JP3673073B2 - 展延メッシュシートの製造方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の集電体に使用される展延メッシュシートに関し、特に小型、薄型電池の集電体して利用できるように薄い金属シートに微小なラス目構造を形成した展延メッシュシートの製造方法及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シートに千鳥状にスリットを形成してスリットのラインと直交する方向にシートを引っ張ることによりスリットを展伸させ、シートをメッシュ構造に形成する展延メッシュシートの製造方法として、ロータリー方式によるものと、レシプロ方式によるものとが知られている。
【0003】
前記ロータリー方式は、複数枚の円板状のカッターにより、図10(a)に示すように、シートAの延長方向に多数のスリットaを断続的に且つ並列に形成する。スリットaは並列形成された隣り合う形成位置がシートの延長方向にずれる千鳥状に形成することにより、スリットaが延長方向に断続して形成される間に結節部bが形成され、更に、図10(b)に示すように、スリットaが幅方向に隣り合って形成されている位置を交互に逆向きに突出するように塑性変形させた膨出部cが形成される。このようにスリットa、結節部b、膨出部cが形成されたシートAを、図11に示すように幅方向が拡大するように引張させると、開口したスリット間の線状部dが結節部bで接続されたメッシュ構造の展延メッシュシートが形成される。このような展延メッシュシートの製造方法及びその製造装置は、特許第2568285号として開示されている。
【0004】
上記展延メッシュシートを製造する製造装置は、図12に示すように、周縁部に膨出部cを形成する凸部2を所定ピッチで設けた複数の円板状カッター1を同心に且つ円板状カッター1の厚さ寸法と略同一の間隔で重ね合わせて構成された一対のロール10、10を、それぞれの軸心が互いに平行で両ロール10、10の軸心方向の位置を円板状カッター1の厚さ寸法にずらせて対向配置し、一方のロール10の円板状カッター1と他方のロール10の円板状カッター1との間でシートAの送給方向にスリットaを形成するための刃部を各円板状カッター1の両側縁部に設け、この刃部にスリットaの形成を断続化して結節部bを設けるための逃がし部3が円板状カッター1の円周方向に所定ピッチで形成されている。
【0005】
この両ロール10、10間にシートAを送給し、両ロール10、10を軸心回りに回転駆動することにより、図10に示したように、シートAに結節部bで接続されたスリットaが形成されると共に、スリットa部分が隣り合う間で互いに逆向きに突出する膨出部cが形成される。
【0006】
このロータリー方式の加工方法では、円板状カッター1は円板の強度を得るにはその厚さを薄くすることに限界があるため、薄く微細なカッターを形成するのに限界があり、微細なメッシュ構造に展延メッシュシートを加工することができない。従って、微細なメッシュ構造の展延メッシュシートを得るには前記レシプロ方式が用いられる。
【0007】
レシプロ方式による展延メッシュシートは、図13(a)に示すように、上下一対の板状のカッター41、42により、図13(b)に示すように、長尺シート43の幅方向に断続的な線条が一列に並ぶスリットjを一列毎に加工し、このスリットの加工位置がスリット形成方向にずれる千鳥状となるように形成する。
【0008】
