JP3659445B2 - 顕微鏡用透明加温器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上面に載置される観察対象物、培養容器などを加温するための顕微鏡用透明加温器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、家畜の改良、増殖などの目的で人工授精が行われている。また、不妊症対策などの目的より、人類にも人工授精が行われて来ている。このような人工授精に際して、予め輸送される***の活力や性状を顕微鏡で検査してその適性を確認する必要がある。そして、動物の種類によっても異なるが、一般的に***は、37〜38℃にて至適活性を有するため、検査もこの温度にて行うことが好ましい。
このような目的より、例えば、特開昭62−135803号公報に示すような顕微鏡観察用加温装置を本発明者は提案している。この加温装置は、ヒーターステージと、その加温手段を有している。そして、ヒーターステージは、上下の透明なガラス板の間に透明な導電膜を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、倒立顕微鏡が普及して来ている。倒立顕微鏡では、レンズ部分がステージの下方に設けられているため、ステージの中央が貫通口となっていることが好ましい。このように貫通口があることにより、倒立顕微鏡の倍率レンズの確認が容易となる。このため、顕微鏡透明加温プレートのほぼ中央にも貫通口を設けることが必要となっていた。
しかし、本発明者が検討したところ、プレートの厚さが十分に薄くできれば、このような開口を設ける必要がないことがわかった。しかし、プレートを薄くすると強度面での問題も生じる。
そこで、本発明の目的は、加温プレートを十分に薄くでき、中央に開口部を有しなくても、倒立顕微鏡のステージに固定した場合に倍率レンズの回転に障害となることがなく、かつ、十分な強度を有することができる顕微鏡用透明加温器具を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明硬化薄膜とを有する透明発熱用プレートを備える顕微鏡用透明加温器具である。
そして、前記透明板は、該透明板の他方の面に形成された非発熱用透明導電性薄膜と、該非発熱用透明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明硬化薄膜を有していることが好ましい。そして、前記非発熱用透明導電性薄膜は、前記透明板の他方の面のほぼ全体を被覆するものであることが好ましい。
【0006】
また、上記目的を達成するものは、紫外線透過性透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記紫外線透過性透明板の前記発熱用透明導電性薄膜形成面に形成された発熱用透明導電性薄膜非形成部と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明硬化薄膜とを有する透明発熱用プレートを備える顕微鏡用透明加温器具である。
【0007】
そして、前記紫外線透過性透明板は、該紫外線透過性透明板の他方の面に形成された非発熱用透明導電性薄膜と、該紫外線透過性透明板の前記非発熱用透明導電性薄膜形成面であって、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部に対応する位置に形成され非発熱用透明導電性薄膜非形成部と、該非発熱用透明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄膜を有していることが好ましい。さらに、前記第二の透明薄膜は、前記非発熱用透明導電性薄膜非形成部を実質的に被覆していないものであってもよい。また、前記第二の透明薄膜は、実質的に紫外線透過性を有するとともに、前記非発熱用透明導電性薄膜非形成部を被覆しているものであってもよい。
【0008】
そして、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する前記透明薄膜は、前記電極を被覆していてもよい。また、前記電極が設けられた透明板の周縁部には、全周にわたり発熱用透明導電性薄膜が設けられていない部分を有し、さらに、前記電極も前記透明板の周縁より若干内側に設けられていることが好ましい。さらに、前記透明発熱用プレートの厚さは、1mm以下であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
そこで、本発明の顕微鏡用透明加温器具について、図面を用いて説明する。
本発明の透明加温器具を顕微鏡用透明加温器具に応用した実施例を用いて説明する。顕微鏡用透明加温器具は、言い換えれば、顕微鏡用試料支持板である。
図1は、本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温器具の斜視図であり、図2は、本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温器具の正面図であり、図3は、図2のA−A線断面図である。図4は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図であり、図5は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【0014】
この実施例の顕微鏡用透明加温器具1は、図1および図2に示すように、透明発熱用プレート2と、この透明発熱用プレート2を収納する環状ハウジング3とを備えている。
透明発熱用プレート2は、透明板5と、透明板5の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜8を有している。
そして、顕微鏡用透明加温器具1は、透明発熱用プレート2の裏面に固定された温度センサ14を備えている。
【0015】
この実施例では、透明板5は、円形であり、透明板5の一方の面、言い換えれば、透明板5の裏面の周縁部を除く全面に、図3に示すように、発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。透明板5には、その円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが設けられている。透明板5には、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが存在しない部分が形成されている。また、温度センサ14は、この電極10a,10bが存在しない部分に対応する位置に取り付けられている。
【0016】
透明板5としては、ガラス板、合成樹脂製板であり、透明かつ絶縁性板状物が使用される。合成樹脂板としては、透明性と絶縁性を有するものであれば特に制限はないが、アクリル板、ポリカーボネート板、スチレン板などの透明性の高いものが好ましく、さらに、硬質のものが好適である。なお、透明板5としては、透明性が高いこと、熱伝導率があまり高くないことより、ガラス板が好適である。ガラスとしては、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、硼珪酸塩ガラス、リチウムアルミノシリケートガラスなどのアルカリ含有ガラス、低アルカリ含有ガラス、無アルカリ含有ガラス、石英ガラスなどが用いられる。透明板5としては厚さが、0.8mm以下、特には、0.2〜0.6mmのものを用いることが好ましい。透明発熱用プレート2としては、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすることが好ましい。
透明板5の形状は、上述した円形のものに限られない。なお、円形とは、真円形、楕円形、長方円形などを含むものである。四角形、六角形などの多角形であってもよい。また、電極10a,10bの大きさは、透明板5の全周の4分の1より大きくても、逆に小さくてもよい。
【0017】
発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通電により発熱する性質を有するものが使用される。具体的には、酸化スズ、SiO −インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の内面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などを利用することができる。
【0018】
電極10a,10bとしては、銅、銀などの導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透明板5の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたものにより形成されている。そして、電極10a,10bのそれぞれには導電線12a,12bが、接続されており、これら導電線12a,12bおよび温度センサ14は、使用時には、後述する温度制御器31と電気的に接続される。
【0019】
透明板5は、その周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜7が設けられていない部分を有している。電極10a,10bも透明発熱用プレート2の周縁より離間した内側、言い換えれば、透明板5の周縁部より所定距離内側となる位置に設けられている。このように、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜7が、透明板5の周縁より内側となるように、言い換えれば、透明板5の周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜および電極の両者が存在しない部分が形成されているため、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜7より生じた電磁波が、透明板5の上方に飛ぶことを抑制する。これにより、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜7より、もし電磁波(ノイズ)が発生しても、透明板5の上に載置される観察対象物に影響を与えることを防止する。透明板5の端部と発熱用透明導電性薄膜7および電極10a,10bの端部との距離は、0.5〜10mm程度が好ましい。特に、1〜5mmが好ましい。
