JP3652619B2 - 現像装置およびそれに用いる帯電方法並びに該現像装置を備えた印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像装置およびそれに用いる帯電方法並びに該現像装置を備えた印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機やプリンタ,ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置(電子写真装置)は、LSU,感光体ドラムおよび現像装置を有している。ここで、LSUは、回転する感光体ドラムにレーザ光を照射することで、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成するものである。また、現像装置は、感光体ドラムにトナーを供給することで、静電潜像を現像(可視化)するものである。
【0003】
また、現像装置は、感光体ドラムと隣接対向するように設けられた現像ローラを有している。そして、現像ローラの表面にトナーを供給するとともに、感光体ドラムと逆方向に現像ローラを回転させることで、感光体ドラム上の静電潜像の全体に、順次的にトナーを供給できるように設定されている。
【0004】
ところで、このような現像装置では、感光体ドラム上の静電潜像にトナーを静電的に吸着させることで、現像を行うようになっている。従って、何らかの方法でトナーを帯電させる必要がある。
【0005】
例えば、非磁性1成分系のトナーあるいは磁性1成分系のトナー(磁性粉を含有させたトナー)を用いる現像装置では、現像ローラに対向配置された供給ローラと、供給ローラより下流側(現像ローラの回転方向に沿って下流側)に設けられた層厚規制ブレード(ブレード)とを備えている。
【0006】
そして、供給ローラによって、回転する現像ローラの表面に順次的にトナーを供給するとともに、ブレードによって、現像ローラにおいて穂立ちしているトナー層の厚さを規制する。さらに、このブレードは帯電手段であり、被帯電手段であるトナーと擦れ合うことによって、トナーを摩擦帯電させるように設定されている。これにより、現像にかかるトナーを帯電できるようになっている。
【0007】
また、トナーにキャリアを混ぜた2成分系の現像剤を用いる現像装置では、現像ローラに供給する前に、トナー槽内で、トナーとキャリアとを攪拌・混合し、これらの間に働く摩擦によって、上記と同様にトナーを摩擦帯電させるようになっている。この場合、キャリアが帯電手段となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブレードとの摩擦(機械的な摺擦)によりトナーを帯電させる構成では、十分な帯電量を得るために、トナーとブレードとの速度差を大きくする必要がある。一方、トナーおよびブレードには、これらの速度差に比例した、機械的/熱的な負荷が加わる。
【0009】
従って、十分な帯電量を得るために上記の速度差を大きくすると、トナーとブレードとにかかる機械的/熱的負荷も大きくなり、トナーを破壊劣化させたりするという問題が発生する。さらに、摩擦熱(摺擦熱)により軟化したトナーがブレードや現像ローラに融着して、トナーの帯電特性の劣化や現像装置の故障を招来するという欠点もある。
【0010】
また、キャリアとの摩擦によりトナーを帯電させる構成においても、ブレードを用いる構成と同様に、十分な帯電量を得るために、トナーとブレードとを高速に攪拌し、これらの速度差を大きくする必要がある。従って、トナーおよびキャリアに過大な機械的/熱的負荷をかけてしまうため、トナー・キャリアを破壊劣化させたりするという問題が発生する。また、摩擦熱により軟化したトナーがキャリアに融着してしまい、トナーの帯電特性の劣化を招来するという欠点もある。
【0011】
このように、トナーとブレード・キャリア等の帯電手段とを大きな速度差を持った状態で接触させ、そのときの摩擦によりトナーを帯電させる方法(接触帯電方法)を用いた現像装置では、トナーや、ブレード・キャリア等の帯電手段に対する機械的/ 熱的負荷が大きい。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナーや、トナーを帯電させる帯電手段に対する機械的/ 熱的負荷を低減して、トナーや装置の劣化を防止することができる現像装置およびそれに用いる帯電方法並びに該現像装置を備えた印刷装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像装置は、上記の課題を解決するために、電子写真装置に用いられ、帯電された現像剤によって潜像保持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、現像剤を保持して上記潜像保持体に搬送する搬送手段と、光の照射を受けることにより自らの電子を誘起させる電子誘起部と該電子誘起部に光を照射する照射手段とを有し、上記電子を上記現像剤に付与することにより現像剤を帯電させる帯電手段とを備え、上記帯電手段と搬送手段との間には空隙が設けられており、該空隙には上記電子の流れを制御するグリッド電極を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、帯電手段と搬送手段との間には空隙が設けられていることにより、搬送手段上の現像剤を帯電する際、現像剤と帯電手段とが大きな速度差を持った状態で接触することがない。従って、現像剤や帯電手段に加わる機械的/ 熱的負荷を抑制することができる。これにより、現像剤の劣化(現像剤の破壊)や装置の劣化を防止することができる。また、帯電手段と搬送手段との摺擦熱により軟化した現像剤が帯電手段や搬送手段に融着することによる、現像剤の帯電特性の劣化を防止することができる。
