JP3669161B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーオフセット防止用の離型剤を用いた定着器を有し、両面プリント可能な電子写真複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、像担持体上に形成したたトナー像を中間転写体を介して記録シートに転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー複写機等では、高画質維持性からその複写機等専用の記録シートを推奨し、かつ片面プリントが主流であった。しかし、近年では記録シート汎用性を持たせ、両面プリントも可能となっている。また、白黒複写機等では両面プリントは今や当然である。
感光体ドラム等の像担持体上に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、係るトナー像を中間転写体から記録シート等の記録媒体へ2次転写する画像形成装置として、特開昭62−206567号公報等に開示されたものが知られている。
【0003】
図9は従来技術の説明図で、トナーオフセット防止用の離型剤を用いた定着器を有し、両面プリント可能で且つ、像担持体上に形成したトナー像を中間転写体を介して記録シートに転写する両面カラー複写機(画像形成装置)の具体例の説明図である。
図9において、プラテンガラスPG上に置かれた原稿(図示せず)からの反射光は、CCDでR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。IPS(イメージプロセッシングシステム)は、前記RGBの電気信号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の画像データに変換して記憶し、前記画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路LDに出力する。
レーザ駆動回路LDは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号をROS(ラスターオブスキャン、潜像書込装置)に出力する。
【0004】
感光体ドラムからなる像担持体01は矢印A方向に回転しており、その表面は帯電器02により一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記ROS(潜像書込装置)のレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。フルカラー画像を形成する場合は、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK(黒)画像に対応した静電潜像のみが形成される。
前記像担持体01へのレーザビームLによる潜像書込は、中間転写ベルトBの非画像部に設けられた基準マークBmをベルト位置センサSNbが検知してから所定の時間経時後に開始される。フルカラー画像の場合は、各色を重ね合わせるので、前記ベルト位置センサSNbが基準マークBmを検知してからレーザビームLによる潜像書込開始までの時間は各色同一である。
前記静電潜像が形成された像担持体01表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
【0005】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像するロータリ式の現像装置03は、回転軸03aとともに回転するK(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の現像器03K,03Y,03M,03Cを有している。前記各色の現像器03K,03Y,03M,03Cの中のいずれかの現像器が、前記現像領域Q2を通過する静電潜像をトナー像に現像する。
前記1次転写領域Q3は、矢印A方向に回転移動する中間転写ベルトBがロール状の1次転写器T1により像担持体01表面に圧接される領域である。前記1次転写器T1には現像装置03で使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が電源回路Eから供給される。前記電源回路EはコントロールCにより制御される。
【0006】
前記像担持体01表面に現像されたトナー像Tnは前記1次転写領域Q3において、1次転写器T1により中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後、像担持体01表面の残留トナーはクリーナ06によりクリーニングされる。
【0007】
前記矢印A方向に回転移動する中間転写ベルトBは、駆動ロール07、テンションロール08、アイドラロール09,09およびバックアップロール011により回転可能に支持されている。バックアップロール011には中間転写ベルトBを挟んで2次転写ロール012が離隔および圧接可能(離接可能)に配置されており、前記2次転写ロール012が中間転写ベルトBと圧接する領域(ニップ)により2次転写領域Q4が形成されている。
また、前記バックアップロール011には電極ロール013が当接している。電極ロール013には前記トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が電源回路Eから供給される。前記ロール011〜013により2次転写器T2が構成されている。
【0008】
フルカラー画像を形成する場合、潜像書込位置Q1において第1色目の静電潜像が形成され、現像領域Q2において1色目のトナー像Tnが形成される。このトナー像Tnは、1次転写領域Q3を通過する際に、1次転写器T1によって中間転写ベルトB上に静電的に1次転写される。その後同様にして、第1色目のトナー像Tnを担持した中間転写ベルトB上に、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像Tnが順次重ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルトB上に形成される。
単色のモノカラー画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用する。この場合、単色トナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。
【0009】
前記1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、給紙トレイTR1〜TR3または両面記録の場合に使用される反転トレイTR0から所定のタイミングで取り出された記録シートSが前記2次転写領域Q4に搬送される。前記2次転写領域Q4において2次転写器T2は、中間転写ベルトB上のトナー像を記録シートSに静電的に一括して2次転写する。2次転写後の中間転写ベルトBはベルトクリーナー014により残留トナーが除去される。
