JP3669669B2 - 電池特性の解析方法及びそれを用いた解析装置 - Google Patents

電池特性の解析方法及びそれを用いた解析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の特性より電池を構成する材料の状態を検出する電池特性の解析方法及び解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯機器の小型軽量化が進むに連れて、その電源である二次電池のエネルギー密度の向上が要求されるようになってきている。
通常、二次電池の開発は、まず、電池を構成する各材料の開発より始まる。例えば、電極として高容量が期待される材料の候補をそれぞれ合成し、これらを用いた単極の開放セルの電気化学的特性を測定して、これら材料の電極としての性能を検討する。次に、このようにして得られたエネルギー密度が高く、電気化学的特性の優れた正極及び負極を組み合わせて電池を組み立て、その電池の特性を実験室レベルで測定する。同時に、電解質やセパレータといった電極以外の材料の特性も検討する。最後に、これら選択された材料を用いて電池を組み立てて、その電池の特性を検討する。
【0003】
電池を長時間使用していると、徐々に電池材料の劣化が進む。
従来、このような劣化した電池の内部状態を解析するためには、図5に示すように、組み立てられた電池を分解し(ステップ501)、上記とは逆の手順で、各電極、電解液、セパレータ等の構成材料の電気化学的特性または物理化学的特性を評価して(ステップ502)、これら構成材料の特性を決定していた(ステップ503)。すなわち、得られた特性と電池を組む前の特性とを比較して、その電池の構成材料の劣化の状態を解析していた。
これら一連の測定には電気化学的な熟練を要するものが多く、時間も数時間から数日を要していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような電池特性の変化と電池材料特性の変化の解析の困難さを解決するものであって、電池を分解せずに、迅速かつ安価にその各構成材料の状態を把握することができる電池特性の解析方法及び解析装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、解析対象とする電池の特性を表す数式を用いて、電池の特性の実測値からその構成材料の特性を解析する。ここで、電池の特性を表す数式とは、電池のモデルであり、等価回路で表しても本質的に同じである。このような解析は、計算機を利用した演算により、極めて迅速に実施することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の電池特性の解析方法は、電池の特性の実測データの複数と、電池を構成する材料の特性値を変数(以下、パラメータとする)として電池の特性を表した数式とを用い、数式を実測データに基づく特性曲線に近似するようにして得られたパラメータの値を用いて、電池を構成している材料の特性値を判定することを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい態様において、材料の特性値が、電極の標準電位、電極の標準電位の温度係数、電極反応の交換電流密度、電極反応の電荷移動係数、可動イオン種の拡散係数、可動イオン種の拡散の活性化エネルギー、電極反応の活性化エネルギー、電解質のイオン伝導度、電極の電子伝導度、電極の厚さ、電極の電気二重層容量、電池の熱容量、及び電池と外界との熱抵抗成分からなる群より選択される少なくとも一種を用いる。
ここで、電極反応の標準電位とは、電極を構成する活物質の酸化還元反応に関する標準電位の総称であり、電極反応とは、電極上で起こる主反応、副反応などの化学的反応の総称である。電極の厚さとは、電極反応における可動イオン種の拡散による濃度分布がみられる範囲の最長距離であり、実際の電極の厚さ、凝集した活物質粒子の粒径もしくは活物質単体の粒径、結晶子の粒径などを用いることができる。また、電極の電気二重層容量とは、活物質と電解液の界面に生じる電気二重層容量であり、電池の熱容量とは、電池の電極材料、電解質及び外装缶などを含めた熱容量を指す。電池と外界との熱容量成分とは、熱が電池内部と電池外部との間で伝搬するときの熱伝導度の逆数である。
【0008】
本発明の他の好ましい態様において、電池の特性が、充電曲線、充電曲線の温度特性、充電曲線のレート特性、放電曲線、放電曲線の温度特性、及び放電曲線のレート特性からなる群より選択される少なくとも一種である。
また、本発明の他の好ましい態様において、電池の特性が、複素インピーダンス特性である。
