JP3667017B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ内面にインナーライナー層を設けないで軽量化を図った空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、軽量化の効果を維持しながらカーカス層と他のタイヤ構成部材との接着性を改善して耐久性を向上するようにした空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にチューブレスタイヤは、タイヤ内面にハロゲン化ブチル等を主体とする空気透過性が低いゴムからなるインナーライナー層を設けることによって、内部空気圧を保持するようにしている。しかし、近年、空気入りタイヤを軽量化する手法の一つとして、低空気透過性のインナーライナー層を設けずに、カーカス層のコートゴムを低空気透過性ゴムから構成し、カーカス層自体に内部空気圧保持機能を持たせるようにした提案が多数なされている。
【0003】
しかしながら、上述の低空気透過性ゴムは、一般にタイヤ構成部材に使用するジエン系ゴムとの接着性が悪いという欠点があるため、カーカス層のコートゴムにそのまま使用したのでは、外側を囲むベルト層やサイドウォール等との間で剥離を生じるという問題がある。
すなわち、この低空気透過性ゴムを従来のようにカーカス層の内側のインナーライナー層に使用する場合は、カーカス層とインナーライナー層との間に生じる歪みが少ないため、低空気透過性ゴムからなるインナーライナー層とジエン系ゴムからなるカーカス層とを互いに隣接させても実用上問題はない。
【0004】
ところが、カーカス層とそのタイヤ外側に隣接するベルト層、サイドウォール、ビードフィラーなどのタイヤ構成部材との間には大きな歪みを生じて応力が集中するため、上述の低空気透過性ゴムをカーカス層に使用すると、このカーカス層とジエン系ゴムからなるタイヤ構成部材との間の接着力が不十分になり、タイヤの耐久性が著しく低下するという問題を生じるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インナーライナー層を設けない構造にして軽量化を図っても、カーカス層と他のタイヤ構成部材との接着性を改善して耐久性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、複数本のカーカスコードをコートゴムで被覆したカーカス層を左右一対のビード部間に装架し、該カーカス層の外側にジエン系ゴムを主成分として含むタイヤ構成部材を貼り付けた空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の内面をタイヤ内側空間に直接露出させた構成にすると共に、該カーカス層のコートゴムを少なくともタイヤ内側部分に配置される内層と、該内層と前記タイヤ構成部材との間に配置される外層とから構成し、前記内層として、エポキシ化天然ゴム、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びニトリルゴムからなる群から選択された少なくとも1種の低空気透過性ゴムを配合した低空気透過性ゴム組成物を使用すると共に、前記外層として、前記内層よりも配合量の少ない低空気透過性ゴムとジエン系ゴムを配合した中間ゴム組成物を使用し、前記外層を複数層構造にし、その少なくとも1層のtanδを他の層よりも低くしたことを特徴とするものである。
【0007】
このようにカーカス層を直接タイヤ内側空間に露出させてインナーライナー層のない構造にして軽量化を図ると共に、カーカス層のコートゴムを内層と外層とから構成し、内層として低空気透過性ゴムを配合した低空気透過性ゴム組成物を使用することによって空気圧保持性能を確保するようにし、かつ外層として低空気透過性ゴムの配合量を内層よりも少なくした中間ゴム組成物を使用し、コートゴムの内層とタイヤ構成部材との中間的性質を有する層を設けたことにより、カーカス層と他のタイヤ構成部材との接着性を改善してタイヤ耐久性を向上することができる。
【0008】
また、本発明では、低空気透過性ゴム組成物からなるカーカス層において、少なくともタイヤ内側部分に配置される内層が主として空気漏れ防止性能に寄与することに注目し、この内層よりタイヤ外側部分の外層を接着層として活用することにより、カーカス層を実質的に厚くする必要はないので、インナーライナー層の除去による軽量化効果を維持することができる。
【0009】
