JP3654719B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性、場合によっては透明性を有し、押出成形やインフレ成形時の耐ブロッキング性、開口性の優れた、自然環境下で生分解性を有する樹脂組成物に関する。さらには成形により得られるフィルム、シート、包装用袋等の成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックは、使用後の廃棄の際にゴミの量を増すうえに、自然環境下で殆ど分解されないために、埋設処理しても、半永久的に地中に残留するという問題があり、近年、投棄されたプラスチックにより、景観が損なわれ海洋生物の生活環境が破壊されたりするなどの環境問題が起こっている。このような問題に対し、分別廃棄物収集方式、リターナブル方式やデポジット方式等の、プラスチックのリサイクルシステムによる対応が考えられてはいるが、このような対応の実現は、末端ユーザーまで充分に浸透していないのが現状である。
【0003】
一方、自然界に普遍に存在する微生物の酵素により分解される、生分解性機能を備えた生分解性プラスチックが近年注目を浴び、前述のような環境問題を解決できる可能性のあるものとして注目されている。既に、現在この生分解性プラスチックを利用した環境対応製品は数多く提案されており、例えば、包装容器分野では飲料、シャンプーボトルのような硬い容器やスナック菓子等の軟包装材、さらには紙と組み合わせた複合素材による液体容器等に応用されている。他分野では食器、文具、雑貨類においても多く紹介され、既に商品化されているものも少なくない。一部自治体では家庭の生ゴミの回収用に生分解性プラスチック製のゴミ袋を試用しているところもある。
【0004】
生分解性機能を備えた生分解性プラスチックとしては、セルロースやでんぷんなどの多糖類・糖質等の天然物を他のプラスチックと混ぜ合わせたもの、微生物により合成されたもの、化学的に合成されたものがある。でんぷんやキチン、キトサ又はバクテリアセルロースといった(多)糖類を利用したもの以外の生分解性プラスチックは、脂肪族系のポリエステルを主体にしている。微生物の産生する脂肪族ポリエステルとしてはヒドロキシアルカノエートユニットを有するものが知られ、3−ヒドキシブチレート・3−ヒドロキシバリレートが商品名「バイオポール」(モンサント社製)として市販されている。化学合成のものとしては、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート等の他、乳酸を原料にしたポリ乳酸がある。
【0005】
本発明で目的とするフィルム、シート、包装袋等の成形物の材料として利用できる生分解性プラスチックとしては、柔軟性、場合によって透明性に優れ、溶断、溶着の加工性に優れていることが必要である。
しかしながら、脂肪族ポリエステルの中には、硬く柔軟性に乏しいものもあり、本発明で目的とするフィルム、シート、包装袋等の用途に用いるには、さらに柔軟性を付与する必要がある。一般に柔軟性を付与する方法として、可塑剤を添加する方法、コポリマー化による軟質化する方法、他の軟質ポリマーを混合する方法等、が知られている。
【0006】
可塑剤を添加する方法あるいはコポリマー化による軟質化する方法は、上記課題を満足するものの、前者は可塑剤のブリードによる経時変化や二次加工性が悪くなる等の問題があったり、後者では製造工程が繁雑になる等の問題がある。
それに対して、他の軟質ポリマーを混合する方法では、ブリードによる経時変化もなく、また、容易かつ安価な方法として用いることができる。
【0007】
この手法においては、上記課題を満足する軟質ポリマーとしては、ポリエチレングリコール(以下、PEGと略す)やポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールが挙げられ、これらのポリマーは、ポリ乳酸の優れた透明性を損なうことなく柔軟性を付与できることが既に開示されている(ヨーロッパ公開特許公報0515203号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリ乳酸)とポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG))との混合物を、Tダイ押出成形やインフレーション成形にてフィルムやシート状に成形する場合、得られるフィルムは柔軟性に優れているものの、スクリュウへの食い込みが不安定で成形性が不良であったり、得られた巻取りフィルムはブロッキングを起したり、インフレーションフィルムでは袋を開口することができない等の実用的な問題がある。さらに高分子量(100万〜500万)のPEGを用いた場合、上記問題に加え透明性が悪くなる傾向があるという問題もある。
【0009】
このように、脂肪族ポリエステルにPEGを添加する方法は、柔軟性は付与できるものの、フィルムやシート成形物等の実用的な点で、工業的に未だ満足するものではない。また、PEGの分子量によっては透明性の点で満足できるものではない。
