JP3656060B2 - サイアミーズシリンダの冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多気筒エンジンのサイアミーズシリンダの冷却装置に関し、当該シリンダの連続肉壁部のヘッド寄り部を強力に冷却し、多気筒エンジンの相対的小型軽量化と出力アップを図る事ができるものを提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多気筒エンジンを小型・軽量化する必要からシリンダボアの間隔を狭くし、あるいは、排気量を多くしてエンジンの大出力化を図る必要からシリンダボアを大きくしてシリンダの連続肉壁部を可能な限り薄くしたサイアミーズシリンダが採用されるようになった。この種の従来技術としては、例えば、特公昭56−42744号公報に開示されたもの(以下、従来例1という)、あるいは、実開昭59−68155号公報に開示されたもの(以下、従来例2という)が知られている。
【0003】
図6は従来例1を示し、図6(A)はサイアミーズシリンダの要部の縦断面図、図6(B)は図6(A)中のB−B線矢視横断平面図、図6(C)はサイアミーズシリンダの連続肉壁部のヘッド寄り部に鋳込まれる水路形成部材の斜視図である。この従来例1は、シリンダブロック1に複数のシリンダ3を前後に並設し、隣接するシリンダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサイアミーズシリンダ2を構成し、このサイアミーズシリンダ2を囲むようにシリンダジャケット8を形成し、上記連続肉壁部4に水路形成部材10を鋳込んである。この水路形成部材10は、図6(A)(B)(C)に示すように、その縦断側面視で縦長・偏平な冷却水路15を備え、上記ヘッド寄り部4aの左右両端部のシリンダジャケット8・8を当該冷却水路15で連通するように構成されている。
【0004】
図6(B)に示すように、上記シリンダジャケット8・8は、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aの左右両外側にせまっており、上記冷却水路15の一側より流入した冷却水は、当該冷却水路15を流通することにより、当該ヘッド寄り部4aを冷却する。なお、シリンダヘッド(図示せず)を締結する左右一対のボルト6・6のボス部5・5は、当該シリンダジャケット8・8の外側に位置している。ここで、上記水路形成部材10の左右両端部より突設した突出係止部14a・14bはシリンダジャケット中子の製作時に当該水路形成部材10を中子に確実に固定するためのものである。
【0005】
図7は従来例2を示し、図7(A)はサイアミーズシリンダの要部の縦断面図、図7(B)は図7(A)中のB−B線矢視横断平面図、図7(C)はサイアミーズシリンダの連続肉壁部4のヘッド寄り部4aに鋳込まれる水路形成部材の斜視図である。この水路形成部材10は、図7(A)(B)(C)に示すように、連続肉壁部4の左右のシリンダジャケット8・8を連通する冷却水路15と、この冷却水路15の左右両端部に位置し、当該冷却水路15と連通する左右一対のジャケット連通路12・12と、各ジャケット連通路12・12の下側に位置し、各シリンダジャケット8・8に向けて開口した左右一対の冷却水導入部13・13とを備えている。
【0006】
上記冷却水導入部13・13より流入した冷却水は、上記冷却水路15を流通するとともに、ジャケット連通路12・12を介して上記ヘッド寄り部4aの上側に位置するヘッドジャケット(図示せず)に流出し、その間に連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを冷却する。なお、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aの左右に位置するシリンダヘッド締結用ボス部5・5は、従来例1と同様に当該シリンダジャケット8・8の外側に位置している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1は、冷却水路15の左右両端部及び突出係止部14a・14bがシリンダジャケット8・8内に突出しているため、シリンダ外周面(3a)に沿って流れようとする冷却水の円滑な流通を阻害し、冷却水が冷却水路15に流入するのを妨げている。このため、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを強力に冷却できないという難点がある。しかも、水路形成部材10の冷却水路15が縦断側面視で縦長・偏平であることから、冷却水路15の機械的強度が低く、シリンダボアの孔加工時の歪み耐久性が劣る。さらに、左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5が、シリンダジャケット8・8の外側に位置しているため、左右のヘッドボルト6・6の間隔が大きくなり、シリンダ3を周方向に沿って均一かつ強力に締結することができないという難点がある。
