JP3667721B2 - 薬剤散布機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤散布機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば茶園用の薬剤散布機としては、畦を跨いで走行可能な本体と、この本体の後部に設けられて幅方向に延在するメインブームと、一端が上記メインブームの端部に第1軸によって軸着された第1のサブブームと、一端が上記第1のサブブームの他端に第2軸によって軸着された第2のサブブームとを備えるものがある。上記メインブームには、上記第1サブブームを第1軸回りに回転駆動する第1シリンダが設けられていると共に、上記第1サブブームには、上記第2サブブームを第2軸回りに回転駆動する第2シリンダが設けられている。上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームには、薬剤散布ノズルが設けられている。上記第1および第2サブブームと、上記第1および第2シリンダと、上記薬剤散布ノズルとが、本体の左右両側に配置されている。
【0003】
上記従来の薬剤散布機は、上記第1シリンダを伸張して上記第1サブブームを揺動すると共に、上記第2シリンダを伸張して上記第2サブブームを揺動して、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームを略一直線状にする。そして、上記本体が畦を跨いだ状態で畦に沿って走行すると共に、上記メインブーム、第1および第2サブブームに設けられた薬剤散布ノズルから薬剤を散布する。こうして、上記本体が跨いで走行する畦と、この畦の左右両側の各々2つの畦との合計5つの畦の茶木に、薬剤を同時に散布するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の薬剤散布機は、上記第1サブブームに第2シリンダを設けているので、この第1サブブームは支持すべき重量が大きくなって撓みやすい。上記第1サブブームが撓んだ場合、第1および第2サブブームが畦の茶木に接触して、薬剤散布機が走行不可能になる虞があるという問題がある。この第1ブームの撓みを防止するために第1サブブームの剛性を上げると、第1サブブームの大型化やコストアップを招いてしまう。
【0005】
また、上記従来の薬剤散布機は、上記第1および第2サブブームを揺動するため、第1および第2シリンダを左右に設けて合計4個のシリンダを備えるので、これらの4個のシリンダに接続する油圧配管と、上記4個のシリンダに作動油を供給する大型の油圧ポンプとが必要になって、構造が複雑で高価であるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、構造が簡単かつ安価で、しかも高効率に薬剤散布が行なえる薬剤散布機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の薬剤散布機は、畦を跨いで走行可能な本体と、
上記本体にリンク機構を介して昇降自在に支持され、幅方向に延在するメインブームと、
一端が上記メインブームの端に第1軸によって軸着され、この第1軸回りに揺動可能な第1サブブームと、
一端が上記第1サブブームの他端に第2軸によって軸着され、この第2軸回りに揺動可能な第2サブブームと、
上記メインブームに設けられて、上記第1サブブームを揺動させる駆動手段と、
両端が、上記メインブームの一端と、上記第2サブブームの一端とに軸着されて、上記第1サブブームが起立したときに、上記第2サブブームを横方向に連動させる連動リンクと、
上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームに設けられた薬剤散布ノズルと
を備え
上記第1サブブームおよび第2サブブームが折り畳まれたときに、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームは概略コ字形状を有すると共に、上記薬剤散布ノズルが外側を向くように形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の薬剤散布機によれば、上記第1サブブームは、上記メインブームに設けられた駆動手段によって駆動されて、上記第1軸回りに揺動する。この第1サブブームが駆動されて起立したとき、上記第2サブブームは、上記連動リンクによって、横方向または下方向に連動される。上記第2サブブームは上記連動リンクで連動されるので、従来におけるような第2サブブームの駆動手段としてのシリンダなどを第1サブブームに設ける必要が無い。したがって、上記第1サブブームに作用する重量が従来よりも削減できて、第1サブブームの撓みが防止できて、第1および第2サブブームが畦の植物などに接触することが有効に防止できる。また、上記第1サブブームは、支持すべき重量が従来よりも少ないので、従来よりも剛性が小さくできて、安価に形成できる。
