JP3661288B2 - ハイブリッド型車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド型車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃エンジン、電気モータ及び発電機を備えた駆動装置を搭載したハイブリッド型車両が提供されている。
該ハイブリッド型車両においては、内燃エンジンだけを駆動するエンジン駆動モード、電気モータだけを駆動するモータ駆動モード、内燃エンジン及び電気モータを同時に駆動するエンジン・モータ駆動モード、発電機を駆動する発電モード等で前記駆動装置を作動させることができるようになっている(米国特許第3566717号明細書参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のハイブリッド型車両においては、発電が不要なときに発電機のロータが回転させられると、発電機ロスが発生してしまう。そこで、発電が不要なときにロータを停止させることが考えられるが、ロータを停止させようとするとブレーキが必要になり、駆動装置の軸方向寸法がその分大きくなってしまう。
【0004】
また、フロントエンジンフロントホイールドライブ(FF)式のハイブリッド型車両に駆動装置を搭載した場合、ステアリング角度を十分に採ることができず、ハイブリッド型車両の最小回転半径が大きくなってしまう。
そこで、駆動装置の軸方向寸法を小さくするために、前記ブレーキを径方向におけるロータより内側に配設することが考えられるが、発電機のコイル、ブレーキの摩擦板等を冷却するための油路構造が複雑になってしまう。
【0005】
本発明は、前記従来のハイブリッド型車両の問題点を解決して、駆動装置の軸方向寸法を小さくすることができ、しかも、油路構造を簡素化することができるハイブリッド型車両を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のハイブリッド型車両においては、内燃エンジンからの回転を伝達する伝達軸と、該伝達軸を回転自在に支持するケーシングと、前記伝達軸に固定されたロータ及び前記ケーシングに固定されたステータを備えた発電機と、前記ロータのリムに支持された外側摩擦板と前記ロータの径方向内方のケーシングに支持された内側摩擦板とを係合させる湿式の多板式ブレーキと、前記内側摩擦板の径方向内方に形成され、油を径方向外方及び軸方向に導くための溝と、該溝に対して、径方向内方から油を供給する油穴とを有する。
【0007】
本発明の他のハイブリッド型車両においては、さらに、前記伝達軸と前記内側摩擦板を支持する前記ケーシングとの間にベアリングが配設される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の概念図である。
図において、11は内燃エンジン(E/G)、12は該内燃エンジン11を駆動することによって発生させられた回転を出力する出力軸、13は該出力軸12を介して入力された回転に対して変速を行うプラネタリギヤユニット、14は該プラネタリギヤユニット13における変速後の回転が出力される出力軸、15は該出力軸14に固定された第1ギヤ、16は伝達軸17を介して前記プラネタリギヤユニット13と連結された発電機(G)である。なお、前記出力軸14はスリーブ形状を有し、前記出力軸12を包囲して配設される。また、前記第1ギヤ15はプラネタリギヤユニット13より内燃エンジン11側に配設される。
【0009】
前記プラネタリギヤユニット13は、サンギヤS、該サンギヤSと噛(し)合するピニオンP、該ピニオンPと噛合するリングギヤR、及び前記ピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCRから成る。
また、前記サンギヤSは前記伝達軸17を介して発電機16と、リングギヤRは出力軸14を介して第1ギヤ15と、キャリヤCRは出力軸12を介して内燃エンジン11とそれぞれ連結される。
【0010】
さらに、前記発電機16は、前記伝達軸17に固定され、回転自在に配設されたロータ21、該ロータ21の周囲に配設されたステータ22、及び該ステータ22に巻装されたコイル23から成る。前記発電機16は、伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生させる。前記コイル23は図示しない電源装置及びバッテリに接続され、該バッテリに電流を供給して蓄電する。
【0011】
また、25は前記内燃エンジン11の軸線と平行な軸線上に配設され、前記バッテリからの電流を受けて回転を発生させる電気モータ(M)、26は該電気モータ25の回転が出力される出力軸、27は該出力軸26に固定された第2ギヤである。前記電気モータ25は、前記出力軸26に固定され、回転自在に配設されたロータ37、該ロータ37の周囲に配設されたステータ38、及び該ステータ38に巻装されたコイル39から成る。前記電気モータ25は、コイル39に供給される電流によってトルクを発生させる。そのために、前記コイル39は前記電源装置及びバッテリに接続され、該バッテリから電流が供給されるようになっている。
【0012】
