JP3657751B2 - アクチン結合蛋白質l−アファディン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、新規なアクチン結合蛋白質l-アファディン(l-Afadin)に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、動物の個体形成等に重要な役割を果たす細胞間密着結合に関与する新規動物性蛋白質l-アファディンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動物個体における様々な細胞現象、例えば、細胞接着、細胞運動および細胞の形状決定等においては、細胞接着分子、受容体およびチャンネル等の膜貫通蛋白質によって形成される接着装置が重要な役割を果たしており、これらの接着装置は、しばしばアクチン性細胞骨格と結合することが知られている(Biochem. Biophys. Acta 737:305-341, 1983; Curr. Opin. Cell Biol. 1:103-109, 1989; Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 3:849-853, 1991; Science. 258:955-964, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 5:653-660, 1993; Trends Biochem. Sci. 22:53-58, 1997 )。従って、アクチン性細胞骨格と細胞質膜とは上記細胞現象において重要な役割を果たしており、それ故アクチン性細胞骨格を膜貫通蛋白質に結合させる生体分子の特定に多大な努力が払われてきた。しかしながら、アクチン性細胞骨格と細胞質膜との結合に関する分子的基礎については、今だ充分に理解されてはいない。
【0003】
このような細胞結合に係わる分子的基礎を理解するため、これまでに細胞接着部位が最も広範に研究された(Biochem. Biophys. Acta 737:305-341, 1983; Curr. Opin. Cell Biol. 1:103-109, 1989; Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 3:849-853, 1991; Science. 258:955-964, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992; Curr. Opin. Cell Biol. 5:653-660, 1993; Trends Biochem. Sci. 22:53-58, 1997 )。その結果、アクチン線維(F−アクチン)に関連する細胞接着部位が2つのタイプ、すなわち、細胞−細胞接着帯(adherens junctions: AJ)と、細胞−マトリックスAJとに分類されている。細胞−細胞AJにおいては、その細胞外表面でカドヘリン(cadherin)が互いに相互作用しており、多くの結合蛋白質が同定されている(Development 102:639-655, 1988; Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Science 251:1451-1455,1991; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992; EMBO J. 8:1711-1717, 1989; Cell 65:849-857, 1991; Science 251:1451-1455, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992)。これらの結合タンパク質のうち、α−カテニンは、F−アクチンと直接相互作用する(Pro.Natl. Acad. Sci. USA. 92:8813-8817, 1995)と共に、α−アクチニンおよび/またはZO−1を介してF−アクチンに間接的に相互作用している(J. Cell.Biol. 130:67-77, 1995;J. Cell Biol. 138:181-192, 1997 )。また、別のF−アクチン結合蛋白質であるビンキュリン(vinculin)は、細胞−細胞AJに集中していることが知られているが、細胞−細胞AJにおけるその相互作用分子は未だ特定されていない(Cell Motil. Cytoskeleton. 20:1-6, 1991; Curr. Opin. Cell Biol. 4:834-839, 1992)。さらに、細胞外表面においてインテグリン(integrin)がマトリックス蛋白質と相互作用する細胞−マトリックスAJでは、その細胞質ドメインは、α−アクチニン、ビンキュリン、タリン(talin )等のF−アクチン結合蛋白質と、直接または関節的に相互作用している(Ann. Rev. Cell Dev. Biol. 11:379-416, 1995)。