従って、脂肪族ポリエステルとアルキレングリコールとの混合物に関し、いかに耐ブロッキング性、滑り性(開口性)の優れた組成物に改善することが課題であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した問題点に鑑み、鋭意検討を進めた結果、脂肪族ポリエステルとアルキレングリコールとの混合物に、特殊な無機添加剤及び脂肪族カルボン酸アミドを添加することにより上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における脂肪族ポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸あるいは脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸からなる脂肪族ポリエステルのホモポリマー、コポリマー、それら混合物を示す。これらのポリマーは、一部ジイソシアネート等の結合剤や多糖類等の架橋剤により鎖延長したものでもよい。本発明は、以下の事項により特定される。
[1] 成分(A)として脂肪族ポリエステル、成分(B)として式(1)(化2)で示されるポリアルキレングリコール、
【0012】
【化2】
(式(1)(化2)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、nは、1 〜5の整数を示す。)成分(C)として脂肪族カルボン酸アミド、及び、成分(D)として30μm以下の平均粒子径を有するSiO2を含む無機添加剤を含む樹脂組成物。
【0013】
[2] 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸である[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、
(a1) ヒドロキシカルボン酸、
(a2) ポリヒドロキシカルボン酸、
(a3) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、及び、
(a4) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステル
からなる群から選択された少なくとも1種が脱水(重縮合反応することにより製造されたものであることを特徴とする[1]に記載の樹脂組成物。
【0014】
[4] 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、
(a1−1) 乳酸、
(a1−2) グリコール酸、
(a2−1) ポリ乳酸、
(a2−2) ポリグリコール酸、
(a3−1) エチレングリコール、及び、コハク酸、
(a3−2) エチレングリコール、及び、アジピン酸、
(a3−3) エチレングリコール、コハク酸、及び、アジピン酸、
(a3−4) エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び、コハク酸、
(a3−5) エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び、アジピン酸、
(a3−6) エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、コハク酸、及び、アジピン酸、
(a3−7) 1,4−ブタンジオール、及び、コハク酸、
(a3−8) 1,4−ブタンジオール、及び、アジピン酸、
(a3−9) 1,4−ブタンジオール、コハク酸、及び、アジピン酸、
(a4−1) ポリエチレンサクシネート
(a4−2) ポリブチレンサクシネート
からなる群から選択された少なくとも1種が脱水(重)縮合反応することにより製造されたものであることを特徴とする[1]に記載の樹脂組成物。
【0015】
[5] 成分(A)脂肪族ポリエステルに対して、(a1−1)乳酸及び/又は(a2−1)ポリ乳酸が、50重量%以上であることを特徴とする[4]に記載の樹脂組成物。
[6] 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、50重量%以上のポリ乳酸と50重量%以下のポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルの混合物であることを特徴とする[1]に記載の樹脂組成物。
【0016】
[7] 成分(B)の式(1)(化2)で示されるポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレン−ポリプロピレングリコールであることを特徴とす[1]乃至[6]の何れかに記載した樹脂組成物。
[8] 成分(C)の脂肪族カルボン酸アミドが、ステリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、N−ステアリルエルカ酸アミドからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする[1]乃至[7]の何れかに記載した樹脂組成物。
