JP3522656B2 - 顕微鏡用加温装置 - Google Patents

顕微鏡用加温装置

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JP3522656B2 JP2000177272A JP2000177272A JP3522656B2 JP 3522656 B2 JP3522656 B2 JP 3522656B2 JP 2000177272 A JP2000177272 A JP 2000177272A JP 2000177272 A JP2000177272 A JP 2000177272A JP 3522656 B2 JP3522656 B2 JP 3522656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顕微鏡のステージに
装着し、透明発熱板に検体を載せて加温する顕微鏡用加
温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動物の人工授精等のように、***や卵子
(検体)を所定温度に保ち、それを顕微鏡で観察しなく
てはならない場合がある。この要求を満たすための装置
として、顕微鏡用加温装置がある。この種の装置の出願
には、特願平6−113540(特許第2835422
号)、実願平7−2714(実用新案登録第30168
94号)等がある。この種の装置は、基本的には発熱用
透明板、この発熱用透明板の表面に蒸着法等によって形
成された透明導電膜、この透明導電膜に通電するための
電極、さらに発熱用透明板に所定距離離間して積層され
る保護用透明板、この発熱用透明板と保護用透明板との
間に充填されるシリコン等の絶縁性透明材料、発熱用透
明板と保護用透明板との間に配置される温度センサ、発
熱用透明板と保護用透明板の外縁部を保持するハウジン
グからなる。
【0003】そして、この顕微鏡用加温装置を顕微鏡の
ステージに装着し、スライドガラス等に載せた検体を保
護用透明板上に置き、透明導電膜に通電することによっ
て発熱させ、これにより検体を加温する。さらに、温度
センサによって温度を検知し、この検知温度に基いて透
明導電膜への通電を調節して温度調節を行う。なお、こ
の種の装置は、顕微鏡の種類(倒立顕微鏡、正立顕微
鏡、実体顕微鏡)や顕微鏡のステージの構造(形状)に
よって、色々なタイプのものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】正立顕微鏡に搭載され
る加温装置では、光源の焦点距離が極短いため、光源か
ら検体までの距離をなるべく短くしなくてはならず、こ
のため装置を薄く作ることが要求されている。しかしな
がら、従来の顕微鏡用加温装置はハウジングを薄くしよ
うとしても電気コードの径寸法が大きいため、これが装
置の薄型化の妨げとなっていた。即ち、従来の電気コー
ドは芯材を中心として、その回りに電極に通電するため
の一対の動力線、温度センサに接続される一対の信号を
配置し、これを絶縁性の外皮によって被覆して構成され
ている。このため、この電気コードは断面がほぼ円形と
なり、径寸法を小さくするには限界がある。電気コード
の径寸法よりも装置の厚さ寸法を小さくすることはでき
ず、これが装置の薄型化の妨げとなっている。
【0005】本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為
されたものであり、薄型化を実現できる顕微鏡用加温装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1の発明は、透明なベース板の表面に透明導
電膜が形成され、且つ透明導電膜に通電するための一対
の電極を有する発熱用透明板と、前記発熱用透明板に所
定距離離間して積層された保護用透明板と、前記発熱用
透明板と前記保護用透明板の間に充填された絶縁性透明
材料と、前記発熱用透明板の温度を検知するための温度
センサと、前記発熱用透明板と前記保護用透明板の外縁
部を保持するハウジングと、前記一対の電極に電流を供
給するための一対の動力線と、前記温度センサの信号の
通路となる信号線とこの信号線を被覆する絶縁性の被覆
材とからなる一対の信号コードを有する電気コードを備
えた顕微鏡用加温装置において、前記電気コードが、一
方の信号コードに一方の動力線が巻かれ、更に外皮によ
って被覆されたものと、他方の信号コードに他方の動力
線が巻かれ、更に外皮によって被覆されたものとが互い
に結合しており、前記信号コードが水平方向へ並ぶ姿勢
でハウジング内に挿入されていることを特徴とする顕微
鏡用加温装置である。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載した顕
微鏡用加温装置において、動力線が巻かれた一対の信号
コードはそれぞれ外皮によって被覆されており、前記外
皮どうしは8の字形の断面を形成するようにお互いに結
