JP3656268B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
排気ガス浄化装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3656268B2 JP3656268B2 JP07192795A JP7192795A JP3656268B2 JP 3656268 B2 JP3656268 B2 JP 3656268B2 JP 07192795 A JP07192795 A JP 07192795A JP 7192795 A JP7192795 A JP 7192795A JP 3656268 B2 JP3656268 B2 JP 3656268B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- flow path
- exhaust
- flow
- adsorption device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01N—GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
- F01N2240/00—Combination or association of two or more different exhaust treating devices, or of at least one such device with an auxiliary device, not covered by indexing codes F01N2230/00 or F01N2250/00, one of the devices being
- F01N2240/18—Combination or association of two or more different exhaust treating devices, or of at least one such device with an auxiliary device, not covered by indexing codes F01N2230/00 or F01N2250/00, one of the devices being an adsorber or absorber
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01N—GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
- F01N2570/00—Exhaust treating apparatus eliminating, absorbing or adsorbing specific elements or compounds
- F01N2570/12—Hydrocarbons
Landscapes
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車等に搭載されるエンジン(内燃機関)の排気ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンの排気ガスを浄化する浄化装置の一つの方式として、貴金属(白金、ロジウム等)などを触媒として担持した担体を用いる排気ガス浄化装置が知られている。この方式による炭化水素化合物(以下HCと略す)の浄化には、一般に触媒活性化温度350℃以上を必要とする。
【0003】
しかしながら、エンジン始動直後においては、上記触媒が触媒活性温度に達していないため、HC浄化は、ほとんど行なわれないという問題がある。
そこで、上記の問題を解決するため、エンジンの排気系に触媒装置を配備し、かつその上流側または下流側に、エンジン冷間時に排出されたHC(以下コールドHCと呼ぶ)を吸着するための吸着剤を納めたHCトラッパーを配備した浄化装置が特開平2−135126号公報、特開平4ー17710号公報、特開平4ー311618号公報等で提案されている。
【0004】
上記特開平2−135126号公報の浄化装置は、触媒装置の上流側にゼオライト系吸着剤を用いた吸着剤装置を配して、吸着剤装置と触媒装置とを併用し、排気ガス低温時には吸着剤にコールドHCを吸着させ、排気ガス高温時には吸着剤から脱離したHCおよびエンジンからの排気HCを触媒で浄化させるものである。
【0005】
また、上記特開平4ー17710号公報、特開平4ー311618号公報の浄化装置は、吸着剤を含むHCトラッパーを触媒装置の下流側に、メイン排気管と並列に配置するとともに、このHCトラッパーを含むバイパス通路とメイン排気管にはそれぞれ流路切替弁を設けている。
そして、エンジン始動直後から所定時間、上記弁を操作し、排気ガスをバイパス通路へ流し、その間、コールドHCはトラッパーに吸着される。エンジン始動後から所定時間経過して、排気ガス温度が上昇し、HCトラッパーの吸着剤からコールドHCが脱離する状態になると、上記弁はメイン排気管に排気ガスを流す位置に切り替わり、この時、トラッパー下流側とエンジン吸気管とをつなぐ脱離用配管にエンジンの吸気管負圧が加わり、脱離したHCは上記吸気管へ吸い込まれて再びエンジン内で燃焼するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のコールドHC吸着技術のうち、触媒装置の上流側にHCトラッパーを配備するものでは、エンジンから排出直後の高温排気ガスがHCトラッパーに流入するので、吸着剤の耐熱性が問題となる。そこで、特開平2ー135126号公報では、耐熱性の高いゼオライト系吸着剤を使用している。しかし、吸着剤は一般に低温ほど吸着性能が高く、ゼオライトでも触媒が活性温度になる前にHCが脱離してしまうので、せっかく吸着したHCが浄化されずに大気へ放出されるという問題が生じる。
【0007】
また、触媒装置の上流にHCトラッパーを配備すると、HCトラッパーそれ自体が大きな熱容量になるため、触媒の活性化、即ち触媒が活性温度に達するまでの時間を遅らせるという問題も生じる。
一方、触媒装置の下流側にHCトラッパーを配備した特開平4ー17710号公報や特開平4ー311618号公報では、コールドHCの吸着性能および触媒の活性化については、上記問題は解決される。
【0008】
しかし、上記両公報のものでは、HCトラッパーに流入する排気ガスの速度分布について何ら考慮していないが、本発明者らの実験検討によれば、HCトラッパーへの流入排気ガスの速度分布が不均一になることにより、吸着剤によるHC吸着効率が大幅に低下するという問題が生じることが分かった。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、吸着装置の流路と、この吸着装置を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路とを切り替える排気ガス流路切替手段を有する排気ガス浄化装置において、この排気ガス流路切替手段を吸着装置の下流側の1箇所に設置して、構造を簡略化できるとともに、吸着装置の上流に位置する拡大管の構成を工夫して、吸着装置への流入排気ガスの速度分布を均一化し、吸着装置による吸着効率を向上できる排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、車両への搭載が容易な排気ガス浄化装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1の発明では、エンジン(1)の排気管(3)内に配設された触媒装置(4)と、
この触媒装置(4)より下流の前記排気管(3)内に配設され、排気ガス有害成分を吸着する吸着剤を担持した吸着装置(5)と、
前記触媒装置(4)より下流の前記排気管(3)内に、前記吸着装置(5)を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路(34)と、
前記吸着装置(5)に吸着された前記排気ガス有害成分を前記触媒装置(4)の上流側に還流させる還流流路(6a、6b)と、
前記吸着装置(5)の下流に設けられ、排気ガスの流通を前記吸着装置(5)の流路と前記排気流路(34)とに選択的に切替可能な排気ガス流路切替手段(8)と、
前記吸着装置(5)および前記排気流路(34)の上流に設けられ、前記排気管(3)に比して流路断面積を拡大するように形成され、排気ガスを前記吸着装置(5)または前記排気流路(34)に導く拡大管(31)と、