スリットjの形成時にカッター41、42にスリット形成刃として設けられた凸部によりスリットjに沿って膨出部kが形成される。このスリットj及び膨出部kが千鳥状に形成された長尺シート43を、図示するように長尺方向に引っ張ることにより、スリットj及び膨出部kが展伸されてメッシュシートに形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近来の小型薄型化、軽量化が要求される携帯機器等に使用される電池では、小型、軽量にして、より高性能であることが要求され、そのために電池の活物質を担持する集電体は、メッシュ構造が微細で薄肉化されたものが必要となる。このような集電体を形成するための展延メッシュシートは、上記ロータリー方式では、スリット間隔を小にして微細なラス目を形成するのに限界があって製造できないため、上記レシプロ方式により製造されることになる。しかしながら、上記したような従来のレシプロ方式によるメッシュシートの製造は、前述したごとくスリットを一列毎に加工するので、加工速度が遅く生産性に欠けコスト高となる問題点があった。また、薄肉の展延メッシュシートに活物質を塗着して圧延する工程での強度を確保し、更には集電体にリードを接続するリード接続部を形成するために展延メッシュシートの延長方向にメッシュ加工されていない無地部が形成されていることが望ましいが、図13に示したような従来のレシプロ方式では展伸方法の関係からシートの全面にメッシュ形成せざるを得ず、レシプロ方式により無地部を形成した展延メッシュシートを製作し難い課題があった。
【0010】
本発明の目的とするところは、レシプロ方式によっても薄肉のシートに微細なラス目構造を効率よく加工することができ、更に、無地部を設けて製造することができる展延メッシュシートの製造方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本願の第1発明に係る展延メッシュシートの製造方法は、複数のスリット形成用の刃部が形成された板状カッターを所定間隔を設けて複数枚重ね合わせてなる上型と下型とを、長尺シートの幅方向の所定部位を除いた部位に配設し、前記上型と下型との間に長尺シートを送給し、前記上型及び下型の対向方向への進退駆動により、長尺シートの長尺方向に複数条のスリットを断続的に且つ千鳥状に形成すると同時に、長尺シートの所定部位の長尺方向に帯状にスリットが形成されない無地部を形成した後、この長尺シートの幅寸法が拡大する方向に引張して前記無地部を除いて長尺シートがメッシュ状態となるように展伸すると共に、前記無地部に長尺シートの長尺方向に凹凸を繰り返す屈曲部を形成し、その後長尺シートを表裏両面から圧延して平坦化することを特徴とする。
【0012】
この製造方法によれば、複数の板状カッターを重ね合わせた上型と下型との間で長尺シートを塑性加工することにより、長尺シートに対するスリット形成が板状カッターの長さ及び板状カッターの重ね合わせ数の面積で一括して複数列形成されるので、レシプロ方式によっても効率よくメッシュシートに加工することができる。また、板状カッターはその厚さを薄く形成しても強度剛性を保つことができるので、微細なメッシュ構造の加工が可能となる。また、展伸後のメッシュシートに圧延を加えることにより薄いメッシュシートが形成されるので、小型、薄型で高性能な電池を製造する上で要求される微細なメッシュ構造で薄い集電体をこの展延メッシュシートから得ることができる。
【0013】
また、長尺シートの所定部位の長尺方向にメッシュ形成されない無地部を設けて展延メッシュシートを製造しているので、長尺方向に設けられた無地部によってシートの引っ張り強度が向上するため、薄いシートでも搬送時や圧延時の引っ張りに耐える強度を得ることができる。また、これを電池の集電体として用いるとき、無地部が設けられていることにより集電体に活物質を塗着させて圧延するときの強度が向上するばかりでなく、無地部を利用して電極引き出しリードの接続部を設けることによりリードの接続性を向上させることができる。また、圧延される以前に無地部に長尺シートの長尺方向に凹凸を繰り返す屈曲部を形成しているので、屈曲部により無地部の伸びに余地ができるため、圧延時のメッシュ部分と無地部分との伸びを合わせて圧延による変形の少ない展延メッシュシートを製造することができる。
【0019】
