JP3672832B2 - ダクタイル鋳鉄管及びその製造方法 - Google Patents

ダクタイル鋳鉄管及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不純物成分であるP、Cu、Cr等の含有量が少なく、伸びや衝撃値等の機械的性質に優れたダクタイル鋳鉄管及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダクタイル鋳鉄管は、鋼材と同等の引張強度を有し、その伸び及び靱性は普通鋳鉄の十数倍に達し、更に、普通鋳鉄と同等の優れた耐食性を有しており、そのため、これらの特性が要求される地中埋設管等のより厳しい環境下での各種配管材として広く利用されている。
【0003】
従来、ダクタイル鋳鉄管は、鉄スクラップを主たる鉄源原料としてキュポラあるいは電気炉により溶解された元湯に金属Mgを黒鉛球状化剤として添加し、質量%でC:3〜4%、Si:1〜3%、Mn:0.2〜0.5%、Mg:0.02〜0.06%、P:0.02〜0.06%、S:0.01%以下を含有し、残部が不可避不純物及びFeからなるダクタイル鋳鉄溶湯を溶製し、これを遠心鋳造設備にて鋳造することによって製造されている。この場合に、黒鉛球状化剤である金属Mg、Si、希土類元素等の添加歩留まりを向上させるため、元湯は黒鉛球状化剤が添加される前に必要に応じて脱硫処理が施されている。
【0004】
ダクタイル鋳鉄管の機械的性質の1つである高い伸び値は、基地をフェライト組織に制御することによって得られるので、鋳造後の冷却過程で生成したセメンタイトをフェライトに分解するため、通常、ダクタイル鋳鉄管は鋳造後に焼鈍炉内で850〜930℃程度の温度で1時間以上保持され、フェライト化焼鈍処理と呼ばれる焼鈍処理が施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉄スクラップを主たる鉄源原料としてキュポラあるいは電気炉により溶解されたダクタイル鋳鉄溶湯には、鉄スクラップを起源としてCu、Ni、Cr、Mo等の成分が不可避不純物として混入する。これらの成分の内で、Cu及びMoはフェライト化を抑制する元素であり、基地のフェライト化を妨げて伸びを低下させる。又、Crは白銑化促進元素であるため、Cr含有量を低減させることによりセメンタイトの生成を抑制すること、即ちフェライト化を促進させることができる。
【0006】
不可避不純物成分ではないが、Mnはフェライト化を抑制する元素であり、基地をフェライト組織とするためにはMn含有量は低いほど好ましく、基地がフェライト組織であるダクタイル鋳鉄管では、安定して高い伸び値を確保するためにMn含有量は0.3mass%程度以下が良いとされている。しかし、鉄スクラップの中にはMn含有量が1mass%を越える鉄スクラップもあり、このような鉄スクラップが大量に混入した場合には伸び値が低下する。
【0007】
このような問題を防止するため、ダクタイル鋳鉄溶湯の溶製の際には使用する鉄スクラップを厳選しているが、鉄スクラップを使用する限りCu、Ni、Cr、Mn等の混入は避けられず、又、鉄スクラップの厳選により、製造コストの上昇を余儀なくされる。更に、Pは機械試験値の衝撃値を左右する元素として知られており、低減すればするほど好ましいが、ダクタイル鋳鉄溶湯中のP含有量は鉄スクラップのP含有量に左右され、それ以上に低減させることはできない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、不純物成分であるP、Cu、Cr等の含有量が少なく、更にMn含有量も低位に制御可能であり、伸び及び衝撃値等の機械的性質に優れたダクタイル鋳鉄管及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるダクタイル鋳鉄管は、脱硫処理及び脱燐処理が施された高炉溶銑を遠心鋳造設備にて鋳造して得られたダクタイル鋳鉄管であって、P含有量が0.02mass%以下、S含有量が0.005 mass %以下、Cu含有量が0.03mass%以下、Cr含有量が0.03mass%以下であることを特徴とする。