本発明において、低空気透過性ゴムとは、エポキシ化天然ゴム、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びニトリルゴムからなる群から選択された少なくとも1種のゴムを意味する。カーカス層のコートゴムの内層には、上記低空気透過性ゴムを全ポリマー100重量部のうち60〜100重量部の割合で配合し、残部に少なくとも1種のジエン系ゴムを0〜40重量部の割合で配合した低空気透過性ゴム組成物を使用することが好ましい。
【0010】
低空気透過性ゴム組成物に配合するジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを使用することができる。上記のように低空気透過性ゴムを配合した低空気透過性ゴム組成物は空気の透過量が少ないので、これをカーカス層のコートゴムの内層に使用することにより、タイヤ内面にインナーライナー層を設ける必要がなくなる。
【0011】
一方、カーカス層のコートゴムの外層には、上記低空気透過性ゴムを全ポリマー100重量部のうち20〜60重量部の割合で配合し、残部に少なくとも1種のジエン系ゴムを40〜80重量部の割合で配合した中間ゴム組成物を使用することが好ましい。上記のように低空気透過性ゴムを配合した中間ゴム組成物は、一般にジエン系ゴムからなるタイヤ構成部材と前記内層との中間的性質を有するため両者との接着性が良好である。従って、カーカス層とタイヤ構成部材との接着性が向上するので、カーカス層に低空気透過性ゴム組成物を使用してもタイヤ耐久性を向上することが可能になる。
【0012】
また、カーカス層のコートゴムの外層は、低空気透過性ゴムを配合しないでジエン系ゴムだけで構成するようにしても、内層と外層とを予め加湿状態で貼り合わせる所謂ホット合わせを行うようにすれば、良好な接着性を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを例示するものである。図1において、左右一対のビード部1,1間にカーカス層5が装架されており、このカーカス層5の両端部がそれぞれ左右一対のビードコア3の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。
【0014】
カーカス層5はタイヤ周方向に対して略90°の角度をなすようにラジアル方向に配向させた複数本のカーカスコード2をコートゴム4で被覆して構成されている(図2参照)。カーカスコード2としては、ナイロン繊維コード、ポリエステル繊維コード、芳香族ポリアミド繊維コードなどの有機繊維コード、又はスチールコードなどの金属コードを使用する。
【0015】
カーカス層5の外側には、サイドウォール6、ビードフィラー7、ベルト層8及びトレッド9などのタイヤ構成部材が貼り付けられており、これらタイヤ構成部材がカーカス層5に対して一体的に加硫接着されている。また、上述のようなタイヤ構成部材は主としてジエン系ゴム組成物から構成されている。
カーカス層5のコートゴム4は、図2に示すように、少なくともタイヤ内側部分に配置される内層4aと、この内層4aとタイヤ構成部材(サイドウォール6)との間に配置される外層4bとから構成されている。内層4aとしては、エポキシ化天然ゴム、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体をハロゲン化したゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びニトリルゴムからなる群から選択された少なくとも1種の低空気透過性ゴムを全ポリマー100重量部のうち60〜100重量部の割合で配合し、残部に少なくとも1種のジエン系ゴムを0〜40重量部の割合で配合した低空気透過性ゴム組成物を使用する。
【0016】
このように内層4aに全ポリマー100重量部のうち低空気透過性ゴムを60重量部以上の割合で配合した低空気透過性ゴム組成物を使用することにより、カーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層を設ける必要はなく、その分だけタイヤを軽量化することが可能になる。また、内層4aの全ポリマーを低空気透過性ゴムから構成するようにしてもよい。
【0017】
一方、外層4bとしては、上記低空気透過性ゴムを全ポリマー100重量部のうち0〜60重量部の割合で配合し、残部に少なくとも1種のジエン系ゴムを40〜100重量部の割合で配合した中間ゴム組成物を使用し、低空気透過性ゴムの配合量を内層4aよりも少なくする。このように外層4bに全ポリマー100重量部のうち低空気透過性ゴムを0〜60重量部、好ましくは20〜60重量部の割合で配合した中間ゴム組成物を使用することにより、内層4aとジエン系ゴムを主体とするサイドウォール6等のカーカス層5に隣接する他のタイヤ構成部材との接着性が向上する。従って、カーカス層5の内層4aに低空気透過性ゴム組成物を使用しても、タイヤの耐久性を確保することができる。
