JP3656721B2 - 無段変速機付車両の制御装置 - Google Patents

無段変速機付車両の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機付車両の制御装置に係り、詳しくは、内燃機関の駆動軸に直結可能な流体継手を介して無段変速機が接続される車両の減速時における無段変速機及び流体継手の制御技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、変速比を無段階に切換可能な無段変速機(CVT)を備えた車両が開発され、実用化されている。
ところが、このような車両では、エンジンの駆動軸に流体継手(トルクコンバータ)を介して変速機、駆動輪が接続されている場合、車両の減速時には、車速の低下に伴ってトルクコンバータが滑りを生じ、車両の減速感が低下するとともに、減速中に燃料供給を停止(フューエルカット)するものでは、エンジンの回転自体が停止する所謂エンジンストールを引き起こす可能性がある。従って、このようなエンジンと無段変速機とがトルクコンバータを介して接続される車両では、トルクコンバータを直結クラッチ(ロックアップクラッチ)により直結し、エンジンと駆動輪を直結状態とすることにより減速感を向上させている。そして、その後、車速が所定の車速にまで低下した時点でロックアップクラッチを解除することでエンジンストールを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、運転者が減速を要求している場合には、できる限り長期に亘って減速感を維持することは好ましいことである一方、急減速を行って車速が急激に低速にまで減少した場合のように車速が低速になり過ぎるような場合には、ロックアップクラッチを解除しても、もはやエンジン回転を維持できず、エンジンストールを引き起こすおそれがある。
【0004】
さらに、減速時にエンジンへの燃料供給を停止するものでは、燃料供給の再開に伴い発生する振動が駆動輪に伝達されるの防止するため、燃料供給を再開する前にロックアップクラッチを解除する必要があるのであるが、この場合には、ロックアップクラッチを解除して燃料供給を再開しても、上述したようにトルクコンバータが滑り、もはやエンジンを再始動するのに十分なエンジン回転を維持できず、やはりエンジンストールを引き起こすおそれがある。
【0005】
この点に関し、急減速を行った場合のエンジンストールを防止する技術として、例えば特開昭57−161358号公報等に開示の技術がある。しかしながら、この技術は、ロックアップクラッチの解除の遅れを回避してエンジンストールを防止するものであり、減速感を維持しつつエンジンストールを防止したいという場合には有効な手段とはいえない。
【0006】
そこで、無段変速機(CVT)を用い、つまりエンジンの出力軸にトルクコンバータとともに当該CVTを接続するようにし、車速が低速になるにつれて当該CVTの変速比を大きくしてエンジン回転の低下を防止することが考えられている。これにより、車速が極力低速になるまで長期に亘り減速感を維持しながらロックアップクラッチを解除した際のエンジンストールを防止することが可能とされる。
【0007】
ところが、CVTの変速比を大きくしていくと、駆動輪に伝達されるエンジンフリクション、オルタネータ負荷等の抵抗、即ちエンジンブレーキの効果が大きくなり、車両の減速力が増大することになる。このように車両の減速力が増大した状態でロックアップクラッチを解除すると、車両の乗員は減速力の解放により車両が前方に押し出されるような違和感、即ち空走感を感じることになり好ましいことではない。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、内燃機関の駆動軸に直結可能な流体継手の接続された車両において、車両の減速感の向上を図るとともに流体継手の直結解除に伴う違和感を防止可能な無段変速機付車両の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、直結クラッチが直結状態にあり且つ内燃機関への加速指示がないときには、車速検出手段により検出される車速の減少に対し、内燃機関の回転速度を所定回転速度または所定回転速度以上に保持するよう第1の制御手段により無段変速機の変速比が徐々に大きく制御される。そして、このように無段変速機の変速比が大きく制御されると車両の減速力が増加することとなり、当該減速力が所定値を越え、且つ、車速が規定値以下になると、第2の制御手段により無段変速機の変速比が一時的に小さく変更され、このとき、直結解除手段により直結クラッチの直結が解除される。