【0020】
そして、透明板5の底面には、発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極10a,10bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の底面がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくいとともに、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度を有する。
【0021】
透明薄膜8としては、透明硬化薄膜が用いられている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。 また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成することを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素(SiO)の編み目構造の一部に有機基(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込まれた形のものとなる。
【0022】
透明硬化薄膜8は、上記のような材料を用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さらには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズマ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
【0023】
透明硬化薄膜としては、具体的には、以下のような方法により形成することができる。例えば、透明導電性薄膜7を形成したガラス板に、SiO、ZrO、もしくはAlを、300°C、アルゴン雰囲気中、真空度=5.0×10−1Pa、印加高周波電力500Wの条件下で、スパッタリングすることにより、SiO、ZrO、もしくはAlからなる透明硬化薄膜を形成することができる。また、テトラエトキシシラン重合体、ポリシルセスキオキサン等のオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物のを所定量エタノールなどの有機溶媒に溶解した溶液を、透明導電性薄膜7を形成したガラス板に、スプレー法、ロール法、スピンナー法などにより、厚さ約0.1〜10μm程度に塗布し、約50°Cで10分間乾燥させた後、約350〜450°Cで所定時間焼成することにより、多少の有機基を含むものの、実質的にSiOの架橋硬化膜を形成することができる。
【0024】
透明硬化薄膜は、上記のような実質的に無機材料からなるものが好ましいが、透明樹脂により形成してもよい。透明硬化性樹脂としては、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、アミノ樹脂、硬化型アクリル樹脂、イソシアネート硬化型アクリル樹脂、熱硬化性スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが使用できる。
【0025】
ハウジング3は、図1、図2および図3に示すように、中央に設けられた開口21と、この開口21を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置部22と、電極10a,10bおよび温度センサ14と接続された接続線を通すための開口部18を有している。
温度センサ14は、透明発熱用プレート2の底面に接触するように設けられている。なお、センサ14は、透明発熱用プレート2内に設けてもよい。さらには、温度センサ14は、透明発熱用プレート2の表面に設けてもよい。温度センサ14としては、温度検知可能なものであれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが好適である。
【0026】
電極10a,10bに接続された導電線12a,12bおよび温度センサ14に接続された信号線は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3の小口18より外部に延びている。そして、このコード16の端部には、コネクタ25が取り付けられている。このコネクタ25は、後述する温度制御器との接続端子を形成している。
【0027】
そして、この実施例の顕微鏡用透明加温器具は、上記のようにハウジング3が、導電線12a,12bをハウジング3の外部に導出するための開口部18を有し、開口部18より導出される導電線12a,12bを任意の形状に保持できる形状付け用部材20を有している。具体的には、開口部18内に一端が設けられ外方に延びるチューブ19を備え、このチューブ19内に導電線12a,12bを含むコード16が貫通している。そして、このチューブ19内には、一端がハウジング3の開口部18内に固定もしくは離脱防止用の係止部20aを備え、コード16と平行に延びる金属線20(例えば、針金)が収納されている。金属線20としては、手で曲げることができる程度の易塑性変形性を有するものが用いられている。金属線は、一本でも複数本設けてもよい。一本の場合には、例えば、線径が、2〜7mm程度の針金が好適であり、複数本設ける場合には、1〜5mm程度の針金が好適に使用される。なお、形状付け用部材は、金属線に限られるものではなく、上記チューブ19内に収納可能な程度の幅の金属板を用いてもよい。さらに、形状付け用部材は、上述のような形態のものに限定されるものではない。例えば、上記のようなチューブを用いる場合には、チューブの外面もしくはコード16の外面(チューブとコード16の間となる)に塑性変形可能な金属線もしくは金属板を巻き付けたものであってもよい。また、チューブを用いない場合には、コード16の外面に塑性変形可能な金属線もしくは金属板を巻き付けたものであってもよい。金属線もしくは金属板の形成材料としては、ステンレス、銅などが使用される。
【0028】
そして、この顕微鏡用透明加温器具1は、顕微鏡ステージに組み込まれて使用される。顕微鏡用透明加温器具1と温度制御器31により、温度制御装置が構成されている。図11は、本発明の透明加温装置に使用される温度制御器のブロック図である。温度制御器31は、図11に示すように、透明加温器具(顕微鏡用試料支持板)1のコネクター25と接続可能なコネクター32と、透明加温器具1の温度センサ14により検知されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバーター33と、このコンバーター33からの信号が入力される温度制御部35と、温度制御部35より出力される透明発熱用プレート2の実測温度を表示する測定温度表示部36と、設定温度を入力する設定温度入力部37と、設定温度入力部より入力された設定温度を表示する設定温度表示部39とを有している。そして、温度制御部35は、温度制御器31のコネクター32および透明加温器具1のコネクター25を介して、発熱用透明導電性薄膜7と接触する電極10a,10bと電気的に接続されており、発熱用透明導電性薄膜7の温度調整機能を有している。そして、設定温度入力部37は、入力スイッチ37aを、また、測定温度表示部36は、表示窓36aを、設定温度表示部39も表示窓39aを備えている。温度制御部35は、設定温度と測定温度とを比較する比較機能と、この比較機能による比較結果に基づき、発熱用透明導電性薄膜への電力供給状態を調整する温度調整機能(言い換えれば、電力供給調整機能)を有している。温度調整機能(電力供給調整機能)としては、印加電圧を調整する機能、負荷電流を調整する機能、通電のON/OFF状態を調整する機能などのいずれでもよい。
【0029】
温度制御部は、具体的には、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より低い場合には、通電をONし、逆に、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より高い場合には、通電をOFFするように制御する。また、温度制御は、ON/OFF制御でない場合には、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より低い場合には、電圧または電流を高くするように制御し、逆に、検知された測定温度が、設定温度入力部により入力された設定温度より高い場合には、電圧また電流を低くするか、一時的に通電を中止し、測定温度が設定温度と等しい場合には、与えている電圧また電流を維持することにより行われる。
【0030】
次に、図4に示す実施例の顕微鏡用透明加温器具40について説明する。