【0009】
また、上記薬剤散布機は駆動手段の数を従来よりも少なくできるので、コスト削減ができ、上記駆動手段に接続される例えば油圧配管などの駆動用回路が簡単にできる。さらに、上記駆動手段を例えばシリンダなどで構成した場合、この駆動手段に作動流体を供給するポンプなどが小型化できる。したがって、上記薬剤散布機は、構造を簡易にして安価に製造できる。
【0010】
また、上記第2サブブームは、上記連動リンクによって上記第1サブブームに連動されるので、この第1サブブームと共に迅速に駆動される。したがって、この薬剤散布機は、薬剤を散布すべき畦の状態に応じて、第1および第2サブフレームを迅速に駆動できる。また、上記第1および第2サブブームを駆動する場合、上記駆動手段のみを制御すればよいので、操作が容易になる。その結果、薬剤散布作業が高効率に実行できる。
【0011】
また、上記メインブームは上記本体にリンク機構を介して昇降自在に支持されているので、上記リンク機構を駆動してメインブームの昇降位置を調節することによって、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームの高さを、畦の植物の高さに応じて適切に調節して、上記畦の植物に薬剤を適切に散布できる。
【0012】
請求項2に記載の薬剤散布機は、請求項1に記載の薬剤散布機において、上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは左右に夫々設けられており、左右の上記第1サブブームを互いに独立に駆動する1組の上記駆動手段を備えることを特徴としている。
【0013】
請求項2の薬剤散布機によれば、左右に上記第1サブブーム、第2サブブームおよび薬剤散布ノズルを備えるので、同時に多数の畦に薬剤が散布できる。また、上記左右に夫々設けられた第1サブブーム、第2サブブームについて、左右独立して操作することによって、上記本体の左側と右側とで互いに異なる傾斜角度をなして延在する畦に対応して、各々の畦の植物に適切に薬剤が散布できる。
【0014】
請求項3の発明の薬剤散布機は、請求項1または2に記載の薬剤散布機において、上記第1サブブームを起立させたとき、上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは、上記本体の正面から見た外側の輪郭内に略入ることを特徴としている。
【0015】
請求項3の薬剤散布機によれば、上記第1サブブームを起立させたとき、上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは、上記本体の正面から見た外側の輪郭内に略入るので、この薬剤散布機は正面においてコンパクトになる。したがって、上記薬剤散布機は比較的小さい格納場所に格納でき、また、薬剤散布運転を行なう場所以外の場所を容易に移動できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の薬剤散布機を示す側面図である。図2は、図1の薬剤散布機の部分背面図である。この薬剤散布機は、茶園の畦の茶木に薬剤を散布するためのものであり、畦間を走行する本体1と、この本体1の後部に取り付けられた薬剤散布部2とで概略構成されている。
【0018】
図1および図2に示すように、この薬剤散布機の本体1は、正面および背面から見て門形をなす門型フレーム3と、この門型フレーム3の下端に取り付けられた左右の無限走行装置5,5を備える。この無限走行装置5は、フロントホイール6と、油圧モータ7で駆動される駆動ホイール8と、両ホイール6,8に掛け回された履帯9で構成されている。上記門型フレーム3の上部には天板が架けられており、この天板に、エンジン部11、制御部12および操作ハンドル13を配置している。上記門型フレーム3の左右両側には、薬液タンク15,15を配置している。また、上記門型フレーム3の前方左側に、エンジン用の燃料タンク16を配置し、上記門型フレーム3の前方右側に、図示しない作動油タンクを配置している。
【0019】