【0015】
また、グリッド電極が配されていることにより、帯電手段から搬送手段への光電子の流れを制御することができる。従って、現像剤における帯電量のばらつきを抑制することができ、現像剤の表面電位を所望の値で安定させることができる。これにより、現像装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0016】
上記の現像装置は、現像剤を負に帯電し、その帯電量の絶対値が、5μc/g 以上、かつ、30μc/g 以下であることが好ましい。
【0017】
現像剤の帯電量が、−5μc/g 以上の場合、現像剤の搬送工程において、現像剤と搬送手段とが付着することができ、搬送中の現像剤の飛散の増大を防止することができる。また、潜像保持体上の静電潜像を現像する際にも、現像剤が潜像保持体に吸着することができ、例えば、現像装置を印字装置に備えた場合、印字濃度の低下を防止することができる。
【0018】
一方、現像剤の帯電量が、−30μc/g 以下の場合、潜像保持体上の静電潜像を現像する際に、現像剤が潜像保持体に吸着しすぎることがない。これにより、例えば、現像装置を印字装置に備えた場合、印字濃度の上昇並びに印字カブリの発生を防止することができる。このように、−5μc/g 〜−30μc/g の帯電量は、現像剤を用いて現像する際の適正な帯電量である。これにより、現像装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0019】
上記の現像装置は、グリッド電極には、搬送手段に印加される電圧の値に、現像剤を帯電させるための電圧の値を加えた値の電圧が印加されていることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、搬送手段上の現像剤は、グリッド電極に印加される電圧と搬送手段に印加される電圧との差分だけ帯電することができる。従って、現像剤の表面電位を所望の値で安定させることができる。
【0021】
上記の現像装置は、電子誘起部が、半導体または金属からなることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、電子誘起部を有する帯電手段は、電子を容易に放出することができる(光電効果を有する)。従って、光照射によって誘起した電子を現像剤に対して直接的に付与することができるので、現像剤を容易に帯電することができる。これにより、帯電手段と搬送手段との間に空隙を設けていても、現像剤を帯電させることができる。
【0023】
上記の現像装置は、電子誘起部と搬送手段との間に、バイアス電圧が印加されていることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、電子誘起部から誘起された電子は、帯電手段と搬送手段との間で、電子なだれ現象による電子増殖を引き起しながら、搬送手段に向かって加速される。このとき、加速された電子は空気中の気体分子(例えば、O2 ,N2 等)と衝突し、これらを電離することで新たな電子を次々と発生させることができる。
【0025】
上記の現像装置は、搬送手段上に、現像剤を搬送する方向に沿って、現像剤を搬送手段に供給する供給手段と帯電手段とがこの順に対向配置されており、供給手段は、搬送される現像剤における搬送手段上の厚さを一定の厚さに規制することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、供給手段により、搬送手段上の現像剤の厚さを規制することができる。このように、現像剤の厚さを一定に揃えることにより、現像剤の帯電を確実に行うことができる。従って、現像剤の帯電量にばらつきが生じることを防止することができ、現像剤の帯電性能を向上させることができる。これにより、現像装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0027】
上記の現像装置は、帯電手段とグリッド電極と搬送手段とに、それぞれ同極性の電圧が印加され、それらの電圧の絶対値は、
帯電手段への印加電圧>グリッド電極への印加電圧>搬送手段への印加電圧
の関係を満たすことが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、帯電手段への印加電圧の絶対値は、グリッド電極への印加電圧の絶対値より大きい。これにより、帯電手段から飛び出した電子を、グリッド電極からさらに現像剤まで放出することができる。
