JP3667662B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に自動変速のために変速機構中の摩擦係合要素を掴み替えする制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機において、ギヤトレイン構成によっては、特定の段間の変速時に2つの摩擦係合要素(具体的にはブレーキ又はクラッチ)のうちの一方の係合と他方の解放を同時に行う、所謂掴み替え操作を要する場合がある。こうした場合、それぞれの摩擦係合要素と並列にワンウェイクラッチを配設し、それらの作用で係合・解放タイミングを適正化して、タイアップによる出力軸トルクの落ち込みやアンダラップによるエンジン吹きを避けるのが通例であるが、変速機構のコンパクト化のため、ワンウェイクラッチを省略した構成を採る場合もある。この場合、両摩擦係合要素の一方からの油圧の排出と、他方への油圧の供給を関連制御する専用の弁を両摩擦係合要素に対する油圧の供給・排出油路に配設しなければならない。こうした構成の制御装置として従来特開平5−157168号公報に開示の技術がある。この例では、第2速から第3速への変速(以下2→3変速と略記する。他の変速について同じ)時に解放する側の摩擦係合要素(実施例においてブレーキB−3。以下同様に実施例の構成を括弧書きで付記する)の油圧(以下これを解放圧という)を制御するための弁(2−3タイミング弁)を配設している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、解放圧の下がり過ぎを補償すべくアキュムレータを設けているが、アキュムレータは、多量の油を収容する容量を持つ関係上、それの油圧制御装置全体の大きさに占める割合は非常に大きく、油圧制御装置をコンパクト化する上では、好ましくない。そこで、本出願人等は、先の出願に係る特願平5−157986号(特開平6−341531号公報参照)において、アキュムレータを用いずに掴み替え変速(2→3変速)時の解放圧をコントロール弁のみにより制御するものを提案した。この提案のものでは、2→3変速時の第2速時に係合している摩擦係合要素(ブレーキB−3)の解放圧を第3速時に係合する側の摩擦係合要素(ブレーキB−2)に供給されるDレンジ圧を元圧とし、更に係合側摩擦係合要素(ブレーキB−2)への供給圧を信号油圧とした調圧を行うコントロール弁により、係合側摩擦係合要素(ブレーキB−2)への油圧供給による油圧の立ち上がり(以下これを係合圧という)に応じて解放側摩擦係合要素(ブレーキB−3)の解放圧を減圧するようにしている。しかしながら、この提案のものでは、2→3変速時の解放圧の元圧が2−3シフト弁を介して供給される供給圧であるため、2→3変速時に、2−3シフト弁が切り換わり係合圧が発生するまでの間、解放側摩擦係合要素の解放圧が圧低するという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明は、自動変速機における掴み替え変速時の解放圧の過渡的な低下を防止することができる制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置は、請求項1に記載のように、第1の摩擦係合要素を係合し、第2の摩擦係合要素を解放した状態で第1の変速段を達成し、第1の摩擦係合要素を解放し、第2の摩擦係合要素を係合した状態で第2の変速段を達成する自動変速機において、油圧源と、前記第1の摩擦係合要素に油圧を供給する油路と、該油路に配設され、油路の油圧を調圧するコントロール弁と、該コントロール弁の上流側に配設され、ソレノイド弁信号圧の印加により第1の位置と第2の位置を取るリリース弁とを備え、前記油路は、第1の変速段のときに油圧源に連通する第1の油路と、第1の変速段と第2の変速段のときに油圧源に連通する第2の油路とからなり、前記リリース弁は、第1の油路からの油圧をコントロール弁へ供給するとともに、第2の油路からの油圧をコントロール弁へ信号圧として供給してコントロール弁を供給側にロックする第1の位置と、第2の油路からの油圧をコントロール弁へ供給する第2の位置とを選択的に切換えられ、前記ソレノイド弁信号圧は、第1の変速段から第2の変速段へ変速するときに、リリース弁を第1の位置から第2の位置へと切換え、第2の変速段が達成された後に、リリース弁を第2の位置から第1の位置へと切換えるように印加されることを特徴とする。
【0006】
上記の構成において、請求項2に記載のように、前記第1の油路と第2の油路の油圧源への連通を切り換えるシフト弁を備え、前記コントロール弁は、リニアソレノイド弁信号圧の印加により調圧作動するものとされ、リニアソレノイド弁信号圧は、第1の変速段から第2の変速段へ変速するときには、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に所定値まで低下されて、第1の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させ、その後のシフト弁の切換え後の第2の変速段達成後にオフとされる構成と採ることができる。
【0007】
また、前記の構成において、請求項3に記載のように、前記第1の油路と第2の油路の油圧源への連通を切り換えるシフト弁を備え、前記コントロール弁は、リニアソレノイド弁信号圧の印加により調圧作動するものとされ、リニアソレノイド弁信号圧は、第2の変速段から第1の変速段へ変速するときには、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に所定値まで低下され、更に最大出力後に所定値まで低下され、その後に徐々に上昇されて第1の摩擦係合要素の油圧を所定圧にすると共に、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に第2の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させ、前記リニアソレノイド弁信号圧の最大出力後に第2の摩擦係合要素の油圧を更に低下させる構成を採ることができる。
【0008】
【発明の作用及び効果】
本発明の請求項1記載の構成では、第1の変速段から第2の変速段への変速時には、コントロール弁への油圧供給が、ソレノイド弁信号圧の印加で第2の位置を取るリリース弁を介して第1の変速段と第2の変速段のときに油圧源に連通する第2の油路からなされることになるため、第1の変速段から第2の変速段への変速時の第1の摩擦係合要素の解放圧の低下を防止できる。また、第1の油路から油圧供給がなされる第1の変速段の達成中は、第1の位置を取るリリース弁を介する第2の油路からの供給圧を信号圧としてコントロール弁が供給側にロックされるため、第1の摩擦係合要素の油圧を調圧する必要があるときだけ、コントロール弁を調圧可能とすることができる。更に、第2の変速段の達成中は、リリース弁が第1の位置に切換わることで、第2の油路が遮断されるため、コントロール弁の元圧をカットすることができる。
【0009】
次に、請求項2に記載の構成によれば、リニアソレノイド弁の出力によるコントロール弁の調圧で、第1の変速段から第2の変速段への変速が円滑に達成される。
【0010】
また、請求項3に記載の構成にとれば、リニアソレノイド弁の出力によるコントロール弁の調圧で、第2の変速段から第1の変速段への変速が円滑に達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図1〜図10及び図17は本発明の第1実施形態を示す。先ず自動変速機全体の概略構成から説明すると、図2に示すように、自動変速機10の機構部は、この例では、前置式オーバドライブプラネタリギヤユニットからなる副変速機構Dと、単純連結3プラネタリギヤトレインからなる前進4速後進1速の主変速機構Mとを組合わせた5速構成とされ、この機構部がロックアップクラッチL付のトルクコンバータTに連結されている。
【0012】
副変速機構Dは、サンギヤS0、キャリヤC0、リングギヤR0に関連してワンウェイクラッチF−0とこれに並列する多板クラッチC−0及びこれと直列する多板ブレーキB−0を備えている。一方、主変速機構Mは、サンギヤS1〜S3、キャリヤC1〜C3、リングギヤR1〜R3からなる各変速要素を適宜直結した単純連結の3組のギヤユニットP1〜P3を備え、各ギヤユニットの変速要素に関連して多板クラッチC−1,C−2、バンドブレーキB−1、多板ブレーキB−2〜B−4、ワンウェイクラッチF−1,F−2が配設されている。なお、図において、符号SN1はクラッチC−0のドラム回転を検出するC0センサ、SN2はクラッチC−2のドラム回転を検出するC2センサを示す。また、図示されていないが、各クラッチ及びブレーキは、それらの摩擦材を係合・解放操作するピストン・シリンダ機構からなる油圧サーボ装置を備えている。
【0013】
図4に示すように、自動変速機10には上記構成からなる機構部、トルクコンバータ及びロックアップクラッチを制御する油圧制御装置20と、その油圧源として機構部に組込まれた図示しないオイルポンプが設けられている。車載状態において、自動変速機10はエンジンEに接続され、自動変速機10の油圧制御装置20は、それに組込まれた各ソレノイド弁SL1〜SL4及び各リニアソレノイド弁SLN,SLT,SLUを介して自動変速制御コンピュータ30に接続され、自動変速制御コンピュータ30は、エンジンE及び自動変速機10を含む車両の各部に配置された各種センサ40とエンジン制御コンピュータ50に接続されている。
【0014】