上記エンジン部11内のエンジンは、出力軸がカップリング17を介して油圧ポンプ18に接続している。この油圧ポンプ18は、上記無限走行装置5および後述する薬剤散布部2の油圧シリンダに、油圧配管を介して作動油を供給するように形成されている。また、上記エンジンの出力軸は、プーリおよびベルトを介して動力噴霧器19を駆動可能に接続されており、この動力噴霧器19は、上記薬液タンク15,15中の薬液を吸上げて、この薬液を、上記薬剤散布部2に設けられた後述する薬剤散布ノズル24に圧送するようになっている。
【0020】
上記制御部12は、上記操作ハンドル13や、図示しないレバーおよびスイッチなどからの入力に基いて、上記エンジンや、油圧ポンプ18や、上記油圧配管に介設されたバルブなどを制御するようになっている。
【0021】
上記本体1の門型フレーム3の後部に、薬剤散布部2が取り付けられている。この薬剤散布部2は、上記本体の幅方向に延在するメインブーム20と、このメインブーム20の端部に一端が軸着された第1サブブーム21と、この第1サブブームの他端に一端が軸着された第2サブブーム22とを有する。上記第1および第2サブブーム21,22を、図2に示すように上記本体1の幅方向に延在するように揺動した状態において、上記メインブーム20、第1サブブーム21および第2サブブーム22は、いずれも、本体1の後方から見て、両端が下方に向うように湾曲した円弧形状をなしている。上記メインブーム20、第1サブブーム21および第2サブブーム21には、複数の薬剤吐出口を有するチューブ状の薬剤散布ノズル24,24,24を、各々取り付けている。
【0022】
上記メインブーム20は、両端近傍に接続されたリンク機構としての2つの昇降リンク26,26を介して、上記門型フレーム3の後部の左右両側に位置する柱部31,31に取り付けられている。上記昇降リンク26は、上下に平行に配置された2つのアーム26a,26bからなる。上側の上記アーム26aの一端は、上記門型フレームの柱部31に固定された柱部側ブラケット28の上端に軸支されている。また、上記アーム26aの他端は、上記メインブーム20に固定されたブーム側ブラケット29の上端に軸支されている。下側の上記アーム26bは、一端が上記柱部側ブラケット28の下端に軸支されていると共に、他端が上記ブーム側ブラケット29の下端に軸支されている。この下側のアーム26bの長さ方向中央よりも本体1側の位置に、油圧シリンダ33のロッド33aの先端が軸着されており、上記油圧シリンダ33のヘッド側端が、上記門型フレームの柱部31の下端近傍に軸着されている。
【0023】
図3は、上記薬剤散布部2について、メインブーム20と、このメインブーム20の右側の第1および第2サブブーム21,22を拡大して示した図である。図3に示すように、上記メインブーム20の端部と上記第1サブブーム21の一端とは、第1軸41によって軸着されている。また、上記第1サブブーム21の他端と上記第2サブブーム22の一端とは、第2軸42によって軸着されている。
【0024】
上記メインブーム20には、上記第1サブブーム21を駆動する駆動手段としての油圧シリンダ44が取り付けられている。すなわち、上記メインブーム20の中央部の上側に設けられたブラケット43に、上記油圧シリンダ44のヘッド側端が軸着されている。この油圧シリンダのロッド44aの先端は、上記第1サブブーム21の一端の近傍の上側に設けられたブラケット45に軸着されている。
【0025】
また、上記メインブーム20の端部の下側には、先端が上記第1サブブーム21の一端の近傍の下側に位置するように形成された概略「く」字型の第1支持具47が固定されている。この第1支持具47の先端には支持部が設けられており、上記第1サブブームを揺動して横方向に延在させたときに、この第1サブブーム21の一端の近傍の下側面を、上記支持部が支持するように形成されている。
【0026】
上記第1支持具47の先端には、第1リンク軸48によって、連動リンク49の一端が軸着されている。この連動リンク49の他端は、第2サブブーム22の一端の近傍に設けられたブラケット50に、第2リンク軸51で軸着されている。
【0027】
上記第1サブブーム21の他端近傍の下側面には、上記メインブーム20の端部に設けられたものと同様の概略「く」字型の第2支持具53が固定されている。この第2支持具53の先端には支持部が設けられており、上記第2サブブーム22を揺動して横方向に延在させたときに、この第2サブブーム22の一端の近傍の下側面を、上記支持部が支持するように形成されている。
【0028】
図2,3は、上記メインブーム20よりも右側の部分のみを図示するが、上記メインブーム20の左側についても、右側部分と同様の第1,第2サブブーム21,22、油圧シリンダ44および連動リンク49などを、本体1の中心線に関して略線対称位置に配置している。