パラメータの値を決定する方法としては、乱数探索法(モンテカルロ法)、遺伝的アルゴリズム法及び逐次探索法からなる群より選択される少なくとも一種を用いる。これらの方法により決定したパラメータ値は、測定した電池を構成する材料の特性に対応する。
本発明の電池特性の解析方法おいては、まず、電池を構成する材料の特性値をパラメータとして含むような電池の特性を表す数式を決定する。この数式には、正極及び負極の平衡電位を決定する式、正極及び負極での電流−過電圧を決定する式及び活物質の拡散速度を決定する式などが含まれる。通常、正極及び負極の平衡電位を決定する式としては、例えばネルンストの式を用いることができる。また、正極及び負極での電流−過電圧を決定する式としては、例えばバトラーボルマーの式を用いることができる。可動イオン種の拡散速度を決定する式としては、例えばフィックの第一式と第二式を用いることができる(電気化学測定法(上)(下)、藤島昭、相澤益男及び井上徹共著、技報堂出版、1984年)。なお、これら以外の式を用いることも可能である。
次に、解析を実施したい電池の特性を測定する。このとき、測定する特性としては任意の電流あるいは電圧による充電特性、任意の電流あるいは電圧による放電特性及び交流インピーダンス特性などがあげられる。
【0009】
本発明の電池特性の解析装置は、電池の特性を示す複数の実測データを入力するための入力部、電池を構成する材料の特性値をパラメータに用いて電池の特性を表した数式を記憶した記憶部、数式が実測データに基づく特性曲線に近似するパラメータの値を決定し、そのときの電池を構成する材料の特性値を決定する演算部、及び演算部により得られた演算結果を出力する出力部を具備する。
この装置は、入力部、出力部、記憶部及び演算部を備える。データ記憶部には、電池を構成する材料の特性値をパラメータとして含む電池の特性を表す数式が記憶されていて、測定した電池の特性を入力部により入力することにより、その電池の特性と同じ特性を出力するようなパラメータの値が演算部により決定され、その電池を構成する材料の特性値が出力部により出力される。
【0010】
【実施例】
以下の実施例では、電池の特性を表す数式として、図1に示すニッケル−カドミウム二次電池の電池動作の等価回路モデルを使用する。なお、ニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池など、他の電池系においても同様の等価回路モデルを用いることができる。
図に示すように等価回路は、電極反応を構成する各反応材料(正極及び負極の酸化還元反応、正極内でのCdの反応、酸素及び水素の発生吸収反応など)の双方向の反応抵抗成分をダイオード特性で表したものD+とD-、電圧源E+とE-、電極の電子伝導度の逆数である抵抗成分RNi、正極及び負極の電気二重層容量Cdl及び電解液のオーム抵抗Relにより表される。
本モデルにおいて、正極及び負極の平衡電位Eeqは、以下の式(1)で表される。
【0011】
【数1】
Figure 0003669669
【0012】
ここで、E0は、電極反応の標準電位である。aox及びaredは、それぞれ酸化状態の活物質の活量及び還元状態の活物質の活量であり、R、T、n及びFは、それぞれ、気体定数、絶対温度、反応に関与する電子数及びファラデー定数である。平衡電位Eeqは、水酸化ニッケルを活物質とするニッケル正極において式(2)で表される。なお、QNiは正極における充電電荷量であり、QNi,Maxは正極の最大充電電荷量である。
【0013】
【数2】
Figure 0003669669
【0014】
標準電位E0の温度依存性は、以下の式(3)で表される。
【0015】
【数3】
Figure 0003669669
【0016】
電流I(t)及び過電圧η(t)は、ともに時間tの関数で表され、両者の関係は、以下の式(4)で表される。ここで、I0(t)は電極の交換電流であり、ared(0,t)及びared(t)は、それぞれ電極表面における還元状態の活物質の活量及び電極内における還元状態の活物質の活量である。aox(0,t)及びaox(t)は、それぞれ電極表面における酸化状態の活物質の活量及び電極内における酸化状態の活物質の活量である。αは、電荷移動係数である。
【0017】
【数4】
Figure 0003669669
【0018】
このうち、図中矢印方向に流れる反応電流INiは、以下の式(5)で表される。なお、QSは電極の表面電荷量である。
【0019】
【数5】
Figure 0003669669
【0020】