この自動変速機10において、図4に示すエンジンEの回転は、図2に示すトルクコンバータTを経て副変速機構Dの入力軸Nに伝達され、入力軸Nに連結するキャリヤC0を常時回転させている。このキャリヤC0の回転は、上記油圧制御装置による制御下で、本発明にいう第1及び第2の摩擦係合要素を含む全ての摩擦係合要素を解放し、あるいはブレーキB−0のみ係合させた状態で、出力軸Uに対して遮断され、ニュートラル状態となる。
【0015】
そして、第1速回転は、クラッチC−0を係合させて副変速機構Dを直結とし、主変速機構MのクラッチC−1を係合し、他の摩擦係合要素を全て解放とした場合に、リングギヤR0、上記クラッチC−1経由でギヤユニットP3のサンギヤS3に入り、ワンウェイクラッチF−2によるリングギヤR3の逆回転阻止でキャリヤC3から出力軸Uに第1速回転として出力される。
【0016】
次に、第2速すなわち本実施形態において本発明にいう第1の変速段に当たる回転は、副変速機構Dが直結で、クラッチC−1及び本発明にいう第1の摩擦係合要素に当たるブレーキB−3を係合したときに達成され、このとき、第1速の場合と同様の経路でギヤユニットP2のリングギヤR2に入った入力は、ギヤユニットP1のキャリヤC1を反力要素としてギヤユニットP2のキャリヤC2及びそれに直結するギヤユニットP1のリングギヤR1に出力され、出力軸Uの第2速回転となる。
【0017】
また、第3速すなわち本実施形態において本発明にいう第2の変速段に当たる回転は、同様に副変速機構D直結で、クラッチC−1及び本発明にいう第2の摩擦係合要素に当たるブレーキB−2を係合し、他を解放としたときに達成され、このとき、第2速の場合と同様の経路でギヤユニットP2のリングギヤR2に入った入力は、サンギヤS2を反力要素とし、キャリヤC2に出力され、出力軸Uの第3速回転となる。
【0018】
更に、第4速回転は、同じく副変速機構D直結で、クラッチC−1及びクラッチC−2を共に係合したときに達成され、このとき、リングギヤR2及びサンギヤS2に入力されるため、ギヤユニットP2が直結となって入力回転がそのまま出力される。これに対して、第5速回転は、主変速機構Mが上記第4速回転の状態で、クラッチC−0 を解放し、ブレーキB−0の係合でサンギヤS0を固定して副変速機構Dを増速回転させるオーバドライブ状態で達成される。
【0019】
また、後進は、副変速機構Dを上記の状態とし、主変速機構MのクラッチC−2とブレーキB−4を係合させることで達成され、このとき、ギヤユニットP2のサンギヤS2に入った入力は、リングギヤR3を反力要素とするギヤユニットP2,P3のキャリヤC2,C3の逆回転として出力される。
【0020】
上記各変速段における各摩擦係合要素とワンウェイクラッチの作動を図3にまとめて作動図表として示す。図において、○印はクラッチ、ブレーキについては係合、ワンウェイクラッチについてはロック、●印はエンジンブレーキ時のみの係合、破線の○印は係合又は解放、◎印は動力伝達に関与しない係合を表す。
【0021】
こうした構成の自動変速機10において、本発明の第1の摩擦係合要素に当たるブレーキB−3と、第2の摩擦係合要素に当たるブレーキB−2それぞれの摩擦材を係合・解放操作する油圧サーボ装置の油圧の調圧と給排に直接関与する回路部分は、図1に示すように、ブレーキB−3に油圧を供給する油路201bと、ブレーキB−2に油圧を供給する油路202aと、油路201bに配設され、該油路の油圧を調圧するコントロール弁としてのB−3コントロール弁25を備え、2→3変速時に、油路202aの油圧に応じてB−3コントロール弁25により油路201bの油圧を調圧する制御装置を構成している。
【0022】
そして、油路201bには、油路201bの油圧を調圧するリレー弁26、B−2リリース弁24及び3−4シフト弁23が配設されている。これら弁のうち、リレー弁26は、B−3コントロール弁25とブレーキB−3との間に配設され、ブレーキB−2からの油圧により油路201bの油圧を減圧する作用をする。また、リレー弁26には、該弁の位置に関わらずブレーキB−3に油圧を供給可能な油路が形成されている。そして、リレー弁26、B−2リリース弁24及び3−4シフト弁23は、協働して油路201b以外の油圧の調圧をする。すなわち、リレー弁26は、リニアソレノイド信号圧(PS L U )の制御を兼ね、B−2リリース弁24は、ブレーキB−2を制御する弁を兼ねる。更に、これらの弁により、ブレーキB−3とブレーキB−2が共に解放した状態の変速段すなわちニュートラルから第3速への変速時に、B−3コントロール弁25への油圧の供給は遮断される。
【0023】
この回路には更に、2→3変速時に、油路201bから油路202aへ油圧の供給を切換える2−3シフト弁22と、油路201bのB−3コントロール弁25の上流に油圧を供給する1−2シフト弁21が設けられ、他にB−2アキュムレータ27も配設されている。
【0024】
これらは、各シフト弁を切換える図4に示すソレノイド弁SL1〜SL4、ロックアップ用リニアソレノイド弁SLU、B−2アキュムレータ27及びその背圧を制御するアキュムレータコントロール用リニアソレノイド弁SLN、リニアソレノイド弁SLUにエンジン負荷に応じた制御信号を出力するリニアソレノイド弁SLT等により制御される。
【0025】
かくしてこの回路は、ニュートラル(N)から第2の変速段(すなわち実施形態において第3速(3rd))への変速時に、1−2シフト弁21及び2−3シフト弁22を介して油路201bと油路202aとに油圧を供給し、第1の変速段(同じく第2速(2nd))から第2の変速段(すなわち第3速(3rd))への変速時に、ブレーキB−2への係合油圧に応じてB−3コントロール弁25によりブレーキB−3からの油圧の排出を調整する制御装置を構成している。
【0026】
特に、ブレーキB−3に対する油圧の供給・排出油路201bに配設したB−3コントロール弁25は、ブレーキB−3の油圧をフィードバックして油路203aから閉弁方向(図示上向き)に印加され、それとは逆の開弁方向(図示下向き)に外部制御信号油圧(リニアソレノイド弁SLUの出力する信号圧)PS L U を印加されて、それら圧力に応じてブレーキB−3の油圧を調圧するスプール251と、該スプール251と同軸的に配設され、ブレーキB−2を係合させてブレーキB−3を解放する掴み替え変速時に、ブレーキB−2の油圧を閉弁方向(図示上向きに)印加され、少なくとも前記変速時に、リニアソレノイド弁SLU信号圧を開弁方向(図示下向き)に印加されるプランジャ252とからなり、ブレーキB−2の油圧の印加でプランジャ252がスプール251に当接してスプール251と連動作動する構成とされている。
【0027】
そして、1−2シフト弁21及び2−3シフト弁22のうち、2−3シフト弁22は、第1の変速段(2nd)と第2の変速段(3rd)との切換時に、油路201bと油路202aへの油圧の供給を切換え、1−2シフト弁21は、第1の変速段(2nd)から第2の変速段(3rd)への変速時に、所定の位置に保持され、油路201bは、2−3シフト弁22を迂回して1−2シフト弁21に接続している。これによりコントロール弁25へのブレーキB−3油圧を調圧するための油圧の供給は、掴み替え変速時に切換操作されないで所定の位置に保持される1−2シフト弁21を介して油路201b経由でなされる。
【0028】
また、コントロール弁25とブレーキB−3との間の油路203a,203b中に配設され、ブレーキB−2からの油圧によりブレーキB−3に対する油圧の供給と排出を制御するリレー弁26は、ブレーキB−3からの油圧の排出位置(図に右下がりの線でそのときの弁内油路を示す)において、油路203aを閉鎖するものとされている。
【0029】
更に前記各弁と油路の接続関係を詳述すると、図示しないマニュアル弁に連なるDレンジ圧油路201は、1−2シフト弁21を経て分岐し、一方の油路201aは、2−3シフト弁22経由でリレー弁26に接続され、該弁26経由でブレーキB−3油路203bに接続されている。分岐した他方の油路201bは、3−4シフト弁23、B−2リリース弁24を経てB−3コントロール弁25のインポート254に連なり、該弁25から油路203aを経てリレー弁26に接続されている。
【0030】
マニュアル弁に連なる他方のDレンジ圧油路202は、2−3シフト弁22を経て分岐し、一方の油路202aは、オリフィスを経てブレーキB−2油路204に接続されている。この油路204は、B−2リリース弁24及びチェック弁経由で油路202aに接続されると共に、オリフィスを経てアキュムレータ27に接続されている。分岐した他方の油路202bは、3−4シフト弁23を経てクラッチC−2に接続されている。
【0031】
3−4シフト弁23は、上記両油路201b、202bの連通及び遮断の他にソレノイド弁SL3信号圧(PS L 3 )のB−2リリース弁24のスプール端への印加を行うべく、ソレノイド弁信号圧油路205(図に2点鎖線で示す)を介してB−2リリース弁24に接続されている。
【0032】
B−2リリース弁24は、ブレーキB−2の解放終期にアキュムレータ27油圧のドレーンを迅速化するバイパス回路を形成すべく設けられており、スプリング負荷されたスプール241を有し、前記3−4シフト弁23経由のソレノイド弁SL3の信号圧(PS L 3 )をスプール241端に印加されて、バイパス油路201dのブレーキB−2 油路204への連通及び遮断と、前記Dレンジ圧油路201bのB−3コントロール弁25のインポート254への連通及びプランジャ253端信号ポートへの連通の切換、並びに他のDレンジ圧油路201aから分岐する油路201eの油路201bへの連通及び遮断を行う。したがって、B−3コントロール弁25のインポート254へは2つの油路201b(第2の油路),201e(第1の油路)から1−2シフト弁21を経て2−3シフト弁22及び3−4シフト弁23経由で並列的にDレンジ圧(PD )の供給が可能とされている。