前記切替手段(8)をエンジン(1)冷間時には排気ガスを前記吸着装置(5)に流通せしめる位置に切替え、エンジン(1)暖機時には排気ガスを前記排気流路(34)に流通せしめる位置に切替制御する制御手段(10)とを具備し、前記拡大管(31)の広がり角度(θ)は、その内部の排気ガスの流れが片面壁面剥離となる範囲に設定されている排気ガス浄化装置を特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の排気ガス浄化装置において、前記拡大管(31)の広がり角度は、50〜80度の範囲に設定されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置において、前記吸着装置(5)の流路(5d)と前記排気流路(34)は隣接して配置されており、
この両流路(5d、34)を合わせた全体の流路断面形状は楕円状に構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明では、請求項3に記載の排気ガス浄化装置において、前記吸着装置(5)の流路(5d)と前記排気流路(34)は、前記楕円状の長軸方向に隣接して配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項3または4に記載の排気ガス浄化装置において、前記吸着装置(5)および前記排気流路(34)は、前記楕円状の長軸方向が略水平方向となるようにして、車両の車体下方に配置されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排気ガス浄化装置において、前記切替手段(8)をエンジン吸気負圧により駆動するアクチュエータ(9)と、
このアクチュエータ(9)にエンジン吸気負圧を導入する吸気負圧導入流路(15a、15b)と、
この吸気負圧導入流路(15a、15b)に設けられ、前記制御手段(10)により開閉制御される開閉弁(13)と、
前記吸気負圧導入流路(15a、15b)に設けられ、前記アクチュエータ(9)からエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁(14)とを具備することを特徴とする。
【0014】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0015】
【発明の作用効果】
請求項1〜6記載の発明によれば、上記技術的手段を有しているため、エンジン始動後の冷間時、排気ガスは排気ガス流路切替手段(8)の流路切替作用により触媒装置(4)から吸着装置(5)の流路(5d)を経て放出される。この場合、触媒装置(4)では浄化されない排気ガス中のHCは、吸着装置5の吸着剤に吸着される。
【0016】
一方、エンジンの暖機後は排気ガス流路切替手段(8)の流路切替作用により、排気ガスは触媒装置(4)から、吸着装置(5)の存在しない排気流路(34)を経て放出される。このとき、排気ガス中のHCは、高温となり活性化した触媒装置(4)により浄化される。
また、吸着装置(5)の吸着剤に吸着されたHCが脱離し、その脱離HCは還流流路(6a、6b)から、触媒装置(4)上流側に還流されて、触媒装置(4)により脱離HCを速やかに浄化できる。
【0017】
しかも、吸着装置(5)の上流側に位置する拡大管(31)の広がり角度をその内部の排気ガスの流れが片面壁面剥離となる範囲に設定しているから、HC吸着時には、吸着装置(5)側の流路(5d)に排気ガスの速い流れを偏らせることが可能となり、その結果吸着装置(5)に流入する排気ガスの流入速度を均一化できるので、吸着装置全体をHC吸着のために有効活用でき、吸着効率を格段と向上できる。
【0018】
また、HC脱離時には、排気流路(34)側に排気ガスの速い流れを偏らせることができるので、吸着装置(5)上流側に渦が発生するのを抑制でき、そのため、一旦吸着されたHCが排気流路(34)側へ流出するのを防止でき、排気浄化効果を一層高めることができる。
また、吸着装置(5)の流路(5a)と、この吸着装置(5)を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路(34)とを切り替える排気ガス流路切替手段(8)を、吸着装置(5)の下流側の1箇所に設置するだけでよいので、構造を簡略化できる。
【0019】
上記作用効果に加えて、 請求項5記載の発明では、吸着装置(5)および排気流路(34)を、前記楕円状の長軸方向が略水平方向となるようにして、車両の車体(12)下方に配置しているから、吸着装置(5)および排気流路(34)の全体形状が上下方向に対して偏平な形状となり、高さを低くでき、車両への搭載が容易である。
【0020】
請求項6記載の発明では、前記切替手段(8)をエンジン吸気負圧により駆動するアクチュエータ(9)を具備し、このアクチュエータ(9)に対して、エンジン吸気負圧を導入する吸気負圧導入流路(12a、12b)に、前記制御手段(10)により開閉制御される開閉弁(13)と、前記アクチュエータ(9)からエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁(14)を設けているから、エンジン(1)のスロットル弁(2b)が開放されて吸気マニホルド(2a)内の吸気負圧が減少したときには、一方向弁(14)が閉弁して、アクチュエータ(9)内の負圧が直ちに減少するのを防止できる。
【0021】
そのため、アクチュエータ(9)内の大きな負圧を保持できるので、エンジン吸気負圧の減少時に排気圧力脈動、車体の振動等の影響を受けて、前記切替手段が変位してしまうという不具合が生じない。
それ故、アクチュエータ(9)をエンジン吸気負圧の減少時にも対応できるように大きなものに設定する必要がなく、アクチュエータ(9)の小型化を実現でき、車両への搭載上、極めて有利である。
【0022】
【実施例】
以下本発明を図に示す実施例について説明する。
図1は本発明を自動車用エンジンの排気ガス浄化装置に適用した一実施例を示しており、自動車のガソリンエンジン1の排気管3には、排気マニホルド2の直後の位置に触媒装置4が介設してある。この触媒装置4は、白金、ロジウムといった貴金属を主成分とする三元触媒を担持したコージェライトからなるハニカム状の担体を内部に具備して構成されている。
【0023】
排気管3には触媒装置4の下流に流路断面積を拡大する拡大管31が設けてあり、この拡大管31に連続して構成される楕円筒状または円筒状の吸着筒50の中にハニカム構造の吸着装置5が収納してある。吸着装置5はステンレス鋼またはコージェライト等のセラミックからハニカム構造に構成されている。
そして、吸着装置5は、本例では楕円筒状の吸着筒50の半断面形状、すなわち吸着筒50に合致する半楕円筒状に形成されている。吸着装置5はその半楕円筒形状の平坦面が吸着筒50の中心側を向くように配置されている。
【0024】
この吸着装置5は、平行な多数の通孔51を有しており、その上流端を除く他の部分全体にわたって形成された吸着剤担持層5aにはゼオライト系吸着剤が担持されている。ここで、吸着装置5の上流端側には所定幅の吸着剤無担持層5bが設けられている。
また、吸着装置5の吸着剤担持層5aの下流端(後端)直後には排気ガス流路切替弁8が配設してある。この切替弁8は、支点8aを中心として開閉操作されるもので、前記ハニカム構造の吸着装置5の流路5dと、この流路5dの側方に隣接して形成された排気流路34とを切替開閉するものである。
【0025】
前記した拡大管31は図2に示すように、本例では、楕円状の断面形状を有するものであって、その断面の長軸方向が板状の隔壁33により2分割され、その2分割された流路の一方31a側に吸着装置5の流路5dを形成し、他方の流路31b側に排気流路34を形成している。
さらに、上記拡大管31の広がり角度θ(図2の楕円形状の場合には楕円の長軸方向の広がり角度)は、図3(c)に示す片面壁面剥離状態が生じる角度に設定されている。具体的には、この片面壁面剥離状態が生じる角度θは50度〜80度の範囲である。このような拡大管31の広がり角度θの設定により、排気ガスが吸着装置5に流れる時に、吸着装置5における排気ガスの流速分布を均一できるようにしてある。
【0026】
一方、触媒装置4と吸着装置5との間の距離は、触媒装置4が排気ガスにより加熱されて活性化温度に達するタイミングと、吸着装置5に担持された吸着剤が加熱されて吸着機能を失うタイミングとがほぼ一致する距離に設定される。すなわち、触媒装置4の触媒活性化温度(350°C)より、吸着装置5に担持された吸着剤が吸着機能を失う温度(換言すれば、吸着剤のHC脱離開始温度で、100°C〜200°C)の方が低いので、触媒装置4より所定距離下流に吸着装置5を設定することにより、上記両タイミングを一致させることができる。
