JP3661123B2 - 濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品、並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品、並びにその製造方法に関し、大豆特有の青臭さ、えぐみがなく、豊かな風味と滑らかな喉ごしを備えた低コレステロールの乳化物を提供する。
【0002】
【発明の背景】
マヨネーズ、ドレッシングなどの食用乳化物は、通常、卵黄を乳化剤として、食酢、食塩、砂糖、香辛料などの水相とサラダ油などの油相を混合乳化して製造されるが、卵黄に含まれるコレステロールや卵アレルギーが問題になり、また、低脂肪、低カロリー化などの要請が強いため、卵黄に代えて植物性蛋白質を使用したマヨネーズ、ドレッシングの開発が試みられてきた。
【0003】
【従来の技術】
(1)従来技術1(特開昭63−32461号公報)
常法で得られた豆腐、豆腐類又はこれを脱水したものに、食酢及び/又は果汁を添加し、植物性油脂0.5〜10%、好ましくは1〜3%の大豆蛋白粉並びに糖類、調味料、香辛料、安定剤、乳化剤などの少なくとも一種を添加して、これらを均質、乳化した乳化食品が開示されている。
【0004】
(2)従来技術2(特開昭59−146555号公報)
豆乳の乳化安定性は大豆タンパクの等電点付近において最低となることから、大豆から豆乳を生成するにあたり、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウムなどのような1価又は2価の塩類水溶液を用いて抽出し、且つ有機酸にて弱酸性として加熱処理するとともに、上記特定処理で得られた豆乳を水相部として油を乳化した乳化組成物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
卵黄或は全卵を使用せず、植物性蛋白質を用いたノンコレステロール、低脂肪型のマヨネーズ、ドレッシング類は、主に、大豆蛋白質の乳化機能を利用したものである。
上記従来技術1では、植物性蛋白質として豆腐類を使用し、さらにキサンタンガム、グアーガムなどの安定剤、或はレシチンなどの乳化剤を添加している(実施例1〜3参照)。
また、従来技術2では、植物性蛋白質として特定処理を行った豆乳を使用し、さらにレシチンを添加している(実施例1参照)。
【0006】
そこで、上記従来技術で用いた豆腐類又は豆乳の具体例を見ると、従来技術1の実施例1〜3では、常法で得られた絹こし豆腐、木綿豆腐を使用し、従来技術2の実施例1では、食塩熱水溶液で抽出した大豆固形分14%の豆乳を使用しているが、その一方で、豆腐類や豆乳を使用してマヨネーズ様食品を製造すると、卵黄又は全卵を使用した場合に比べて、大豆特有の青臭さ、えぐみ、渋みなどがどうしても混入するため、食感、風味の面で抵抗感があり、市場に供した場合でも、一時的には売れても長続きしないという実情がある。
【0007】
本発明は、豆腐を使用したマヨネーズ様食品において、大豆特有の青臭さ、えぐみを抑制して、豊かな風味、滑らかな食感を具備した乳化物を新規に開発することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、豆腐を使用してマヨネーズ様食品を製造するに際して、前記従来技術1で開示されたような常法で得られた絹こし豆腐や木綿豆腐、つまり、通常濃度の豆乳から調製した豆腐ではなく、例えば、Brix(ブリックス)濃度25程度のきわめて高濃度の豆乳から得られる濃縮豆腐を用いると、固形分濃度が著しく高いにも拘わらず、大豆特有の青臭さやえぐみが抑制されることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明1は、豆腐、食酢、調味料、香辛料、乳化剤及び植物性油脂を混合し、乳化した食用乳化物において、
上記豆腐が、ブリックス度20〜30の高濃度豆乳を凝固剤で凝固した濃縮豆腐であることを特徴とする濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品である。
【0010】
