JP3654000B2 - 自励式共振型インバータ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インダクタおよび共振用キャパシタの共振回路とスイッチング素子とを有し、インダクタと磁気結合する帰還インダクタから得られる起電力を利用してスイッチング素子のオン/オフ制御を行って、直流電源からの直流電力を高周波の交流電力に変換する自励式共振型インバータ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、スイッチング素子への電圧(電流)を正弦波状にしてスイッチング損失を低減するようにした共振型インバータ技術が、従来のハードスイッチング方式よりも高効率で低ノイズであることから急速に実用化されてきている。
【0003】
この種の共振型インバータ技術を採用する方式では、スイッチング素子への正弦波状電圧がゼロに近づいた時点でスイッチング素子をオンにするいわゆるゼロ電圧スイッチングを実現する必要があるとともに、スイッチング素子のオン期間を制御可能にして出力を安定化する必要がある。一般に、これらを実現するために、スイッチング素子への電圧の監視を行い、この監視結果に応じてスイッチング素子をオンにし、次いでタイマなどの計時による所定時間の経過後にスイッチング素子をオフにする一方、回路中の安定化すべき部位の信号の検出を行い、この検出結果に応じてスイッチング素子のオン期間を制御する方法が採られる。
【0004】
しかしながら、上記方式では、スイッチング素子への電圧の監視を行い、この監視結果に応じてスイッチング素子をオンにする回路、スイッチング素子のオン期間を管理する回路およびオン期間を制御する別の制御回路が必要となるので、部品点数が増大して回路が複雑になるとともにコストアップとなる。
【0005】
このような問題を解決するための方式として、バイアス回路および帰還インダクタを用いた簡単な回路でゼロ電圧スイッチングを実現する自励発振の回路方式がある。
【0006】
図9はこのような自励発振の回路方式の一例を示す従来の自励式共振型インバータ回路の概略構成図で、この自励式共振型インバータ回路は、電界効果トランジスタ(FET)Q12の起動用の起動回路11と、FETQ12、トランスT1の1次巻線L12および共振用キャパシタC12などにより構成され直流電源Eからの直流電力を高周波の交流電力に変換する直流交流変換回路12と、トランスT1に設けられた(図9では1次側に設けられている。)帰還巻線L13から得られる起電力を利用してFETQ12をオンにするオン制御回路13と、FETQ12のオン期間における1次巻線L12上の電流の増大を電圧の上昇で検出する抵抗R14paおよびこの抵抗R14paの電圧がターンオンしきい値に達するとオンになってFETQ12をオフにするトランジスタQ14などにより構成されるオフ制御回路14paとを備えている。
【0007】
なお、この種の回路構成は、例えば特開平9−322416号公報に開示されている。
【0008】
また、図10に示すように、上記トランジスタQ14のような補助スイッチング素子を使用する別の方式が特開平5−304773号公報に記載されている。補助スイッチング素子としてトランジスタQ2paを使用するこの回路では、帰還巻線L1paに誘導される起電力によって抵抗R1paを介してキャパシタC1paに正電圧が印加されると、キャパシタC1paの電圧が上昇し、この電圧がトランジスタQ2paのターンオンしきい値に達すると、トランジスタQ2paがオンになってメインのトランジスタQ1paがオフになる構成になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9の自励式共振型インバータ回路は、低出力で使用される場合には非常にシンプルで信頼性の高い回路方式になるものの、高出力で使用される場合には電流増大検出用の抵抗R14paでの損失が増大するので放熱対策が必要になってくる。
【0010】
一方、図10に示す回路では、上記放熱対策は不要となるが別の問題が生じてくる。すなわち、帰還巻線L1paに誘導される起電力によって抵抗R1paを介してキャパシタC1paに負電圧が印加されると、キャパシタC1paの電荷がダイオードD1paを介して瞬時に放電し、キャパシタC1paの電圧が帰還巻線L1paの負電圧にほぼ等しくなる。このため、トランジスタQ2paのベース電圧が負に大きく降圧され、トランジスタQ2paが破壊に至る可能性がある。また、この回路方式は、充電期間が帰還巻線L1paの電圧の大きさに反比例しており、負帰還作用により自動的に主巻線の電圧出力を安定化させる構成になっており、厳密に安定化させる場合、他の部分例えば出力電流などを安定化させる場合、あるいは2次電池への充電などのように最初は大電流で後に小電流となるような時間的に出力を変化させる場合に対応可能になっていない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策が不要で、出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる自励式共振型インバータ回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自励式共振型インバータ回路は、直流電源の両出力端間のオン/オフを行う主スイッチング素子、この主スイッチング素子がオン/オフを行う経路上に介在するインダクタ、およびこのインダクタとともに共振回路を構成する共振用キャパシタを有し、前記直流電源からの直流電力を高周波の交流電力に変換する直流交流変換回路と、前記インダクタと磁気結合する帰還インダクタから得られる起電力を利用して前記主スイッチング素子をオンにするオン制御回路と、逆並列接続される2個のダイオード、これら2個のダイオードとそれぞれ直列回路を構成する2個の抵抗、前記インダクタと磁気結合する帰還インダクタの一端側に前記2組の直列回路を介して一端が接続されるオフ制御用キャパシタ、このオフ制御用キャパシタの一端側にアノードが接続されるダイオード、およびこのダイオードのカソード側に接続される補助スイッチング素子を有し、前記オフ制御用キャパシタの充電時間に応じて前記主スイッチング素子のオン時点からオフ時点までのオン期間の制御を行うとともに、このオン期間の経過時に前記補助スイッチング素子が前記主スイッチング素子をオフにするオフ制御回路と、前記オフ制御用キャパシタへの電力供給用の電源とを備えるものである。