【0033】
B−3コントロール弁25は、フィードバック信号圧インポート256を経てスプール251端に印加されるフィードバック圧によりスプール251に設けられた2つのランドの一方でインポート254を開閉し、他方でドレーンポートEXを開閉することでアウトポート255に連なる油路203aの油圧を調圧する構成とされており、スプール251と同軸的に配設されたプランジャ252は差動ピストン形状とされ、径差部にリニアソレノイド信号圧(PS L U )、端面に2−3シフト弁22を介してブレーキB−2の油路204に連なる油路204aのブレーキB−2圧を印加されてスプール251に当接・離反可能なストローク域を有する構成とされている。このB−3コントロール弁25には、更にスプール251へのスプリング負荷を変更するプランジャ253もプランジャ252とは反対側に設けられており、該プランジャ253の端面にはB−2リリース弁24経由で油路201bのDレンジ圧(PD )の印加及び解放が可能とされている。
【0034】
図17に詳細を示すリレー弁26は、スプリング負荷されたスプール形の切換弁とされ、スプリング負荷側スプール端に油路204のブレーキB−2圧(PB 2 )を、また、他のスプール端にライン圧(PL )を対向して印加され、ブレーキB−3油路203bと油路201a及び油路203aとの連通を切換える。したがって、リレー弁26は、そのスプールの位置に関わらず、両切換え位置において、ブレーキB−3に油圧を供給可能な油路が形成されていることになる。そして、油路201aには、リレー弁26がフェイルした場合のブレーキB−3への油圧供給を滑らかにするためのオリフィス201rと、該オリフィス201rと並行してブレーキB−3からの油圧のドレーンを迅速化するチェック弁201cが配設されている。なお、リレー弁26は、リニアソレノイド弁SLUの油圧(PS L U )をロックアップ制御時にロックアップコントロール弁L−upC.V.(図示せず)へ供給し、2→3変速時にB−3コントロール25へ供給する切換えを行うことを主な役割として持っている。
【0035】
以下、このように構成された回路の作動状況を図5のフローチャート、図7〜10のタイムチャートを主として参照しつつ説明する。
(1)1→2変速制御作動
ステップ1の判定でステップ2の1→2変速と判断されると、ステップ3で、1−2シフト弁21の切換に先行させて、ソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図6に示す右半分位置(第2の位置)にする。次にステップ4で、1−2シフト弁21を第2速状態に切換え、マニュアル弁(図示せず)、油路201、1−2シフト弁21、油路201b、3−4シフト弁23及びB−2リリース弁24経由のDレンジ圧(PD )をB−3コントロール弁25を介してブレーキB−3圧として、リレー弁26、油路203bを介してサーボ手段に供給する一方、クラッチC−0圧をドレーンする。以後ステップ5に従い、B−3コントロール弁25で図7に示すa,b,c区間のブレーキB−3圧を直接制御する。具体的には、サーボ手段のピストンストローク中(a区間)は、そのリターンスプリング力によりファストフィルのための油圧レベルが設定される。b区間では、リニアソレノイド弁SLUの出力(PS L U )を所定の増加率で上昇させ、回転変化を起こさせる。c区間では、目標回転変化に応じてリニアソレノイド弁SLUをフィードバック制御する。1→2変速の終了(2nd同期)を判定したら、ステップ6に従い、ソレノイド弁SL3のオンでソレノイド弁信号圧(PS L 3 )を解放してB−2リリース弁24を図示左半分位置(第1の位置)に切換え、B−3コントロール弁25のプランジャ253にB−2リリース弁24経由で前記Dレンジ圧(PD )を印加する一方、2−3シフト弁22経由の別経路から切換えられたB−2リリース弁24を経てDレンジ圧(PD )をB−3コントロール弁25を介してサーボ手段に供給し続け、ブレーキB−3圧をライン圧(PL )まで急速に上昇させて変速を終わる。この結果、第2速(2nd)定常状態では、ライン圧(PL )でB−3コントロール弁25のプランジャ253が押し下げられ、スプール251は図上で最下方の位置にロックされる一方、B−2リリース弁24のスプール241は、上記ソレノイド弁SL3信号圧(PS L 3 )の解放で図上上方位置に戻っている。
【0036】
(2)2→1変速制御作動
ステップ7による変速判断と同時に、ステップ8に従い、リニアソレノイド弁SLUの出力を100%にし、ブレーキB−3圧のドレーン制御に備える。次に、ステップ9で、ソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図示右半分位置とし、B−3コントロール弁25のロックを解除し、以後リニアソレノイド弁SLUの出力によりブレーキB−3圧のドレーンを直接制御する。ステップ10に従う第1速(1st)同期後に、ステップ11で、1−2シフト弁21を第1速状態に切換え、ブレーキB−3圧の供給を断つ。最後に、ステップ12で、ソレノイド弁SL3をオフからオンへ切換え、C−0イグゾースト弁を切換えてクラッチC−0圧の供給を開始する。
【0037】
(3)2→3変速制御作動
ステップ13による変速判断と同時にリニアソレノイド弁SLUの出力を100%とし、ソレノイド弁SL3のオンからオフへの切換時に入力トルクに応じた出力値とする。次に、ソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図1に示す右半分位置(第2の位置)とし、プランジャ253端へのライン圧の印加をB−2リリース弁24を介して解放して、B−3コントロール弁25のロックを解除する。その後、2−3シフト弁22を第3速側に切換え、該弁経由でDレンジ圧(PD )をブレーキB−2のサーボ手段へ供給開始する。B−3コントロール弁25によりブレーキB−3圧をブレーキB−2圧の上昇に応じて必要最小圧に調圧(a区間)する。イナーシャ相は、B−2アキュムレータ27の背圧制御によりフィードバック制御(b区間)する。同時ロック防止のため、タイマ制御してソレノイド弁SL3をオンとし、B−2リリース弁24によりブレーキB−3圧の供給を断つとともに、クラッチC−0圧の供給を開始する。更にB−2アキュムレータ27の蓄圧終了にて、リレー弁26が切換わり、ブレーキB−3油路が遮断されて変速が終わる。
【0038】
(4)第3速(3rd)状態
Dレンジ圧(PD )を1−2シフト弁21、3−4シフト弁23及びB−2リリース弁24経由でプランジャ253端に印加するとともに、2−3シフト弁22経由でプランジャ252端にも印加し、両プランジャ253,252の受圧面積差でスプール251を含めてそれらを全て上方変位させ、スプリングを圧縮して3者を当接状態にロックする。
【0039】
(5)3→2変速制御作動
ステップ19で2−3シフト弁22の切換に先行してソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図1に示す右半分位置とし、B−3コントロール弁25のロックを解除するとともにブレーキB−3圧の供給を開始する。次にステップ20で2−3シフト弁22を第2速状態に切換え、ブレーキB−2圧の小オリフィスドレーンを開始する。ブレーキB−3のファストフィルにより、第2速(2nd)同期前にピストンストロークを終了させる(a区間)。ステップ21ではB−2アキュムレータ27の背圧制御により、回転変化を制御(b区間)する。高車速時はブレーキB−3圧を低圧待機させ、同期に合わせて上昇させる。低車速時はブレーキB−2圧を保持した状態で、ブレーキB−3圧の漸増制御により、同期を達成する。第2速(2nd)同期後はステップ22でソレノイド弁SL3をオフからオンへ切換えてB−2リリース弁24を切換え、ブレーキB−2の急速ドレーンとブレーキB−3の急係合を行って変速を終わる。
【0040】
(6)N→3変速制御作動
この場合、ソレノイド弁SL3のオンで信号圧(PS L 3 )が3速位置にある3−4シフト弁23、ソレノイド弁信号圧油路205経由でB−2リリース弁24のスプール241端からドレーンされることで、B−2リリース弁24のスプール241は図示左半分位置を取るため、該弁24により油路201bからB−3コントロール弁25へのDレンジ圧(PD )の供給自体が遮断される。これにより、1−2シフト弁21、3−4シフト弁23及びB−2リリース弁24経由でプランジャ253端に印加されるDレンジ圧(PD )と、2−3シフト弁22経由でプランジャ252端に信号圧として印加されるブレーキB−2の係合圧とによる、ブレーキB−2の係合圧の立ち上がりの時期に想定されるB−3コントロール弁25の不要な調圧動作を無くすことができ、それによる流量損失の発生は未然に防止される。
【0041】
以上、要するに、上記実施形態の制御装置によれば、掴み替え変速時に係合側の摩擦係合要素であるブレーキB−2からB−3コントロール弁25に印加される油圧分に対向する力を外部制御信号圧(PS L U )自体ではなく、該圧の受圧面積を増加させることで確保することができるので、弁の一本化に伴う外部制御信号圧(PS L U )出力幅の拡張を不要とすることで、精度低下を防ぐことができる。また、第2の摩擦係合要素であるブレーキB−2からの油圧によるリレー弁26の制御で、第1の摩擦係合要素であるブレーキB−3の油圧の供給がB−3コントロール弁25の作動に関わりなく可能となるため、コントロール弁25が閉じ込み状態でスティックした場合でもブレーキB−3の油圧の閉じ込み、すなわちブレーキB−2及びブレーキB−3への油圧の同時供給を防止できる。