【0017】
[9] 樹脂組成物重量に対して、
成分(B)の式(1)(化2)で示されるポリアルキレングリコールの量が、3〜50重量%であり、
成分(C)の脂肪族カルボン酸アミドが、0.01〜10重量%であり、かつ、成分(D)の30μm以下の平均粒子径を有するSiO2を含む無機添加剤が、0.01〜10重量%であることを特徴とする[1]乃至[8]の何れかに記載した樹脂組成物。
【0018】
[10] [1]乃至[9]の何れかに記載の樹脂組成物からなる成形加工品。
[11] [1]乃至[9]の何れかに記載の樹脂組成物を成形加工してなるフィルム。
[12] [1]乃至[9]の何れかに記載の樹脂組成物を成形加工してなるシート。
【0019】
[脂肪族ヒドロキシカルボン酸]
本発明において用いることができる脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、例えば、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0020】
[脂肪族多価カルボン酸及びその無水物]
本発明方法において用いることができる脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸からなる脂肪族ポリエステルは、一種類又は二種類以上の脂肪族多価カルボン酸(好ましくは、脂肪族ジカルボン酸)及び/又はこれらの無水物と、一種類又は二種類以上の脂肪族多価アルコール(好ましくは、脂肪族ジオール)とを脱水(重)縮合することにより製造することができる。
【0021】
この場合の脂肪族多価カルボン酸及びその無水物の具体例としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸等及びその無水物が挙げられる。
【0022】
[脂肪族多価アルコール]
脂肪族多価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、l,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル一1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、l,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0023】
[多糖類]
脂肪族ポリエステルの架橋剤としては、例えば、多官能基を有する多糖類等が挙げられる。多糖類の具体例としては、例えば、セルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロイド、ビスコースレーヨン、再生セルロース、セロハン、キュプラ、銅アンモニアレーヨン、キュプロファン、ベンベルグ、ヘミセルロース、デンプン、アミロペクチン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、ペクチン、キチン、キトサン、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アカシアガム等、これらの混合物、これらの誘導体が挙げられるが、特にアセチルセルロース、エチルセルロースが好的に用いられる。
【0024】
[脂肪族ポリエステルの種類]
本発明で示す脂肪族ポリエステルは、上記したヒドキシカルボン酸及び/又は脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールとの脱水縮合により得られるホモポリマー、ランダムコポリマー、及びブロックコポリマー、あるいはそれらホモポリマーの二種以上の混合物であってもよい。
【0025】
特に、ポリ乳酸、乳酸成分含有率が50重量%以上である乳酸と他のヒドロキシカルボン酸又は脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価カルボン酸からなるコポリマー、乳酸成分含有率が50重量%以上であるポリ乳酸と他のポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルの混合物が好ましく、さらには、ポリ乳酸、乳酸成分含有率が50重量%以上である乳酸と他のヒドロキシカルボン酸又は脂肪族多価アルコール及び脂肪族多価カルボン酸からなるコポリマーは、透明性に優れ最も好ましい。
【0026】
[脂肪族ポリエステルの製造方法]
本発明の脂肪族ポリエステルの製造法は、特に制限されない。製造法の具体例としては、例えば、特開平6−65360号の開示を参考にした、後述の合成例1に示すような、乳酸を、又は乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を、又は脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を有機溶媒及び触媒の存在下、そのまま脱水縮合する直接脱水縮合法であってもよく、例えば、米国特許第2,703,316号の開示を参考にした、乳酸を、又は乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を一旦脱水し、環状二量体とした後、開環重合する間接重合法等でもよい。
