JP3236523B2 - 防除用薬液散布装置 - Google Patents

防除用薬液散布装置

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JP3236523B2
JP3236523B2 JP30817296A JP30817296A JP3236523B2 JP 3236523 B2 JP3236523 B2 JP 3236523B2 JP 30817296 A JP30817296 A JP 30817296A JP 30817296 A JP30817296 A JP 30817296A JP 3236523 B2 JP3236523 B2 JP 3236523B2
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明博 原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の防除用薬液散布装置は、
街路樹や果樹等の樹木に防除用の薬液を散布する防除用
薬液散布装置に関し、薬液を散布する方向や高さを種々
に変化させることができる防除用薬液散布装置を安価に
提供すべく考えたものである。
【0002】
【従来の技術】街路に沿って植えられている街路樹、或
いは果樹園に植えられている蜜柑等の果樹等の樹木に
は、病害虫が付着することを防止すべく、定期的に或い
は必要に応じて防除用薬液を散布する。このような防除
用薬液の散布は、従来から防除用薬液散布装置を用いて
行っている。従来から使用されている防除用薬液散布装
置は、架台等より成る本体部と、この本体部の走行を自
在とする走行手段と、防除用の薬液を散布するための薬
液散布手段と、これら走行手段及び薬液散布手段を所望
の状態に制御するための操作手段とを備えている。上記
走行手段は、車輪或いはクローラ等の走行用部材と、こ
の走行用部材を駆動するエンジン等の駆動源とを備えて
いる。又、上記薬液散布手段は、薬液を貯溜する薬液タ
ンクと散布機構とを備えている。この散布機構は、薬液
を散布するための散布ノズル及び送風機と、上記薬液タ
ンク内の薬液を散布ノズルに送り込むためのポンプとを
備えている。上記散布ノズル及び送風機は、散布ダクト
内に設けられている。又、上記送風機及びポンプは、上
記エンジン等の駆動源或いはこの駆動源によって作動す
る発電機等により作動する。
【0003】上述したような従来の防除用薬液散布装置
を用いて樹木に防除用薬液を散布する場合、先ず、操作
手段を適宜操作することにより、走行手段を作動させ、
作業者が防除用薬液散布装置を所望の位置まで走行させ
る。次いで、上記操作手段を操作することにより、上記
ポンプを作動させ、薬液タンク内から薬液を散布ノズル
に送り込み、この散布ノズルから薬液を、送風機によっ
て生じる風力によって散布する。このような散布ノズル
は、本体部の一端側に固定されている。従って、薬液の
散布は、本体部の走行方向に対して一方向のみ行えるも
のであった。
【0004】ところで、防除用薬液散布装置の走行方向
に対して広範囲に亙って薬液を散布できれば、病害虫の
駆除及び防除を能率的に行なえる。このために、例え
ば、実公平5−25728号公報には、図8に示すよう
に、散布ノズル1を設けた散布ダクト2をターンテーブ
ル3により水平回動自在とするとともに、油圧シリンダ
4により散布ダクト2を上下方向に傾動自在とした技術
が記載されている。この公報に記載された技術によれ
ば、上記散布ノズル1を所望方向に向けることができ、
防除用薬液散布装置の走行方向に対して広範囲に亙って
薬液を散布できる。尚、この図8に示した防除用薬液散
布装置において、符号5は走行手段を構成する車輪、符
号6は薬液を散布するための送風機、符号7は薬液タン
ク、符号8は薬液タンク7内の薬液を散布ノズル1に送
り込むためのポンプである。エンジン等の駆動源は省略
して描いている。
【0005】しかしながら、上記公報に記載の防除用薬
液散布装置の場合、上記街路樹や果樹の植樹場所と防除
用薬液散布装置の走行路との位置関係等によっては、必
ずしも有効に散布を行なえない場合が生じる。すなわ
ち、薬液を散布すべき樹木が、本発明を表す図1或いは
図7に示すように、防除用薬液散布装置が走行する走行
路よりも高い位置に植っている場合、上記公報に記載さ
れた防除用薬液散布装置では、散布不能な死角が生じた
り、樹木の上部に薬液が届かない等、樹木全体に薬液を
確実に散布することができない。又、散布ダクト2を上