【0027】
吸着装置5は排気流路34との間に前記板状の隔壁33を有し、この隔壁33によって吸着装置5は排気流路34と分離され、かつ吸着筒50に押しつけられ保持されている。なお、隔壁33には図示しない穴が設けられており、この穴によって排気流路34内の排気ガスが直接吸着装置5に接触し得るようになっている。
【0028】
一方、吸着装置5の下流端に近接する位置で、かつ切替弁8より上流の位置から還流流路6aが分岐し、この流路6aはリード弁7を介して、排気マニホールド2に連通する還流流路6bに連結されている。リード弁7は、前記流路6a、6bの流通を一方向すなわち吸着装置5の下流端から排気マニホルド2側へ向かう一方向のみに制御する流通調整手段をなすものであって、後記する一方向弁7aおよび開閉弁7bよりなる。
【0029】
前記切替弁8は吸着筒50の外面に設置されたアクチュエータ9によりアーム9a、図示しないリンク機構等を介して駆動されるようになっている。このアクチュエータ9は、本例ではダイヤフラムと、このダイヤフラムを作動させるエンジン吸気負圧を断続する電磁弁とから構成されている。
前述したリード弁7の一方向弁7aは触媒装置4の上流側および吸着装置5下流側の、排気脈動の差圧で作動して、還流流路6a側から還流流路6b側への流体の流通のみ許容するものである。また、開閉弁7bは、弁体を駆動するダイヤフラムと、このダイヤフラムを作動させるエンジン吸気負圧を断続する電磁弁とから構成されている。
【0030】
10はマイクロコンピュータ内蔵の制御装置(制御手段)で、エンジン1や排気温センサ11からの信号を受け、エンジン1の運転状態に応じて開閉弁7bおよびアクチュエータ9の電磁弁を開閉制御し、これにより切替弁8や開閉弁7bを制御するようになっている。
次に、上記構成において本実施例装置の作動を説明する。図4は作動説明用のフローチャートであり、エンジン1のイグニッションスイッチが投入され、エンジン1が始動すると、制御装置10のマイクロコンピュータがスタートし(ステップS1)、次に初期化処理(S2)をした後に、S3にて、制御装置10により開閉弁7bを閉じるとともに、アクチュエータ9を作動させてアーム9aを介して切替弁8を破線に示す閉弁位置に回動操作する。その結果、排気流路34を閉じ、吸着装置5の流路5dを開く。
【0031】
エンジン1の始動直後は排気ガス温度が低く、エンジン1は多量のコールドHCを含んだ排気ガスを排出する。排気ガス温度が低い間は触媒が活性化温度に達していないため、コールドHCは触媒装置4でほとんど浄化されずに排気管3を流れる。このとき、排気ガス温度は排気温センサ11により検知されている。
この排気ガス流は、切替弁8の閉弁により排気流路(主流路)34側には流れず、吸着装置5の流路5dに流れる。その際、まずゼオライトを担持してない吸着剤無担持層5bを通り、次いでゼオライトを担持した吸着剤担持層5aを流れ、ここでコールドHCは吸着剤に吸着される。
【0032】
そして、コールドHCが除去された排気ガスは図示しないマフラーを経て大気中に放出される。この時、拡大管31の広がり角度θを前述したように図3(c)の片面壁面剥離が生じる範囲の角度(θ=50〜80度)に設定しているため、排気ガスは均一な流速分布となって、吸着装置5内へ流入するので、吸着装置5のハニカム担持体全体に対してコールドHCが均一に吸着され、吸着効率が向上する。
【0033】
因みに、図3の(a)、(b)は上記角度範囲よりθが小さい場合であり、また(d)は上記角度範囲よりθが大きい場合であり、この(a)、(b)、(d)に示す流れ形態では、いずれも、拡大管31の片側の流路31aのみに速い流れを偏らせることができないので、この片側の流路31aの下流に設置された吸着装置5内への流入排気ガスの流速分布が不均一になってしまう。
【0034】
次に、エンジン1が暖機して、排気ガス温度が吸着剤のHC吸着可能温度を越えるに至る所定時間(ta)を経過すると(t>ta)、図4のS4の判定がYESとなり、S5に移行する。
これにより、制御装置10からの信号でアクチュエータ9が作動し、アクチュエータ9はアーム9aを介して、切替弁8を反時計方向に回動して、実線に示す開弁位置に移動し、排気流路(主流路)34が開通する。そのため、排気ガスは流路が切換えられ吸着装置5の存在しない排気流路34側を主に流れる。このとき、触媒は活性化温度に達しているので、排気ガス中のHCは触媒装置4で浄化され、HCをほとんど含まない排気ガスが上記排気流路34を経て大気中に放出される。
【0035】
また、上記ステップS5において、切替弁8が開弁された直後、S6にて制御装置10からの信号で開閉弁7bが開弁する。
一方、吸着装置5の側面では、既に高温となった排気ガスが排気流路34を流通している。この高温の排気ガスは隔壁33の穴を介し、吸着装置5の吸着剤担持層5aと接している。そのため、排気ガスの熱は吸着剤担持層5aに良好に伝えられ吸着剤が速やかに昇温してHCの脱離を促進する。
【0036】
このとき、上記のように開閉弁7bは開弁されているから排気マニホールド31内に発生する排気ガス脈動圧は還流流路6bを介して一方向弁7aの裏面に加わる。さらに、吸着装置5の下流に発生する排気ガス脈動圧は還流流路6aを介して一方向弁7aの表面に加わり、一方向弁7aを断続的に開弁させる。
これにより、吸着装置5の吸着剤担持層5aの吸着剤から脱離したHCは還流流路6a,6bを経て排気マニホールド2に速やかに流入する。そしてエンジン1からの排気ガス中のHCとともに触媒装置4で浄化されるのである。
【0037】
上記のごとくHCの脱離時には、吸着装置5を通過する排気ガスの流れが微少となるため、一旦吸着されたHCが吸着装置5の上流側へ引きずり出されるという現象が生じることがあるが、本例では、吸着装置5の上流側に吸着剤無担持層5cが形成されているので、吸着装置5の吸着HCの排気流路34側への流出が防止される。
【0038】
また、上記HCの脱離時においても、排気ガスの流れに片面壁面剥離の状態が生じて、排気流路34側に排気ガスの速い流れが偏るので、吸着装置5の上流部に排気ガスの渦が発生することを抑制できる。従って、この渦により吸着HCが排気流路34側に引きずり出されるという不具合も防止できる。
以上のことから、吸着装置5から脱離したHCは、確実に還流流路6a,6bを経て排気マニホールド2に速やかに流入し、触媒装置4で浄化できるので、HCの浄化効率をより一層向上できる。
【0039】
また、脱離HCをエンジン1の排気マニホルド2側に還流して、吸気マニホルド2aには還流していないので、脱離HCの還流によるエンジン制御への影響を極力小さくできる。
一方、切替弁8が開位置(実線図示)に切換えられてHC脱離浄化行程に入った後、HCの脱離が完了する時間(tb)が経過すると〔t>(ta+tb)〕、S7の判定がYESとなり、S8に移行して、制御装置10からの信号で開閉弁7bが閉じられる。
【0040】
なお、上記実施例では、制御装置10からの信号で切替弁8をHC脱離・浄化行程側(実線の開弁位置)へ切換えるタイミングをエンジン始動から所定時間経過後としたが、この所定時間経過を判定する代わりに、排気ガス温度が所定の高温に達した時点としてもよい。
また、上記実施例では、リード弁7には一方向弁7aと開閉弁7bとを合わせ持つ構成としたが、一方向弁7aのみとしてもよい。
【0041】
ところで、本実施例の排気ガス浄化装置では、触媒が活性化温度に達するまでのエンジン冷間時にもコールドHCを吸着装置5で吸着して、コールドHCの大気への放出が防止される。そして、本装置では特に、吸着されたHCが脱離している時、一方向弁7aの表面・裏面に加わる排気ガスの脈動圧により一方向弁7aを断続的に開弁して、脱離したHCを還流流路6a、6bを通して、触媒装置4の上流側に還流して、効果的にHCの循環、浄化を行うことができる。
【0042】
次に、前述の実施例装置を車両(自動車)への搭載に当たっての具体的工夫点を述べる。
図5は本発明の要部をなす吸着筒50部分の車両への搭載状態を示すもので、吸着筒50はその断面形状の楕円の長軸方向が略水平となるようにして、車両の車体12の凹状部12a下方(車両床下)に搭載されている。また、アクチュエータ9のアーム9aを図示のように金属板材で形成するとともに吸着筒50上部の切替弁8側連結部から下方に向かって曲げた曲げ形状にして、アクチュエータ9が吸着筒50の上方へ突出しないようにしてある。