コポリマーの場合、各ポリマーの混合比や混合時の分子量等で、ランダムポリマー、ブロックポリマーはそれぞれ異なる機械物性を示すが、本発明では、その混合比や分子量に何ら制限はなく、目的とする用途に適した物性を示すポリマー組成を適宜選択することができる。
【0027】
[脂肪族ポリエステルの分子量]
本発明の脂肪族ポリエステルの分子量は、実質的に充分な機械物性を示すものであれば、特に制限されない。一般的には、重量平均分子量として、1〜500万、3.0〜300万が好ましく、5.0〜200万がより好ましく、7〜100万がさらに好ましく、9〜50万が最も好ましい。重量平均分子量が1万より小さい場合、機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が500万より大きい場合、取扱が困難となったり不経済となったりする場合がある。
【0028】
また、脂肪族ポリエステルの重量平均分子量及び分子量分布は、その重合方法において、溶媒の種類、触媒の種類及び量、反応温度、反応時間、反応系の脱水の程度等の反応条件を適宜選択することにより、所望のものに制御することができる。
【0029】
[ポリアルキンレングリコール]
本発明では、脂肪族ポリエステルを柔軟性を付与する目的でポリアルキンレングリコールを添加する。本発明で示すポリアルキレングリコールは、式(1)(化3)で示されるポリマーであり、特に常温で固体状のポリエチレングリコール及びポリエチレン−ポリプロピレングリコールが、安価かつ容易に入手可能であり好適に用いることができる。
【0030】
【化3】
(式(1)(化3)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、nは、1 〜5の整数を示す。)
[ポリアルキンレングリコールの分子量]ポリアルキンレングリコールの重量平均分子量は、0.1万〜100万が好ましく、0.2万〜50万がより好ましく、0.3万〜30万がさらに好ましく、0.4万〜10万が最も好ましい。一般的には、0.1万より小さいと常温で液体状となり、脂肪族ポリエステルに混合した際にブリードを起こす傾向にあるので好ましくない。逆に、通常、100万より大きいと脂肪族ポリエステルとの相溶性が悪くなる傾向にあり、脂肪族ポリエステルが透明性に優れている場合その透明性を損なう場合がある。
【0031】
[ポリアルキレングリコールの添加量]
ポリアルキレングリコールの添加量は、(A)脂肪族ポリエステルと(B)ポリアルキレングリコールからなる高分子組成成分(以下、同様に、成分(A)の脂肪族ポリエステルと、成分(B)の式(1)(化3)で示されるポリアルキレングリコールを併せた成分を、「高分子組成成分」という。)に対し、通常、3〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
一般的には、3重量%より小さいと柔軟性を付与する効果が小さく、逆に50重量%より大きいと成形性が悪くなったり、脂肪族ポリエステルとの相溶性が悪くなる場合がある。
本発明では、通常、前記した高分子組成成分から通常のインフレーション成形、Tダイ成形等によりフィルム、シート等を得る場合、耐ブロッキング性、滑り性を付与するため、無機添加剤及び脂肪族カルボン酸アミドを添加する必要がある。
【0032】
[無機添加剤]
本発明で示す無機充填剤は、SiO2を主成分とする粒径が30μm以下の無機添加剤が好ましい。無機添加剤の具体例としては、タルク、珪酸マグネシウム、SiO2、カオリナイト等が挙げられ、特にSiO2を好ましく用いることができる。これらは、一種又は二種以上の混合物でもよく、何等制限はない。
【0033】
また、フィルムやシートに高度に透明性が要求される場合は、、無機添加剤の粒径は100nmより小さいものが好ましく、透明性の優れた高分子組成成分に混合した場合でも、その透明性を実質上維持できる。
そのような無機添加剤の具体例としては、例えば、粒径がl〜50nmの合成SiO2等が挙げられる。
【0034】
[無機添加剤の添加量]
無機添加剤の添加量は、一般的には、高分子組成成分100重量部に対し0.05〜15重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%がよい。その添加量は目的とするTダイ押出成形やインフレ−ション成形時の成形性、得れたフィルムの耐ブロッキング性、フィルムの滑り性が良好となる最適量が適宜選択される。
【0035】
[脂肪族カルボン酸アミド]
脂肪族カルボン酸アミドには、「10889の化学商品(1989年、化学工業日報社、東京都中央区日本橋浜町)」の389頁右欄〜391頁左欄に記載の「脂肪酸アミド」を包含する。