そして、前記内燃エンジン11と図示しない駆動輪とを同じ方向に回転させるために、カウンタシャフト31が配設され、該カウンタシャフト31に第3ギヤ32が固定される。また、該第3ギヤ32と前記第1ギヤ15とが、第3ギヤ32と第2ギヤ27とがそれぞれ噛合させられ、前記第1ギヤ15及び第2ギヤ27の回転が反転されて第3ギヤ32に伝達されるようになっている。
【0013】
さらに、前記カウンタシャフト31には前記第3ギヤ32より歯数が少ない第4ギヤ33が固定される。
そして、該第4ギヤ33と噛合させて第5ギヤ35が配設され、該第5ギヤ35にディファレンシャル装置36が固定され、該ディファレンシャル装置36によって第5ギヤ35に伝達された回転が分配され、前記駆動輪に伝達される。
【0014】
このように、内燃エンジン11によって発生させられた回転を第3ギヤ32に伝達することができるだけでなく、電気モータ25によって発生させられた回転を第3ギヤ32に伝達することもできるので、内燃エンジン11だけを駆動するエンジン駆動モード、電気モータ25だけを駆動するモータ駆動モード、内燃エンジン11及び電気モータ25を駆動するエンジン・モータ駆動モード、発電機16を駆動する発電モード等で駆動装置を作動させることができる。
【0015】
また、前記発電機16において発生させられる電力を制御することによって、前記伝達軸17の回転数を制御し、内燃エンジン11及び電気モータ25をそれぞれ最大効率点で駆動することができる。さらに、発電機16によって内燃エンジン11を始動させることもできる。
次に、前記構成のハイブリッド型車両の詳細について説明する。
【0016】
図3は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の第1の縦断面図、図4は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の第2の縦断面図である。
図において、12は内燃エンジン11(図2)を駆動することによって発生させられた回転を出力する出力軸であり、該出力軸12にフライホイール51が固定される。そして、前記出力軸12からフライホイール51に伝達された回転は、ダンパ装置52及び伝動軸53を介してプラネタリギヤユニット13に入力される。該プラネタリギヤユニット13は、サンギヤS、該サンギヤSと噛合するピニオンP、該ピニオンPと噛合するリングギヤR、及び前記伝動軸53に固定され、前記ピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCRから成る。
【0017】
そして、前記伝動軸53の前端 (図における右端) はベアリング54によってケーシング55に対し、前記伝動軸53の後端 (図における左端) はベアリング57によって伝達軸17に対し、それぞれ回転自在に支持される。
また、前記伝動軸53の外周には、ベアリング58によって出力軸14が回転自在に支持される。該出力軸14はスリーブ形状を有し、前端がスラストベアリング59を介して前記伝動軸53に形成されたフランジ部60に、後端がスラストベアリング61を介して前記キャリヤCRに当接させられる。
【0018】
さらに、前記出力軸14の後端にはリングギヤフランジ62が固定され、該リングギヤフランジ62に前記リングギヤRが固定される。また、出力軸14の中央部には第1ギヤ15が固定される。
そして、前記伝達軸17の前端には、前記伝動軸53の後端を収容する開口が形成され、該開口内に配設された前記ベアリング57によって前記伝動軸53を回転自在に支持する。また、伝達軸17は、前端の近傍においてベアリング65によってケーシング56に回転自在に支持される。さらに、前記伝達軸17は前記ベアリング65より前方に突出し、突出した部分の外周に前記サンギヤSがスプライン係合させられ、後端の近傍において、ベアリング66によってケーシング67に回転自在に支持される。また、前記伝達軸17は前記ベアリング66より後方に突出し、突出した部分の外周にレゾルバ70が配設される。該レゾルバ70は歯車等を介することなく伝達軸17と連結されるので、バックラッシュによって位置精度が低下するのを防止することができる。また、前記レゾルバ70は伝達軸17における発電機16を挟んで内燃エンジン11と反対側に配設されるので、該レゾルバ70を容易に調整したり着脱したりすることができる。
【0019】
そして、前記伝達軸17の中央部には発電機16が配設される。該発電機16は、前記伝達軸17に固定され、回転自在に配設されたロータ21、該ロータ21の周囲に配設され、ケーシング56に固定されたステータ22、及び該ステータ22に巻装されたコイル23から成る。また、前記発電機16は磁石式発電機によって構成され、ロータ21は永久磁石71のN極とS極とを交互に配設することによって形成される。そして、前記発電機16は伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生させる。また、前記コイル23は図示しない電源装置及びバッテリに接続され、該バッテリに電流を供給して蓄電する。
【0020】