トナー像が2次転写された記録シートSは、定着領域Q5を通過する際に定着装置016により加熱定着された後、記録シート排出トレイTR4に排出される。
【0010】
前記定着装置016は内部にヒータ017hを有する加熱ロール017と、この加熱ロール017に圧接して配設された加圧ロール018を有している。前記定着装置016は、未定着トナー像Tnが形成された記録シートSが上記加熱ロール017および加圧ロール018間を通過する際にトナー像Tnを定着する。前記定着の際、通常、上記記録シートSの未定着トナー面が直接加熱ロール017の外周面に接触するため、記録シートS上の未定着トナーの一部が加熱ロール017側に転写され、そのトナーが加熱ロール017の1回転後に記録シートSに再転写してしまう現象(トナーオフセット現象)が起こってしまう。このトナーオフセット現象を防止するために、加熱ロール017表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置019を設け、加熱ロール017表面にアミンオイルやシリコーンオイルを均一に塗布している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記図9の画像形成装置のように、像担持体(感光体ドラム)から半導電性の中間転写体に複数回トナー像を1次転写して、多重色画像を形成後、これを記録シート表面(1面目)に一括して2次転写及び定着し、永久画像を得、更に同様の工程で記録シート裏面(2面目)の永久画像を得る両面プリント可能な装置において、定着装置にトナーオフセット現象を防止するための離型剤塗布装置を設けた場合、離型剤の塗布は加熱ロール側であるが、少なくとも記録シート定着直前には前記加熱ロールと前記加圧ロールとは圧接する。従って、1面目定着時には記録シートの表裏面どちらにも離型剤が付着する。この記録シート裏面に画像を2次転写する際、中間転写体表面には記録シート裏面から、前記2次転写ロールには記録シート表面から離型剤が付着する。
【0012】
さらに少なくとも2次転写直前には中間転写体と前記2次転写ロールとは圧接するので、前記2次転写ロールに付着した離型剤は中間転写体表面にも付着する。この中間転写体表面への離型剤付着により、離型剤が付着していない箇所との2次転写性に差ができてしまい、離型剤が付着した箇所は白く抜けてしまう、白抜けが発生するという問題点が生じた。
この問題点は、中間転写体を用いずに像担持体から直接記録シートに転写する両面プリント可能な装置においても同様で、像担持体に離型剤が付着し白抜けが発生してしまう。
【0013】
このため、従来より中間転写体表面、像担持体表面、記録シートからの離型剤除去手段が提案されている。
例えば、特開平7−261566号公報に開示された手段は、中間転写体表面の離型剤等の不純物を、不純物を分解する材料を用いた部材を当接させて除去するものである。しかしこの手段では、例えば中間転写体表面にコート層がある場合等のように、他の機能部品には影響を及ぼさず、特定の離型剤だけを分解除去する材料開発は困難と思われる。
【0014】
特開平6−148999号公報に開示された手段は、定着後の記録シート表面の離型剤を摺擦部材で除去するものである。
しかしこの手段では、OHPフィルム等の様に表面が均一で、離型剤の浸透がない場合は有効であろうが、普通紙では紙の繊維にも離型剤は浸透し、離型剤の完全除去は難しい。
【0015】
特開平5−107993号公報に開示された手段は、像担持体のクリーニング装置下流に摺擦部材を設け、像担持体に付着した離型剤を除去するものである。
しかしこの手段では、像担持体表面を均一に摩耗させながら離型剤も除去するものであって、結果的に像担持体の寿命が短くなってしまう。また、摩耗させないまでも、ロール、ウエブ等単体で離型剤を除去しようとすると、ただ付着したまま伸びるだけで離型剤の除去は難しい。
【0016】
なお、前記離型剤除去の問題点は、中間転写体を使用せずに、感光体から直接記録シートに転写する画像形成装置であって、1面目にトナー像を形成した記録シートを反転して2面目にトナー像を転写する装置においても、同様に問題となる。
すなわち、本発明は、トナー像を担持する感光体や中間転写体等のトナー像担持体から記録シートの両面にトナー像を形成する装置に適用可能である。
【0017】
本発明は前述の事情に鑑み、下記(O01)の記載内容を課題とする。
(O01)離型剤を用いた定着器を有する両面プリント可能な装置において、感光体または中間転写体等のトナー像担持体表面や、それらに接触してトナー像を記録シートに転写する転写ロール表面に付着した離型剤を確実に除去し、離型剤付着による画像白抜けを防止すること。
【0018】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決した本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号である。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0019】
(本発明)
前記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、下記の要件(A01)〜(A08)を備えたことを特徴とする、
(A01)表面にトナー像(Tn)を担持して、前記トナー像(Tn)を記録シート(S)に転写する転写領域(Q4;Q3)を通過して回転移動するトナー像担持体(B;16)、
(A02)前記記録シート(S)の一面目に前記トナー像(Tn)を形成するため、給紙トレイ(TR1〜TR3)から取り出した前記記録シート(S)を、シート用転写領域(Q4;Q3)および定着領域(Q5)へと順次搬送するシート搬送装置(St)、
(A03)前記シート用転写領域(Q4;Q3)に配置されて前記シート用転写領域(Q4;Q3)を通過する前記記録シート(S)に前記トナー像担持体(B;16)表面の前記トナー像(Tn)を転写するシート用転写ロール(30)、
(A04)前記トナー像(Tn)が転写された記録シート(S)を挟持して前記記録シート(S)上の前記トナー像(Tn)を加熱定着する一対の定着部材(61,62)と、前記定着部材(61,62)表面からの前記記録シート(S)の剥離性を良くするために前記定着部材(61,62)表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置(63)とを有し、前記定着領域(Q5)に配置された定着装置(F)、
(A05)両面記録を行う場合に、前記1面目に前記トナー像(Tn)が形成され且つ前記定着領域(Q5)通過後の前記記録シート(S)を、表裏反転させてから前記シート用転写領域(Q4;Q3)および前記定着領域(Q5)に順次再送する前記シート搬送装置(St)、
(A06)前記転写領域(Q4)の下流側の前記トナー像担持体(B;16)表面の回転移動経路に沿って配置され、前記トナー像担持体(B;16)表面に付着したトナーを擦り取るトナー像担持体クリーニング部材(41b;19b)を有するトナー像担持体クリーナ(41;19)、