【0004】
以上のとおり、多くのF−アクチン結合蛋白質が、アクチン性細胞骨格と細胞質膜のカドヘリンおよびインテグリンとの結合因子(linker)として作用していると考えられている。
一方、アクチン性細胞骨格と細胞質膜との結合は、神経細胞に特異的な現象(例えば、成長円錐の伸長やその後のシナプス結合の形成および維持等)にとっても重要である(Neuron 1:761-772, 1988; Science 242:708-715, 1988; Curr. Opin. Neurobiol. 4:43-48, 1994; Curr. Opin. Neurobiol. 4:640-647, 1994; Cell 83:171-176, 1995)。しかしながら、これらの神経細胞に特異的な現象において、どのような分子がアクチン性細胞骨格を細胞質膜に結合させているかは明らかではない。
【0005】
この点を明らかにするため、この出願の発明者等は、ラットの脳から幾つかの新規なF−アクチン結合蛋白質を単離し、特に神経細胞に特異的で、シナプスに多く存在する蛋白質の構造を解析し、既に特許出願している(特願平9−92615号)。この先願発明の蛋白質(以下、発明者等の命名に従って「ニューラビン」(neurabin) と記載する)は、1つのF−アクチン結合ドメインと、1つのPDZドメインを有している。PDZドメインは様々な蛋白質に見出されており、そのうちの幾つかは細胞間結合に局在している。例えば、シナプス結合におけるPSD−95/SAP90(Neuron. 9:929-942, 1992; J. Biol. Chem. 268:4580-4583, 1993 )、隔膜結合におけるDlg(Cell. 66:451-464, 1991)、密着結合におけるZO−1およびZO−2(J. Cell Biol. 193:755-766, 1986; Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 88:3460-3464, 1991; J. Cell Biol. 121:491-502, 1993; J. Cell Biol. 123:1049-1053, 1993; Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90:7834-7838, 1993; J. Cell Biol. 124:949-961, 1994)等である。また、最近の研究から、PDZドメインは標的蛋白質のユニークなC−末端モチーフに結合することが明らかにされたが(Trends Biochem. Sci. 21:455-458, 1996 )、このモチーフは、N-methyl-D-aspartate受容体やShaker-type K+ チャネル等の多くの膜貫通蛋白質に見出されている(Nature 378:85-88, 1995; Science 269:1737-1740, 1995; J. Neurosci. 16:2157-2163, 1996)。
【0006】
【発明が解決使用とする課題】
以上のとおりの様々な知見から、この発明者等による先願発明の蛋白質ニューラビンは、シナプスにおけるアクチン性細胞骨格と膜貫通蛋白質との接着因子として機能しているものと考えられる。
しかしながら、細胞間接着に関与する分子的基礎の全容は未だ解明されておらず、そのためには、アクチン結合蛋白質のさらなる同定が必須である。また、このような蛋白質は、例えば癌腫の浸潤、転移のメカニズムの解明につながる可能性もあり、癌腫の悪性度の診断やその治療法、治療薬等の開発への応用も期待される。
【0007】
この発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、細胞間接着に関与する新規なアクチン結合蛋白質を、その構造(アミノ酸配列)および性状を明らかにして提供することを目的としている。
また、この発明は、このアクチン結合蛋白質の遺伝子工学的操作のための材料を提供することも目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するものとして、配列番号1のアミノ酸配列を有するアクチン結合蛋白質l-アファディンを提供する。
またこの発明は、配列番号1と実質的に同一のアミノ酸配列を有する動物性蛋白質を提供する。
【0009】
さらにこの発明は、配列番号1のアミノ酸配列または配列番号1と実質的に同一のアミノ酸配列をコードするcDNAと、このcDNAまたはその一部配列がハイブリダイズするゲノムDNA配列をも提供する。