方に向け大きく傾動させた場合、散布した薬液が作業者
に向けて降り注ぐことも考えられ、危険である。
【0006】このような不都合を解消すべく、本出願人
は、先に図9〜17に示すような防除用薬液散布装置に
関する出願を行った(特願平6−340891号)。こ
の先発明に係る防除用薬液散布装置は、図9〜10に示
すように、基台9等を有する本体部10と、この本体部
10の走行を自在とする走行手段11と、防除用の薬液
を散布するための薬液散布手段12と、これら走行手段
11及び薬液散布手段12を所望の状態に制御するため
の操作手段13とを備えている。この先発明に係る防除
用薬液散布装置は、上記走行手段11として1対のクロ
ーラ14を採用し、この1対のクローラ14を駆動する
エンジン15を設けている。このエンジン15が特許請
求の範囲に記載した駆動源である。
【0007】又、上記薬液散布手段12は、薬液を貯溜
する薬液タンク18と、薬液を噴出する散布ノズル16
及び送風機17と薬液タンク18内の薬液を散布ノズル
16に送り込むためのポンプ19とを有する散布機構1
2aとを備えている。上記散布ノズル16及び送風機1
7は、散布ダクト20に設けている。又、上記ポンプ1
9は、上記エンジン15により駆動する。このポンプ1
9の流量調整は、図示しない電動機によって行われる。
この電動機及び後述する油圧シリンダ33駆動用の電動
機21は、上記エンジン15により駆動する発電機22
によって作動する。
【0008】上記ポンプ19には、送給ホース23と戻
しホース24と噴出ホース25とのそれぞれ一端を連通
している。これら各ホース23、24、25のうち、送
給ホース23は、その他端を薬液タンク18に連通させ
ており、薬液タンク18内の薬液をポンプ19に向けて
送り出す。又、戻しホース24は、その他端をやはり薬
液タンク18に連通しており、ポンプ19側のオーバー
フローした薬液を薬液タンク18内に戻す。更に、噴出
ホース25は、その他端を散布ノズル16に連通してお
り、上記送給ホース23を通じてポンプ19側に送られ
てきた薬液を散布ノズル16に向けて流す。
【0009】更に、上記走行手段11及び薬液散布手段
12は、操作手段13により適宜所望状態に操作され
る。すなわち、操作手段13は、図16〜17に示すよ
うに、本体部10に設けたハンドル26にブラケットを
介して操作盤を固定することにより構成される。この操
作盤は、レバー27、28、29、押しボタン30、ス
イッチ31を備える。上記レバー27は、上記エンジン
15の回転数を制御する。レバー28は、ポンプ19を
作動させる電動機(図示せず)の回転数等を制御し、散
布する薬液の量を調整する。又、レバー29は、後述す
る昇降機構32(図11〜14参照)を構成する油圧シ
リンダ33の伸縮量を制御する。更に、押しボタン30
はエンジン15を停止させる場合に操作する。上記スイ
ッチ31は4方向パネルスイッチであり、図16の上下
方向の矢印面を押すことにより、後述する傾動・回動機
構34(図11〜14参照)を構成する第一の電動機3
5を正転逆転自在とし、図16の左右方向の矢印面を押
すことにより、後述する第二の電動機36を正転逆転自
在としている。尚、上記上下の矢印面と左右の矢印面と
のそれぞれ一つを同時に操作することができる。
【0010】更に、この先発明に係る構造においては、
上記散布ノズル16を所望方向に向けるための傾動・回
動機構34と、散布ノズル16を昇降させるための昇降
機構32とを設けている。これら各機構32、34のう
ち、先ず昇降機構32について説明する。図11〜12
に示すように、基台9の中央部上面に、横断面が矩形状
の支柱37を立設している。そして、この支柱37に、
支柱37の横断面と同形状の横断面を有する支持パイプ
38を摺動自在に嵌装している。この支持パイプ38が
次述する支持台43等とともに、特許請求の範囲に記載
した昇降部材を構成する。更に、上記基台9の一部に
は、電動機21によって油圧駆動される油圧シリンダ3
3の基端部(図11、12の下端部)を枢支している。
尚、この油圧シリンダ33に圧油を給排すべく、図示し
ない油圧ポンプ及び油タンクを設けている。
【0011】又、この油圧シリンダ33のロッド33a
の先端部(図11、12の上端部)と支持パイプ38と
の間には、リンク機構39を設け、このリンク機構39
により上記支持パイプ38を支柱37に沿って昇降自在
としている。すなわち、上記油圧シリンダ33のロッド
33aの先端に、上記リンク機構39を構成する第一の