【0010】
従って、無段変速機の変速比が徐々に大きく制御されて車両の減速感が向上するとともに、さらに、当該無段変速機の変速比の増加に伴い増大するエンジンフリクション、オルタネータ負荷等のエンジンブレーキによる減速力が所定値を越え且つ車速が規定値以下になり無段変速機の変速比が小さく変更されると、内燃機関の回転速度が一時的に減少し、内燃機関の慣性トルクが放出されて減速力が低下することになり、このように減速力が小さくなった状態のときに流体継手の直結クラッチ(ロックアップクラッチ)の直結が解除されることで、車両の乗員の感じる空走感、即ち違和感が好適に防止される。
【0011】
尚、減速中に燃料供給の停止(フューエルカット)を行い且つロックアップクラッチ解除後に燃料供給を再開するものにおいては、変速比が徐々に大きく制御されてエンジン回転速度が所定回転速度以上に保持されると、燃料供給の停止を長期に亘って継続することが可能となり、上記減速感に加えて燃費の向上も図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係る無段変速機付車両の制御装置の概略構成図が示されており、以下当該無段変速機付車両の制御装置の構成を説明する。
エンジン(内燃機関)1の駆動軸2には流体継手4、クラッチ6、入力軸(プライマリ軸)8を介して無段変速機(CVT)10が接続されており、CVT10の出力軸(セカンダリ軸)30には、ギヤ32、デファレンシャルギヤユニット34、車軸36を介して一対の車輪38,38が接続されている。
【0013】
エンジン1は、例えば水冷式ガソリンエンジンである。また、流体継手4は、トルクコンバータとして公知のものであり、ロックアップクラッチ(直結クラッチ)5を有し、車両の運転状況に応じて直結(ロックアップ)と非直結との切換えが可能とされている。そして、クラッチ6は摩擦クラッチであり、始動時等エンジン1をニュートラル状態にする場合に切断可能とされている。
【0014】
さらに、駆動軸2にはギヤユニットやチェーン等の伝達部材40を介して高圧の油圧を発生可能なオイルポンプ42が接続されており、該オイルポンプ42には、油路46が接続されている。つまり、エンジン1が駆動されオイルポンプ42が作動すると、オイルポンプ42はオイルパン44に溜められたオイル(作動油)を高圧の油圧、即ちライン圧にして油路46に吐出する。
【0015】
CVT10は、プライマリプーリユニット12とセカンダリプーリユニット20に無端状のVベルト27が掛け回されて構成されており、上記駆動軸2はプライマリプーリユニット12に接続されている。
詳しくは、プライマリプーリユニット12、セカンダリプーリユニット20は、それぞれVベルト27のV字状の両側面との当接面が当該V字状の両側面に沿うようテーパ状に形成された固定プーリ14及び可動プーリ16、固定プーリ22及び可動プーリ24からなっている。そして、プライマリ側の可動プーリ16には油圧アクチュエータ18が、セカンダリ側の可動プーリ24には油圧アクチュエータ26が設けられており、これら油圧アクチュエータ18、油圧アクチュエータ26によって可動プーリ16、可動プーリ24がそれぞれ入力軸8、出力軸30に沿い摺動させられると、プライマリプーリユニット12、セカンダリプーリユニット20の溝幅、即ちVベルト27の掛かる有効径が変化することになり、これにより、CVT10の変速比が変化して変速が行われる。
【0016】
より詳しくは、セカンダリ側の油圧アクチュエータ26には上記油路46が接続されており、プライマリ側の油圧アクチュエータ18には上記油路46から分岐してソレノイド51で駆動される電磁式のスプール弁50の介装された油路48が接続されている。つまり、プライマリ側の油圧アクチュエータ18には変速比制御用のスプール弁50で減圧調整された油圧が作用するようようにされている。
【0017】
また、同図に示すように、油路46にはソレノイド53で駆動される電磁式のスプール弁52が介装されている。このスプール弁52は、セカンダリ側の油圧アクチュエータ26に供給されるライン圧の大きさを調整するものであり、当該スプール弁52から排出されるオイルは潤滑の必要な他の各部へ送られるようにされている。
【0018】
尚、当該CVT10は既に公知のものであるため、ここではその詳細については説明を省略する。
また、エンジン1の駆動軸2近傍には、駆動軸2の回転によりエンジン回転速度Neを検出するエンジン回転センサ60が設けられており、プライマリプーリユニット12の近傍には、CVT10の入力軸8の回転速度、即ちプライマリ回転速度Npを検出するプライマリ回転センサ62が設けられており、出力軸30に接続されたギヤ32の近傍には、CVT10のセカンダリプーリユニット20の回転速度、即ちセカンダリ回転速度Nsを検出し車速Vを検出する車速センサ(車速検出手段)64が設けられている。さらに、油路46の油圧アクチュエータ26近傍には、油路46内の油圧を検出する油圧センサ66も設けられている。