上記目的を達成するための本願の第2発明に係る展延メッシュシートの製造装置は、複数の凸部が所定ピッチで形成され、この凸部間の左右面が交互に切り欠かれて逃がし部が形成され、前記左右面がシャーリングカッターのカッター面となるように板状カッターが形成されてなり、この板状カッターをその厚さ寸法と略同一の間隔で複数枚重ね合わせて上型と下型とを構成し、この両型を前記厚さ寸法で重ね合わせ方向にずらせて対向配置し、上型と下型とを対向方向に進退駆動して、両型の対向間の前記板状カッターの長手方向に送給された長尺シートの長尺方向に断続するスリットを長尺シートの幅方向に複数条のスリットを千鳥状に形成するスリット形成手段と、前記長尺シートをスリット形成手段の板状カッターの長手方向に搬送する搬送手段と、スリット形成された長尺シートの幅寸法が拡大する方向に引張し、前記スリットを展伸してメッシュシートに加工する展伸手段と、前記メッシュシートを表裏両面から圧延して平坦化する圧延手段とを具備し、かつ長尺シートの幅方向の所定部位に対応する位置に板状カッターが配設されないようにして上型及び下型を形成することにより、長尺シートの長尺方向にスリットが形成されない無地部を形成するように構成し、圧延される以前に前記無地部に長尺シートの長尺方向に凹凸を繰り返す屈曲部を形成する屈曲形成手段を有することを特徴とする。この構成によれば、本願の第1発明の方法を実施することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
図1は、本実施形態に係る展延メッシュシートの製造方法を示すもので、非水電解質電池の電極を構成する集電体として使用することを目的として、薄い長尺金属シート、例えば銅シート、アルミニウムシートに微細メッシュ構造を形成すると共に、その中央部分及び両側部分にはメッシュ構造を形成しない無地部を設けた展延メッシュシートを製造する。
【0022】
図1において、コイル材としてロール状に巻回された長尺の金属シートBは端から巻き出されてスリット形成部11に送給される。スリット形成部11は、後述する板状カッターを重ね合わせて構成された上型と下型とを対向配置して、対向方向に進退駆動させることにより、上型と下型との間に送給された金属シートBの所定範囲に、図2に示すように、膨出部gを設けてスリットeを形成する。
【0023】
スリット形成部11に配設された上型と下型とは、金属シートBの幅方向の中央部分と両側部分に対応する位置には前記板状カッターが配置されず、従って、金属シートBの幅方向の中央部分と両側部分とにはスリットeは形成されない。
【0024】
このスリットeが形成された金属シートBは、図示しない搬送手段により展伸部12に搬送され、展伸部12において、金属シートBの幅方向を拡張させるように引張されることにより、幅方向に膨出部gが伸び、スリットeが開くので、スリットeはスリット間が千鳥状に結節部fで連結されていることから、菱形の開口部が格子状に展伸されたメッシュシートCが形成される。このメッシュシートCに対して、屈曲部形成部13においてメッシュシートCの開口部が形成されていない中央無地部Nc及び両側無地部Nsに、図6に示すように、メッシュシートCの幅方向に溝状の凹部19または凸部が形成される。更に、この凹部19が形成されたメッシュシートCは、圧延部14において加圧ローラ18、18により圧延されて展延メッシュシートDとなり、ロール状に巻き取られる。前記のように無地部Nc、Nsに凹部19を形成することにより、圧延部14においてメッシュシートCが圧延されたときのメッシュ部分と無地部分との伸びを合わせることができるため、圧延による展延メッシュシートDの変形を防止することができる。
【0025】
上記したような工程により製造される展延メッシュシートDのメッシュ形成部Mの構成について説明する。
【0026】
図3は、メッシュ形成部Mに配設される上型21と下型22とを部分的に示すもので、シャーリングカッターを構成する複数の板状カッター15を所定間隔を設けて重ね合わせて構成されている。板状カッター15は、その両面がシャーリングカッターの刃部24として形成され、半円状に凸部23が所定ピッチで形成されている。更に、前記凸部23が突出する間の直線部位には前記刃部24を斜め方向に切り欠いた逃がし部25が板状カッター15の一方面と他方面とに交互に配置されるように形成されている。このように形成された板状カッター15は、板材の厚さ寸法と略同一の間隔寸法を設けて重ね合わされて上型21及び下型22が形成される。この上型21と下型22とは、板状カッター15の重ね合わせ方向に板状カッター15の厚さ寸法だけ重ね合わせ方向にずれた位置に上下に対向させて配設される。この上型21、下型22をその対向方向に進退駆動することによって、上型21の板状カッター15と下型22の板状カッター15とが互いに噛み合って、対向間に送給された金属シートBに図2に示すように、前記凸部23により膨出部gが設けられたスリットeが形成される。