【0029】
上記構成の薬剤散布機によれば、薬剤を散布しないときは、図1乃至3の点線で示すように、左右の油圧シリンダ44を収縮させて上記第1サブブーム21を起立させる。この第1サブブーム21を起立させると、上記連動リンク49によって上記第2サブブーム22が連動されて、この第2サブブーム22は、横方向を向いた状態で上記メインブーム20の上方に配置される。これによって、左右の上記第2サブブーム22,22が、正面および背面から見て長手方向の略中央で互いに交差するように、左右の上記第1および第2サブブーム21,22が畳まれた状態になる。なお、左右の上記第2サブブーム22,22は、畳まれたときに互いに衝突しないように形成されている。上記畳まれた状態の左右の第1,第2サブブーム21,22および連動リンク49は、図2において点線で示すように、正面および背面から見た場合、本体1の外側の輪郭内に略入るようになる。その結果、上記薬剤散布機がコンパクトになって、茶園の内外における移動などが容易に行なえる。また、この薬剤散布機を格納するためのスペースが比較的小さくできる。
【0030】
上記薬剤散布機は、茶園の畦の茶木に薬剤を散布するときは、畳まれた左右の第1および第2サブブーム21,22を、本体1の幅方向外側に伸張する。このときの動作を、右側の第1および第2サブブーム21,22について説明する。まず、サブブームの伸張動作が開始されると、上記油圧ポンプ18から油圧シリンダ44に作動油が供給され、この油圧シリンダのロッド44aが突出する。油圧シリンダのロッド44aが突出すると、このロッド44aの先端にブラケット45を介して軸着された第1サブブーム21が、一端の第1軸41を中心に、本体1の背面から見て右回りに回動する。これによって、上記第1サブブーム21の他端と第2サブブーム22の一端とを軸着する第2軸42は、図2および3に示すように円弧Aを描く。これに伴って、上記連動リンク49が、第1リンク軸48を中心に、本体1の背面から見て右回りに回動する。これによって、上記連動リンク49の他端と上記第2サブブーム22のブラケット50とを軸着する第2リンク軸51は、円弧Bを描く。上記第2サブブーム22に関して、第2軸42が円弧Aを描くと共に、第2リンク軸51が円弧Bを描くように駆動されるので、この第2サブブーム22は第2軸42を中心に、本体1の背面から見て右回りに回動する。その結果、上記第1サブブーム21および第2サブブーム22は、本体1の幅方向外側に向って伸張する。
【0031】
左側の第1および第2サブブーム21,22についても、右側の第1および第2サブブーム21,22と同様に逆回りに回動駆動して、本体1の幅方向外側に向って伸張させる。
【0032】
左右の上記第1および第2サブブーム21,22が左右両側に伸張された状態で、上記本体1で畦を跨いで、左右の無限走行装置5,5によって畦間を走行する。そして、上記動力噴霧器19を駆動し、上記薬液タンク15,15中の薬液を、上記メインブーム20と、左右両側の第1サブブーム21および第2サブブーム22に各々取り付けられた薬剤散布ノズル24,24…に圧送する。この圧送された薬液は、薬剤散布ノズル24,24…の吐出口から、噴霧状態になって吐出される。こうして、上記メインブーム20と、左右両側の第1および第2サブブーム21,22とで、隣り合う5列の畦の茶木55,55・・・に、同時に薬剤を散布する。
【0033】
上記薬剤散布ノズル24と、畦の茶木55との間の距離は、上記メインブーム20に軸着された油圧シリンダ33によって調節する。上記薬剤散布ノズル24を茶木に近づける必要がある場合、上記油圧シリンダ33を収縮して、この油圧シリンダのロッド33aの先端が軸着された昇降リンク26のアーム26a,26bを、上記柱部側ブラケット28の軸回りに各々回動させる。これによって、上記昇降リンク26に接続されたメインブーム20が下降して、このメインブーム20に接続された第1および第2サブブーム21,22が下降する。その結果、上記メインブーム20と、第1および第2サブブーム21,22に設けられた薬剤散布ノズル24,24,24が、茶木に接近する。
【0034】
一方、上記薬剤散布ノズル24を茶木から遠ざける必要がある場合、上記油圧シリンダ33を伸張して、この油圧シリンダ33に連結された昇降リンク26を揺動して、この昇降リンク26に接続されたメインブーム20を上昇させる。その結果、このメインブーム20に接続された第1および第2サブブーム21,22が上昇して、このメインブーム20と、第1および第2サブブーム21,22に設けられた薬剤散布ノズル24,24,24が、茶木から遠ざかる。