リンク腕40の一端(図11、12の右端)を連結す
る。更に、上記支持パイプ38の軸方向(図11、12
の上下方向)中間部に第二のリンク腕41の一端部を連
結するとともに、この第二のリンク腕41の他端を上記
第一のリンク腕40の他端に枢支する。尚、第一のリン
ク腕40の中間部は、基台9に立設した支持部材42の
上端部に枢支している。上述のように構成することによ
り、支持パイプ38の先端に固定されその上面に上記散
布ダクト20を設けた支持台43が、上記油圧シリンダ3
3の作動によって水平姿勢のまま昇降自在である。
【0012】次に、傾動・回動機構34について説明す
る。上記支持台43の上方には、散布ノズル16及び送
風機17を組み込んだ散布ダクト20を設ける。この散
布ダクト20は、上記傾動・回動機構34を構成する第
一の電動機35及び第二の電動機36により、上下方向
への傾動及び水平方向への回動を、それぞれ自在であ
る。すなわち、図13〜14に示すように、支持台43
の上方に固定するダクト支持台44の上方に、縦軸45
を中心に回動するターンテーブル46を設けている。こ
のターンテーブル46の直径方向両側上方には、1対の
ブラケット47を立設し、この1対のブラケット47
に、上記散布ダクト20の一端部両側より突設した横軸
48をそれぞれ軸架している。これら1対の横軸48の
うち、一方の横軸48には大ギヤ49を固設し、この大
ギヤ49に、上記第一の電動機35の出力軸に固定した
小ギヤ50を噛合させている。従って、第一の電動機3
5を正転或いは逆転させることにより、これら各ギヤ5
0、49を介して散布ダクト20が上記横軸48を中心
に上下方向に傾動できる。尚、上記ブラケット47には
リミットスイッチ51を設けており、このリミットスイ
ッチ51により、散布ダクト20の傾動範囲を規制して
いる。
【0013】又、上記縦軸45の中間部には、図14〜
15に示すように、別の大ギヤ52を設けている。又、
ダクト支持台44内部には、第二の電動機36を設け、
この第二の電動機36の出力軸に固定の小ギヤ53を上
記大ギヤ52に噛合させている。従って、この第二の電
動機36を作動させることにより、これら各ギヤ52、
53を介してターンテーブル46が回動する。尚、ダク
ト支持台44内部には、リミットスイッチ54を設けて
おり、このリミットスイッチ54により、ターンテーブ
ル46の回動範囲を規制している。このように、第二の
電動機36によってターンテーブル46を介して散布ダ
クト20を回動させる手段、及び前述したように第一の
電動機35によって散布ダクト20を傾動させる手段
が、傾動・回動機構34をなす。
【0014】尚、散布ダクト20の傾動、回動、昇降に
より、防除用薬液散布装置がバランスを崩す虞がある。
そこで、先発明に係る防除用薬液散布装置においては、
図示のように、ポンプ19、エンジン15等の比較的重
量の嵩む部材を寄せ集めて成る起動部61と、薬液タン
ク18とを、基台9上に間隔をおいて配設するととも
に、これら起動部61と薬液タンク18との間位置に上
記昇降機構32等を配設する。起動部61は剛性の大き
いカバー61aで覆っている。上述のように構成各部材
の配設位置を考慮することにより、防除用薬液散布装置
のバランスの安定化並びにコンパクト化を図っている。
【0015】上述したように構成される先発明に係る防
除用薬液散布装置を用いて樹木に防除用薬液を散布する
場合、エンジン15を始動するとともに作業者がハンド
ル26を握って防除用薬液散布装置を走行させる。この
際、操作手段13を構成するレバー27を適宜操作する
ことにより、エンジン15の回転数を調整し、所望の速
度で走行させる。このようにして目的の樹木の前に移動
したならば、散布作業を開始する。すなわち、油圧シリ
ンダ33駆動用の電動機21を作動させることにより油
圧ポンプを作動させ、上記油圧シリンダ33のロッド3
3aを伸縮させる。これにより、リンク機構39を介し
て支持パイプ38が昇降するため、散布ダクト20を所
望の高さに位置させることができる。例えば、油圧シリ
ンダ33のロッド33aを伸長させれば、図9に実線で
示すように、或いは図11に示すように、散布ダクト2
0を低い位置に下降させることができる。逆に、油圧シ
リンダ33のロッド33aを引き込ませれば、図9に鎖
線で示すように、或いは図12に示すように、散布ダク
ト20を高い位置に上昇させることができる。
【0016】更に、スイッチ31を操作することによ
り、第一、第二の各電動機35、36をそれぞれ所望