【0008】
また、従来例2は、各ジャケット連通路12を構成する筒体の下部を切り欠いて冷却水導入部13を形成しているが、当該冷却水導入部13の間口が小さいため、多量の冷却水を冷却水路15に円滑に導入することができず、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを強力に冷却できないという難点がある。しかも、従来例1と同様に冷却水路15が縦長・偏平であることから、シリンダボアの孔加工時の歪み耐久性が劣る。さらに、左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5が、シリンダジャケット8・8の外側に位置しているため、左右のヘッドボルト6・6の間隔が大きくなり、シリンダ3を周方向に沿って均一かつ強力に締結することができないという難点がある。
【0009】
つまり、従来例1及び従来例2は、いずれも燃焼室に近いヘッド寄り部4aを強力に冷却できず放熱能力が低いため、空気利用率の向上を図ることができず、ひいてはエンジンの出力アップを図ることができない。即ち、ピストンリングはシリンダ壁を介して冷却されるが、上記ヘッド寄り部4aの放熱能力が低いと、ピストンリングの焼き付き等を防止する観点より、特にトップリングをピストン頂面から一定距離だけ離間して装着せざるを得ない。このことはピストン頂部の外周に燃焼に寄与しないリング状のデッドスペースが生じることを意味する。このため空気利用率の向上を図ることができず、ひいてはエンジンの出力アップを図ることができないことになる。しかも、シリンダボアの孔加工時やエンジン運転時の歪み耐久性が劣る。
【0010】
また、ディーゼルエンジンでは、圧縮比が高く、略900Kg/cm2以上のガスシール圧を必要とするが、上記従来例1及び従来例2は、いずれもシリンダヘッド締結用ボス部5・5の間隔が大きく、シリンダ3を周方向に沿って均一かつ強力に締結することができないため、ディーゼルエンジンに適用した場合には、ガスシール圧を十分に高めることができない。特に近年では、さらに小型軽量化を促進し、エンジンの大出力化を図ることが要請されているが、従来例1及び従来例2は上記難点を有するため、これらの要請に十分に応えることができない。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記連続肉壁部のヘッド寄り部をさらに強力に冷却してトップリングをより上方に位置させることにより空気利用率の向上を図り、多気筒エンジンの一層の小型軽量化とエンジンの出力向上を図るとともに、シリンダボアの孔加工時やエンジン運転時の歪み耐久性を高めることを技術的課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の基本構成は、以下のように構成される。サイアミーズシリンダ2を囲むようにシリンダジャケット8を形成し、上記サイアミーズシリンダ2の連続肉壁部4に水路を形成する。上記水路は、上記連続肉壁部4の左右両側に位置するシリンダジャケット8・8とヘッドジャケット22とを連通するように縦向きに形成された左右のジャケット連通路12・12と、上記左右のジャケット連通路12・12の下部に設けられ、上記シリンダジャケット8・8に向けて開口する冷却水導入部13・13と、上記左右のジャケット連通路12・12を連通する横向きの冷却水路15とを備える。
【0013】