【0035】
上記薬剤散布機が薬剤散布をする畦の一部または全てが傾斜している場合、この畦の傾斜に応じて上記第1および第2サブブーム21,22を操作して、上記傾斜した畦や傾斜していない畦の茶木に、適切に薬剤散布を行なうことができる。例えば、薬剤散布機の本体1が跨いで走行する畦が、本体1の背面から見て右側から左側に向って高くなるように傾斜していると共に、本体1の右側の畦は略水平である場合を考える。この場合、上記本体1の背面から見て右側の油圧シリンダのロッド44aを、所定長さに亘って収縮させる。そうすると、上記第1サブブーム21が第1軸41を中心に左回りに所定角度だけ回動し、これに伴って上記第2サブブーム22が第2軸42を中心に左回りに所定角度だけ回動する。これによって、上記第2サブブーム22は、上記本体1から離れているにもかかわらず、この第2サブブーム22の薬剤散布ノズル24を、薬剤を散布すべき畦の茶木よりも十分に上方に位置させることができる。したがって、上記第2サブブーム22の先端や、この第2サブブーム22に設けられた薬剤散布ノズル24が茶木に接触したりするような不都合が無く、茶木に薬剤が効果的に散布できる。
【0036】
このことは、本実施形態の薬剤散布機は、比較的軽い上記連動リンク49で第2サブブーム22を駆動していることによって、効果的に達成される。すなわち、第1サブブーム21を駆動する比較的重い油圧シリンダ44は、本体1に支持されたメインブーム20に設け、上記第1サブブーム21には、上記比較的軽い連動リンク49を設けている。したがって、この第1サブブーム21側が本体1よりも下方に位置するように本体1が傾斜しても、第1および第2サブブーム21,22の撓み量は比較的小さい。したがって、第1サブブーム21は比較的剛性が小さくてよく、これによって、上記第1サブブーム21が更に軽量化できる。その結果、上記油圧シリンダを小型化でき、また、比較的小さい力で第1および第2サブブーム21,22を迅速に駆動できる。したがって、この薬剤散布機は、畦の傾斜に適切かつ迅速に対応して薬剤散布ができる。また、上記第2サブブーム22は、上記第1サブブーム21に連動して駆動されるので、ブームの駆動操作が容易にできる。
【0037】
また、上記実施形態の薬剤散布機は、上記第1および第2サブブーム21,22を駆動する動力は、上記油圧シリンダ44のみであるので、第1および第2サブブームを各々駆動するために2つの油圧シリンダを備えた従来よりも、油圧シリンダの数を削除でき、また、油圧回路を簡易にでき、さらに、油圧ポンプを小型にできる。したがって、この薬剤散布機は、大幅なコストダウンができる。
【0038】
上記実施形態において、上記本体1は無限走行装置5,5を備えたが、履帯を有しない車輪走行装置を備えてもよく、あるいは、畦間に設けられたレールに沿って走行する走行装置を備えてもよい。
【0039】
また、上記実施形態において、第2サブブーム22の他端に、第3のサブブームを設け、この第3サブブームに薬剤散布ノズルを設けてもよい。これによって、同時に7つの畦の茶木に薬剤散布が行なえる。
【0040】
また、本実施形態の薬剤散布機は、茶園以外で用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の薬剤散布機によれば、畦を跨いで走行可能な本体と、上記本体にリンク機構を介して昇降自在に支持され、幅方向に延在するメインブームと、一端が上記メインブームの端に第1軸によって軸着され、この第1軸回りに揺動可能な第1サブブームと、一端が上記第1サブブームの他端に第2軸によって軸着され、この第2軸回りに揺動可能な第2サブブームと、上記メインブームに設けられて、上記第1サブブームを揺動させる駆動手段と、両端が、上記メインブームの一端と、上記第2サブブームの一端とに軸着されて、上記第1サブブームが起立したときに、上記第2サブブームを横方向に連動させる連動リンクと、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームに設けられた薬剤散布ノズルとを備え、上記第1サブブームおよび第2サブブームが折り畳まれたときに、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームは概略コ字形状を有すると共に、上記薬剤散布ノズルが外側を向くように形成されているので、第2サブブームを駆動するための例えばシリンダなどを第1サブブームに設ける必要が無くて、この第1サブブームに作用する重量を削減できるから、上記第1サブブームの撓みが効果的に防止できる。