む。また、ナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルのポリエステル中の含有量は、ポリエステル中に含まれる遊離ナフトエ酸および遊離ナフトエ酸の低級アルキルエステル、ならびにポリエステルの末端に結合したナフトエ酸を、遊離ナフトエ酸メチルエステルとして重量換算した総重量のポリエステルに対する重量割合(ppm)で表わす。さらに、低級アルキルとは、炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
【0019】
該ナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルが0.5ppm未満であると、缶の形状によっては成形加工性が劣るようになり、一方、100ppmを超えると、保味保香性が悪化するので好ましくない。
【0020】
ポリエステル中にナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを含有させる方法は特に限定されないが、例えば、共重合成分として添加する2,6−ナフタレンジカルボン酸および/またはその低級アルキルエステル中に、ナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを含有するものを使用する方法が好ましく挙げられる。かかるナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを含有する2,6−ナフタレンジカルボン酸および/またはその低級アルキルエステルを得る方法としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸および/またはその低級アルキルエステルに所定量のナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを添加する方法や、ポリマーから2,6−ナフタレンジカルボン酸成分を回収する工程中で副生するナフトエ酸メチルエステルを含む回収2,6−ナフタレンジカルボン酸メチルエステルをそのまま用いる方法などが挙げられる。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムは、二軸延伸、熱固定した状態で使用される。このとき、ポリエステルフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)と、DSC測定におけるガラス転移温度(Tg)は下記式(1)および下記式(2)を満足する必要がある。
Tg≧78 …(1)
Te−Tg≦30 …(2)
(ここで、Tgは290℃加熱溶融−急冷後のDSC測定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。)
【0022】
フィルムのTgが78℃未満であると、耐熱性が劣るようになりレトルト処理後の保味保香性が悪化する。このため、ポリエステルの共重合成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の共重合成分を用いる場合には、共重合成分の割合を増加させたときにガラス転移温度の下降割合が小さい、もしくは変化しないか上昇するような成分を用いることが好ましい。
【0023】
ここで、ポリエステルのTgは、DSC測定用パンに20mgのフィルムサンプルを入れ、290℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融後、すばやく試料パンを氷の上に敷いたアルミ箔上で急冷固化し、Du Pont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求める方法による。
【0024】
さらに、Te−Tgの値が30を超えると、フィルムの分子配向性や結晶性が高くなりすぎるために成形加工性が著しく低下する。Teの値は共重合成分および共重合量にもよるが、製膜条件により、特に二軸延伸の倍率、延伸温度、熱固定温度で調整する方法が好ましく挙げられる。
【0025】
ここで、Teは動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hz、動的変位±25×10-4cmの条件にて求められる。
【0026】
本発明のポリエステルフィルムは、特に食品缶または飲料缶に用いられるものであるから、該フィルムより溶出あるいは飛散する物質が少ないほど良いが、それらの物質を全くなくすことは困難である。そこで、食品缶または飲料缶用途に使用するためには、例えばイオン交換水で121℃、2時間、抽出したときのフィルム1平方ンチ当りの抽出量が0.078mg以下であることが好ましく、0.016mg以下であることが更に好ましい。
【0027】
上記抽出量を少なくするには、フィルムのガラス転移温度を高くすればよい。フィルムのガラス転移温度は該フィルムを構成するポリマーのガラス転移温度と配向度によって決まるが、配向度を上げると成形加工性が悪化するので、ポリマー(ポリエステル)のガラス転移温度を高くするのが好ましい。
【0028】
また、フィルムの厚さ方向の屈折率は1.500〜1.540であることが好ましく、1.505〜1.530であることが更に好ましい。この屈折率が低すぎると成形加工性が不十分となり、一方高すぎると非晶に近い構造となるため、耐熱性が低下することがある。
【0029】
ここで、フィルムの厚さ方向の屈折率は、アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付け、単色光NaD線で測定する。マウント液は、ヨウ化メチレンを用い、測定温度は25℃である。
【0030】
本発明のフィルムは、好ましくは厚みが6〜75μmである。更に8〜75μm、特に10〜50μmであることが好ましい。厚みが6μm未満では加工時に破れなどが生じやすくなり、一方75μmを超えるものは過剰品質であって不経済である。
【0031】
本発明のフィルムが貼合せられる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の板が適切である。金属板へのポリエステルフィルムの貼合せは、例えば下記▲1▼、▲2▼の方法で行うことができる。
▲1▼ 金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。
▲2▼ フィルムに予め接着剤層をプライマーコートしておき、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、フィルムの特性は下記の方法で測定した。
(1)ポリエステルの固有粘度
オルトクロロフェノール中、35℃で測定する。
【0033】
(2)ポリエステルの融点
Du Pont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0034】
(3)ポリエステルのガラス転移温度(Tg)
DSC測定用パンに20mgのフィルムサンプルを入れ、290℃加熱ステージ上で5分間加熱溶融後、すばやく試料パンを氷の上に敷いたアルミ箔上で急冷固化し、Du Pont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移点を求める方法による。
【0035】
(4)フィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)
動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hz、動的変位±25×10-4cmにて損失弾性率を求め、このときの最高温ピーク温度をもって示す。
【0036】
(5)ポリエステル中のナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステル含有量
フィルムサンプル0.5gを2mlのメタノールに分散させ、260℃で6時間オートクレーブ(90kgf/cm2)にて分解処理後、クロロホルムに溶解させ、ガスクロマトグラフィーでナフトエ酸およびナフトエ酸の低級アルキルエステルを定量し、重量をナフトエ酸メチルエステルに換算して含有率を求める。
【0037】