【0027】
図4(a)は、前記上型21と下型22とが噛み合った状態を平面的に示し、この状態に対応して、この位置に送給された金属シートBにスリット形成された状態を図4(b)に示している。図示するように、上下の刃部24、24が合致する位置でスリットeが形成され、上下の逃がし部25、25が合致する位置では刃部24が切り欠かれているのでスリットeは形成されない。また、刃部24が平面方向に対面するスリット間には刃部24によって切断された部分を凸部23により金属シートBの表裏に交互に突出させた膨出部gが形成される。また、上下の逃がし部25、25の合致した位置にはスリットeが形成されないので、スリットeは断続的に且つ千鳥状に形成され、逃がし部25の合致位置、即ち断続するスリットe間に結節部fが形成されることになる。
【0028】
上記のようにスリット形成部11は、板状カッター15を重ね合わせた上型21と下型22とを対向間で進退駆動させ、複数列のスリットeを同時形成するので、レシプロ方式でありながら所定面積にスリット形成を一括して行うことができる。板状カッター15は、図12に示したような円板状カッター10の円周上に形成されるスリット形成用の刃部等を数分の一の数で平面上に配列して形成されるので、1つのカッターのサイズは小さくなるので、カッターとしての厚さは薄く形成することが可能となり、ロータリー方式では不可能な微細なスリット加工を行うことができる。このような板状カッター15では最小厚さは100μmを加工限界として微細なスリット形成が可能となり、小型で高性能な電池の製造に不可欠な微細ラス目構造の集電体を製作することができる。
【0029】
スリット形成部11において上記のようにスリットe、膨出部g、結節部fが形成された金属シートBを、展伸部12において金属シートBの幅方向が拡大するように引張すると、図5(a)(b)に示すように、スリットeが開口し、スリット間に形成されている膨出部gが展伸され、スリットeは菱形の開口部となり、各開口部は結節部fで連結されたラス目のメッシュシートCが形成される。
【0030】
スリット形成部位を展伸する展伸量は、幅方向の拡大距離により変化するので、図5(b)に示すように、スリットeが開口して形成された菱形開口部を囲む対角線の長い対角LWと短い対角SWとの比率が略2:1となる程度に展伸する。
【0031】
このメッシュシートCは屈曲部形成部13に搬送されて中央無地部Nc及び両側無地部Nsに凹部19が形成される。屈曲部形成部13は、ローラ表面の中央無地部Nc及び両側無地部Nsに当接する位置にローラの幅方向に凸部が形成された雄型ローラと凹部が形成された雌型ローラとを対向配置し、ローラ間の前記凸部と凹部との位置が対向間で一致するように配設する。この雄型ローラと雌型ローラとの間にメッシュシートCを送り込み、ローラ間で加圧することにより、中央無地部Ncと両側無地部Nsとに、図6に示すように幅方向に凹部19が形成される。この凹部19が形成されたメッシュシートCは、圧延部14に搬送される。尚、凹部19は表面側に凸となるように凸部として形成してもよい。
【0032】
圧延部14は、その表面が平坦な一対の加圧ローラ18、18により、ローラ間でメッシュシートCを加圧してメッシュ形成部Mの凹凸や無地部Nc、Nsの凹部19を平坦にして全面が均一厚さになるように圧延する。このときメッシュ形成部Mの伸びは無地部Nc、Nsの伸びより大きくなるが、無地部Nc、Nsに凹部19が形成されていることにより、伸びの程度が一致して圧延部14から排出される展延メッシュシートDの変形やメッシュの破断や変形を防止することができる。従って、前記屈曲部形成部13において形成される凹部19の形状寸法や形成数は、メッシュ形成部Mの圧延時の伸びに無地部Nc、Nsが一致するように設定され、これに基づいて前記雄型ローラ及び雌型ローラが形成される。
