JP3672761B2 - 同期電動機駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期電動機を駆動するための同期電動機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種電気機器において、同期電動機が利用されている。同期電動機は、誘導電動機と比較して、小型軽量、高効率、サーボロックが可能、負荷の大きさによらず常に同期速度で回転する等の特徴を有しており、誘導電動機用インバータのような簡便な駆動装置によって同期電動機を駆動制御可能にすることが要望されている。
【0003】
ところで、同期電動機に要求される特性の一つにトルク特性がある。一般に、発生トルクをτとすると、τ=np・Λo・i(但し、np:極対数、Λo:界磁による電機子の磁束鎖交数、i:電機子電流)で与えられ、このような線形の特性が制御系では重要な特性になる。インバータ駆動の同期電動機でこれを実現したものが直流(DC)ブラシレスモータである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のDCブラシレスモータにおいては、固定子と回転子の相対位置を検出するための複雑な位置センサを使用しているため、高価な上に信号線へのノイズの混入等、装置の信頼性の点でも問題があった。
また、同期電動機には、前述したトルク特性以外にも、乱調や脱調のないスムーズな運転が可能であること、円滑な始動・停止が行えること、定数の変化に対しロバストな系であること、等の安定した特性が要請される。
【0005】
本発明は、位置センサを用いないことによって廉価に構成可能にすると共に、同期電動機を安定に駆動可能な同期電動機駆動装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の同期電動機駆動装置は、指令値信号を出力する制御手段と、前記指令値信号に応じた駆動信号を同期電動機に出力するインバータ手段とを備え、前記制御手段は、前記同期電動機の電機子抵抗をR、電機子巻線のインダクタンスをL、インバータ手段の角周波数をω1、Iδ=Λδ/L(Λδ:電機子δ巻線の磁束鎖交数)、電機子電流のγ軸成分をiγ、電機子電流のδ軸成分をiδ、電機子電流のδ軸成分の指令値をiδ 、電流誤差(iδ −iδ)のフィードバックゲインをKγ、Kδとして、
γ =Riγ+Lω1δ+Kγ・(iδ −iδ)/ω1
δ =Riδ+Kδ・(iδ −iδ
の関係を満足する指令値電圧vγ 、vδ に関連する信号を前記指令値信号として前記インバータ手段に出力することを特徴としている。
制御手段は、
γ =Riγ+Lω1δ+Kγ・(iδ −iδ)/ω1
δ =Riδ+Kδ・(iδ −iδ
の関係を満足する電圧vγ 、vδ に関連する信号を算出し、指令値信号としてインバータ手段に出力する。前記インバータ手段は、前記指令値信号に対応する駆動信号を同期電動機に供給する。
【0007】
また、本発明の同期電動機駆動装置は、指令値信号を出力する制御手段と、前記指令値信号に応じた駆動信号を同期電動機に出力するインバータ手段とを備え、前記制御手段は、相差角φが所定値より大きいときは前記インバータ手段の角周波数ω1を下げるように前記インバータ手段を制御すると共に、前記相差角φが所定値より小さいときは前記角周波数ω1を上げるように前記インバータ手段を制御することを特徴としている。
【0008】
このとき、前記制御手段は、インバータ装置の角周波数をω、ω1 =npωm (ωm は回転子の角速度指令値)、npは極対数、Kmはフィードバックゲイン、Tmは1次遅れ系の時定数、P=d/dtとして、下記式
ω=ω −K・{TP/(1+TP)}・iγ
を満足するように前記同期電動機を制御するようにしてもよい。
【0009】
また、前記制御手段は、前記同期電動機の始動に先立って、及び、前記同期電動機の停止直前に予備励磁期間を設け、前記予備励磁期間中、vγ =0、iδ =Iδ s(>0、予備励磁期間におけるδ巻線の電流)、ω1=0、に制御するように構成してもよい。
【0010】
さらに、前記制御手段は、(iδ −iδ)に基づいて電機子抵抗の推定値《R》を増減させるように構成してもよい。
さらにまた、前記制御手段は、iγ及びiδに基づいて界磁の強さの推定値《Io》を増減させるように構成してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。尚、本実施の形態においては、同期電動機を可変周波数・可変電圧(VVVF)のインバータ装置で駆動することにより、位置センサを省くと共に同期電動機を指定した角速度(インバータ角周波数ω1)で運転できるようにしており又、負荷が増減しても速度変動を抑え得るようにしている。また、トルクτ∝電流i(以下では、トルク電流iγを用いて説明する。)の特性を得るために一次磁束制御法を用いている。即ち、電機子の磁束鎖交数が所定の値になるように電圧を制御する方法を用いている。
