JP3657772B2 - 利得平坦化器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は利得平坦化器にかかり,特に,波長多重通信に用いられる光増幅器の利得特性を平坦化する利得平坦化器に関する。
【0002】
【従来の技術】
異なる波長を持つ多数の光信号を同時に扱い,大容量の光伝送や波長ルーティングを実現しようとする波長多重(以下「WDM(Wave−length Division Multiplexing)」と称する。)光通信においては,増幅波長特性が平坦で広帯域な光増幅器が求められる。この光増幅器で最も有望視されているのが光ファイバ増幅器である。光ファイバ増幅器は,希土類イオン,例えば,エルビウム(Er)を添加した光ファイバを光増幅媒体として使用し,信号光と励起光とを入射し,光励起された希土類イオンに信号光を作用させて,誘導放出を起こし,信号光を増幅するものである。
【0003】
波長多重用の光ファイバ増幅器として,エルビウム添加ファイバ増幅器(以下「EDFA(Erbium−Doped Fiber Amplifier)」と称する。)が多用されているが,希土類イオンの発光スペクトルがエネルギー順位の微細構造を反映して平坦でないために,増幅波長特性は大きくうねり,その平坦化には技術的改良が必要である。
【0004】
そこで,EDFAの利得を平坦化するために,EDFAの利得波長特性と逆特性を持つ光フィルタ(利得透過器)を用いて利得を平坦化する方法が検討されている。光フィルタを用いた利得平坦化器では,利得平坦化器に要求される平坦化特性や製造コスト等の関係から,光フィルタとして3つのガウス分布光フィルタ(Gaussian Filter)を直線状に接続した光フィルタの集合体を用いることが行われており,そのガウス分布光フィルタとして,長周期ファイバグレーティング(以下,「LPG(Long Period Grating)」と称する。)を用いる手法が,特開平9−145941に開示されている。LPGは,光感受性を有する光ファイバ中に紫外線を選択的に照射することにより数10〜数100μmのピッチで屈折率変化を起こさせるものであり,クラッディングモードによる損失を誘起するデバイスである。
【0005】
上記文献に示されたLPGを用いた利得平坦化器400について,図7を参照しながら説明する。利得平坦化器400は,直方体形状のパッケージ20の相対向する側面にそれぞれ光ファイバ21,22が接続されている。パッケージ20内部において,光ファイバ21は後述するLPGの集合体30の一端に接続され,光ファイバ22はLPGの集合体30の他端に接続されている。また,光ファイバ21,22は,パッケージ20の両端において,固定スリーブ12により固定されており,LPGの集合体30は空中に保持された状態で固定されている。
【0006】
LPGの集合体30は,パッケージ20の長手方向と平行に配されており,光波長に対する透過率の異なる3種類のLPGを直線状に接続した構成となっている。3種類のLPGを直線状に接続するのは,光損失等の理由により,LPG自体の形状を変化させることができないからである。
【0007】
利得平坦化器400の外部から光ファイバ21を介してパッケージ20の内部に伝搬された光は,LPGの集合体30により,利得平坦化器400の前または後に接続される不図示の光増幅器による利得特性が平坦化された後,光ファイバ22を介してパッケージ20の外部に伝搬される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上述したように,利得平坦化器には,光波長に対する透過率特性の異なる3種類のガウス分布光フィルタを直線状に接続する構造が一般的に用いられているが,この場合,パッケージ寸法が問題となる。特に,ガウス分布光フィルタとしてLPGを用いた場合には,個々のLPGの長さが数10mm程度必要であり,図7に示した従来の平坦化利得器400のように,3種類のLPGを直線状に接続したパッケージ構造とした場合,最終的なパッケージ寸法Lが大きくなるという問題点があった。
【0009】