ところで、前記発電機16による発電が不要なときにロータ21が回転すると、第1ギヤ15の回転数がその分低くなるだけでなく、発電機ロスが発生してしまう。そこで、ブレーキBを配設し、該ブレーキBを係合させることによってロータ21を固定し、発電機ロスが発生するのを防止することができる。このようにして、駆動装置の効率を高くすることができる。そのために、前記ブレーキBは、湿式の多板式ブレーキから成り、油圧サーボ73を有する。該油圧サーボ73に油圧を供給してブレーキBを係合させ、油圧サーボ73をドレーンしてブレーキBを解放することができる。
【0021】
また、カウンタシャフト31の前端及び後端にベアリング75、76が配設され、該ベアリング75、76によってカウンタシャフト31はケーシング56に回転自在に支持される。そして、前記カウンタシャフト31の後端の近傍に第3ギヤ32が固定され、該第3ギヤ32と前記第1ギヤ15とが噛合させられる。一方、電気モータ25は、出力軸26に固定され、回転自在に配設されたロータ37、該ロータ37の周囲に配設されたステータ38、及び該ステータ38に巻装されたコイル39から成る。そして、前記出力軸26の前端はベアリング78によってケーシング55に回転自在に支持され、出力軸26の後端はベアリング79によってケーシング67に回転自在に支持される。
【0022】
また、前記電気モータ25は、コイル39に供給される電流によって回転を発生させる。そのために、前記コイル39は図示しない電源装置及びバッテリに接続され、該バッテリから電流が供給されるようになっている。なお、前記出力軸26におけるベアリング78より内燃エンジン11側にはレゾルバ80が配設される。
【0023】
そして、出力軸26の前端の近傍に第2ギヤ27が固定され、該第2ギヤ27と前記第3ギヤ32とが噛合させられる。したがって、前記電気モータ25によって発生させられた回転は、出力軸26、第2ギヤ27、第3ギヤ32を介してカウンタシャフト31に伝達される。
さらに、該カウンタシャフト31の前端の近傍には、カウンタシャフト31と一体的に第4ギヤ33が形成され、該第4ギヤ33にディファレンシャル装置36が固定される。該ディファレンシャル装置36は、前記第5ギヤ35が外周に固定されたディファレンシャルケース81、該ディファレンシャルケース81に固定されたピニオン軸82、該ピニオン軸82に回転自在に支持されたピニオン83、及び該ピニオン83と噛合する左右のサイドギヤ84から成り、前記第5ギヤ35に伝達された回転は、分配されてサイドギヤ84に伝達される。そして、該サイドギヤ84には駆動軸85が固定され、各サイドギヤ84に分配された回転は図示しない駆動輪に更に伝達される。
【0024】
次に、前記発電機16について説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の要部拡大図、図5は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の発電機の側面図、図6は本発明の実施の形態におけるロータの側面図、図7は本発明の実施の形態における内側板の支持部を示す図である。
【0025】
図において、16はロータ21、ステータ22及びコイル23を有する発電機であり、前記ロータ21は、伝達軸17とスプライン係合させられたハブ115、該ハブ115から径方向外方に延びる円板状部116、該円板状部116の外周縁に形成されたリム117、該リム117の外周面に固定された複数の鉄製のプレート118、及び該プレート118の外周面の円周方向における複数箇所に配設された永久磁石71を有する。なお、前記プレート118は、両端に配設された鉄心止め145によってリム117に保持される。また、前記円板状部116の円周方向における4箇所に穴146が形成される。
【0026】
そして、径方向における前記リム117より内方にブレーキBが配設される。該ブレーキBは、外側板109と内側板110、111とを交互に配設することによって形成され、油圧サーボ73に油圧が供給され、外側板109と内側板110、111とが互いに押し付けられると係合させられ、油圧サーボ73がドレーンされ、外側板109と内側板110、111とが互いに押し付けられなくなると解放される。
【0027】
そのために、ケーシング56の後方部を構成するリヤケース121において、前記伝達軸17に対応する部分に支持部としてのスリーブ状のリヤサポート123が形成される。該リヤサポート123は軸方向に延び、該リヤサポート123の前端 (図における右端) の内側には、伝達軸17を支持するベアリング66が、後端 (図における左端) の内側には、オイルシール125が、後端の端面にはレゾルバ70がそれぞれ配設される。
【0028】
また、前記リヤサポート123の外側には、油圧サーボ73のピストン127が進退自在に配設され、該ピストン127の前方 (図における右方) には、前記外側板109及び内側板110、111が配設される。
そして、前記リム117の内周にはスプライン131が、前記外側板109の外周にはスプライン133がそれぞれ形成され、スプライン131とスプライン133とを噛合させることによって外側板109とリム117とを係合させることができる。
【0029】
また、リヤサポート123の前端には径方向に延びる複数の溝136が、前記内側板110、111の内周には突起138、139がそれぞれ形成され、該突起138、139を溝136内に挿入することによって内側板110、111とリヤサポート123とを係合させることができる。