【0013】
この構成では、主スイッチング素子がオン/オフを行う経路上に抵抗が例えば単独で存在しないことから高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策が不要になる。また、オフ制御用キャパシタに電圧を別途印可すると主スイッチング素子のオン期間が短くなるので、出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。さらに、この構成では、電源からのバイアス電圧をオフ制御用キャパシタに適宜印加することにより主スイッチング素子のオン期間が調整される。
【0014】
なお、前記オン制御回路は、前記主スイッチング素子のオン用に利用される起電力を得るための前記帰還インダクタとして第1帰還インダクタを有し、前記オフ制御回路は、前記2組の直列回路を介して前記オフ制御用キャパシタに接続される前記帰還インダクタとして第2帰還インダクタを有する構成でもよい。この構成でも、高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策が不要になるとともに出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。
【0015】
また、前記オン制御回路およびオフ制御回路の双方は、前記インダクタと磁気結合する帰還インダクタを同一の帰還インダクタで共有する構成でもよい。この構成によれば、高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策が不要になるとともに出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。また、同一の帰還インダクタが共有されることから小型化が可能になる。
【0016】
また、前記オフ制御用キャパシタの一端および他端にそれぞれカソードおよびアノードが接続される放電電圧クランプ用のダイオードを備える構成でもよい。この構成によれば、補助スイッチング素子の電圧が負方向に大きく降圧されるのが抑制される。
【0017】
また、前記磁気結合によって生じる起電力の正極性の電圧を一定にして前記2組の直列回路を介して前記オフ制御用キャパシタに印加する定電圧回路を備える構成でもよい。この構成によれば、主スイッチング素子のオフ制御が安定するようになる。
【0019】
また、前記電源は、前記主スイッチング素子のオン期間調整制御用の信号検出を行う検出回路と、この検出回路の検出結果に応じて前記オフ制御用キャパシタに電力を供給する制御回路とを備える構成でもよい。この構成では、主スイッチング素子のオン期間が自動的に調整されるようになる。
【0020】
また、前記主スイッチング素子は1石であり、前記共振用キャパシタは前記インダクタに並列接続される構成でもよい。この構成によれば、高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策が不要になるとともに出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。
【0021】
また、前記直流交流変換回路、オン制御回路およびオフ制御回路を2組有し、前記2組の一方における前記直流交流変換回路のインダクタ、前記オン制御回路で利用される帰還インダクタ、および前記オフ制御回路で利用される帰還インダクタは、それぞれ前記2組の他方における前記直流交流変換回路のインダクタ前記オン制御回路で利用される帰還インダクタ、および前記オフ制御回路で利用される帰還インダクタに対して極性が逆であり、前記2組の各共振用キャパシタは同一組内のインダクタに並列接続される構成でもよい。この構成によれば、高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策が不要になるとともに出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。また、プッシュプル回路方式の構成が可能になる。
【0022】
さらに、前記オン制御回路およびオフ制御回路を各2個有し、前記直流交流変換回路は、前記主スイッチング素子、前記直流電源と直列接続される別の直流電源の両出力端間のオン/オフを行う別の主スイッチング素子、これら2石の主スイッチング素子の各々に並列接続される共振用キャパシタ、および前記2石の主スイッチング素子の一方がオン/オフを行う経路上に介在するとともに前記2石の主スイッチング素子の他方がオン/オフを行う経路上に介在するインダクタを有し、前記2個のオン制御回路は、それぞれ前記2石の主スイッチング素子を前記帰還インダクタから得られる起電力を利用してオンにし、前記2個のオフ制御回路は、それぞれ、前記2石の主スイッチング素子のオン期間の制御を行うとともに、前記2石の主スイッチング素子を前記オン期間の経過時にオフにし、前記2個のオン制御回路の一方で利用される帰還インダクタは、前記2個のオン制御回路の他方で利用される帰還インダクタに対して極性が逆であり、前記2個のオフ制御回路の一方で利用される帰還インダクタは、前記2個のオフ制御回路の他方で利用される帰還インダクタに対して極性が逆である構成でもよい。