パッケージ寸法Lが大きくなると以下の問題が生じる。すなわち,光ファイバ21,22がパッケージ20の両側の固定スリーブ12で固定されることにより,LPGの集合30が保持される構成となっており,LPGの集合体30自体は空中に保持される形となるので,LPGの集合体30の長さが長く,パッケージ寸法Lが大きいほど,外部からの振動による光学特性及び機械的信頼性に対する影響を無視できなくなるという問題点があった。
【0010】
さらに,LPGはFBGに比べ反射波長の温度依存性が大きい。特開平5−503170には,光ファイバに歪みを与え,LPGの形状を調節することにより温度補償を図る方法が開示されている。しかし,LPG製造時に紫外放射を行う必要があるが,この紫外線によるダメージのためLPGを形成した部分の光ファイバがもろくなり,光ファイバに対して十分な歪みを与えることができず,補償温度範囲が狭くなるという問題点があった。
【0011】
本発明は,従来の利得平坦化器が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,最終的なパッケージ寸法を小さくし,振動による光学特性及び機械的信頼性に対する影響を少なくすることが可能な,新規かつ改良された利得平坦化器を提供することである。
【0012】
さらに,本発明の別の目的は,補償温度範囲を広くすることが可能な,新規かつ改良された利得平坦化器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明によれば,光増幅器の利得を平坦化する利得平坦化器であって,利得平坦化器の前段および/または後段に接続された光増幅器の利得波長特性に応じた波長特性を有するn(nは2以上の整数)の光フィルタと,少なくとも2の光フィルタが実質的に並列をなすようにnの光フィルタを収容するパッケージと,並列をなす光フィルタ同士を直列に接続するべく光の進行方向を折り返す光学系とを備えたことを特徴とする利得平坦化器が提供される。なお,光フィルタは,長周期構造のファイバグレーティング(long−period grating)であってもよく,また,光学系の少なくとも1は光反射部材であってもよい。
【0014】
また,光反射部材は,基板上に形成された2の溝からなり,光フィルタと接続される光ファイバを埋設するためのガイド部と,基板上で所定の形状に形成された光導波路と,光導波路面に形成された光反射部とを備えていてもよい。
【0015】
かかる構成によれば,導波構造による曲げではなく,反射を利用した導波構造としたので,光反射部材を面積的に小さくすることが可能になり,最終的なパッケージの幅を小さくすることが可能である。また,光反射部材を用いた光フィルタの折り返し構造としたため,光フィルタを直線的に配列してパッケージする場合に比べてパッケージ長さを短くすることが可能である。
【0016】
さらに,光学系の少なくとも1は光ファイバであり,該光ファイバを略半円上に湾曲させるようにしてもよく,さらに好ましくは,光ファイバは,高NAファイバであるように構成される。かかる構成によれば,光フィルタ同士がすべて光ファイバで接続されているため他の光学系に比較して低損失である。
【0017】
さらに,パッケージ内に固定部材が設けられ,光フィルタは,該固定部材によりパッケージに固定されていてもよい。かかる構成によれば,すべての光フィルタが固定部材により固定されるため,耐振動性を向上させることが可能である。
【0018】
さらに好ましくは,固定部材とパッケージとの間に光フィルタの温度を制御する温度補償装置を備え,温度補償装置は,少なくとも光フィルタ近傍の温度を検出する温度検出器と,ペルチェ素子とを含むように構成される。かかる構成によれば,光フィルタの温度を制御するペルチェ素子を配置したので,補償温度範囲を広くすることが可能である。また,光フィルタの折り返し構造としているので直線構造に比べて固定部材を介した熱の均一化が図り易い。さらに,パッケージが放熱器として作用することによりパッケージサイズの増加を抑制することが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる利得平坦化器の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
(第1の実施の形態)
以下では,第1の実施の形態にかかる利得平坦化器100の構成を,図1〜図3を参照しながら説明する。本実施の形態において特徴的なのは以下の点である。すなわち,LPGを直列に接続した場合におけるパッケージサイズの問題を解決するために,光導波路構造による反射機能を有する反射部材と組み合わせて,LPG毎の折り返し構造とした点に特徴がある。
