JP3667791B2 - Ｌ−メントール含有粉体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明はＬ−メントール含有粉体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
純粋なＬ−メントールは融点４２℃の針状結晶であるが、微量の水分を含有するとき融点は３５℃付近まで低下する。そのため、Ｌ−メントールの輸送時または保存時のケーキング防止は重要な問題である。
従来、Ｌ−メントールの製品形態は単結晶状，ペレット状，フレーク状で市販されているが、それぞれ一長一短があり満足すべきものではなかった。すなわち、単結晶状ではケーキングは起こらないが、Ｌ−メントールを生長させるために多くの日数（通常は１週間〜１０日間）を要する。また、ペレット状およびフレ−ク状では専用の機械を要し、さらにこれらの労力の割にはケーキング防止効果は満足なものではない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、ケーキングを誘起しないためのＬ−メントールの製品形態の改良が望まれていた。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、水中油滴型界面活性剤を溶解した温水中に、シリカゲルと溶融Ｌ−メントールを分散させ、この混合物を氷水によって一気に急冷することによりケーキングを誘起しないＬ−メントール含有粉体が得られることを知見し、本発明を完成した。
【０００５】
すなわち、本発明はＬ−メントールが溶融する温度の温水中に水中油滴型界面活性剤を溶解させ、シリカゲルと溶融Ｌ−メントールを加えるか、あるいはあらかじめＬ−メントールを溶融させておいたシリカゲルを加え、温水中に分散させ、続いてこの分散させた混合物中に氷水を投入することにより急冷するか、あるいはこの分散させた混合物を氷水中に投入することにより急冷することによって得られるＬ−メントール含有粉体を提供するものである。
【０００６】
本発明において用いられるＬ−メントールは、天然あるいは化学的に合成されたＬ−メントールであり、好ましくは結晶あるいはフレーク等の状態の市販されているものが用いられる。
本発明において用いられる水中油滴型界面活性剤としては、ＨＬＢ値が１０〜１６のものが用いられ、具体的にはモノラウリン酸デカグリセリル，モノミリスチン酸デカグリセリル，モノオレイン酸デカグリセリル，モノラウリン酸ヘキサグリセリル，モノステアリン酸ヘキサグリセリル等が用いられる。
また、本発明において用いられるシリカゲルとしては、平均粒径が１０μｍ以下、好ましくは２〜５μｍのものが用いられる。なお、シリカゲルはＬ−メントールの担体として用いられるものである。
【０００７】
本発明のＬ−メントール含有粉体は、例えば以下のようにして製造することができる。
すなわち、メントールが溶融する温度である３５℃以上の温度、好ましくは４０〜５０℃の温度の温水に水中油滴型界面活性剤を溶解させ、続いてＬ−メントールを４０〜５０℃の温度に加熱してシリカゲルに溶融させておいたものを、温水中に加え２〜３分間撹拌し、続いて撹拌しながら氷水を一気に温水中に加え１５℃以下まで冷却する。冷却後、得られた混合物を水洗し、濾過して乾燥することによって本発明のＬ−メントール含有粉体が得られる。
ここで１５℃以下に急冷する方法としては、氷水中に前記温水混合物を直接投入する方法も採用できる。
【０００８】
また、得られる粉体の粒径は乳化分散時の撹拌速度を調節することにより１〜１０００μｍの範囲で可変である。
このようにして得られたＬ−メントール含有粉体は、チューインガム，キャンディ等の食品、シャンプー，ボディローション等の化粧品に配合することができる。
【０００９】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例
５０℃の温水２００ｍｌにモノラウリン酸デカグリセリル１ｇを溶解し、この溶液にＬ−メントール４５ｇをシリカゲル（塩野義製薬（株）、商品名：カープレックスＣ−５００）５ｇに５０℃で溶融させたものを加え、３分間撹拌したのち、撹拌を続けながら氷水５００ｍｌを一気に加え１５℃まで冷却した。冷却後、得られた溶液を水洗して、濾過し、続いて乾燥することによってシリカゲルを１０％含有した粒径５０〜２００μｍのＬ−メントール含有率９０％の粉体５０ｇを得た。
得られた粉体は高さ５００ｍｍのカラムに充填し、室温で１か月放置しても全くケーキングは見られなかった。
【００１０】
【発明の効果】
本発明により得られるＬ−メントール含有粉体は従来のものに比べ、長時間放置してもケーキングを誘起せず、また流動性に優れたものである。
【産業上の利用分野】
本発明はＬ−メントール含有粉体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
純粋なＬ−メントールは融点４２℃の針状結晶であるが、微量の水分を含有するとき融点は３５℃付近まで低下する。そのため、Ｌ−メントールの輸送時または保存時のケーキング防止は重要な問題である。
従来、Ｌ−メントールの製品形態は単結晶状，ペレット状，フレーク状で市販されているが、それぞれ一長一短があり満足すべきものではなかった。すなわち、単結晶状ではケーキングは起こらないが、Ｌ−メントールを生長させるために多くの日数（通常は１週間〜１０日間）を要する。また、ペレット状およびフレ−ク状では専用の機械を要し、さらにこれらの労力の割にはケーキング防止効果は満足なものではない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、ケーキングを誘起しないためのＬ−メントールの製品形態の改良が望まれていた。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、水中油滴型界面活性剤を溶解した温水中に、シリカゲルと溶融Ｌ−メントールを分散させ、この混合物を氷水によって一気に急冷することによりケーキングを誘起しないＬ−メントール含有粉体が得られることを知見し、本発明を完成した。
【０００５】
すなわち、本発明はＬ−メントールが溶融する温度の温水中に水中油滴型界面活性剤を溶解させ、シリカゲルと溶融Ｌ−メントールを加えるか、あるいはあらかじめＬ−メントールを溶融させておいたシリカゲルを加え、温水中に分散させ、続いてこの分散させた混合物中に氷水を投入することにより急冷するか、あるいはこの分散させた混合物を氷水中に投入することにより急冷することによって得られるＬ−メントール含有粉体を提供するものである。
【０００６】
本発明において用いられるＬ−メントールは、天然あるいは化学的に合成されたＬ−メントールであり、好ましくは結晶あるいはフレーク等の状態の市販されているものが用いられる。
本発明において用いられる水中油滴型界面活性剤としては、ＨＬＢ値が１０〜１６のものが用いられ、具体的にはモノラウリン酸デカグリセリル，モノミリスチン酸デカグリセリル，モノオレイン酸デカグリセリル，モノラウリン酸ヘキサグリセリル，モノステアリン酸ヘキサグリセリル等が用いられる。