請求項1に記載の発明は、上記基本構成を有するサイアミーズシリンダの冷却装置において、以下の特徴構成を備える。上記連続肉壁部4の左右両側で、シリンダ3・3にシリンダヘッド締結用ボス部5・5を連続させて形成するとともに、上記各ジャケット連通路12・12を上記各シリンダヘッド締結用ボス部5・5の内側に位置させ、上記左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5間のヘッド寄り部4aと、このヘッド寄り部4aよりも下方の部分とにわたり上記冷却水路15を設け、この冷却水路15を上下に区画分離し、シリンダヘッド締結用ボス部5・5の下縁から冷却水路15の最下縁までの冷却水路下半部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水導入部13・13を形成し、この冷却水導入部13・13をその上下方向全域にわたりシリンダジャケット8・8に向けて前後に拡開させ、この冷却水導入部13・13の拡開先の入口前後縁を相互に対向するシリンダ外周面3a・3aで形成した、ことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載したサイアミーズシリンダの冷却装置において、上記冷却水路15の上縁を左右方向両外側へ上り勾配に形成した、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の作用・効果】
▲1▼ 請求項1に記載の発明では、前記基本構成を備えるサイアミーズシリンダの冷却装置において、連続肉壁部4の左右両側で、シリンダ3・3にシリンダヘッド締結用ボス部5・5を連続させて形成するとともに、上記各ジャケット連通路12・12を上記各シリンダヘッド締結用ボス部5・5の内側に位置させ、上記左右のシリンダヘッド締結ボス部5・5間のヘッド寄り部4aと、このヘッド寄り部(4a)よりも下方の部分とにわたり上記冷却水路15を設け、この冷却水路15を上下に区画分離したことから、連続肉壁部4の左右両側の厚肉部をくりぬいて、当該ジャケット連通路12・12の孔径を大きくできる。これにより、多量の冷却水を流通させて冷却性能を高めることができる。即ち、シリンダジャケット8・8内の冷却水は、上記水路を通ってヘッドジャケット22へ抜ける。その間に冷却水の多くは冷却水路15を流通して上記ヘッド寄り部4aを強力に冷却する。そしてピストンリングはシリンダ壁を介してピストンを強力に冷却できるので、トップリングをピストン頂面に可及的に近づけ、ピストン頂部外周の燃焼に寄与しないリング状のデッドスペースを極力小さくして空気利用率の向上を図ることができる。また、これに伴って燃料の未燃部分及び潤滑油の炭化によるトップリングの膠着を解消することができる。
【0016】
▲2▼ トップリングをピストン頂面に可及的に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピストン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の振り回しの寸法を長くすることができ、コンロッドやエンジンの体格(高さ)を変えないで、ピストンストローク、ひいては排気量アップを図ることができる。つまり、多気筒エンジンの相対的小型化とエンジンの大出力化を図ることができる。
【0017】
▲3▼ 逆にピストンストロークを変えない場合には、ピストンピンの位置をピストン頂面に近づけた分だけコンロッドを長く設定できるので、ピストン側圧力を低減でき、結果として摩擦損失の低減が図れる。
▲4▼ また、当該ヘッド寄り部を強力に冷却できるので、シリンダボアの直径を大きくすることにより排気量アップ、ひいては出力アップを図ることができる。
【0018】
▲5▼ 請求項1に記載の発明では、冷却水路15を上下に区画分離したことから、縦長で偏平な冷却水路を備える従来例と比較して、冷却水路15の機械的強度が増大し、シリンダボアの孔加工時やエンジン運転時の歪み耐久性が高まる。
▲6▼ 請求項1に記載の発明では、シリンダヘッド締結用ボス部5・5の下縁から冷却水路15の最下縁までの冷却水路下半部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水導入部13・13を形成し、この冷却水導入部13・13をシリンダジャケット8・8に向けて前後に拡開させ、この冷却水導入部13・13の拡開先の入口前後縁を相互に対向するシリンダ外周面3a・3aで形成した、ことから、シリンダジャケット8・8内の冷却水はシリンダ外周面3aに沿って円滑に流れ、シリンダジャケット8・8に向けて大きく拡開された冷却水導入部13・13より流入し、上記ジャケット連通路12・12及び冷却水路15を通ってヘッドジャケット22へ抜ける。これにより、上記ヘッド寄り部4aを一層強力に冷却するとともに、ヘッド寄り部4aよりも下方の冷却通路下半部も強力に冷却する。