【0021】
利得平坦化器100は,図1に示すように,金属あるいはセラミック等からなる略直方体形状のパッケージ10の相対向する側面のそれぞれに光伝搬経路としての光ファイバ21,22が接続されている。なお,光伝搬経路としての光ファイバ21,22は,簡単な設計変更により,パッケージ10の任意の場所に接続することが可能であるが,本実施の形態では,パッケージ10の相対向する側面に接続するものとする。さらにパッケージ10の形状についても略直方体形状に限定されるものではない。
【0022】
パッケージ10の内部において,光ファイバ21は,光フィルタとして用いる後述のLPG31の一端に接続され,光ファイバ22はLPG33の他端に接続されている。また,光ファイバ21,22は,パッケージ10との接続部分に設けられた補強部材11により固定されている。
【0023】
光波長に対する透過率特性の異なる3種類のLPG31,32,33は,図2に示したように,パッケージ10の長手方向と略平行に配されており,後述する光反射部材40−1,40−2を介して直列に接続した構成となっている。LPG31,32,33については,利得平坦化器に要求される平坦化特性等を考慮して所定の組み合わせを用いる。従って,本実施の形態においては,図4に示したように,光波長に対する透過率特性の異なる3種類のLPG31,32,33を用いた利得平坦化器100の一例について説明するが,本発明はこれに限定されない。
【0024】
光ファイバ21と接続されたLPG31の他端には,光反射部材40−1が接続されており,光反射部材40−1の他端には,LPG32が接続されている。LPG32の他端には光反射部材40−2が接続されており,光反射部材40−2の他端には,光ファイバ22と接続されたLPG33が接続されている。すなわち,パッケージ10の内部では,LPG31,光反射部材40−1,LPG32,光反射部材40−2,LPG33が直列に接続されており,さらに,パッケージ10は,光ファイバ21,22と直列に接続されている。
【0025】
金属あるいはセラミック等からなるベース板50は,パッケージ10内部に固定されている。上述のLPG31,32,33及び光反射部材40−1,40−2は,ベース板50に形成された不図示の溝にはめ込まれることでパッケージ10に固定されている。
【0026】
以下では,利得平坦化器100に特徴的な光反射部材40−1,40−2について説明する。
【0027】
光反射部材40−1(40−2)は,図3(A)に示したように,光導波路46及び反射ミラー47からなる光反射部42と,LPGの端部を固定するためのV溝44,45が形成され,LPGの端部から出射される光を光導波路46に導くためのガイド部41とから構成されている。ガイド部41は,例えばシリコン等からなる基板43上に2つのV溝44,45が形成されている。光反射部42には,V字型の光導波路46と,光導波路47の端面に金属薄膜を形成した反射ミラー47が形成されている。
【0028】
ガイド部41のV溝44,45と光導波路46との位置関係は,図3(B)に示したように,V溝44に被覆を除去したLPG31の端部31aを配置したときに,LPG31のコアと光導波路46の一端とが光結合し,さらに,V溝45に被覆を除去したLPG32の端部32aを配置したときに,LPG32のコアと光導波路46の他端とが光結合するよう位置合わせされている。
【0029】
従って,光反射部材40−1において,V溝44内に配置されたLPG31の端部31aから出射した光は光導波路46へ入射し,端面の反射ミラー47で反射されて光導波路46の他端へ導かれ,V溝45内に配置されたLPG32の端部32aに導かれる。なお,上記作用は双方向的であり,LPG32の端部32aから出射した光は,LPG31の端部31aに導かれる。
【0030】
同様に,光反射部材40−2において,V溝44内に配置されたLPG32の端部32aから出射した光は光導波路46へ入射し,端面の反射ミラー47で反射されて光導波路46の他端へ導かれ,V溝45内に配置されたLPG33の端部33aに導かれる。なお,上記作用は双方向的であり,LPG33の端部33aから出射した光は,LPG32の端部32aに導かれる。