【0043】
このような搭載レイアウトにすることにより、吸着筒50部分の全体高さが小となり、車両への搭載が容易になる。
また、アクチュエータ9のアーム9aを図示するように吸着筒50の上方側に配置しているので、車両走行時の飛び石がアーム9aに衝突することを大幅に低減でき、従ってアーム9aの損傷、変形によるアクチュエータ9の故障を低減できる。
【0044】
なお、図5では、吸着筒50の図示左側部分に吸着装置5が配置され、図示右側部分に排気流路34が配置されている。そして、50aは切替弁8の下流側の排気出口管である。
図6はアクチュエータ9および還流流路6aの配置位置を示すもので、この両者9、6aを近接して配置しているので、この両者9、6aの設置スペースを低減できる。
【0045】
さらに、図6に図示するように、吸着筒50の排気ガス下流側の端部に斜面50bを形成し、この斜面50bに上記9、6aを近接して配置しているので、吸着筒50の排気流れ方向の長さ(図6の左右方向長さ)も短縮でき、より一層車両への搭載が容易になる。
図7は本発明の他の実施例を示すもので、排気ガス流路切替弁8を駆動するアクチュエータ9をエンジン1の吸気負圧により作動するダイヤフラム9bで構成する場合に、このアクチュエータ9を小型化するための工夫をしたものである。
【0046】
すなわち、図7に示すように、アクチュエータ9の圧力室9cに接続された吸気負圧導入管15aと、エンジン1の吸気マニホルド(サージタンク)2aに接続された吸気負圧導入管15bとの間に、制御装置10により開閉制御される開閉弁(電磁弁)13、およびアクチュエータ9からエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁14を直列に配設している。
【0047】
なお、開閉弁13は、吸気負圧導入管15a、15bの間の通路の開閉と、吸気負圧導入管15aと大気開放口(図示せず)間の開閉を行う3方弁タイプのものである。
図7の実施例による作動も図4に示す作動と同じであって、エンジン1の始動直後では、図4のステップS3において、制御装置10から開閉弁13に通電され、この開閉弁13は吸気負圧導入管15a、15bの間を連通させる。これにより、エンジン1の吸気負圧が一方向弁14を通ってアクチュエータ9の圧力室9cに加わり、ダイヤフラム9bがアーム9aを介して、排気ガス流路切替弁8を図示破線位置(閉弁位置)に駆動する。
【0048】
そして、エンジン1が暖機して、図4のステップS4の判定がYESとなると、ステップS5で制御装置10から開閉弁13への通電が遮断されるので、この開閉弁13は吸気負圧導入管15a、15bの間を遮断する。これと同時に、開閉弁13はその大気開放口を吸気負圧導入管15aに連通させるので、アクチュエータ9の圧力室9cの負圧は急速に減少し、ダイヤフラム9bがスプリング9dの力により変位して、アーム9aを介して、排気ガス流路切替弁8を図示実線位置(開弁位置)に駆動する。
【0049】
ところで、図7の実施例では、上記したように、アクチュエータ9への吸気負圧導入管15a、15bの途中に、開閉弁13の他に、一方向弁14を配設しているから、エンジン1のスロットル弁2bが開放されて吸気マニホルド2a内の吸気負圧が減少したときには、一方向弁14が閉弁して、吸気マニホルド2a側からアクチュエータ9の圧力室9cに空気が流入するのを阻止できる。
【0050】
従って、エンジン1のスロットル弁2bが開放された時にも、アクチュエータ9の圧力室9c内の負圧が直ちに減少するのが一方向弁14によって防止され、アクチュエータ9の大きな負圧を保持できる。そのため、排気ガス流路切替弁8がスロットル弁2bの開放時(エンジン吸気負圧の減少時)に排気圧力脈動、車体の振動等の影響を受けて、破線で示す閉弁位置から開いてしまうという不具合が生じない。
【0051】
それ故、アクチュエータ9をエンジン吸気負圧の減少時にも対応できるように大きなものに設定する必要がなく、アクチュエータ9の小型化を実現でき、車両への搭載上、極めて有利である。
なお、本発明は上述の図示の実施例に限定されず、種々変形可能であり、例えば、還流流路6a、6bを触媒装置4の直ぐ上流の排気流路に接続せず、エンジン1の吸気マニホルド2a側へ接続するタイプにも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置の全体構成図である。
【図2】図1の実施例装置における拡大管および吸着筒の形状を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は図2の拡大管における広がり角度と排気ガスの流れ形態との関係を示す説明図である。
【図4】一実施例装置の作動を示すフローチャートである。
【図5】一実施例装置の車両への搭載図である。
【図6】一実施例装置におけるアクチュエータ等の取付位置を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す装置全体の構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…排気マニホルド、2a…吸気マニホルド、3…排気管、
31…拡大管、34…排気流路、4…触媒装置、5…吸着装置、
6a,6b…還流流路、8…排気ガス流路切替弁、9…アクチュエータ、
10…制御装置、15a、15b…吸気負圧導入管、13…開閉弁、
14…一方向弁。
【産業上の利用分野】
本発明は自動車等に搭載されるエンジン(内燃機関)の排気ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンの排気ガスを浄化する浄化装置の一つの方式として、貴金属(白金、ロジウム等)などを触媒として担持した担体を用いる排気ガス浄化装置が知られている。この方式による炭化水素化合物(以下HCと略す)の浄化には、一般に触媒活性化温度350℃以上を必要とする。
【0003】
しかしながら、エンジン始動直後においては、上記触媒が触媒活性温度に達していないため、HC浄化は、ほとんど行なわれないという問題がある。
そこで、上記の問題を解決するため、エンジンの排気系に触媒装置を配備し、かつその上流側または下流側に、エンジン冷間時に排出されたHC(以下コールドHCと呼ぶ)を吸着するための吸着剤を納めたHCトラッパーを配備した浄化装置が特開平2−135126号公報、特開平4ー17710号公報、特開平4ー311618号公報等で提案されている。
【0004】
上記特開平2−135126号公報の浄化装置は、触媒装置の上流側にゼオライト系吸着剤を用いた吸着剤装置を配して、吸着剤装置と触媒装置とを併用し、排気ガス低温時には吸着剤にコールドHCを吸着させ、排気ガス高温時には吸着剤から脱離したHCおよびエンジンからの排気HCを触媒で浄化させるものである。
【0005】
また、上記特開平4ー17710号公報、特開平4ー311618号公報の浄化装置は、吸着剤を含むHCトラッパーを触媒装置の下流側に、メイン排気管と並列に配置するとともに、このHCトラッパーを含むバイパス通路とメイン排気管にはそれぞれ流路切替弁を設けている。
そして、エンジン始動直後から所定時間、上記弁を操作し、排気ガスをバイパス通路へ流し、その間、コールドHCはトラッパーに吸着される。エンジン始動後から所定時間経過して、排気ガス温度が上昇し、HCトラッパーの吸着剤からコールドHCが脱離する状態になると、上記弁はメイン排気管に排気ガスを流す位置に切り替わり、この時、トラッパー下流側とエンジン吸気管とをつなぐ脱離用配管にエンジンの吸気管負圧が加わり、脱離したHCは上記吸気管へ吸い込まれて再びエンジン内で燃焼するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のコールドHC吸着技術のうち、触媒装置の上流側にHCトラッパーを配備するものでは、エンジンから排出直後の高温排気ガスがHCトラッパーに流入するので、吸着剤の耐熱性が問題となる。そこで、特開平2ー135126号公報では、耐熱性の高いゼオライト系吸着剤を使用している。しかし、吸着剤は一般に低温ほど吸着性能が高く、ゼオライトでも触媒が活性温度になる前にHCが脱離してしまうので、せっかく吸着したHCが浄化されずに大気へ放出されるという問題が生じる。
【0007】
また、触媒装置の上流にHCトラッパーを配備すると、HCトラッパーそれ自体が大きな熱容量になるため、触媒の活性化、即ち触媒が活性温度に達するまでの時間を遅らせるという問題も生じる。