【0042】
次に、上記B−3コントロール弁25へのリニアソレノイド弁SLU圧の印加方法に関する変更例を挙げると、図11〜図13の回路構成がある。これらの例に示すような構成を採っても、N→3変速時におけるB−2リリース弁24による3−4シフト弁経由のDレンジ圧(PD )の遮断は、図示左半分に示すB−2リリース弁24のスプール位置において、図1に前記した実施形態の場合と同様に行われ、B−3コントロール弁25へのDレンジ圧(PD )の供給は阻止される。
【0043】
図11は図1に示す回路中に若干構成を変更したB−2リリース弁24及びB−3コントロール弁25を配置した変形例である。このようにすると、リニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )とスプリング負荷が前記実施形態のものではスプール251に並列(加算される方向)に作用するため、小さなリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )で調圧しなければならず、調圧精度及び応答性の面で不利であるのに対して、この例では直列(打ち消し会う方向)に作用するため、より高いリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )での調圧が可能となり、調圧精度と応答性の面で有利になる。また、図12は図1の実施形態のB−3コントロール弁25にリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )の印加をB−2リリース弁24を介して行うようにした変形例を示し、図13は同様の構成を変形したB−3コントロール弁25に適用した変形例を示す。
【0044】
なお、前記実施形態では、図14に示すようにブレーキB−3の供給・排出油路に関して、B−2リリース弁24、B−3コントロール弁25、リレー弁26をその順に配設しているが、このような順序としているのは、前記のように、第3速発進のためのN→D操作時に、B−2リリース弁24をソレノイド弁SL3で制御することによりB−3コントロール弁25への供給を断つことで流量損失をなくすことができる利点を狙っている他、B−3コントロール弁25の中間フェイルによるブレーキB−3圧の閉じ込みに対してもリレー弁26でドレーンを保障できることを狙ったものである。また、上記のようにB−3コントロール弁25とブレーキB−3の間に直列にリレー弁26を設け、リレー弁26により油路203aを閉鎖する構成なので、フェイル時にB−3コントロール弁25とブレーキB−3の間でのドレーンを保障しながら、B−3コントロール弁25が供給状態で且つリレー弁26がドレーン状態でロックしたフェイル時に、ブレーキB−3圧がB−3コントロール弁25の下流からドレーンされてしまう問題が生じない利点が得られる。
【0045】
ところで、ブレーキB−3の供給・排出油路に対するリレー弁26の接続方法については、前記実施形態のように油路中に介挿する直列的な接続方法の他に、図15、図16及び図18に第2実施形態として示すように油路に対して分岐的に設ける接続方法もある。この形態では、B−3コントロール弁25と第1の摩擦係合要素としてのブレーキB−3との間において油路203a,201aは、第2の摩擦係合要素としてのブレーキB−2からの油圧によりブレーキB−3から油圧を排出するリレー弁26に接続している。
【0046】
図16に詳細な回路構成を、また図18に具体的な形状を示すように、リレー弁26は、ブレーキB−3の供給・排出油路203a,203bに分岐接続している油路201a中に介挿されている。また、この形態では、リレー弁26経由のリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )がB−3コントロール弁25のプランジャ253端に印加され、B−2リリース弁24経由のDレンジ圧(PD )がスプール251とプランジャ253との間に印加される油路接続とされている。その余の構成については、図示を省略するクラッチC−0関連の回路も含めて、前記第1実施形態の回路構成と同様なので、対応する部位に同様の符号を付して説明に代える。
【0047】
こうした構成とした場合、B−3コントロール弁25のフェイルによるブレーキB−3圧の閉じ込みに対して、リレー弁26からチェック弁201c及びオリフィス201r経由のドレーンを保障することとなるため、第1実施形態に比べてリレー弁26のダブルフェイルまで考慮すると不利となる反面、B−3コントロール弁25より下流の油路203a及び油路203b中に油圧の供給及び排出の妨げとなる抵抗要素、具体的には弁がないので、弁を介挿することで避けがたい流動抵抗の増加を防ぐことができる。こうした油路の流動抵抗の低減は、B−3コントロール弁25の調圧作動に対する、特に低温時の油圧の追従を良くすることとなり、その結果、B−3コントロール弁25によるB−3圧の調圧精度が向上し、ブレーキB−3を係合させる変速段時、例えば、1→2、3→2変速制御時のシフトショックを低減することができる。
【0048】
要するに、この第2実施形態のリレー弁配置では、B−3コントロール弁25の中間フェイルによるブレーキB−3圧の閉じ込みに対してもリレー弁26でドレーンを保障できることを狙った点では同様であるが、上記のようにB−3コントロール弁25とブレーキB−3の間にリレー弁26を分岐接続した構成なので、B−3コントロール弁25フェイル時のドレーン保障よりも、むしろB−3コントロール弁25によるB−3圧の調圧精度の向上を狙った回路構成としている。
【0049】
以上、本発明を2つの実施形態と付随的な変形例に基づき詳説したが、本発明はこれらの実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置の部分回路図である。
【図2】上記自動変速機の変速機構部を示すスケルトン図である。
【図3】上記自動変速機の作動図表である。
【図4】上記自動変速機のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】上記自動変速機の制御装置の各変速時の制御フローチャートである。
【図6】上記油圧制御装置の1→2変速時の油路接続状況を示す部分回路図である。
【図7】上記自動変速機の1→2変速時のタイムチャートである。
【図8】上記自動変速機の2→1変速時のタイムチャートである。
【図9】上記自動変速機の2→3変速時のタイムチャートである。
【図10】上記自動変速機の3→2変速時のタイムチャートである。
【図11】上記油圧制御装置の回路構成を一部変更した変形例の部分回路図である。
【図12】上記油圧制御装置の回路構成を更に変更した変形例の部分回路図である。
【図13】上記油圧制御装置の回路構成を更に変更した変形例の部分回路図である。
【図14】上記第1実施形態における油圧制御装置の弁配置を概念化して示す概略回路図である。
【図15】本発明の第2実施形態における油圧制御装置の弁配置を概念化して示す概略回路図である。
【図16】上記第2実施形態の油圧制御装置の回路構成をより詳細に示す部分回路図である。
【図17】前記第1実施形態におけるリレー弁の詳細をその回路接続関係とともに示す部分回路図である。
【図18】前記第2実施形態におけるリレー弁の詳細をその回路接続関係とともに示す部分回路図である。
【符号の説明】
10 自動変速機
B−2 ブレーキ(第2の摩擦係合要素)
B−3 ブレーキ(第1の摩擦係合要素)
2nd 第2速(第1の変速段)
3rd 第3速(第2の変速段)
21 1−2シフト弁
22 2−3シフト弁(ソフト弁)
23 3−4シフト弁
24 B−2リリース弁(リリース弁)
25 B−3コントロール弁(コントロール弁)
26 リレー弁
201b 第2の油路
201e 第1の油路
PS L 3 ソレノイド弁信号圧
PS L U リニアソレノイド弁信号圧