【0031】
上述のように,パッケージ10の内部は,LPG31,32,33が折り返し構造を形成し,光反射部材40−1,40−2により光信号がLPG31,32,33を直列に伝搬するように構成されている。すなわち,光ファイバ21により伝搬された光信号は,パッケージ10の内部において,まずLPG31を介し,光反射部材40−1により反射され,LPG32に伝搬される。次いで,LPG32を介した光信号は,光反射部材40−2により反射され,LPG33に伝搬され,さらに,光ファイバ22を介して,パッケージ10の外部に伝搬される。
【0032】
以下では,上述のように構成される利得平坦化器100の製造方法を説明する。まず,3種類のLPGのうち,LPG31と33の一端に光ファイバ21,22を融着接続する。なお,すべてのLPG31,32,33において光反射部材40−1,40−2のV溝44,45に配置される端部の被覆は除去してある。
【0033】
次いで,ベース板50上に光反射部材40−1,40−2を所定の位置,すなわち,LPG32が配置されるV溝が一直線上に並ぶような位置に配置,固定する。このように配置された光反射部材40−1,40−2のV溝44,45にLPG31,32,33の被覆を除去した端部を光導波路46に突き合わせるように配置し,紫外線(UV)接着剤を塗布,その上からガラス板で押さえた状態で紫外線を照射してUV接着剤を硬化させる。このとき,端部と光導波路46を突き合わせた部分に屈折率調節材を塗布すれば,より結合損失を低下させることが可能である。以上の工程により利得平坦化器としてのLPGの折り返し構造が達成される。
【0034】
LPG31,32,33,光反射部材40−1,40−2が取り付けられたベース板50をパッケージ10内に固定した後,LPG31,33に接続した光ファイバ21,22を,パッケージ10の補強部材11を通してパッケージ外に引き出し接着剤により固定する。最後に,ハーメチツクシールによりパッケージに蓋をして利得平坦化器100が完成する。
【0035】
以上のように本実施の形態においては導波構造による曲げではなく,反射を利用した導波構造したので,光反射部材40−1,40−2を面積的に小さくすることが可能になり,最終的なパッケージ10の幅を小さくすることが可能である。また,光反射部材40−1,40−2を用いてLPG31,32,33の折り返し構造を採ることが可能になったため,LPGを直線的に配列してパッケージする場合に比べてパッケージ10の長さを短くすることが可能である。さらに,すべてのLPG31,32,33がベース板50により固定されるため耐振動性を向上させることが可能である。
【0036】
(第2の実施の形態)
以下では,第2の実施の形態にかかる利得平坦化器200について,図5を参照しながら説明する。本実施の形態において特徴的なのは以下の点である。すなわち,上述したパッケージサイズの問題を解決するために,第1の実施の形態においては,光反射部材を用いて折り返し構造を実現したが,本実施の形態においては,LPG間の接続を高NA型の光ファイバで行い,曲げ損失を抑制することによりLPG毎の折り返し構造を達成した点に特徴がある。
【0037】
利得平坦化器200は,図5に示したように,金属あるいはセラミック等からなる略直方体形状のパッケージ10の相対向する側面のそれぞれに光伝搬経路としての光ファイバ21,22が接続されている。パッケージ10の内部において,光ファイバ21は,光フィルタとして用いる後述のLPG31の一端に接続され,光ファイバ22はLPG33の他端に接続されている。また,光ファイバ21,22は,パッケージ10との接続部分に設けられた補強部材11により固定されている。
【0038】
光波長に対する透過率特性の異なる3種類のLPG31,32,33は,図5に示したように,パッケージ10の長手方向と略平行に配されており,後述する高NAファイバ60を介して直列に接続した構成となっている。LPGの構成については,利得平坦化器に要求される平坦化特性等を考慮して所定の組み合わせを用いる。従って,本実施の形態においては,3種類のLPG31,32,33を用いた利得平坦化器200の一例について説明するが,本発明はこれに限定されない。
【0039】