【0019】
電子コントロールユニット(ECU)70は、中央処理装置(CPU)等からなり、エンジン1等の車両の各種制御を司る主制御装置であり、その入力側には、上述のエンジン回転センサ60、プライマリ回転センサ62、車速センサ64、油圧センサ66等の各種センサ類が接続されており、さらに、エンジン1の出力調節を行うアクセルペダル72の操作量、即ちアクセル開度(加速指示)θaccを検出するアクセルポジションセンサ(APS)74や、車両の制動操作、即ちサービスブレーキ(図示せず)の作動操作を行うブレーキペダル76の操作(ONまたはOFF)を検出するブレーキスイッチ(ブレーキSW)78が接続されている。
【0020】
一方、ECU70の出力側には、エンジン1の電磁スロットルバルブや点火コイル(共に図示せず)や上記電磁式のスプール弁50,52のソレノイド51,53等が接続されている。
以下、このように構成された本発明に係る無段変速機付車両の制御装置の作用について説明する。
【0021】
当該無段変速機付車両では、車両が安定走行しているような場合にはロックアップクラッチ5が直結状態とされ、さらに、この直結状態の下、APS74からのアクセル開度情報θaccに基づいて加速指示がなく車両が減速走行状態にあると判定されると、エンジン1への燃料供給が停止、即ちフューエルカットされるようにされている。これにより、燃料消費が節減され、燃費の向上及び排ガスの低減が図られている。
【0022】
そして、このフューエルカットは、車速Vが減速してエンジン回転速度Neがある程度まで低下した時点で解除され、つまり燃料供給が再開されるようにされており、この際、当該燃料供給の再開時に発生する振動が車輪38,38にまで伝達するのを防止するため、直結していたロックアップクラッチ5については直結を解除するようにしている。
【0023】
しかしながら、上述したように、運転者が減速を要求している場合には、減速感をできるだけ長期に亘って維持するのがよく、また、燃費の向上という点では、車速Vが極めて低速になるまでフューエルカットをできるだけ長期に亘って継続するのがよく、さらに、ロックアップクラッチ5を解除する際にはできるだけ乗員に違和感を与えないのがよい。
【0024】
そこで、本発明の実施形態ではこれらの点を考慮してロックアップクラッチ5の解除制御を行うようにしている。以下、本発明に係るロックアップクラッチ解除制御について説明する。
図2を参照すると、ECU70が実行する本発明に係るロックアップクラッチ解除制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、また、図3を参照すると、当該フローチャートに沿い制御した場合の車速V、エンジン回転速度Ne、CVT10の変速比、及び車両に働く減速力FBの時間変化がタイムチャートで示されており、以下、図3のタイムチャートを参照しながら図2のフローチャートに沿い説明する。
【0025】
ECU70は、先ず図2のステップS10において、APS74により検出されるアクセル開度情報θacc、車速センサ64により検出される車速情報V、プライマリ回転センサ62により検出されるプライマリ回転速度情報Np及びエンジン回転センサ60により検出されるエンジン回転速度情報Neをそれぞれ読込む。
【0026】
ステップS12では、現在フューエルカット中か否かを判別する。つまり、ロックアップクラッチ5が直結状態とされ且つAPS74により検出されるアクセル開度θaccがゼロ値で車両が減速走行状態にあり、エンジン1への燃料供給が停止されている状態であるか否かを判別する。
ステップS12の判別結果が偽(No)で、フューエルカットが行われていないと判定された場合には、何もせず当該ルーチン抜ける。一方、ステップS12の判別結果が真(Yes)で、現在フューエルカット中と判定された場合には、次にステップS14に進む。
【0027】
ステップS14では、ブレーキSW78がON状態であるか否かを判別する。つまり、車両の運転者に積極的な制動要求があるか否かを判別する。判別結果が偽(No)、即ちブレーキSW78がOFF状態であるような場合には、車両が例えば緩い降坂路を走行中であって、運転者に車両を減速させるという積極的な意志がないと判定できる。
【0028】