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に自動変速のために変速機構中の摩擦係合要素を掴み替えする制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機において、ギヤトレイン構成によっては、特定の段間の変速時に2つの摩擦係合要素(具体的にはブレーキ又はクラッチ)のうちの一方の係合と他方の解放を同時に行う、所謂掴み替え操作を要する場合がある。こうした場合、それぞれの摩擦係合要素と並列にワンウェイクラッチを配設し、それらの作用で係合・解放タイミングを適正化して、タイアップによる出力軸トルクの落ち込みやアンダラップによるエンジン吹きを避けるのが通例であるが、変速機構のコンパクト化のため、ワンウェイクラッチを省略した構成を採る場合もある。この場合、両摩擦係合要素の一方からの油圧の排出と、他方への油圧の供給を関連制御する専用の弁を両摩擦係合要素に対する油圧の供給・排出油路に配設しなければならない。こうした構成の制御装置として従来特開平5−157168号公報に開示の技術がある。この例では、第2速から第3速への変速(以下2→3変速と略記する。他の変速について同じ)時に解放する側の摩擦係合要素(実施例においてブレーキB−3。以下同様に実施例の構成を括弧書きで付記する)の油圧(以下これを解放圧という)を制御するための弁(2−3タイミング弁)を配設している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、解放圧の下がり過ぎを補償すべくアキュムレータを設けているが、アキュムレータは、多量の油を収容する容量を持つ関係上、それの油圧制御装置全体の大きさに占める割合は非常に大きく、油圧制御装置をコンパクト化する上では、好ましくない。そこで、本出願人等は、先の出願に係る特願平5−157986号(特開平6−341531号公報参照)において、アキュムレータを用いずに掴み替え変速(2→3変速)時の解放圧をコントロール弁のみにより制御するものを提案した。この提案のものでは、2→3変速時の第2速時に係合している摩擦係合要素(ブレーキB−3)の解放圧を第3速時に係合する側の摩擦係合要素(ブレーキB−2)に供給されるDレンジ圧を元圧とし、更に係合側摩擦係合要素(ブレーキB−2)への供給圧を信号油圧とした調圧を行うコントロール弁により、係合側摩擦係合要素(ブレーキB−2)への油圧供給による油圧の立ち上がり(以下これを係合圧という)に応じて解放側摩擦係合要素(ブレーキB−3)の解放圧を減圧するようにしている。しかしながら、この提案のものでは、2→3変速時の解放圧の元圧が2−3シフト弁を介して供給される供給圧であるため、2→3変速時に、2−3シフト弁が切り換わり係合圧が発生するまでの間、解放側摩擦係合要素の解放圧が圧低するという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明は、自動変速機における掴み替え変速時の解放圧の過渡的な低下を防止することができる制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置は、請求項1に記載のように、第1の摩擦係合要素を係合し、第2の摩擦係合要素を解放した状態で第1の変速段を達成し、第1の摩擦係合要素を解放し、第2の摩擦係合要素を係合した状態で第2の変速段を達成する自動変速機において、油圧源と、前記第1の摩擦係合要素に油圧を供給する油路と、該油路に配設され、油路の油圧を調圧するコントロール弁と、該コントロール弁の上流側に配設され、ソレノイド弁信号圧の印加により第1の位置と第2の位置を取るリリース弁とを備え、前記油路は、第1の変速段のときに油圧源に連通する第1の油路と、第1の変速段と第2の変速段のときに油圧源に連通する第2の油路とからなり、前記リリース弁は、第1の油路からの油圧をコントロール弁へ供給するとともに、第2の油路からの油圧をコントロール弁へ信号圧として供給してコントロール弁を供給側にロックする第1の位置と、第2の油路からの油圧をコントロール弁へ供給する第2の位置とを選択的に切換えられ、前記ソレノイド弁信号圧は、第1の変速段から第2の変速段へ変速するときに、リリース弁を第1の位置から第2の位置へと切換え、第2の変速段が達成された後に、リリース弁を第2の位置から第1の位置へと切換えるように印加されることを特徴とする。
【0006】
上記の構成において、請求項2に記載のように、前記第1の油路と第2の油路の油圧源への連通を切り換えるシフト弁を備え、前記コントロール弁は、リニアソレノイド弁信号圧の印加により調圧作動するものとされ、リニアソレノイド弁信号圧は、第1の変速段から第2の変速段へ変速するときには、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に所定値まで低下されて、第1の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させ、その後のシフト弁の切換え後の第2の変速段達成後にオフとされる構成と採ることができる。
【0007】
また、前記の構成において、請求項3に記載のように、前記第1の油路と第2の油路の油圧源への連通を切り換えるシフト弁を備え、前記コントロール弁は、リニアソレノイド弁信号圧の印加により調圧作動するものとされ、リニアソレノイド弁信号圧は、第2の変速段から第1の変速段へ変速するときには、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に所定値まで低下され、更に最大出力後に所定値まで低下され、その後に徐々に上昇されて第1の摩擦係合要素の油圧を所定圧にすると共に、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に第2の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させ、前記リニアソレノイド弁信号圧の最大出力後に第2の摩擦係合要素の油圧を更に低下させる構成を採ることができる。
【0008】
【発明の作用及び効果】
本発明の請求項1記載の構成では、第1の変速段から第2の変速段への変速時には、コントロール弁への油圧供給が、ソレノイド弁信号圧の印加で第2の位置を取るリリース弁を介して第1の変速段と第2の変速段のときに油圧源に連通する第2の油路からなされることになるため、第1の変速段から第2の変速段への変速時の第1の摩擦係合要素の解放圧の低下を防止できる。また、第1の油路から油圧供給がなされる第1の変速段の達成中は、第1の位置を取るリリース弁を介する第2の油路からの供給圧を信号圧としてコントロール弁が供給側にロックされるため、第1の摩擦係合要素の油圧を調圧する必要があるときだけ、コントロール弁を調圧可能とすることができる。更に、第2の変速段の達成中は、リリース弁が第1の位置に切換わることで、第2の油路が遮断されるため、コントロール弁の元圧をカットすることができる。
【0009】
次に、請求項2に記載の構成によれば、リニアソレノイド弁の出力によるコントロール弁の調圧で、第1の変速段から第2の変速段への変速が円滑に達成される。
【0010】
また、請求項3に記載の構成にとれば、リニアソレノイド弁の出力によるコントロール弁の調圧で、第2の変速段から第1の変速段への変速が円滑に達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図1〜図10及び図17は本発明の第1実施形態を示す。先ず自動変速機全体の概略構成から説明すると、図2に示すように、自動変速機10の機構部は、この例では、前置式オーバドライブプラネタリギヤユニットからなる副変速機構Dと、単純連結3プラネタリギヤトレインからなる前進4速後進1速の主変速機構Mとを組合わせた5速構成とされ、この機構部がロックアップクラッチL付のトルクコンバータTに連結されている。
【0012】
副変速機構Dは、サンギヤS0、キャリヤC0、リングギヤR0に関連してワンウェイクラッチF−0とこれに並列する多板クラッチC−0及びこれと直列する多板ブレーキB−0を備えている。一方、主変速機構Mは、サンギヤS1〜S3、キャリヤC1〜C3、リングギヤR1〜R3からなる各変速要素を適宜直結した単純連結の3組のギヤユニットP1〜P3を備え、各ギヤユニットの変速要素に関連して多板クラッチC−1,C−2、バンドブレーキB−1、多板ブレーキB−2〜B−4、ワンウェイクラッチF−1,F−2が配設されている。なお、図において、符号SN1はクラッチC−0のドラム回転を検出するC0センサ、SN2はクラッチC−2のドラム回転を検出するC2センサを示す。また、図示されていないが、各クラッチ及びブレーキは、それらの摩擦材を係合・解放操作するピストン・シリンダ機構からなる油圧サーボ装置を備えている。
【0013】
図4に示すように、自動変速機10には上記構成からなる機構部、トルクコンバータ及びロックアップクラッチを制御する油圧制御装置20と、その油圧源として機構部に組込まれた図示しないオイルポンプが設けられている。車載状態において、自動変速機10はエンジンEに接続され、自動変速機10の油圧制御装置20は、それに組込まれた各ソレノイド弁SL1〜SL4及び各リニアソレノイド弁SLN,SLT,SLUを介して自動変速制御コンピュータ30に接続され、自動変速制御コンピュータ30は、エンジンE及び自動変速機10を含む車両の各部に配置された各種センサ40とエンジン制御コンピュータ50に接続されている。
【0014】
この自動変速機10において、図4に示すエンジンEの回転は、図2に示すトルクコンバータTを経て副変速機構Dの入力軸Nに伝達され、入力軸Nに連結するキャリヤC0を常時回転させている。このキャリヤC0の回転は、上記油圧制御装置による制御下で、本発明にいう第1及び第2の摩擦係合要素を含む全ての摩擦係合要素を解放し、あるいはブレーキB−0のみ係合させた状態で、出力軸Uに対して遮断され、ニュートラル状態となる。
【0015】
そして、第1速回転は、クラッチC−0を係合させて副変速機構Dを直結とし、主変速機構MのクラッチC−1を係合し、他の摩擦係合要素を全て解放とした場合に、リングギヤR0、上記クラッチC−1経由でギヤユニットP3のサンギヤS3に入り、ワンウェイクラッチF−2によるリングギヤR3の逆回転阻止でキャリヤC3から出力軸Uに第1速回転として出力される。
【0016】
次に、第2速すなわち本実施形態において本発明にいう第1の変速段に当たる回転は、副変速機構Dが直結で、クラッチC−1及び本発明にいう第1の摩擦係合要素に当たるブレーキB−3を係合したときに達成され、このとき、第1速の場合と同様の経路でギヤユニットP2のリングギヤR2に入った入力は、ギヤユニットP1のキャリヤC1を反力要素としてギヤユニットP2のキャリヤC2及びそれに直結するギヤユニットP1のリングギヤR1に出力され、出力軸Uの第2速回転となる。
【0017】