さらにまた、この発明は、上記のアクチン結合蛋白質l-アファディンを免疫原として作成した抗体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明のアクチン結合蛋白質l-アファディンは、配列番号1のアミノ酸配列を含む蛋白質であって、この蛋白質には、配列番号1のアミノ酸配列のいかなる部分アミノ酸配列を含むペプチド断片(5アミノ酸残基以上)も含まれる。これらのペプチド断片は抗体を作製するための抗原として用いることができる。さらに、この発明の蛋白質には、他の任意の蛋白質(例えば、蛍光蛋白質など)との融合蛋白質も含まれる。
【0011】
この発明の蛋白質は、公知の方法によってヒトの臓器、細胞株などから単離することができる。また、ペプチドとして使用する場合には、この発明によって提供されるアミノ酸配列に基づき化学合成によって調製することもできる。あるいはこの発明によって提供されるcDNA断片を用いて組換えDNA技術によりインビトロで生産することにより取得することもできる。例えば、組換えDNA技術によって蛋白質を取得する場合には、この発明のcDNA断片を適当な発現ベクターに組換え、この組換えベクターによる形質転換体細胞(大腸菌、枯草菌、酵母、動物細胞等)からこの発明の蛋白質を大量に発現させることができる。具体的には、例えば、大腸菌などの微生物で発現させる場合には、微生物中で複製可能なオリジン、プロモーター、リボソーム結合部位、cDNAクローニング部位、ターミネーター等を有する発現ベクターに、この発明のcDNAを挿入結合して発現ベクターを作成し、この発現ベクターで宿主細胞を形質転換したのち、得られた形質転換体を培養してやれば、cDNAがコードしている蛋白質を微生物内で大量生産することができる。あるいは、他の蛋白質との融合蛋白質として発現させることもできる。得られた融合蛋白質を適当なプロテアーゼで切断することによって、cDNAがコードする蛋白質部分のみを取得することもできる。一方、この発明の蛋白質を動物細胞で分泌発現させる場合には、cDNA断片を、動物細胞用プロモーター、スプライシング領域、ポリ(A)付加部位等を有する動物細胞用発現ベクターに組換え、動物細胞内に導入してやれば、この発明の蛋白質を動物細胞内で発現させることができる。
【0012】
この発明のゲノムDNA配列は、上記蛋白質をコードするヒトおよび他の哺乳動物の遺伝子であって、例えば、この発明のcDNAまたはその一部配列をプローブとして既存のゲノムライブラリーから単離することができる。
この発明のcDNAは、配列番号1のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードしているDNA断片であって、たとえば、その塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、ヒト細胞から作製したヒトcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、この発明のcDNAのクローンを容易に得ることができる。あるいは、これらのオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、目的cDNAを合成することもできる。一般にヒト遺伝子は個体差による多型が頻繁に認められる。従って1または複数個のヌクレオチドの付加、欠失および/または他のヌクレオチドによる置換がなされているcDNAもこの発明に含まれるものである。同様に、これらの変更によって生じる1または複数個のアミノ酸の付加、欠失および/または他のアミノ酸による置換がなされている蛋白質も、配列番号1のアミノ酸配列を有する蛋白質の活性を有する限り、この発明の範疇に含まれるものである。
【0013】
また、この発明のcDNAの部分配列は、10bp以上の連続配列であり、この連続配列からなるDNA断片(センス鎖およびアンチセンス鎖)もこの発明の範囲に含まれる。これらのDNA断片は遺伝子診断用のプローブとして用いることができる。
さらに、この発明の抗体は、上記の蛋白質それ自体、またはその部分ペプチドを抗原として、公知の方法により、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体として得ることができる。
【0014】
以下、実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は、以下の例によって限定されるものではない。
【0015】
【実施例】
実施例1:アクチン結合蛋白質l-アファディンの同定と精製
胎児ラット脳より成長円錐を単離し、125Iで標識したF−アクチンによるブロット・オーバーレイ(blot overlay)法(Cell Motil. Cytoskeleton. 18:164-179, 1991)を行い、分子量205KDa(p205)のバンドを確認した。競合的結合阻害を試験した結果、この蛋白質はF−アクチンに特異的に結合したが、 125 Iで標識したG−アクチンには結合しないことから、F−アクチン結合蛋白質であることが確認された。