また、本発明において用いられるシリカゲルとしては、平均粒径が１０μｍ以下、好ましくは２〜５μｍのものが用いられる。なお、シリカゲルはＬ−メントールの担体として用いられるものである。
【０００７】
本発明のＬ−メントール含有粉体は、例えば以下のようにして製造することができる。
すなわち、メントールが溶融する温度である３５℃以上の温度、好ましくは４０〜５０℃の温度の温水に水中油滴型界面活性剤を溶解させ、続いてＬ−メントールを４０〜５０℃の温度に加熱してシリカゲルに溶融させておいたものを、温水中に加え２〜３分間撹拌し、続いて撹拌しながら氷水を一気に温水中に加え１５℃以下まで冷却する。冷却後、得られた混合物を水洗し、濾過して乾燥することによって本発明のＬ−メントール含有粉体が得られる。
ここで１５℃以下に急冷する方法としては、氷水中に前記温水混合物を直接投入する方法も採用できる。
【０００８】
また、得られる粉体の粒径は乳化分散時の撹拌速度を調節することにより１〜１０００μｍの範囲で可変である。
このようにして得られたＬ−メントール含有粉体は、チューインガム，キャンディ等の食品、シャンプー，ボディローション等の化粧品に配合することができる。
【０００９】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例
５０℃の温水２００ｍｌにモノラウリン酸デカグリセリル１ｇを溶解し、この溶液にＬ−メントール４５ｇをシリカゲル（塩野義製薬（株）、商品名：カープレックスＣ−５００）５ｇに５０℃で溶融させたものを加え、３分間撹拌したのち、撹拌を続けながら氷水５００ｍｌを一気に加え１５℃まで冷却した。冷却後、得られた溶液を水洗して、濾過し、続いて乾燥することによってシリカゲルを１０％含有した粒径５０〜２００μｍのＬ−メントール含有率９０％の粉体５０ｇを得た。
得られた粉体は高さ５００ｍｍのカラムに充填し、室温で１か月放置しても全くケーキングは見られなかった。
【００１０】
【発明の効果】
本発明により得られるＬ−メントール含有粉体は従来のものに比べ、長時間放置してもケーキングを誘起せず、また流動性に優れたものである。
Claims (4)
- Ｌ−メントールが溶融する温度の温水中に水中油滴型界面活性剤を溶解させ、シリカゲルと溶融Ｌ−メントールを加えるか、あるいはあらかじめＬ−メントールを溶融させておいたシリカゲルを加え、温水中に分散させ、続いてこの分散させた混合物中に氷水を投入することにより急冷して得られるＬ−メントール含有粉体。
- Ｌ−メントールが溶融する温度の温水中に水中油滴型界面活性剤を溶解させ、シリカゲルと溶融Ｌ−メントールを加えるか、あるいはあらかじめＬ−メントールを溶融させておいたシリカゲルを加え、温水中に分散させ、続いてこの分散させた混合物を氷水中に投入することにより急冷して得られるＬ−メントール含有粉体。
- 水中油滴型界面活性剤が、ＨＬＢ値が１０〜１６のものである請求項１または請求項２に記載のＬ−メントール含有粉体。
- シリカゲルの平均粒径が１０μｍ以下である請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のＬ−メントール含有粉体。
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|---|---|---|---|
| JP17317594A JP3667791B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | Ｌ−メントール含有粉体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17317594A JP3667791B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | Ｌ−メントール含有粉体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0820549A JPH0820549A (ja) | 1996-01-23 |
| JP3667791B2 true JP3667791B2 (ja) | 2005-07-06 |
Family
ID=15955489
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17317594A Expired - Fee Related JP3667791B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | Ｌ−メントール含有粉体 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3667791B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107073422A (zh) * | 2015-02-19 | 2017-08-18 | 西姆莱斯股份公司 | 用于储存冷却剂的方法 |
| EP1968926B1 (en) * | 2005-12-20 | 2020-09-02 | Symrise AG | Spherical menthol particles |
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| JP2008534655A (ja) * | 2005-04-06 | 2008-08-28 | シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト | メントール含有固形組成物 |
| US20210198169A1 (en) * | 2018-08-16 | 2021-07-01 | Basf Se | Method for producing menthol particles stabilized against caking, and storage-stable menthol particles and use thereof |
-
1994
- 1994-07-04 JP JP17317594A patent/JP3667791B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1968926B1 (en) * | 2005-12-20 | 2020-09-02 | Symrise AG | Spherical menthol particles |
| CN107073422A (zh) * | 2015-02-19 | 2017-08-18 | 西姆莱斯股份公司 | 用于储存冷却剂的方法 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0820549A (ja) | 1996-01-23 |
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