本電池系では正極活物質内の可動イオン種(プロトン)の拡散が反応律速に従うと仮定すると、正極活物質内でのプロトンの拡散過程は式(6)で表すことができる。ここで、cは電極内のプロトンの濃度であって、D(T)は拡散係数である。また、xは電極の厚さである。
【0021】
【数6】
Figure 0003669669
【0022】
なお、拡散係数D(T)は、式(7)で表される。
【0023】
【数7】
Figure 0003669669
【0024】
ここで、D(298K)及びΔEdiffは、それぞれ標準拡散係数(温度298Kにおける拡散係数)及び拡散の活性化エネルギーである。さらに、電池内反応等による熱発生による電池内の熱量は式(8)で表される。
【0025】
【数8】
Figure 0003669669
【0026】
ここで、Ijは各反応電流であって、ΔSjはエントロピーである。また、
intは電池の内部抵抗成分である。
次に、この表にある各パラメータと充電特性及び放電特性の関係について説明し、電池特性として充電特性及び放電特性を用いた場合に、各パラメータの最適化値が電池の材料特性としてどのような情報を与えるかを説明する。
まず、標準電位は、充電曲線及び放電曲線の電池電圧の絶対値の基準値を決定し、正極及び負極の平衡電位の変化は電池電圧そのものの変化となる。また、標準電位には温度依存性があり、任意の温度における正極及び負極の平衡電位と電池電圧を決定する要因となる。
交換電流密度は、正極及び負極の電池反応の反応性と関係し、充電曲線及び放電曲線の立ち上がりの鋭敏さを決定する。
電荷移動係数は、電極での電池反応の反応性を決定し、特に酸化反応や還元反応での反応性の違いを決定する。
【0027】
本実施例に用いた電池系では、プロトンの拡散は反応の律速段階であり、その拡散係数は、大電流充電や大電流放電時の内部インピーダンスの変化に関与する。したがって、この値は特に充電及び放電のレート特性により決定される。このとき使用される拡散係数は、温度依存性をもっており、その温度依存性を決定するパラメータがプロトンの拡散の活性化エネルギーである。
正極及び負極で起こる電池反応にも温度依存性があり、その温度依存性を決定するパラメータは、活物質内のプロトンの拡散過程と同様、正極反応及び負極反応それぞれの活性化エネルギーである。
電解液を含む電解質にはイオン伝導度の逆数である電気抵抗成分があり、これは電池のオーム抵抗成分である。また、正極及び負極それぞれに電極の電子伝導度の逆数である電気抵抗成分があり、それらも電池のオーム抵抗成分である。
正極の厚さは電極反応における可動イオン種の拡散の境界条件を提供するパラメータであり、この厚さが前述の電極反応における可動イオン種の拡散過程に影響し、電池の充電及び放電のレート特性に影響を与える。
【0028】
正極及び負極の電気二重層成分は、電池のパルス充電あるいはパルス放電時の波形と重要な関係がある。
電池の熱容量は電池内で発生する熱量と温度上昇速度との関係を決定し、電池と外界との熱抵抗成分は電池の外界の温度が与える電池内の温度変化への影響を決定し、電池内反応の進行度合いに影響を与える。この関係式は、式(9)で表すことができる。
【0029】
【数9】
Figure 0003669669
【0030】
以上、各パラメータはそれぞれ電池材料の特性と密接な関係をもっており、いずれも無視することのできない重要なパラメータである。
これらパラメータを、乱数探索法、逐次探索法、及び遺伝的アルゴリズム法を使用して、実測の電池の特性値より決定する。ここで、乱数探索法とは、乱数により各パラメータ値を決定し、電池の特性を表す数式(モデル)に代入することにより、電池特性を計算する方法である。逐次探索法とは、初期値としての各パラメータの値をあらかじめ決定しておき、その各パラメータの値を少しずつ変化させながら、実測の特性値との誤差が最小になるようなパラメータの組を探す方法である。また、遺伝的アルゴリズム法とは、所定の数のパラメータの組をあらかじめ決定しておき、それらパラメータの組同士で交叉と呼ばれるパラメータ値の交換を実施したり、あるいは突然変異と呼ばれるパラメータ値の変更を行うことにより、最も実測値との誤差が小さくなるようなパラメータの組を探す方法である。
なお、実測による電池の特性値と計算による電池の特性値との差を客観的に評価するために、式(10)に示す評価関数を使用した。
【0031】
【数10】
Figure 0003669669
【0032】
ここで、fi(x)は電池特性の実測値であって、gi(x)は、その計算値である。また、xは時間または充電量などの変数である。また、iは変数のサンプル点であり、ここでは充電電圧及び放電電圧を100点とった。
【0033】
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
《実施例1》
本実施例では、電池の特性としての充電の温度特性、充電のレート特性、放電の温度特性及び放電のレート特性を、正極及び負極の標準電位、正極及び負極の標準電位の温度係数、正極の交換電流密度、正極の電荷移動係数、正極内の活物質の拡散係数、活物質の拡散の活性化エネルギー、正極反応の活性化エネルギー、電解液の電気抵抗、正極及び負極の電気抵抗、正極の厚さ、正極及び負極の電気二重層容量、電池の熱容量及び電池と外界との熱抵抗成分をパラメータに用いた数式を使用して求める。
なお、本実施例では、乱数探索法と逐次探索法を組み合わせた方法で前述の電池特性を解析する。本実施例の解析方法のフローを図2に示す。また、装置例を図3に示す。本装置は、入力部1、出力部2、記憶部3及び演算部4を備える。まず、解析しようとする電池の諸特性を測定する(ステップ201)。ここで、求める電池特性としては、電池の温度、充放電特性、インピーダンス特性等が挙げられる。
【0034】
測定者は、各パラメータの取り得る範囲を決定し、入力部1より入力する(ステップ202)。演算部4は、決定された範囲内で乱数を発生させることにより、パラメータの組を作成し、ステップ210においてすでに記憶部3に記憶されている電池の充電曲線及び放電曲線を表す数式(電池の動作モデル)に代入する(ステップ203)。
演算部4は、パラメータの組をその数式に代入して、充電曲線及び放電曲線を計算する。なお、ここでは、温度0℃及び20℃における300mA及び600mAの電流値における充電及び放電を計算した。演算部4は、ステップ211において設定された評価関数を使用して、これらの計算値と実測の充電曲線及び放電曲線から得た実測値との評価値(以下、誤差とする)を計算する(ステップ204)。本実施例では、式(10)に示す評価関数を用いた。これら一連の操作が所定回数(例えば10,000回)繰り返されると(ステップ205)、評価したパラメータの組のうち、最も誤差が小さかったものを選び出し(ステップ206)、逐次探索法でその組の各パラメータ値周辺の値を逐次代入する(ステップ207)。その結果、最も評価関数値が小さかったパラメータの各値が抽出され(ステップ208)、その値によって、電池を構成する材料の諸特性が決定され(ステップ209)、その結果が出力部2より出力される。
本実施例で得られた等価回路モデルのパラメータの最適値を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003669669
【0036】
表1に示したパラメータ値は、上記のように本電池系の材料特性と密接な関係を有しており、その値は本電池モデルの精度の範囲内で評価関数により評価された値の程度に正確な電池材料の特性値を提供する。また、電池の特性として複素インピーダンス特性を用いても同様の効果が得られる。
【0037】
《実施例2》
次に、本実施例では、実施例1同様のパラメータと電池の特性を使用し、パラメータの値を決定する方法として、遺伝的アルゴリズムと逐次探索法を組み合わせて用いる。
本実施例の解析方法のフローを図4に示す。本実施例では、実施例1と同様の装置を用いる。
まず、解析しようとする電池の諸特性を測定する(ステップ401)。
測定者は、各パラメータの取り得る範囲を文献値などに基づいて決定し、図3に示す解析装置の入力部1より入力する(ステップ402)。演算部4は、決定された範囲内で乱数を発生させ、全く乱数のみにより決定された組み合わせを50組決定する。あるいは、n≧2の場合は、乱数により49組を設定し、残る1組は前回の演算結果で誤差が最も小さかったパラメータの組として、50組のパラメータの組を設定する。演算部4は、そのパラメータの組に交叉(ステップ404)及び突然変異(ステップ405)を施す(遺伝的アルゴリズム、坂和 正敏、田中雅博著、日本ファジイ学会編、ソフトコンピューティングシリーズ、朝倉書店を参照)。得られたパラメータの組み合わせは、ステップ413において設定された電池の特性を表す数式(電池の動作モデル)に順次代入され、それぞれ充電曲線及び放電曲線が計算される(ステップ406)。ここでは、温度0℃及び20℃における300mA及び600mAの電流値における充電及び放電を計算した。演算部4は、実施例1と同様に、ステップ414で設定された式(10)に示す評価関数を使用して、これらの計算値と実測の充電曲線及び放電曲線から得た実測値との誤差を計算する(ステップ407)。
【0038】
この操作を10回繰り返した後、最も誤差が小さかったパラメータの組を選び出し、逐次探索法でその組の各パラメータ値周辺の値を逐次代入する(ステップ409)。その結果、最も誤差が小さかったパラメータの各値が抽出される(ステップ410)。その誤差は、あらかじめ設定された値と比較され(ステップ411)、その値よりも小さければ、そのパラメータの組み合わせが、最適値として決定される(ステップ412)。
本実施例で得られた最適パラメータ値のそれぞれを表2に示す。このときの逐次探索法は局所探索法と本質的に同じである。
【0039】
【表2】
Figure 0003669669
【0040】
この表2に示したパラメータ値は、前述のように本電池系の材料特性と密接な関係を有しており、その値は本電池モデルの精度の範囲内で評価関数により評価された値の程度に正確な電池材料の特性値を提供する。また、電池特性として複素インピーダンス特性を用いても同様の効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によると、電池の特性を測定することにより、電池を分解することなく、その構成材料の特性を迅速かつ容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用した電池特性を表す数式(等価回路モデル)である。
【図2】本発明の一実施例における電池特性の解析手順を示すフローチャートである。
【図3】同電池特性の解析装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の他の実施例における電池特性の解析手順を示すフローチャートである。
【図5】従来の電池特性の解析方法の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力部
2 出力部
3 データ記憶部
4 演算部

Claims (4)

  1. 電池特性の実測データと、前記電池を構成する材料の特性値を変数として前記電池の特性を表した数式とを用い、前記数式を前記実測データに基づく特性曲線に近似するようにして得られた前記変数の値により、前記材料の特性値を判定する電池特性の解析方法であって、
    前記材料の特性値が、電極の標準電位、電極の標準電位の温度係数、電極反応の交換電流密度、電極反応の電荷移動係数、可動イオン種の拡散係数、可動イオン種の拡散の活性化エネルギー、電極反応の活性化エネルギー、電解質のイオン伝導度、電極の電子伝導度、電極の厚さ、電極の電気二重層容量、電池の熱容量、及び電池と外界との熱抵抗成分からなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記電池特性が、充電曲線、充電曲線の温度特性、充電曲線のレート特性、放電曲線、放電曲線の温度特性、放電曲線のレート特性及び複素インピーダンス特性からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする電池特性の解析方法。
  2. 前記変数の値を決定する方法として、乱数探索法、遺伝的アルゴリズム法及び逐次探索法からなる群より選択される少なくとも一種を用いる請求項1記載の電池特性の解析方法。
  3. 電池特性を示す実測データを入力するための入力部、前記電池を構成する材料の特性値を変数に含んで前記電池の特性を表した数式を記憶した記憶部、前記数式が前記実測データに基づく特性曲線に近似する前記変数の値を決定し、そのときの前記電池を構成する材料の特性値を決定する演算部、及び前記演算部により得られた演算結果を出力する出力部を具備する電池特性の解析装置であって、
    前記材料の特性値が、電極の標準電位、電極の標準電位の温度係数、電極反応の交換電流密度、電極反応の電荷移動係数、可動イオン種の拡散係数、可動イオン種の拡散の活性化エネルギー、電極反応の活性化エネルギー、電解質のイオン伝導度、電極の電子伝導度、電極の厚さ、電極の電気二重層容量、電池の熱容量及び電池と外界との熱抵抗成分からなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記電池特性が、充電曲線、充電曲線の温度特性、充電曲線のレート特性、放電曲線、放電曲線の温度特性、放電曲線のレート特性及び複素インピーダンス特性からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする電池特性の解析装置。
  4. 前記演算部が、変数の値を決定する方法として、乱数探索法、遺伝的アルゴリズム法及び逐次探索法からなる群より選択される少なくとも一種を用いる請求項3記載の電池特性の解析装置。
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