【0010】
又、本発明によるダクタイル鋳鉄管の製造方法は、高炉から出銑された溶銑に対して脱硫処理及び脱燐処理を施し、次いで、この溶銑にMg、Si、希土類元素のうちの何れか1種以上を含有する黒鉛球状化剤を添加し、その後、この溶銑を遠心鋳造設備にて鋳造して鋳鉄管とすることを特徴とし、更に、鋳造後の鋳鉄管を焼鈍処理すること、及び、溶銑中のP含有量が0.02mass%以下となるまで脱燐処理することが好適である。
【0011】
高炉では純度の高い鉄鉱石をコークスにて還元して溶銑を製造するので、製造される溶銑中のCu、Cr、Ni、Moの含有量は安定して少ない。但し、この溶銑中には、Pがおよそ0.1mass%、Sがおよそ0.03mass%、Tiがおよそ0.1mass%程度含まれており、この溶銑をそのまま用いてダクタイル鋳鉄管を製造した場合には、例えば、P含有量の増大による衝撃値の低下や、黒鉛球状化の阻害元素であるTiにより黒鉛の球状化が阻害され、高品質のダクタイル鋳鉄管を得ることができない。又、高いS含有量により黒鉛球状化剤である金属Mgや希土類元素等の添加歩留まりが低下する。
【0012】
そこで、本発明では高炉から出銑された溶銑に対して脱硫処理並びに脱燐処理を施し、これらの処理が施された溶銑を用いてダクタイル鋳鉄管を製造する。脱硫処理及び脱燐処理により溶銑中のS含有量及びP含有量を容易に低下させることができる。更に、脱燐処理は、溶銑に気体酸素やミルスケール等の酸素源を酸化剤として供給して行う酸化精錬であるので、この酸化精錬によって酸素との親和力の高いTiは容易に除去され、Ti含有量の低い溶銑とすることができる。又、同様にMnも酸化されて除去される。
【0013】
本発明による鋳鉄管は、このような脱硫処理及び脱燐処理が施された高炉溶銑を用いて製造されるので、P含有量が0.02mass%以下、S含有量が0.005 mass %以下、Cu含有量が0.03mass%以下、Cr含有量が0.03mass%以下であるダクタイル鋳鉄管を得ることができる。又、Mn含有量も低位に制御することができる。
【0014】
フェライト化を抑制する元素であるCuの含有量と、白銑化促進元素であるCrの含有量とを、上記の範囲まで低減することにより、ダクタイル鋳鉄管の基地はフェライト化が促進され、機械試験値の伸びを向上させることができる。又、P含有量を上記の範囲まで低減することにより、シャルピー衝撃値を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明では、高炉から出銑された溶銑に脱硫処理並びに脱燐処理を施し、その後、この溶銑を用いて鋳鉄管を製造する。この脱硫処理と脱燐処理との順序はどちらを先に実施しても構わず、個々の製鉄所における設備の配置等から効率的な順序で実施すれば良い。又、脱硫処理及び脱燐処理を実施する際の処理容器は、トーピードカー及び溶銑鍋等の溶銑搬送容器や転炉型容器等の処理専用容器の何れであっても構わず、これも個々の製鉄所における設備条件に応じて決めれば良い。
【0016】
脱硫処理は、生石灰(CaO)、カルシウムカーバイド、ソーダ灰等を脱硫剤とし、この脱硫剤を溶銑中に吹き込んで脱硫する方法や、脱硫剤と溶銑とを撹拌混合して脱硫する方法等により行うことができる。特に、溶銑鍋等の取鍋型の容器に溶銑を収容し、耐火物製の回転翼(インペラーと呼ぶ)を溶銑中で回転させ、CaO系の脱硫剤と溶銑とを撹拌させて脱硫する機械的撹拌法により脱硫することが好ましい。この方法によれば、安価なCaO系脱硫剤を使用しても、効率良く低濃度まで脱硫することができる。