一方、触媒装置の下流側にHCトラッパーを配備した特開平4ー17710号公報や特開平4ー311618号公報では、コールドHCの吸着性能および触媒の活性化については、上記問題は解決される。
【0008】
しかし、上記両公報のものでは、HCトラッパーに流入する排気ガスの速度分布について何ら考慮していないが、本発明者らの実験検討によれば、HCトラッパーへの流入排気ガスの速度分布が不均一になることにより、吸着剤によるHC吸着効率が大幅に低下するという問題が生じることが分かった。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、吸着装置の流路と、この吸着装置を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路とを切り替える排気ガス流路切替手段を有する排気ガス浄化装置において、この排気ガス流路切替手段を吸着装置の下流側の1箇所に設置して、構造を簡略化できるとともに、吸着装置の上流に位置する拡大管の構成を工夫して、吸着装置への流入排気ガスの速度分布を均一化し、吸着装置による吸着効率を向上できる排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、車両への搭載が容易な排気ガス浄化装置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1の発明では、エンジン(1)の排気管(3)内に配設された触媒装置(4)と、
この触媒装置(4)より下流の前記排気管(3)内に配設され、排気ガス有害成分を吸着する吸着剤を担持した吸着装置(5)と、
前記触媒装置(4)より下流の前記排気管(3)内に、前記吸着装置(5)を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路(34)と、
前記吸着装置(5)に吸着された前記排気ガス有害成分を前記触媒装置(4)の上流側に還流させる還流流路(6a、6b)と、
前記吸着装置(5)の下流に設けられ、排気ガスの流通を前記吸着装置(5)の流路と前記排気流路(34)とに選択的に切替可能な排気ガス流路切替手段(8)と、
前記吸着装置(5)および前記排気流路(34)の上流に設けられ、前記排気管(3)に比して流路断面積を拡大するように形成され、排気ガスを前記吸着装置(5)または前記排気流路(34)に導く拡大管(31)と、
前記切替手段(8)をエンジン(1)冷間時には排気ガスを前記吸着装置(5)に流通せしめる位置に切替え、エンジン(1)暖機時には排気ガスを前記排気流路(34)に流通せしめる位置に切替制御する制御手段(10)とを具備し、前記拡大管(31)の広がり角度(θ)は、その内部の排気ガスの流れが片面壁面剥離となる範囲に設定されている排気ガス浄化装置を特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載の排気ガス浄化装置において、前記拡大管(31)の広がり角度は、50〜80度の範囲に設定されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置において、前記吸着装置(5)の流路(5d)と前記排気流路(34)は隣接して配置されており、
この両流路(5d、34)を合わせた全体の流路断面形状は楕円状に構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明では、請求項3に記載の排気ガス浄化装置において、前記吸着装置(5)の流路(5d)と前記排気流路(34)は、前記楕円状の長軸方向に隣接して配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項3または4に記載の排気ガス浄化装置において、前記吸着装置(5)および前記排気流路(34)は、前記楕円状の長軸方向が略水平方向となるようにして、車両の車体下方に配置されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排気ガス浄化装置において、前記切替手段(8)をエンジン吸気負圧により駆動するアクチュエータ(9)と、
このアクチュエータ(9)にエンジン吸気負圧を導入する吸気負圧導入流路(15a、15b)と、
この吸気負圧導入流路(15a、15b)に設けられ、前記制御手段(10)により開閉制御される開閉弁(13)と、
前記吸気負圧導入流路(15a、15b)に設けられ、前記アクチュエータ(9)からエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁(14)とを具備することを特徴とする。
【0014】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0015】
【発明の作用効果】
請求項1〜6記載の発明によれば、上記技術的手段を有しているため、エンジン始動後の冷間時、排気ガスは排気ガス流路切替手段(8)の流路切替作用により触媒装置(4)から吸着装置(5)の流路(5d)を経て放出される。この場合、触媒装置(4)では浄化されない排気ガス中のHCは、吸着装置5の吸着剤に吸着される。
【0016】
一方、エンジンの暖機後は排気ガス流路切替手段(8)の流路切替作用により、排気ガスは触媒装置(4)から、吸着装置(5)の存在しない排気流路(34)を経て放出される。このとき、排気ガス中のHCは、高温となり活性化した触媒装置(4)により浄化される。
また、吸着装置(5)の吸着剤に吸着されたHCが脱離し、その脱離HCは還流流路(6a、6b)から、触媒装置(4)上流側に還流されて、触媒装置(4)により脱離HCを速やかに浄化できる。
【0017】
しかも、吸着装置(5)の上流側に位置する拡大管(31)の広がり角度をその内部の排気ガスの流れが片面壁面剥離となる範囲に設定しているから、HC吸着時には、吸着装置(5)側の流路(5d)に排気ガスの速い流れを偏らせることが可能となり、その結果吸着装置(5)に流入する排気ガスの流入速度を均一化できるので、吸着装置全体をHC吸着のために有効活用でき、吸着効率を格段と向上できる。
【0018】
また、HC脱離時には、排気流路(34)側に排気ガスの速い流れを偏らせることができるので、吸着装置(5)上流側に渦が発生するのを抑制でき、そのため、一旦吸着されたHCが排気流路(34)側へ流出するのを防止でき、排気浄化効果を一層高めることができる。
また、吸着装置(5)の流路(5a)と、この吸着装置(5)を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路(34)とを切り替える排気ガス流路切替手段(8)を、吸着装置(5)の下流側の1箇所に設置するだけでよいので、構造を簡略化できる。
【0019】
上記作用効果に加えて、 請求項5記載の発明では、吸着装置(5)および排気流路(34)を、前記楕円状の長軸方向が略水平方向となるようにして、車両の車体(12)下方に配置しているから、吸着装置(5)および排気流路(34)の全体形状が上下方向に対して偏平な形状となり、高さを低くでき、車両への搭載が容易である。
【0020】
請求項6記載の発明では、前記切替手段(8)をエンジン吸気負圧により駆動するアクチュエータ(9)を具備し、このアクチュエータ(9)に対して、エンジン吸気負圧を導入する吸気負圧導入流路(12a、12b)に、前記制御手段(10)により開閉制御される開閉弁(13)と、前記アクチュエータ(9)からエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁(14)を設けているから、エンジン(1)のスロットル弁(2b)が開放されて吸気マニホルド(2a)内の吸気負圧が減少したときには、一方向弁(14)が閉弁して、アクチュエータ(9)内の負圧が直ちに減少するのを防止できる。
【0021】
そのため、アクチュエータ(9)内の大きな負圧を保持できるので、エンジン吸気負圧の減少時に排気圧力脈動、車体の振動等の影響を受けて、前記切替手段が変位してしまうという不具合が生じない。
それ故、アクチュエータ(9)をエンジン吸気負圧の減少時にも対応できるように大きなものに設定する必要がなく、アクチュエータ(9)の小型化を実現でき、車両への搭載上、極めて有利である。
【0022】
【実施例】
以下本発明を図に示す実施例について説明する。