本発明2は、上記本発明1の乳化剤が、増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどであることを特徴とする濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品である。
【0011】
本発明3は、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合して予備乳化し、これにブリックス度20〜30の高濃度豆乳を凝固剤で凝固した濃縮豆腐を混合し、さらに、植物性油脂を混合し、乳化することを特徴とする濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のマヨネーズ様食品は、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合し、或はさらに水を加えて予備乳化し、これにブリックス度20〜30の高濃度豆乳を凝固剤で凝固した濃縮豆腐を混合し、さらに、植物性油脂を加え、乳化して製造されたもので(本発明3参照)、マヨネーズ、サラダドレッシング、フレンチドレッシング、スプレッド、タルタルソースなどの半固体状ドレッシング、或は乳化液状ドレッシングを包含する概念であり、食品衛生法や日本農林規格などに拘束される概念ではない。
【0013】
上記濃縮豆腐は、常法により磨砕大豆を熱水抽出して得られる豆乳を初め、大豆蛋白粉又は豆乳粉末から調製した豆乳類似物を濃縮し、得られた高濃度豆乳を塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム等の2価金属塩、或はグルコノデルタラクトン、乳酸、リンゴ酸、クエン酸等の酸類などの公知の凝固剤で凝固したものをいう。
豆乳の濃縮は、減圧処理又は薄膜処理により豆乳中の水分を除去するなど、公知の方法で行う。例えば、700mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/cm2G、蒸気温度45℃の条件で濃縮し、さらに乳化粒子を均質化するために高圧ホモジナイズ処理を併用するのが好ましい。
上記豆乳類の濃度(ブリックス)は、最終製品としてのマヨネーズ様食品に青臭さ、えぐみなどが混入するのを回避し、風味豊かな乳化物を製造するため、ブリックス度20〜30の高濃度が必要であり、好ましくはブリックス度25〜30である。
また、濃縮豆腐の生地をより滑らかにする見地から、塩化マグネシウムとグルコノデルタラクトンを組み合わせた凝固剤を用いるのが良いが、にがりを使用する場合、豆乳温度を一旦冷却しておくのが好ましい。
【0014】
得られた濃縮豆腐はミキサー、フードカッター、ステファンカッターなどで粒が残る程度に軽く擂潰し、豆腐ペーストにする。但し、後述の乳化工程で撹拌処理するため、この擂潰処理を省略することもできる。
【0015】
マヨネーズの製造においては、卵黄、食酢、調味料、香辛料などを配合し、或はさらに水を加えてよく混合し、これに植物性油脂と酢を交互に入れ、ミキサーで乳化し、さらにコロイドミルで油脂を水相部に微細粒子として分散させて、水中油滴型エマルションを形成するのが一般的である。
本発明のマヨネーズ様食品の乳化工程は、基本的に上記マヨネーズの製造工程中の卵黄を濃縮豆腐又はその擂潰物に代替すれば良く、例えば、酢、調味料、香辛料、乳化剤などの水相部、或はさらに水を加えた水相部を連続ミキサーで混合撹拌し、上記濃縮豆腐を混合し、さらに植物性油脂を3〜4回に分けて混合した後、コロイドミルなどで撹拌し、加熱殺菌してマヨネーズ様食品を得る。
上記植物性油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、ごま油、サフラワー油、菜種油、オリーブ油、米油、紅花油、サラダ油などが挙げられる。
上記食酢としては、リンゴ酢などの果実酢、米酢、アルコール酢、粕酢、黒酢、ワインビネガー、バルサミコなどが挙げられる。
上記調味料としては、砂糖(グラニュー糖、上白糖、黒糖、中双、三温等)、ブドウ糖、果糖、混合液糖、水あめなどの甘味料、食塩、クエン酸などの酸味料、柑橘類の果汁、化学調味料などが挙げられる。
また、いちご、ブルーベリー、アロエ、ピーチ、オレンジ、メロン、アセロラ、キウイフルーツ、グレープフルーツなどの果実類、緑茶、ごま、バター、チーズ、脱脂粉乳、全脂粉乳、練乳、バニラ、或はこれらのフレーバーなどを調味料として添加しても良い。
上記香辛料としては、からし、コショウ、パプリカなどが挙げられる。
上記濃縮豆腐と食酢と植物性油脂などの混合比率は、マヨネーズ様食品の食感、風味、食味、或は乳化物の性状などに応じて適宜調整できるが、上記濃縮豆腐のマヨネーズ様食品に対する含有量は一般に5〜60重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0016】
水相部と油相部の乳化は、ミキサー、コロイドミル、パドルミキサー、ホモジナイザー、アジテーター、その他公知の乳化手段で行うことができる。
この乳化に際して、大豆たんぱく質は卵黄に代替する乳化力があるが、豆乳を凝固した豆腐の乳化力はこれより低下するため、乳化剤を別途添加する必要がある。
上記乳化剤には、本発明2に示すように、増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを使用することができる。
上記増粘性多糖類としては、カラギーナン(イナゲル;伊那食品社製、カラギニン;三栄源エフ・エフ・アイ社製)、キサンタンガム(エコーガム、モナードガム;大日本製薬社製)、タラガントガム(同名;三栄薬品社製)、ジェランガム(ケルコゲル;大日本製薬社製)、ペクチン(ゲニューペクチン;三晶社製)、ローカストビーンガム(同名;三晶社製)、グアーガム(ビストップ;三栄源エフ・エフ・アイ社製)、タマリンドシードガム(グリロイド;大日本製薬社製)、アラビアガム、寒天、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ファーセレラン(ネオソフトFR−1;太陽化学社製)、デンプン、デキストリン類、グルコマンナンなどが挙げられる。
上記オリゴ糖類は概ね単位重合度が2〜10程度の糖類を指し、具体的には、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、トレハロース、デキストロース、ラクチュロース、ゲンチオビオース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げられる。
上記レシチンとしては、大豆レシチン、卵黄レシチンなどが挙げられる。また、レシチンと同じリン脂質に属するケファリンなどを使用することもできる。
上記乳化剤としては、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガントガム、タマリンドシードガム、ペクチン、デンプン、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖などが好ましい。
尚、本発明の乳化剤としては、乳化力に優れる見地から、コレステロールなどの問題は残るが、卵黄、全卵を排除するものではない。
また、上記増粘性多糖類やオリゴ糖類には、製造時における濃縮豆腐からの離水防止機能が期待できる。当該オリゴ糖類には甘味の調整作用があり、前記甘味料の役割を兼備できる。
【0017】
上記乳化剤のマヨネーズ様食品に対する含有量は、乳化物の性状などに応じて適宜調整されるが、一般に0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%である。
また、本発明のマヨネーズ様食品の製造では、乳化工程で得られた乳化物は加熱殺菌し、冷却される。加熱殺菌の条件は65〜85℃、40〜60分程度である。
【0018】
【作用】
一般に、豆乳特有の青臭さ、えぐみ、渋みなどの不快臭は、大豆に含有される生物活性物質であるリポキシゲナーゼが、大豆油に含まれる多価不飽和脂肪酸或はそのエステルに触媒的に作用し、これらの酸化によって発生するn−ヘキサノール、n−ヘキサナール、1−オクテン−3−オール、イソペンタノールなどの揮発性物質が主な原因であるとされる。本発明では、豆乳をBrix濃度15以上に濃縮するため、この濃縮工程によってn−ヘキサノール、n−ヘキサナールなどの揮発性物質を大幅に減少させることができる(後述の試験例参照)。
この結果、高濃度豆乳を凝固剤で凝固した濃縮豆腐には、大豆特有の青臭さ、えぐみなどがほとんどなく、濃縮豆腐を原料とする本発明のマヨネーズ様食品には、大豆特有の臭気を排除して豊かな風味、喉ごしの良い食感を具備させることができる。
【0019】
【発明の効果】
豆乳を濃縮して凝固した濃縮豆腐を原料とするため、青臭さ、えぐみ、渋みなどの不快臭がなく、本発明のマヨネーズ様食品に豊かな風味と滑らかな食感を付与できる。
このため、味覚、食感などの点で抵抗なく食することができるうえ、卵黄、全卵を使用していないことから、卵アレルギー、コレステロール、カロリー性などの点でも問題がなく、消費者ニーズに適合した豆腐活用の乳化物を新たに市場に供給できる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明のマヨネーズ様食品の製造実施例を順次述べるとともに、当該マヨネーズ様食品の試食試験例、並びに豆乳の濃縮処理の前後における青臭さなどの臭気度合の測定試験例を併記する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0021】
下記に示すマヨネーズ様食品の製造実施例1〜4において、実施例1は乳化剤にキサンタンガムを使用した例、実施例2は実施例1の配合組成を変化させ、キサンタンガムの使用量を変えた例、実施例3は乳化剤にショ糖脂肪酸エステルとオリゴ糖を併用した例、実施例4は濃縮豆腐と油脂の割合を変化させ、乳化剤に卵黄を使用した例である。
また、比較例1は濃縮豆腐に替えて、通常濃度の豆乳から得られた絹こし豆腐を原料としてマヨネーズ様食品を製造した例である。
【0022】
《製造実施例1》
常法により大豆を熱水抽出し、ブリックス度12程度の豆乳を調製した後、700mmHg以下の減圧下、蒸気圧力6kg/cm2G、蒸発温度45℃の条件で減圧濃縮処理を行い、100〜150kg/cm2の条件で高圧ホモジナイザーにかけて、ブリックス度25程度の高濃度豆乳を得た。
この高濃度豆乳を一旦22℃程度に冷却し、下記の割合で凝固剤を添加した後、92℃で50分加熱して濃縮豆腐を製造し、冷却し、ステファンカッターを用いて粒が残る程度に軽く擂潰した。
濃縮豆乳 60kg
塩化マグネシウム 110g
グルコノデルタラクトン 110g
水 4.8L
【0023】
次いで、食酢、調味料、乳化剤、香辛料をミキサーに混合し、30秒〜1分かけて撹拌し、上記濃縮豆腐の擂潰物を混合して1分間撹拌し、さらに植物性油脂を約30秒間に3〜4回に分けて混合し、30秒〜1分間ほど均質に撹拌した後、包装容器に充填して65℃、60分間加熱殺菌し、冷却してマヨネーズ様食品を得た。
上記濃縮豆腐、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などの配合組成は下記の通りである。
濃縮豆腐 100g
リンゴ酢 80g
マスタードパウダー 0.5g
化学調味料 2g
ブドウ糖・果糖液糖 48g
食塩 9g
菜種油 180g
キサンタンガム 0.5g
水 80g
合計 500g
上記キサンタンガムは大日本製薬社製のエコーガムSFを使用した。
【0024】
《製造実施例2》
上記実施例1を基本としながら、菜種油180gをごま油30gとコーン油150gに、リンゴ酢80gを73gに、食塩9gを10gに、キサンタンガム0.5gをグアーガム0.5gに、水80gを100gに各々変更し、すり胡麻8.5gを新たに加えたうえで、マスタードパウダーと化学調味料は省略して、マヨネーズ様食品を製造した。
【0025】
《製造実施例3》
上記実施例1を基本としながら、キサンタンガム0.5gをショ糖脂肪酸エステル2gに、ブドウ糖・果糖液糖48gを30gに各々変更し、イソマルトオリゴ糖16.5gを追加混合して、マヨネーズ様食品を製造した。
上記ショ糖脂肪酸エステルは第一工業製薬社製のDKエステルを使用し、イソマルトオリゴ糖は林原社製のパノラップを使用した。
【0026】
《製造実施例4》
濃縮豆腐、食酢、調味料、乳化剤、香辛料、植物性油脂などを下記の組成で配合した。
濃縮豆腐 40g
ワインビネガー 34g
マスタードパウダー 1g
化学調味料 2g
ブドウ糖・果糖液糖 8g
食塩 5g
オリーブ油 240g
卵黄 12g
全脂粉乳 18g
水 40g
合計 400g
濃縮豆腐の製造条件、乳化条件などは前記実施例1に基づいた。
【0027】
《比較例1》
上記実施例1で得られたブリックス度12程度の豆乳をそのまま凝固して通常の絹こし豆腐を得て、実施例1の濃縮豆腐に替えてこの絹こし豆腐を原料として、実施例1と同様の条件でマヨネーズ様食品を製造した。
【0028】
《マヨネーズ様食品の試食試験例》
そこで、上記実施例群から本発明のマヨネーズ様食品の代表例として実施例1を選び出し、これを比較例1と対比したうえで試食試験した。
即ち、実施例1と比較例1の各マヨネーズ様食品を10人のパネラーの試食に供して、風味、食感の官能試験を実施するとともに、総合評価を行った。また、豆腐を使用せず、卵黄を使用した市販のマヨネーズを基準例とした。
上記パネラー10人の内訳は、22〜59歳の男性5人と19〜53歳の女性5人である。
各パネラーは下記の評価基準に従って風味、食感を○〜×で判定し、○は5点、△は3点、×は1点に割り振り、風味、食感の項目ごとに10人全体の平均値を算出した。総合評価は風味と食感の判定値をさらに平均化したものである。
風味の評価基準は次の通りである。
○:不快臭は全く感じられず、風味が豊かであった。
△:青臭さが感じられた。
×:青臭さ、えぐみが強かった。
また、食感の評価基準は次の通りである。
○:マイルドな喉ごしであった。
△:若干のくせがあり、喉ごしの滑らかさが不充分であった。
×:喉ごし不良であった。
【0029】
下表はその試験結果を示す。
Figure 0003661123
上記結果を見ると、実施例1のマヨネーズ様食品は青臭さ、えぐみなどは全く感じられず、風味豊かなうえ、マイルドな喉ごしを具備しており、基準例である市販のマヨネーズより総合評価は高かった。
これに対して、比較例1は青臭さ、えぐみなどが強く感じられ、喉ごしも不良であった。
このように、濃縮豆腐を使用したマヨネーズ様食品は、通常濃度の豆乳から得られた絹こし豆腐を使用したものに比べて、風味、食感などの味覚の点で顕著な優位性があることが明らかになった。
【0030】
前述したように、青臭さ、えぐみ、青大豆臭などの不快臭の主な原因は、n−ヘキサナール、n−ヘキサノール、1−オクテン−3−オールなどの揮発性物質にある。
そこで、実施例1で使用した高濃度豆乳と比較例1の通常濃度の豆乳をガスクロマトグラフィーにかけて、上記揮発性物質の検出度合を確認したところ、下表の結果を得た。
尚、当該ガスクロマトグラフィーにおいては、島津製作所社製のガスクロマトグラフを用いて下記の条件で測定した。
カラム:シリコングリース(100〜120メッシュのセライトに15%含有)、SE−30(ガスクロムPに1%含有)及びエチレングリコールのコハク酸エステルS−X(ガスクロムPに8%含有)
昇温条件:100〜190℃
流速条件:3kg/cm2
また、下表での各物質の検出濃度は、便宜上、実施例1と比較例1でのガスクロマトグラムにおける各検出ピーク面積の相対値として表し、比較例1の検出量を100とした。
Figure 0003661123
上記結果によると、比較例1の通常濃度の豆乳に比べて、実施例1の高濃度豆乳では上記揮発性物質が大幅に減少していることが判る。
このように、濃縮豆腐を用いた本発明のマヨネーズ様食品が通常濃度の豆乳を凝固した豆腐を用いた場合より、風味、食感などの点で勝るという前記官能試験結果は、本試験例によっても強く裏付けられることが判明した。

Claims (3)

  1. 豆腐、食酢、調味料、香辛料及び乳化剤、植物性油脂を混合し、乳化した食用乳化物において、
    上記豆腐が、ブリックス度20〜30の高濃度豆乳を凝固剤で凝固した濃縮豆腐であることを特徴とする濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品。
  2. 請求項1に記載の乳化剤が、増粘性多糖類、オリゴ糖類、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどであることを特徴とする濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品。
  3. 食酢、調味料、香辛料及び乳化剤を混合して予備乳化し、これにブリックス度20〜30の高濃度豆乳を凝固剤で凝固した濃縮豆腐を混合し、さらに、植物性油脂を混合し、乳化することを特徴とする濃縮豆腐を用いたマヨネーズ様食品の製造方法。
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