(A07)前記シート用転写領域(Q4;Q3)の下流側の前記シート用転写ロール(30)表面の回転移動経路に沿って配置され、前記シート用転写ロール(30)表面に付着したトナーを擦り取る転写ロールクリーニング部材(42b)を有する転写ロールクリーナ(42)、
(A08)前記シート用転写領域(Q4;Q3)と前記トナー像担持体クリーニング部材(41b;19b)との間のトナー像担持体(B;16)表面または前記シート用転写領域(Q4;Q3)と前記転写ロールクリーニング部材(42b)との間のシート用転写ロール(30)表面の少なくとも一方の表面に付着した離型剤を除去する、離型剤除去用粉体を表面に保持する前記離型剤除去部材(43)。
【0020】
(語句の説明)
前記本発明において、「トナー像担持体(B;16)」は、次の要素を意味する。
(a)中間転写ドラム、中間転写ベルト(B)等の中間転写体を使用した画像形成装置では「中間転写体」を意味する。
(b)中間転写体を使用しない画像形成装置では感光体ドラム(16)、感光体ベルト等の感光体により構成された「像担持体(16)」を意味する。
また、前記本発明において、「シート用転写ロール(30)」は、次の要素を意味する。
(c)中間転写ドラム、中間転写ベルト(B)等の中間転写体を使用した画像形成装置では、中間転写体に1次転写されたトナー像を記録シート(S)に2次転写する「2次転写ロール(30)」を意味する。
(d)中間転写体を使用しない画像形成装置では感光体ドラム、感光体ベルト等の感光体により構成された像担持体(16)表面のトナー像を記録シート(S)に転写する「転写ロール(30)」を意味する。
【0021】
また、前記本発明において、「シート用転写領域(Q4,Q3)」は、次の要素を意味する。
(e)中間転写ドラム、中間転写ベルト(B)等の中間転写体を使用した画像形成装置では中間転写体表面のトナー像を記録シートに2次転写する「2次転写領域(Q4)」を意味する。
(f)中間転写体を使用しない画像形成装置では感光体ドラム(16)、感光体ベルト等の「感光体により構成された像担持体(16)表面のトナー像を記録シート(S)に転写する「転写領域(Q3)」を意味する。
【0022】
(本発明の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置では、表面にトナー像(Tn)を担持して回転移動するトナー像担持体(B;16)は、前記トナー像(Tn)を記録シート(S)に転写する転写領域(Q4;Q3)を通過する。シート搬送装置(St)は、記録シート(S)の一面目に前記トナー像(Tn)を形成するため、給紙トレイ(TR1〜TR3)から取り出した前記記録シート(S)を、シート用転写領域(Q4;Q3)および定着領域(Q5)へと順次搬送する。
前記シート用転写領域(Q4;Q3)に配置されたシート用転写ロール(30)は、前記シート用転写領域(Q4;Q3)を通過する前記記録シート(S)に前記トナー像担持体(B;16)表面の前記トナー像(Tn)を転写する。
前記定着領域(Q5)に配置された定着装置(F)の一対の定着部材(61,62)は、前記トナー像(Tn)が転写された前記記録シート(S)を挟持して前記記録シート(S)上の前記トナー像(Tn)を加熱定着する。前記定着装置(F)の離型剤塗布装置(63)は、前記定着部材(61,62)表面からの前記記録シート(S)の剥離性を良くするために前記定着部材(61,62)表面に離型剤を塗布する。
【0023】
両面記録を行う場合に、前記シート搬送装置(St)は、前記1面目に前記トナー像(Tn)が形成され且つ前記定着領域(Q5)通過後の前記記録シート(S)を、表裏反転させてから前記シート用転写領域(Q4;Q3)および前記定着領域(Q5)に順次再送する。
前記転写領域(Q4)の下流側の前記トナー像担持体(B;16)表面の回転移動経路に沿って配置されたトナー像担持体クリーナ(41;19)のトナー像担持体クリーニング部材(41b;19b)は、前記トナー像担持体(B;16)表面に付着したトナーを擦り取る。前記シート用転写領域(Q4;Q3)の下流側の前記シート用転写ロール(30)表面の回転移動経路に沿って配置された転写ロールクリーナ(42)の転写ロールクリーニング部材(42b)は、前記シート用転写ロール(30)表面に付着したトナーを擦り取る。
離型剤除去用粉体を表面に保持する前記離型剤除去部材(43)は、前記シート用転写領域(Q4;Q3)と前記トナー像担持体クリーニング部材(41b;19b)との間のトナー像担持体(B;16)表面または前記シート用転写領域(Q4;Q3)と前記転写ロールクリーニング部材(42b)との間のシート用転写ロール(30)表面の少なくとも一方の表面に付着した離型剤を除去する。
前記離型剤除去部材(43)表面に保持された離型剤除去用粉体により、前記離型剤を絡め取ることができるので、ロール、ウエブ等単体で除去する場合よりも確実に除去出来る。このため、離型剤が原因で生じる画像白抜けを防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の実施の形態1)
本発明の画像形成装置の実施の形態1は、前記本発明の画像形成装置において、下記の要件(A09)を備えたことを特徴とする。
(A09)前記少なくとも一方の表面に回転接触する前記離型剤除去部材(43)。
【0025】
(本発明の実施の形態1の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態1では、前記少なくとも一方の表面に回転接触する離型剤除去部材(43)は、その表面に保持する離型剤除去用粉体により前記一方の表面に付着した離型剤をからめ取ることができるので、前記離型剤を確実に除去することができる。
【0026】
(本発明の実施の形態2)
本発明の画像形成装置の実施の形態2は、前記本発明または本発明の実施の形態1の画像形成装置において、下記の要件(A010)を備えたことを特徴とする。
(A010)離型剤除去用粉体の飛散を防止するハウジング(41a,19a)内に配置された前記離型剤除去部材(43)。
【0027】
(本発明の実施の形態2の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態2では、前記離型剤除去部材は離型剤除去用粉体の飛散を防止するハウジング(41a,19a)内に配置される。前記ハウジング(41a,19a)としては、中間転写体表面、感光体表面の転写残りトナーを除去するトナー像担持体クリーナ(41,19)や転写ロール(30)表面に付着したトナーを除去するロールクリーナ(42)等のハンジング(41a,42a,19a)を使用することができる。その場合、離型剤除去部材(43)用のハウジングクリーナを別途設置する必要がなく、スペースを有効に使用できる。
【0028】
(本発明の実施の形態3)