【0033】
上記のように形成される展延メッシュシートは、中央部分及び両側部分に無地部Nc、Nsが形成されているので、各加工工程に搬送される際の引っ張りに耐える強度が得られ、無地部が形成されていない場合より格段に大きな引っ張り強度を備えているため、小型薄型の電池に必要な薄い集電体を作成するための薄い展延メッシュシートDを製造することができる。この無地部Nc、Nsが設けられた展延メッシュシートDから前記集電体を切り出すとき、無地部Nc、Nsの存在を有効に利用して、高性能な電池を製造することができる。即ち、図7に示すように、展延メッシュシートDの中央無地部Ncに集電体35のリード接続部35aが位置するように切り出すことにより、この集電体35に活物質を塗着させて作成した正極または負極をセパレータを介して積層し、前記リード接続部35a間を接続し、電極を引き出すリードに接続するとき、メッシュ構造による開口部のないリード接続部35aで溶接により接合されるので、溶接性に優れ、大きな電流の取り出しが可能な電池を構成することができる。
【0034】
また、図8に示すように、板状カッター15の逃がし部25を刃部24から切り欠いて形成するとき、図示するように逃がし部25に接する刃部24の角を逃がし部25の方向にカットした角切り部36を形成して逃がし部25を形成することにより、ラス目の強度を向上させることができる。この角切り部36を設けることにより、刃部24により形成されるスリットeが逃がし部25で中断される幅が広がり、スリットeの形成長さが短くなるため、展伸によりスリットeが開いたときの両端が鋭角でなく、図9に示すように、アールを帯びた鈍角に形成されるので、スリットeにより形成される菱形の開口部をつなぐ結節部fの幅が広がると共に、鈍角で連結されるので、引っ張りに対する強度が増強される。
【0035】
以上説明した展延メッシュシートDに形成されるラス目は、基本的には一定のサイズに形成されるが、幅方向にラス目を徐々に小さくする、あるいは場所毎にラス目のサイズを変えることもできる。例えば、上型21及び下型22を構成する板状カッター15の板材の幅を、金属シートBの幅方向に厚くなるように形成することにより、格子目の線状部hの幅が幅方向に徐々に大きくなり、展伸時に大きな力が加わる両側方向の強度を向上させることができる。また、板状カッター15の厚さの変化に対応させて凸部23、刃部24、逃がし部25の寸法を変えることにより、メッシュの長目方向と短目方向との距離比率を同一にして、ラス目のサイズが変化するように形成することもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、複数の板状カッターを用いたレシプロ方式により複数列のスリット形成を同時に行うので、レシプロ方式による展延メッシュシートの加工速度を向上させることができる。また、板状カッターにより微細にスリット形成することが可能となるため、微細なラス目構造の展延メッシュシートを製造することができ、小型で高性能な電池を製作する上で必要な微細ラス目を備えた集電体を製作することが可能となる。また、金属シートの幅方向の中央部分と両側部分とにスリット形成しない部位を設けてスリット形成することができるので、これを展伸することにより無地部を備えた展延メッシュシートが形成され、無地部により引っ張り強度が向上するため、展延メッシュシートの製造工程やこれを利用した電池電極の製造工程における搬送や圧延時に不良が発生することが抑えられる。更に、無地部は電池の集電体を製作するときにリード等の溶接部位として利用することができ、開口部がないことから溶接性に優れ、強電流の取り出しも可能となり、本展延メッシュシートを用いて高性能な電池を製造することができる。また、圧延される以前に無地部に長尺シートの長尺方向に凹凸を繰り返す屈曲部を形成する屈曲部形成手段を設けているので、無地部に屈曲部が形成され、屈曲部により無地部の伸びに余地ができるため、圧延時のメッシュ部分と無地部分との伸びを合わせて圧延による変形の少ない展延メッシュシートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る展延メッシュシートの製造方法を示す斜視図。