【0016】
次に、胎児ラット脳の可溶画分をSDS−PAGEで処理し、分子量約205KDaの蛋白質バンドを、複数のカラムクロマトグラフィー(Q-Sepharose, phenyl-5PW, hydroxyapatite, Mono Q )で精製した。最終的な Mono Q カラムクロマトグラフィーの結果を図1に示す。図1(a)は280nmでの吸光度、(b)は 125I標識F−アクチンによるブロット・オーバーレイ、(c)はCoomassie brilliant blueで染色した蛋白質バンドである。この図1(c)に示したように、精製蛋白質は、最終的に、約205KDa(p205)と約190KDa(p190)が得られた。そこで、これら2種類の精製蛋白質をポリアクリルアミドゲルから切り出し、分解酵素 (lysil endopeptidase)によって限定分解した後、ペプチドマッピングを行い、2つの蛋白質に共通する5つのペプチドを単離し、それらの部分アミノ酸配列を決定した。そして、配列データベースによる相同性検索の結果、5つのペプチドはヒトAF−6蛋白質と高い相同性を有することが確認された。一方、p205に特異的な2つのペプチドの配列は、既存のデータベースには存在しなかった。これらの結果から、p205およびp190はヒトAF−6蛋白質に関連するラット蛋白質であり、p190はp205のスプライシングバリアント、相同体または分解産物であることが示唆された。また、p205は、AJ部位に局在することから、「a large splicing variant of AF-6protein localized at adherens junction:l-afadin」と命名した(以下、この発明の蛋白質を、l-アファディンまたはp205と記載する)。
実施例2:アクチン結合蛋白質l-アファディン遺伝子クローニング
実施例1で得た205KDa蛋白質l-アファディンの部分アミノ酸配列に基づいて7種類のオリゴヌクレオチドプローブを作成し、ラットの脳cDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、図2に示したような幾つかのオーバープクローンが得られた。配列決定の結果、これらのクローンのうち、クローン20は、約4.9kbpからなるコード領域を含んでおり、このコード領域から推定されたアミノ酸配列は、p205の全てのペプチドを含んでいた。また、p205に特異的な2つのペプチドはC−端側に位置していた。なお、クローン94はp190をコードする約4.5kbpからなるコード領域を含んでいた。ただし、これらのクローン20および94は開始コドンを含んでおらず、その開始コドンはクローン84に含まれていた。そこで、p205の全長cDNAをクローン84および20から構築し、p190の全長cDNAをクローン84と94から構築した。
【0017】
また、クローン20、84および94をプローブとしたFISH分析(Cytogenet. Cell Genet. 61:282-285, 1992; Electrophoresis. 16:261-272, 1995)の結果、これらのcDNAはラット染色体1q12.2に位置することも確認された。
実施例3:アクチン結合蛋白質l-アファディンの動物細胞での発現
実施例2で構築したp205のcDNAを発現ベクターに組み込み、このベクターをCOS7細胞に導入して、細胞の発現産物について 125I標識F−アクチンを用いたブロット・オーバーレイ法による分析を行った。得られた組換え蛋白質(myc-l-afadin)は、図3(a)に示したように、SDS−PAGE上でネイティブなp205と類似の泳動を示し、また 125I標識F−アクチンに対する結合活性を有してもいた。一方、C−端側の156アミノ酸残基を欠くp205の変異体は、 125I標識F−アクチンに対する結合活性を示さなかった。これに対して、p205のC−端(199アミノ酸残基)とGTS(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)との融合蛋白質は 125I標識F−アクチン結合活性を示した。
【0018】
以上の結果から、p205遺伝子は、配列番号1に記載した1,829 アミノ酸残基からなる蛋白質をコードしており、その推定分子量は207,667 で、C−端199アミノ酸残基にF−アクチン結合ドメインを有することが明らかになった。また、p190遺伝子は、C−端約160アミノ酸残基を欠失した蛋白質をコードし、p205遺伝子のスプライシングバリアントとであると結論づけられた。
【0019】