本発明の画像形成装置の実施の形態3は、前記本発明または本発明の実施の形態1もしくは2の画像形成装置において、下記の要件(A011),(A012)を備えたことを特徴とする。
(A011)磁力を有する前記離型剤除去部材(43)、
(A012)前記磁力により離型剤除去部材(43)表面に保持される前記離型剤除去用粉体。
【0029】
(本発明の実施の形態3の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態3では、前記離型剤除去用粉体は、離型剤除去部材(43)の磁力により離型剤除去部材(43)表面に保持される。このため、前記離型剤除去用粉体は離型剤除去部材(43)表面から飛散し難くく、且つ減少し難い。
【0030】
(本発明の実施の形態4)
本発明の画像形成装置の実施の形態4は、前記本発明または本発明の実施の形態1ないし3のいずれかの画像形成装置において、下記の要件(A013),(A014)を備えたことを特徴とする。
(A013)離型剤除去用粉体の帯電極性と反対極性の電圧を印加された前記離型剤除去部材(43)、
(A014)静電気力により前記離型剤除去部材(43)表面に保持される前記離型剤除去用粉体。
【0031】
(本発明の実施の形態4の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態4では、前記離型剤除去部材(43)は、離型剤除去用粉体の帯電極性と反対極性の電圧を印加される。そして、前記離型剤除去用粉体は、静電気力により前記離型剤除去部材(43)表面に保持される。このため、前記離型剤除去用粉体は離型剤除去部材(43)表面から飛散し難くく、且つ減少し難い。
また、離型剤が極性を持っていれば、離型剤除去部材(43)に離型剤を静電吸着させる電圧を印加することによって、より効果的に除去することができる。更に、トナーと離型剤が同極性であることによって、中間転写体(B)や感光体(16)への離型剤の静電的付着は確実に防止できる。
【0032】
(本発明の実施の形態5)
本発明の画像形成装置の実施の形態5は、前記本発明または本発明の実施の形態1ないし4のいずれかの画像形成装置において、下記の要件(A015)を備えたことを特徴とする。
(A015)トナーにより構成された前記離型剤除去用粉体。
【0033】
(本発明の実施の形態5の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態5では、前記離型剤除去用粉体はトナーにより構成される。
前記離型剤除去部材(43)表面には、離型剤が付着していない転写残余トナーが進入してくるため、離型剤除去部材(43)に常にトナー(離型剤除去用粉体)が供給される。従って、離型剤除去部材(43)に離型剤除去用粉体(トナー)を供給する必要がない。
【0034】
(本発明の実施の形態6)
本発明の画像形成装置の実施の形態6は、前記本発明または本発明の実施の形態1ないし5のいずれかの画像形成装置において、下記の要件(A016)〜(A018)を備えたことを特徴とする。
(A016)一様に帯電された表面に静電潜像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像された感光体(16)表面のトナー像が1次転写される中間転写体(B)、
(A017)前記中間転写体(B)により構成された前記トナー像担持体(B)、(A018)前記中間転写体(B)により構成されたトナー像担持体(B)表面のトナー像を記録シート(S)に2次転写する2次転写ロール(30)により構成された前記シート用転写ロール(30)。
【0035】
(本発明の実施の形態6の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態6では、前記トナー像担持体(B)は、中間転写体(B)により構成される。前記中間転写体(トナー像担持体)(B)は、一様に帯電された感光体(16)表面に形成された静電潜像を現像したトナー像が1次転写される。
前記中間転写体(B)により構成されたトナー像担持体(B)表面のトナー像は、2次転写ロール(30)により構成された前記シート用転写ロール(30)により記録シート(S)に2次転写される。
前記離型剤除去用粉体を使用した離型剤除去部材(43)は、このような画像形成装置にも適用できる。
【0036】
(本発明の実施の形態7)
本発明の画像形成装置の実施の形態7は、前記本発明または本発明の実施の形態1ないし5のいずれかの画像形成装置において、下記の要件(A019)〜(A021)を備えたことを特徴とする。
(A019)一様に帯電された表面に静電潜像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像される感光体(16)、
(A020)前記感光体(16)により構成された前記トナー像担持体(B;16)、
(A021)前記感光体(16)により構成されたトナー像担持体(16)表面のトナー像を記録シート(S)に転写する転写ロール(30)により構成された前記シート用転写ロール(30)。
【0037】
(本発明の実施の形態7の作用)
前記構成を備えた本発明の画像形成装置の実施の形態7では、前記トナー像担持体(16)は、前記感光体(16)により構成される。前記トナー像担持体(感光体)(16)は、一様に帯電された表面に静電潜像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像される。
前記感光体(16)により構成されたトナー像担持体(16)表面のトナー像は、前記シート用転写ロール(30)により記録シート(S)に転写される。
前記離型剤除去用粉体を使用した離型剤除去部材(43)は、このような画像形成装置にも適用できる。
【0038】
【実施例】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前、後、右、左、上、下とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0039】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。図2は同実施例1の正断面図である。
図1および図2において、画像形成装置Uは、上面にプラテンガラス(透明な原稿台)PGを有する画像形成装置本体としてのデジタル式の複写機U1と、前記プラテンガラスPG上に着脱自在に装着される自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)U2を備えている。
前記自動原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Gが重ねて載置される原稿給紙トレイTG1を有している。前記原稿給紙トレイTG1に載置された複数の各原稿Gは順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して原稿排紙トレイTG2に排出されるように構成されている。