図1は本発明を自動車用エンジンの排気ガス浄化装置に適用した一実施例を示しており、自動車のガソリンエンジン1の排気管3には、排気マニホルド2の直後の位置に触媒装置4が介設してある。この触媒装置4は、白金、ロジウムといった貴金属を主成分とする三元触媒を担持したコージェライトからなるハニカム状の担体を内部に具備して構成されている。
【0023】
排気管3には触媒装置4の下流に流路断面積を拡大する拡大管31が設けてあり、この拡大管31に連続して構成される楕円筒状または円筒状の吸着筒50の中にハニカム構造の吸着装置5が収納してある。吸着装置5はステンレス鋼またはコージェライト等のセラミックからハニカム構造に構成されている。
そして、吸着装置5は、本例では楕円筒状の吸着筒50の半断面形状、すなわち吸着筒50に合致する半楕円筒状に形成されている。吸着装置5はその半楕円筒形状の平坦面が吸着筒50の中心側を向くように配置されている。
【0024】
この吸着装置5は、平行な多数の通孔51を有しており、その上流端を除く他の部分全体にわたって形成された吸着剤担持層5aにはゼオライト系吸着剤が担持されている。ここで、吸着装置5の上流端側には所定幅の吸着剤無担持層5bが設けられている。
また、吸着装置5の吸着剤担持層5aの下流端(後端)直後には排気ガス流路切替弁8が配設してある。この切替弁8は、支点8aを中心として開閉操作されるもので、前記ハニカム構造の吸着装置5の流路5dと、この流路5dの側方に隣接して形成された排気流路34とを切替開閉するものである。
【0025】
前記した拡大管31は図2に示すように、本例では、楕円状の断面形状を有するものであって、その断面の長軸方向が板状の隔壁33により2分割され、その2分割された流路の一方31a側に吸着装置5の流路5dを形成し、他方の流路31b側に排気流路34を形成している。
さらに、上記拡大管31の広がり角度θ(図2の楕円形状の場合には楕円の長軸方向の広がり角度)は、図3(c)に示す片面壁面剥離状態が生じる角度に設定されている。具体的には、この片面壁面剥離状態が生じる角度θは50度〜80度の範囲である。このような拡大管31の広がり角度θの設定により、排気ガスが吸着装置5に流れる時に、吸着装置5における排気ガスの流速分布を均一できるようにしてある。
【0026】
一方、触媒装置4と吸着装置5との間の距離は、触媒装置4が排気ガスにより加熱されて活性化温度に達するタイミングと、吸着装置5に担持された吸着剤が加熱されて吸着機能を失うタイミングとがほぼ一致する距離に設定される。すなわち、触媒装置4の触媒活性化温度(350°C)より、吸着装置5に担持された吸着剤が吸着機能を失う温度(換言すれば、吸着剤のHC脱離開始温度で、100°C〜200°C)の方が低いので、触媒装置4より所定距離下流に吸着装置5を設定することにより、上記両タイミングを一致させることができる。
【0027】
吸着装置5は排気流路34との間に前記板状の隔壁33を有し、この隔壁33によって吸着装置5は排気流路34と分離され、かつ吸着筒50に押しつけられ保持されている。なお、隔壁33には図示しない穴が設けられており、この穴によって排気流路34内の排気ガスが直接吸着装置5に接触し得るようになっている。
【0028】
一方、吸着装置5の下流端に近接する位置で、かつ切替弁8より上流の位置から還流流路6aが分岐し、この流路6aはリード弁7を介して、排気マニホールド2に連通する還流流路6bに連結されている。リード弁7は、前記流路6a、6bの流通を一方向すなわち吸着装置5の下流端から排気マニホルド2側へ向かう一方向のみに制御する流通調整手段をなすものであって、後記する一方向弁7aおよび開閉弁7bよりなる。
【0029】
前記切替弁8は吸着筒50の外面に設置されたアクチュエータ9によりアーム9a、図示しないリンク機構等を介して駆動されるようになっている。このアクチュエータ9は、本例ではダイヤフラムと、このダイヤフラムを作動させるエンジン吸気負圧を断続する電磁弁とから構成されている。
前述したリード弁7の一方向弁7aは触媒装置4の上流側および吸着装置5下流側の、排気脈動の差圧で作動して、還流流路6a側から還流流路6b側への流体の流通のみ許容するものである。また、開閉弁7bは、弁体を駆動するダイヤフラムと、このダイヤフラムを作動させるエンジン吸気負圧を断続する電磁弁とから構成されている。
【0030】
10はマイクロコンピュータ内蔵の制御装置(制御手段)で、エンジン1や排気温センサ11からの信号を受け、エンジン1の運転状態に応じて開閉弁7bおよびアクチュエータ9の電磁弁を開閉制御し、これにより切替弁8や開閉弁7bを制御するようになっている。
次に、上記構成において本実施例装置の作動を説明する。図4は作動説明用のフローチャートであり、エンジン1のイグニッションスイッチが投入され、エンジン1が始動すると、制御装置10のマイクロコンピュータがスタートし(ステップS1)、次に初期化処理(S2)をした後に、S3にて、制御装置10により開閉弁7bを閉じるとともに、アクチュエータ9を作動させてアーム9aを介して切替弁8を破線に示す閉弁位置に回動操作する。その結果、排気流路34を閉じ、吸着装置5の流路5dを開く。
【0031】
エンジン1の始動直後は排気ガス温度が低く、エンジン1は多量のコールドHCを含んだ排気ガスを排出する。排気ガス温度が低い間は触媒が活性化温度に達していないため、コールドHCは触媒装置4でほとんど浄化されずに排気管3を流れる。このとき、排気ガス温度は排気温センサ11により検知されている。
この排気ガス流は、切替弁8の閉弁により排気流路(主流路)34側には流れず、吸着装置5の流路5dに流れる。その際、まずゼオライトを担持してない吸着剤無担持層5bを通り、次いでゼオライトを担持した吸着剤担持層5aを流れ、ここでコールドHCは吸着剤に吸着される。
【0032】
そして、コールドHCが除去された排気ガスは図示しないマフラーを経て大気中に放出される。この時、拡大管31の広がり角度θを前述したように図3(c)の片面壁面剥離が生じる範囲の角度(θ=50〜80度)に設定しているため、排気ガスは均一な流速分布となって、吸着装置5内へ流入するので、吸着装置5のハニカム担持体全体に対してコールドHCが均一に吸着され、吸着効率が向上する。
【0033】
因みに、図3の(a)、(b)は上記角度範囲よりθが小さい場合であり、また(d)は上記角度範囲よりθが大きい場合であり、この(a)、(b)、(d)に示す流れ形態では、いずれも、拡大管31の片側の流路31aのみに速い流れを偏らせることができないので、この片側の流路31aの下流に設置された吸着装置5内への流入排気ガスの流速分布が不均一になってしまう。
【0034】
次に、エンジン1が暖機して、排気ガス温度が吸着剤のHC吸着可能温度を越えるに至る所定時間(ta)を経過すると(t>ta)、図4のS4の判定がYESとなり、S5に移行する。
これにより、制御装置10からの信号でアクチュエータ9が作動し、アクチュエータ9はアーム9aを介して、切替弁8を反時計方向に回動して、実線に示す開弁位置に移動し、排気流路(主流路)34が開通する。そのため、排気ガスは流路が切換えられ吸着装置5の存在しない排気流路34側を主に流れる。このとき、触媒は活性化温度に達しているので、排気ガス中のHCは触媒装置4で浄化され、HCをほとんど含まない排気ガスが上記排気流路34を経て大気中に放出される。
【0035】
また、上記ステップS5において、切替弁8が開弁された直後、S6にて制御装置10からの信号で開閉弁7bが開弁する。
一方、吸着装置5の側面では、既に高温となった排気ガスが排気流路34を流通している。この高温の排気ガスは隔壁33の穴を介し、吸着装置5の吸着剤担持層5aと接している。そのため、排気ガスの熱は吸着剤担持層5aに良好に伝えられ吸着剤が速やかに昇温してHCの脱離を促進する。
【0036】
このとき、上記のように開閉弁7bは開弁されているから排気マニホールド31内に発生する排気ガス脈動圧は還流流路6bを介して一方向弁7aの裏面に加わる。さらに、吸着装置5の下流に発生する排気ガス脈動圧は還流流路6aを介して一方向弁7aの表面に加わり、一方向弁7aを断続的に開弁させる。
これにより、吸着装置5の吸着剤担持層5aの吸着剤から脱離したHCは還流流路6a,6bを経て排気マニホールド2に速やかに流入する。そしてエンジン1からの排気ガス中のHCとともに触媒装置4で浄化されるのである。
【0037】
上記のごとくHCの脱離時には、吸着装置5を通過する排気ガスの流れが微少となるため、一旦吸着されたHCが吸着装置5の上流側へ引きずり出されるという現象が生じることがあるが、本例では、吸着装置5の上流側に吸着剤無担持層5cが形成されているので、吸着装置5の吸着HCの排気流路34側への流出が防止される。