【0018】
この内層4a及び外層4bのゴム組成物に配合するジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムなどがある。また、このゴム組成物には必要に応じてカーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤及び老化防止剤などを添加するとよい。
本発明では、カーカス層5のコートゴム4を内層4aと外層4bとから構成し、内層4aが主として空気漏れ防止性能に寄与し、外層4bが接着層として作用するので、カーカス層5を実質的に厚くする必要はない。乗用車用タイヤの場合、内層4aの厚さは、0.25〜0.65mmにすることが好ましい。このように内層4aの厚さの下限値を0.25mmにすることにより、空気漏れ防止性能を確保することができる。また、カーカス層5の厚さは、1.00〜1.50mmにすることが好ましい。このようにカーカス層5の厚さの上限値を1.50mmにすることにより、インナーライナー層の除去による軽量化効果を維持することができる。
【0019】
また、本発明では、カーカス層5の内層4aと外層4bのゴム組成物を互いに異ならせるので、その配合において低空気透過性ゴムの配合割合を変化させるだけでなく、他の配合物の配合割合を変化させるようにしてもよい。例えば、カーカス層5の外層4bに粘着性(タック力)が優れたゴム組成物を使用することにより、タイヤ成形工程における生産性を向上することが可能になる。
【0020】
また、低空気透過性ゴムの配合割合が少ないゴム組成物は一般に発熱性(tanδ)が小さいが、カーカス層5の外層4bのtanδを低くすることにより、或いはカーカスコード2の間のゴムのtanδを低くすることにより、タイヤの転動抵抗を低減することが可能である。この場合、図3に示すように、2層構造の外層4b,4cを設け、カーカスコード2に隣接する外層4bやカーカスコード2の間の外層4cのtanδをタイヤ内側に位置する内層4aよりも低くすることが好ましい。このように外層を複数層構造にし、その少なくとも1層のtanδを他の層より小さくすることにより、タイヤの転動抵抗を効果的に低減することができる。
【0021】
上述したカーカス層の構造は、タイヤの製造工程において種々の方法によって形成することができる。例えば、カーカスコード2のゴム引き工程において、並列に引き揃えられた複数本のカーカスコード2に対して、その表裏から互いに異なる種類のゴム組成物を押し付けるようにすることができる。また、並列に引き揃えられた複数本のカーカスコード2の両面に低空気透過性ゴムをゴム引きした後に、一方の面に中間ゴム組成物を貼り合わせるようにしてもよい。或いは、成形ドラム上に先ず低空気透過性ゴム組成物からなるシートを巻き付け、次にカーカスコード2を配置し、更に中間ゴム組成物を巻き付けるようにしてもよい。
【0022】
また、カーカス層5を図3に示す積層構造にする場合は、並列に引き揃えられた複数本のカーカスコード2を低tanδのゴム組成物でゴム引きし、その一方の面に低空気透過性ゴム組成物を貼り合わせ、他方の面に中間ゴム組成物を貼り合わせるようにすればよい。いずれの場合も、コートゴム4の低空気透過性ゴム組成物からなる内層4aの厚さを所定の厚さにすることが必要である。
【0023】
図4及び図5は、それぞれ本発明の他の実施形態を示すものである。図4において、カーカス層5の折り返し部の外側には、タイヤ構成部材をとしてリムクッション10が設けられている。このリムクッション10には、カーカス層5の外層4bと同様に低空気透過性ゴムの配合量を内層4aよりも少なくした中間ゴム組成物が使用されている。このリムクッション10とカーカス層5との間に生じる歪みは比較的小さいものの、カーカス層5の両端部をタイヤ内側から外側へ折り返した場合、カーカス層5が内外反転して内層4aがタイヤ外側に配置されることになるので、リムクッション10を中間ゴム組成物から構成し、この部分の接着性を向上することが好ましい。このようなリムクッション10はサイドウォール6と同時に押出成形するようにすればよい。
【0024】
図5において、サイドウォール6の内側全体の層6aには、全ポリマー100重量部のうち低空気透過性ゴムを20〜60重量部の割合で配合した中間ゴム組成物が使用されている。サイドウォール6の層6aに中間ゴム組成物を使用することにより、他の部分と比較して肉厚が薄くなるサイドウォール部における空気漏れを確実に防止できるので、空気圧保持性能をより一層向上することができる。このような層6aはサイドウォール6と同時に押出成形することができる。