光ファイバ21と接続されているLPG31の他端には,後述の高NAファイバ60−1が接続されており,高NAファイバ60−1は略半円形状を成し,その他端には,LPG32が接続されている。LPG32の他端には,高NAファイバ60−2が接続されており,高NAファイバ60−2は略半円形状を成し,その他端には,LPG33が接続されている。LGP33の他端には,上述のように,光ファイバ22が接続されている。このように,高NAファイバ60−1,60−2を介してLPGの折り返し構造を実現したのは,光損失等の理由により,LPG自体を変形させることができないためである。なお,高NAファイバ60−1,60−2を略半円形状とすることによる光損失については後述する。
【0040】
なお,両端にそれぞれ高NAファイバ60−1,60−2が接続されているLPG32は,図5に示したように,他のLPG31,33に対して対角線上に配置することが望ましい。高NAファイバ60−1,60−2の曲げ直径Rを大きくとることができ,光損失をより低減化することが可能である。
【0041】
金属あるいはセラミック等からなるベース板50は,パッケージ10内部に固定されている。上述のLPG31,32,33及び高NAファイバ60−1,60−2は,ベース板50に形成された不図示の溝にはめ込まれることでパッケージ10に固定されている。
【0042】
以下では,本実施の形態に特徴的な高NAファイバ60−1,60−2を説明する。
【0043】
高NAファイバ60−1(60−2)としては,コーニング社製PAYOUT(以下,「PAYOUT」と称する。)を使用した。PAYOUTは本来ファイバセンサ用として多く用いられるファイバである。一般に用いられるシングルモードファイバであるコーニング社製SMF−28は,曲げ直径が32mmで1巻き当たりの曲げ損失が0.5dB以下であるのに対し,PAYOUTは,曲げ直径が25mmで100巻き当たりの曲げ損失が0.05dB以下と小さいものである。また,PAYOUTは,ファイバ表面に酸化チタンコーティングがなされ機械的な信頼性も高い。そこで,本実施の形態においては,PAYOUTを用い,曲げ直径Rを10mmとし,曲げ損失が0.02dB以下であることを確認した。
【0044】
上述のように,パッケージ10の内部は,LPG31,32,33が折り返し構造を形成し,高NAファイバ60−1,60−2により光信号がLPG31,32,33を直列に伝搬するように構成されている。すなわち,光ファイバ21により伝搬された光信号は,パッケージ10の内部において,まずLPG31を介し,さらに,高NAファイバ60−1を介して,LPG32に伝搬される。次いで,LPG32を介した光信号は,高NAファイバ60−2を介して,LPG33に伝搬され,さらに,光ファイバ22を介して,パッケージ10の外部に伝搬される。
【0045】
以下では,上述のように構成される利得平坦化器200の製造方法を説明する。
【0046】
まず,所定の長さの高NA光ファイバ60−1,60−2を略半円形状に湾曲させておく。次いで,3種類のLPG31,32,33をLPG31,高NAファイバ60−1,LPG32,高NAファイバ60−2,LPG33の配列でコア拡大法による融着接続を行う。さらにその両端に光ファイバ21,22を融着接続する。
【0047】
次いで,図5に示すように,融着されたLPG31,32,33を収める溝が形成された金属あるいはセラミックからなるベース板50にLPG31,32,33をはめ込み,UV接着剤を塗布,その上からガラス板で押さえた状態で紫外線を照射してUV接着剤を硬化させる。以上の工程により利得平坦化器200としてのLPGの折り返し構造が達成される。
【0048】
LPG31,32,33が取り付けられたベース板50をパッケージ10内に固定した後,LPG31,33にそれぞれ接続した2つの光ファイバ21,22をパッケージ10の補強部材11を通してパッケージ10の外に引き出し,接着剤により固定する。最後に,ハーメチックシールによりパッケージに蓋をして利得平坦化器200が完成する。
【0049】
以上のように利得平坦化器200においては,LPG同士がすべて高NAファイバ60−1,60−2で接続されているため他の光接続手段に比較して低損失である。また,LPGを直線的に配列してパッケージする場合に比べてパッケージ10の長さを短くすることが可能である。さらに,すべてのLPG31,32,33がベース板50により固定されるため,耐振動性を向上させることが可能である。