【0038】
また、上記HCの脱離時においても、排気ガスの流れに片面壁面剥離の状態が生じて、排気流路34側に排気ガスの速い流れが偏るので、吸着装置5の上流部に排気ガスの渦が発生することを抑制できる。従って、この渦により吸着HCが排気流路34側に引きずり出されるという不具合も防止できる。
以上のことから、吸着装置5から脱離したHCは、確実に還流流路6a,6bを経て排気マニホールド2に速やかに流入し、触媒装置4で浄化できるので、HCの浄化効率をより一層向上できる。
【0039】
また、脱離HCをエンジン1の排気マニホルド2側に還流して、吸気マニホルド2aには還流していないので、脱離HCの還流によるエンジン制御への影響を極力小さくできる。
一方、切替弁8が開位置(実線図示)に切換えられてHC脱離浄化行程に入った後、HCの脱離が完了する時間(tb)が経過すると〔t>(ta+tb)〕、S7の判定がYESとなり、S8に移行して、制御装置10からの信号で開閉弁7bが閉じられる。
【0040】
なお、上記実施例では、制御装置10からの信号で切替弁8をHC脱離・浄化行程側(実線の開弁位置)へ切換えるタイミングをエンジン始動から所定時間経過後としたが、この所定時間経過を判定する代わりに、排気ガス温度が所定の高温に達した時点としてもよい。
また、上記実施例では、リード弁7には一方向弁7aと開閉弁7bとを合わせ持つ構成としたが、一方向弁7aのみとしてもよい。
【0041】
ところで、本実施例の排気ガス浄化装置では、触媒が活性化温度に達するまでのエンジン冷間時にもコールドHCを吸着装置5で吸着して、コールドHCの大気への放出が防止される。そして、本装置では特に、吸着されたHCが脱離している時、一方向弁7aの表面・裏面に加わる排気ガスの脈動圧により一方向弁7aを断続的に開弁して、脱離したHCを還流流路6a、6bを通して、触媒装置4の上流側に還流して、効果的にHCの循環、浄化を行うことができる。
【0042】
次に、前述の実施例装置を車両(自動車)への搭載に当たっての具体的工夫点を述べる。
図5は本発明の要部をなす吸着筒50部分の車両への搭載状態を示すもので、吸着筒50はその断面形状の楕円の長軸方向が略水平となるようにして、車両の車体12の凹状部12a下方(車両床下)に搭載されている。また、アクチュエータ9のアーム9aを図示のように金属板材で形成するとともに吸着筒50上部の切替弁8側連結部から下方に向かって曲げた曲げ形状にして、アクチュエータ9が吸着筒50の上方へ突出しないようにしてある。
【0043】
このような搭載レイアウトにすることにより、吸着筒50部分の全体高さが小となり、車両への搭載が容易になる。
また、アクチュエータ9のアーム9aを図示するように吸着筒50の上方側に配置しているので、車両走行時の飛び石がアーム9aに衝突することを大幅に低減でき、従ってアーム9aの損傷、変形によるアクチュエータ9の故障を低減できる。
【0044】
なお、図5では、吸着筒50の図示左側部分に吸着装置5が配置され、図示右側部分に排気流路34が配置されている。そして、50aは切替弁8の下流側の排気出口管である。
図6はアクチュエータ9および還流流路6aの配置位置を示すもので、この両者9、6aを近接して配置しているので、この両者9、6aの設置スペースを低減できる。
【0045】
さらに、図6に図示するように、吸着筒50の排気ガス下流側の端部に斜面50bを形成し、この斜面50bに上記9、6aを近接して配置しているので、吸着筒50の排気流れ方向の長さ(図6の左右方向長さ)も短縮でき、より一層車両への搭載が容易になる。
図7は本発明の他の実施例を示すもので、排気ガス流路切替弁8を駆動するアクチュエータ9をエンジン1の吸気負圧により作動するダイヤフラム9bで構成する場合に、このアクチュエータ9を小型化するための工夫をしたものである。
【0046】
すなわち、図7に示すように、アクチュエータ9の圧力室9cに接続された吸気負圧導入管15aと、エンジン1の吸気マニホルド(サージタンク)2aに接続された吸気負圧導入管15bとの間に、制御装置10により開閉制御される開閉弁(電磁弁)13、およびアクチュエータ9からエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁14を直列に配設している。
【0047】
なお、開閉弁13は、吸気負圧導入管15a、15bの間の通路の開閉と、吸気負圧導入管15aと大気開放口(図示せず)間の開閉を行う3方弁タイプのものである。
図7の実施例による作動も図4に示す作動と同じであって、エンジン1の始動直後では、図4のステップS3において、制御装置10から開閉弁13に通電され、この開閉弁13は吸気負圧導入管15a、15bの間を連通させる。これにより、エンジン1の吸気負圧が一方向弁14を通ってアクチュエータ9の圧力室9cに加わり、ダイヤフラム9bがアーム9aを介して、排気ガス流路切替弁8を図示破線位置(閉弁位置)に駆動する。
【0048】
そして、エンジン1が暖機して、図4のステップS4の判定がYESとなると、ステップS5で制御装置10から開閉弁13への通電が遮断されるので、この開閉弁13は吸気負圧導入管15a、15bの間を遮断する。これと同時に、開閉弁13はその大気開放口を吸気負圧導入管15aに連通させるので、アクチュエータ9の圧力室9cの負圧は急速に減少し、ダイヤフラム9bがスプリング9dの力により変位して、アーム9aを介して、排気ガス流路切替弁8を図示実線位置(開弁位置)に駆動する。
【0049】
ところで、図7の実施例では、上記したように、アクチュエータ9への吸気負圧導入管15a、15bの途中に、開閉弁13の他に、一方向弁14を配設しているから、エンジン1のスロットル弁2bが開放されて吸気マニホルド2a内の吸気負圧が減少したときには、一方向弁14が閉弁して、吸気マニホルド2a側からアクチュエータ9の圧力室9cに空気が流入するのを阻止できる。
【0050】
従って、エンジン1のスロットル弁2bが開放された時にも、アクチュエータ9の圧力室9c内の負圧が直ちに減少するのが一方向弁14によって防止され、アクチュエータ9の大きな負圧を保持できる。そのため、排気ガス流路切替弁8がスロットル弁2bの開放時(エンジン吸気負圧の減少時)に排気圧力脈動、車体の振動等の影響を受けて、破線で示す閉弁位置から開いてしまうという不具合が生じない。
【0051】
それ故、アクチュエータ9をエンジン吸気負圧の減少時にも対応できるように大きなものに設定する必要がなく、アクチュエータ9の小型化を実現でき、車両への搭載上、極めて有利である。
なお、本発明は上述の図示の実施例に限定されず、種々変形可能であり、例えば、還流流路6a、6bを触媒装置4の直ぐ上流の排気流路に接続せず、エンジン1の吸気マニホルド2a側へ接続するタイプにも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置の全体構成図である。
【図2】図1の実施例装置における拡大管および吸着筒の形状を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は図2の拡大管における広がり角度と排気ガスの流れ形態との関係を示す説明図である。
【図4】一実施例装置の作動を示すフローチャートである。
【図5】一実施例装置の車両への搭載図である。
【図6】一実施例装置におけるアクチュエータ等の取付位置を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す装置全体の構成図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…排気マニホルド、2a…吸気マニホルド、3…排気管、
31…拡大管、34…排気流路、4…触媒装置、5…吸着装置、
6a,6b…還流流路、8…排気ガス流路切替弁、9…アクチュエータ、
10…制御装置、15a、15b…吸気負圧導入管、13…開閉弁、
14…一方向弁。
Claims (6)
- エンジンの排気管内に配設された触媒装置と、
この触媒装置より下流の前記排気管内に配設され、排気ガス有害成分を吸着する吸着剤を担持した吸着装置と、
前記触媒装置より下流の前記排気管内に、前記吸着装置を通過しない排気ガスの流れを形成する排気流路と、
前記吸着装置に吸着された前記排気ガス有害成分を前記触媒装置の上流側に還流させる還流流路と、
前記吸着装置の下流に設けられ、排気ガスの流通を前記吸着装置の流路と前記排気流路とに選択的に切替可能な排気ガス流路切替手段と、
