JP3670693B2 - 直進フィーダ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、各種の小物部品を直進移送する直進フィーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボウルフィーダから送り出される整列状態の小物部品を、そのボウルフィーダに接続された直進フィーダによって目的の位置まで搬送することは従来から普通に行なわれている。
【0003】
直進フィーダは、架台にボルト止めされるベース板で下部振動体を支持し、その下部振動体と直線状のシュートを支持する上部振動体の両端部をシュートの長さ方向の振動を与えるようにしている。
【0004】
上記のような直進フィーダとボウルフィーダとを組合せて使用する場合、ボウルフィーダと直進フィーダの接続部間に段差や隙間が生じると、その接続部において部品が詰まり、あるいは噛み込み等の問題が生じるため、両フィーダを精度よく接続する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、架台にベース板をボルト締めする直進フィーダにおいては、一般に、架台とベース板との間にスペーサを介在して直進フィーダの高さ調整を行なうようにしているため、調整に非常に手間がかかると共に微妙な調整が困難であるという問題があった。
【0006】
そのような問題点を解決するため本件出願人は特開平6−115658号公報において調整機構を有する直進フィーダを提案しているが、組立て性や据付スペースの縮小化を図るうえにおいて改善すべきところが残されていた。
【0007】
この発明の第1の課題は、部品点数の少ない簡単な構成によって高さ調整できるようにした直進フィーダを提供することである。
【0008】
また、この発明の第2の課題は、据付スペースの縮小化を図ることができる直進フィーダを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の課題を解決するために、この発明においては、下部振動体と直線状のシュートを支持する上部振動体とを両振動体の両端部間に配置された傾斜状の板ばねで連結し、上部振動体をシュートの長さ方向に振動させるようにしたフィーダ本体と、そのフィーダ本体の下方に設けられたベース板と、そのベース板に下端部がボルト止めされ、かつ上端部が上記下部振動体にボルト止めされてフィーダ本体の両端部を弾性支持する2枚の防振板ばねとから成り、上記ベース板の両端部に取付孔を設け、各取付孔に挿入した据付ボルトの締付けによって架台上にベース板を固定する直進フィーダにおいて、前記ベース板に形成された取付孔をねじ孔とし、そのねじ孔に筒状の高さ調整ねじをねじ係合し、前記下部振動体およびベース板のそれぞれ両端部に前記防振板ばねの上下端が当接され、その当接によって防振板ばねに形成されたボルト挿入孔を下部振動体およびベース板に設けられたねじ孔に一致させるストッパ面を設け、前記ベース板には上下に貫通する窓を形成し、下部振動体の下面にはその窓に挿入される膨出部を形成した構成を採用したものである。
【0010】
また、第2の課題を解決するために、前記発明に係る直進フィーダのベース板の一端部側に位置する防振板ばねの上端部を1本のボルトによって下部振動体に固定すると共に下端部を2本のボルトによってベース板に固定し、ベース板の他端部側に位置する防振板ばねの上端部を2本のボルトによって下部振動体に固定すると共に下端部を1本のボルトによってベース板に固定し、ベース板の一端部を上記2本のボルト間に配置される1本の据付ボルトの締付けによって架台に固定し、かつ、ベース板の他端部を上記1本のボルトの両側に配置される2本の据付ボルトの締付けにより架台に固定した構成を採用している。
【0011】
【作用】
上記のように、ベース板に形成された取付孔をねじ孔とし、そのねじ孔に筒状の調整ねじをねじ係合したことによって、その調整ねじを回動することによりベース板が上下動し、シュートの高さを調整することができる。
【0012】
また、ベース板の一端部側に位置する防振板ばねの下端部を2本のボルトでベース板に固定し、そのボルト間に配置される据付ボルトでベース板の一端部を架台に固定し、かつベース板の他端部側に位置する防振板ばねの下端部を1本のボルトでベース板に固定し、その1本のボルト両側に配置される2本の据付ボルトによりベース板の他端部を架台に固定することにより、ベース板の幅寸法を小さくすることができ、振動フィーダの据付スペースの縮小化を図ることができる。