このように運転者に積極的な制動要求がない場合には、ステップS16において、通常通りアクセル開度情報θaccと車速情報V(セカンダリ回転速度情報Ns)とに基づいて目標Npを演算する。つまり、目標となる変速比(変速比=プライマリ回転速度Np/セカンダリ回転速度Ns)を演算する。実際には、変速比に対応する当該目標Npは、実験等に基づきアクセル開度θaccと車速Vとに応じて予めその適正値が設定されてマップ化されており、当該目標Npマップから読みとられ、これにより変速比が設定される。
【0029】
このように目標Npが求められ変速比が決定されたら、ステップS18において、当該変速比に基づいて変速制御を行う。つまり、変速比に応じてスプール弁50及びスプール弁52の開度調整を行い、CVT10の油圧アクチュエータ18及び油圧アクチュエータ26に供給するライン圧をそれぞれ調圧する。
ところで、フューエルカット中、目標Npマップに基づいて変速比が設定されるときには、図3中に二点鎖線で示すように、車速Vが低速になるにつれてエンジン回転速度Neも減少する。このようにエンジン回転速度Neが減少すると、ブレーキSW78がOFF状態であれば本来は運転者に積極的な制動要求がないために車両が大きく減速することはないのであるが、何らかの要因によって車速Vが大きく低下してエンジン回転速度Neが極めて小さくなることもあり得る。このようにエンジン回転速度Neが極めて小さくなると、ロックアップクラッチ5を解放してフューエルカットを解除しようとしたときに、流体継手4に滑りが発生するために、エンジン回転速度Neがさらに低下して燃料供給を再開しても完爆に至らずにエンジンストールしてしまうおそれがある。
【0030】
そこで、このような状況を回避するために、ここでは、車速Vがそれほど低速とならないうちにロックアップクラッチ5を解放してフューエルカットを解除するようにしており、故に、次のステップS20において、車速センサ64により検出される車速Vがそれほど低速でない所定車速V1以下になったか否かの判別を行う。
【0031】
ステップS20の判別結果が偽(No)で、車速Vがそれほど低速ではなく、未だフューエルカットを解除する必要がないと判定された場合には、そのまま当該ルーチンを繰り返す。一方、ステップS20の判別結果が真(Yes)で、車速Vが所定車速V1以下になったと判定された場合には、次にステップS22に進む。
【0032】
ステップS22では、フューエルカットを解除すべく、先ずロックアップクラッチ5の解除を行う(直結解除手段)。そして、ステップS24において、フューエルカットの解除を行う。
このようにフューエルカットが解除されると、燃料供給が再開されることになる。そして、燃料供給が再開された後は、図3に示すように、エンジン回転速度Neは安定してアイドル回転速度に保持される。また、このように燃料供給が再開されると、もはやフューエルカット中ではないため、次回ステップS12が実行されたときには、当該ステップS12の判別結果は偽(No)と判定される。
【0033】
一方、上記ステップS14の判別結果が真(Yes)で、ブレーキSW78がON状態であって運転者に積極的な制動要求があると判定された場合には、次にステップS26に進む。
ステップS26では、CVT10の変速比を徐々に増大させる変速比増大制御を行う(第1の制御手段)。
【0034】
運転者に積極的な制動要求があるような場合には、車両が確実に大きく減速すると予測でき、このような場合には、十分に減速感を得るとともに、燃費向上のため、減速期間中においてできるだけ長くフューエルカットを継続するのがよい。
そこで、当該ステップS26では、車速Vが低下してもエンジン回転速度Neが低下せず、急減速中のロックアップクラッチ5解除でもエンジンストールに至らない比較的高回転の所定回転速度Ne1を維持するよう、変速比増大制御、即ち、CVT10の変速比を図3中に実線で示すように増大側に徐々に変化させるような制御を行うようにする。
【0035】
詳しくは、ロックアップクラッチ5が直結のときにはエンジン回転速度Neとプライマリ回転速度Npとは同一であって所定回転速度Ne1は即ち目標Npであり、一方車速Vは即ちセカンダリ回転速度Nsであるため、ここでは、これら所定回転速度Ne1と車速Vとに基づいて変速比を上記変速比の式から求めるようにする。
【0036】
このように変速比増大制御のための変速比が決定されたら、ステップS28において、当該変速比に基づいて変速制御を行う。つまり、上記ステップS18の場合と同様に、変速比に応じてスプール弁50及びスプール弁52の開度調整を行い、CVT10の油圧アクチュエータ18及び油圧アクチュエータ26に供給するライン圧をそれぞれ調圧する。
【0037】