合していることを特徴とする顕微鏡用加温装置である。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
した顕微鏡用加温装置において、細い多数の電導性の線
によって構成される動力線が信号コードの被覆材の外周
部に巻きつけられていることを特徴とする顕微鏡用加温
装置である。
【0009】請求項4の発明は、請求項3に記載した顕
微鏡用加温装置において、電導性の線が銅線であること
を特徴とする顕微鏡用加温装置である。
【0010】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載した顕微鏡用加温装置において、電気コードは
信号コードが水平方向へ並ぶ姿勢でハウジングの側面に
形成された穴から挿入されていることを特徴とする顕微
鏡用加温装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1から図3によって第1の実施
の形態に係る顕微鏡用加温装置40について説明する。
符号39は発熱用透明板を示し、この発熱用透明板39
は四角形の透明ガラス板からなるベース板41、その表
面に形成された透明導電膜42及びこの透明導電膜42
に通電するための電極(図示せず)によって構成されて
いる。発熱用透明板39の表面側には四角形の透明ガラ
ス板からなる保護用透明板43が所定距離離間して積層
されている。そして、発熱用透明板39と保護用透明板
43との間には絶縁性透明材料としてのシリコン45が
充填され、そして発熱用透明板39と保護用透明板43
は、固定用シリコンによってハウジング46に固定さ
れ、その外縁部がハウジング46に保持されている。
【0012】発熱用透明板39は保護用透明板43より
長さ寸法が大きく、積層した状態で発熱用透明板39に
は保護用透明板43に重ならない露出部47が形成され
る。この露出部47にはシリコン45が充填されておら
ず、透明導電膜42が露出している。露出部47上には
温度センサ49が両面テープ51を介して配置されてい
る。両面テープ51は温度センサ49を固定し、且つ透
明導電膜42と電気的に絶縁するためのものである。温
度センサ49の上面には発泡スチロールの小片からなる
断熱部材44が貼り付けられている。また、温度センサ
49はハウジング46によって覆われた位置に備えられ
ている。
【0013】この顕微鏡用加温装置40は、顕微鏡のス
テージに装着し、保護用透明板43上に検体を載せたス
ライドガラス等を置く。そして、動力線及び透明導電膜
42上に設けられた電極を介して透明導電膜42に通電
して発熱させ、保護用透明板43を介して検体を加熱
し、検体を所望の温度に保って観察を行う。顕微鏡用加
温装置40では、温度センサ49によって温度を検知
し、この信号線を介して検知情報をコントローラへ送
り、送られた検知情報に基づいて電極への通電を調節し
て温度コントロールを行う。
【0014】この際、温度センサ49はシリコン45が
充填されていない露出部47上に配置され、しかも断熱
部材44が貼られているので、透明導電膜42の温度を
正確に検知することができる。即ち、温度センサがシリ
コン45を充填した部分に配置されている従来の顕微鏡
用加温装置では、透明導電膜の熱がシリコンに奪われて
しまい温度センサにストレートに伝導されないので、透
明導電膜の温度が所定温度に達しているにも拘わらず温
度センサが所定温度に達していないと検知してしまう。
そこで、第1の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置40
では、温度センサ49を上記のように露出部47に配置
して、シリコンへ熱が伝導しないようにし、しかも断熱
部材44を備えて、熱が逃げにくいようにして透明導電
膜42の温度を正確に検知できるようにした。
【0015】また、この顕微鏡用加温装置40は、温度
センサ49がハウジング46によって覆われた部分に配
置されているので、例えばシャーレ53が温度センサ4
9近傍の熱を奪い、正確な温度検知ができなくなるのを
防止できる。即ち、従来の顕微鏡用加温装置では、温度
センサが保護用透明板に覆われる位置に備えられている
ので、例えばシャーレを保護用透明板に載せ、これがち
ょうど温度センサの上側に位置すると、保護用基板を介
してシャーレに熱が伝導して温度センサが配置された部
分の温度が下がってしまう。透明導電膜は極薄い膜なの
で、蓄積している熱量は極めて小さく、シャーレに熱が
伝導すると短時間でその部分の温度が急激に低下し、こ
の温度が低下した部分の温度検知に基づいて電極に通電
すると透明導電膜の中央部分の温度が設定温度より高く
なるオーバーシュートを生じてしまう。この顕微鏡用加
温装置40はシャーレ53を保護用透明板のどの部分に
載せても、温度センサ49がハウジング46によって覆
われているので、上記のようなことは発生せず、オーバ
ーシュートを確実に防止することができる。
【0016】図4によって第2の実施の形態に係る顕微
鏡用加温装置53について説明する。符号55はプラス