【0019】
▲7▼ 請求項2に記載の発明では、請求項1に記載した発明の効果▲1▼〜▲6▼に加え、上記冷却水路15の上縁を左右方向両外側へ上り勾配に形成したことから、冷却水路15内で冷却水が沸騰して水蒸気が発生した場合でも、水蒸気は左右方向両外側へ上り勾配に形成した冷却水路15の上縁に沿って上方へ移動し、ジャケット連通路12・12を通ってヘッドジャケット22に逃げるので、冷却性能は高く維持される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部を示し、同図(A)は部分縦断面図、同図(B)はそのシリンダブロックの部分平面図である。また、図2は本発明の実施形態に係る水路形成部材を示し、同図(A)は当該水路形成部材の斜視図、同図(B)は図2(A)中のB−B線矢視縦断面図、同図(C)は図2(A)中のC−C線矢視横断平面図である。さらに、図3は本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部の縦断面図である。
【0021】
この縦型多気筒エンジンEは、図3に示すように、クランクケースを一体に形成したシリンダブロック1の上にシリンダヘッド20をヘッドボルト6で固定し、シリンダブロック1に形成したシリンダジャケット8とシリンダヘッド20に形成したヘッドジャケット22とを、連続肉壁部4以外の部分に形成した多数のジャケット連通孔24で連通し、シリンダブロック1を冷却した冷却水でシリンダヘッド20を冷却するように構成されている。
【0022】
本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置は、従来例1及び従来例2と同様の基本構成を備えている。即ち、図1及び図3に示すように、シリンダブロック1に複数のシリンダ3を前後に並設し、隣接するシリンダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサイアミーズシリンダ2を構成するとともに、上記サイアミーズシリンダ2を囲むようにシリンダジャケット8が形成されている。上記連続肉壁部4には、後述する水路形成部材10が鋳込まれている。
【0023】
以下、本発明の実施形態の特徴構成について説明する。上記水路形成部材10は、図2に示すように、プレス成型した2枚の板金を相互に対向して重ね合わせ、接当部をシーム溶接して一体に構成されている。
即ち、この水路形成部材10は、左右一対のジャケット連通路12・12と、上記ジャケット連通路12・12の下側に位置し、各シリンダジャケット8・8に向けて開口する左右一対の冷却水導入部13・13と、左右のジャケット連通路12・12及び左右の冷却水導入部13・13と連通する冷却水路15とを備え、上記冷却水導入部13・13は、左右に突設した前後一対の冷却水案内板14・14を、それぞれシリンダ外周面3aに沿って前後に拡開させて成り、上記冷却水導入部13・13より導入した多量の冷却水を、上記冷却水路15に流通させるとともに、上記ジャケット連通路12・12を介して上記ヘッド寄り部4aの上側に位置するヘッドジャケット22に流出させるように構成されている。
【0024】
上記のように水路形成部材10は、上下多段で交互に形成した非空洞部11と冷却水路15とを備えることから、冷却水路15の機械的強度が増大するので、従来例のように冷却水路15を縦断側面視で縦長・偏平に形成した場合と比較して、シリンダボアの加工時やエンジン運転時に連続肉壁部4に作用する加圧力に対して強力に対抗でき、歪み耐久性が高まるという利点がある。
【0025】
左右一対のシリンダヘッド締結用ボス部5・5は、上記ヘッド寄り部4aの左右両側部と連続して形成され、ヘッドボルト6・6の配置間隔を狭めて当該狭められた分だけシリンダ3を周方向に沿って均一かつ強力に締結するように構成されている。なお、本発明はこれに限らないが、左右一対のシリンダヘッド締結用ボス部5・5をヘッド寄り部4aの左右両側部及びシリンダ3・3と連続して形成することにより、シリンダブロック1の上端壁にあけたジャケット連通孔23と一対のジャケット連通路12・12の孔径を大きくして多量の冷却水を流通させることができるという利点がある。
【0026】