また、第3速すなわち本実施形態において本発明にいう第2の変速段に当たる回転は、同様に副変速機構D直結で、クラッチC−1及び本発明にいう第2の摩擦係合要素に当たるブレーキB−2を係合し、他を解放としたときに達成され、このとき、第2速の場合と同様の経路でギヤユニットP2のリングギヤR2に入った入力は、サンギヤS2を反力要素とし、キャリヤC2に出力され、出力軸Uの第3速回転となる。
【0018】
更に、第4速回転は、同じく副変速機構D直結で、クラッチC−1及びクラッチC−2を共に係合したときに達成され、このとき、リングギヤR2及びサンギヤS2に入力されるため、ギヤユニットP2が直結となって入力回転がそのまま出力される。これに対して、第5速回転は、主変速機構Mが上記第4速回転の状態で、クラッチC−0 を解放し、ブレーキB−0の係合でサンギヤS0を固定して副変速機構Dを増速回転させるオーバドライブ状態で達成される。
【0019】
また、後進は、副変速機構Dを上記の状態とし、主変速機構MのクラッチC−2とブレーキB−4を係合させることで達成され、このとき、ギヤユニットP2のサンギヤS2に入った入力は、リングギヤR3を反力要素とするギヤユニットP2,P3のキャリヤC2,C3の逆回転として出力される。
【0020】
上記各変速段における各摩擦係合要素とワンウェイクラッチの作動を図3にまとめて作動図表として示す。図において、○印はクラッチ、ブレーキについては係合、ワンウェイクラッチについてはロック、●印はエンジンブレーキ時のみの係合、破線の○印は係合又は解放、◎印は動力伝達に関与しない係合を表す。
【0021】
こうした構成の自動変速機10において、本発明の第1の摩擦係合要素に当たるブレーキB−3と、第2の摩擦係合要素に当たるブレーキB−2それぞれの摩擦材を係合・解放操作する油圧サーボ装置の油圧の調圧と給排に直接関与する回路部分は、図1に示すように、ブレーキB−3に油圧を供給する油路201bと、ブレーキB−2に油圧を供給する油路202aと、油路201bに配設され、該油路の油圧を調圧するコントロール弁としてのB−3コントロール弁25を備え、2→3変速時に、油路202aの油圧に応じてB−3コントロール弁25により油路201bの油圧を調圧する制御装置を構成している。
【0022】
そして、油路201bには、油路201bの油圧を調圧するリレー弁26、B−2リリース弁24及び3−4シフト弁23が配設されている。これら弁のうち、リレー弁26は、B−3コントロール弁25とブレーキB−3との間に配設され、ブレーキB−2からの油圧により油路201bの油圧を減圧する作用をする。また、リレー弁26には、該弁の位置に関わらずブレーキB−3に油圧を供給可能な油路が形成されている。そして、リレー弁26、B−2リリース弁24及び3−4シフト弁23は、協働して油路201b以外の油圧の調圧をする。すなわち、リレー弁26は、リニアソレノイド信号圧(PS L U )の制御を兼ね、B−2リリース弁24は、ブレーキB−2を制御する弁を兼ねる。更に、これらの弁により、ブレーキB−3とブレーキB−2が共に解放した状態の変速段すなわちニュートラルから第3速への変速時に、B−3コントロール弁25への油圧の供給は遮断される。
【0023】
この回路には更に、2→3変速時に、油路201bから油路202aへ油圧の供給を切換える2−3シフト弁22と、油路201bのB−3コントロール弁25の上流に油圧を供給する1−2シフト弁21が設けられ、他にB−2アキュムレータ27も配設されている。
【0024】
これらは、各シフト弁を切換える図4に示すソレノイド弁SL1〜SL4、ロックアップ用リニアソレノイド弁SLU、B−2アキュムレータ27及びその背圧を制御するアキュムレータコントロール用リニアソレノイド弁SLN、リニアソレノイド弁SLUにエンジン負荷に応じた制御信号を出力するリニアソレノイド弁SLT等により制御される。
【0025】
かくしてこの回路は、ニュートラル(N)から第2の変速段(すなわち実施形態において第3速(3rd))への変速時に、1−2シフト弁21及び2−3シフト弁22を介して油路201bと油路202aとに油圧を供給し、第1の変速段(同じく第2速(2nd))から第2の変速段(すなわち第3速(3rd))への変速時に、ブレーキB−2への係合油圧に応じてB−3コントロール弁25によりブレーキB−3からの油圧の排出を調整する制御装置を構成している。
【0026】
特に、ブレーキB−3に対する油圧の供給・排出油路201bに配設したB−3コントロール弁25は、ブレーキB−3の油圧をフィードバックして油路203aから閉弁方向(図示上向き)に印加され、それとは逆の開弁方向(図示下向き)に外部制御信号油圧(リニアソレノイド弁SLUの出力する信号圧)PS L U を印加されて、それら圧力に応じてブレーキB−3の油圧を調圧するスプール251と、該スプール251と同軸的に配設され、ブレーキB−2を係合させてブレーキB−3を解放する掴み替え変速時に、ブレーキB−2の油圧を閉弁方向(図示上向きに)印加され、少なくとも前記変速時に、リニアソレノイド弁SLU信号圧を開弁方向(図示下向き)に印加されるプランジャ252とからなり、ブレーキB−2の油圧の印加でプランジャ252がスプール251に当接してスプール251と連動作動する構成とされている。
【0027】
そして、1−2シフト弁21及び2−3シフト弁22のうち、2−3シフト弁22は、第1の変速段(2nd)と第2の変速段(3rd)との切換時に、油路201bと油路202aへの油圧の供給を切換え、1−2シフト弁21は、第1の変速段(2nd)から第2の変速段(3rd)への変速時に、所定の位置に保持され、油路201bは、2−3シフト弁22を迂回して1−2シフト弁21に接続している。これによりコントロール弁25へのブレーキB−3油圧を調圧するための油圧の供給は、掴み替え変速時に切換操作されないで所定の位置に保持される1−2シフト弁21を介して油路201b経由でなされる。
【0028】
また、コントロール弁25とブレーキB−3との間の油路203a,203b中に配設され、ブレーキB−2からの油圧によりブレーキB−3に対する油圧の供給と排出を制御するリレー弁26は、ブレーキB−3からの油圧の排出位置(図に右下がりの線でそのときの弁内油路を示す)において、油路203aを閉鎖するものとされている。
【0029】
更に前記各弁と油路の接続関係を詳述すると、図示しないマニュアル弁に連なるDレンジ圧油路201は、1−2シフト弁21を経て分岐し、一方の油路201aは、2−3シフト弁22経由でリレー弁26に接続され、該弁26経由でブレーキB−3油路203bに接続されている。分岐した他方の油路201bは、3−4シフト弁23、B−2リリース弁24を経てB−3コントロール弁25のインポート254に連なり、該弁25から油路203aを経てリレー弁26に接続されている。
【0030】
マニュアル弁に連なる他方のDレンジ圧油路202は、2−3シフト弁22を経て分岐し、一方の油路202aは、オリフィスを経てブレーキB−2油路204に接続されている。この油路204は、B−2リリース弁24及びチェック弁経由で油路202aに接続されると共に、オリフィスを経てアキュムレータ27に接続されている。分岐した他方の油路202bは、3−4シフト弁23を経てクラッチC−2に接続されている。
【0031】
3−4シフト弁23は、上記両油路201b、202bの連通及び遮断の他にソレノイド弁SL3信号圧(PS L 3 )のB−2リリース弁24のスプール端への印加を行うべく、ソレノイド弁信号圧油路205(図に2点鎖線で示す)を介してB−2リリース弁24に接続されている。
【0032】
B−2リリース弁24は、ブレーキB−2の解放終期にアキュムレータ27油圧のドレーンを迅速化するバイパス回路を形成すべく設けられており、スプリング負荷されたスプール241を有し、前記3−4シフト弁23経由のソレノイド弁SL3の信号圧(PS L 3 )をスプール241端に印加されて、バイパス油路201dのブレーキB−2 油路204への連通及び遮断と、前記Dレンジ圧油路201bのB−3コントロール弁25のインポート254への連通及びプランジャ253端信号ポートへの連通の切換、並びに他のDレンジ圧油路201aから分岐する油路201eの油路201bへの連通及び遮断を行う。したがって、B−3コントロール弁25のインポート254へは2つの油路201b(第2の油路),201e(第1の油路)から1−2シフト弁21を経て2−3シフト弁22及び3−4シフト弁23経由で並列的にDレンジ圧(PD )の供給が可能とされている。
【0033】
B−3コントロール弁25は、フィードバック信号圧インポート256を経てスプール251端に印加されるフィードバック圧によりスプール251に設けられた2つのランドの一方でインポート254を開閉し、他方でドレーンポートEXを開閉することでアウトポート255に連なる油路203aの油圧を調圧する構成とされており、スプール251と同軸的に配設されたプランジャ252は差動ピストン形状とされ、径差部にリニアソレノイド信号圧(PS L U )、端面に2−3シフト弁22を介してブレーキB−2の油路204に連なる油路204aのブレーキB−2圧を印加されてスプール251に当接・離反可能なストローク域を有する構成とされている。このB−3コントロール弁25には、更にスプール251へのスプリング負荷を変更するプランジャ253もプランジャ252とは反対側に設けられており、該プランジャ253の端面にはB−2リリース弁24経由で油路201bのDレンジ圧(PD )の印加及び解放が可能とされている。
【0034】