【0013】
【実施例】
以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1に示すように、直進フィーダは、フィーダ本体1と、そのフィーダ本体1を支持するベース板10とから成る。
【0015】
フィーダ本体1は、下部振動体2と上部振動体3とを有し、両振動体2、3の両端部間には同方向に傾斜する一対の板ばね4、4が設けられ、各板ばね4の上下端部がボルト5の締付によって各振動体2、3に固定されている。
【0016】
上部振動体3の上面には小物部品の移動を案内する直線状のシュート6が水平に取付けられている。この上部振動体3は下部振動体2に取付けたマグネット7が上部振動体3に取付けられた可動コア8を励磁吸着する作用によってシュート6の長さ方向に振動が付与される。
【0017】
フィーダ本体1は弾性部材20を介して前記ベース板10に支持されている。弾性部材20としては、防振ゴムや防振板ばねを採用することができるが、防振ゴムは経時的にへたりが生じ、そのへたりによってシュート6の高さ方向の位置が変化するため、防振板ばねを用いるのが好ましい。実施例では防振板ばねを用いている。
【0018】
図6に示すように、防振板ばね20の一端部には1つのボルト挿通孔21aが形成され、他端部には2つのボルト挿通孔21bが設けられている。防振板ばね20は下部振動体2とベース板10の両端部間に配置されている。
【0019】
ここで、ベース板10の一端部側に位置する防振板ばね20は、図2に示すように、2つのボルト挿通孔21bが下部に位置する向きとされ、一方、ベース板10の他端部側に位置する防振板ばね20は、1つのボルト挿通孔21aが下部に位置する向きとされている。これらの各防振板ばね20は、下部振動体2及びベース板10のそれぞれに形成されたばね取付面22に両端部が重ねられ、各ボルト挿通孔21a、21bから下部振動体2及びベース板10にねじ込むボルト23の締付けによって固定されている。
【0020】
前記下部振動体2およびベース板10のそれぞれには、ばね取付面22と直交するストッパ面24が形成され、そのストッパ面24に防振板ばね20の両端縁を当接することにより、ボルト挿通孔21a、21bとばね取付面22に形成されたねじ孔(図示省略)とが位置合わせされ、上記ストッパ面24がフィーダ本体の組付けの基準とされている。
【0021】
ベース板10の一端部には、図3に示すように、1つの取付孔11aが形成され、他端部には2つの取付孔11bが形成されている。一端部の取付孔11aは防振板ばね20の下端部を取付ける2本のボルト23の頭部間に配置され、一方、他端部の2つの取付孔11bは防振板ばね20の下端部を取付ける1本のボルト23の両側に配置されている。
【0022】
取付孔11a、11bのそれぞれは図5に示すように、ねじ孔とされ、各ねじ孔に筒状の高さ調整ねじ12の上部がねじ係合されている。高さ調整ねじ12の下端と架台13との間には筒状のスペーサ14が設けられ、ベース板10の上方から高さ調整ねじ12およびスペーサ14に挿入された据付ボルト15の締付けによってベース板10の両端部が架台13に固定されている。
【0023】
据付ボルト15の外周と高さ調整ねじ12の内周間には隙間が形成され、その隙間の範囲内においてフィーダ本体1を水平面上において位置調整し得るようになっている。
【0024】
上記のように、ベース板10にねじ孔11a、11bを形成し、そのねじ孔11a、11bに高さ調整ねじ12をねじ係合したことにより、据付ボルト15を弛め、上記高さ調整ねじ12を回動することによって、フィーダ本体1が上下動し、シュート6の高さを調整することができる。そのシュート6の高さ調整後に、据付ボルト15を締付けることにより、シュート6を調整位置で固定することができる。
【0025】
また、高さ調整ねじ12の内周と据付ボルト15の外周間に隙間を形成したことにより、その隙間の範囲でフィーダ本体1を水平方向に移動させることができ、シュート6の前後および左右方向の位置を調整することができる。
【0026】
図6に示すように、防振板ばね20に形成したボルト挿通孔21aをばか孔とすることにより、そのボルト挿通孔21aの内周でボルト23の外周に当接する範囲でフィーダ本体1をシュート6の長さ方向と直交する方向に位置調整することができる。
【0027】