上記一対のジャケット連通路12・12は当該ボス部5・5の内側に位置し、シリンダブロック1の上端壁及びシリンダヘッド20の下端壁とにあけたジャケット連通孔23と連通している。また、冷却水路15の左右の寸法dは、図1(A)(B)に示すように、上記連続肉壁部4の左右の寸法Dよりも小さく設定されている。これにより、上記一対のジャケット連通路12・12の開口内側間隔dが上記連続肉壁部4の左右の寸法Dよりも小さく設定される。従って、ジャケット連通路12・12の開口内側間隔dを狭めた分だけ、左右のヘッドボルト6・6の配置間隔を狭めることができ、シリンダ3の周囲のヘッドボルト6の個数を多くすることができるので、シリンダ3を周方向に沿って一層均一かつ強力に締結することができる。これにより、ガスシール圧を高めることができる。
【0027】
上記冷却水導入部13・13は、図1(A)(B)に示すように、上記各ジャケット連通路12・12の下部で、上記左右のシリンダヘッド締結ボス部5・5の下側に近接配置され、前後一対の冷却水案内板14・14を左右に突設し、これらの冷却水案内板14・14をそれぞれシリンダ外周面3aに添わせ、前後に拡開させて構成されている。すなわち、図1(A)(B)に示すように、シリンダヘッド締結用ボス部5・5の下縁から冷却水路15の最下縁までの冷却水路下半部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水導入部13・13を形成し、この冷却水導入部13・13をその上下方向全域にわたりシリンダジャケット8・8に向けて前後に拡開させ、図2(C)に示すように、この冷却水導入部13・13の拡開先の入口前後縁を相互に対向するシリンダ外周面3a・3aで形成した。上記構成により、冷却水導入部13・13の上下及び前後の間口が大きく形成され、冷却水の多くはシリンダジャケット8・8に向けて拡開された冷却水導入部13・13より下側冷却水路15b及びジャケット連通路12に多量に流入し、上記ジャケット連通路12・12を通って連続肉壁部4の上側に位置するヘッドジャケット22へ抜ける。その間に多量の冷却水が冷却水路15及びジャケット連通路12・12を流通し、上記ボス部5・5の間のヘッド寄り部4aを強力に冷却されるとともに、ヘッド寄り部4aよりも下方の冷却通路下半部も強力に冷却される。これによりエンジンの排気量アップ、ひいては出力アップを図ることができる。
【0028】
即ち、ヘッド寄り部4aを強力に冷却することで、シリンダ壁を介してピストンリングを強力に冷却できるので、トップリングをピストン頂面に可及的に近づけ、ピストン頂部外周の燃焼に寄与しないリング状のデッドスペースを極力小さくして空気利用率の向上を図ることができる。また、これに伴って燃料の未燃部分の炭化によるトップリングの膠着を解消することができる。
【0029】
しかも、トップリングをピストン頂面に可及的に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピストン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の振り回しの寸法を長くすることができ、コンロッドエンジンの体格を変えないで相対的小型化を図り、ピストンストロークを大きくして、排気量アップを図ることができる。また、当該ヘッド寄り部4aを強力に冷却できるので、シリンダボアの直径を大きくすることにより排気量アップを図ることもできる。さらに、ターボチャージャを搭載した多気筒エンジン等においても本発明を適用することにより、相対的小型化とエンジンの大出力化を図ることができる。
【0030】
図4は2枚の板金を重ね合わせて構成した水路形成部材10の冷却水路15の断面形状を例示する概要図で、それぞれ(A)は矩形、(B)は5角形、(C)は6角形、(D)は半円形、(E)は半矩形を示し、連続肉壁部4の形状等を考慮して適宜形状が選定される。
【0031】