したがって、第1および第2サブブームが畦の植物などに接触することが有効に防止でき、また、上記第1サブブームは、従来よりも剛性が小さくできて、簡単・安価に形成できる。また、例えばシリンダなどのようなブームの駆動手段の数を、従来よりも少なくでき、上記駆動手段に接続される例えば油圧配管などの駆動用回路が簡単にでき、さらに、上記シリンダに作動流体を供給するポンプなどが小型化できる。したがって、上記薬剤散布機は、構造が簡易にできて効果的にコストダウンができる。また、上記第2サブブームは、上記連動リンクによって、上記第1サブブームと共に迅速に駆動できるから、薬剤散布すべき畦の傾斜角度などに迅速に対応して、高効率に薬剤散布作業が実行できる。また、上記第1および第2サブブームを駆動する場合、上記駆動手段のみを制御すればよいので、操作が容易になる。また、上記リンク機構によるメインブームの昇降位置を調節することによって、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームの高さを、畦の植物の高さに応じて適切に調節して、上記畦の植物に薬剤を適切に散布できる。
【0042】
請求項2の発明の薬剤散布機によれば、上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは左右に夫々設けられており、左右の上記第1サブブームを互いに独立に駆動する1組の上記駆動手段を備えるので、多数の畦に薬剤が同時に散布でき、また、上記左右に夫々設けられた第1サブブームおよび第2サブブームを左右独立に各々操作することによって、上記本体の左側と右側とで互いに異なる傾斜角度をなして延在する畦の植物に、適切に薬剤が散布できる。
【0043】
請求項3の発明の薬剤散布機によれば、上記第1サブブームを起立させたとき、上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは、上記本体の正面から見た外側の輪郭内に略入るので、この薬剤散布機を正面においてコンパクトにできて、比較的小さい格納場所に格納でき、また、薬剤散布運転を行なう場所以外の場所を、容易に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の薬剤散布機を示す側面図である。
【図2】 図1の薬剤散布機の部分背面図である。
【図3】 図2の部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 本体
2 薬剤散布部
20 メインブーム
21 第1サブブーム
22 第2サブブーム
24 薬剤散布ノズル
26 昇降リンク
33 油圧シリンダ
41 第1軸
42 第2軸
44 油圧シリンダ
49 連動リンク

Claims (3)

  1. 畦を跨いで走行可能な本体と、
    上記本体にリンク機構を介して昇降自在に支持され、幅方向に延在するメインブームと、
    一端が上記メインブームの端に第1軸によって軸着され、この第1軸回りに揺動可能な第1サブブームと、
    一端が上記第1サブブームの他端に第2軸によって軸着され、この第2軸回りに揺動可能な第2サブブームと、
    上記メインブームに設けられて、上記第1サブブームを揺動させる駆動手段と、
    両端が、上記メインブームの一端と、上記第2サブブームの一端とに軸着されて、上記第1サブブームが起立したときに、上記第2サブブームを横方向に連動させる連動リンクと、
    上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームに設けられた薬剤散布ノズルと
    を備え
    上記第1サブブームおよび第2サブブームが折り畳まれたときに、上記メインブーム、第1サブブームおよび第2サブブームは概略コ字形状を有すると共に、上記薬剤散布ノズルが外側を向くように形成されていることを特徴とする薬剤散布機。
  2. 請求項1に記載の薬剤散布機において、
    上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは左右に夫々設けられており、左右の上記第1サブブームを互いに独立に駆動する1組の上記駆動手段を備えることを特徴とする薬剤散布機。
  3. 請求項1または2に記載の薬剤散布機において、
    上記第1サブブームを起立させたとき、上記第1サブブーム、第2サブブームおよび連動リンクは、上記本体の正面から見た外側の輪郭内に略入ることを特徴とする薬剤散布機。
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