コンピュータによるホモロジー検索の結果、p190のアミノ酸配列は、ヒトAF−6蛋白質の全配列と90%一致した。ただし、ヒトAF−6蛋白質もp190も、p205のC−端領域を欠失していた。また、p205のC−端(F−アクチン結合ドメイン)は、他の如何なるF−アクチン結合蛋白質との有意な相同性を示さなかった。従って、p190がラットにおけるヒトAF−6の類似体であるのに対し、p205は新規なF−アクチン結合蛋白質であることが確認された。なお、図3(b)に示したように、p205およびp190は、いずれもPDZを有していた。
実施例4:抗l-アファディン抗体の作成
公知の方法に従い、配列番号1の1814−1829番目までのアミノ酸配列からなる合成ペプチドを免疫原として、l-アファディンを特異的に認識するウサギ・ポリクローナル抗体を作成した。また、配列番号1の 557−592 番目までのアミノ酸配列からなる合成ペプチドを免疫原として、l-アファディンおよびS-アファディンを認識するウサギ・ポリクローナル抗体を作成した。
実施例5:l-アファディンの発現組織の確認
l-アファディンcDNAに特異的な配列をプローブとして用いたノーザンブロット分析の結果、図4(a)に示したとおり、l-アファディンは検査したラット組織(心臓、脳、脾臓、肺臓、肝臓、骨格筋、腎臓、精巣)の全てで発現していた。
【0020】
また、実施例4で作成した抗l-アファディン抗体を用いたウエスタンブロット分析の結果からも、図4(b1)に示したように、l-アファディンはラットの全ての組織で発現することが確認された。
しかしながら、図4(b2)に示したように、l-アファディンとS-アファディンの両方を認識する抗体を使用したウエスタンブロットの結果からは、これらの臓器のうち、S-アファディンは脳のみに発現していることが確認された。
【0021】
以上の結果から、この発明のl-アファディンは全ての組織で発現するのに対し、s-アファディンは脳のみに発現していることが確認された。
実施例6:l-アファディンの生化学的特性
実施例1で得た205KDa蛋白質(l-アファディン)のアクチン結合様式をブロット・オーバーレイ法を用いて検討した結果、l-アファディンとアクチンとの結合はミオシンS1によって特異的に阻害されたが(図5a)、この阻害はMgATPの添加によって消失した。ミオシンS1はF−アクチンの側面に結合することが確認されている蛋白質であり(Science 261:58-65, 1993; Nature 364:171-174, 1993 )、MgATPはアクチン−ミオシン複合体を分離することが知られているため(Biochemistry 14:2207-2214, 1975 )、l-アファディンはF−アクチンの側面に結合することが確認された。
【0022】
次に、falling ball法(Methods Enzymol. 85:211-233, 1982; J. Biol. Chem. 271:31775-31778, 1996 )を用いて、l-アファディンによるF−アクチンの粘度変化を調べた結果、図5(b)に示したように、l-アファディンはF−アクチンの粘度を用量依存的に増加させ、粘度は最大約3倍にまで増加した。
さらに、ストイキオメトリー(stoichiometry )を計算した結果(図5c)、アクチン約500分子に対してHis6−l-アファディン−C1分子の割合で結合すると計算され、そのKd値は10-7オーダーと計算された。
【0023】
また、アクチンに対するl-アファディン効果をpyrene−アクチンを用いて検討したところ、l-アファディンはアクチンの核形成促進作用を示さないことも判明した。
実施例7:l-アファディンの局在位置の確認
抗l-アファディン抗体を用い、様々なマウスまたはラット組織の凍結切片を免疫蛍光顕微鏡で検査してl-アファディンの局在位置を確認した。
【0024】
肝臓では、l-アファディンは毛細胆管に沿った帯状結合複合体領域(belt-like junctional complex region )に局在していた(図6a)。小腸では、抗E−カドヘリン−モノクローナル抗体を併用して調べたところ、l-アファディンは腸吸収上皮の結合複合領域にE−カドヘリンと共に検出されたが、E−カドヘリンに比べ同部位により濃縮されていた(図6b1−3、c1−3)。心臓については、抗ビンキュリン−モノクローナル抗体を併用して調べた。ビンキュリンは、細胞−細胞AJだけでなく、細胞−マトリックスAJに対するマーカーとして知られている(Cell 18:193-205, 1979; Biochem. Biophys. Acta 737:305-341, 1983 )。その結果、l-アファディンは、心臓の境界膜にビンキュリンと共に検出された(図6d1−3)。ただし、ビンキュリンは心筋細胞の外側縁に沿っても検出されたが、l-アファディンはこの領域には検出されなかった。また、E−カドヘリンを発現する培養EL細胞(Nature 329:341-343, 1987)を、抗ZO−1抗体を併用して調べたところ、l-アファディンの局在はZO−1の局在と類似していた(図7a,b)。ZO−1は、線維芽細胞におけるカドヘリン性細胞−細胞AJに存在することが知られているので(J. Cell Biol. 115:1149-1462, 1991; J. Cell Biol. 121:491-502, 1993)、l-アファディンもまた、このカドヘリン性細胞−細胞AJに局在することが示唆された。