【0029】
また、グリッド電極への印加電圧の絶対値は、搬送手段への印加電圧の絶対値より大きい。これにより、グリッド電極への印加電圧と搬送手段への印加電圧との差分だけ現像剤が帯電することができる。
【0030】
上記の現像装置は、現像剤が、1成分系のトナーであることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、現像装置の現像剤としてトナーを用いた場合、その溶融による、画質劣化・装置故障を効果的に防止することができる。
【0032】
上記の現像装置は、電子誘起部と電子誘起部に光を照射する照射手段との間に、照射手段から照射される光の波長を変更する波長変更手段が配されていることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、帯電手段において、最適な波長の光を照射する照射手段を別途用意しなくても、光の波長を変更することができる。これにより、照射手段を変更することなく、電子誘起部に照射する光の波長を容易に変更できる。従って、電子誘起部の材料に応じて波長を調整でき、帯電効率の向上を図ることができる。また、照射手段のコストの低廉化を図ることができる。
【0034】
上記の現像装置は、照射手段が、電子誘起部を挟んで、搬送手段と対向して配されていることが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、照射手段からの光が、現像剤等に照射されることなく、電子誘起部に到達することができる。従って、現像剤に当たることによって照射手段の光量が減衰することが防止でき、照射手段の光量を確保することができる。また、照射手段が現像剤によって汚染されることを防止することができる。
【0036】
本発明の帯電方法は、静電潜像を可視像に現像する現像剤を帯電させる帯電方法であって、光の照射を受けることによって自らの電子を誘起させる電子誘起材料に光を照射し、グリッド電極を介して、誘起された電子を現像剤に放出することにより現像剤を帯電させることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、光の照射を受けることによって自らの電子を誘起させる電子誘起材料に光を照射し、誘起された電子を現像剤に放出することで現像剤を帯電させることにより、現像剤や、現像剤を帯電させる帯電手段にに加わる機械的/ 熱的負荷を抑制することができる。これにより、現像剤の破壊を防止することができる。また、現像剤の帯電特性の劣化を防止することができる。
【0038】
また、グリッド電極を介して、誘起された電子を現像剤に放出することにより、現像剤における帯電量のばらつきを抑制することができ、現像剤の表面電位を所望の値で安定させることができる。
【0039】
本発明の印刷装置は、画像信号に基づいて形成された静電潜像を保持する潜像保持体と、静電潜像を現像する、上記記載の現像装置とを備えていることを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、上記の現像装置を備えていることにより、信頼性の高い印字装置を提供することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0042】
図1は、本実施の形態に係る印刷装置の構成を示す説明図である。本実施の形態に係る印刷装置は、図1に示すように、現像部(現像装置)1、感光体ドラム2、帯電ローラ3、転写ローラ4、定着ローラ対5、および、LSU(レーザービームスキャナーユニット)6を有している。また、現像剤としては、1成分系の非磁性トナーを用いる構成である。
【0043】
感光体ドラム2は、その表面に感光体を備えており、ドラム形状となっている。感光体ドラム2は、矢印A方向に、50〜150mm/sの速度で回転駆動されるようになっている。
【0044】
帯電ローラ3は、感光体ドラム2の表面を、所定の電位に均一に帯電させるものである。帯電ローラ3は、矢印B方向(矢印A方向と反対方向)に、感光体ドラム2と同じ速さで回転駆動されるようになっている。
【0045】
LSU(レーザービームスキャナーユニット)6は、帯電された感光体ドラム2の表面をレーザー光(図1中の矢印)によって露光するものである。そして、感光体ドラム2の表面に、外部から入力された画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有している。
【0046】
現像部1は、LSU6によって形成された静電潜像を現像することによって、感光体ドラム2上にトナー像を形成するものである。現像部1については、後に詳述する。
【0047】
このように、帯電ローラ3により所定の電位に均一に帯電された感光体ドラム2の表面は、LSU6からのレーザー光によって露光される。これにより、感光体ドラム2の表面には、外部から入力された画像データ(画像信号)に応じた静電潜像が形成される。そして、現像部1における後述する現像ローラ11により、感光体ドラム2上の静電潜像にトナーが付着し、この静電潜像は現像されてトナー像が形成される。