チック製のハウジングを示し、このハウジング55は変
則的な八角形で浅い凹部58を有する箱状をしており、
凹部58の底に丸穴57が形成されている。ハウジング
55には発熱用透明板59、電気的絶縁材料によって構
成される絶縁シート61、熱伝導部材としてのアルミニ
ウム板63、絶縁シート61と同じ構成の絶縁シート6
5、透明ガラスによって構成される保護用透明板67が
この順で収容され、外縁部がハウジング55に保持され
ている。これらはいずれもハウジング55の凹部58に
ほぼぴったり収容されるように変則的な八角形で、ハウ
ジング55の丸穴57に対応して絶縁シート61,65
には丸穴62,66が、アルミニウム板63には丸穴6
4がそれぞれ形成されている。
【0017】発熱用透明板59は透明ガラス板からなる
ベース板69、このベース板69の表面に形成された透
明導電膜71、この透明導電膜71に通電するための一
対の電極73,73によって構成されている。電極7
3,73にはハウジング55に取り付けられた電気コー
ド75に収容される動力線に接続され、図示しない温度
センサの検知情報に基づいて動力線、電極73,73を
介して透明導電膜71に通電される。顕微鏡用加温装置
53を顕微鏡のステージに装着し、保護用透明板67に
検体を載せハウジング55の丸穴57に対応するように
位置させて、検体の観察を行う。
【0018】この顕微鏡用加温装置53では透明導電膜
71が発熱すると、その熱がアルミニウム板63に伝導
して蓄積され、また保護用透明板67全体へ熱が伝えら
れる。従って、保護用透明板67の温度が一定に保たれ
ると共に温度分布が均一になり、確実に所定温度に加温
された検体を観察できる。なお、顕微鏡用加温装置53
では熱伝導部材としてアルミニウム板を用いているが、
本発明はこれに限定されず、熱伝導部材を銅、銀等の
板、熱伝導率の高いプラスチック製の板、熱伝導性のシ
リコン(信越化学工業株式会社製の商品型番KE34−
93またはKE4560)等によって構成してもよい。
【0019】図5に第3の実施の形態に係る顕微鏡用加
温装置77を示す。符号79はプラスチック製のハウジ
ングを示し、浅い円形の凹部80を有するほぼ円板状に
形成されており、凹部80には穴81が形成されてい
る。ハウジング79には、発熱板としての発熱用透明板
83、電気的絶縁性材料によって構成される絶縁性部材
としての絶縁スペーサ85、保護板としてのアルミニウ
ム板87が、この順で収容され固定用シリコンによって
固定され、その外縁部がハウジング79に保持されてい
る。絶縁スペーサ85の中央には、ほぼ正方形の穴86
が、アルミニウム板87の中央には円形の穴88が形成
されている。また、アルミニウム板87の表面はアルマ
イト加工されている。
【0020】発熱用透明板83は、円板状の透明ガラス
板によって構成され中心にほぼ正方形の穴を有するベー
ス板89、このベース板89の表面に形成された透明導
電膜91、この透明導電膜91に通電するための一対の
電極93,93によって構成されている。電極93,9
3にはハウジング79に取り付けられた電気コード95
に収容される動力線に接続され、図示しない温度センサ
の検知情報に基づいて動力線、電極93,93を介して
透明導電膜91に通電される。顕微鏡用加温装置77を
顕微鏡のステージに装着し、検体をステージ上で、且つ
アルミニウム板87の丸穴88内の領域に置いて、検体
の観察を行う。
【0021】この顕微鏡用加温装置77では透明導電膜
91が発熱すると、その熱がアルミニウム板87に伝導
して蓄積され、また保護用透明板77全体へ熱が伝えら
れる。従って、保護用透明板77の温度が一定に保たれ
ると共に温度分布が均一になり、丸穴88内の領域に置
かれた検体を確実に所定温度に加温できる。なお、顕微
鏡用加温装置77では発熱用透明板83を用いている
が、穴88内に検体を配置して観察するので、発熱板は
透明なものでなくてもよい。また、保護板はアルミニウ
ムに限らず、熱伝導性が高い材料であれば、銅、銀等の
金属、その他プラスチックによって構成してもよい。
【0022】図6、図7によって第4の実施の形態に係
る顕微鏡用加温装置95について説明する。符号97は
プラスチック製のハウジングを示し、このハウジング9
7は四角形の枠状に形成されている。このハウジング9
7の穴99の内側へ向かって突出する支持部101が形
成されている。ハウジング97には動力線及び温度セン
サの信号線が収容されている電気コード103が取り付
けられている。
【0023】符号105は発熱用透明板を示し、この発
熱用透明板105は四角形の透明ガラス板からなるベー
ス板107、その表面に形成された透明導電膜109及
びこの透明導電膜109に通電するための一対の電極1
11,111によって構成されている。発熱用透明板1
05の表面には温度センサ106が両面テープ108を
介して貼り付けられ配置されている。発熱用透明板10
5の表面側には四角形の透明ガラス板からなる保護用透