前記自動原稿搬送装置U2は、その後端部(−X端部)に設けた左右方向に延びるヒンジ軸(図示せず)により前記複写機U1に対して回動可能であり、原稿Gを作業者が手でプラテンガラスPG上に置く場合に上方に回動される。
【0040】
前記複写機U1は、UI(ユーザインタフェース)と、前記プラテンガラスPGの下方に順次配置された画像読取部としてのIIT(イメージインプットターミナル)および画像記録用作動部としてのIOT(イメージアウトプットターミナル)と、前記IITおよびIOT間に設けられたIPS(イメージプロセッシングシステム)とを有している。
【0041】
前記UIは、ユーザがコピースタート等の作動指令信号を入力操作する部分であり、表示部、コピースタートボタン、コピー設定枚数入力キー、カラーモード設定キー等を有している。前記表示部には画像形成装置Uの現在の設定状態に関する情報の表示等が行われるようになっている。
複写機本体U1上面の透明なプラテンガラスPGの下方に配置された原稿読取装置としてのIITは、プラテンレジ位置(OPT位置)に配置された露光系レジセンサ(プラテンレジセンサ)Sp、および露光光学系1を有している。この露光光学系1は、移動可能なランプユニット2を有しており、ランプユニット2は、原稿照明用のランプ3と第1ミラー4とを有している。
前記露光光学系1は、前記ランプユニット2の移動速度の1/2の速度で移動する移動ミラーユニット6を有している。この移動ミラーユニット6は、第2ミラー7および第3ミラー8を有している。
【0042】
前記露光光学系1は、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、常時はホーム位置に停止している。
前記自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ)U2を使用して複写を行うADFモード場合は、前記露光光学系1はホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置を順次通過する各原稿Gを露光する。
原稿Gを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行うプラテンモードの場合、前記ランプユニット2が原稿Gに対して平行に図1中左右方向(Y軸方向)に移動し、前記移動ミラーユニット5が前記ランプユニット2の移動速度の1/2の速度で1/2の距離だけ移動する。そのとき、原稿Gとレンズ8との間の距離は一定に保たれるので、その間、前記ランプ3によって照明された原稿Gの反射光は、前記露光光学系1を通ってCCD(固体撮像素子)上に収束される。前記CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0043】
また、IPSは、前記IITのCCDで得られる読取画像のアナログ電気信号のゲインを調節してデジタル信号に変換し、シェーディング補正等を行って出力する画像読取データ出力手段11を有している。また、IPSは、前記画像読取データ出力手段11の出力する画像読取データが入力される書込画像データ出力手段12を有しており、書込画像データ出力手段12は画像データを一時的に記憶する画像メモリ13を有している。
書込画像データ出力手段12は、入力された前記画像読取データに濃度補正、拡大縮小補正等のデータ処理を施して、書込用画像データ(レーザ駆動データ)としてIOTに出力する機能を有している。
前記IPSの書込画像データ出力手段12が出力する画像書込データ(レーザ駆動データ)が入力されるIOTのレーザ駆動信号出力装置14は、入力された画像データに応じたレーザ駆動信号をROS(光書込走査装置、すなわち、潜像形成装置)に出力する。
【0044】
前記ROSの下方に配置された感光体ドラムからなる像担持体16は、矢印A方向に回転する。前記像担持体16表面は帯電器17により一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記ROS(潜像書込装置)のレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。フルカラー画像を形成する場合は、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK(黒)画像に対応した静電潜像のみが形成される。
前記像担持体16へのレーザビームLによる潜像書込は、中間転写ベルトBの非画像部に設けられた基準マークBmをベルト位置センサSNbが検知してから所定の時間経時後に開始される。フルカラー画像の場合は、各色を重ね合わせるので、前記ベルト位置センサSNbが基準マークBmを検知してからレーザビームLによる潜像書込開始までの時間は各色同一である。
前記静電潜像が形成された像担持体16表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
【0045】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像するロータリ式の現像装置Dは、回転軸Daと前記回転軸Daの周囲に装着されたK(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の現像器DK,DY,DM,DCを有している。前記各色の現像器DK,DY,DM,DCの中のいずれかの現像器が、前記現像領域Q2を通過する静電潜像をトナー像に現像する。
前記1次転写領域Q3は、矢印A方向に回転移動する中間転写ベルトBがロール状の1次転写器T1により像担持体16表面に圧接される領域である。前記1次転写器T1には現像装置Dで使用される現像用のトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が電源回路Eから供給される。前記電源回路EはコントロールCにより制御される。
【0046】
前記像担持体16表面に現像されたトナー像Tnは前記1次転写領域Q3において、1次転写器T1により中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後、像担持体16表面の残留トナーはクリーナ19によりクリーニングされる。
前記中間転写ベルトBはポリイミド、ポリカーボネイト、ポリエステル、ウレタン、ナイロン、アクリル、塩化ビニル等の樹脂又は各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させ、例えば厚さ0.1mmに形成された単層ベルトである。なお、中間転写ベルトBは複層に形成する事が可能である。
【0047】
前記矢印A方向に回転移動する中間転写ベルトBは、駆動ロール26、テンションロール27、アイドラロール28,28およびバックアップロール29により回転可能に支持されている。バックアップロール29には中間転写ベルトBを挟んで2次転写ロール30が離隔および圧接可能(離接可能)に配置されており、前記2次転写ロール30が中間転写ベルトBと圧接する領域(ニップ)により2次転写領域Q4が形成されている。