【0048】
また、転写ローラ4は、感光体ドラム2上のトナー像をシートPに転写するものである。
【0049】
定着ローラ対5は、トナー像の転写されたシートPを加熱圧着することにより、トナー像をシートPに熱定着させるものである。
【0050】
次に、本実施の形態に係る印刷装置において特徴的な構成である、現像部1について説明する。
【0051】
図1に示すように、現像部1は、現像槽10、現像ローラ(搬送手段)11、トナー供給ローラ(供給手段)12、トナー帯電ローラ(帯電手段)13、攪拌ローラ14、および、グリッド電極40を備えている。
【0052】
現像槽10は、トナーTを収容するための収容槽(トナー槽)である。
【0053】
攪拌ローラ14は、現像槽10内のトナーであるトナーTを攪拌することにより、トナーTを、解した状態、即ち、何らの負荷も与えない状態で、トナー供給ローラ12の近傍に搬送する。
【0054】
現像ローラ11は、Al(アルミニウム)製の素菅22に、導電性ゴム弾性材料からなるゴム層21が設けられている円筒形状を有している。また、現像ローラ11は感光体ドラム2と対向するように設けられた回転ローラであり、矢印B方向(感光体ドラム2とは反対方向)に、50〜150mm/sの速度(感光体ドラム2と同じ速さ)で、トナーを保持した状態で感光体ドラム2と接触しながら回転駆動されるようになっている。これにより、感光体ドラム2の静電潜像にトナーTを付着させることができ、この静電潜像を現像してトナー像を形成することができる。
【0055】
トナー供給ローラ12は、円筒状の発泡性ゴム弾性材料からなる回転ローラである。また、トナー供給ローラ12は、現像槽10内において現像ローラ11に対向配置されている。このトナー供給ローラ12には、所定のバイアス電圧が印加されており、現像槽10内のトナーTを吸着・保持できるようになっている。そして、トナーTを保持した状態で、現像ローラ11の回転方向(B方向)と反対方向(A方向)に、現像ローラ11と等速で回転しながら、現像ローラ11と接触するようになっている。これにより、現像槽10内のトナーTを現像ローラ11の外周面に供給する。以下、現像ローラ11の外周面上のトナーからなる層をトナー層と称する。このとき、トナー供給ローラ12が回転しながら現像ローラ11にトナーTを供給することにより、現像ローラ11上のトナー層の厚さを一定にする(揃える)ことができる。即ち、トナー供給ローラ12は、トナー層の厚さを規制する機能をも有している。
【0056】
トナー供給ローラ12と、グリッド電極40を挟んで対向するように、トナー帯電ローラ13が配されている。
【0057】
トナー帯電ローラ13は、現像ローラ11の回転方向(B方向)に沿って、トナー供給ローラ12より下流側、かつ、感光体ドラム2より上流側において対向配置されている。また、トナー帯電ローラ13は回転ローラであり、現像ローラ11と反対方向(A方向)に等速回転している。
【0058】
また、トナー帯電ローラ13は、図2に示すように、基体ローラ30上に、ITO層31と金属層32が形成されており、さらに、基体ローラ30内に、紫外線照射器(照射手段)33を備えている構成である。
【0059】
紫外線照射器33は、紫外線ランプ(低圧の水銀ランプ)であり、基体ローラ30の内部から外部に向けて紫外線を照射する光源である。この紫外線をトナー層に照射することにより、現像ローラ11上のトナーの帯電が誘起される。
【0060】
基体ローラ30は、紫外線透過性を有する石英ガラスあるいは透明アクリル樹脂よりなる、円筒状のローラである。
【0061】
ITO層31は、紫外線を透過可能な導電性のITO(Indium-Tin-Oxide:インジウムと錫との酸化物)からなる電極であり、基体ローラ30上に塗布形成されているものである。また、ITO層31と現像ローラ11との間には、感光体ドラム2の回転速度に応じて、−900V〜−1500Vのバイアス電圧が印加されている。
【0062】
金属層(電子誘起部)32は、ITO層31上に形成されており、紫外線照射器33から紫外線の照射を受けることで、光電効果によって電子(光電子)を放出する機能を有している。また、金属層32は、半導体や、例えばアルミニウム(Al)等の金属からなる。
【0063】
なお、金属層32の材料としては、光電効果を有する材料(電子誘起材料)であれば特に限定されるものではない。また、光触媒に使用される酸化チタンであってもかまわない。
【0064】
このように、トナー供給ローラ12は、トナー層の厚さを規制する機能をも有しており、現像ローラ上のトナー層の厚さを一定にすることにより、トナー層におけるトナーの帯電を確実に行うことができる。従って、トナーの帯電量にばらつきが生じることを防止することができ、トナーの帯電性能を向上させることができる。これにより、現像部1の信頼性の向上を図ることができる。
【0065】
以下、現像部1の動作について説明する。
【0066】