このように、径方向におけるロータ21より内側にブレーキBが配設されるので、駆動装置の軸方向寸法を小さくすることができる。したがって、駆動装置を軽量にすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。また、FF式のハイブリッド型車両に駆動装置を搭載した場合、ステアリング角度を十分に採ることができるので、ハイブリッド型車両の最小回転半径を小さくすることができる。
【0030】
さらに、径方向におけるロータ21より内側にベアリング66が配設されるので、駆動装置の軸方向寸法を一層小さくすることができる。
ところで、前記発電機16を駆動すると、コイル23が発熱し、発電機16の効率が低下してしまう。そこで、ケーシング56の内周面の円周方向における複数箇所に、軸方向に延びる溝151が形成され、該各溝151に冷却チューブ152が配設される。該冷却チューブ152の側壁には、所定箇所に図示しない油穴が形成され、該油穴から噴射させられる油によって前記発電機16を外周側から冷却することができる。
【0031】
また、前記発電機16は、内周側からも冷却されるようになっている。すなわち、前記伝達軸17には、図示しないオイルポンプから供給された油を駆動装置の各部分に供給するためのシャフト油路155が形成され、該シャフト油路155に供給された油は径方向に延びる油穴156を介して伝達軸17の外側に送られ、リヤサポート123とベアリング66との間に形成された油室158に供給される。
【0032】
前記シャフト油路155には、前記リヤサポート123に形成された油路161からも油が供給されるようになっている。
そして、前記ブレーキBが解放されている場合、前記油室158に供給された油は、前記ベアリング66を潤滑するとともに、溝136内を径方向外方に流れ、外側板109と内側板110、111との間の隙(すき)間に送られ、ブレーキBを冷却する。その後、油は、リム117を径方向に貫通する油穴163を介して溶接溝164に供給され、該溶接溝164内を軸方向に流れる。
【0033】
次に、溶接溝164内の油は、ロータ21の両端からロータ21の外に出た後、径方向外方に流れ、コイル23を冷却する。また、前記溶接溝164に供給されない油は、リム117に沿って軸方向に流れた後、リム117の両端から径方向外方に流れ、コイル23を冷却する。
これに対して、前記ブレーキBが係合させられている場合、前記油室158に供給された油は、前記ベアリング66を潤滑した後、溝136内を径方向外方に流れようとするが、外側板109と内側板110、111とが密着させられているので、流れが阻止される。
【0034】
したがって、前記ベアリング66を潤滑した後、油は、溝136内を軸方向に流れ、外側板109及び内側板110、111を迂回し、内側板111と円板状部116との間の空間を通って径方向外方に流れる。その後、油は、前記油穴163を介して溶接溝164に供給され、該溶接溝164内を軸方向に流れる。
次に、溶接溝164内の油は、ロータ21の両端からロータ21の外に出た後、径方向外方に流れ、コイル23を冷却する。また、前記溶接溝164に供給されない油は、リム117に沿って軸方向に流れた後、リム117の両端から径方向外方に流れ、コイル23を冷却する。
【0035】
なお、径方向におけるロータ21より内側に前記ブレーキBが配設されているので、前記ブレーキBが解放されるときに前記油圧サーボ73からドレーンされた油も径方向外方に流れる。したがって、該油によってコイル23を冷却することができる。
このように、前記ブレーキBが解放されている場合には、油を外側板109と内側板110、111との間の隙間に送ってブレーキBを冷却し、その後、コイル23に供給して発電機16を冷却することができる。
【0036】
そして、ブレーキBを係合させる際には、外側板109と内側板110、111との間の隙間に供給された油によって摩擦材を滑らせながら係合を行うことができるので、係合ショックが発生するのを抑制することができるだけでなく、係合が終了するまでの相対回転によって発生させられる熱を除去することもできる。
【0037】
また、ブレーキBの係合が終了したときには、摩擦材を潤滑する必要がなくなるので、ブレーキB自体を油路の切換手段として機能させ、油路の切換えを行うことができる。
さらに、ブレーキBが係合させられている場合には、油を外側板109及び内側板110、111を迂回させ、内側板111と円板状部116との間の空間を通してコイル23に供給し、発電機16を冷却することができる。
【0038】
また、前記ブレーキBの油圧サーボ73からドレーンされた油によって発電機16を冷却することができる。
したがって、前記ブレーキBが解放されている場合、油は溝136内を径方向外方に流れ、ブレーキBが係合させられている場合、油は溝136内を軸方向に流れるようになっているので、ブレーキBが油路の切換手段として機能する。したがって、複雑な油路構造を形成する必要がなくなる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ハイブリッド型車両においては、内燃エンジンからの回転を伝達する伝達軸と、該伝達軸を回転自在に支持するケーシングと、前記伝達軸に固定されたロータ及び前記ケーシングに固定されたステータを備えた発電機と、前記ロータのリムに支持された外側摩擦板と前記ロータの径方向内方のケーシングに支持された内側摩擦板とを係合させる湿式の多板式ブレーキと、前記内側摩擦板の径方向内方に形成され、油を径方向外方及び軸方向に導くための溝と、該溝に対して、径方向内方から油を供給する油穴とを有する。