【0017】
このような脱硫処理により、溶銑のS含有量を0.01mass%以下まで容易に低減させることができる。脱硫処理前の溶銑のS含有量と添加する脱硫剤の量と処理時間とを適宜組み合わせることにより、安定して0.004〜0.006mass%に制御することができる。
【0018】
脱燐処理は、生石灰やソーダ灰等を脱燐用フラックスとし、ミルスケール等の固体酸素源と酸素等の気体酸素源とを溶銑に供給して脱燐する方法により行うことができる。特に、粉状の生石灰を溶銑中に吹き込みながら、塊状の生石灰、ミルスケール、及び蛍石を溶銑湯面に上置きし、上吹きランスから酸素を吹き付けて脱燐することが好ましい。この方法によれば、安価なCaO系脱燐用フラックスを使用しても、効率良く低濃度まで脱燐することができる。
【0019】
本発明では、このような脱燐処理により溶銑のP含有量を0.02mass%以下望ましくは0.01mass%以下まで低減させる。脱燐処理前の溶銑のP含有量と添加する脱燐用フラックスの量と供給する酸素源の量と処理時間とを適宜組み合わせることにより、安定して0.02mass%以下若しくは0.01mass%以下まで低減させることができる。尚、脱燐処理の前に、高炉鋳床や溶銑搬送容器等において脱珪処理を実施しても良い。脱珪処理とは、溶銑に酸素やミルスケール等の酸素源を供給して、主に溶銑中のSiをある程度まで除去することを目的とした処理である。
【0020】
このようにして脱硫処理及び脱燐処理が施された溶銑を、容量が例えば30トン程度の保持炉に装入し、ダクタイル鋳鉄管用の元湯とする。保持炉とは、遠心鋳造設備により鋳造される前の溶湯を一旦収容する容器であり、内壁が耐火物で構成され、低周波誘導等により収容物を加熱することが可能な炉である。
【0021】
高炉から出銑される溶銑を収容する溶銑搬送容器は容量が100トン以上と大型であり、通常、この溶銑搬送容器内で脱硫処理及び脱燐処理が施される。この溶銑搬送容器から直接保持炉に溶銑を装入しても良いが、ハンドリング等の容易さを考慮すれば、溶銑搬送容器から所定量の溶銑、例えば30トン程度の溶銑を小型の容器に分湯し、分湯した溶銑を保持炉に装入することが好ましい。但し、小型の容器で脱硫処理及び脱燐処理が実施できる場合や、保持炉の容量が大きく、溶銑搬送容器から直接装入しても問題ない場合には、この必要はない。
【0022】
次いで、保持炉から所定量の元湯を取鍋に出湯する。ところで、上記の脱燐処理時に溶銑中のSiは酸化除去され、脱燐処理後の溶銑のSi含有量はほぼ零となる。又、脱燐処理中に溶銑中のMnも酸化除去され、高炉出銑時のMn含有量の1/2以下まで低減する。従って、出湯された元湯のSi含有量はほぼ零であり、Mn含有量も出銑時の1/2以下まで低減している。
【0023】
ダクタイル鋳鉄管では黒鉛を球状化する必要があり、Siは極めて優れた黒鉛球状化元素であるため、鋳造前にFe−Si合金等を用いてSiを接種する。Siの接種は、出湯後の取鍋内で行っても、又、遠心鋳造設備の注湯取鍋(「三角取鍋」と呼ぶ)や注湯樋の何れで行っても良い。更に、Fe−Si合金等を添加することによる元湯の温度低下を防止するために、Fe−Si合金等の必要量の一部分若しくは全量を保持炉に装入する前の溶銑中に添加しても良い。
【0024】
又、Mnはフェライト化を抑制する元素、換言すれば、パーライト化を促進する元素であり、Mnが低減することによりフェライト化が促進され、機械試験値の伸びは向上するが、一方、Mn含有量が低下し過ぎることにより引張強度の低下を来す場合がある。このような場合には、基地の組織強化の観点からMnを添加する。MnはFe−Mn合金やSi−Mn合金等で添加することができ、添加時期は保持炉への装入前でも保持炉から出湯された後でもどちらでも良いが、元湯の温度管理の観点からは保持炉への装入前が好ましい。