【0025】
【実施例】
タイヤサイズを165SR13とし、タイヤ構造及びゴム組成物を下記のように種々異ならせた従来タイヤ1,2及び本発明タイヤ1〜10を製作した。なお、表1において、配合Aはサイドウォール用ゴム組成物であり、配合Bは低空気透過性ゴム組成物であり、配合Cは汎用カーカス用ゴム組成物であり、配合D1 〜D8 は中間ゴム組成物である。
【0026】
従来タイヤ1
図6のようにカーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層11を設けた構造とし、サイドウォール6に配合Aのゴム組成物を使用し、カーカス層5に配合Cのゴム組成物を使用し、インナーライナー層11に配合Bのゴム組成物を使用した。
【0027】
従来タイヤ2
図7のようにカーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層を設けない構造とし、サイドウォール6に配合Aのゴム組成物を使用し、カーカス層5に配合Bのゴム組成物を使用した。
【0028】
本発明タイヤ1〜7
図2のようにカーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層を設けない構造とし、サイドウォール6に配合Aのゴム組成物を使用し、カーカス層5の内層4aに配合Bのゴム組成物を使用し、外層4bに配合D1 〜D7 のゴム組成物を使用した。
【0029】
本発明タイヤ8
図2のようにカーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層を設けない構造とし、サイドウォール6に配合Aのゴム組成物を使用し、カーカス層5の内層4aに配合Bのゴム組成物を使用し、外層4bに配合D2 のゴム組成物を使用し、かつ図4のようにリムクッション10に配合D8 のゴム組成物を使用した。
【0030】
本発明タイヤ9
図2のようにカーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層を設けない構造とし、サイドウォール6に配合Aのゴム組成物を使用し、カーカス層5の内層4aに配合Bのゴム組成物を使用し、外層4bに配合D2 のゴム組成物を使用し、かつ図5のようにサイドウォール6のカーカス層5と接する部位の層6aに配合D8 を使用した。
本発明タイヤ10
図3のようにカーカス層5のタイヤ内側にインナーライナー層を設けない構造とし、サイドウォール6に配合Aのゴム組成物を使用し、カーカス層5の内層4aに配合Bのゴム組成物を使用し、かつ2層構造の外層4b,4cを設け、外層4bに配合D8 のゴム組成物を使用し、外層4cに配合D3 を使用した。なお、tanδ(60℃)は、外層4cが0.08であり、内層4aと外層4bが0.21である。
【0031】
【表1】
【0032】
これら試験タイヤについて、下記の試験方法により耐久性、タック(粘着)力、転動抵抗及び重量を測定し、その結果を表2に示した。
耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ13×4・1/2 −Jのリムに装着した後、空気圧140kPa、室温38℃、荷重5.5kNの条件にて直径1707mmのドラム上を速度80km/hで最大走行距離1万kmまで走行させ、タイヤが故障するまでの距離を測定した。測定結果は、完走した場合を100とし、故障が発生したときの距離を1万kmで除した指数で示した。この指数値が大きいほど、耐久性が優れている。
【0033】
タック力:
各試験タイヤについて、未加硫のサイドウォール用ゴム組成物と未加硫の中間ゴム組成物をそれぞれオープンロールで混練後、厚さ約2mmのシートに成形し、成形直後にゴムシートの両面にポリエステルフィルムを気泡が入らないように注意しながら貼り付け、シート成形後2時間以上経過した中間ゴム組成物のシートを圧着用短冊とし、サイドウォール用ゴム組成物のシートを被圧着用短冊として切り出し、表面のポリエステルフィルムを剥がしてから6時間経過した後に両シート間のタック力を測定した。
【0034】
測定結果は、従来タイヤ1を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど、タック力が大きい。なお、測定機械には、東洋精機製作所製PICMAII型タックテスターを使用し、測定条件は下記のようにした。
試料寸法: 幅12mm×長さ200mm
圧着速度: 500mm/min
圧着時間: 0.5sec.