図17に詳細を示すリレー弁26は、スプリング負荷されたスプール形の切換弁とされ、スプリング負荷側スプール端に油路204のブレーキB−2圧(PB 2 )を、また、他のスプール端にライン圧(PL )を対向して印加され、ブレーキB−3油路203bと油路201a及び油路203aとの連通を切換える。したがって、リレー弁26は、そのスプールの位置に関わらず、両切換え位置において、ブレーキB−3に油圧を供給可能な油路が形成されていることになる。そして、油路201aには、リレー弁26がフェイルした場合のブレーキB−3への油圧供給を滑らかにするためのオリフィス201rと、該オリフィス201rと並行してブレーキB−3からの油圧のドレーンを迅速化するチェック弁201cが配設されている。なお、リレー弁26は、リニアソレノイド弁SLUの油圧(PS L U )をロックアップ制御時にロックアップコントロール弁L−upC.V.(図示せず)へ供給し、2→3変速時にB−3コントロール25へ供給する切換えを行うことを主な役割として持っている。
【0035】
以下、このように構成された回路の作動状況を図5のフローチャート、図7〜10のタイムチャートを主として参照しつつ説明する。
(1)1→2変速制御作動
ステップ1の判定でステップ2の1→2変速と判断されると、ステップ3で、1−2シフト弁21の切換に先行させて、ソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図6に示す右半分位置(第2の位置)にする。次にステップ4で、1−2シフト弁21を第2速状態に切換え、マニュアル弁(図示せず)、油路201、1−2シフト弁21、油路201b、3−4シフト弁23及びB−2リリース弁24経由のDレンジ圧(PD )をB−3コントロール弁25を介してブレーキB−3圧として、リレー弁26、油路203bを介してサーボ手段に供給する一方、クラッチC−0圧をドレーンする。以後ステップ5に従い、B−3コントロール弁25で図7に示すa,b,c区間のブレーキB−3圧を直接制御する。具体的には、サーボ手段のピストンストローク中(a区間)は、そのリターンスプリング力によりファストフィルのための油圧レベルが設定される。b区間では、リニアソレノイド弁SLUの出力(PS L U )を所定の増加率で上昇させ、回転変化を起こさせる。c区間では、目標回転変化に応じてリニアソレノイド弁SLUをフィードバック制御する。1→2変速の終了(2nd同期)を判定したら、ステップ6に従い、ソレノイド弁SL3のオンでソレノイド弁信号圧(PS L 3 )を解放してB−2リリース弁24を図示左半分位置(第1の位置)に切換え、B−3コントロール弁25のプランジャ253にB−2リリース弁24経由で前記Dレンジ圧(PD )を印加する一方、2−3シフト弁22経由の別経路から切換えられたB−2リリース弁24を経てDレンジ圧(PD )をB−3コントロール弁25を介してサーボ手段に供給し続け、ブレーキB−3圧をライン圧(PL )まで急速に上昇させて変速を終わる。この結果、第2速(2nd)定常状態では、ライン圧(PL )でB−3コントロール弁25のプランジャ253が押し下げられ、スプール251は図上で最下方の位置にロックされる一方、B−2リリース弁24のスプール241は、上記ソレノイド弁SL3信号圧(PS L 3 )の解放で図上上方位置に戻っている。
【0036】
(2)2→1変速制御作動
ステップ7による変速判断と同時に、ステップ8に従い、リニアソレノイド弁SLUの出力を100%にし、ブレーキB−3圧のドレーン制御に備える。次に、ステップ9で、ソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図示右半分位置とし、B−3コントロール弁25のロックを解除し、以後リニアソレノイド弁SLUの出力によりブレーキB−3圧のドレーンを直接制御する。ステップ10に従う第1速(1st)同期後に、ステップ11で、1−2シフト弁21を第1速状態に切換え、ブレーキB−3圧の供給を断つ。最後に、ステップ12で、ソレノイド弁SL3をオフからオンへ切換え、C−0イグゾースト弁を切換えてクラッチC−0圧の供給を開始する。
【0037】
(3)2→3変速制御作動
ステップ13による変速判断と同時にリニアソレノイド弁SLUの出力を100%とし、ソレノイド弁SL3のオンからオフへの切換時に入力トルクに応じた出力値とする。次に、ソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図1に示す右半分位置(第2の位置)とし、プランジャ253端へのライン圧の印加をB−2リリース弁24を介して解放して、B−3コントロール弁25のロックを解除する。その後、2−3シフト弁22を第3速側に切換え、該弁経由でDレンジ圧(PD )をブレーキB−2のサーボ手段へ供給開始する。B−3コントロール弁25によりブレーキB−3圧をブレーキB−2圧の上昇に応じて必要最小圧に調圧(a区間)する。イナーシャ相は、B−2アキュムレータ27の背圧制御によりフィードバック制御(b区間)する。同時ロック防止のため、タイマ制御してソレノイド弁SL3をオンとし、B−2リリース弁24によりブレーキB−3圧の供給を断つとともに、クラッチC−0圧の供給を開始する。更にB−2アキュムレータ27の蓄圧終了にて、リレー弁26が切換わり、ブレーキB−3油路が遮断されて変速が終わる。
【0038】
(4)第3速(3rd)状態
Dレンジ圧(PD )を1−2シフト弁21、3−4シフト弁23及びB−2リリース弁24経由でプランジャ253端に印加するとともに、2−3シフト弁22経由でプランジャ252端にも印加し、両プランジャ253,252の受圧面積差でスプール251を含めてそれらを全て上方変位させ、スプリングを圧縮して3者を当接状態にロックする。
【0039】
(5)3→2変速制御作動
ステップ19で2−3シフト弁22の切換に先行してソレノイド弁SL3をオンからオフへ切換えてB−2リリース弁24を図1に示す右半分位置とし、B−3コントロール弁25のロックを解除するとともにブレーキB−3圧の供給を開始する。次にステップ20で2−3シフト弁22を第2速状態に切換え、ブレーキB−2圧の小オリフィスドレーンを開始する。ブレーキB−3のファストフィルにより、第2速(2nd)同期前にピストンストロークを終了させる(a区間)。ステップ21ではB−2アキュムレータ27の背圧制御により、回転変化を制御(b区間)する。高車速時はブレーキB−3圧を低圧待機させ、同期に合わせて上昇させる。低車速時はブレーキB−2圧を保持した状態で、ブレーキB−3圧の漸増制御により、同期を達成する。第2速(2nd)同期後はステップ22でソレノイド弁SL3をオフからオンへ切換えてB−2リリース弁24を切換え、ブレーキB−2の急速ドレーンとブレーキB−3の急係合を行って変速を終わる。
【0040】
(6)N→3変速制御作動
この場合、ソレノイド弁SL3のオンで信号圧(PS L 3 )が3速位置にある3−4シフト弁23、ソレノイド弁信号圧油路205経由でB−2リリース弁24のスプール241端からドレーンされることで、B−2リリース弁24のスプール241は図示左半分位置を取るため、該弁24により油路201bからB−3コントロール弁25へのDレンジ圧(PD )の供給自体が遮断される。これにより、1−2シフト弁21、3−4シフト弁23及びB−2リリース弁24経由でプランジャ253端に印加されるDレンジ圧(PD )と、2−3シフト弁22経由でプランジャ252端に信号圧として印加されるブレーキB−2の係合圧とによる、ブレーキB−2の係合圧の立ち上がりの時期に想定されるB−3コントロール弁25の不要な調圧動作を無くすことができ、それによる流量損失の発生は未然に防止される。
【0041】
以上、要するに、上記実施形態の制御装置によれば、掴み替え変速時に係合側の摩擦係合要素であるブレーキB−2からB−3コントロール弁25に印加される油圧分に対向する力を外部制御信号圧(PS L U )自体ではなく、該圧の受圧面積を増加させることで確保することができるので、弁の一本化に伴う外部制御信号圧(PS L U )出力幅の拡張を不要とすることで、精度低下を防ぐことができる。また、第2の摩擦係合要素であるブレーキB−2からの油圧によるリレー弁26の制御で、第1の摩擦係合要素であるブレーキB−3の油圧の供給がB−3コントロール弁25の作動に関わりなく可能となるため、コントロール弁25が閉じ込み状態でスティックした場合でもブレーキB−3の油圧の閉じ込み、すなわちブレーキB−2及びブレーキB−3への油圧の同時供給を防止できる。
【0042】
次に、上記B−3コントロール弁25へのリニアソレノイド弁SLU圧の印加方法に関する変更例を挙げると、図11〜図13の回路構成がある。これらの例に示すような構成を採っても、N→3変速時におけるB−2リリース弁24による3−4シフト弁経由のDレンジ圧(PD )の遮断は、図示左半分に示すB−2リリース弁24のスプール位置において、図1に前記した実施形態の場合と同様に行われ、B−3コントロール弁25へのDレンジ圧(PD )の供給は阻止される。
【0043】
図11は図1に示す回路中に若干構成を変更したB−2リリース弁24及びB−3コントロール弁25を配置した変形例である。このようにすると、リニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )とスプリング負荷が前記実施形態のものではスプール251に並列(加算される方向)に作用するため、小さなリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )で調圧しなければならず、調圧精度及び応答性の面で不利であるのに対して、この例では直列(打ち消し会う方向)に作用するため、より高いリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )での調圧が可能となり、調圧精度と応答性の面で有利になる。また、図12は図1の実施形態のB−3コントロール弁25にリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )の印加をB−2リリース弁24を介して行うようにした変形例を示し、図13は同様の構成を変形したB−3コントロール弁25に適用した変形例を示す。
【0044】
なお、前記実施形態では、図14に示すようにブレーキB−3の供給・排出油路に関して、B−2リリース弁24、B−3コントロール弁25、リレー弁26をその順に配設しているが、このような順序としているのは、前記のように、第3速発進のためのN→D操作時に、B−2リリース弁24をソレノイド弁SL3で制御することによりB−3コントロール弁25への供給を断つことで流量損失をなくすことができる利点を狙っている他、B−3コントロール弁25の中間フェイルによるブレーキB−3圧の閉じ込みに対してもリレー弁26でドレーンを保障できることを狙ったものである。また、上記のようにB−3コントロール弁25とブレーキB−3の間に直列にリレー弁26を設け、リレー弁26により油路203aを閉鎖する構成なので、フェイル時にB−3コントロール弁25とブレーキB−3の間でのドレーンを保障しながら、B−3コントロール弁25が供給状態で且つリレー弁26がドレーン状態でロックしたフェイル時に、ブレーキB−3圧がB−3コントロール弁25の下流からドレーンされてしまう問題が生じない利点が得られる。
【0045】
ところで、ブレーキB−3の供給・排出油路に対するリレー弁26の接続方法については、前記実施形態のように油路中に介挿する直列的な接続方法の他に、図15、図16及び図18に第2実施形態として示すように油路に対して分岐的に設ける接続方法もある。この形態では、B−3コントロール弁25と第1の摩擦係合要素としてのブレーキB−3との間において油路203a,201aは、第2の摩擦係合要素としてのブレーキB−2からの油圧によりブレーキB−3から油圧を排出するリレー弁26に接続している。
【0046】
図16に詳細な回路構成を、また図18に具体的な形状を示すように、リレー弁26は、ブレーキB−3の供給・排出油路203a,203bに分岐接続している油路201a中に介挿されている。また、この形態では、リレー弁26経由のリニアソレノイド弁SLU圧(PS L U )がB−3コントロール弁25のプランジャ253端に印加され、B−2リリース弁24経由のDレンジ圧(PD )がスプール251とプランジャ253との間に印加される油路接続とされている。その余の構成については、図示を省略するクラッチC−0関連の回路も含めて、前記第1実施形態の回路構成と同様なので、対応する部位に同様の符号を付して説明に代える。
【0047】
こうした構成とした場合、B−3コントロール弁25のフェイルによるブレーキB−3圧の閉じ込みに対して、リレー弁26からチェック弁201c及びオリフィス201r経由のドレーンを保障することとなるため、第1実施形態に比べてリレー弁26のダブルフェイルまで考慮すると不利となる反面、B−3コントロール弁25より下流の油路203a及び油路203b中に油圧の供給及び排出の妨げとなる抵抗要素、具体的には弁がないので、弁を介挿することで避けがたい流動抵抗の増加を防ぐことができる。こうした油路の流動抵抗の低減は、B−3コントロール弁25の調圧作動に対する、特に低温時の油圧の追従を良くすることとなり、その結果、B−3コントロール弁25によるB−3圧の調圧精度が向上し、ブレーキB−3を係合させる変速段時、例えば、1→2、3→2変速制御時のシフトショックを低減することができる。
【0048】
要するに、この第2実施形態のリレー弁配置では、B−3コントロール弁25の中間フェイルによるブレーキB−3圧の閉じ込みに対してもリレー弁26でドレーンを保障できることを狙った点では同様であるが、上記のようにB−3コントロール弁25とブレーキB−3の間にリレー弁26を分岐接続した構成なので、B−3コントロール弁25フェイル時のドレーン保障よりも、むしろB−3コントロール弁25によるB−3圧の調圧精度の向上を狙った回路構成としている。
【0049】
以上、本発明を2つの実施形態と付随的な変形例に基づき詳説したが、本発明はこれらの実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動変速機の油圧制御装置の部分回路図である。
【図2】上記自動変速機の変速機構部を示すスケルトン図である。
【図3】上記自動変速機の作動図表である。
【図4】上記自動変速機のシステム構成を示すブロック図である。
【図5】上記自動変速機の制御装置の各変速時の制御フローチャートである。
【図6】上記油圧制御装置の1→2変速時の油路接続状況を示す部分回路図である。
【図7】上記自動変速機の1→2変速時のタイムチャートである。
【図8】上記自動変速機の2→1変速時のタイムチャートである。
【図9】上記自動変速機の2→3変速時のタイムチャートである。
【図10】上記自動変速機の3→2変速時のタイムチャートである。
【図11】上記油圧制御装置の回路構成を一部変更した変形例の部分回路図である。
【図12】上記油圧制御装置の回路構成を更に変更した変形例の部分回路図である。
【図13】上記油圧制御装置の回路構成を更に変更した変形例の部分回路図である。
【図14】上記第1実施形態における油圧制御装置の弁配置を概念化して示す概略回路図である。
【図15】本発明の第2実施形態における油圧制御装置の弁配置を概念化して示す概略回路図である。
【図16】上記第2実施形態の油圧制御装置の回路構成をより詳細に示す部分回路図である。
【図17】前記第1実施形態におけるリレー弁の詳細をその回路接続関係とともに示す部分回路図である。
【図18】前記第2実施形態におけるリレー弁の詳細をその回路接続関係とともに示す部分回路図である。
【符号の説明】
10 自動変速機
B−2 ブレーキ(第2の摩擦係合要素)
B−3 ブレーキ(第1の摩擦係合要素)
2nd 第2速(第1の変速段)
3rd 第3速(第2の変速段)
21 1−2シフト弁
22 2−3シフト弁(ソフト弁)
23 3−4シフト弁
24 B−2リリース弁(リリース弁)
25 B−3コントロール弁(コントロール弁)
26 リレー弁
201b 第2の油路
201e 第1の油路
PS L 3 ソレノイド弁信号圧
PS L U リニアソレノイド弁信号圧
Claims (3)
- 第1の摩擦係合要素を係合し、第2の摩擦係合要素を解放した状態で第1の変速段を達成し、
第1の摩擦係合要素を解放し、第2の摩擦係合要素を係合した状態で第2の変速段を達成する自動変速機において、
油圧源と、
前記第1の摩擦係合要素に油圧を供給する油路と、
該油路に配設され、油路の油圧を調圧するコントロール弁と、
該コントロール弁の上流側に配設され、ソレノイド弁信号圧の印加により第1の位置と第2の位置を取るリリース弁とを備え、
前記油路は、第1の変速段のときに油圧源に連通する第1の油路と、
第1の変速段と第2の変速段のときに油圧源に連通する第2の油路とからなり、
前記リリース弁は、第1の油路からの油圧をコントロール弁へ供給するとともに、第2の油路からの油圧をコントロール弁へ信号圧として供給してコントロール弁を供給側にロックする第1の位置と、第2の油路からの油圧をコントロール弁ヘ供給する第2の位置とを選択的に切換えられ、
前記ソレノイド弁信号圧は、第1の変速段から第2の変速段へ変速するときに、リリース弁を第1の位置から第2の位置へと切換え、第2の変速段が達成された後に、リリース弁を第2の位置から第1の位置へと切換えるように印加されることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記第1の油路と第2の油路の油圧源への連通を切り換えるシフト弁を備え、
前記コントロール弁は、リニアソレノイド弁信号圧の印加により調圧作動するものとされ、
リニアソレノイド弁信号圧は、第1の変速段から第2の変速段へ変速するときには、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に所定値まで低下されて、第1の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させ、その後のシフト弁の切換え後の第2の変速段達成後にオフとされる、請求項1記載の自動変速機の制御装置。 - 前記第1の油路と第2の油路の油圧源への連通を切り換えるシフト弁を備え、
前記コントロール弁は、リニアソレノイド弁信号圧の印加により調圧作動するものとされ、
リニアソレノイド弁信号圧は、第2の変速段から第1の変速段へ変速するときには、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に所定値まで低下され、更に最大出力後に所定値まで低下され、その後に徐々に上昇されて第1の摩擦係合要素の油圧を所定圧にすると共に、リリース弁へのソレノイド弁信号圧の印加後に第2の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させ、前記リニアソレノイド弁信号圧の最大出力後に第2の摩擦係合要素の油圧を更に低下させる、請求項1記載の自動変速機の制御装置。
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