図1及び図4に示すように、ベース板10に窓16を形成し、下部振動体2にはその窓16に挿入される膨出部17を設けることにより、直線フィーダの高さ寸法を抑えた状態で下部振動体2の重量を増大させることができる。
【0028】
実施例のように、ベース板10の一端部に位置する防振板ばね20とベース板10の他端部に位置する防振板ばね20の上下を逆向きとして各防振板ばね20を3本のボルト23で固定することにより、図2の矢印で示す横方向の力Fに対して剛性が高く、各板ばね20を4本のボルトで締付けた場合と略同様の剛性を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る直線フィーダにおいては、ベース板の両端部に設けた取付孔をねじ孔とし、そのねじ孔に筒状の高さ調整をねじ係合したので、高さ調整ねじの回動によってシュートの高さを調整することができる。
【0030】
また、ねじ孔に高さ調整ねじをねじ込む部品点数の少ない構成であるため、組立てが容易である。
【0031】
さらに、ベース板の一端部に位置する防振板ばねの上端部を1本のボルトで下部振動体に固定し、下端部を2本のボルトで固定すると共に、他端部に位置する防振板ばねの上端部を2本のボルトで下部振動体に固定し、下端部を1本のボルトで固定し、ベース板の一端部を上記2本のボルト間に配置される1本の据付ボルトで架台に固定し、かつベース板の他端部を上記1本のボルトの両側に配置される2本の据付ボルトで架台に固定することによって、ベース板の幅寸法が大きくなるのを抑制し、直線フィーダの据付スペースの縮小化を図ることができると共に、防振板ばねの上下部を各2本のボルトで固定する場合と同様に横方向の力に対して剛性の高い直進フィーダを得ることができる。
【0032】
また、防振板ばねに形成されたボルト挿通孔をばか孔とし、あるいは高さ調整ねじの内周と据付ボルトの外周間に隙間を設けたことにより、シュートを長さ方向およびそれと直交する方向に位置調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る直線フィーダの一実施例を示す切欠正面図
【図2】同上の側面図
【図3】図1のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】同上のベース板の固定部を拡大して示す一部切欠正面図
【図6】同上の防振板ばねの正面図
【符号の説明】
1 フィーダ本値
2 下部振動体
3 上部振動体
4 板ばね
5 ボルト
6 シュート
10 ベース板
11a、11b 取付孔
12 高さ調整ねじ
13 架台
15 据付ボルト
20 防振板ばね
23 ボルト
Claims (3)
- 下部振動体と直線状のシュートを支持する上部振動体とを両振動体の両端部間に配置された傾斜状の板ばねで連結し、上部振動体をシュートの長さ方向に振動させるようにしたフィーダ本体と、そのフィーダ本体の下方に設けられたベース板と、そのベース板に下端部がボルト止めされ、かつ上端部が上記下部振動体にボルト止めされてフィーダ本体の両端部を弾性支持する2枚の防振板ばねとから成り、上記ベース板の両端部に取付孔を設け、各取付孔に挿入した据付ボルトの締付けによって架台上にベース板を固定する直進フィーダにおいて、前記ベース板に形成された取付孔をねじ孔とし、そのねじ孔に筒状の高さ調整ねじをねじ係合し、前記下部振動体およびベース板のそれぞれ両端部に前記防振板ばねの上下端が当接され、その当接によって防振板ばねに形成されたボルト挿入孔を下部振動体およびベース板に設けられたねじ孔に一致させるストッパ面を設け、前記ベース板には上下に貫通する窓を形成し、下部振動体の下面にはその窓に挿入される膨出部を形成したことを特徴とする直進フィーダ。
- 前記防振板ばねに形成されたボルト挿通孔をばか孔とした請求項1に記載の直進フィーダ。
- 前記ベース板の一端部側に位置する防振板ばねの上端部を1本のボルトによって下部振動体に固定し、下端部を2本のボルトによってベース板に固定すると共に、ベース板の他端部側に位置する防振板ばねの上端部を2本のボルトによって下部振動体に固定し、下端部を1本のボルトでベース板に固定し、前記ベース板の一端部に形成された取付孔を1つとし、その取付孔を上記2本のボルト間に配置し、ベース板の他端部の取付孔を2つとし、その取付孔を1本のボルトの両側に配置した請求項1又は2に記載の直進フィーダ。
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