現像が開始されると、トナー供給ローラ12が、現像ローラ11の表面に、周方向に沿って順次的にトナー層を形成する。その後、現像ローラ11のトナー層は、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との間に搬送される。そして、トナー帯電ローラ13が、金属層32から放出した電子をトナーに付与することにより、トナーを光電子帯電させる。
【0067】
その後、帯電されたトナーは、感光体ドラム2との対向部位に送られ、感光体ドラム2上の静電潜像に対して静電的に吸着(供給)される。これにより、静電潜像をトナー像として現像(可視化)するようになっている。
【0068】
次に、トナー帯電ローラ13による光電子帯電について説明する。
【0069】
トナー帯電ローラ13では、紫外線照射器33による紫外線の照射により、光電効果によって、金属層32から外部に向けて電子eが誘起・放出される。
【0070】
また、ITO層31と現像ローラ11との間には、−900V〜−1500Vのバイアス電圧が印加されている。従って、金属層32から誘起された電子eは、バイアス電圧によって、そして、ローラ12・13間で電子なだれ現象による電子増殖を引き起しながら、現像ローラ11に向かって加速される。そして、後述するグリッド電極40において現像ローラ11上のトナーに到達する電子eの量が調節された(電子eの流れが制御された)後、現像ローラ11上のトナーに到達するとされた電子eのみがトナーに到達する。
【0071】
この電子eにより、トナーは、所望の帯電量である−5μC/g以上、さらに好ましくは、−10μC/g以上に帯電する。また、この電子eにより、トナー層は、所望の帯電量である−30μC/g以下、さらに好ましくは−20μC/g以下に帯電する。
【0072】
このように、トナーの帯電量が、−5μc/g 以上の場合、トナーを現像ローラ11において搬送する際、トナーと現像ローラ11とが付着することができ、搬送中のトナーの飛散の増大を防止することができる。また、感光体ドラム2上の静電潜像を現像する際にも、トナーが感光体ドラム2に吸着することができ、例えば、現像部1を印字装置に備えた場合、印字濃度の低下を防止することができる。
【0073】
一方、トナーの帯電量が、−30μc/g 以下の場合、感光体ドラム2上の静電潜像を現像する際に、トナーが感光体ドラム2に吸着しすぎることがない。これにより、例えば、現像部1を印字装置に備えた場合、印字濃度の上昇並びに印字カブリの発生を防止することができる。このように、−5μc/g 〜−30μc/g の帯電量は、現像剤を用いて現像する際の適正な帯電量である。これにより、現像部1の信頼性の向上を図ることができる。
【0074】
ここで、光電効果について説明する。金属や半導体の表面にある電子(表面電子)は、外部から所定値(仕事関数)以上のエネルギーを受けることで、外部に誘起・放出されるようになっている。そして、光電効果とは、光の照射によって上記のようなエネルギーが表面電子に付与され、電子として放出される現象のことである。
【0075】
また、現像部1に用いられる光電子帯電の一例を具体的に示す。ここで、紫外線の照射によりトナー帯電ローラ13から電子が誘起される光電子帯電実験の一例を図3に基づいて説明する。
【0076】
先ず、トナー帯電ローラ13の代わりに擬似的に平板を作製する。この平板はまず、透明アクリル板60の表面にITO61とGaAsからなる半導体62とをこの順に真空蒸着して形成する。そして、この平板の上に、被帯電部材としてのトナーTの代わりに、トナーの材料であるポリエステル樹脂のPES63を載置する。
【0077】
ここで、透明アクリル板60の厚さkは1〜5mmとし、ITO61の厚さmは数10nmとし、半導体62の厚さlは数10nmとし、PES63の厚さnは10〜100μmとする。
【0078】
その後、平板においてPES(ポリエーテルサルホン)63が形成されている面と対抗する面側から、波長λが350nmの紫外線を紫外線照射器33で照射する。このとき、照射エネルギーは、0.1〜10mW/ cm2として、照射時間は数秒とする。
【0079】
この結果、PES63表面を、−150〜−30Vに帯電させることができた。このことは、被帯電部材であるトナーと帯電部材であるトナー帯電ローラ13との間に速度差がない状態でも、トナーが帯電できることを示している。
【0080】
また、電子なだれ現象とは、以下のようなものである。すなわち、金属層32から誘起され、バイアス電圧によって加速された電子は、トナー帯電ローラ13と現像ローラ11との間にある空気中の気体分子(O2 ,N2 等)と衝突してこれらを電離させて電子を放出させる。そして、この電離によって生じた新たな電子がバイアス電圧によって加速されてさらに他の分子を電離させ、さらに新たな電子を放出させる。このような電子の増加が、電子なだれ現象である。
【0081】
このように、電子なだれ現象を用いれば、光電効果で発生した電子がバイアス電圧によって加速されて空気中の気体分子と衝突し、これらを電離することで新たな電子を発生させて次々と電離作業に参加させてゆくことが可能となる。また、この電子なだれ現象により増加した電子数を目標値として、紫外線照射強度や印加電圧は決定される。