【0050】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態における利得平坦化器300は,第2の実施の形態にかかる利得平坦化器200を改良したものであり,以下の点に特徴がある。すなわち,利得平坦化器300は,利得平坦化器200と構造を同様のものとし,さらに,LPG31,32,33とパッケージ10との間にLPGの温度を制御するぺルチェ素子70をさらに備え,ペルチェ素子による温度補償機能を付加するものである。なお,本実施の形態においては,利得平坦化器200に改良を加えた場合の一例につき説明するが,本発明はこれに限定されず,利得平坦化器100に同様の改良を加えることによっても,本発明は適用可能である。
【0051】
利得平坦化器300は,上述のように温度補償機能部以外は,第2の実施の形態にかかる利得平坦化器200と同様であり,図6に示したように,金属あるいはセラミック等からなるパッケージ10に光ファイバ21,22が接続され,パッケージ10の内部には,LPG31,32,33が高NAファイバ60−1,60−2を介して接続され,ベース板50に固定されている。
【0052】
さらに,利得平坦化器300においては,ベース板50とパッケージ10との間に後述のぺルチェ素子70を備えており,ペルチェ素子70からは電源線71がパッケージ10の外部に引き出されている。さらに,ベース板50には,少なくともLPG31,32,33近傍の温度を検出する温度センサ(図示せず)に接続されるリード線81が接続されている。以下では,利得平坦化器200と同様の構成部材については説明を省略し,利得平坦化器300に特徴的なぺルチェ素子70について説明する。
【0053】
ぺルチェ素子70としては,小松エレクトロニクス社製のKSML01011Gが知られている。まず,ぺルチェ素子70をパッケージ10の底面に配置し,電源線71をパッケージ10の外へ引き出す。次いで,LPG31,32,33を固設したベース板50をぺルチェ素子70上に配置して,パッケージ10に固定する。この時,ぺルチェ素子70はベース板50とパッケージ10に挾み込まれることにより固定される。かかる構成によりパッケージ10は,ぺルチェ素子70の放熱器として機能する。最後にパッケージ10内を窒素パージし,ハーメチックシールによりパッケージ10に蓋をして利得平坦化器300が完成する。
【0054】
利得平坦化器300によれば,利得平坦化器100または利得平坦化器200により奏される効果に加えて,LPG31,32,33の温度を制御するぺルチェ素子70を配置したので,温度補償範囲を広くすることが可能である。また,LPG31,32,33の折り返し構造としているので直線構造に比べてベース板50を介した熱の均一化が図り易い。さらに,パッケージ10が放熱器として作用することによりパッケージサイズの増加を抑制することが可能である。
【0055】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる利得平坦化器の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明にかかる利得平坦化器によれば,以下のような優れた効果を奏する。
【0057】
請求項1,2,3または4に記載の利得平坦化器によれば,導波構造による曲げではなく,反射を利用した導波構造としたので,光反射部材を面積的に小さくすることが可能になり,最終的なパッケージの幅を小さくすることが可能になる。また,光反射部材を用いて光フィルタの折り返し構造を採ることが可能になったため,光フィルタを直線的に配列してパッケージする場合に比べてパッケージ長さを短くすることが可能である。
【0058】
さらに,請求項5,6に記載の利得平坦化器によれば,曲げ損失が小さい高NAファイバを用いて光フィルタの折り返し構造を採ることが可能になったため,光フィルタ同士がすべて光ファイバで接続されているため他の光学系に比較して低損失である。
【0059】
本発明の利得平坦化器によれば,導波構造による曲げではなく,反射を利用した導波構造としたので,光反射部材を面積的に小さくすることが可能になり,最終的なパッケージの幅を小さくすることが可能になる。また,光反射部材を用いて光フィルタの折り返し構造を採ることが可能になったため,光フィルタを直線的に配列してパッケージする場合に比べてパッケージ長さを短くすることが可能である。