【0012】
先ず、位置センサを使用しない(位置センサレス)で、電機子電流に比例したトルクτを得るための制御について説明する。図6に示すように、同期電動機の電機子(図6では固定子)601の巻線に角周波数ω1の平衡三相電流を流すと、角速度ω1/np(npは極対数)の回転磁界がギャップ中に形成される。
【0013】
いま、回転子602が電気角速度ωmeで時計方向に回転しているとし、このとき回転磁界の磁軸(γ軸)に対して、回転子の界磁の軸(d軸:直軸)が内部相差角δだけ遅れて回転しているとすると、同期電動機の発生トルクτは次式(1)で表わされることが知られている。
τ=n・Λo・sinδ・iγ ・・・(1)
但し、Λoは界磁による電機子の磁束鎖交数、iγは電機子電流のγ軸成分である。
式(1)より、δをπ/2(電動機動作時)または−π/2(回生制動時)に選べば、同じ電流に対して最も効率よくトルクを発生させることができることがわかる(前述したブラシレスモータにおいては、位置センサを用いて、δが前記位置になるように制御している。)。
【0014】
次に、一次磁束制御法により如何にして、トルク電流iγに比例するトルクτを得ることができるかを説明する。
図7は、同期電動機の一次磁束鎖交数(以下、一次磁束と称する。)を、回転子のd−q座標を基準にして描いた図である。ここで、q軸は、d軸より時計回りに90度回転してd軸と直交する軸である。
図7において、界磁の磁軸をd軸に選んでいるので、λd=Λo、λq=0である。γ−δ軸は電気角度角速度ω1で回転する直交座標系であり、ここではd−q軸よりも角度φだけ進んでいるとして表してある。また、電機子電流のγ軸成分をトルク電流iγとして示している。尚、相差角(γ−δ軸とd−q軸との角度)φと図6の内部相差角δの間にはφ=(δ−π/2)の関係がある。
【0015】
いま、図7に示すように、一次磁束及び電機子電流のγ軸成分、δ軸成分を各々、λ1 γ、λ1 δおよびiγ、iδとし、界磁磁束のγ軸成分、δ軸成分を各々、λ2 γ、λ2 δとし又、電機子巻線のインダクタンスをLと記すと、二対の下記式(2)
λ1 γ=Liγ+λ2 γ、λ2γ=−Λosinφ
λ1 δ=Liδ+λ2 δ、λ2δ= Λocosφ ・・・(2)
が得られる。
【0016】
前記のように定義した諸量を用いると、発生トルクτは、式(1)、(2)から、
τ=np(λ1 δγ−λ1 γδ
となるので、一次磁束を一対の下記式(4)
λ1 γ=0
λ1 δ=Λδ(設定値) ・・・(4)
が成立するように制御すれば下記式(5)
τ=np・Λδ・iγ ・・・(5)
が成立し、同期機は回転速度によらずトルク電流iγに比例するトルクを発生させることができる。
【0017】
以上が一次磁束制御法の原理であるが、一次磁束を式(4)の値に安定かつ正確に制御するために、本実施の形態においては、次のようにしている。
先ず、λ1 γ/L=λγ’、λ1 δ/L=λδ’、Iδ=Λδ/L、Io=Λo/Lと定義すると、一般に、同期機の電圧方程式は一対の下記式(6)
γ=Riγ+LPλγ’+Lω1λδ
δ=Riδ+LPλδ’−Lω1λγ’ ・・・(6)
で与えられる。
但し、P=d/dt(微分演算子)であり又、図7から明らかなように、
λγ’=iγ−Iosinφ
λδ’=iδ+Iocosφ
である。
【0018】
ところで、理想的な一次磁束制御(λγ’=0、λδ’=Iδ)が行われるときの電機子電流のγ軸成分及びδ軸成分をiγ 、iδ とし、前記式において、λγ’=0、λδ’=Iδを代入し整理すると、一対の下記式(7)が得られる。
γ =Iosinφ
δ =Iδ−Iocosφ ・・・(7)
【0019】
一次磁束を上記の値に制御するには、電流をiγ=iγ 、iδ=iδ (このとき、iγ 、iδ は指令値電流に相当し、「*」は指令値を表す記号として使用している。)にするような制御ループを設けることにより実現できる。そのために、一対の下記式(8)で表される電圧を同期機に印加することを考える。
γ =Riγ+Lω1δ+Kγ・(iδ −iδ)/ω1
δ =Riδ+Kδ・(iδ −iδ) ・・・(8)
尚、式(8)の第1式の右辺第3項及び第2式の右辺第2項が電流フィードバックの項であり、Kγ、Kδは、電機子電流のδ軸成分の指令値電流iδ と実際の電流iδの間の誤差(iδ −iδ)を指令値電圧vγ とvδ にフィードバックする際のゲインである。また、電機子抵抗Rは、後述するように、推定値であり、温度による誤差の発生を防止するために自動補正を行う。
【0020】
ここで、式(8)による制御の安定性について考察すると、後述するように、同期機駆動用のインバータ装置が指令値電圧vγ 、vδ 通りの電圧を出力する時は、vγ=vγ 、vδ=vδ であるから式(6)=式(8)として整理すると、下記式(9)が得られる。
【0021】
【数1】
Figure 0003672761
【0022】
一方、前述したλγ’及びλδ’の関係式から、
Figure 0003672761
であるから(ここで、「<>」は偏差を表す記号として使用している。)、iδ を理想的な一次磁束制御が行われる点(<λγ’>=<λδ’>=0)の値に選ぶと、相差角φは微少であり、iγ/Io=sinφ≒φ、cosφ≒(1−φ2/2)が成立するため下記式(10)が成立し、その結果、式(9)は下記式(11)のように表現することができる。
δ =Iδ−Iocosφ≒Iδ−Io+iγ 2/2I ・・・(10)
【0023】
【数2】
Figure 0003672761
【0024】
上記式(11)より、磁束制御系の特性方程式は、時間領域で表すと、
2+Kδ/L・P+(ω1 2+Kγ/L)=0
となり、KγとKδを適切に選ぶことにより、ω1の全域(全動作領域)にわたって安定な一次磁束制御を行うことが可能になる。例えば、低速域の場合でも、実際の同期電動機ではLが極めて小さいためKγ/LやKδ/Lの値は極めて大きく、ω1が変化しても根の配置はあまり影響を受けず、安定した動作を行うことが可能になる。
以上のようにして、同期電動機の動作点が理想的な一次磁束制御の動作点からずれたときは、その影響がiδ≠iδ として現れ、この偏差をvγ 及びvδ にフィードバックすることにより、理想的な動作点に引き戻して安定な動作を行わせることが可能になる。
【0025】
以上述べたように、同期機に前記式(8)を満足する電圧を加えるとき、安定した一次磁束制御を行うことが可能になり、位置センサ無しで安定して、電機子電流に比例するトルクを発生させることが可能になる。尚、式(8)の指令値電圧vγ 及びvδ は、後述するように、v、v、vに座標変換され、インバータ装置を介して同期電動機に供給される。
【0026】
ところで、式(8)の電機子抵抗Rや式(10)の磁石(界磁)の強さIo(=Λ/L)は、いずれも温度の関数である。例えば、一般の同期機では、巻線の温度が10度C上昇すると、電機子抵抗Rは約5%増加し、逆に、磁石の強さΛは温度が上がると低下する。したがって、これらに誤差が生じると、λγ’及びλδ’にも誤差が生じてしまい、所望の安定した動作が困難になる恐れがある。そこで、以下のように、電機子抵抗R及び磁石の強さIを自動補正することにより、安定な動作を行うようにする。
【0027】
先ず、電機子抵抗Rの自動補正法について説明すると、便宜上、電機子抵抗Rの推定値(式(8)において計算に用いる値)を《R》(「《》」は推定値を表す記号として使用している。)として式(8)のRに代入し又、定常状態を考えて式(6)及び式(8)においてP=0として、式(6)=式(8)とすると、
Riγ+Lω1<λδ’>=《R》iγ+Kγ(iδ −iδ)/ω1
が成立する。
【0028】
ここで、(R−《R》)=△R、<λδ’>≒(iδ−iδ )とすると次式が得られる。
ω1γ・△R≒(Kγ+Lω1 2)(iδ −iδ
したがって、ω1γ>0のときは、R>《R》ならば(iδ −iδ)>0となる。そこで、現在の抵抗Rの値《R(kT)》がわかれば、t=kT〜(k+1)Tの間の電流誤差(iδ −iδ)とωγの符号から、次の期間の抵抗Rの値が算定できることを利用して、下記式(12)を満たすように《R》を自動補正する。
【0029】
【数3】
Figure 0003672761
【0030】
ここで、sgn(ω1γ)は符号関数で、ω1γ≧0の時は1、ω1γ<0ならば−1の値をとる。
尚、後述するように、中央処理装置(CPU)を用いて式(12)の計算が行われるが、周期Tは前記CPUに入力されるデータのサンプリング周期を表している。また、電機子巻線の温度変化は緩慢であり、過渡状態では、《R》=Rであっても(iδ −iδ)=0にならない場合があるので、積分ゲインKの値は小さく選定した方がよい。
【0031】
次に、界磁の強さIo(=Λ/L)の自動補正法について説明する。
式(8)の(iδ −iδ)の項は積分器を通すので(式(12)参照)、定常状態ではiδ =iδである。また、<λγ’>=iγ−Iosinφ≒0、iδ =Iδ−Iocosφであるから、この2つの式からφを消去すると、
γ 2+(iδ −Iδ2=iγ 2+(iδ−Iδ2=Io 2
となる。
したがって、Ioの推定値《Io》を次式(13)のように補正すればよい。
【0032】
【数4】
Figure 0003672761
【0033】
式(13)により、現在の値《I(kT)》から、次の期間のIoの値が算定できる。この場合も、Ioの変化は緩やかであり、過渡状態では《Io》=Ioであっても上式の積分項が0にならないことがあるので、積分ゲインKIは小さな値に選ぶ方がよい。即ち、式(13)に示されるように、同期電動機が理想的な動作点近傍で動作する場合は、《Io》の誤差はiγとiδの関係に現れる。したがって、《Io》<Ioのときは、iγ 2+(iδ−Iδ2>Io 2となるため、(iγ 2+(iδ−Iδ2)=Io 2になるまで、KIを小さく選ぶことによって《Io》を少しずつ増加するように制御すればよい。
尚、式(13)では、2乗したものを積分するようにしており、積分項には正弦関数や余弦関数、あるいは平方根等が含まれていないため、CPUに大きな負担を与えずに式(13)の演算処理を行うことが可能になる。
【0034】
次に、回転速度を検出するためのセンサを用いることなく、回転速度を乱調のない安定した同期電動機の制御を行う方法について説明する。周知のように、同期機は同期速度でしか回転出来ないので、負荷の変動時等には図6の内部相差角δ(図7では相差角φ)が変動する現象、即ち、乱調が生じる。さらに、乱調が著しい場合には脱調に至り、モータは回転力を失って急停止してしまう危険がある。
【0035】
この問題を解決するためには、図7において、相差角φが所定の値(iγ=Iosinφを満足する相差角φ)よりも大きいときは、インバータ装置の角周波数ω1を現在の値よりも少し下げればよい。
dφ/dt=ω−nωまたはφ=∫(ω−nω)であるから、相差角φは漸次減少し、所定の値に移行する。逆に、相差角φが小さいときはω1を増加させればよい。
【0036】
これを具体的に説明すると、相差角φが小さい場合、前記式iγ=Iosinφにおいて、φをsinφ≒φの近似が成立する程度に小さいとすると、iγ≒Ioφとなり、iγはφに比例する。
このことから、相差角φの代わりにiγをKm倍してω1にフィードバックすることにより、インバータ装置の角周波数ωを与える。
さらに、乱調を防止して系を安定化するため、KP/(1+TP)の項をフィードバック項として付加し、インバータ装置の角周波数ωを、下記式(14)を満足するように与える。
【0037】
【数5】
Figure 0003672761
【0038】
ここで、ω1 =npωm 、ωm は回転子の角速度指令値、npは極対数、Kmはフィードバックゲイン、Tmは1次遅れ系の時定数、P=d/dtである。式(14)のようにインバータ装置の角周波数ωを与えることにより、iγが一定になる定常状態では、iγの時間微分Piγは0になるので、ω=ω となり、同期機は負荷に無関係に、指令値通りの角速度で回転する。
【0039】
また、加減速時や負荷の急変時のようにω1やiγが急激に変化する場合には、
mP/(1+TmP)≒1
が成立する程度にTmを大きく選ぶと、式(14)は次のようになる。
ω1≒ω1 −Kmγ
したがって、例えば、ω を増加させたときは、dφ/dt>0となってφは増加するが、φに比例してiγも増加するので、ωの増加を抑えるような負帰還が働くことになり、安定に動作させることが可能になる。よって、式(14)に基づいてωを制御することにより、乱調のない安定な運転が可能になると共に、指令値通りの速度で同期電動機を回転させることが可能になる。
【0040】
次に、同期機の始動特性を改善するための制御法について説明する。位置センサレスの同期機駆動装置においては、停止時のφ(=φ)が判別できないため、一時的に同期電動機がωm とは逆方向に回転することが起こり得る。
即ち、同期電動機が停止している状態では、回転子と固定子の位置関係(図6のδ又は図7のφ)を検出することができない。仮に、δ<0の状態でiγ(>0)を流すと、回転子は反時計方向に回転し、δ≒0の位置で停止する。その後ω1の上昇とともにδが漸次増加し、(これに伴ってトルクτも増加し(式(1)参照。)回転子は正規の時計方向に回転する。つまり、常に起こるとは限らないが、実用上好ましくない始動当初の逆転現象を避ける工夫が必要となる。
【0041】
同期電動機はδ=π/2(φ=0)の時、最も大きなトルクを発生する。したがって、この位置にφを設定した状態で、電流iγを流して始動を開始させるのが良い。そのために、γ巻線に対して直角の位置にあるδ巻線の電流(励磁電流)iδを活用する。
【0042】
これを詳細に説明すると、同期機の発生トルクτは、λ1 γ(=Lλγ’)、λ1 δ(=Lλδ’)に式(2)を代入して整理すると、下記式(15)のように表すことができる。
Figure 0003672761
始動時の相差角φ(=φs)は任意であるから、何らかの方法によりφを通常の動作角(φ≒0)の位置に移行させる必要がある。
【0043】
そのため、始動に先立って予備励磁期間を設けて、その期間中、
γ =0、iδ =Iδ s(>0)、ω1=0
とする。ここで、IδSは、相差角φにおけるδ巻線の電流(励磁電流)である。この期間では同期電動機は次のように動作する。即ち、
λγ’=iγ−Iosinφs
pωm+dφ/dt=ω1=0
であるから、式(6)より、
γ=Riγ+LPλγ’=(R+LP)iγ+npLIocosφs・ωm
が成立する。
【0044】
ここで、vγ=vγ =0とし、また上式でLPiγの項は他に比べて小さい(P≒0)ので無視すると、下記式(16)が得られる。
cosφs・iγ≒−npLIocos2φs/R・ωm ・・・(16)
式(16)からわかるように、式(15)の右辺の第1項によるトルクは、常にωmと逆方向(制動力)に作用する。
【0045】
例えば、0<φs≦πの状態で予備励磁を行うものとすると、予備励磁の当初はωm=0であるから式(15)の右辺第2項のトルクだけが作用し、同期電動機は正方向(ωm>0)に回転する。この間にωmが上昇すると、iγによる制動力が働くので、同期電動機は過制動の状態でφsを0に移行させる。また、0>φs>−πの場合には、逆方向のトルクが働き、φsを0に移行させ、φが0になった時点で予備励磁が終了する。そして、この動作が完了した時点でインバータ装置の角周波数ω1を式(14)のように与え、所望の値まで加速すればよい。
【0046】
以上のように本実施の形態においては、予備励磁を用いて同期電動機を最良の位置から始動させるようにしている。このとき、vγ=0(γ巻線を等価的に短絡状態にして置く。)にしているため、ωに応じたiγが流れ、回転子がφ=0に向かって振動することなくスムーズに移行する。
【0047】
一方、同期電動機を停止させる時は、ω1 ≒0になる時点から前記の予備励磁期間を設ける。この操作により、同期電動機をφs=0の近傍で確実に停止させることが可能になる。同期電動機はφs=0に静的に安定な動作点をもつので、次の始動時にはφs≒0からの始動が可能である。以上の操作を行うことにより、予備励磁期間に回転子が逆方向に回転する危険があるのは最初の1回だけであり、回転子が逆方向に回転することを防止できる。
【0048】
図1は本発明の実施の形態に係るブロック図で、前記各制御動作を実現するための同期電動機駆動装置のブロック図である。
図1において、演算手段としての中央処理装置(CPU)101には、角速度指令値ωm 及び設定値が入力される。前記設定値としては、電機子抵抗R、界磁の強さIo、電機子巻線のインダクタンスL、電機子磁束鎖交数のδ軸成分LIδ、極対数np、各種ゲインKγ、Kδ、Km、KR、KI、時定数Tmがある。但し、電機子抵抗R及び界磁の強さIoは温度により変化するので、ノミナル値を与えておく。また、CPU101には、座標変換手段としての座標変換器103からiγ、iδが入力される。CPU101と座標変換器103は、制御手段を構成している。
尚、前記各ゲインKγ、Kδ、Km、KR、KI及び時定数Tmは制御目標等に応じて適宜選定できるが、一例をあげると、定格出力が2kWで又、定格電圧が115V、133Hzで2,000rpmの同期電動機の場合、Kγとして1.070[V/AS]、Kδとして2.60[V/A]、Kmとして、3.60[1/AS]KRとして0.15[V/AS]、KIとして0.03[1/AS]、Tmとして0.10[S]程度の値が使用できる。
【0049】
CPU101からは、3相の指令値電圧vu 、vv 、vw が後述するインバータ装置102に出力されると共に、座標変換器103に対してθ1が出力される。インバータ手段としてのインバータ装置102からは、同期電動機104に対して3相の駆動信号vu、vv、vwが供給されると共に、このときのモータ電流iv、iwがセンサCTによって検出され、座標変換器103に出力される。座標変換器103は、検出電流iv、iを座標変換して、対応する電流iγ、iδをCPU101に出力する。
【0050】
図2は、CPU101の処理を示すフローチャートである。以下、図1及び図2を用いて、本実施の形態の動作を説明する。
先ず、CPU101は、ω 、iγ、iδを取り込み(ステップS201)、ω 及びiγからωl (=npωm )を算出する(ステップS202)。ω 及びω がゼロか否かを判断し(ステップS203)、ω 及びω がゼロの場合(始動時の場合)には、予備励磁期間を設けて、vγ =0、ω=0、vδ =Riδ+Kδ・(iδS−iδ)とし、ステップS207に移行する。
【0051】
一方、ステップS203において、ω 及びω がゼロでない場合(運転時の場合)には、式(8)、(10)、(14)を用いて、ω、iδ 、vγ 、vδ を算出する(ステップS204)。次に、Δω =0か否かを判断し(ステップS205)、Δω =0でない場合にはステップS207に移行し、Δω =0のときは《R》と《I》の自動補正を行った後ステップS207に移行する(ステップS206)。ステップS207においては、θ=∫ωdtを算出し2進値に変換して、座標変換器103に出力する。
【0052】
また、vγ 及びvδ を座標変換してvu〜vw(同期機に印加すべき電圧)を計算し、インバータ装置102への指令値電圧vu 、vv 、vw を求めてインバータ装置102に出力する(ステップS209)。以後、上記動作を繰り返す。
【0053】
尚、図1に示すように、座標変換器103を用いて、iu、iv、iwからiγ、iδへの座標変換を行うのは、交流の過渡現象を直流の過渡現象として取り扱うにように直流に変換するためである。これにより、式の取り扱いが格段に簡略化されるばかりでなく、制御系の取り扱いが便利になる。
また、iu、iv、iwからiγ、iδへの座標変換に、ハードウェア構成の座標変換器103を用いるようにしているが、これは、iγやiδが直流であり、インバータ装置102のPWM制御に起因する電流のリップルが容易に除去できる利点があるためである。
【0054】
以上のようにして得られた指令値電圧vu 、vv 、vw はインバータ装置102に出力されると共に、θ1が座標変換器103に出力され、インバータ装置102からは、指令値電圧vu 、vv 、vw に基づいて同期電動機104に3相の駆動信号vu、vv、vwが出される。これにより、同期電動機104は安定した駆動が行われる。
【0055】
次に、前記各動作を実現するために指令値通りの駆動信号を出力可能なインバータ装置の例を説明する。図3は、図1のインバータ装置102の詳細を示す回路図で、インバータ装置102の三相のうちの一相分(u相)の回路図を示している。
図3において、図示しない整流回路によって充電され、直流電源を構成するコンデンサ301には、これと並列に、トランジスタT 及びトランジスタT 直列接続されている。トランジスタT は第1スイッチング手段を構成し、トランジスタT は第2スイッチング手段を構成している。
【0056】
トランジスタT のコレクタ−エミッタ間には帰還ダイオードD が接続され又、トランジスタT のコレクタ−エミッタ間には帰還ダイオードD が接続されている。トランジスタT のエミッタとトランジスタT のコレクタとの接続点は負荷に接続されると共に、分圧回路を構成する抵抗Rと抵抗Rの直列回路に接続されている。
【0057】
一方、CPU101からの指令値電圧vu は乗算回路306を介して、差分信号出力手段を構成する減算回路(加合せ点)303の正入力部に、指令値η を指示するための指令値信号が入力されている。また、減算回路303の負入力部には抵抗Rと抵抗Rの接続点が接続され、これによって減算回路303の負入力部には、出力電位vuを抵抗R及びRで分圧した電位ηが入力されている。
【0058】
減算回路303の出力部は、記憶手段としての積分回路304の入力部に接続されている。積分回路304の出力部はヒステリシス・コンパレータ手段としてのヒステリシス・コンパレータ回路305の入力部に接続されている。ヒステリシス・コンパレータ回路305は、積分回路304の出力電圧eを所定のしきい値電圧と比較し、比較結果に応じてHレベル又はLレベルの制御信号Sを出力する。
【0059】
ヒステリシス・コンパレータ回路305の出力部には、前記制御信号Sの立ち上がりをTだけ遅延させるために遅延手段としての周知の遅延回路302が接続されている。遅延回路302からは、前記制御信号Sの立ち上がりをTだけ遅延させた信号である駆動信号がトランジスタT 、T の各ベースに供給されるように構成されている。
【0060】
一方、図4は、図3に示したインバータ装置102の動作原理を説明するための図で、積分回路304の出力電圧eの時間的変化が、遅延回路302の有無によって相違する様子を対比して示している。遅延回路302を設けない場合、即ち、制御信号Sと駆動信号の変化のタイミングが一致するT=0の場合を実線で示し、遅延回路302を設けた場合、即ち、駆動信号の立ち上がりが制御信号SよりもTだけ遅れる場合を破線で示している。
【0061】
以下、図3及び図4を用いて、インバータ装置102の動作を説明する。
出力電位Vは抵抗R、Rによって分圧され、出力に関連する信号として、電位η(=Kvu、但し、K=R/(R+R))が減算回路303の負入力部に入力される。減算回路303からは、電位ηと指令値η (=Kvu )の差に相当する差分信号が積分回路304に供給される。前記差分信号は積分回路304によって時間積分され、次式(17)で表される出力電圧eがヒステリシス・コンパレータ回路305に出力される。
【0062】
【数6】
Figure 0003672761
【0063】
前記出力電圧eは、ヒステリシス・コンパレータ回路305によって所定のしきい値と比較され、後述するように、比較結果に応じてHレベル又はLレベルの制御信号Sが出力される。前記制御信号Sは、該制御信号SがHレベルのときトランジスタT をオンに制御し、LレベルのときはトランジスタT をオンに制御するための信号である。
【0064】
遅延回路302を設けないT=0のときは、前記制御信号Sと同一波形の駆動信号がトランジスタT 、T に供給される。従って、ヒステリシス・コンパレータ回路305の出力が変化すると直ちに出力電位vuが変化し、これに応答して積分回路304の出力電圧eが変化するため、出力電圧eは図3の実線で示すようにヒステリシス・コンパレータ回路305の第1のしきい値ΔHと第2のしきい値−△Hの間で変化する。よって、出力電圧eの1周期の時間をTとすれば、次式(18)が成立する。
【0065】
【数7】
Figure 0003672761
【0066】
指令値vu の周期は出力電圧eの周期に比し十分大きいので、次式(19)を満足する制御が実用上十分な精度で実現できる。
【0067】
【数8】
Figure 0003672761
【0068】
一方、図3に示すように遅延回路302を設けた場合、前記制御信号Sの立ち上がりがTだけ遅延された後、駆動信号としてトタンジスタT 、T に供給されるため、トランジスタT 、T は、前記制御信号SよりもT遅れてオンすることになる。
この場合、負荷電流iuが正の時にはトランジスタT がTだけ遅延してオンするので、図4の破線で示すように、この遅延分だけ出力電圧eはしきい値ΔHを越えて動作する。但し、負荷電流iuが正の場合、トランジスタT のオンがTだけ遅れても、帰還ダイオードD が先にオンするので、出力電圧eは−ΔH以下に低下することはない。尚、負荷電流iuが負の場合は、図4を時間軸tを中心として上下反転させた図となる。
【0069】
ところで、トランジスタT 、T 、帰還ダイオードD 、D の電圧降下を無視すれば、出力端子の瞬時的な電位はトランジスタT がオンの期間ではVで一定、トランジスタT またはダイオードD がオンの期間では0で一定である。
したがって、出力電位vuの周期T、T’の平均値Eは、
=0の時:E=(τ+/T)・V
を設けた時:E=(τ+’/T’)・V
となる。
【0070】
周期TやT’は指令値vu の周期に比べ極めて小さく、この間の出力電圧eの変化は直線とみなせるので、τ+/T=τ+’/T’が実用上十分な精度で成り立ち得る。即ち、Tによる時間遅れがあっても、積分回路304がこの間における電位ηと指令値η の電圧誤差を記憶しており、次のサイクルでこれを補償するようにトランジスタT 、T のオン時間又はオフ時間を自動調整することになり、指令値vu に対応する出力Euが得られる。従って、指令値vu に対応するPWM波形の出力vuを得ることができる。
尚、前記の説明では、トランジスタT 、T 、帰還ダイオードD 、D の電圧降下や動作の時間遅れを無視して説明したが、電位ηにはこれらが加味されるので、指令値vu 通りの出力を得ることができる。
【0071】
次に、図3に示したインバータ装置の全体的な動作を、図5のタイミング図を用いて説明する。図5には、指令値η 、電位η、積分回路304の出力電圧e、制御信号S及びトランジスタT 、T のオン・オフのタイミングを示している。尚、指令値vu 及び出力vuは、指令値η 、電位ηを1/K倍した信号であり、各々、これらと同一のタイミングで変化する波形となる。また、図5は負荷電流iuが正の場合を示している。
【0072】
時刻T1において、出力電圧eがしきい値−△Hに等しくなると、ヒステリシス・コンパレータ回路305がこれを検出して、Lレベルの制御信号Sを出力する。これにより、トランジスタT はオフ、電位ηは0となり又、出力電圧eは上昇を開始する。T経過後にトランジスタT はオンとなる。出力電圧eがしきい値△Hに達すると、ヒステリシス・コンパレータ回路305がこれを検出して、Hレベルの制御信号Sを出力する。これにより、トランジスタT はオフとなる。また、出力電圧eはこの後も引き続き上昇を続ける。
【0073】
経過後にトランジスタT がオンになると、電位ηがKVとなり又、出力電圧eは下降を開始する。出力電圧eがしきい値−△Hに達すると、ヒステリシス・コンパレータ回路305がこれを検出して、Lレベルの制御信号Sを出力する。これにより、トランジスタT はオフ、電位ηは0となり又、出力電圧eは上昇を開始する。以後、この動作を繰り返す。
【0074】
このとき、出力電圧eは式(18)で示したように、(η −η)を時間積分したものであるから、その勾配(de/dt)は(η −η)に比例して変化し、指令値η と電位ηの瞬時値の電位差が大きいほど急になる。従って、前記電位差が大きいほど、制御信号Sのパルス幅は狭くなり又、トランジスタT がオンする時間も短くなる。これに伴い、電位ηのパルス幅も狭くなり、指令値η に対応した狭いパルス幅の電位ηが得られる。
逆に、前記電位差が小さいほど電位ηのパルス幅は広くなり、指令値η に対応した広いパルス幅の電位ηが得られる。
【0075】
上記動作を繰り返すことによって得られる周期Tの平均値Eは、式(20)に示すように、指令値vu (=η /K)に等しくなり、その結果、指令値vu に等しいPWM波形の出力vu(=η/K)が得られる。
したがって、積分回路等の記憶手段を設けるという簡単な構成で、アーム短絡防止時間や素子の電圧降下等による影響を補償し、指令値通りの出力を得ることができる。
【0076】
尚、出力に関連する信号である電位ηと指令値η の電圧誤差を記憶するために積分回路304を使用したが、他の記憶手段、例えば信号をデジタル処理する場合には、RAM(Random Access Memory)等のデジタル的な記憶装置を使用し、Tによって生じる電圧誤差を記憶させて次のサイクルで補償するようにしても良い。また、電位ηを発生させるために抵抗R、Rを用いて分圧するようにしたが、直列接続された複数個のコンデンサを用いて分圧する等、種々の変更が可能である。さらに、出力に関連する信号として電位ηを使用したが、出力電位vuを前記信号として直接使用してもよい。また、スイッチング手段としてトランジスタを用いたが、IGBTやサイリスタ等の他のスイッチング素子を使用することもできる。
【0077】
以上述べたように本実施の形態によれば、位置センサレスにできるため廉価に構成することが可能になる。また、電機子電流に比例したトルクを安定して発生させることが可能になる。さらに、乱調のない安定した動作を行わせることが可能になる。また、始動及び停止を良好に行わせることが可能になる。また、電機子抵抗及び界磁の強さが変動しても自動補正することにより安定な動作を行わせることが可能になる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、位置センサレスとすることができるため廉価に構成することが可能になり又、安定な駆動が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態に使用するインバータ装置のブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態に使用するインバータ装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】 本発明の実施の形態に使用するインバータ装置の動作を説明するためのタイミング図である。
【図6】 本発明の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施の形態の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
101・・・制御手段を構成するCPU
102・・・インバータ手段としてのインバータ装置
103・・・制御手段を構成する座標変換器
104・・・同期電動機

Claims (5)

  1. 指令値信号を出力する制御手段と、前記指令値信号に応じた駆動信号を同期電動機に出力するインバータ手段とを備え、前記制御手段は、前記同期電動機の電機子抵抗をR、電機子巻線のインダクタンスをL、インバータ手段の角周波数をω、Iδ=Λδ/L(Λδ:界磁による電機子の磁束鎖交数のδ軸成分)、電機子電流のγ軸成分をiγ、電機子電流のδ軸成分をiδ、電機子電流のδ軸成分の指令値をiδ 、電流誤差(iδ −iδ)のフィードバックゲインをKγ、Kδとして、
    γ =Riγ+Lωδ+Kγ・(iδ −iδ)/ω
    δ =Riδ+Kδ・(iδ −iδ
    の関係を満足する指令値電圧vγ 、vδ に関連する信号を前記指令値信号として前記インバータ手段に出力することを特徴とする同期電動機駆動装置。
  2. 前記制御手段は、相差角φが所定値より大きいときは前記インバータ手段の角周波数ω を下げるように前記インバータ手段を制御し、前記相差角φが所定値より小さいときは前記角周波数ω を上げるように前記インバータ手段を制御すると共に、インバータ装置の角周波数をω 、ω =n ω (ω は回転子の角速度指令値)、n は極対数、K はフィードバックゲイン、T は1次遅れ系の時定数、P=d/dtとして、下記式を満足するように前記同期電動機を制御することを特徴とする請求項1記載の同期電動機駆動装置。
    ω=ω −K・{TP/(1+TP)}・iγ
  3. 前記制御手段は、前記同期電動機の始動に先立って、及び、前記同期電動機の停止直前に予備励磁期間を設け、前記予備励磁期間中、vγ =0、iδ =Iδs(>0、予備励磁期間におけるδ巻線の電流)、ω=0、に制御することを特徴とする請求項1又は2記載の同期電動機駆動装置。
  4. 前記制御手段は、(iδ −iδ)に基づいて電機子抵抗の推定値《R》を増減させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の同期電動機駆動装置。
  5. 前記制御手段は、iγ及びiδに基づいて界磁の強さの推定値《I》を増減させることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の同期電動機駆動装置。
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