量、所望方向に回動させ、上記散布ダクト20を所望方
向に向ける。すなわち、図13〜15に実線或いは鎖線
で示すように、散布ダクト20を所望方向に向ける。こ
の結果、散布ダクト20の散布ノズル16は薬液を散布
すべき樹木に対向した状態となるため、ポンプ19を駆
動し、薬液タンク18内の薬液を散布ノズル16に向け
て送り出す。又、送風機17を駆動する。これにより、
散布ノズル16から噴出した薬液が、送風機17から送
り出される風力により樹木に向かって散布される。一の
樹木に対する散布を終了したならば、次の樹木に対し、
同様の手順で散布作業を行う。
【0017】先発明に係る防除用薬液散布装置は、上述
のように構成され作用するため、薬液散布装置全体をバ
ランスのとれたコンパクトな構造にすることができると
ともに、効率良く防除作業を行なうことができる。又、
相当に高くなる樹木の上方に対して薬液の散布作業を行
う場合、散布ダクト20を傾動させることなく水平状態
のままで、この散布ダクト20を上昇させて薬液の散布
を行える。従って、薬液の散布を確実に行えるととも
に、散布した薬液が作業者等に降り注ぐことも僅少に抑
えられるため、安全且つ確実に散布作業を行える。しか
も、前記支柱37及び支持パイプ36の横断面が矩形状
であることに起因して、散布ダクト20を支持する支持
パイプ36が捩じれることなく昇降できる。このため、
散布ダクト20が姿勢不良になったり、リンク機構39
等が作動不良になることを防止できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記先発明に係る防除
用薬液散布装置は、上述したように種々の優れた効果を
有するものであるが、更なる改良の余地があることが分
かった。すなわち、上記先発明に係る構造においては、
散布ノズル16を昇降させるための構造として油圧シリ
ンダ33を採用しているため、この油圧シリンダ33に
圧油を給排するための油圧ポンプ及び油を貯溜しておく
ための油タンクが必要になり、その分だけ部品点数が増
大し、組み付け作業の手間及び製造コストが増大してし
まう。防除用薬液散布装置は元々重量の嵩むものである
ため、できる限り小型軽量化を図ることが好ましい。
又、全体としての価格においても、できる限り低減する
ことが望ましい。本発明の防除用薬液散布装置は、この
ような事情に鑑みて発明したもので、上述した先発明に
係る効果をそのままに、部品点数を削減し、小型軽量化
及び低コスト化を図るものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の防除用薬液散布
装置は、上述した先発明に係る構造と同様、本体部に、
この本体部の走行を自在とする走行手段と、防除用の薬
液を散布するための薬液散布手段と、これら走行手段及
び薬液散布手段を所望の状態に制御するための操作手段
とを設けている。これら各手段のうち、上記走行手段
は、クローラ等の走行用部材と、この走行用部材を駆動
するためのエンジン等の駆動源とを備える。又、上記薬
液散布手段は、薬液を貯溜する薬液タンクと、薬液を噴
出する散布ノズルと上記薬液タンク内の薬液をこの散布
ノズルに送り込むためのポンプとを有する散布機構と、
上記散布機構を昇降させるための昇降機構とを備えてい
る。尚、この薬液散布機構には、好ましくは送風機を設
け、散布ノズルから噴出した薬液が確実に散布されるよ
うにする。
【0020】特に、本発明の防除用薬液散布装置におい
ては、上記昇降機構を、上記ポンプによって圧送される
薬液の液圧により作動自在としている。
【0021】又、請求項2に記載したように、本体部
に、少なくとも、走行手段を構成する駆動源と薬液散布
手段を構成するポンプ及び発電機とを含む起動部を収納
する収納部を設けると共に、この収納部の上面に昇降機
構を設ければ、コンパクト化と、より安定したバランス
の確保を両立できる。
【0022】
【作用】上述のように構成される本発明の防除用薬液散
布装置を用いて、樹木に薬液を散布する際の作用は、前
述した先発明に係る防除用薬液散布装置と同様である。
特に、本発明の防除用薬液散布装置においては、コンパ
クトで安全性があって効率良く防除作業ができるといっ
た先発明の効果をそのままに、部品点数の低減及び製造
コストの低減を図ることができる。すなわち、昇降機構
の作動を、薬液の液圧に基づいて行なうため、先発明に
係る構造のように油圧ポンプや油タンクを必要としな
い。このため、部品点数を削減できるとともに、製造が
容易になりコストの低減を図れる。しかも、部品点数を