図5は水路形成部材10の冷却水路15の他の配列を例示する概要図である。図5(A)は非空洞部11と冷却水路15とを上下多段で交互に配列したものであるが、連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを強力に冷却するために、上方の冷却水路15aの路幅を下方の冷却水路15bの路幅よりも大きくしてある。図5(B)は、上下多段で交互に配列した非空洞部11と冷却水路15とが、共に下向きに円弧状に形成してある。図5(C)は冷却水路15を略V字状とし、かつ、図5(A)と同様に上方の冷却水路15aの路幅を下方の冷却水路15bの路幅よりも大きくしてある。図5(D)は上下多段に配列した冷却水路15の中央部を縦向きの冷却水路15cで連通してある。図5(E)は図5(C)と同様の冷却水路15の中央部を縦向きの冷却水路15cで連通してある。図5(F)は非空洞部11と冷却水路15とを上下多段に傾斜させてある。そして図5(G)は略X字状に交差させた冷却水路15を上下二段に配列させてある。
【0032】
図5(B)〜図5(G)の配列によれば、万一、冷却水路15内で冷却水が沸騰して水蒸気が発生した場合でも、水蒸気は傾斜した各冷却水路15の上縁に沿って上方へ移動し、ジャケット連通路12・12を通ってヘッドジャケット22に逃げるので、冷却性能は高く維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部を示し、同図(A)は部分縦断面図、同図(B)はそのシリンダブロックの部分平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る水路形成部材を示し、同図(A)は当該水路形成部材の斜視図、同図(B)は図2(A)中のB−B線矢視縦断面図、同図(C)は図2(A)中のC−C線矢視横断平面図である。
【図3】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部の縦断面図である。
【図4】本発明の水路形成部材の冷却水路の断面形状を例示する概要図である。
【図5】本発明の水路形成部材の冷却水路の配列を例示する概要図である。
【図6】従来例1を示し、同図(A)は縦型エンジンのサイアミーズシリンダの要部の縦断面図、同図(B)は図6(A)中のB−B線矢視横断平面図、同図(C)は水路形成部材の斜視図である。
【図7】従来例2を示す図6相当図である。
【符号の説明】
2…サイアミーズシリンダ、3…シリンダ、3a…シリンダ外周面、4…連続肉壁部、4a…連続肉壁部のヘッド寄り部、5…シリンダヘッド締結用ボス部、8…シリンダジャケット、12…ジャケット連通路、13…冷却水導入部、15…冷却水路、15b…冷却水路の上縁、22…ヘッドジャケット。

Claims (2)

  1. サイアミーズシリンダ(2)を囲むようにシリンダジャケット(8)を形成し、上記サイアミーズシリンダ(2)の連続肉壁部(4)に水路を形成し、
    上記水路は、上記連続肉壁部(4)の左右両側に位置するシリンダジャケット(8・8)とヘッドジャケット(22)とを連通するように縦向きに形成された左右のジャケット連通路(12・12)と、上記左右のジャケット連通路(12・12)の下部に設けられ、上記シリンダジャケット(8・8)に向けて開口する冷却水導入部(13・13)と、上記左右のジャケット連通路(12・12)を連通する横向きの冷却水路(15)とを備える、サイアミーズシリンダの冷却装置において、
    上記連続肉壁部(4)の左右両側で、シリンダ(3・3)にシリンダヘッド締結用ボス部(5・5)を連続させて形成するとともに、上記各ジャケット連通路(12・12)を上記各シリンダヘッド締結用ボス部(5・5)の内側に位置させ、
    上記左右のシリンダヘッド締結用ボス部(5・5)間のヘッド寄り部(4a)と、このヘッド寄り部(4a)よりも下方の部分とにわたり上記冷却水路(15)を設け、この冷却水路(15)を上下に区画分離し、
    シリンダヘッド締結用ボス部(5・5)の下縁から冷却水路(15)の最下縁までの冷却水路下半部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水導入部(13・13)を形成し、この冷却水導入部(13・13)をその上下方向全域にわたりシリンダジャケット(8・8)に向けて前後に拡開させ、この冷却水導入部(13・13)の拡開先の入口前後縁を相互に対向するシリンダ外周面(3a・3a)で形成した、ことを特徴とするサイアミーズシリンダの冷却装置。
  2. 請求項1に記載したサイアミーズシリンダの冷却装置において、
    上記冷却水路(15)の上縁を左右方向外側へ上り勾配に形成した、ことを特徴とするサイアミーズシリンダの冷却装置。
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