【0025】
歩留まり向上のためには、三角取鍋や注入樋に残留する溶湯屑や鋳鉄管の管端切断屑等のリターン屑を再溶解してリサイクル使用する必要がある。このリターン屑を添加する時期は保持炉への装入前でも保持炉から出湯された後でもどちらでも良いが、元湯の温度管理の観点からは保持炉への装入前が好ましい。
【0026】
そして、保持炉から出湯された元湯に対して黒鉛球状化剤を添加し、ダクタイル鋳鉄溶湯を溶製する。黒鉛球状化剤としては金属Mg、Si若しくはCeミッシュメタル等の希土類元素又はこれらを含有した合金を用いることとする。黒鉛球状化剤の添加量は、金属MgとCeミッシュメタルとを併用する場合、金属MgはMg純分として元湯1トン当たり0.3〜1.0kg程度、Ceミッシュメタルは元湯1トン当たり0.05〜0.15kg程度とすれば十分である。黒鉛球状化剤の添加方法は特に限定する必要はなく、溶湯中に金属Mg等を押し込んで添加する、所謂圧力添加法等を用いれば良い。
【0027】
このようにして溶製したダクタイル鋳鉄溶湯を遠心鋳造設備にて鋳造し、ダクタイル鋳鉄管を製造する。遠心鋳造設備では、特に、鋳造される鋳鉄管の品質向上のために特段の対策を実施する必要はない。鋳造後の300〜500℃程度の鋳鉄管を連続焼鈍炉に装入し、900〜950℃まで昇温して焼鈍処理を実施する。
【0028】
ダクタイル鋳鉄管をこのようにして製造することで、P、Cu、Cr等の不純物元素が少ないダクタイル鋳鉄管を効率良く且つ安定して製造することができる。又、Mn含有量も低濃度レベルで任意に制御することができる。
【0029】
そして、フェライト化を抑制するCuと白銑化促進元素であるCrとを共に0.03mass%以下まで低減することにより、ダクタイル鋳鉄管の基地はフェライト化が促進され、機械試験値の伸びを向上させることができる。更に、Mn含有量を低濃度に制御した場合には、Cu及びCrが少なくなることと相まって、フライト化が一層促進され、焼鈍時間を短くすることや焼鈍そのものを省略すること等が可能となる。更に又、Cu及びCrが少なくなることから、黒鉛の球状化が促進され、黒鉛球状化剤の使用量を少なくすることができる。又、P含有量を0.02mass%以下まで低減することにより、シャルピー衝撃値を向上させることができる。
【0030】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。高炉から出銑された溶銑を250トン容量の溶銑鍋に受けた後、この溶銑を脱硫処理設備に搬送して脱硫処理を実施した。脱硫処理は、CaO系の脱硫剤を用いてインペラーで撹拌する機械的撹拌法により行い、脱硫処理後の溶銑のS含有量を0.005mass%まで低減した。脱硫処理後、生成したスラグを溶銑鍋から排出させた。
【0031】
次いで、この溶銑を脱燐処理設備に搬送して脱燐処理を実施した。脱燐処理は、生石灰、ミルスケール、及び蛍石を溶銑湯面に上置きし、窒素を搬送用ガスとして粉状の生石灰を溶銑中に吹き込み、且つ、上吹きランスから酸素を吹き付けながら実施した。脱燐処理後の溶銑のP含有量は0.010mass%であった。脱燐処理後、復燐防止のために生成したスラグを溶銑鍋から排出させた。
【0032】
脱燐処理後、溶銑鍋から40トン容量の小型取鍋に30トンの溶銑を分湯し、この溶銑をダクタイル鋳鉄用の元湯とした。溶銑鍋から小型取鍋に分湯する際に、小型取鍋内にFe−Si合金をSi純分で溶銑トン当たり10kg、Fe−Mn合金をMn純分で2kg入れ置きすると共に、ダクタイル鋳鉄管の製造工程で発生したリターン屑を入れ置きして、その上に溶銑を注入してFe−Si合金、Fe−Mn合金、及びリターン屑を溶解させた。そして、この小型取鍋を鋳鉄管製造工場に搬送し、低周波誘導加熱装置を備えた40トン容量の保持炉にこの元湯を装入した。