削減できることにより、装置全体としての小型軽量化を
図れる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の第1
例について、図1〜4を参照しつつ説明する。尚、本発
明の防除用薬液散布装置は、昇降機構にその特徴を有し
ており、その他の部分は前述した先発明に係る構造と同
様である。従って、この第1例の構造並びに後述する第
2例の構造について、前述した先発明に係る構造と同等
部分には、同一符号を付して重複する説明を省略或いは
簡略化し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0024】本発明の特徴部分である昇降機構55は、
ポンプ19によって圧送される薬液の液圧により昇降自
在としている。すなわち、本例における昇降機構55
は、前述した先発明に係る防除用薬液散布装置における
油圧シリンダ33(図9〜12参照)に代えて、上記ポ
ンプ19によって圧送される薬液の液圧により伸縮自在
な液圧シリンダ56を設けている。このため、油圧シリ
ンダ33を駆動させるための油圧ポンプや油タンクを省
略できる。昇降機構55におけるその他の構成は、前述
した先発明と同様である。すなわち、図1〜4或いは前
記図11〜12に示すように、基台9の中央部上面に、
横断面が矩形状の支柱37を立設し、この支柱37に、
支柱37の横断面と同形状の横断面を有する支持パイプ
38を摺動自在に嵌装する。更に、上記基台9の一部に
は、液圧シリンダ56の基端部(図3、4の下端部)を
枢支し、この液圧シリンダ56のロッド56aの先端部
(図3、4の上端部)と支持パイプ38との間に、リン
ク機構39を設ける。
【0025】但し、上記油圧シリンダ33に代えて、薬
液により伸縮自在な液圧シリンダ56を設けることに伴
い、送給ホース23の一端は弁装置57の吸入口に、噴
出ホース25の一端は弁装置57の第一の送出口に、そ
れぞれ接続している。弁装置57の第二の送出口は、上
記液圧シリンダ56の送り込み口に接続したホース58
を接続する。上記弁装置57としては、ロータリ弁等、
従来から知られた装置を採用できる。又、この弁装置5
7の制御は、上記操作手段13(図16〜17参照)に
設けたスイッチ等により行う。尚、本例における操作手
段は、前記図16〜17に示したものと同様であるが、
レバー29に関しては先発明構造とは異なり、上記弁装
置57の切り換え並びに液圧シリンダ56に送り込む薬
液量の調整を行う。傾動・回動機構34等のその他の構
成については、上記先発明に係る防除用薬液散布装置と
同様である。尚、上記弁装置57、ホース58等、薬液
が流通する部材については、この薬液に侵されることの
ない材料を被覆する等の対策を施す。又、上記薬液が外
部に漏れ出すことのないように、必要箇所をシールする
等の密封対策を施しておく。
【0026】上述のように構成される本例の防除用薬液
散布装置を使用して樹木に薬液を散布する際の作用は、
前述した先発明に係る防除用薬液散布装置と同様であ
る。すなわち、走行手段11により目的位置まで走行し
た後、薬液を散布すべき樹木の高さに応じて昇降機構5
5を作動させ、図1の実線或いは図3に示す状態と、図
1の鎖線或いは図4に示す状態との間で、散布ダクト2
0を所望の位置に移動させる。又、樹木の方向に応じて
傾動・回動機構34を作動させ、散布ダクト20を所望
の方向に向かせる。尚、このように散布ダクト20の高
さ位置及び方向を所望のものとする際、弁装置57は、
第一の送出口を閉じ、液圧シリンダ56に通じる第二の
送出口を開いておく。散布ダクト20の高さ位置及び方
向を所望のものに定めたならば、上述の場合とは逆に、
散布ノズル16に通じる第一の送出口を開け、第二の送
出口を閉じる。この操作は、上記操作手段13によって
行う。特に本発明における防除用薬液散布装置において
は、コンパクトで安全性に優れ、しかも効率良く防除作
業ができると言った先発明の効果をそのままに、部品点
数の低減及び製造コストの低減を図ることができる。す
なわち、昇降機構55を、薬液の液圧に基づいて作動さ
せるため、先発明に係る構造のように油圧ポンプ等を必
要としない。このため、部品点数を削減できるととも
に、製造が容易になりコストの低減を図れる。しかも、
装置全体としての小型軽量化を図れる。
【0027】すなわち、薬液散布装置全体をバランスの
とれたコンパクトな構造にすることができるとともに、
操作手段13で、エンジン19、第一、第二の各電動機3