【0082】
以上のように、トナー帯電ローラ13は、現像ローラ11と非接触で、現像ローラ11と等速で回転し、光電子帯電によって、現像ローラ11上のトナー層を所定の電圧値に帯電させるようになっている。これにより、金属層32のうち、紫外線照射器33によって光が照射され、トナーに付与する電子を誘起する領域は常に一定ではなく、トナー帯電ローラ13の回転に伴い移動する。従って、リフレッシュ面に光を照射することができ、電子の発生を促進するとともに、照射光量の低減を図ることができる。
【0083】
また、金属層32が半導体または金属からなることにより、金属層32は電子を容易に放出することができる(光電効果を有する)。従って、光照射によって誘起した電子をトナーに対して直接的に付与することができるので、トナーを容易に帯電することができる。これにより、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との間に空隙を設けていても、現像ローラ11上のトナーを帯電させることができる。
【0084】
なお、トナー帯電ローラ13とグリッド電極40との間の距離は50〜500μm、グリッド電極40と現像ローラ11との間の距離は50〜500μmであることが好ましい。
【0085】
また、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との間には空隙が設けられていることにより、現像ローラ11上のトナーを帯電する際、トナーとトナー帯電ローラ13とが大きな速度差を持った状態で接触することがない。従って、トナーやトナー帯電ローラ13に加わる機械的/ 熱的負荷を抑制することができる。これにより、トナーの劣化(トナーの破壊)や装置の劣化を防止することができる。また、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との摺擦熱により軟化したトナーが現像ローラ11やトナー帯電ローラ13に融着することによる、トナーの帯電特性の劣化を防止することができる。
【0086】
このように、光電子帯電により1成分系のトナーを帯電しているが、トナーを帯電する方法としては、P化合物を含有したトナーを用いる方法も考えられる。この方法では、現像槽内でトナーに光を照射することで、P化合物の化学的な構造を変化させ、これをフリーラジカル状態とする。そして、フリーラジカル状態のP化合物によってトナーの電子を引き抜くことで、トナーを帯電(+帯電)させることとなる。
【0087】
しかしながら、この方法では、トナーにP化合物を含有させる必要があるため、通常のトナーを使用できず、運転コストが高くなるという問題がある。また、この方法では、素早く、かつ十分にトナーを帯電させるためには、P化合物の量を増加させる必要があるが、結晶物質であるP化合物の増加は、現像によって得られるトナー像の濃度(隠蔽率)を下げてしまうとともに、トナーをもろくして、トナーのクラッシュを招来してしまう。
【0088】
以下、グリッド電極40について詳述する。
【0089】
グリッド電極40は、図4に示すように、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との間に配され、トナー帯電ローラ13からの電子eの流れを制御する電極である。また、その形状は、図5に示すように、網状である。
【0090】
まず、グリッド電極40における、電子eの流れの制御について、図6に基づいて説明する。
【0091】
図6に示すように、グリッド電極40は、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との間に配されている。また、トナー帯電ローラ13にはX(V)の電圧が、グリッド電極40にはY(V)の電圧(グリッド電圧)が印加されているとする。また、Xの絶対値とYの絶対値との関係は、|X|>|Y|である。
【0092】
このように、トナー帯電ローラ13への印加電圧の絶対値を、グリッド電極40への印加電圧の絶対値より大きいくすることにより、トナー帯電ローラ13の金属層32から飛び出した電子を、グリッド電極40からさらに現像ローラ11上のトナーまで放出することができる。
【0093】
グリッド電極40は、トナー帯電ローラ13から飛び出してくる電子eを、現像ローラ11上のトナーにおいてトナー帯電ローラ13と対向する面(表層)の電位(以下、表面電位と称する)がY(V)となるまでは、トナーへ放出する。ここで、トナー側に放出された電子eをe1とする。
【0094】
一方、トナー層の表面電位がY(V)となると、電子eが現像ローラ11側に飛び出さないように規制する。ここで、グリッド電極40により規制され、グリッド電極40から現像ローラ11側に出られない電子eをe2とする。
【0095】
このように、グリッド電極40は、トナー帯電ローラ13から現像ローラ11への電子の流れを制御している。これにより、トナー層の表面電位は安定し、従って、トナー層における帯電量のばらつきを抑制することができる。この結果、トナー層における帯電の安定化を図ることができ、現像部1の信頼性の向上を図ることができる。