この実施例の透明加温器具40の基本構成は、図1ないし図3に示した透明加温器具1と同じである。相違は、透明発熱用プレート42の構造である。この透明加温器具40では、透明発熱用プレート42の透明薄膜48は、透明樹脂フィルムにより形成されている。透明樹脂フィルムとしては、膜厚が0.05〜0.2mm程度のものが用いられる。透明樹脂フィルムとしては、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。具体的には、ポリエステルフィルム(具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリカーボネートフィルム、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)、ポリビニリデンフィルム(具体的には、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが使用できる。強度および膜厚の均一性より、樹脂フィルムは、延伸されていることが好ましい。延伸樹脂フィルムとしては、一軸延伸フィルムでも、二軸延伸フィルムでもよいが、強度の点より、二軸延伸フィルムが特に好適である。
【0031】
そして、この透明薄膜48を形成する透明樹脂フィルムは、透明板5の底面に形成された発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆している。この実施例では、透明薄膜48は、電極10a,10bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。
透明薄膜48は、透明板5の底面に、接着剤により固着されている。作図上、図4の接着剤層49が厚いが、透明薄膜48を透明板5の底面に接着できればよく、実際には薄い層となる。接着剤としては、実質的に絶縁性を有するものが用いられる。接着剤しては、ホットメルト系接着剤、RTVシリコン系接着剤、LTVシリコン系接着剤などが使用できる。
この実施例の透明加温器具40におけるその他の構造は、上述した透明加温器具1と同じである。この透明加温器具40に用いられている透明発熱用プレート42としても、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすることが好ましい。
【0032】
次に、図5に示す実施例の顕微鏡用透明加温器具50について説明する。
この実施例の透明加温器具50の基本構成は、図1ないし図3に示した透明加温器具1と同じである。相違は、透明発熱用プレート52の構造である。
この透明発熱用プレート52では、透明板5は、透明板5の他方の面(表面、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない面)に形成された非発熱用透明導電性薄膜9と、非発熱用透明導電性薄膜9と接触するアース線19と、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄膜11が形成されている。
【0033】
非発熱用透明導電性薄膜9は、発熱用透明導電性薄膜7の周縁に対応する部分を越え、透明板5の全面を被覆している。透明板5の全面を被覆している。また、非発熱用透明導電性薄膜9としては、上述した発熱用透明導電性薄膜と同じものであってもい。しかし、非発熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させることを目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜より抵抗値がより低いものであってもよい。
非発熱用透明導電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化スズ、SiO−インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の表面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより行うことができる。
そして、非発熱用透明導電性薄膜9には、アース線19が接続されている。透明板5の表面(上面)に当接し、非発熱用透明導電性薄膜9に到達した電磁波はアース線に流れ消失する。
【0034】
さらに、透明板5には、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する第二の透明薄膜11が形成されている。透明薄膜としては、上述した透明加温器具1において用いた透明硬化薄膜8と同じものが好適に利用できる。具体的には、透明薄膜11としては、透明硬化薄膜が用いられている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、好ましくは、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。
【0035】
また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成することを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素(SiO)の編み目構造の一部に有機基(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込まれた形のものとなる。 透明硬化薄膜11は、上記のような材料を用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さらには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズマ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
【0036】
なお、透明硬化薄膜11と、第二の透明硬化薄膜11は、形成材料が異なっていてもよい。例えば、透明硬化薄膜8を、SiO、ZrO、もしくはAlのいずれかにより形成し、第二の透明硬化薄膜11は、透明硬化薄膜8の形成用いられた以外のもの、さらには、上述のシリコン系ハードコート剤により形成してもよい。第二の透明硬化薄膜11としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
このような透明硬化薄膜11を設けても、透明発熱用プレート52の肉厚はそれほど増加することはない。透明板5は、表裏両面が透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくく、透明発熱用プレート52の強度も高い。この透明加温器具50に用いられている透明発熱用プレート52としても、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすることが好ましい。また、このように、透明板5の表面側にも透明硬化薄膜を設ける場合には、透明板5として、より薄いもの、例えば、上述した透明加温器具1に用いられた透明板5より薄いものを用いることもできる。
【0037】
この実施例の透明加温器具におけるその他の構造は、上述した透明加温器具1と同じである。
次に、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具60について説明する。
図6は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の正面図であり、図7は、図6のB−B線断面図である。図8は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図であり、図9および図10は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【0038】
この実施例の顕微鏡用透明加温器具60は、紫外線透過性透明板65と、透明板65の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、紫外線透過性透明板65の発熱用透明導電性薄膜形成面に形成された発熱用透明導電性薄膜非形成部7aと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜8とを有する透明発熱用プレート62を備えている。
顕微鏡用透明加温器具60は、透明発熱用プレート62と、この透明発熱用プレートを収納する環状ハウジング3と、透明発熱用プレート62の裏面に固定された温度センサ14を備えている。
【0039】
この実施例では、紫外線透過性透明板65は、円形であり、紫外線透過性透明板65の一方の面、言い換えれば、透明板65の裏面の周縁部と中央部を除く全面に発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。紫外線透過性透明板65には、その円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが設けられている。紫外線透過性透明板65には、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが存在しない部分が形成されている。また、温度センサ14は、この電極10a,10bが存在しない部分に対応する位置に取り付けられている。
【0040】
紫外線透過性透明板65としては、紫外線透過性を有するガラス板、合成樹脂製板であり、透明かつ絶縁性板状物が使用される。具体的には、石英ガラスが好適である。透明板65としては厚さが、08mm以下、特には、0.2〜0.6mmのものを用いることが好ましい。透明発熱用プレート62としては、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすることが好ましい。
透明板65の形状は、上述した円形のものに限られない。なお、円形とは、真円形、楕円形、長方円形などを含むものである。四角形、六角形などの多角形であってもよい。また、電極10a,10bの大きさは、透明板65の全周の4分の1より大きくても、逆に小さくてもよい。
【0041】