その記載は全て、引用文献及び引用範囲を明示したことにより本出願明細書の開示の一部とし、明示した引用範囲を参照することにより、本出願明細書に記載した事項又は開示からみて、当業者が直接的かつ一義的に導き出せる事項は開示とする。
【0036】
脂肪族カルボン酸アミドの具体例としては、例えば、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N,N′−エチレンビス(ステアロミド)、N,N′−メチレンビス(ステアロアミド)、メチロール・ステアロアミド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ブチレンビスステアリン酸アマイド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルセバシン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N′−ジステアリルテレフタル酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ブチル−N′ステアリル尿素、N−プロピル−N′ステアリル尿素、N−アリル−N′ステアリル尿素、N−フェニル−N′ステアリル尿素、N−ステアリル−N′ステアリル尿素、ジメチトール油アマイド、ジメチルラウリン酸アマイド、ジメチルステアリン酸アマイド等が挙げられる。特に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、N−ステアリルエルカ酸アミドが好適に用いられる。これらは一種又は二種以上の混合物であってもよい。
【0037】
[脂肪族カルボン酸アミドの添加量]
脂肪族カルボン酸アミドの添加量は、脂肪族ポリエステルとポリアルキレングリコールからなる高分子組成成分100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜7.0重量部、さらに好ましくは0.3〜5.00、最も好ましくは0.5〜3重量部がよい。その添加量は、無機添加剤の場合と同様に、目的とするTダイ押出成形やインフレ−ション成形時の成形性、得れたフィルムの耐ブロッキング性、滑り性が良好となる最適量が、適宜、選択される。
【0038】
[第三成分]
本発明において、樹脂組成物の諸物性(例えば、引張強度、耐熱性、耐候性等)を向上させる目的で、添加剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤、充填剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料等)などや少量の他の樹脂を添加することもできる。押出条件、延伸条件等を目的に応じて、適宜、選択することにより、所望の物性、光学特性、透過光波長スペクトル、遮光性、耐油性等の特性を有する、本発明に係る樹脂組成物からなるフィルムやシートを製造することができる。
【0039】
[樹脂組成物の製造方法]
高分子組成成分の製造方法は、特に制限されず、通常、熱可塑性樹脂において用いられている公知の方法を採用することができる。
脂肪族ポリエステル、ポリアルキレングリコール、無機添加剤及び脂肪族カルボン酸アミド、場合により第三成分を、高速攪拌機または低速撹拌機などを用いて均一混合した後、充分な混練能力のある一軸あるいは多軸の押出機で溶融混練する方法を採用することができる。
【0040】
[フィルムやシートの製造・製膜]
本発明に係る樹脂組成物は、フィルムやシートの製造に好適な材料である。
本発明に係るフィルム・シート・板状の成形体の成形方法としては、インフレーション成形、Tダイ成形熱成形等等が挙げられるが、その方法に何ら制限はない。本発明のフィルム、シートは、例えば、公知・公用の成形法で得られるフィルム、シートを包含し、その形状、大きさ、厚み、意匠等に関しては何ら制限はない。
【0041】
▲1▼ 製造技術
本発明に係る樹脂組成物からなるフィルムやシートは、公知・公用の押出法、共押出法、カレンダー法、ホットプレス法、溶媒キャスティング法、インフレーション法、バルーン法、テンター法等の技術により製造できる。
【0042】
▲2▼ 工程設計
製造工程においては、一軸延伸倍率、二軸延伸倍率、延伸段数、熱処理温度、熱処理温度の変化速度、冷却ローラーの数、冷却ローラーの配置形式、冷却ローラーへの巻き付け形式、冷却ローラー温度、冷却ローラー表面の鏡面仕上度等の条件を目的に応じて、適宜、設定することができる。
【0043】
▲3▼ 品質管理の方法論
製造工程において、放射線、電磁波、光、超音波等を用いた、公知・公用の計測工学的方法を採用することにより、製品の厚さのデータを検出し、該データを製造工程にフィードバックすることにより、製品の厚さのバラツキを、手動により又は自動制御により品質管理をすることができる。放射線を用いた計測工学的方法としては、例えば、透過型(吸収型)又は散乱型のアルファ線厚さ計、ベー夕線厚さ計、ガンマ線厚さ計を用いる方法が包含され、線源としては、公知・公用の放射性同位元素が用いられる。
【0044】
▲4▼ 後処理工程及び仕上工程の方法論