5、36等を集中的に随時、操作できるため、薬液散布
作業を効率良く行える。更に、散布ノズル16を設けた
散布ダクト20を最適な高さまで昇降させることができ
るため、散布した薬液が作業者に降り注ぐ等の危険が僅
少に抑えられ、安全且つ確実に散布作業を行えるように
なる。しかも、支持パイプ38及び支柱37の横断面形
状を矩形状とすることにより、支持パイプ38の捩れを
防止し、昇降を円滑に行わせることが可能になる。以上
の効果は、上記先発明に係る構造においても有するもの
であるが、更に本発明の防除用薬液散布装置において
は、油圧ポンプ等の部材を省略できるため、その分製造
が容易になるとともに、装置全体としての小型軽量化を
図れ、しかも製造コストを低減できる。
【0028】次に、図5〜7は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合、昇降機構55aを構
成するリンク機構59として、図6〜7に示すような構
造のものを採用している。すなわち、このリンク機構5
9は、1対の腕部62a、62bの中間部同士を枢支し
て成るX字形のリンク部材60のそれぞれ両端(図6〜
7の上下両端)を、支持台43の下面並びに起動部61
を覆うカバー61a上面にそれぞれ形成したガイドレー
ル(図示省略)に、摺動自在に係合させている。このよ
うなリンク部材60とガイドレールとは、支持台43の
幅方向(図6の表裏方向、図7の左右方向)両端部に設
ける。更に、少なくとも一のリンク部材60の一の腕部
60aには、その基端部(図6の下端部)を上記カバー
61aに枢支した液圧シリンダ56のロッド56aの先
端(図6の上端)を固定している。
【0029】従って、この液圧シリンダ56のロッド5
6aを伸長させれば、図6に示すように或いは図7の実
線で示すように、リンク部材60を構成する1対の腕部
62a、62b同士のなす角度θが小さくなる向きに変
位し、散布ダクト20を設けた支持台43が上昇する。
逆に、液圧シリンダ56のロッド56aを引き込める
と、図5に示すように或いは図7に鎖線で示すように、
リンク部材60を構成する1対の腕部62a、62b同
士のなす角度θが大きくなる向きに変位し、支持台43
が下降する。上記カバー61aが、特許請求の範囲に記
載した収納部であり、本例の場合、この収納部の上面で
あるカバー61aの上面に、昇降機構55aを設けてい
る。従って、本例の防除用薬液散布装置は、よりコンパ
クトに構成される。その他の構成並びに作用は、上述し
た第1例の構造と同様である。
【0030】尚、上述した第1、第2の各例において
は、図示のように、走行手段としてクローラ14を採用
しているが、これに代えて車輪を採用することもでき
る。又、薬液タンク18内の薬液の残量を知るために、
この薬液タンク18内に液位計を設け、薬液タンク18
内の薬液の量が予め設定した量に低減した場合に、作業
者に薬液を補給すべき旨を通知するようにすることもで
きる。更に、液圧シリンダ56に給排する薬液の量を、
一定量ずつ段階的に給排するようにし、上記散布ダクト
20を所定量ずつ段階的に昇降させることも可能であ
る。例えば、上記液位計を設けた場合、この液位計の薬
液の増減に伴う変化量を読み取り、この変化量が予め設
定した値となることで一時的に弁装置57の作動を停止
させる制御器(MPU)を設けることにより構成でき
る。更には、薬液を散布すべき樹木までの距離及びこの
樹木の高さを計測する計測器と、この計測器の検出値に
応じて散布ダクト20の高さ及び向きを求める演算器
と、この演算器により求めた上記高さ及び向きに基づい
て昇降機構55、55a及び傾動・回動機構34を構成
する液圧シリンダ56及び第一、第二の電動機35、3
6等を所望量だけ作動させる制御器とを設け、薬液散布
をより確実に行えるようにすることもできる。このよう
な構成は、従来から知られた光学式測距装置及びサーボ
制御機構を用いることにより得られる。
【0031】又、上述の第1、第2の各例の場合、昇降
機構55、55aをリンク機構39、59を介して昇降
するように構成した例を示しているが、例えば、液圧シ
リンダ56によって支持パイプ38を直接昇降させるよ
うにしたり、或いは液圧シリンダ56のロッド56aに
固定したラックと支持パイプ38に設けたピニオンとに
よって、支持パイプ38が昇降するようにする等、リン
ク機構39、59に代えて他の構成を採用することもで
きる。更に、支持パイプ38の捩れを防止するために
は、支持パイプ38及び支柱37の横断面を非円形にす
ることでも行える。要は、本発明の特徴は、薬液を利用
して昇降機構を作動させることにあり、細部については
種々の構成を採用できる。又、特許請求の範囲には、図
面との対応を容易にするために符号を付したが、これに
より、特許請求の範囲を限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】本発明の防除用薬液散布装置は、上述の
ように構成され作用するため、前述した先発明の有する
効果をそのままに、部品点数を削減でき、製造の容易化
及び製造コストの低減を図ることができる。すなわち、
薬液散布装置全体をバランスのとれたコンパクトな構造
にすることができるとともに、操作手段により、エンジ
ンやポンプ等を集中的に随時、操作できる。又、昇降機
構により散布ダクトを最適な高さまで昇降させることが
でき、作業者等に危害を与えることなく安全且つ確実に
散布作業を行える。更に、傾動・旋回機構を設けた場
合、散布作業はより一層確実に行える。これらの効果に
加え、本発明の防除用薬液散布装置は、昇降機構を薬液
の液圧に基づいて作動させるため、部品点数が少なくて
すみ、製造が容易になるとともに、装置全体としての小
型軽量化と製造コストの低減とを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく昇降機構を、下降させた状態で示す背面
図。
【図4】同じく昇降機構を上昇させた状態で示す、図3
と同様の背面図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を、昇降機構が下
降した状態で示す、側面図。
【図6】同じく昇降機構が上昇した状態で示す、側面
図。
【図7】同じく使用状態を示す正面図。
【図8】従来構造を示す側面図。
【図9】先発明構造を示す側面図。
【図10】同じく平面図。
【図11】同じく昇降機構を、下降させた状態で示す背
面図。
【図12】同じく昇降機構を上昇させた状態で示す、図
11と同様の背面図。
【図13】傾動・回動機構の作動状態を示す、散布ダク
ト部分の拡大図。
【図14】傾動・回動機構の構成を拡大して示す、部分
縦断面図。
【図15】同じく平面図。
【図16】操作手段を示す平面図。
【図17】同じく側面図。
【符号の説明】
10 本体部 11 走行手段 12 薬液散布手段 13 操作手段 14 クローラ 15 エンジン 16 散布ノズル 18 薬液タンク 19 ポンプ 20 散布ダクト 21 電動機 22 発電機 34 傾動・回動機構 35 第一の電動機 36 第二の電動機 37 支柱 38 支持パイプ 39 リンク機構 55、 55a 昇降機構 56 液圧シリンダ 57 弁装置 58 リンク機構 59 起動部 61a カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 17/00 A01M 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体部(10)に、この本体部(10)
    の走行を自在とする走行手段(11)と、防除用の薬液
    を散布するための薬液散布手段(12)と、これら走行
    手段(11)及び薬液散布手段(12)を所望の状態に
    制御するための操作手段(13)とを設けて成り、 上記薬液散布手段(12)は、薬液を貯溜する薬液タン
    ク(18)と、薬液を噴出する散布ノズル(16)と上
    記薬液タンク(18)内の薬液をこの散布ノズル(1
    6)に送り込むためのポンプ(19)とを有する散布機
    構(12a)と、上記散布ノズル(16)を昇降させる
    ための昇降機構(55)(55a)とを備えたものであ
    る、防除用薬液散布装置において、 上記昇降機構(55)(55a)を、上記ポンプ(1
    9)によって圧送される薬液の液圧により作動自在とし
    たことを特徴とする、 防除用薬液散布装置。
  2. 【請求項2】 本体部(10)に、少なくとも、走行手
    段(11)を構成する駆動源(15)と薬液散布手段
    (12)を構成するポンプ(19)及び発電機(22)
    とを含む起動部(61)を収納する収納部(61a)を
    設けると共に、この収納部(61a)の上面に昇降機構
    (55)(55a)を設けた、請求項1に記載の防除用
    薬液散布装置。
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