この構成によれば、放熱対策が不要になるとともに出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。また、ハーフブリッジ回路方式の構成が可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図で、以下この図1を用いて第1実施形態について説明すると、本自励式共振型インバータ回路は、起動回路11、直流交流変換回路12およびオン制御回路13を図9と同様に備えているとともに、図9のオフ制御回路14paとは回路構成が異なるオフ制御回路14を備えている。なお、直流電源Eは、交流電源からの電力に対して整流および平滑などを行って直流電力を得る電源回路でもよく、あるいはバッテリやポリアセン2次電池などでもよい。
【0024】
起動回路11は、直流電源Eの高電位側出力端に一端が接続される抵抗R11およびこの抵抗R11の他端と直流電源Eの低電位側出力端との間に接続されるキャパシタC11により構成され、起動時にキャパシタC11に発生する電圧でFETQ12をオンさせるものである。ただし、キャパシタC11の電圧は、後述する帰還巻線L13および抵抗R13を介して、FETQ12のゲートに印加される構成になっている。
【0025】
直流交流変換回路12は、直流電源Eの両出力端間のオン/オフを行うFET(主スイッチング素子)Q12、このFETQ12がオン/オフを行う経路上の高電位側に介在するトランスT1の1次巻線(インダクタ)L12、この1次巻線L12に並列接続され1次巻線L12とともに共振(電圧共振)回路を構成する共振用キャパシタC12、上記経路上に介在しアノードおよびカソードがそれぞれ1次巻線L12およびFETQ12のドレインに接続されるダイオードD12、このダイオードD12に並列接続される抵抗R12、およびトランスT1の2次巻線L15により構成され、直流電源Eからの直流電力を高周波の交流電力に変換して2次巻線L15の両端に出力するものである。
【0026】
オン制御回路13は、トランスT1(図1では1次側)に設けられ抵抗R11とキャパシタC11との間に一端が接続される帰還巻線(第1帰還インダクタ)L13、およびこの帰還巻線L13の他端とFETQ12のゲートとの間に接続される抵抗R13により構成され、帰還巻線L13から得られる起電力を利用してFETQ12をオンにするものである。
【0027】
オフ制御回路14は、逆(順方向が互いに逆になるように)並列接続される2個のダイオードD141,D142、これら2個のダイオードD141,D142とそれぞれ直列回路を構成する2個の抵抗R141,R142、トランスT1に設けられ上記2組の直列回路の一端およびグランドにそれぞれ一端および他端が接続される帰還巻線(第2帰還インダクタ)L14、この帰還巻線L14の一端側に上記2組の直列回路を介して一端が接続される他端接地のオフ制御用キャパシタC141、このオフ制御用キャパシタC141の一端側にアノードが接続されるダイオードD143、オフ制御用キャパシタC141の一端および他端にそれぞれカソードおよびアノードが接続される放電電圧クランプ用のダイオードD144、FETQ12のゲートにアノードが接続されるダイオードD145、ダイオードD143,D145のカソードにそれぞれベースおよびコレクタが接続されるエミッタ接地のトランジスタ(補助スイッチング素子)Q14、およびこのトランジスタQ14のベース・エミッタ間に接続されるキャパシタC142により構成され、オフ制御用キャパシタC141の充電時間に応じてFETQ12のオン時点からオフ時点までのオン期間の制御を行うとともに、このオン期間の経過時にトランジスタQ14をオンにしてFETQ12をオフにするものである。ただし、ダイオードD144は、オフ制御用キャパシタC141の負電位を当該ダイオードD144の順方向電圧分のマイナス0.7V程度にクランプし、トランジスタQ14のベース電圧が負方向に大きく降圧されるのを抑制するためのものである。
【0028】
また、図1に示すように、1次巻線L12の両端のうち、直流電源Eの高電位側出力端に接続される一端の極性を正とすると、帰還巻線L13は、他端(図1では下端)の極性が正となるようにトランスT1に巻かれ、1次巻線L12と磁気結合している一方、帰還巻線L14は、一端(図1では上端)の極性が正となるようにトランスT1に巻かれ、1次巻線L12と磁気結合している。
【0029】
図2は本自励式共振型インバータ回路の動作時における1次巻線L12のFETQ12側の電圧Vd、FETQ12を流れるドレイン電流Id、FETQ12のゲート電圧Vg、トランジスタQ14のベース電圧Vbおよびオフ制御用キャパシタC141の電圧Vcを示す波形図で、以下この図2を用いて本自励式共振型インバータ回路の動作について説明する。
【0030】
まず、電源投入時点から時点t0の動作について説明する。電源が投入されると、直流電源Eの出力電圧が起動回路11に印加し、キャパシタC11の電圧が上昇してFETQ12のゲート電圧が上昇する。この後、FETQ12のゲート電圧がそのターンオンしきい値に達するとFETQ12がオンになる。
【0031】
FETQ12がオンになると、直流電源E、1次巻線L12、ダイオードD12、FETQ12および直流電源Eの経路上にこの順番に電流が増大しながら流れる。この電流によって1次巻線L12が正に励磁されて帰還巻線L14に正の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L14から一方(図1では上方)の直列回路を介してオフ制御用キャパシタC141に正電圧が印可され、オフ制御用キャパシタC141の電圧が上昇してトランジスタQ14のベース電圧が上昇する。この後、トランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値に達すると、トランジスタQ14がオンになってFETQ12がオフになる(時点t0)。
【0032】
次に、時点t0から時点t1の動作について説明する。FETQ12がオフになると(時点t0)、1次巻線L12の励磁エネルギが共振用キャパシタC12への移動を開始して共振が始まり、共振回路に共振電圧が発生する。すなわち、1次巻線L12の励磁エネルギが共振用キャパシタC12に移動するにつれて電圧Vdが正弦波状に上昇し、励磁エネルギの移動完了時点で最大となる。このような電圧変動が生じると、1次巻線L12が逆に励磁されて帰還巻線L13,14に逆の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L13から逆の電圧が印加されてFETQ12のゲート電圧Vgが正弦波状に下降する。一方、帰還巻線L14にも逆の電圧が発生し、オフ制御用キャパシタC141が下方の直列回路を介して放電を始めてトランジスタQ14のベース電圧Vbが下降する。
【0033】
この後、トランジスタQ14のベース電圧Vbがそのターンオンしきい値よりも低くなるとトランジスタQ14がオフになる一方、FETQ12のゲート電圧Vgもターンオンしきい値よりも低くなるからFETQ12のオフ状態が維持される。
【0034】
この後、共振用キャパシタC12への1次巻線L12の励磁エネルギの移動が完了すると、移動したエネルギが1次巻線L12に戻り始め、戻るにつれて電圧Vdが正弦波状に下降する。このような電圧変動が生じると、1次巻線L12が正に励磁されて帰還巻線L13,14に正の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L13から正の電圧が印加されてFETQ12のゲート電圧Vgが正弦波状に上昇する。一方、帰還巻線L14からオフ制御用キャパシタC141側に正電圧が印可されるが、その誘導起電力ではオフ制御用キャパシタC141の電圧が上昇するには至らない。
【0035】
この後、FETQ12のゲート電圧Vgがターンオンしきい値に達すると(時点t1)、FETQ12がオンになる。このとき、FETQ12への正弦波状電圧Vdがゼロに近づいた時点t1でFETQ12がオンになるので、ゼロ電圧スイッチングが実現されることになる。
【0036】
次に、既に明らかではあるが時点t1から時点t2の動作について概説する。FETQ12がオンになると(時点t1)、ドレイン電流Idが流れ、1次巻線L12が正に励磁されて帰還巻線L14に正の起電力が誘導され、これにより、帰還巻線L14からオフ制御用キャパシタC141に正電圧が印可され、オフ制御用キャパシタC141の電圧Vcが上昇してトランジスタQ14のベース電圧Vbが上昇する。この後、トランジスタQ14のベース電圧Vbがそのターンオンしきい値に達すると(時点t2)、トランジスタQ14がオンになってFETQ12がオフになる。
【0037】
最後に、時点t2から時点t4の動作について概説する。FETQ12がオフになると(時点t2)、1次巻線L12の励磁エネルギが共振用キャパシタC12に移動を始め、1次巻線L12が逆に励磁されて帰還巻線L13,14に逆の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L13から逆の電圧が印加されてFETQ12のゲート電圧Vgが正弦波状に下降する。一方、帰還巻線L14に逆の電圧が発生し、オフ制御用キャパシタC141が放電を始めてトランジスタQ14のベース電圧Vbが下降する。
【0038】
この後、トランジスタQ14のベース電圧Vbがそのターンオンしきい値よりも低くなるとトランジスタQ14がオフになる一方、FETQ12のオフ状態が維持される。この後、オフ制御用キャパシタC141の放電が完了する(時点t3)。
【0039】
この後、共振用キャパシタC12への1次巻線L12の励磁エネルギの移動が完了すると、移動したエネルギが1次巻線L12に戻り始め、戻るにつれて電圧Vdが正弦波状に下降し、1次巻線L12が正に励磁されて帰還巻線L13に正の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L13から正の電圧が印加されてFETQ12のゲート電圧Vgが正弦波状に上昇し、ターンオンしきい値に達すると、FETQ12がオンになる(時点t4)。このようにしてインバータ動作が持続する。
【0040】
以上、第1実施形態によれば、FETQ12のオン時にドレイン電流が直に流れる抵抗が存在しないことから高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策を不要にすることが可能になる。また、オフ制御用キャパシタに電圧を別途印可すると主スイッチング素子のオン期間が短くなるので、後述するように、出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御が実現容易となる。さらに、少ない部品でゼロ電圧スイッチングが可能になる。
【0041】
なお、第1実施形態では、トランスT1が使用される構成になっているが、これに限らず、特開平9−322416号公報記載の非接触式充電装置のように、1次巻線L12および2次巻線L15をそれぞれ非接触で磁気結合する2個のコイルに代え、そして帰還巻線L13,L14をそれぞれ1次巻線L12に代わるコイルに磁気結合する2個のコイルに代えた構成でもよい。
【0042】
図3は本発明の第2実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図で、以下この図3を用いて第2実施形態について説明すると、本自励式共振型インバータ回路は、起動回路11、直流交流変換回路12およびオン制御回路13を第1実施形態と同様に備えているとともに、第1実施形態のオフ制御回路14とは回路構成が異なるオフ制御回路24を備えている。
【0043】
このオフ制御回路24は、オフ制御回路14と同様に、ダイオードD141,D142、抵抗R141,R142、オフ制御用キャパシタC141、ダイオードD143〜D145、トランジスタQ14およびキャパシタC142を備えている他、オフ制御回路14と異なる回路素子として、2組の直列回路の一端およびグランドにそれぞれカソードおよびアノードが接続された低電圧ダイオードZD241、およびこの低電圧ダイオードZD241のカソードと抵抗R13側の帰還巻線L13との間に接続された抵抗R241を備えている。
【0044】
これら低電圧ダイオードZD241および抵抗R241は、帰還巻線L13からの起電力の正極性の電圧を一定にして、上記2組の直列回路(詳しくは上方の直列回路)を介してオフ制御用キャパシタC141に印加する定電圧回路を構成する。
【0045】
この定電圧回路の作用について説明すると、帰還巻線L14に代わる帰還巻線L13にドレイン電流に応じた正の起電力が誘導されると、上記定電圧回路により、帰還巻線L13からオフ制御用キャパシタC141側に一定の正の電圧が印加されることになって、オフ制御回路24によるFETQ12のオフ制御が安定することとなる。
【0046】
また、オフ制御回路24に対する帰還巻線L13の動作は第1実施形態の帰還巻線L14と同様であるので、本自励式共振型インバータ回路の動作は第1実施形態の自励式共振型インバータ回路の動作と同様となる。
【0047】
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能になる他、帰還巻線L14が不要になることから小型化が可能になるとともに、定電圧回路により安定したFETQ12のオフ制御が可能になる。
【0048】
図4は本発明の第3実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図で、以下この図4を用いて第3実施形態について説明すると、本自励式共振型インバータ回路は、起動回路11、直流交流変換回路12、オン制御回路13およびオフ制御回路14を第1実施形態と同様に備えているとともに、ダイオードD35、抵抗R35、およびこれらダイオードD35および抵抗R35を介してオフ制御用キャパシタC141にバイアス電圧(電力)を適宜印加(供給)する電圧源(電源)35を備えている。
【0049】
次に、電圧源35の動作について説明する。電圧源35がバイアス電圧をオフ制御用キャパシタC141側に印加すると、トランジスタQ14のベース電圧がターンオンしきい値に達するまでの時間が短くなり、これにより、FETQ12のオン期間が短くなる。
【0050】
以上、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に動作することから同様の効果を奏することが可能になるとともに、電圧源35からのバイアス電圧をオフ制御用キャパシタC141に適宜印加することによりFETQ12のオン期間の調整制御が可能になる。
【0051】
図5は本発明の第4実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図で、以下この図5を用いて第4実施形態について説明すると、本自励式共振型インバータ回路は、起動回路11、直流交流変換回路12、オン制御回路13およびオフ制御回路14を第1実施形態と同様に備えているとともに、ダイオードD45、およびこのダイオードD45を介してオフ制御用キャパシタC141にバイアス電圧を印加する電圧源(電源)45を備えている。
【0052】
この電圧源45は、FETQ12のオン期間調整制御用の信号として、例えば直流交流変換回路12の出力部から出力情報を検出する出力情報検出回路(検出回路)451、およびこの出力情報検出回路451の検出結果に応じてFETQ12のオン期間調整用の電圧を生成してダイオードD45を介してオフ制御用キャパシタC141に印加する制御回路452により構成されている。
【0053】
次に、電圧源45の動作について説明すると、直流交流変換回路12の出力情報に応じて得られた電圧がダイオードD45を介してオフ制御用キャパシタC141に印加される。これにより、オフ制御用キャパシタC141の電圧がトランジスタQ14のターンオンしきい値に達するまでの時間が短くなってFETQ12のオン期間が短くなるから、直流交流変換回路12の出力情報に応じたFETQ12のオン期間の自動調整制御が可能になる。
【0054】
以上、第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に動作することから同様の効果を奏することが可能になるとともに、FETQ12のオン期間の自動調整制御が可能になる。
【0055】
なお、第4実施形態では、FETQ12のオン期間調整制御用の信号として、直流交流変換回路12の出力部から出力情報が検出される構成になっているが、その検出する部分は任意的である。例えばFETQ12のオン期間調整制御用の信号として、FETQ12のドレイン電流の検出を行って、この検出結果に応じてFETQ12のオン期間を調整制御する構成でもよい。
【0056】
図6は本発明の第5実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図で、以下この図6を用いて第5実施形態について説明すると、本自励式共振型インバータ回路は、2個の起動回路11、実質的に2個分の直流交流変換回路12に相当する直流交流変換回路52、2個のオン制御回路13および2個のオフ制御回路14を有している。
【0057】
直流交流変換回路52は、2石のFET(主スイッチング素子)Q52、2個の共振用キャパシタC52、センタタップで分離される2部分が2個分の1次巻線L12に相当する1次巻線L52、およびセンタタップで分離される2部分が2個分の2次巻線L15に相当する2次巻線L55により構成されている。
【0058】
そして、上記各回路により構成される2組の一方(図6では上方の組み)における1次巻線L52の一方の部分(インダクタ)、帰還巻線L13および帰還巻線L14は、それぞれ2組の他方(図6では下方の組み)における1次巻線L52の他方の部分(インダクタ)、帰還巻線L13および帰還巻線L14に対して極性が逆であり、2組の各共振用キャパシタC52は同一組内の1次巻線L52の一部分に並列接続されている。なお、本自励式共振型インバータ回路の出力には、2個のダイオードD51,52、およびキャパシタC51を介して負荷Zが接続されている。
【0059】
このように構成することにより、実質的に2個分の第1実施形態の自励式共振型インバータ回路に相当する本自励式共振型インバータ回路がプッシュプル動作を行うようになり、プッシュプル回路方式の構成が可能になる。
【0060】
以上、第5実施形態によれば、本自励式共振型インバータ回路が実質的に2個分の第1実施形態の自励式共振型インバータ回路によって構成されるので、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能になるとともに、プッシュプル回路方式の構成が可能になる。
【0061】
図7は本発明の第6実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図で、以下この図7を用いて第6実施形態について説明すると、本自励式共振型インバータ回路は、2個のコンデンサC1,C2、2個のダイオードD61、および直流交流変換回路62に加えて、起動回路11、オン制御回路13およびオフ制御回路14を各2個有している。なお、本自励式共振型インバータ回路の出力には、第6実施形態と同様に、2個のダイオードD51,52およびキャパシタC51を介して負荷Zが接続されている。
【0062】
コンデンサC1,C2は直流電源Eの両出力端の間に直列接続され、それぞれに直流電源Eの半分の電圧が発生するように設定されている。
【0063】
各ダイオードD61は、抵抗R11とコンデンサC11の間にアノードが接続され、後述のFETQ62のドレインにカソードが接続されており、FETQ62のオン時間が長くなりすぎないようにするためのものである。すなわち、コンデンサC11の電圧がFETQ62のターンオン電圧を維持すると、コンデンサC11、帰還巻線L13、抵抗R13、ダイオードD145、トランジスタQ14およびコンデンサC11の経路でターンオフされるターンオフ時間が長くなる。一度、共振が始まると、帰還巻線L13の起電力でFETQ62を十分オンにできるので、ダイオードD61を用いて、FETQ62のオン時にコンデンサC11、ダイオードD61、FETQ62およびコンデンサC11の経路でコンデンサC11の電荷を放電させ、コンデンサC11の両端電圧がほぼ0Vになるようにしている。
【0064】
直流交流変換回路62は、コンデンサ(直流電源)C1の両端間のオン/オフを行うFET(主スイッチング素子)Q62、コンデンサ(別の直流電源)C2の両端間のオン/オフを行う別のFETQ62、これら2石のFETQ62の各々に並列接続される共振用キャパシタC62、一方のFETQ62がオン/オフを行う経路上に介在するとともに他方のFETQ62がオン/オフを行う経路上に介在する1次巻線(インダクタ)L62、およびこの1次巻線L62に磁気結合するセンタタップ付の2次巻線L65を有している。
【0065】
また、2個のオン制御回路13は、それぞれ2石のFETQ62を帰還巻線L13から得られる起電力を利用してオンにし、また2個のオフ制御回路14は、それぞれ、オフ制御用キャパシタC141の充電時間に応じて2石のFETQ62のオン期間の制御を行うとともに、2石のFETQ62をそのオン期間の経過時にオフにするように接続されている。
【0066】
さらに、一方の帰還巻線L13は他方の帰還巻線L13に対して極性が逆で、また一方の帰還巻線L14は他方の帰還巻線L14に対して極性が逆である。
【0067】
このように構成することにより、2石のFETQ62が交互にオン/オフを行うハーフブリッジ回路が得られる。また、このハーフブリッジ回路では、共振は各FETQ62の内部ダイオードによっていわゆる部分共振となる。すなわち、上記他の実施形態と同様に、FETQ62がオンした後にオフになると共振が始まるが、オフになった一方のFETQ62のドレイン・ソース間に加わる電圧がその共振によって電源電圧以上になると、他方のFETQ62の内部ダイオードによってクランプされ、これにより、ドレイン・ソース間の電圧が電源電圧以上の場合には共振が行われなくなる。
【0068】
図8は本自励式共振型インバータ回路の動作時における各部の波形図で、以下この図8を用いて本自励式共振型インバータ回路の動作について説明する。
【0069】
まず、電源が投入されると、A側の起動回路11には1次巻線L62が介在することから、B側の起動回路11のキャパシタC11の電圧が先にFETQ62のターンオンしきい値に達して、B側のFETQ62が先にオンになる。
【0070】
B側において、FETQ62がオンになると、キャパシタC2、1次巻線L62、FETQ62およびキャパシタC2の経路上にこの順番に電流が増大しながら流れる。この電流によって1次巻線L62が逆に励磁されて帰還巻線L14に逆の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L14から一方(図では上方)の直列回路を介してオフ制御用キャパシタC141に正電圧が印可され、オフ制御用キャパシタC141の電圧が上昇してトランジスタQ14のベース電圧が上昇する。この後、トランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値に達すると(時点t10)、トランジスタQ14がオンになってFETQ62がオフになる。
【0071】
一方、A側において、起動回路11のキャパシタC11の電圧がB側の起動回路11に遅れて上昇してトランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値に達しても、上記1次巻線L62の逆の励磁によって帰還巻線L13に逆の起電力が誘導され、FETQ62のゲート電圧が下がるので、FETQ62はオンにならずにオフのままとなる。
【0072】
B側において、FETQ62がオフになると、1次巻線L62の励磁エネルギが共振用キャパシタC62に移動してドレイン電圧が上昇する。この後、このドレイン電圧がコンデンサC2の電圧以上になると、A側のFETQ62の内部ダイオードによってクランプされる(時点t11)。このような電圧変動が生じると、1次巻線L62が正に励磁されて帰還巻線L13,14に正の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L14に正の電圧が発生し、オフ制御用キャパシタC141が下方の直列回路を介して放電を始めてトランジスタQ14のベース電圧が下降する(「B側のC141の電圧」参照)。この後、トランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値よりも低くなるとトランジスタQ14がオフになる一方、FETQ62のゲート電圧もターンオンしきい値よりも低くなるからFETQ62はオフを維持する。
【0073】
一方、A側において、B側のFETQ62がオフになると、帰還巻線L13に逆の起電力が誘導されなくなって正の起電力が誘導されるので、FETQ62のゲート電圧が上昇してそのターンオンしきい値に達し、FETQ62がオンになる(時点t12)。この後、キャパシタC1、FETQ62、1次巻線L62およびキャパシタC1の経路上にこの順番に電流が増大しながら流れ、1次巻線L62が正に励磁されて帰還巻線L13,L14に正の起電力が誘導される。これにより、帰還巻線L14から上方の直列回路を介してオフ制御用キャパシタC141に正電圧が印可され、オフ制御用キャパシタC141の電圧が上昇してトランジスタQ14のベース電圧が上昇する(「A側のC141の電圧」参照)。この後、トランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値に達すると、トランジスタQ14がオンになってFETQ62がオフになる(時点t13)。この後、共振が始まり、ドレイン電圧が上昇してクランプされ(時点t14)、1次巻線L62が逆に励磁されて帰還巻線L13,14に逆の起電力が誘導される。これにより、オフ制御用キャパシタC141が放電を始めてトランジスタQ14のベース電圧が下降する(「A側のC141の電圧」参照)。この後、トランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値よりも低くなるとトランジスタQ14がオフになる一方、FETQ62のゲート電圧もターンオンしきい値よりも低くなるからFETQ62はオフを維持する。
【0074】
一方、B側において、A側のFETQ62がオフになると(時点t13)、帰還巻線L13に正の起電力が誘導されなくなって逆の起電力が誘導されるので、FETQ62のゲート電圧が上昇してそのターンオンしきい値に達し、FETQ62がオンになる。この後、キャパシタC2、1次巻線L62、FETQ62およびキャパシタC2の経路上にこの順番に電流が増大しながら流れ、1次巻線L62が正に励磁されて帰還巻線L13,L14に正の起電力が誘導される。これにより、オフ制御用キャパシタC141の電圧が上昇してトランジスタQ14のベース電圧が上昇する。この後、トランジスタQ14のベース電圧がそのターンオンしきい値に達すると、トランジスタQ14がオンになってFETQ62がオフになる(時点t15)。
【0075】
以後、同様にして一対のFETQ62は同時にオンとならないようにデットタイムを有しながら交互にオン/オフを繰り返す。これにより、インバータ動作が持続する。
【0076】
以上、第6実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能になるとともに、ハーフブリッジ回路方式の構成が可能になる。
【0077】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1、2および7記載の発明によれば、高出力時でも抵抗での損失に対する放熱対策を不要にすることが可能になるとともに、出力安定化制御や必要に応じた可変出力制御を容易に実現することが可能となる。
また、請求項1記載の発明によれば、主スイッチング素子のオン期間の調整制御が可能になる。
【0078】
請求項3記載の発明によれば、小型化が可能になる。
【0079】
請求項4記載の発明によれば、補助スイッチング素子の電圧が負方向に大きく降圧されるのを抑制することが可能になる。
【0080】
請求項5記載の発明によれば、主スイッチング素子の安定なオフ制御が可能になる。
【0082】
請求項6記載の発明によれば、主スイッチング素子のオン期間の自動調整制御が可能になる。
【0083】
請求項8記載の発明によれば、プッシュプル回路方式の構成が可能になる。
【0084】
請求項9記載の発明によれば、ハーフブリッジ回路方式の構成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図である。
【図2】本自励式共振型インバータ回路の動作時における1次巻線のFET側の電圧、FETを流れるドレイン電流、FETのゲート電圧、トランジスタのベース電圧およびオフ制御用キャパシタの電圧を示す波形図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第6実施形態に係る自励式共振型インバータ回路を示す概略構成図である。
【図8】本自励式共振型インバータ回路の動作時における各部の波形図である。
【図9】自励発振の回路方式の一例を示す従来の自励式共振型インバータ回路の概略構成図である。
【図10】補助スイッチング素子を使用する別の方式を示す図である。
【符号の説明】
11 起動回路
12 直流交流変換回路
13 オン制御回路
14 オフ制御回路
Q12 FET
Q14 トランジスタ
L12 1次巻線
L13,L14 帰還巻線
C12 共振用キャパシタ
C141 オフ制御用キャパシタ
Claims (9)
- 直流電源の両出力端間のオン/オフを行う主スイッチング素子、この主スイッチング素子がオン/オフを行う経路上に介在するインダクタ、およびこのインダクタとともに共振回路を構成する共振用キャパシタを有し、前記直流電源からの直流電力を高周波の交流電力に変換する直流交流変換回路と、
前記インダクタと磁気結合する帰還インダクタから得られる起電力を利用して前記主スイッチング素子をオンにするオン制御回路と、
逆並列接続される2個のダイオード、これら2個のダイオードとそれぞれ直列回路を構成する2個の抵抗、前記インダクタと磁気結合する帰還インダクタの一端側に前記2組の直列回路を介して一端が接続されるオフ制御用キャパシタ、このオフ制御用キャパシタの一端側にアノードが接続されるダイオード、およびこのダイオードのカソード側に接続される補助スイッチング素子を有し、前記オフ制御用キャパシタの充電時間に応じて前記主スイッチング素子のオン時点からオフ時点までのオン期間の制御を行うとともに、このオン期間の経過時に前記補助スイッチング素子が前記主スイッチング素子をオフにするオフ制御回路と、
前記オフ制御用キャパシタへの電力供給用の電源と
を備える自励式共振型インバータ回路。 - 前記オン制御回路は、前記主スイッチング素子のオン用に利用される起電力を得るための前記帰還インダクタとして第1帰還インダクタを有し、
前記オフ制御回路は、前記2組の直列回路を介して前記オフ制御用キャパシタに接続される前記帰還インダクタとして第2帰還インダクタを有する
請求項1記載の自励式共振型インバータ回路。 - 前記オン制御回路およびオフ制御回路の双方は、前記インダクタと磁気結合する帰還インダクタを同一の帰還インダクタで共有する請求項1記載の自励式共振型インバータ回路。
- 前記オフ制御用キャパシタの一端および他端にそれぞれカソードおよびアノードが接続される放電電圧クランプ用のダイオードを備える請求項1〜3のいずれかに記載の自励式共振型インバータ回路。
- 前記磁気結合によって生じる起電力の正極性の電圧を一定にして前記2組の直列回路を介して前記オフ制御用キャパシタに印加する定電圧回路を備える請求項1〜4のいずれかに記載の自励式共振型インバータ回路。
- 前記電源は、前記主スイッチング素子のオン期間調整制御用の信号検出を行う検出回路と、この検出回路の検出結果に応じて前記オフ制御用キャパシタに電力を供給する制御回路とを備える請求項1記載の自励式共振型インバータ回路。
- 前記主スイッチング素子は1石であり、前記共振用キャパシタは前記インダクタに並列接続される請求項1〜6のいずれかに記載の自励式共振型インバータ回路。
- 前記直流交流変換回路、オン制御回路およびオフ制御回路を2組有し、
前記2組の一方における前記直流交流変換回路のインダクタ、前記オン制御回路で利用される帰還インダクタ、および前記オフ制御回路で利用される帰還インダクタは、それぞれ前記2組の他方における前記直流交流変換回路のインダクタ前記オン制御回路で利用される帰還インダクタ、および前記オフ制御回路で利用される帰還インダクタに対して極性が逆であり、
前記2組の各共振用キャパシタは同一組内のインダクタに並列接続される
請求項1〜6のいずれかに記載の自励式共振型インバータ回路。 - 前記オン制御回路およびオフ制御回路を各2個有し、
前記直流交流変換回路は、前記主スイッチング素子、前記直流電源と直列接続される別の直流電源の両出力端間のオン/オフを行う別の主スイッチング素子、これら2石の主スイッチング素子の各々に並列接続される共振用キャパシタ、および前記2石の主スイッチ ング素子の一方がオン/オフを行う経路上に介在するとともに前記2石の主スイッチング素子の他方がオン/オフを行う経路上に介在するインダクタを有し、
前記2個のオン制御回路は、それぞれ前記2石の主スイッチング素子を前記帰還インダクタから得られる起電力を利用してオンにし、
前記2個のオフ制御回路は、それぞれ、前記2石の主スイッチング素子のオン期間の制御を行うとともに、前記2石の主スイッチング素子を前記オン期間の経過時にオフにし、
前記2個のオン制御回路の一方で利用される帰還インダクタは、前記2個のオン制御回路の他方で利用される帰還インダクタに対して極性が逆であり、
前記2個のオフ制御回路の一方で利用される帰還インダクタは、前記2個のオフ制御回路の他方で利用される帰還インダクタに対して極性が逆である
請求項1〜6のいずれかに記載の自励式共振型インバータ回路。
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