また、前記バックアップロール29には電極ロール31が当接している。電極ロール31には前記トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が電源回路Eから供給される。前記ロール29〜31により2次転写器T2が構成されている。
【0048】
前記バックアップロール29は、絶縁性ロールを半導電性の薄層フィルムで被覆して形成されている。この薄層フィルムは厚さ10μm〜200μmに形成され、その表面抵抗率が107〜1011Ω/□(□=単位面積)に調整されている。
また、前記2次転写ロール30は心金が接地され且つ表面層の体積抵抗率が107Ωcm以下の導電性ロールである。
【0049】
フルカラー画像を形成する場合、潜像書込位置Q1において第1色目の静電潜像が形成され、現像領域Q2において1色目のトナー像Tnが形成される。このトナー像Tnは、1次転写領域Q3を通過する際に、1次転写器T1によって中間転写ベルトB上に静電的に1次転写される。その後同様にして、第1色目のトナー像Tnを担持した中間転写ベルトB上に、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像Tnが順次重ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルトB上に形成される。
単色のモノカラー画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用する。この場合、単色トナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。
【0050】
給紙トレイTR1〜TR3に収容された記録シートSまたは両面記録の場合に使用される反転トレイTR0に一時的に収容された記録シートSは、所定のタイミングでピックアップロール36により取り出され、さばきロール37で1枚づつ分離されて、複数の搬送ロール38によりレジロール39に搬送される。
前記レジロール39に搬送された記録シートSは、前記前記1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、2次転写領域Q4に搬送される。
前記2次転写領域Q4において前記2次転写器T2は、中間転写ベルトB上のトナー像を記録シートSに静電的に一括して2次転写する。2次転写後の中間転写ベルト(トナー像担持体)Bはベルトクリーナ(トナー像担持体クリーニング部材)41により残留トナーが除去される。また、前記2次転写ロール30は2次転写ロールクリーナ42により表面付着トナーが回収される。
【0051】
図3は画像形成装置の実施例1で使用するベルトクリーナおよび2次転写ロールクリーナの説明図で、図3Aはベルトクリーナの説明図、図3Bは2次転写ロールクリーナの説明図である。
図3において、前記ベルトクリーナ41はハウジング41a、クリーニングブレード41bおよび前記クリーニングブレード41bの上流側に配置された離型剤除去部材43を有している。また、2次転写ロールクリーナ42はハウジング42a、クリーニングブレード(転写ロールクリーニング部材)42bおよび前記離型剤除去部材43と同様に構成された離型剤除去部材43を有している。
前記離型剤除去部材43は前記ハウジング41aまたは42aに支持された基板44に固着された発泡ウレタンゴムにより構成されている。前記発泡ウレタンゴムの離型剤除去部材43はその表面部分にトナーを保持している。離型剤除去部材43はその表面にトナーをある程度保持でき、前記中間転写ベルトBまたは2次転写ロール30表面を摩耗もしくは傷付けない硬度であれば、材質はこの限りではない。また、離型剤除去部材43へは、2次転写残余トナーが供給されるので、新たにトナー補給装置は必要ない。
【0052】
なお、前記2次転写ロール30およびベルトクリーナ41は、中間転写ベルトBと離接自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色の未定着トナー像が中間転写ベルトBに1次転写されるまで、中間転写ベルトBから離隔している。なお、前記2次転写ロールクリーナ42は、前記2次転写ロール30と一緒に離接移動を行う。
トナー像が2次転写された前記記録シートSは、シートガイド46、シート搬送ベルト47により定着領域Q5に搬送され、定着領域を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
【0053】
定着装置Fの下流側に配置された切替ゲート51は、前記定着装置Fを通過した記録シートSの搬送方向を排出トレイ52またはシート反転路53のいずれかの方向に切り替える。シート反転路53に沿って複数のシート搬送ロール54が配置されている。シート反転路53は、シート循環路56を介して前記反転トレイTR0に接続されている。
前記シート反転路53およびシート循環路56の接続部に設けられたシート状且つ櫛の歯状のマイラーゲート58は、通過する記録シートSが下方に搬送される際には弾性変形により記録シートSの下方への移動を許し、マイラーゲート58を通過した記録シートSがスイッチバックして上方に搬送される場合にはシート循環路56の方向に誘導するように構成されている。
両面複写の場合には1面目のトナー像が転写された記録シートSはシート反転路53で反転されて反転トレイTR0に一旦収容されてから、所定のタイミングで取り出されて前記2次転写領域Q4に再送され、2面目にトナー像が転写される。
なお、前記符号36〜39,46,47,51〜58で示す構成要素からシート搬送装置Stが構成される。
【0054】
(定着装置)
前記定着装置Fは内部にヒータ(図示せず)を有する加熱ロール61と、この加熱ロール61に圧接して配設された加圧ロール62により構成される一対の定着ロール61,62を有している。前記定着装置Fは、未定着トナー像Tnが形成された記録シートSが上記加熱ロール61および加圧ロール62間の定着領域Q5を通過する際に前記トナー像Tnを定着する。
前記定着の際、通常、上記記録シートSの未定着トナー面が直接加熱ロール61の外周面に接触するため、記録シートS上の未定着トナーの1部が加熱ロール62側に転写され、そのトナーが加熱ロール61の1回転後に記録シートSに再転写してしまう現象(トナーオフセット現象)が起こってしまう。このトナーオフセット現象を防止するために、加熱ロール61表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置63が設けられている。離型剤塗布装置63は、加熱ロール61表面にアミンオイルやシリコーンオイルを均一に塗布している。
【0055】
(実施例1の作用)
中間転写ベルトB表面には発泡ウレタンゴムの離型剤除去部材43が当接しており、中間転写ベルトB表面と離型剤除去部材43との間にはトナーが介在している。