後処理工程又は仕上工程においては、ウェルディング、ヒートシール、ミシン目付与、プライマー塗布、粘着剤塗布、薬剤塗布、パーカライジング、蒸着、スパッタリング、CVD)コーティング、エッチング、噴き付け、染色、塗装、静電塗装、エアブラッシング、ラミネート、サンドイッチ、エンボス賦与、立体模様賦与、型押し、波付け、印刷、転写、サンディング、サンドプラスト、シャーリング、パンチング、打ち抜き、ハニカム構造化、段ボール構造化、積層体形成等の後処理や仕上の加工を行なうこともできる。
後処理工程又は仕上工程には、目的に応じ、カレンダー法、押し出し法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、凸版法、凹版法、ドクターブレード法、浸漬法、スプレー法、エアブラシ法、静電塗装法等の公知・公用の方法を採用することができる。
本発明に係る樹脂組成物からなるフィルム又はシートは、紙や他のポリマー等の他の材質のシートと、ラミネートや貼り合わせ等により、多層構造の積層体とすることもできる。
【0045】
▲5▼ 押出法又は共押出法の方法論
押出法又は共押出法において、Tダイ、インフレーションダイ(円形ダイ)、フラットダイ、フィードブロック/シングルマニホールドダイやいくつかのフィードブロックを組み合わせたシングルマニホールドダイ等の公知・公用のダイを用いることができる。
共押出法においては、性質の異なる複数の該ポリマー及び又は他種ポリマーを用いて、多層フィルムを製造することができる。
【0046】
インフレーション法又はバルーン法を採用すると、二軸同時延伸ができるために、低伸び率・高弾性率・高強靱性を有する丈夫な製品を、高い生産性で、相対的に安価に製造することができ、かつ、形状が袋状(シームレス状)であるため、スーパーマーケット用持ち帰りバッグ、冷凍食品や精肉等の低温の食品パックに結露する水が周囲を濡らすことを防ぐための袋、コンポストバッグ、等の袋やバッグの生産に好適である。
共押出法と組み合わせることにより、性質の異なる複数の本発明に係る樹脂組成物及び/又は他種ポリマーを用いて多層フィルムを、高い生産性で製造することができる。
インフレーション法又はバルーン法と共押出法と組み合わせることもできる。
本発明に係る樹脂組成物からなるフィルム又はシートは、目的に応じて工程条件を設定することにより、ロール状、テープ状、カットシート状、板状、袋状(シームレス状)に製造することができる。
【0047】
▲6▼ 二次的加工
本発明に係る樹脂組成物からなるフィルム又はシートは、さらに、延伸加工、ブロー加工、真空成形等の二次元的又は三次元的な形状を賦与する二次的な加工にも好適な材料である。
【0048】
▲7▼ 用途の具体例
本発明に係る樹脂組成物からなるフィルム又はシートは、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポストバッグ、食品・菓子包装用フィルム、食品用ラップフィルム、化粧品・香粧品用ラップフィルム、医薬品用ラップフィルム、生薬用ラップフィルム肩こりや捻挫等に適用される外科用貼付薬用ラップフィルム、農業用・園芸用フィルム、農薬品用ラップフィルム、温室用フィルム、肥料用袋、ビデオやオーディオ等の磁気テープカセット製品包装用フィルム、フロッピーディスク包装用フィルム、オーバーヘッドプロジェクター用フィルム、製版用フィルム、トレーシングフィルム、フェンス、海洋用・河川用・湖沼用オイルフェンス、粘着テープ、テープ、結束材、防水シート、かさ、テント、土嚢用袋、セメント袋、等として好適に使用することができる。
【0049】
本発明の成形体の一態様であるフィルム又はシートは、その特性を活かし、透明性、分解性が要求される用途に、特に、好適に使用することができる。
本発明に係る成形体の一態様であるフィルム又はシートを、包装材として食品・菓子用袋として使用する際に、食品・菓子密封時に、袋内に酸素吸収剤を中に人れておくことにより、保存期間・賞味期間を大幅に延長することができる。
【0050】
以下に実施例を示すが、本発明の技術的範囲を超えない限り、これに限定されるものではない。また、実施例中の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度40℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。また、得られたフィルムについての物性値は、以下の条件で測定した。
(1)弾性率:JIS−K−6732に準じた。
(2)耐ブロッキング性:JIS−Z−0219に準じた。
(3)滑り性:東洋精機製摩擦測定器で、傾斜板とブロック(荷重1kg)に試料を張り、傾斜板を水平の状態から一定速度(2.7℃/sec)で傾斜させてブロックが滑り出す角度を求めた。
【0051】
[合成例1]