【0033】
保持炉から3トン容量の取鍋に元湯を出湯し、この取鍋内の元湯にFe−Si合金を添加し、更に、金属Mg及びCeミッシュメタルを添加してダクタイル鋳鉄溶湯を溶製した。表1に高炉出銑時からダクタイル鋳鉄溶湯に溶製されるまでの溶湯の化学成分組成の変遷を示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003672832
【0035】
このダクタイル鋳鉄溶湯を金型遠心鋳造装置にて鋳造し、口径100mm、管厚7.5mmのダクタイル鋳鉄管を製造した。鋳込温度は1230〜1380℃である。鋳造後、900〜950℃に設定してある連続焼鈍炉にダクタイル鋳鉄管を装入して焼鈍処理を施した。焼鈍処理後、ダクタイル鋳鉄管の端部から試験片を採取して、引張試験及びシャルピー衝撃試験(常温)を実施した。表2に、ダクタイル鋳鉄管の化学成分組成、引張試験結果、及びシャルピー衝撃試験結果を示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003672832
【0037】
表2中の実施例1は上記の説明により製造したダクタイル鋳鉄管であり、実施例2は高炉出銑時期が異なる溶銑を用いた例であり、実施例2ではFe−Mn合金を添加していないが、その他の製造方法は実施例1と同一である。又、従来例1及び従来例2は、鉄スクラップと銑鉄とを主たる鉄源原料としてキュポラにて溶解した元湯から製造された鋳鉄管である。
【0038】
表2から明らかなように、本発明の実施例では従来例に比べてPの含有量が低く、且つ、Cu、Cr等の鉄スクラップに起因する不純物成分の含有量が低いことが分かる。そして、本発明の実施例では伸びが18%以上で、又、シャルピー衝撃値が90J/cm2 以上であり、靭性に優れていることが分かった。従来例1,2もダクタイル鋳鉄管として十分な品質を確保しているが、本発明によりダクタイル鋳鉄管の品質が一層向上することが判明した。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればダクタイル鋳鉄管のP、Cu、Cr等の不純物成分の含有量を従来のダクタイル鋳鉄管では達成不可能な範囲まで低減することが可能となると共に、Mn含有量も低位に制御することが可能となる。その結果、伸び及びシャルピー衝撃値等の機械試験値を向上させることが達成され、工業上有益な効果がもたらされる。

Claims (4)

  1. 脱硫処理及び脱燐処理が施された高炉溶銑を遠心鋳造設備にて鋳造して得られたダクタイル鋳鉄管であって、P含有量が0.02mass%以下、S含有量が0.005 mass %以下、Cu含有量が0.03mass%以下、Cr含有量が0.03mass%以下であることを特徴とするダクタイル鋳鉄管。
  2. 高炉から出銑された溶銑に対して脱硫処理及び脱燐処理を施し、次いで、この溶銑にMg、Si、希土類元素のうちの何れか1種以上を含有する黒鉛球状化剤を添加し、その後、この溶銑を遠心鋳造設備にて鋳造して鋳鉄管とすることを特徴とするダクタイル鋳鉄管の製造方法。
  3. 更に、鋳造後の鋳鉄管を焼鈍処理することを特徴とする請求項2に記載のダクタイル鋳鉄管の製造方法。
  4. 溶銑中のP含有量が0.02mass%以下となるまで脱燐処理することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のダクタイル鋳鉄管の製造方法。
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