これにより、エンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1に保持され、十分な減速感が得られるとともに、フューエルカットが長期間に亘って継続可能とされ、さらなる燃費の向上が図られる。
ステップS30では、車両の減速力FBを演算する。この減速力FBは、つまりフューエルカットにより燃焼が実施されていない状態でのエンジン1のエンジンブレーキ、即ちエンジンフリクション(ポンピングロスを含む)やオルタネータ負荷等による抵抗の大きさを意味し、これらの抵抗値はエンジン1の個体(仕様等)に依存する。従って、減速力FBは、エンジン1に固有の値としてCVT10の変速比とエンジン回転速度Neとから容易に演算されることになり、エンジン回転速度Neが所定回転速度Ne1で一定の場合には、図3中に二点鎖線で示すように、変速比の増加に応じて増大する。
【0038】
次のステップS32では、スロットルバルブ(図示せず)の開度やオルタネータ(図示せず)のG端子デューティを調節し、エンジンブレーキの要素となるエンジンフリクションやオルタネータ負荷等を減少させるようにする。つまり、減速力FBを図3中に実線で示すように減少させる。
詳しくは、上記のように求めた減速力FBが所定値F1以下になるようにスロットルバルブの開度やオルタネータのG端子デューティを調節するのがよい。所定値F1は、後にロックアップクラッチ5を解除したときに、減速力FBが急に抜けることにより運転者が空走感のような違和感を覚えることのない程度の減速力FBの上限値を示しており、例えば、上記変速比増大制御を実施せずに所定車速V1でロックアップクラッチ5を解除する際の減速力FBに等しいものとされている。
【0039】
実際には、減速力FBとスロットルバルブの開度やオルタネータのG端子デューティとの関係は予め実験等に基づいてマップ化されており、これらスロットルバルブの開度やオルタネータのG端子デューティの調節量は当該マップに基づいて設定される。
ステップS34では、減速力FBが所定値F1以上となり且つ車速Vが所定車速(規定値)V2(V1>V2)以下となったか否かを判別する。
【0040】
上述したように、本制御ではスロットルバルブの開度やオルタネータのG端子デューティの調節により減速力FBが所定値F1以下になるようにしているが、これらの調節には限界があり、実際には、図3に示すように、車速Vの減少とともに変速比は増加し、これに伴い減速力FBは所定値F1を越えるようになる。従って、ここでは、先ず減速力FBが所定値F1以上、即ちロックアップクラッチ5の解除により運転者が空走感のような違和感を覚える程度の減速力FB以上であるか否かを判別する。
【0041】
そして、さらに、車速Vが所定車速V2以下、即ちエンジン回転速度Ne一定の下、変速比が最大変速比(フル・ロー)となるまでにある程度余裕のある車速Vとなったか否かを判別する。
ステップS34の判別結果が真(Yes)で、減速力FBが所定値F1以上で且つ車速Vが所定車速V2以下と判定された場合には、ステップS36に進む。
【0042】
ステップS36では、変速比急変制御を行う。つまり、上記変速比増大制御により徐々に増大させている変速比を一時的に小さく変更する(第2の制御手段)。
このように、変速比を一時的に小さく変更すると、これに応じて所定回転速度Ne1で一定に保持していたエンジン回転速度Neが減少することになり、これにより、本来ならば図3中に破線で示す如くさらに増加する減速力FBが、エンジン1の慣性トルクの放出により、同図中実線で示すように急減し、所定値F1よりも小さく抑制されることになる。
【0043】
そして、ステップS38では、変速比急変制御の実施により低下するエンジン回転速度Neがアイドル回転速度の所定の近傍値にまで低下し、車速Vが、当該所定の近傍値に対応した所定車速V3(V2>V3)以下になったか否かを判別する。判別結果が偽(No)で、車速Vが未だ所定車速V3にまで低下していないと判定される場合には、当該ルーチンの実行を繰り返し、減速力FBを減少させ続ける。
【0044】
一方、ステップS38の判別結果が真(Yes)で、車速Vが所定車速V3にまで低下したと判定された場合には、ステップS22に進み、上述したと同様に、ロックアップクラッチ5の解除を行い(直結解除手段)、ステップS24において、フューエルカットの解除を行うことになる。これにより、燃料供給が再開され、図3に示すように、やはりエンジン回転速度Neが安定してアイドル回転速度に保持される。
【0045】