(6)深絞り加工性
フィルムをポリエステルの融点以上に加熱した板圧0.25mmのティンフリースチールの両面に貼合せ、水冷した後140mm径の円板状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて4段階で深絞り加工し、50mm径の側面無継目容器(以下、缶と略す)を作成する。この缶について以下の観察および試験を行い、各々下記の基準で評価する。
▲1▼深絞り加工性−1
○:フィルムに異常なく加工されたフィルムに白化や破断が認められない。
△:フィルムの缶上部に白化認められる。
×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。
▲2▼深絞り加工性−2
○:異常なく加工され、缶内フィルム面の防錆性試験(1%NaCl水溶液を缶内に入れ、電極を挿入し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定する。以下、ERV試験と略す)において0.2mA以下を示す。
×:フィルムに異常はないが、ERV試験では電流値が0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフィルムの粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認められる。
【0038】
(7)耐衝撃性
深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、0℃に冷却した後、各テストにつき10個ずつを高さ30cmから塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV試験を行った結果を以下の基準で評価する。
○:全10個について0.2mA以下であった。
△:1〜5個について0.2mAを超えていた。
×:6個以上について0.2mAを超えているか、あるいは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0039】
(8)耐熱脆化性
深絞りが良好であった缶を200℃×5分間加熱保持した後、前述の耐衝撃性評価を行った結果を以下の基準で評価する。
○:全10個について0.2mA以下であった。
△:1〜5個について0.2mAを超えていた。
×:6個以上について0.2mAを超えているか、あるいは200℃×5分間加熱後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0040】
(9)耐レトルト性
深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、蒸気滅菌器で120℃、1時間レトルト処理を行い、しかる後、50℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつき10個ずつ高さ50cmから塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV試験を行った結果を以下の基準で評価する。
○:全10個について0.2mA以下であった。
△:1〜5個について0.2mAを超えていた。
×:6個以上について0.2mAを超えているか、あるいは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0041】
(10)保味保香性−1
深絞り成形が良好な缶について、イオン交換水を充填し、常温下(20℃)30日間保管する。その浸漬液を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用のイオン交換水と比較し、下記基準で評価した。
◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
△:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
【0042】
(11)保味保香性−2
深絞り成形が良好な缶について、イオン交換水を充填し、蒸気滅菌器で120℃、1時間レトルト処理を行い、しかる後、常温下(20℃)30日間保管する。その浸漬液を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用のイオン交換水と比較し、下記基準で評価した。
◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
△:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変化を感じた。
【0043】
[実施例1〜7および比較例1〜6]
表1に示す共重合成分を表1に示す割合で共重合し、ナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを表1に示す含有量で含有したポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.64で、平均粒径1.8μm、粒径比1.09、相対標準偏差0.08の真球状単分散シリカ0.08重量%含有)を乾燥した後溶融押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを表1に示す温度および倍率で縦延伸した後、表1に示す温度および倍率で横延伸し、更に180℃で熱固定して二軸配向フィルムを得た。
得られたフィルムの厚みは25μm、表面粗さ(Ra)は26nmであった。また、フィルムのガラス転移温度(Tg)と損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)、フィルム厚さ方向の屈折率およびイオン交換水抽出量を表2に、その他の評価結果を表3に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003676107
【0045】
【表2】
Figure 0003676107
【0046】
【表3】
Figure 0003676107
【0047】
表3の評価結果から明らかなように、本発明のフィルムは、成形加工性、耐衝撃性、耐熱性、保味保香性に優れたものである。
【0048】
【発明の効果】
本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムは、金属板と貼合わせた後製缶加工、例えば深絞り加工して金属缶を成形するにあたり、共重合ポリエステルが持っている優れた耐熱性、耐衝撃性、耐レトルト性を保持しながら、保味保香性、特にレトルト後の保味保香性に優れ、かつ成形加工性が改善されたものであり、金属容器用フィルムとして極めて有用である。

Claims (2)

  1. 2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とする、融点が210〜245℃であるポリエステルからなる二軸配向フィルムであって、該フィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(Te)と、DSC測定におけるガラス転移温度(Tg)が下記式(1)および(2)を満足し、かつ、該ポリエステル中にナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステルを、ナフトエ酸メチルエステルとしての換算で0.5〜100ppm含有することを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。
    Tg≧78 …(1)
    Te−Tg≦30 …(2)
    (ここで、Tgは290℃加熱溶融−急冷後のDSC測定におけるガラス転移温度(℃)、Teはフィルムの損失弾性率の最高温ピーク温度(℃)である。)
  2. フィルムをイオン交換水で121℃、2時間、抽出処理したときの抽出量が0.078 mg cm 2 以下である請求項1に記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。
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