撹拌機、温度計を備えた500リットルの4反応釜に、90%−乳酸104.3kgとジフェニルエーテル225.0kg、金属錫2.0kgを加え、130℃/140mmHgで7時間、系外に生成水を留出させながら加熱撹拌した。これにDean Stark Trapを取り付け、140℃/130mmHgで8時間共沸脱水を行なった後、モレキュラーシーブス3Aを40kg充填した乾燥管を取付け、留出した溶媒が乾燥管を通って反応器に戻るようにして、130℃/17mmHgで30時間加熱還流した。反応マスを冷却後、600リットルのクロロホルムに溶解し、4kリットルのアセトンに加え再沈後、析出した個体を瀘別した。
次に瀘塊に塩酸5kgを溶解したイソプロピルアルコール(以下、IPAと略す。) 溶液500リットルを加え、30分間撹拌し、さらにIPA500リットルを加えスラッジ後瀘過し、これを3回繰り返し、得られた湿ケーキを60℃/100mmHgで15時間乾燥した。得られた固体は、白色粉末状のポリ乳酸で収量は69.1kg、収率は92.2%、重量平均分子量(Mw)は15.5万であった。
【0052】
[合成例2]
乳酸の代わりに1,4−ブタンジオール50.5kgとコハク酸66.5kgを用いた他は合成例1と同様な方法で行なった結果、白色粉末状のポリブチレンサクシネートを得た。収量は92.2kg、収率は95.0%、重量平均分子量(Mw)は12.2万であった。
【0053】
[合成例3]
合成例1で得られたポリ乳酸8kg、合成例2で得られたポリブチレンサクシネート2kgをよく混合し、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートとの混合物を得た。
【0054】
[合成例4]
合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(Mw)2.2万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75kg、ジフェニルエーテル225.0kg)に合成例2で得られた重量平均分子量(Mw)12.2万のポリブチレンサクシネート9.05kgを装入し、さらに130℃/17mmHgで20時間反応した他は、合成例1と同様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートとのブロックコポリマー(乳酸成分は89重量%)を得た。収量は78.3kg、収率は93.2%、重量平均分子量(Mw)は13.5万であった。
【0055】
[合成例5]
乳酸の代わりに6−ヒドロキシカプロン酸104.0kgを用いた他は合成例1と同様な方法で行なった結果、白色粉末状のポリカプロン酸を得た。収量は81.0kg、収率は92.2%、重量平均分子量(Mw)は13.1万であった。
【0056】
[合成例6]
合成例1で得られたポリ乳酸8kg、合成例4で得られたポリカプロラクトン2kgをよく混合し、ポリ乳酸とポリカプロラクトンとの混合物を得た。
【0057】
[合成例7]
合成例1と同様な方法で得られた重量平均分子量(Mw)2.2万のポリ乳酸の反応マス(ポリ乳酸75kg、ジフェニルエーテル225.0kg)に合成例4で得られた重量平均分子量(Mw)13.1万のポリカプロラクトン9.05kgを装入し、さらに130℃/17mmHgで20時間反応した他は、合成例1と同様にして行なった結果、ポリ乳酸とポリカプロラクトンとのブロックコポリマー(乳酸成分は89重量%)を得た。収量は78.7kg、収率は93.6%、重量平均分子量(Mw)は15.1万であった。
【0058】
[実施例1]
合成例1で得られたポリ乳酸7kgとポリエチレングリコール(分子量Mw=15万)3kg混合し、無機添加剤 SiO2(アエロジル200、日本アエロジル社製)200g、脂肪族カルボン酸アミド(エルカ酸アミド)100gを加え、ヘンシェルミキサ−で十分に混合した。得られたパウダーを二軸の押出し機(36mm)で温度170℃で押出し、ペレタイザーにてカットした。このペレットを60℃で10時間乾燥した後、40mmのインフレーション成形機(ダイス径40mm)にて、温度160〜170℃で成形し、折り径150mm、厚み30〜40μmのインフレーションフィルムを作成し巻き取った。
このフィルムは、ブロッキングを起こす事なく、開口性も良好であった。
弾性率は7000kgf/cm2、耐ブロッキング性は良好、滑り角度は20℃であった。
【0059】
[実施例2〜11]
脂肪族ポリエステル、ポリアルキレングリコール、無機添加剤、脂肪族カルボン酸アミドを表−1に示す条件に変えて行った他は、実施例1と同様にして行なった。何れの場合も、成形性は良好で得られたフィルムはブロッキングを起こすことなく、開口性も良好であった。表−1、2に成形性、耐ブロッキング性、滑り角度について評価した結果を示す。
【0060】
[比較例1〜9]
脂肪族ポリエステル、ポリアルキレングリコール、無機添加剤、脂肪族カルボン酸アミドを表−1に示す条件に変えて行った他は、実施例1と同様にして行なった。いずれの場合も、インフレーション成形時のスクリュウへの食い込み不良、バブルの安定性が不良だったり成形性は悪く、得られたフィルムはブロッキングを起こし、開口性も不良であった。表−3、4に成形性、耐ブロッキング性、滑り角度について評価した結果を示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】