【0040】
この場合、ロータの径方向内方に湿式の多板式ブレーキが配設されるので、駆動装置の軸方向寸法を小さくすることができる。したがって、駆動装置を軽量にすることができるだけでなく、コストを低くすることができる。また、FF式のハイブリッド型車両に駆動装置を搭載した場合、ステアリング角度を十分に採ることができるので、ハイブリッド型車両の最小回転半径を小さくすることができる。
【0041】
また、前記内側摩擦板の径方向内方に、油を径方向外方及び軸方向に導くための溝が形成されるので、湿式の多板式ブレーキが解放されている場合は、前記溝を径方向外方に流れた油は、外側摩擦板と内側摩擦板との間の隙間に送られ、湿式の多板式ブレーキを冷却し、その後、ロータを介してコイルに送られ、コイルを冷却する。
そして、湿式の多板式ブレーキを係合させる際に、外側摩擦板と内側摩擦板との間の隙間に供給された油によって摩擦材を滑らせながら係合を行うことができるので、係合ショックが発生するのを抑制することができるだけでなく、係合が終了するまでの相対回転によって発生させられる熱を除去することもできる。
【0042】
また、湿式の多板式ブレーキの係合が終了したときに、摩擦材を潤滑する必要がなくなるので、湿式の多板式ブレーキ自体を油路の切換手段として機能させ、油路の切換えを行うことができる。
さらに、湿式の多板式ブレーキが係合させられている場合は、前記溝を軸方向に流れた油は、外側摩擦板及び内側摩擦板を迂回して、径方向外方に流れ、湿式の多板式ブレーキを冷却し、その後、ロータを介してコイルに送られ、コイルを冷却する。
したがって、湿式の多板式ブレーキ及びコイルを冷却するために複雑な油路構造を形成する必要がなくなる。
【0043】
本発明の他のハイブリッド型車両においては、さらに、前記伝達軸と前記内側摩擦板を支持する前記ケーシングとの間にベアリングが配設される。
【0044】
この場合、ロータの径方向内方にベアリングが配設されるので、駆動装置の軸方向寸法を一層小さくすることができる。
また、ベアリングを潤滑した後の油を、内側摩擦板の径方向内方に形成された溝を介して径方向外方及び軸方向に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の要部拡大図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の概念図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の第1の縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の駆動装置の第2の縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の発電機の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるロータの側面図である。
【図7】本発明の実施の形態における内側板の支持部を示す図である。
【符号の説明】
11 内燃エンジン
16 発電機
17 伝達軸
21、37 ロータ
22、38 ステータ
23、39 コイル
25 電気モータ
55、56、67 ケーシング
66 ベアリング
109 外側板
110、111 内側板
117 リム
136 溝
B ブレーキ
Claims (2)
- 内燃エンジンからの回転を伝達する伝達軸と、
該伝達軸を回転自在に支持するケーシングと、
前記伝達軸に固定されたロータ及び前記ケーシングに固定されたステータを備えた発電機と、
前記ロータのリムに支持された外側摩擦板と前記ロータの径方向内方のケーシングに支持された内側摩擦板とを係合させる湿式の多板式のブレーキと、
前記内側摩擦板の径方向内方に形成され、油を径方向外方及び軸方向に導くための溝と、該溝に対して、径方向内方から油を供給する油穴とを有することを特徴とするハイブリッド型車両。 - 前記伝達軸と前記内側摩擦板を支持する前記ケーシングとの間にベアリングが配設される請求項1に記載のハイブリッド型車両。
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JP20589296A JP3661288B2 (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | ハイブリッド型車両 |
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JP20589296A JP3661288B2 (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | ハイブリッド型車両 |
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