図4は中間転写ベルトB表面に付着した離型剤量と白抜けの関係を示すグラフである。
前記図4のグラフが得られた条件は、プリント速度は220mm/sec、離型剤塗布装置63の供給する離型剤量(所謂オイルレート)が5μl/A4である。ここで、オイルレートは島津製作所製の原子吸光分光光度計AA6600Gにて測定した。
【0056】
また、高湿環境では用紙が含水しており、定着時に離型剤が記録シート(用紙)S内部にあまり浸透せず、記録シートS表面に付着しており、両面プリント時に中間転写ベルトBに転移するため、離型剤による悪影響が大きくなる。従って、高温高湿環境(28℃、85%RH)で実験を行った。以上の条件のもと、両面で100枚プリント後の中間転写ベルトB表面の離型剤量と白抜けの関係を従来(離型剤除去手段無し)と本発明とで比較した。
ここで、中間転写ベルトB表面の離型剤量は理学電機工業製の蛍光X線分析装置RIX1000にて離型剤に含まれるSi成分を元素分析し、Si強度(kcps)として求めた。その結果、従来の離型剤除去手段が無い場合は、0.2kcpsで白抜けが発生した。
【0057】
また、ベルトクリーナ41の下流に発泡ウレタンゴムを当接し、トナーが介在していない状態で離型剤の除去を試みたが離型剤除去部材43が無い場合よりは除去できてはいるが、白抜けは発生した。ここで、白抜けが発生する離型剤量は0.15kcps以上であった。これに対し、本発明の発泡ウレタンゴム製の離型剤除去部材43を当接し、表面にトナーが介在したものは、かなりの離型剤が除去でき、白抜けも未発生であった。
以上の様に、トナーが介在することによって、中間転写ベルトB表面に付着した離型剤は除去できる。
【0058】
(実施例2)
図5は本発明の画像形成装置の実施例2の要部の説明図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
本実施例2では、離型剤塗布装置63で使用した離型剤はアミンオイルであり、極性はトナーとは逆極性のプラス極性であった。従って、離型剤除去部材43にマイナスバイアス(図5参照)を印加した。
本実施例2は、図4に示す様に、バイアス印加をしない時よりも効果的に離型剤を除去することができる。
【0059】
(実施例3)
図6は本発明の画像形成装置の実施例3の要部の説明図である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
離型剤除去部材43は磁力を持ち、表面外周には約50μmの磁性粉とトナーの混在粉体が保持されており、混在粉体が中間転写ベルトB表面に接触している。そして、離型剤除去部材43は中間転写ベルトBの回転方向とは逆方向または同方向で周速差を持って回転する。また、離型剤除去部材43へは、2次転写残余トナーが供給されるので、新たにトナー補給装置は必要ない。
以上の構成で、図4に示す様に、トナーが介在することによって、中間転写ベルトB表面に付着した離型剤は除去できる。
【0060】
(実施例4)
図7は本発明の画像形成装置の実施例4の要部の説明図である。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例3と相違しているが、他の点では前記実施例3と同様に構成されている。
離型剤除去部材43にマイナスバイアスを印加した。
前記構成を備えた実施例4は、図4に示す様に、印加しない時よりも効果的に離型剤を除去することができる。
【0061】
以上の実施例1〜4を含めて本発明者が行った実験によれば、離型剤がトナーと逆極性の場合は、2次転写の際、用紙に付着している離型剤はかなりの割合で中間転写ベルトB表面に転移してしまう。この離型剤は上記に示した方式で除去することが出来るが、離型剤をトナーと同極性にすることによって、中間転写ベルトB表面への転移は極力抑えることができ、2次転写ロール30表面のみに離型剤除去部材43を接触させ、中間転写ベルトB表面の離型剤除去部材43を省くことも可能である。なぜならクリーニングブレード41b先端に滞留するトナーで僅かな離型剤は除去できるからである。
【0062】
(実施例5)
図8は本発明の画像形成装置の実施例5の説明図である。
なお、この実施例5の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例5は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
実施例5の画像形成装置Uは、前記実施例1の中間転写ベルトBが省略されており、また、実施例1のロータリ式のカラーの現像装置Dの代わりにモノクロ画像形成用の黒の現像装置D′が設けられている。
【0063】
したがって、感光体ドラムにより構成された像担持体16表面に形成されたトナー像は転写領域Q3において記録シートSに転写される。そして、像担持体16表面の残留トナーをクリーニングするクリーナ19は、ハウジング19a、クリーニングブレード19bおよび前記クリーニングブレード19bの上流側に配置された離型剤除去部材43を有している。
この実施例5は前記クリーナ19および前記2次転写クリーナ42が離型剤除去部材43を有しているので、モノクロ画像の両面記録を行う場合、前記実施例1と同様に、像担持体16表面および転写ロールT1表面の離型剤を除去することができる。
【0064】
(前記実施例1〜5の効果)
離型剤除去部材43表面にトナー等の離型剤を除去できる粉体が介在し離型剤を絡め取ることができる為、ロール、ウエブ等単体で除去する場合よりも確実に離型剤を除去出来る。
また、離型剤除去部材43を、クリーナのハウジング内に設けることによって、配置スペースを有効に使用できる。 更に、クリーナには常に離型剤が付着していない転写残余トナーが進入してくるため、離型剤除去部材43にも常にトナーが供給される。従って、離型剤除去部材43にトナー等の離型剤除去用の粉体を供給する必要がない。また、離型剤が極性を持っていれば、離型剤除去部材43に離型剤を静電吸着させる電圧を印加することによって、より効果的に除去することができる。更に、帯電極性がトナーと同極性の離型剤を使用することによって、中間転写体や感光体への離型剤の静電的付着を確実に防止できる。
【0065】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々設計変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)本発明は、中間転写ドラムを使用した画像形成装置にも適用することができる。
(H02)前記定着装置Fの定着部材として、加熱ロール61および加圧ロール62により構成された一対の定着ロールを使用する代わりにいずれか一方または両方に定着用ベルトを使用したり、いずれか一方に従来公知の定着用フィルムや定着用パッド等を使用することが可能である。
【0066】
【発明の効果】
前述の本発明の画像形成装置は、下記の効果を奏することができる。