前記吸着装置および前記排気流路の上流に設けられ、前記排気管に比して流路断面積を拡大するように形成され、排気ガスを前記吸着装置または前記排気流路に導く拡大管と、
前記切替手段をエンジン冷間時には排気ガスを前記吸着装置に流通せしめる位置に切替え、エンジン暖機時には排気ガスを前記排気流路に流通せしめる位置に切替制御する制御手段とを具備し、
前記拡大管の広がり角度は、その内部の排気ガスの流れが片面壁面剥離となる範囲に設定されてていることを特徴とする排気ガス浄化装置。 - 前記拡大管の広がり角度は、50〜80度の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記吸着装置の流路と前記排気流路は隣接して配置されており、
この両流路を合わせた全体の流路断面形状は楕円状に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置。 - 前記吸着装置の流路と前記排気流路は、前記楕円状の長軸方向に隣接して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記吸着装置および前記排気流路は、前記楕円状の長軸方向が略水平方向となるようにして、車両の車体下方に配置されるようにしたことを特徴とする請求項3または4に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記切替手段をエンジン吸気負圧により駆動するアクチュエータと、
このアクチュエータにエンジン吸気負圧を導入する吸気負圧導入流路と、
この吸気負圧導入流路に設けられ、前記制御手段により開閉制御される開閉弁と、
前記吸気負圧導入流路に設けられ、前記アクチュエータからエンジン吸気側への一方向のみに流体を流す一方向弁とを具備することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排気ガス浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07192795A JP3656268B2 (ja) | 1994-10-12 | 1995-03-29 | 排気ガス浄化装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24635894 | 1994-10-12 | ||
JP6-246358 | 1994-10-12 | ||
JP07192795A JP3656268B2 (ja) | 1994-10-12 | 1995-03-29 | 排気ガス浄化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08165920A JPH08165920A (ja) | 1996-06-25 |
JP3656268B2 true JP3656268B2 (ja) | 2005-06-08 |
Family
ID=26413046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07192795A Expired - Fee Related JP3656268B2 (ja) | 1994-10-12 | 1995-03-29 | 排気ガス浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3656268B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102635428A (zh) * | 2011-02-10 | 2012-08-15 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 使用催化转换器单元中的旁路的混合动力车辆热管理 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4225330B2 (ja) | 2006-08-03 | 2009-02-18 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
CN112412584B (zh) * | 2019-08-23 | 2022-03-25 | 上海汽车集团股份有限公司 | 降低发动机排放的方法、vcu及具有该vcu的控制***和车辆 |
JP7437156B2 (ja) * | 2019-12-27 | 2024-02-22 | 株式会社豊田自動織機 | 排気浄化システム |
-
1995
- 1995-03-29 JP JP07192795A patent/JP3656268B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102635428A (zh) * | 2011-02-10 | 2012-08-15 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 使用催化转换器单元中的旁路的混合动力车辆热管理 |
CN102635428B (zh) * | 2011-02-10 | 2014-11-05 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 使用催化转换器单元中的旁路的混合动力车辆热管理 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08165920A (ja) | 1996-06-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3307502B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP2002004846A (ja) | 内燃機関の排気ガス浄化装置 | |
JPH0814034A (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
US5634332A (en) | Exhaust gas purification apparatus | |
JP3518338B2 (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JP3656268B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3739876B2 (ja) | 排気浄化装置 | |
JPH0754640A (ja) | 排気浄化装置 | |
JP3689917B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3668988B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3590995B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3587670B2 (ja) | 自動車用排気ガス浄化装置 | |
JPH04311618A (ja) | エンジンの排気浄化装置 | |
JP3496260B2 (ja) | 自動車排気ガス浄化装置 | |
JP3456008B2 (ja) | 内燃機関の排気ガス浄化装置 | |
EP0677648B1 (en) | Exhaust gas purification apparatus | |
JPS62189309A (ja) | アルコ−ル燃料車の未燃燃料浄化装置 | |
JPH1047044A (ja) | 排気浄化装置 | |
JP2008215277A (ja) | 排気浄化触媒システム | |
JP3774918B2 (ja) | 自動車用排気ガス浄化装置 | |
JPH1193648A (ja) | 自動車用排ガス浄化装置 | |
JPH08128319A (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JPH0557138A (ja) | エンジンの排気ガス浄化装置 | |
JP3343948B2 (ja) | 排気ガス浄化装置 | |
JP3306914B2 (ja) | エンジンの排気浄化装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050215 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |