JP3670747B2 - 光学部材作成用液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光学部材作成用液状硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部材を作成するために用いられる液状硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、カメラ、撮影用VTRカメラ等に使用するハイブリッドレンズ、液晶ディスプレイ等に使用するフィルムレンズ、プロジェクションテレビ等に使用するフレネルレンズ等の光学機器用レンズの製造に適している液状硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学機器用レンズは軽量、薄肉で優れた光学的特性を有する必要があり、また鮮明な画質を得るために収差の除去が必要であるため、透明性が高く、屈折率の高く、光分散特性に優れた(アッベ数の小さい)材料を使用する必要がある。また非球面レンズを用いることにより球面収差を小さくすることができるが、該レンズの製造に用いられる材料として、無機ガラスでは加工が難しいため、熱および/または放射線によって硬化する液状硬化性樹脂の開発が要求されている。これまで、高屈折率化を達成するためにフッ素以外のハロゲン原子、特に臭素を有する化合物や芳香族系ウレタンアクリレートを該液状硬化性樹脂に導入することが検討されてきた(特開平1―302201号公報、特開平3―296513号公報、特開平4―216814号公報、特開平5―117348号公報、特開平5―255463号公報、特開平5―287040号公報、特開平5―310871号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液状硬化性樹脂の開発において、光学材料に要求される多くの特性を維持しながら、屈折率、光分散特性を向上させることは極めて難しい。例えば、臭素や塩素の導入は、液状硬化性樹脂の成形時の熱や放射線によって着色劣化、脱ハロゲンによるガス発生等の問題を生じ、コスト面でも厳しい制約がある。また、芳香族系ウレタンアクリレートの導入は、レンズの表面硬度が低下し、長期間の光照射により黄変、力学物性の低下等の劣化を引き起こすといった欠点がある。
【0004】
また、液状硬化性樹脂は熱硬化および/または放射線硬化により収縮を起こすため、硬化時の収縮が小さく、かつ作業性を向上するために低粘度であることが必要である。さらにレンズ自身に十分な力学特性を付与するために、硬化物の表面硬度および引張弾性率が高く、靱性の大きい樹脂が望まれており、同時に長期にわたってその光学特性や力学特性に変化が無いことが必要である。これまでのところ、上記した要求特性を全て解決できる樹脂は存在せず、上記した全ての特性を同時に満足する樹脂の開発がかねてから求められていた。
従って、本発明の目的は、低粘度で、しかも熱および/または放射線による硬化時の収縮が極めて小さく、硬化物の透明性、屈折率が高く、かつ力学特性が良好な光学部材作成用液状硬化性樹脂組成物、特に光学機器用レンズに好適な液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)ビスフェノール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート(以下、「化合物(A)」ともいう。)(B)下記式(1)
【0006】
【化2】
Figure 0003670747
【0007】
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立に、HまたはCHであり、nは1〜5の数である)
で表わされる化合物(以下、「化合物(B)」ともいう。)および(C)前記(A)成分以外の、(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有する多官能性モノマーを含有することを特徴とする光学部材作成用液状硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
本発明で用いられる化合物(A)は、ビスフェノール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートであり、これはビスフェノール骨格を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られる化合物である。化合物(A)としては、エポキシ化合物のエポキシ基の1化学等量に対して(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸誘導体約0.7〜1.5化学等量、特に好ましくは約0.9〜1.1化学等量となる比率で反応させることにより得られる化合物が好ましく用いられる。
【0009】
上記化合物(A)としては、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールFのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールSのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0010】
これらのうち、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
また、化合物(A)は、数平均分子量が400〜2000のものが好ましく、特に450〜1000のものが好ましい。これら化合物(A)の数平均分子量が400未満では、組成物の反応性が低くなる傾向にあり、十分な引張弾性率と表面硬度を有する硬化物を得ることが困難となる場合がある。また2000以上では組成物の粘度が上昇して取り扱いが困難になり、良好な生産性を得ることができず、同時に成形性が低下する等の不都合が生じる場合がある。
【0011】
化合物(A)は、全組成物中に、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜60重量%、特に好ましくは25〜55重量%配合される。10重量%未満では硬化物の引張弾性率や表面硬度が低くなりがちで、硬化性が低下する等の不都合が生じ易い。また、70重量%を超えると、組成物の粘度が上昇し、取り扱いが困難になると同時に硬化時の収縮が大きくなる等の不都合が生じる傾向がある。また、硬化物の靱性が低下して曲げ等に耐えることが困難となり、割れ易くなる場合がある。
【0012】
本発明に用いられる化合物(B)は、前記一般式(1)で表わされる。化合物(B)は、例えばp−クミルフェノール、p−ベンジルフェノール等のフェノール性水酸基1化学等量に対して、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドを平均1〜5化学等量反応させ、得られた化合物をさらに(メタ)アクリル酸と反応させて得ることができる。
一般式(1)で表わされる化合物(B)としては、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレートが特に好ましく、市販品としてアロニックスTO−1210(東亞合成化学株式会社製)を使用することができる。
【0013】
本発明に用いられる化合物(B)は、化合物(A)100重量部に対し、好ましくは20〜500重量部、さらに好ましくは30〜300重量部、特に好ましくは50〜200重量部配合される。20重量部未満では、硬化時の収縮が大きくなったり、硬化物の靱性が低下して曲げ等に耐えることが困難となり、割れたりする不都合が生じる場合がある。また、500重量部を超えると、硬化物が軟らかくなりがちで、引張り弾性率や表面硬度が低下する傾向がある。
【0014】
本発明では、さらに、前記化合物(A)以外の、(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有する多官能性モノマーが使用される。また、任意成分として前記の化合物(A)および化合物(B)以外の、(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有する単官能性モノマーを使用することができる。単官能性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、下記式(2)〜(4)
【0015】
【化3】
Figure 0003670747
【0016】
(式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数2〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基を示し、R7は水素原子または炭素数1〜12、好ましくは1〜9のアルキル基を示し、R8は炭素数2〜8、好ましくは2〜5のアルキレン基を示し複数のR9は、互いに独立に、水素原子またはメチル基を示し、rは0〜12、好ましくは1〜8の整数を示し、qは1〜8、好ましくは1〜4の整数を示す)
で表わされる化合物等の(メタ)アクリロイル基含有モノマー;N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のビニル基含有モノマーを挙げることができる。
【0017】
これらのうち、特に(メタ)アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
これら単官能性モノマーの市販品としては、例えばアローニクスM−111、M−113、M−117(以上、東亞合成株式会社製)、KAYARAD TC110S、R−629、R−644(以上、日本化薬株式会社)、ビスコート3700(大阪有機化学工業株式会社製)等を使用することができる。
【0018】
また、多官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンを開環付加させたジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドを反応させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有モノマーを挙げることができる。
【0019】
これらのうち、特にトリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0020】
これら多官能性モノマーの市販品としては、例えばユピマーUV、SA1002(以上、三菱化学株式会社)、ビスコート700(以上、大阪有機化学工業株式会社製)、KAYARAD R−604、DPCA−60、DPCA−30、DPCA−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬株式会社製)、アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亞合成株式会社製)等を使用することができる。
【0021】
上記不飽和モノマーすなわち多官能性モノマーおよび単官能性モノマーは、1種または2種以上組み合わせて用いることができ、通常、化合物(A)100重量部に対して0〜500重量部、好ましくは10〜200重量部配合することができる。500重量部を越えると硬化物の硬化時の収縮が大きくなり易く、屈折率が低下するといった不都合を生じ易い。
【0022】
本発明の組成物は、熱および/または放射線によって硬化される。ここで放射線とは、例えば赤外線、可視光線、紫外線およびX線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を意味する。
【0023】
本発明の組成物を、例えば可視光線および/または紫外線硬化させる場合には、通常、重合開始剤が用いられる。該重合開始剤としては、光重合開始剤および必要に応じてさらに光増感剤が用いられる。このような光重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであればいずれでもよく、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(以下、「BTTB」という)およびBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン等との組み合わせ等が挙げられる。これらのうち、特にベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が好ましい。これらの市販品としてはIrgacure184、651、500、907、369、784、2959(以上、チバガイギー製)、Lucirin TPO(以上、BASF製)、Darocur1116、1173(以上、メルク製)、ユベクリルP36(以上、UCB製)等を挙げることができる。また、光増感剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等があり、市販品としてはユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB製)等が挙げられる。
【0024】
前記光重合開始剤の配合量は、全組成物中に、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。10重量%を超えると、組成物の硬化特性や硬化物の力学特性および光学物性、取り扱い等に悪影響を及ぼすことがあり、0.01重量%未満では、硬化速度が低下することがある。
また、本発明の組成物を熱硬化させる場合、通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。好ましいラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ化合物等を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
【0025】
さらにまた必要に応じて添加する添加剤としては、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、無機系充填材、有機系充填材、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等がある。そして、酸化防止剤の市販品としては、Irganox1010、1035、1076、1222(以上、チバガイギー製)等が挙げられ、紫外線吸収剤の市販品としては、Tinuvin P、234、320、326、327、328、213(以上、チバガイギー製)、Sumisorb 110、130、140、220、250、300、320、340、350、400(以上、住友化学工業株式会社製)等が挙げられ、光安定剤の市販品としては、Tinuvin 292、144、622LD(以上、チバガイギー製)、サノールLS−770、765、292、2626、1114、744(以上、三共化成工業株式会社製)等が挙げられ、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品としては SH6062、SZ6030(以上、東レ・ダウ コーニング・シリコーン製)、KBE903、KBM803(以上、信越シリコーン株式会社製)等が挙げられ、老化防止剤の市販品としては、Antigene W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW(以上、住友化学工業製)等が挙げられる。
【0026】
また本発明の組成物には、その他の添加剤としてエポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、プロペニルエーテル、マレイン酸誘導体等の重合性化合物、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブテン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマーまたはオリゴマーを配合することもできる。
【0027】
本発明の組成物は、前記各成分を常法により混合して製造することができる。このようにして調製される本発明における組成物の粘度は、通常100〜20,000cps/25℃、好ましくは500〜10,000cps/25℃である。
本発明の組成物を熱および/または放射線で硬化させることによって、通常、その硬化物の23℃での引張弾性率が1〜250kg/mm2のものを得ることができる。また、その際の硬化物の好ましい屈折率(25℃)は、1.55以上、特に1.56以上であり、硬化収縮率は、好ましくは6%以下、特に好ましくは5%以下である。
【0028】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において部と記述してあるのは重量部を意味する。
【0029】
実施例1、参考例1、2および比較例1〜4
表1に示す組成の各成分を撹拌機を備えた反応容器に仕込み、液温度を50〜60℃に制御しながら3時間撹拌し、液状硬化性樹脂組成物を得た。なお比較例1および2に用いたウレタンアクリレートオリゴマーは以下の合成法に従って調整された。
【0030】
ウレタンアクリレートオリゴマーの合成法
攪拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート37.70部、数平均分子量500のポリエステルジオール(テレフタル酸/メチルペンタンジオール共重合体)42.50部、および重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02部を仕込んだ。そしてこれらを攪拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。液温度が10℃以下になった後、ジブチル錫ジラウレート0.08部を添加し、ヒドロキシエチルアクリレート19.70部を滴下し、液温度を10〜20℃に制御しながら2時間攪拌した。その後、液温度50〜60℃にて3時間攪拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1重量%以下になった時点で攪拌を終了し、数平均分子量1180のウレタンアクリレートオリゴマーを得た。この手法により得られたウレタンアクリレートオリゴマーをUA−1とする。
【0031】
評価方法
上記実施例で得られた液状硬化性樹脂組成物を用いて下記の手法で試験片を作成し、下記の如く粘度、屈折率、引張弾性率、鉛筆硬度、硬化収縮率および耐折り曲げ性の評価を行った。
【0032】
粘度測定:
JIS K7117に従い、回転粘度計を用いて25℃における粘度を測定した。
試験片の作成:
15ミルのアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を約200μmの厚みに塗布し、それに空気雰囲気下、1.0J/cm2の紫外線を照射し硬化膜を得た。次いでガラス板上より硬化膜を剥離し、23℃、相対湿度50%で24時間状態調整し、試験片とした。
屈折率測定:
アッベ屈折計を用いて上記で作成した試験片の25℃における屈折率を測定した。
引張り弾性率測定:
JIS K7113に従い、23℃における上記試験片の引張弾性率を測定した。ただし、引張速度は1mm/minであり、2.5%歪みにおける引張応力より引張弾性率を算出した。
【0033】
鉛筆硬度測定:
JIS K5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、上記試験片の鉛筆硬度を測定した。
硬化収縮率測定:
液状硬化性樹脂組成物の液密度、ならびに上記試験片を用いて硬化物密度を測定し、硬化物の硬化収縮率を次式を用いて算出した。
硬化収縮率(%)=〔1−(液密度/硬化物密度)〕×100
【0034】
折り曲げ試験
上記で作成した試験片を直径5mmの円柱に巻き付け、試験片の破損を観察した。観察結果は、破損無し:○、破損:×として表1に示した。
【0035】
【表1】
Figure 0003670747
【0036】
表1において、
(A)成分:ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリレート。Mn=510
(B)成分:エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールのアクリレート。Mn=310
モノマー(1):エチレンオキシドを反応させたビスフェノールAのジアクリレート。Mn=512
モノマー(2):フェノキシエチルアクリレート。Mn=192
モノマー(3):2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート。Mn=429
モノマー(4):アクリロイルモルフォリン。Mn=141
光重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(*Mnは、数平均分子量を表わす。)
である。
【0037】
【発明の効果】
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、低粘度であり、しかも熱および/または放射線による硬化時の硬化収縮が極めて小さい上、引張弾性率、表面硬度および靱性が大きい透明性、屈折率の高い硬化物を与え、光学機器用レンズ等の光学部材の作成に適したものである。
【0038】
本発明の好ましい実施態様を記載すれば以下のとおりである。
1. (A)ビスフェノール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートおよび (B)上記式(1)で表わされる化合物を含有する光学部材作成用液状硬化性樹脂組成物。
2. 上記エポキシ(メタ)アクリレート(A)を10〜70重量%で含有する上記1記載の液状硬化性樹脂組成物。
3. 上記化合物(B)を化合物(A)100重量部当り20〜500重量部で含有する上記1記載の液状硬化性樹脂組成物。
4. 上記(A)および(B)成分の他に、不飽和モノマーをさらに含有し、その量は化合物(A)100重量部当り500重量部以下である上記1記載の液状硬化性樹脂組成物。
5. 硬化後の引張弾性率が1〜250Kg/mm2である上記1の液状硬化性樹脂組成物。

Claims (1)

  1. (A)ビスフェノール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート(B)下記式(1)
    Figure 0003670747
    (式中、R、R、RおよびRは、互いに独立に、HまたはCHであり、nは1〜5の数である)
    で表わされる化合物および(C)前記(A)成分以外の、(メタ)アクリロイル基またはビニル基を有する多官能性モノマーを含有することを特徴とする光学部材作成用液状硬化性樹脂組成物。
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