(E01)離型剤を用いた定着器を有する両面プリント可能な装置において、感光体または中間転写体等のトナー像担持体表面や、それらに接触してトナー像を記録シートに転写する転写ロール表面に付着した離型剤を確実に除去し、離型剤付着による画像白抜けを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】 図2は同実施例1の正断面図である。
【図3】 図3は画像形成装置の実施例1で使用するベルトクリーナおよび2次転写ロールクリーナの説明図で、図3Aはベルトクリーナの説明図、図3Bは2次転写ロールクリーナの説明図である。
【図4】 図4は中間転写ベルトB表面に付着した離型剤量と白抜けの関係を示すグラフである。
【図5】 図5は本発明の画像形成装置の実施例2の要部の説明図である。
【図6】 図6は本発明の画像形成装置の実施例3の要部の説明図である。
【図7】 図7は本発明の画像形成装置の実施例4の要部の説明図である。
【図8】 図8は本発明の画像形成装置の実施例5の説明図である。
【図9】 図9は従来技術の説明図で、トナーオフセット防止用の離型剤を用いた定着器を有し、両面プリント可能で且つ、像担持体上に形成したトナー像を中間転写体を介して記録シートに転写する両面カラー複写機(画像形成装置)の具体例の説明図である。
【符号の説明】
F…定着装置、Q3…転写領域(1次転写領域)、Q4…シート用転写領域、
Q5…定着領域、S…記録シート、St…シート搬送装置、Tn…トナー像、
TR1〜TR3…給紙トレイ、
16…像担持体、19…トナー像担持体クリーナ、30…転写ロール、42…転写ロールクリーナ、43…離型剤除去部材、63…離型剤塗布装置。
Claims (8)
- 下記の要件(A01)〜(A08)を備えたことを特徴とする画像形成装置、
(A01)表面にトナー像を担持して、前記トナー像を記録シートに転写する転写領域を通過して回転移動するトナー像担持体、
(A02)前記記録シートの一面目にトナー像を形成するため、給紙トレイから取り出した記録シートを、シート用転写領域および定着領域へと順次搬送するシート搬送装置、
(A03)前記シート用転写領域に配置されて前記シート用転写領域を通過する記録シートに前記トナー像担持体表面のトナー像を転写するシート用転写ロール、
(A04)前記トナー像が転写された記録シートを挟持して前記記録シート上のトナー像を加熱定着する一対の定着部材と、前記定着部材表面からの記録シートの剥離性を良くするために前記定着部材表面に離型剤を塗布する離型剤塗布装置とを有し、前記定着領域に配置された定着装置、
(A05)両面記録を行う場合に、前記1面目にトナー像が形成され且つ前記定着領域通過後の記録シートを、表裏反転させてから前記シート用転写領域および定着領域に順次再送する前記シート搬送装置、
(A06)前記転写領域の下流側の前記トナー像担持体表面の回転移動経路に沿って配置され、前記トナー像担持体表面に付着したトナーを擦り取るトナー像担持体クリーニング部材を有するトナー像担持体クリーナ、
(A07)前記シート用転写領域の下流側の前記シート用転写ロール表面の回転移動経路に沿って配置され、前記シート用転写ロール表面に付着したトナーを擦り取る転写ロールクリーニング部材を有する転写ロールクリーナ、
(A08)前記シート用転写領域と前記トナー像担持体クリーニング部材との間のトナー像担持体表面または前記シート用転写領域と前記転写ロールクリーニング部材との間のシート用転写ロール表面の少なくとも一方の表面に付着した離型剤を除去する、離型剤除去用粉体を表面に保持する前記離型剤除去部材。 - 下記の要件(A09)を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置、
(A09)前記少なくとも一方の表面に回転接触する前記離型剤除部材。 - 下記の要件(A010)を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置、
(A010)離型剤除去用粉体の飛散を防止するハウジング内に配置された前記離型剤除去部材。 - 下記の要件(A011),(A012)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の画像形成装置、
(A011)磁力を有する前記離型剤除去部材、
(A012)前記磁力により離型剤除去部材表面に保持される前記離型剤除去用粉体。 - 下記の要件(A013),(A014)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置、
(A013)離型剤除去用粉体の帯電極性と反対極性の電圧を印加された前記離型剤除去部材、
(A014)静電気力により前記離型剤除去部材表面に保持される前記離型剤除去用粉体。 - 下記の要件(A015)を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の画像形成装置、
(A015)トナーにより構成された前記離型剤除去用粉体。 - 下記の要件(A016)〜(A018)を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の画像形成装置、
(A016)一様に帯電された表面に静電潜像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像された感光体表面のトナー像が1次転写される中間転写体、
(A017)前記中間転写体により構成された前記トナー像担持体、
(A018)前記中間転写体により構成されたトナー像担持体表面のトナー像を記録シートに2次転写する2次転写ロールにより構成された前記シート用転写ロール。 - 下記の要件(A019)〜(A021)を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の画像形成装置、
(A019)一様に帯電された表面に静電潜像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像される感光体、
(A020)前記感光体により構成された前記トナー像担持体、
(A021)前記感光体により構成されたトナー像担持体表面のトナー像を記録シートに転写する転写ロールにより構成された前記シート用転写ロール。
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JP20917098A JP3669161B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | 画像形成装置 |
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- 1998-07-24 JP JP20917098A patent/JP3669161B2/ja not_active Expired - Fee Related
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