ところで、このように車速Vが所定車速V3にまで低下した時点でロックアップクラッチ5の解除を行うと、この時点では、減速力FBは、図3にFbで示すように、最終的に所定値F1よりも十分に小さい値となっている。つまり、減速力FBは、ロックアップクラッチ5の解除により運転者が空走感のような違和感を覚える程度の減速力FBよりも十分に小さな値に抑制されている。
【0046】
従って、上述の如く変速比増大制御を行い、減速感を向上させ、フューエルカットを長期間に亘り継続するようにした場合であっても、当該変速比急変制御を実施することにより、ロックアップクラッチ5の解除時に発生する空走感のような違和感を好適に防止することができることとなる。
つまり、本発明の無段変速機付車両の制御装置では、当該ロックアップクラッチ解除制御を実施することで、車速Vが極めて低速になるまでロックアップクラッチ5を接続状態に保持して減速感を向上させ、さらにフューエルカットを長期に亘り継続して燃費の向上を図りながら、ロックアップクラッチ5を解除する際において乗員に空走感のような違和感を与えないようにすることが可能とされている。
【0047】
ロックアップクラッチ5を解除し、フューエルカットを解除した後は、車両がさらに減速して停止に至った際の発進に備えるため、変速比は、図3に示すように最大変速比(フル・ロー)にまで移行制御される。
尚、図3を参照すると、ロックアップクラッチ5が解除されてエンジン1がアイドル状態とされ、エンジンフリクションやオルタネータ負荷等の抵抗が車輪38,38に伝達されなくなってからも減速力FBが生じているが、この減速力FBは主に潜在的に車輪38,38周りで発生する車両の走行抵抗を示している。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の無段変速機付車両の制御装置によれば、無段変速機の変速比を徐々に大きく制御することで車両の減速感を向上させることができ、また、燃料供給の停止(フューエルカット)を長期に亘って継続し、燃費の向上を図ることができ、さらに、当該無段変速機の変速比の増加とともに増大するエンジンフリクション、オルタネータ負荷等のエンジンブレーキによる減速力が所定値を越え且つ車速が規定値以下になり無段変速機の変速比が小さく変更されると、内燃機関の回転速度が一時的に減少させられ、故に内燃機関の慣性トルクが放出されて減速力が低下することになり、このように減速力が小さくなった状態のときに流体継手の直結クラッチ(ロックアップクラッチ)の直結を解除することで、車両の乗員の感じる空走感、即ち違和感を好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機付車両の制御装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るロックアップクラッチ解除制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートに沿い制御した場合の車速V、エンジン回転速度Ne、CVTの変速比、及び車両に働く減速力FBの時間変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
4 流体継手
5 ロックアップクラッチ(直結クラッチ)
10 無段変速機(CVT)
60 エンジン回転センサ
62 プライマリ回転センサ
64 車速センサ(車速検出手段)
70 電子コントロールユニット(ECU)
74 アクセルポジションセンサ(APS)
78 ブレーキスイッチ(ブレーキSW)

Claims (1)

  1. 内燃機関の駆動軸に流体継手を介して無段変速機の接続された車両の制御装置において、
    前記流体継手を直結可能な直結クラッチと、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記直結クラッチが直結状態にあり且つ前記内燃機関への加速指示がないとき、前記車速検出手段により検出される車速の減少に対し前記内燃機関の回転速度が所定回転速度に保持されるよう前記無段変速機の変速比を徐々に大きく制御する第1の制御手段と、
    前記第1の制御手段により前記無段変速機の変速比が徐々に大きく制御されることに伴い増加する車両の減速力が所定値を越え、且つ、前記車速検出手段により検出される車速が規定値以下になったとき、前記無段変速機の変速比を一時的に小さく変更する第2の制御手段と、
    前記第2の制御手段により前記無段変速機の変速比が小さく変更されたとき、前記直結クラッチの直結を解除する直結解除手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機付車両の制御装置。
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