圧着荷重: 4.90N
剥離速度: 1250mm/min
試験温度: 20℃
試験湿度: 65%
【0035】
転動抵抗:
従来タイヤ1,2及び本発明タイヤについて、各試験タイヤをリムサイズ13×4・1/2 −Jのリムに装着した後、空気圧200kPa、室温25℃、荷重2.94kNの条件にて直径1707mmのドラム上を1時間予備走行させた後、速度80km/hで転動抵抗を測定した。測定結果は、従来タイヤ1を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど、転動抵抗が大きい。
【0036】
重量:
各試験タイヤを測定し、従来タイヤ1を100とする指数で示した。この指数値が小さいほど、重量が少ない。
【0037】
【表2】
【0038】
この表2から明らかなように、本発明タイヤ1〜10は、いずれも従来タイヤに比べて軽量化されていると共に、転動抵抗、タック力及び耐久性が実用レベルに達していた。これに対して、従来タイヤ2は、従来タイヤ1に比べて軽量化されていたものの、耐久性が著しく低いので実用的ではなかった。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、カーカス層の外側にジエン系ゴムを主成分として含むタイヤ構成部材を貼り付けた空気入りタイヤにおいて、カーカス層の内面をタイヤ内側空間に直接露出させた構成にすると共に、カーカス層のコートゴムを内層と外層とから構成し、内層として低空気透過性ゴム組成物を使用すると共に、外層として低空気透過性ゴムの配合量を内層よりも少なくした中間ゴム組成物を使用したから、インナーライナー層を設けない構造にして軽量化を図っても、カーカス層と他のタイヤ構成部材との接着性を改善して耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤを例示するタイヤ子午線半断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤのカーカス層を例示する部分拡大断面図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤのカーカス層の他の実施形態を示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの更に他の実施形態を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図6】従来の空気入りタイヤのカーカス層(インナーライナー層あり)を示す部分拡大断面図である。
【図7】従来の空気入りタイヤのカーカス層(インナーライナー層なし)を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 カーカスコード
4 コートゴム
4a 内層
4b 外層
5 カーカス層
6 サイドウォール(タイヤ構成部材)
Claims (5)
- 複数本のカーカスコードをコートゴムで被覆したカーカス層を左右一対のビード部間に装架し、該カーカス層の外側にジエン系ゴムを主成分として含むタイヤ構成部材を貼り付けた空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の内面をタイヤ内側空間に直接露出させた構成にすると共に、該カーカス層のコートゴムを少なくともタイヤ内側部分に配置される内層と、該内層と前記タイヤ構成部材との間に配置される外層とから構成し、前記内層として、エポキシ化天然ゴム、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びニトリルゴムからなる群から選択された少なくとも1種の低空気透過性ゴムを配合した低空気透過性ゴム組成物を使用すると共に、前記外層として、前記内層よりも配合量の少ない低空気透過性ゴムとジエン系ゴムを配合した中間ゴム組成物を使用し、前記外層を複数層構造にし、その少なくとも1層のtanδを他の層よりも低くした空気入りタイヤ。
- 前記低空気透過性ゴム組成物は、全ポリマー100重量部のうち前記低空気透過性ゴムを60〜100重量部の割合で配合したものである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記中間ゴム組成物は、全ポリマー100重量部のうち前記低空気透過性ゴムを20〜60重量部の割合で配合したものである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカス層に隣接する他のタイヤ構成部材のタイヤ内面側の少なくとも一部に、前記中間ゴム組成物を使用した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記内層の厚さを0.25〜0.65mmとした請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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