明板113が、四角形の枠状をした紙製のマスク112
を介して所定距離離間して積層されている。そして、発
熱用透明板105と保護用透明板113との間には絶縁
性透明材料としてのシリコン45が充填され、そして発
熱用透明板105と保護用透明板113は、固定用シリ
コンによってハウジング97に固定され、その外縁部が
ハウジング97に保持されている。
【0024】保護用透明板113には丸穴115が形成
され、この丸穴115は温度センサ106に対向する位
置に設けられている。符号117は外気温伝達部材とし
てのアルミニウム円板を示し、このアルミニウム円板1
17は丸穴115に、はまり込む大きさになっている。
図7に示すようにアルミニウム円板117はシリコン1
16によって丸穴115に固定されている。アルミニウ
ム円板117の下面が温度センサ106に接触し、上面
が外気に露出している。
【0025】電極111,111にはハウジング97に
取り付けられた電気コード103に収容される動力線に
接続され、温度センサ106の検知情報に基づいて動力
線、電極111,111を介して透明導電膜109に通
電される。この顕微鏡用加温装置95は、アルミニウム
円板117を介して外気温の変化が温度センサ106へ
伝えられる。従って、温度センサ106は外気温に応じ
た温度を検知することになり、この検知情報に基づいて
透明導電膜109に通電され、外気温に応じた温度調節
ができる。顕微鏡加温装置95では、外気温伝達部材と
してアルミニウム円板を用いているが、本発明はこれに
限定されず、外気温伝達部材を熱伝導性の大きい銅、銀
等の金属、あるいは熱伝導性シリコン等を用いてもよ
い。熱伝導性のシリコンを用いれば、塑性があるので温
度センサ106に容易に密着させることができる。
【0026】図8、図9によって第5の実施の形態に係
る顕微鏡用加温装置119について説明する。符号12
0はプラスチック製のハウジングを示し、このハウジン
グ120は円形の浅い凹部を有するほぼ円板状をしてお
り、中央に大きな丸穴123が形成されている。発熱用
透明板125は円板状のガラス板からなるベース板12
7、このベース板127の表面に形成され透明導電膜1
29及び導電膜129に通電するための一対の電極13
1,131によって構成されている。発熱用透明板12
5の下面には、発泡スチロール製でリング状の断熱部材
133が貼られている。発熱用透明板125には円板状
のガラス板からなる保護用透明板135が所定距離離間
して積層され、発熱用透明板125と保護用透明板13
5との間にはシリコンが充填され、また図示しない温度
センサが配置されている。
【0027】発熱用透明板125と保護用透明板135
はハウジング120の凹部121に収容され、シリコン
によって固定され、その外縁部がハウジング120に保
持されている。図9に示すように断熱部材133は凹部
121の底に接触している。ハウジング120には動力
線及び温度センサの信号線が収容されている電気コード
137が取り付けられている。電極131,131には
電気コード137に収容される動力線に接続され、温度
センサは信号線に接続されており、温度センサの検知情
報に基づいて動力線、電極131,131を介して透明
導電膜129に通電される。
【0028】この顕微鏡用加温装置119は断熱部材1
33が設けられているので、発熱用透明板125からハ
ウジング120へ熱が伝わって熱が奪われてしまうのを
防止でき、迅速な温度上昇ができるようになる。即ち、
発熱用導電膜129は極薄い膜なので、蓄積している熱
量は極めて小さく、発熱用透明板がハウジングに直接接
触していると熱が奪われて温度が上昇しにくくなるが、
断熱部材133を設けることでこれを防止できる。顕微
鏡用加温装置119では、断熱部材を発泡スチロールに
よって構成しているが、ウレタン樹脂等他のプラスチッ
クで構成してもよい。さらに断熱部材をセラミック等で
構成することも可能である。
【0029】図10、図11によって第6の実施の形態
に係る顕微鏡用加温装置139ついて説明する。符号1
41はプラスチック製のハウジングを示し、このハウジ
ング141は正方形のほぼ枠状で内側へ向かって突出す
る支持部143が形成されている。この支持部143の
縁には突状部145が形成されている。
【0030】符号147は発熱用透明板を示し、この発
熱用透明板147は四角形のガラス板からなるベース板
149、このベース板149の表面に形成された透明導
電膜151及び透明導電膜151に通電するための一対
の電極153,153によって構成されている。発熱用
透明板147の裏面には、発泡スチロール製で四角形の
枠状の断熱部材155が貼られている。図11に示すよ
うに発熱用透明板147にはガラス製の保護用透明板1
57が所定距離離間して積層され、発熱用透明板147
と保護用透明板157との間にはシリコン159が充填
され、また図示しない温度センサが配置されている。
【0031】発熱用透明板147と保護用透明板157