発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通電により発熱する性質を有するものが使用される。具体的には、酸化スズ、SiO −インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を紫外線透過性透明板65の内面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより行うことができる。
【0042】
電極10a,10bとしては、銅、銀などの導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透明板65の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたものにより形成されている。そして、電極10a,10bのそれぞれには導電線12a,12bが、接続されており、これら導電線12a,12bおよび温度センサ14は、使用時には、温度制御器と電気的に接続される。
【0043】
紫外線透過性透明板65は、使用時に顕微鏡の倍率レンズが位置する部分、具体的には、この実施例では、透明板65の中央部に発熱用透明導電性薄膜非形成部7aが設けられている。このように、使用時に顕微鏡の倍率レンズが位置する部分となる中央部を、発熱用透明導電性薄膜非形成部7aとすることにより、蛍光顕微鏡を用いても、発熱用透明導電性薄膜が存在しないため、発熱用透明導電性薄膜に起因する紫外線の吸収もしくは散乱がない。発熱用透明導電性薄膜非形成部7aは、例えば、非形成部7aとなる部分をマスキングした状態にて、上述のような発熱用透明導電性薄膜を作製することにより、また、非形成部7a部分を含むように発熱用透明導電性薄膜を形成した後、非形成部7aとなる部分の導電性薄膜を機械的もしくは化学的方法により除去することにより形成することができる。上述したマスキング法によることが好ましい。
【0044】
また、透明板65の周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜7が設けられていない部分も形成されている。電極10a,10bも透明発熱用プレート62の周縁より離間した内側、言い換えれば、紫外線透過性透明板65の周縁部より所定距離内側となる位置に設けられている。このように、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜が、透明板65の周縁より内側となるように、言い換えれば、透明板65の周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜および電極の両者が存在しない部分が形成されているため、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜より生じた電磁波が、紫外線透過性透明板65の上方に飛ぶことを抑制する。これにより、電極10a,10bおよび発熱用透明導電性薄膜より、もし電磁波(ノイズ)が発生しても、紫外線透過性透明板65の上に載置される観察対象物に影響を与えることを防止する。紫外線透過性透明板65の端部と発熱用透明導電性薄膜7および電極10a,10bの端部との距離は、0.5〜10mm程度が好ましい。特に、1〜5mmが好ましい。
【0045】
そして、紫外線透過性透明板65の底面には、発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極10a,10bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない紫外線透過性透明板65の周縁部も被覆している。
透明薄膜8としては、上述した透明加温器具1において用いたものが好適に使用できる。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、好ましくは、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。
【0046】
また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成することを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素(SiO)の編み目構造の一部に有機基(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込まれた形のものとなる。紫外線透過性透明板65の底面がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくいとともに、透明発熱用プレート62が、例えば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度を有する。
【0047】
透明硬化薄膜8は、上記のような材料を用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さらには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズマ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
この実施例では、透明硬化薄膜8は、透明板65の発熱用透明導電性薄膜非形成部7a部分を被覆しないものとなっている。このようにすることにより、透明硬化薄膜8に起因する紫外線の吸収、散乱を防止できる。
しかし、透明硬化薄膜8として、紫外線透過性の高いもの、言い換えれば、紫外線透過性透明硬化薄膜を用いる場合には、図8に示すように、透明硬化薄膜8が、透明板65の発熱用透明導電性薄膜非形成部7a部分も被覆するものとしてもよい。このようにすることにより、透明加温プレートの中央部での物性の低下がなくなる。紫外線透過性透明硬化薄膜は、例えば、酸化珪素(SiO)のみにより薄膜を形成することにより作製できる。
【0048】
ハウジング3は、図1、図2および図3に示すように、中央に設けられた開口21と、この開口21を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置部22と、電極10a,10bおよび温度センサ14と接続された接続線を通すための開口部18を有している。
温度センサ14は、透明発熱用プレート62の底面に接触するように設けられている。なお、センサ14は、透明発熱用プレート62内に設けてもよい。さらには、温度センサ14は、透明発熱用プレートの表面に設けてもよい。温度センサ14としては、温度検知可能なものであれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが好適である。
電極10a,10bに接続された導電線12a,12bおよび温度センサ14に接続された信号線は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3の小口18より外部に延びている。そして、このコード16の端部には、コネクタ25が取り付けられている。このコネクタ25は、後述する温度制御器との接続端子を形成している。
【0049】
そして、この実施例の顕微鏡用透明加温器具は、上記のようにハウジング3が、導電線12a,12bをハウジング3の外部に導出するための開口部18を有し、開口部18より導出される導電線12a,12bを任意の形状に保持できる形状付け用部材20を有している。具体的には、開口部18内に一端が設けられ外方に延びるチューブ19を備え、このチューブ19内に導電線12a,12bを含むコードが貫通している。そして、このチューブ19内には、一端がハウジング3の開口部18内に固定もしくは離脱防止用の係止部20aを備え、コードと平行に延びる金属線20(例えば、針金)が収納されている。金属線20としては、手で曲げることができる程度の易塑性変形性を有するものが用いられている。
この実施例の透明加温器具におけるその他の構造は、上述した透明加温器具1と同じである。
そして、この顕微鏡用透明加温器具1は、顕微鏡ステージに組み込まれて使用される。顕微鏡用透明加温器具1と上述した温度制御器31により、温度制御装置が構成される。
【0050】
次に、図9に示す実施例の顕微鏡用透明加温器具90について説明する。
この実施例の透明加温器具90の基本構成は、図6および図7に示した透明加温器具60と同じである。相違は、透明発熱用プレート92の構造である。
この透明発熱用プレート92では、紫外線透過性透明板65は、透明板65の他方の面(表面、発熱用透明導電性薄膜が形成されていない面)に形成された非発熱用透明導電性薄膜11と、透明板65の非発熱用透明導電性薄膜形成面であって、発熱用透明導電性薄膜非形成部7aに対応する位置に形成され非発熱用透明導電性薄膜非形成部9aと、非発熱用透明導電性薄膜9と接触するアース線19と、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄膜11を有している。
【0051】
非発熱用透明導電性薄膜9は、紫外線透過性透明板65の中央部を除く全面を被覆している。また、非発熱用透明導電性薄膜としては、上述した発熱用透明導電性薄膜と同じものであってもい。しかし、非発熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させることを目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜より抵抗値がより低いものであってもよい。
非発熱用透明導電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化スズ、SiO −インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を紫外線透過性透明板65の表面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより行うことができる。
【0052】
また、紫外線透過性透明板65は、使用時に顕微鏡の倍率レンズが位置する部分、具体的には、発熱用透明導電性薄膜非形成部7aに対応する位置に、非発熱用透明導電性薄膜非形成部9aが設けられている。このように、使用時に顕微鏡の倍率レンズが位置する部分となる発熱用透明導電性薄膜非形成部7aに対応する位置(中央部)を、導電性薄膜非形成部9aとすることにより、蛍光顕微鏡を用いても、発熱用透明導電性薄膜が存在しないため、発熱用透明導電性薄膜に起因する紫外線の吸収もしくは散乱がない。発熱用透明導電性薄膜非形成部9aは、例えば、非形成部9aとなる部分をマスキングした状態にて、上述のような発熱用透明導電性薄膜を作製することにより、また、非形成部9a部分を含むように発熱用透明導電性薄膜を形成した後、非形成部9aとなる部分の導電性薄膜を機械的もしくは化学的方法により除去することにより形成することができる。上述したマスキング法によることが好ましい。
そして、非発熱用透明導電性薄膜9には、アース線19が接続されている。透明板65の表面(上面)に当接し、非発熱用透明導電性薄膜9に到達した電磁波はアース線に流れ消失する。
【0053】
さらに、紫外線透過性透明板65には、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する第二の透明薄膜11が形成されている。透明薄膜としては、上述した透明加温器具1もしくは透明加温器具60において説明した透明硬化薄膜8と同じものが好適に利用できる。具体的には、透明薄膜11としては、透明硬化薄膜が用いられている。透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、好ましくは、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。
また、シリコン系ハードコート剤と呼ばれるものも使用できる。シリコン系ハードコート剤は、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が加熱によりシラノール基同士が反応して高度な架橋体を形成することを利用するものである。形成される薄膜は、酸化珪素(SiO)の編み目構造の一部に有機基(例えば、アルキル基、具体的には、メチル基、エチル基)が取り込まれた形のものとなる。
【0054】
透明硬化薄膜11は、上記のような材料を用いて、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、さらには、デッピング法、コート法(例えば、スプレー法、ロール法、スピンナー法)により付着させた後硬化させることにより形成される。硬化は、加熱法、プラズマ法、常温放置などにより行われる。透明硬化薄膜8としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
【0055】
なお、透明硬化薄膜11と、第二の透明硬化薄膜11は、形成材料が異なっていてもよい。例えば、透明硬化薄膜8を、SiO、ZrO、もしくはAlのいずれかにより形成し、第二の透明硬化薄膜11は、透明硬化薄膜8の形成用いられた以外のもの、さらには、上述のシリコン系ハードコート剤により形成してもよい。第二の透明硬化薄膜118としては、厚さが0.01〜100μm程度であることが好ましい。
このような透明硬化薄膜11を設けても、透明発熱用プレート52の肉厚はそれほど増加することはない。透明板65は、表裏両面ともに透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくくなるとともに、透明発熱用プレート52の強度がより高いものとなる。この透明加温器具50に用いられている透明発熱用プレート52としても、厚さが、1mm以下、特に、0.2〜0.6mmとすることが好ましい。また、このように、透明板65の表面側にも透明硬化薄膜を設ける場合には、透明板65として、より薄いもの、例えば、上述した透明加温器具1に用いられた透明板65より薄いものを用いることもできる。
【0056】
この実施例では、透明硬化薄膜11は、透明板65の非発熱用透明導電性薄膜非形成部9a部分を被覆しないものとなっている。このようにすることにより、透明硬化薄膜11に起因する紫外線の吸収、散乱を防止できる。
しかし、図10に示すように、透明硬化薄膜8、11として、紫外線透過性の高いもの、言い換えれば、紫外線透過性透明硬化薄膜を用いる場合には、透明硬化薄膜11が、透明板65の発熱用透明導電性薄膜非形成部7a、11a部分も被覆するものとしてもよい。このようにすることにより、透明加温プレートの中央部での物性の低下がなくなる。紫外線透過性透明硬化薄膜は、例えば、酸化珪素(SiO)のみにより薄膜を形成することにより作成できる。
この実施例の透明加温器具におけるその他の構造は、上述した透明加温器具60と同じである。
【0057】
なお、上述した実施例のものは、顕微鏡用透明加温器具であるが、顕微鏡ではなく、肉眼により観察するための観察用透明加温器具とすることもできる。構成はすべて同じである。観察用透明加温器具としては、動物、植物などの細胞、微生物(細菌、酵母、カビ)、樹脂のガラス転移点、軟化点もしくは融点などが考えられる。
【0058】
次に、図12ないし図14の本発明の顕微鏡用透明加温器具について説明する。
図12は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図であり、図13は、図12のC−C線断面図であり、図14は、図12のD−D線断面図である。図15は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
この実施例の顕微鏡用透明加温器具100は、図12および図13に示すように、透明発熱用プレート102と、この透明発熱用プレート102を収納する環状ハウジング3とを備えている。ハウジング3は、透明発熱用プレート102の周縁部を保持している。
【0059】
具体的には、図12ないし図14に示すように、この実施例の透明発熱用プレート102は、透明板5と、この透明板5の一方の面(裏面)に形成された第1の発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的に絶縁性を有する第1の透明薄膜8を有し、さらに、透明板5の他方の面(表面)に形成された第2の発熱用透明導電性薄膜27と、この第2の発熱用透明導電性薄膜27と接触し向かい合う一対の第2の発熱用電極30a,30bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆する実質的に絶縁性を有する第2の透明薄膜28を有している。
【0060】
このため、透明加温プレートの形状が、円形であっても、また、透明加温プレートの中央部が発熱用透明導電性薄膜非形成部となっていても、さらには、貫通口が設けられていても、プレートの形態に影響される事なく、観察に使用される透明加温プレートの中央付近をほぼ均一な温度に加温することができる。
なお、透明発熱用プレート102の形態は、このようなものに限られるものではない。例えば、図15に示すように、透明発熱用プレートは、透明板5と、この透明板5の一方の面に形成された第1の発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、発熱用透明導電性薄膜7を被覆する実質的に絶縁性を有する第1の透明薄膜8を有し、さらに、透明板5の第1の透明薄膜8を被覆する第2の発熱用透明導電性薄膜27と、この第2の発熱用透明導電性薄膜27と接触し向かい合う一対の発熱用電極30a,30bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆する実質的に絶縁性を有する第2の透明薄膜28を有するものであってもよい。
【0061】
この顕微鏡用透明加温器具100の基本構成は、上述した顕微鏡用透明加温器具1と同じであり、相違は、透明板の表面側に第2の発熱用透明導電性薄膜27と、この第2の発熱用透明導電性薄膜27と接触し向かい合う一対の発熱用電極30a,30bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆する実質的に絶縁性を有する第2の透明薄膜28を有している点である。同一部分について、同じ符号を付し、上述の説明を参照する。
そして、顕微鏡用透明加温器具100は、透明発熱用プレート102の裏面に固定された温度センサ14を備えている。
そして、向かい合う一対の第2の発熱用電極30a,30bの中心線は、図12に示すように、向かい合うの透明板用電極10a,10bの中心線とほぼ直交するように設けられている。
【0062】
この実施例では、透明板5は、円形であり、裏面の周縁部を除くほぼ全面に発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。透明板5には、その円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の1より若干短い長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが設けられている。また、透明板5には、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極10a,10bが存在しない部分が形成されている。また、温度センサ14は、この電極が存在しない部分に取り付けられている。また、透明板5の表面にも、表面の周縁部を除くほぼ全面に発熱用透明導電性薄膜7が設けられており、さらに、その円形形状に対応するように、全周のほぼ4分の1より若干短い長さの円弧で向かい合う2つの電極30a,30bが設けられている。透明板5の表面側にも、全周のほぼ4分の1の長さの円弧で向かい合う2つの電極が存在しない部分が形成されている。
【0063】
図12に示すように、透明板5に設けた電極10a,10bと電極30a,30bが実質的に重ならないように両電極は形成されている。これにより、電極10a,10bの中心線は、電極30a,30bの中心線とプレート中央部にてほぼ直交している。ほぼ直交するとは、90°で直交するものに限られず、80〜110°程度で交差するものを含んでいる。
【0064】
透明板の形状は、上述した円形のものに限られない。なお、円形とは、真円形、楕円形、長方円形などを含むものである。四角形、六角形などの多角形であってもよい。また、電極の形状は、設けられた電極10a,10b、30a,30bのすべてが同じ大きさであることが好ましいが、これに限らず、例えば、透明板5の裏面側に設けられる電極10a,10bを全周の4分の1より大きく(具体的には、全周の3分の1)形成し、第2の電極30a,30bを全周の4分の1より小さく(具体的には、全周の6分の1)してもよい。設けられた電極10a,10b、30a,30bにより、透明発熱用プレートの全周が包囲されるものに限られず、例えば、透明板5に設けられる電極10a,10bを全周の5分の1程度とし、第2透明板の電極30a,30bも全周の5分の1程度とし、かつ両電極の中心線がほぼ直交するように形成してもよい。これにより、透明発熱用プレートの周縁部に加温されない部分が形成されるが、透明発熱用プレートの中央部分は良好な加温状態を得ることができる。また、電極10a,10bと電極30a,30bは、相互に通電しないので、端部部分が重なるように配置してもよい。さらに、電極10a,10bと電極30a,30bの形態は、上述した円弧状のものに限られず、例えば、図16に示すように、直線状ものとしてもよい。この場合においても、電極10a,10bと電極30a,30bは、相互に通電しないので、端部部分が重なるように配置してもよく、また、逆に、電極10a,10bと電極30a,30bの端部部分が重ならないように配置してもよく。
【0065】
透明板5は、その周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜7,27が設けられていない部分を有している。電極10a,10b、および電極30a,30bも透明発熱用プレート2の周縁より離間した内側、言い換えれば、透明板5の周縁部より所定距離内側となる位置に設けられている。このように、発熱用透明導電性薄膜7、27、電極10a,10b、30a,30bが、透明板5の周縁より内側となるように、言い換えれば、透明板5の周縁部の全周にわたり発熱用透明導電性薄膜および電極の両者が存在しない部分が形成されているため、電極および発熱用透明導電性薄膜より生じた電磁波が、透明板5の上方に飛ぶことを抑制する。これにより、電極および発熱用透明導電性薄膜より、もし電磁波(ノイズ)が発生しても、透明板5の上に載置される観察対象物に影響を与えることを防止する。透明板5の端部と発熱用透明導電性薄膜7、27および電極10a,10bの端部との距離は、0.5〜10mm程度が好ましい。特に、1〜5mmが好ましい。
【0066】
そして、透明板5は、裏面側に形成された発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8および表面側に形成された発熱用透明導電性薄膜27の全体を被覆する透明薄膜28を有している。透明薄膜8,28は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極10a,10bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の裏面(底面)がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくい。同様に、この実施例では、透明薄膜28は、電極30a,30bの全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜27が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の表面(上面)もこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくい。また、透明薄膜を有することにより、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度を有する。また、透明薄膜としては、上述した透明硬化薄膜が好適である。
【0067】
また、透明板として、紫外線透過性のものを用いて、図6から図10に示し、上述した実施例のように、透明板5の中央部(透明発熱用プレート102の中央部)に発熱用透明導電性薄膜7、27が設けられていない部分(発熱用透明導電性薄膜非形成部)を設けたものとしてもよい。
この場合、発熱用透明導電性薄膜非形成部には、上述したように、透明薄膜(特に、透明硬化薄膜)も設けないものとするか、透明薄膜(特に、透明硬化薄膜)を紫外線透過性材料により形成することが好ましい。
透明板、発熱用透明導電性薄膜、発熱用電極、透明薄膜(透明硬化薄膜)、ハウジング、センサなどとしては、上述したものと同じである。
【0068】
次に、図17および図18の本発明の顕微鏡用透明加温器具について説明する。
図17は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図であり、図18は、図17のE−E線断面図である。
この実施例の顕微鏡用透明加温器具110は、図17および図18に示すように、透明発熱用プレート102と、この透明発熱用プレート112を収納する環状ハウジング3とを備えている。
この顕微鏡用透明加温器具110は、図12ないし図14に示し、上述した顕微鏡用透明加温器具100と同じであり、相違は、透明板が多角形(四角形、特に正方形)となっており、かつ、中央部に円形の貫通口111が設けられている点のみである。また、この実施例の顕微鏡用透明加温器具110においても、基本構成は、上述した顕微鏡用透明加温器具1とも同じである。よって、同一部分は、同じ符号を付し、上述の説明を参照する。
【0069】
この顕微鏡用透明加温器具110の透明発熱用プレート112においても、透明発熱用プレート112は、透明板5と、この透明板5に形成された第1の発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極10a,10bと、第2の発熱用透明導電性薄膜27と、この第2の発熱用透明導電性薄膜27と接触し向かい合う一対の発熱用電極30a,30bと、発熱用透明導電性薄膜27を被覆する実質的に絶縁性を有する第2の透明薄膜28を有している。そして、向かい合う一対の第2の発熱用電極30a,30bの中心線は、図17に示すように、向かい合うの透明板用電極10a,10bの中心線とほぼ直交するように設けられている。
【0070】
図17に示すように、透明板5に設けた電極10a,10bと電極30a,30bが実質的に重ならないように両電極は形成されている。これにより、電極10a,10bの中心線は、電極30a,30bの中心線とプレート中央部にてほぼ直交している。ほぼ直交するとは、90°で直交するものに限られず、80〜110°程度で交差するものを含んでいる。
このため、透明加温プレート112の中央部に貫通口111が形成されていてもこれに影響される事なく、観察に使用される透明加温プレートの中央付近をほぼ均一な温度に加温することができる。
【0071】
透明板5としては、正方形のものが用いられているが、これに限られるものではなく、長方形であってもよい。また、透明板の中央の貫通口の大きさは、5〜30mm程度のものが好適である。そして、貫通口111の内表面では、透明板5に形成された発熱用透明導電性薄膜7の端面および発熱用透明導電性薄膜27は、透明薄膜(透明硬化薄膜)8,28により、被覆されている。さらに、透明板5の貫通口の内側面も透明薄膜により、(図示するものでは、透明薄膜8,28がそれぞれ半分ずつ)被覆されており、透明薄膜(透明硬化薄膜)8,28は、透明板5の貫通口の内周面の中央付近にて接合した状態となっている。発熱用透明導電性薄膜の端面が透明薄膜により被覆されているので、発熱用透明導電性薄膜より生じた電磁波が、透明板5の上方に飛ぶことを抑制する。また、透明加温プレートの中央部の貫通口の周縁部を補強している。
透明板、発熱用透明導電性薄膜、発熱用電極、透明薄膜(透明硬化薄膜)、ハウジング、センサなどとしては、上述したものと同じである。
【0072】
次に、図19および図20に示す本発明の透明加温器具について説明する。
図19は、本発明の高温用透明加温器具の平面図であり、図20は、図19のF−F線断面図である。
この高温用透明加温器具は、耐熱性透明板5と、透明板5の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜7と、発熱用透明導電性薄膜7と接触し向かい合う一対の発熱用電極125,126と、発熱用電極125,126のそれぞれに固着された通電線127,128とを有する透明発熱用プレート122を備える。透明発熱用プレート122は、通電による加温可能領域123と通電による加温不能領域124を有し、一対の発熱用電極125,126のそれぞれは、一端が前記加温可能領域123に位置し、他端125a,126aが加温不能領域124に位置し、通電線127,128は、加温不能領域に位置する部分(125a,126a部分)において電極125,126と固着されている。
【0073】
このため、透明加温器具を通電し、加熱させても、通電線127,128と電極125,126と固着部分は直接発熱せず、伝熱による加温のみであるため、発熱領域に比べて温度が低く、通電線127,128を電極125,126に固着するために用いられた導電性接着剤が溶融することがない。
この透明加温器具120の基本構成は、上述した顕微鏡用透明加温器具1と同じであり、相違は、透明板5として耐熱性のものを用いている点と、透明発熱用プレート122が通電による加温不能領域124を有し、一対の発熱用電極125,126のそれぞれは、通電線127,128と加温不能領域に位置する部分(125a,126a部分)において接続されている点のみである。
この実施例の透明加温器具120では、透明発熱用プレート122は、発熱用透明導電性薄膜形成部123と、発熱用透明導電性薄膜非形成部124を有し、発熱用透明導電性薄膜形成部により加温可能領域が形成され、発熱用透明導電性薄膜非形成部により加温不能領域が形成されている。
【0074】
透明板5の一方の面(下面、裏面)の中央部にのみ発熱用透明導電性薄膜7が設けられている。そして、電極125,126が発熱用透明導電性薄膜7の周縁部に設けられている。また、電極125,126は、透明板5の発熱用透明導電性薄膜非形成部124内に延び、透明板5の周縁部に至る延長部125a,126aを有している。そして、延長部125a,126aの端部付近に、通電線127,128が導電性接着剤により固定されている。
なお、このような形態のものに限られるものではない。例えば、透明発熱用プレートは、透明板の一方の面のほぼ全面に発熱用透明導電性薄膜が設け、かつ、電極125,126がプレートの端部より所定距離中央に寄った位置に設け、さらに、電極の他端部125a,126aがプレートの周縁部付近に位置するようにしたものでもよい。つまり、図19において、電極125,126の形態は同じとし、発熱用透明導電性薄膜を透明板のほぼ全面に設けてもよい。このように全面に設けても、実質的に加温されるのは向かい合う電極125,126間(加温可能領域)であり、加温不能領域に位置する電極の他端部125a,126aの端部は加温されない。
【0075】
耐熱性透明板としては、耐熱性ガラス板、耐熱性透明樹脂板が使用できる。耐熱性ガラス板としては、石英ガラスなどのシリカガラス板、高ケイ酸ガラス板、硼珪酸塩ガラス板などが使用できる。透明板5としては厚さが、0.3〜5mm程度のものが使用される。
透明板5の形状は、図示する四角形のものに限定されるものではなく、円形、(真円形、楕円形、長方円形)、六角形などの多角形であってもよい。
発熱用透明導電性薄膜7は、導電性金属薄膜により形成されており、導電性金属薄膜としては、通電により発熱する性質を有するものが使用される。具体的には、酸化スズ、SiO −インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の内面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などを利用することができる。特に、この透明器具では、80°C以上に加熱可能であることが好ましく、特に、100°C以上、さらには、200°C以上の高温に加熱可能であることが好ましい。このため導電性金属薄膜は上述した透明加温器具1より高抵抗となっている。このような高抵抗(高発熱性)導電性金属薄膜は、抵抗値が高い導電性金属を用いること、もしくは、各種添加剤を加えて薄膜の抵抗値を高くすること、導電性金属薄膜を極めて薄いものとすることなどにより作製できる。
【0076】
電極125,126としては、銅、銀などの導電性の高い金属薄膜を接着したもの、もしくは、透明板5の所定部位に、銅、銀などの導電性の高い金属を、例えば、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより、薄膜状に付着させたものにより形成されている。そして、電極125,126のそれぞれには導電線127,128が、接続されており、これら導電線127,128および温度センサ14は、使用時には、上述した後述する温度制御器31と電気的に接続される。
【0077】
そして、透明板5の底面には、少なくとも発熱用透明導電性薄膜7の全体を被覆する透明薄膜8を有している。透明薄膜8は、実質的に絶縁性を有するものにより形成されている。この実施例では、透明薄膜8は、電極125,126の全体を被包し、さらに、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない透明板5の周縁部も被覆している。透明板5の底面がこのような透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくいとともに、透明発熱用プレート2が、例えば、1mm以下という薄いものであっても、十分な強度を有する。
【0078】
透明薄膜8としては、透明硬化薄膜、特に、耐熱性透明硬化薄膜が用いられている。耐熱性透明硬化薄膜としては、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜、炭化チタン膜などいずれかもしくは複合物を主成分とするものが好適である。特に、酸化ジルコニウム(ZrO)膜、アルミナ(Al)膜、酸化珪素(SiO)膜のそれぞれの単体物より形成されていることが好ましい。
透明硬化薄膜としては、具体的には、以下のような方法により形成することができる。例えば、透明導電性薄膜7を形成したガラス板に、SiO、ZrO、もしくはAlを、300°C、アルゴン雰囲気中、真空度=5.0×10−1Pa、印加高周波電力500Wの条件下で、スパッタリングすることにより、SiO、ZrO、もしくはAlからなる透明硬化薄膜を形成することができる。
【0079】
ハウジング3は、図19および図20に示すように、中央に設けられた開口と、この開口を取り囲むように設けられた透明発熱用プレート載置部と、導電線127,128および温度センサ14と接続された接続線を通すための開口部を有している。
温度センサ14は、透明発熱用プレート122の底面に接触するように設けられている。なお、温度センサ14は、透明発熱用プレートの内部に設けてもよい。さらには、温度センサ14は、透明発熱用プレート2の表面に設けてもよい。温度センサ14としては、温度検知可能なものであれば特に制限はないが、熱電対、サーミスタなどが好適である。
【0080】
電極125,126に接続された導電線127,128および温度センサ14に接続された信号線は束ねられて1本のコード16となって、ハウジング3の小口18より外部に延びている。そして、このコード16の端部には、コネクタ(図示せず)が取り付けられている。このコネクタは、後述する温度制御器との接続端子を形成している。
また、ハウジング3の透明発熱用プレート載置部と透明発熱用プレート122間には、円盤状の断熱材134が設けられており、また、透明発熱用プレートの側面とハウジング3の内面間には、リング状の断熱材135が設けられている。これら断熱材により、透明発熱用プレートの熱のハウジング3への伝達を少なくしている。断熱材としては、グラスウール、炭素繊維、石綿などで形成されたものが使用できる。
【0081】
さらに、ハウジング3としては、ある程度の耐熱性を有するもので形成されている。具体的には、耐熱性樹脂もしくは金属により形成されている。そして、この加温器具では、透明板が発熱することにより、ハウジング3内の空間も加熱され、空間内の空気が膨張し内圧が上昇する。ハウジング3には、この内圧上昇を逃がすための開口137a,137bが形成されている。開口137a,137bは、ハウジング3の側面に設けられており、ハウジング3の内面、透明板5、断熱材134,135により形成される環状空間を外部と連通させている。
【0082】
また、透明発熱用プレート122としては、図21に示すように、透明板5の他方の面(表面、発熱用透明導電性薄膜7が形成されていない面)に形成された非発熱用透明導電性薄膜9と、非発熱用透明導電性薄膜9と接触するアース線19と、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明薄膜11が形成されたものとしてもよい。
非発熱用透明導電性薄膜9は、発熱用透明導電性薄膜7の周縁に対応する部分を越え、透明板5の全面を被覆している。また、非発熱用透明導電性薄膜9としては、上述した発熱用透明導電性薄膜と同じものであってもい。しかし、非発熱用透明導電性薄膜9は、通電により発熱させることを目的とするものでないので、発熱用透明導電性薄膜より抵抗値がより低いものであってもよい。
非発熱用透明導電性薄膜9としては、具体的には、金、銅、酸化スズ、SiO−インジウム合金、酸化インジウム、スズまたはアンチモンをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズなどが好適に使用できる。導電性金属薄膜(ITO膜)を透明板5の表面に形成する方法としては、蒸着法(例えば、真空蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空製膜法、加水分解反応、熱分解反応などの化学蒸着法(CVD法)、デッピング法などにより行うことができる。
【0083】
そして、非発熱用透明導電性薄膜9には、アース線19が接続されている。透明板5の表面(上面)に当接し、非発熱用透明導電性薄膜9に到達した電磁波はアース線に流れ消失する。
さらに、透明板5には、非発熱用透明導電性薄膜9を被覆する第二の透明薄膜11が形成されている。透明薄膜としては、上述した透明加温器具1において用いた透明硬化薄膜8と同じものが好適に利用できる。 このような透明硬化薄膜11を設けることにより、透明板5は、表裏両面が透明硬化薄膜により保護されるため、傷が付きにくく、透明発熱用プレートの強度も高くなる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の顕微鏡用透明加温器具は、透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを有する透明発熱用プレートを備えている。このため、加温プレートを十分に薄くでき、中央に開口部を有しなくても、倒立顕微鏡のステージに固定した場合に倍率レンズの回転に障害となることがなく、かつ、透明薄膜を有するため十分な強度も有する。
【0085】
また、本発明の顕微鏡用透明加温器具は、紫外線透過性透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記紫外線透過性透明板の前記発熱用透明導電性薄膜形成面に形成された発熱用透明導電性薄膜非形成部と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明薄膜とを有する透明発熱用プレートを備えている。このため、加温プレートを十分に薄くでき、中央に開口部を有しなくても、倒立顕微鏡のステージに固定した場合に倍率レンズの回転に障害となることがなく、かつ、透明薄膜を有するため十分な強度も有する。さらに、蛍光顕微鏡に用いても、紫外線の吸収もしくは反射が少ないため、観察を容易かつ確実なものとできる。
【0086】
また、本発明の顕微鏡用透明加温器具は、透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用電極のそれぞれに固着された導電線とを有する透明発熱用プレートと、該透明発熱プレートの周縁部を保持するハウジングとを備える透明加温器具であって、該ハウジングは、前記導電線をハウジングの外部に導出するための開口部を有し、前記透明加温器具は、該開口部より導出される導電線を任意の形状に保持できる形状付け用部材を有している。このため、透明加温器具のコードを顕微鏡の倍率レンズなどにからまないような任意の形状とすることおよびその状態の保持ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温器具の斜視図である。
【図2】 図2は、本発明の一実施例の顕微鏡用透明加温器具の正面図である。
【図3】 図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】 図4は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【図5】 図5は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【図6】 図6は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の正面図である。
【図7】 図7は、図6のB−B線断面図である。
【図8】 図8は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【図9】 図9は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【図10】 図10は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【図11】 図11は、本発明の透明加温装置に使用される温度制御器の一例のブロック図である。
【図12】 図12は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図である。
【図13】 図13は、図12のC−C線断面図である。
【図14】 図14は、図12のD−D線断面図である。
【図15】 図15は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の断面図である。
【図16】 図16は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図である。
【図17】 図17は、本発明の他の実施例の顕微鏡用透明加温器具の平面図である。
【図18】 図18は、図17のE−E線断面図である。
【図19】 図19は、本発明の高温用透明加温器具の平面図である。
【図20】 図20は、図19のF−F線断面図である。
【図21】 図21は、本発明のの実施例の高温用透明加温器具の断面図である。
【符号の説明】
1 顕微鏡用透明加温器具
2 透明発熱用プレート
3 環状ハウジング
5 透明板
7 発熱用透明導電性薄膜
8 透明薄膜
10a,10b 発熱用電極

Claims (17)

  1. 透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明硬化薄膜とを有する透明発熱用プレートを備えることを特徴とする顕微鏡用透明加温器具。
  2. 前記透明板は、該透明板の他方の面に形成された非発熱用透明導電性薄膜と、該非発熱用透明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明硬化薄膜を有している請求項1に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  3. 前記非発熱用透明導電性薄膜は、前記透明板の他方の面のほぼ全体を被覆するものである請求項2に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  4. 紫外線透過性透明板と、透明板の一方の面に形成された発熱用透明導電性薄膜と、該発熱用透明導電性薄膜と接触し向かい合う一対の発熱用電極と、前記紫外線透過性透明板の前記発熱用透明導電性薄膜形成面に形成された発熱用透明導電性薄膜非形成部と、前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する透明硬化薄膜とを有する透明発熱用プレートを備えることを特徴とする顕微鏡用透明加温器具。
  5. 前記透明硬化薄膜は、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部を被覆していない請求項4に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  6. 前記透明硬化薄膜は、紫外線透過性が高いものであるとともに、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部を被覆している請求項4に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  7. 前記紫外線透過性透明板は、該紫外線透過性透明板の他方の面に形成された非発熱用透明導電性薄膜と、該紫外線透過性透明板の前記非発熱用透明導電性薄膜形成面であって、前記発熱用透明導電性薄膜非形成部に対応する位置に形成され非発熱用透明導電性薄膜非形成部と、該非発熱用透明導電性薄膜と接触するアース線と、前記非発熱用透明導電性薄膜を被覆する実質的に絶縁性を有する第二の透明硬化薄膜を有している請求項4に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  8. 前記第二の透明硬化薄膜は、前記非発熱用透明導電性薄膜非形成部を実質的に被覆していない請求項に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  9. 前記第二の透明硬化薄膜は、実質的に紫外線透過性を有するとともに、前記非発熱用透明導電性薄膜非形成部を被覆している請求項に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  10. 前記発熱用透明導電性薄膜を被覆する前記透明硬化薄膜は、前記電極を被覆している請求項1ないしのいずれかに記載の顕微鏡用透明加温器具。
  11. 前記電極が設けられた透明板の周縁部には、全周にわたり発熱用透明導電性薄膜が設けられていない部分を有し、さらに、前記電極も前記透明板の周縁より若干内側に設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載の顕微鏡用透明加温器具。
  12. 前記透明発熱用プレートの厚さは、1mm以下である請求項1ないし11のいずれかに記載の顕微鏡用透明加温器具。
  13. 前記透明発熱用プレートの厚さは、0.2〜0.6mmである請求項1に記載の顕微鏡用透明加温器具。
  14. 前記透明硬化薄膜は、酸化ジルコニウム膜、アルミナ膜、酸化珪素膜、炭化チタン膜の単体物もしくはそれらの複合物を主成分とするものまたはシリコン系ハードコート剤からなるものである請求項1ないし13のいずれかに記載の顕微鏡用透明加温器具。
  15. 前記顕微鏡用透明加温器具は、前記透明発熱用プレートの裏面に設けられた温度センサを備えている請求項1ないし14のいずれかに記載の顕微鏡用透明加温器具。
  16. 請求項15に記載の顕微鏡用透明加温器具と、該顕微鏡用透明加温器具の前記発熱用電極のそれぞれに接続された導電線および前記温度センサと電気的に接続される温度制御器とからなることを特徴とする顕微鏡用温度制御装置。
  17. 前記温度制御器は、設定温度と前記温度センサを用いた測定温度とを比較する比較機能と、この比較機能による比較結果に基づき、発熱用透明導電性薄膜への電力供給状態を調整する温度調整機能を有している請求項16に記載の顕微鏡用温度制御装置。
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