▲1▼ 本発明に係る樹脂組成物は、成分(A)単独の場合と比較して、成形(例えば、押出し成形、インフレーション成形等)の際の成形性に優れる。
▲2▼ 本発明に係るフィルムやシートは、成分(A)のみからなる場合と比較して、顕著に耐ブロッキング性や滑り性に優れる。
▲3▼ 本発明に係るフィルムやシートは、成分(A)のみからなる場合と比較して、ロール状とした場合や、積み重ねた場合に、端を剥離しやすい。
▲4▼ 本発明に係るフィルムやシートからなる袋は、成分(A)のみからなる場合と比較して、ロール状とした場合に、端を取り出したときの開口性に優れる。
▲5▼ 本発明に係るフィルムやシートは、成分(A)のみからなる場合と比較して、同等以上の成形加工性を有する。
▲6▼ 本発明に係るフィルムやシートは、成分(A)のみからなる場合と比較して、同様に、自然環境下で生分解性を有する。
Claims (12)
- 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、(a1) ヒドロキシカルボン酸、(a2) ポリヒドロキシカルボン酸、(a3) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、及び、(a4) 脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との脂肪族ポリエステルからなる群から選択された少なくとも1種が脱水(重)縮合反応することにより製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、(a1−1) 乳酸、(a1−2) グリコール酸、(a2−1) ポリ乳酸、(a2−2) ポリグリコール酸、(a3−1) エチレングリコール、及び、コハク酸、(a3−2) エチレングリコール、及び、アジピン酸、(a3−3) エチレングリコール、コハク酸、及び、アジピン酸、(a3−4) エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び、コハク酸、(a3−5) エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び、アジピン酸、(a3−6) エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、コハク酸、及び、アジピン酸、(a3−7) 1,4−ブタンジオール、及び、コハク酸、(a3−8) 1,4−ブタンジオール、及び、アジピン酸、(a3−9) 1,4−ブタンジオール、コハク酸、及び、アジピン酸、(a4−1) ポリエチレンサクシネート(a4−2) ポリブチレンサクシネートからなる群から選択された少なくとも1種が脱水(重)縮合反応することにより製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 成分(A)脂肪族ポリエステルに対して、(a1−1)乳酸及び/又は(a2−1)ポリ乳酸が、50重量%以上であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
- 成分(A)の脂肪族ポリエステルが、50重量%以上のポリ乳酸と50重量%以下のポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 成分(B)の式(1)(化1)で示されるポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレン−ポリプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載した樹脂組成物。
- 成分(C)の脂肪族カルボン酸アミドが、ステリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、N−ステアリルエルカ酸アミドからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載した樹脂組成物。
- 樹脂組成物重量に対して、成分(B)の式(1)(化1)で示されるポリアルキレングリコールの量が、3〜50重量%であり、成分(C)の脂肪族カルボン酸アミドが、0.01〜10重量%であり、かつ、成分(D)の30μm以下の平均粒子径を有するSiO2を含む無機添加剤が、0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載した樹脂組成物。
- 請求項1乃至9の何れかに記載の樹脂組成物からなる成形加工品。
- 請求項1乃至9の何れかに記載の樹脂組成物を成形加工してなるフィルム。
- 請求項1乃至9の何れかに記載の樹脂組成物を成形加工してなるシート。
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