【0060】
さらに,本発明の利得平坦化器によれば,曲げ損失が小さい高NAファイバを用いて光フィルタの折り返し構造を採ることが可能になったため,光フィルタ同士がすべて光ファイバで接続されているため他の光学系に比較して低損失である。
【0061】
さらに,本発明の利得平坦化器によれば,すべての光フィルタが固定部材で固定されるため耐振動性を向上させることが可能である。
【0062】
さらに,本発明の利得平坦化器によれば,ぺルチェ素子による温度補償機能が付加される。また,光フィルタを折り返し構造としているので直線構造に比べて固定部材を介した熱の均一化が図り易い。さらにはパッケージが放熱器として作用することによりパッケージサイズの増加を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる利得平坦化器のパッケージ外観を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる利得平坦化器のパッケージ内部の各構成要素の配置を示す説明図である。
【図3】光反射部材を示す説明図であり,図3(A)は斜視図であり,図3(B)は上面図である。
【図4】LPGの光波長に対する透過率特性を示す説明図である。
【図5】本発明の別の実施の形態にかかる利得平坦化器のパッケージ内部の各構成要素の配置を示す説明図である。
【図6】本発明の別の実施の形態にかかる利得平坦化器のパッケージ内部の各構成要素の配置を示す説明図である。
【図7】従来の利得平坦化器のパッケージ内部の各構成要素の配置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 パッケージ
11 補強スリーブ
21,22 光ファイバ
31,32,33 LPG
31a,32a,32b,33a LPGの端部
40−1,40−2 光反射部材
41 ガイド部
42 光反射部
43 基板
44,45 V溝
46 光導波路
47 反射ミラー
50 ベース板
60−1,60−2 高NAファイバ
70 ペルチェ素子
71 電源線
81 リード線

Claims (6)

  1. 光増幅器の利得を平坦化する利得平坦化器であって:
    利得平坦化器の前段および/または後段に接続された光増幅器の利得波長特性に応じた波長特性を有するn(nは2以上の整数)の光フィルタと,
    少なくとも2の光フィルタが実質的に並列をなすように前記nの光フィルタを収容するパッケージと,
    前記並列をなす光フィルタ同士を直列に接続するべく光の進行方向を折り返す光学系と,
    を備え
    前記光フィルタは,長周期構造のファイバグレーティング(long−period grating)であり,
    前記パッケージ内に固定部材が設けられ,前記光フィルタは,該固定部材により前記パッケージに固定されており,
    前記固定部材と前記パッケージとの間に前記光フィルタの温度を制御する温度補償装置を備えたことを特徴とする,利得平坦化器。
  2. 前記光学系の少なくとも1は光反射部材であることを特徴とする,請求項に記載の利得平坦化器。
  3. 前記光反射部材は,
    基板上に形成された2の溝からなり,前記光フィルタと接続される光ファイバを埋設するためのガイド部と,
    前記基板上で所定の形状に形成された光導波路と,
    前記光導波路面に形成された光反射部と,
    を備えたことを特徴とする,請求項に記載の利得平坦化器。
  4. 前記光学系の少なくとも1は光ファイバであり,該光ファイバを略半円上に湾曲させることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の利得平坦化器。
  5. 前記光ファイバは,高NAファイバであることを特徴とする,請求項に記載の利得平坦化器。
  6. 前記温度補償装置は,少なくとも前記光フィルタ近傍の温度を検出する温度検出器と,ペルチェ素子とを含むことを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の利得平坦化器。
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