【0096】
次に、現像ローラ11とトナー帯電ローラ13との間に、グリッド電極40が配されている場合と配されていない場合とのトナー層の表面電位を図7に基づいて比較する。図7は、トナー層における、現像ローラ11の回転方向への変位とトナー層の表面電位との関係を示すグラフである。また、グリッド電極40は、トナーの表面電位がZとなるように電子eの流れを制御しているものとする。
【0097】
図7に示すように、グリッド電極40が配されている場合は、点線51に示されるように、表面電位はZで安定している。一方、実線52に示されるように、グリッド電極40が配されていない場合は、トナーの材料や、トナー帯電ローラ13への印加電圧の振れに起因して、トナー層の表面電位はZに対して不安定となる。
【0098】
さらに、図8に示すように、トナー帯電ローラ13への印加電圧は−900〜−1500V、現像ローラ11への印加電圧は−400〜−500Vとする。このとき、トナー層の帯電量を、例えば、現像する際に適正な帯電量である−10μC/g〜−20μC/gとするためには、−50Vの電圧が必要となる。従って、トナー層の表面電位は、−450〜−550Vとする必要がある。
【0099】
一方、グリッド電極40には、トナー層の表面電位と同電位の電圧を印加する。そこで、トナー層の表面電位を−450〜−550Vとするためには、グリッド電圧も−450〜−550Vとする。即ち、グリッド電圧と、トナー層の表面電位とは同じ値であることにより、グリッド電極40には、所望のトナー層の表面電位と同じだけ電圧を印加すればよい。このように、グリッド電極40を配することにより、トナーの帯電量を所望の値にすることができる。
【0100】
このように、グリッド電極40への印加電圧の絶対値は、現像ローラ11への印加電圧の絶対値より大きい。これにより、グリッド電極40への印加電圧と現像ローラ11への印加電圧との差分だけトナー層におけるトナーは帯電することができる。
【0101】
また、グリッド電極40には、現像ローラ11に印加される電圧の値に、トナー層を帯電させるための電圧の値を加えた値の電圧が印加されていることにより、グリッド電極40に印加される電圧と現像ローラ11に印加される電圧との差分だけトナーは帯電することができる。従って、トナー層の表面電位を所望の値で安定させることができる。
【0102】
なお、上述した現像部1は、印刷装置に限られるものではなく、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置(電子写真装置)に適用することができる。
【0103】
また、トナー帯電ローラ13と紫外線照射器33との間には、図9に示すように、波長変換素子(波長変更手段)70を設けてもかまわない。このとき、紫外線照射器33からは波長700nmの光線が出射されるとする。
【0104】
ここで、図3に示した実験に用いた平板と同様のものを用い、さらに、波長変換素子70を設けて行った、紫外線の照射によりトナー帯電ローラ13から電子が誘起される光電子帯電実験の一例を図9に基づいて説明する。
【0105】
波長変換素子70は、非線型光学材料からなる。この場合、紫外線照射器33から発する波長700nmの光線が波長変換素子70によって波長350nmの紫外線に変換されて半導体62に照射されることになる。これにより、半導体62に対し最適な波長350nmの紫外線を照射する紫外線発光器を別途用意する必要がなく、既存の紫外線照射器33を用いて容易に波長を1/2に変更することができる。このように、金属層32の材料に応じて容易に波長を調整することができ、帯電効率の向上を図ることができる。また、紫外線照射器33のコストの低廉化を図ることができる。
【0106】
【発明の効果】
以上のように、本発明の現像装置は、電子写真装置に用いられ、帯電された現像剤によって潜像保持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、現像剤を保持して上記潜像保持体に搬送する搬送手段と、光の照射を受けることにより自らの電子を誘起させる電子誘起部と該電子誘起部に光を照射する照射手段とを有し、上記電子を上記現像剤に付与することにより現像剤を帯電させる帯電手段とを備え、上記帯電手段と搬送手段との間には空隙が設けられており、該空隙には上記電子の流れを制御するグリッド電極を備えている構成である。
【0107】
これにより、搬送手段上の現像剤を帯電する際、現像剤と帯電手段とが大きな速度差を持った状態で接触することがない。従って、現像剤や帯電手段に加わる機械的/ 熱的負荷を抑制することができる。これにより、現像剤の劣化(現像剤の破壊)や装置の劣化を防止することができる。また、帯電手段と搬送手段との摺擦熱により軟化した現像剤が帯電手段や搬送手段に融着することによる、現像剤の帯電特性の劣化を防止することができる。
【0108】