【図2】スリット形成部によりスリット形成された状態の金属シートの部分斜視図。
【図3】板状カッターの構成を示す斜視図。
【図4】スリット形成の状態を示す(a)は上型と下型との噛み合い状態、(b)は形成されたスリットの形成を示す平面図。
【図5】展伸により(a)のスリット状態から(b)のメッシュ構造に加工する展伸の説明図。
【図6】凹部形成を示す(a)は平面図と(b)は側面図。
【図7】無地部を利用して集電体を切り出す方法を説明する平面図。
【図8】板状カッターの変形例を示す斜視図。
【図9】同上カッターにより形成されるメッシュ構造を示す平面図。
【図10】スリット形成を説明する(a)は平面図と(b)は同図のG−G線矢視断面図。
【図11】スリット形成と展伸との状態を説明する平面図。
【図12】ロータリー方式によるスリット形成構造を示す側面図。
【図13】レシプロ方式による(a)はスリット形成構造、(b)は展伸の状態を示す斜視図。
【符号の説明】
11 スリット形成部
12 展伸部
13 屈曲部形成部
14 圧延部
15 板状カッター
19 凹部(屈曲部)
21 上型
22 下型
23 凸部
24 刃部
25 逃がし部
36 角切り部
e スリット
f 結節部
g 膨出部
h 線状部
B 金属シート
C メッシュシート
D 展延メッシュシート
Nc、Ns 無地部
M メッシュ形成部
Claims (2)
- 複数のスリット形成用の刃部が形成された板状カッターを所定間隔を設けて複数枚重ね合わせてなる上型と下型とを、長尺シートの幅方向の所定部位を除いた部位に配設し、前記上型と下型との間に長尺シートを送給し、前記上型及び下型の対向方向への進退駆動により、長尺シートの長尺方向に複数条のスリットを断続的に且つ千鳥状に形成すると同時に、長尺シートの所定部位の長尺方向に帯状にスリットが形成されない無地部を形成した後、この長尺シートの幅寸法が拡大する方向に引張して前記無地部を除いて長尺シートがメッシュ状態となるように展伸すると共に、前記無地部に長尺シートの長尺方向に凹凸を繰り返す屈曲部を形成し、その後長尺シートを表裏両面から圧延して平坦化することを特徴とする展延メッシュシートの製造方法。
- 複数の凸部が所定ピッチで形成され、この凸部間の左右面が交互に切り欠かれて逃がし部が形成され、前記左右面がシャーリングカッターのカッター面となるように板状カッターが形成されてなり、この板状カッターをその厚さ寸法と略同一の間隔で複数枚重ね合わせて上型と下型とを構成し、この両型を前記厚さ寸法で重ね合わせ方向にずらせて対向配置し、上型と下型とを対向方向に進退駆動して、両型の対向間の前記板状カッターの長手方向に送給された長尺シートの長尺方向に断続するスリットを長尺シートの幅方向に複数条のスリットを千鳥状に形成するスリット形成手段と、
前記長尺シートをスリット形成手段の板状カッターの長手方向に搬送する搬送手段と、
スリット形成された長尺シートの幅寸法が拡大する方向に引張し、
前記スリットを展伸してメッシュシートに加工する展伸手段と、前記メッシュシートを表裏両面から圧延して平坦化する圧延手段とを具備し、
かつ長尺シートの幅方向の所定部位に対応する位置に板状カッターが配設されないようにして上型及び下型を形成することにより、長尺シートの長尺方向にスリットが形成されない無地部を形成するように構成し、
圧延される以前に前記無地部に長尺シートの長尺方向に凹凸を繰り返す屈曲部を形成する屈曲形成手段を有することを特徴とする展延メッシュシートの製造装置。
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