はハウジング141に収容され、発熱用透明板147の
裏面が突状部145に支持されシリコンによって固定さ
れて、その外縁部がハウジング141に保持されてい
る。断熱部材155の下面と支持部143の上面との間
には隙間があいており、この隙間が空気層161を構成
している。ハウジング141には動力線及び温度センサ
の信号線が収容されている電気コード163が取り付け
られている。電極153,153には電気コード163
に収容される動力線に接続され、温度センサは信号線に
接続されており、温度センサの検知情報に基づいて動力
線、電極153,153を介して透明導電膜151に通
電される。
【0032】この顕微鏡用加温装置139は断熱部材1
55が設けられているので、顕微鏡用加温装置119と
同様の効果を発揮する。特に、顕微鏡用加温装置139
は断熱部材155とハウジング141の支持部143と
の間に空気層161が形成されているので、高い断熱効
果を得ることができる。顕微鏡用加温装置139では、
断熱部材を発泡スチロールによって構成しているが、ウ
レタン樹脂等他のプラスチックで構成してもよい。さら
に断熱部材をセラミック等で構成することも可能であ
る。
【0033】図12から図14の図面によって請求項1
から請求項5に対応する第7の実施の形態に顕微鏡用加
温装置165について説明する。顕微鏡用加温装置16
5に備えられた電気コード167の構成について説明す
る。符号169,169は一対の信号コードを示し、こ
の信号コード169,169は信号線171が電気的絶
縁性の被覆材173によって被覆されて構成されてい
る。信号コード169,169の被覆材173,173
の外周部には細い多数の銅線によって構成される動力線
175,175巻き付けられている。動力線175,1
75が巻き付けられた信号コード169,169は並列
に配置され、その状態で外皮177によって被覆されて
いる。この外皮177は断面がアラビア数字の「8」を
横にしたような形状になっている。
【0034】図14に示すように電気コード167は、
信号コード169,169が水平方向へ並ぶ姿勢でハウ
ジング179の側面に形成された穴から挿入されてお
り、一対の動力線175,175は発熱用透明板181
の透明導電膜に通電するための一対の電極にそれぞれ接
続され、また一対の信号線171,171は透明導電膜
上に配置された温度センサに接続されている。発熱用透
明板181には保護用透明板183が所定距離離間して
積層され、発熱用透明板181と保護用透明板183と
の間には絶縁性透明材料としてのシリコンが充填されて
いる。
【0035】この顕微鏡用加温装置165は、温度セン
サの検知情報が信号線171,171から図示しないコ
ントローラへ伝達され、この検知情報に基づいて動力線
175,175及び電極から透明導電膜に通電される。
そして、スライドガラス182上の検体184を所定温
度に加温した状態で、正立顕微鏡の対物レンズ185に
よって観察する。この観察の際には光源186から発せ
られる光の焦点が検体184がある位置で結ばれるよう
にする必要がある。この顕微鏡用加温装置165は、電
気コード167が上記した構造となっており上記した姿
勢でハウジング179に取り付けられているので高さ寸
法を小さくすることができる。従って、顕微鏡用加温装
置165は従来の電気コードを使用する場合に比べてか
なり薄型にできる。よって光源186の焦点距離がかな
り短くても、検体184の位置に焦点を結ぶことが可能
となる。
【0036】なお、電気コード167の動力線175,
175を電極に接続する場合は、図13に示すように信
号コード169,169に巻き付けられている動力線1
75,175を外し、撚ってから電極に半田付けする。
【0037】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設
計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1から請求項5の
発明によれば、電気コードの高さ寸法を小さくすること
ができ、顕微鏡用加温装置を従来の電気コードを使用す
る場合に比べてかなり薄型にできる。よって特に正立顕
微鏡の光源の焦点距離がかなり短くても、検体の位置に
焦点を結ぶことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置の平
面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】第2の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置の分
解斜視図である。
【図5】第3の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置の分
解斜視図である。
【図6】第4の実施の形態に係る顕微鏡加温装置の分解
斜視図である。
【図7】第4の実施の形態に係る顕微鏡加温装置の部分
拡大断面図である。