【0025】
さらに、l-アファディンの正確な局在を調べるために、小腸の凍結切片を抗Zo−1モノクローナル抗体と抗l-アファディン抗体で共染色し、また肝臓の毛細胆管を抗デスモプラキン(desmoplakin )モノクローナル抗体と抗l-アファディン抗体で共染色した。ZO−1は密着結合に対するマーカーとして知られており(J. Cell Biol. 103:755-766, 1986; J. Cell Biol. 121:491-502, 1993)、デスモプラキンはデスモソームのマーカーとして知られている(J. Cell Biol. 63:515-523, 1974; Eur. J. Cell Biol. 32:117-130, 1983; J. Mol. Biol. 163:647-671, 1983; EMBO J. 6:885-889, 1987 )。その結果、小腸の吸収上皮では、l-アファディンはZO−1より僅かに基底側に存在していた(図8a1−3)。また、胆管では、l-アファディンの局在とデスモプラキンの局在は一致していなかった(図8b1−3)。
【0026】
これらの結果から、l-アファディンは、密着結合やデスモソームよりもむしろ、細胞−細胞AJに局在していることが示された。そしてさらに、免疫電子顕微鏡によりl-アファディンは、小腸の吸収上皮細胞の細胞−細胞AJに局在することが観察された(図9a、b)。
以上により、この発明のl-アファディンは、アクチン性細胞骨格と細胞−細胞AJとを連結する新規なタンパク質であることが確認された。
【0027】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、カドヘリン性細胞−細胞密着結合に局在する新規なアクチン結合蛋白質l-アファディンと、このl-アファディンを産業上利用するための遺伝子材料が提供される。
【0028】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:1829
配列の型:アミノ酸
配列の種類:蛋白質
起源
生物名:ラット
組織:胎児脳
配列
【0029】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】モノQカラムクロマトグラフィーの吸光度(a)、 125I標識F−アクチンによるブロット・オーバーレイの結果(b)およびSDS電気泳動の染色結果(c)である。
【図2】 l-アファディン(p205)およびS-アファディン(p190)のcDNAの模式図である。
【図3】(a)は、様々な組換えl-アファディン断片のF−アクチン結合活性を示す。左は 125I標識F−アクチンによるブロット・オーバーレイ、右はウエスタンブロットの結果である。(b)は、l-アファディンおよびS-アファディンの構造を示した模式図である。
【図4】 l-アファディンの臓器分布を調べた結果であり、(a)はノーザンブロット、(b)は抗l-アファディン抗体(b1)および抗l-アファディン/S-アファディン抗体(b2)を用いたウエスタンブロットの結果である。
【図5】 l-アファディンの生化学特性であり、(a)はl-アファディンのFアクチン結合活性のミオシンS1による阻害、(b)はl-アファディンによるF−アクチン粘度の増加、(c)はHis6−l-アファディン−CのF−アクチンへの結合を示す。
【図6】ラットまたはマウスの様々な組織におけるl-アファディン、E−カドヘリンおよびビンキュリンの局在を示す写真図である。
【図7】EL細胞におけるl-アファディンおよびZO−1の局在を示す写真図である。
【図8】 l-アファディン、ZO−1およびデスモプラキンの異なる局在を示す写真図である。
【図9】ラット小腸におけるl-アファディンの局在を示す写真図である。
Claims (3)
- 配列番号1のアミノ酸配列からなるアクチン結合蛋白質l-アファディン。
- 配列番号1のアミノ酸配列をコードするcDNA。
- 請求項1のアクチン結合蛋白質 l- アファディンの部分ペプチドを抗原として作成された抗体であって、請求項1のアクチン結合蛋白質 l- アファディンを特異的に認識する抗体。
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