【図8】第5の実施の形態に係る顕微鏡加温装置の分解
斜視図である。
【図9】第5の実施の形態に係る顕微鏡加温装置の断面
図である。
【図10】第6の実施の形態に係る顕微鏡加温装置の分
解斜視図である。
【図11】第6の実施の形態に係る顕微鏡加温装置の断
面図である。
【図12】第7の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置に
搭載される電気コードの内部構造を示す斜視図である。
【図13】第7の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置に
搭載される電気コードの動力線を撚った状態の内部構造
を示す斜視図である。
【図14】第7の実施の形態に係る顕微鏡用加温装置の
使用状態を説明するための正面図である。
【符号の説明】
40…顕微鏡用加温装置 41…ベース板 43…保護用
透明板 42…透明導電膜 45…シリコン 46…ハウジング
47…露出部 49…温度センサ 53…顕微鏡用加温装置 55…ハウジング 59…発熱
用透明板 63…アルミニウム板 67…保護用透明板 69…ベー
ス板 71…透明導電膜 73…電極 77…顕微鏡用加温装置 79…ハウジング 83…発熱
用透明板 87…アルミニウム板 89…ベース板 91…透明導電
膜 93…電極 95…顕微鏡用加温装置 97…ハウジング 105…発
熱用透明板 106…温度センサ 107…ベース板 109…透明導
電膜 111…電極 113…保護用透明板 116…シリコン 117…アルミニウム円板 119…顕微鏡用加温装置 120…ハウジング 125
…発熱用透明板 127…ベース板 129…透明導電膜 133…断熱シ
ート 135…保護用透明板 139…顕微鏡用加温装置 141…ハウジング 147
…発熱用透明板 149…ベース板 151…透明導電膜 153…電極 155…断熱部材 157…保護用透明板 159…シリ
コン 161…空気層 165…顕微鏡用加温装置 167…電気コード 169
…信号コード 171…信号線 173…被覆材 175…動力線 17
7…外皮 179…ハウジング 181…発熱用透明板 183…保
護用透明板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/00 - 21/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なベース板の表面に透明導電膜が形成
    され、且つ透明導電膜に通電するための一対の電極を有
    する発熱用透明板と、前記発熱用透明板に所定距離離間
    して積層された保護用透明板と、前記発熱用透明板と前
    記保護用透明板の間に充填された絶縁性透明材料と、前
    記発熱用透明板の温度を検知するための温度センサと、
    前記発熱用透明板と前記保護用透明板の外縁部を保持す
    るハウジングと、前記一対の電極に電流を供給するため
    の一対の動力線と、前記温度センサの信号の通路となる
    信号線とこの信号線を被覆する絶縁性の被覆材とからな
    る一対の信号コードを有する電気コードを備えた顕微鏡
    用加温装置において、前記電気コードが、一方の信号コ
    ードに一方の動力線が巻かれ、更に外皮によって被覆さ
    れたものと、他方の信号コードに他方の動力線が巻か
    れ、更に外皮によって被覆されたものとが互いに結合し
    ており、前記信号コードが水平方向へ並ぶ姿勢でハウジ
    ング内に挿入されていることを特徴とする顕微鏡用加温
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した顕微鏡用加温装置にお
    いて、動力線が巻かれた一対の信号コードはそれぞれ外
    皮によって被覆されており、前記外皮どうしは8の字形
    の断面を形成するようにお互いに結合していることを特
    徴とする顕微鏡用加温装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載した顕微鏡用加温装
    置において、細い多数の電導性の線によって構成される
    動力線が信号コードの被覆材の外周部に巻きつけられて
    いることを特徴とする顕微鏡用加温装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した顕微鏡用加温装置にお
    いて、電導性の線が銅線であることを特徴とする顕微鏡
    用加温装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載した顕微鏡
    用加温装置において、電気コードは信号コードが水平方
    向へ並ぶ姿勢でハウジングの側面に形成された穴から挿
    入されていることを特徴とする顕微鏡用加温装置。
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