また、帯電手段から搬送手段への電子の流れを制御することができる。従って、現像剤における帯電量のばらつきを抑制することができ、現像剤の表面電位を所望の値で安定させることができる。これにより、現像装置の信頼性の向上を図ることができるといった効果を奏する。
【0109】
本発明の現像装置は、現像剤を負に帯電し、その帯電量の絶対値が、5μc/g 以上、かつ、30μc/g 以下である構成である。
【0110】
これにより、現像剤の搬送工程において、現像剤と搬送手段とが付着することができ、搬送中の現像剤の飛散の増大を防止することができる。また、潜像保持体上の静電潜像を現像する際にも、現像剤が潜像保持体に吸着することができ、例えば、現像装置を印字装置に備えた場合、印字濃度の低下を防止することができる。
【0111】
また、潜像保持体上の静電潜像を現像する際に、現像剤が潜像保持体に吸着しすぎることがない。これにより、例えば、現像装置を印字装置に備えた場合、印字濃度の上昇並びに印字カブリの発生を防止することができる。従って、現像装置の信頼性の向上を図ることができるといった効果を奏する。
【0112】
本発明の現像装置は、グリッド電極には、搬送手段に印加される電圧の値に、現像剤を帯電させるための電圧の値を加えた値の電圧が印加されている構成である。
【0113】
これにより、搬送手段上の現像剤は、グリッド電極に印加される電圧と搬送手段に印加される電圧との差分だけ帯電することができる。従って、現像剤の表面電位を所望の値で安定させることができるといった効果を奏する。
【0114】
本発明の現像装置は、電子誘起部が半導体または金属からなる構成である。
【0115】
これにより、電子誘起部を有する帯電手段は、電子を容易に放出することができる(光電効果を有する)。従って、光照射によって誘起した電子を現像剤に対して直接的に付与することができるので、現像剤を容易に帯電することができる。この結果、帯電手段と搬送手段との間に空隙を設けていても、現像剤を帯電させることができるといった効果を奏する。
【0116】
本発明の現像装置は、電子誘起部と搬送手段との間に、バイアス電圧が印加されている構成である。
【0117】
これにより、電子誘起部から誘起された電子は、帯電手段と搬送手段との間で、電子なだれ現象による電子増殖を引き起しながら、搬送手段に向かって加速される。このとき、加速された電子は空気中の気体分子(例えば、O2 ,N2 等)と衝突し、これらを電離することで新たな電子を次々と発生させることができるといった効果を奏する。
【0118】
本発明の現像装置は、搬送手段上に、現像剤を搬送する方向に沿って、現像剤を搬送手段に供給する供給手段と帯電手段とがこの順に対向配置されており、供給手段は、搬送される現像剤における搬送手段上の厚さを一定の厚さに規制する構成である。
【0119】
これにより、現像剤の帯電量にばらつきが生じることを防止することができ、現像剤の帯電性能を向上させることができる。従って、現像装置の信頼性の向上を図ることができるといった効果を奏する。
【0120】
本発明の現像装置は、帯電手段とグリッド電極と搬送手段とに、それぞれ同極性の電圧が印加され、それらの電圧の絶対値は、
帯電手段への印加電圧>グリッド電極への印加電圧>搬送手段への印加電圧
の関係を満たす構成である。
【0121】
これにより、帯電手段から飛び出した電子を、グリッド電極からさらに現像剤まで放出することができる。また、グリッド電極への印加電圧と搬送手段への印加電圧との差分だけ現像剤が帯電することができるといった効果を奏する。
【0122】
本発明の現像装置は、現像剤が、1成分系のトナーである構成である。
【0123】
これにより、現像装置の現像剤としてトナーを用いた場合、その溶融による、画質劣化・装置故障を効果的に防止することができるといった効果を奏する。
【0124】
本発明の現像装置は、電子誘起部と電子誘起部に光を照射する照射手段との間に、照射手段から照射される光の波長を変更する波長変更手段が配されている構成である。
【0125】
これにより、帯電手段において、最適な波長の光を照射する照射手段を別途用意しなくても、光の波長を変更することができる。従って、照射手段を変更することなく、電子誘起部に照射する光の波長を容易に変更できる。この結果、電子誘起部の材料に応じて波長を調整でき、帯電効率の向上を図ることができ、また、照射手段のコストの低廉化を図ることができるといった効果を奏する。
【0126】
本発明の現像装置は、照射手段が、電子誘起部を挟んで、搬送手段と対向して配されている構成である。
【0127】
これにより、照射手段からの光が、現像剤等に照射されることなく、電子誘起部に到達することができる。従って、照射手段の光量が減衰することが防止でき、照射手段の光量を確保することができる。また、照射手段が現像剤によって汚染されることを防止することができるといった効果を奏する。
【0128】
本発明の帯電方法は、静電潜像を可視像に現像する現像剤を帯電させる帯電方法であって、光の照射を受けることによって自らの電子を誘起させる電子誘起材料に光を照射し、グリッド電極を介して、誘起された電子を現像剤に放出することにより現像剤を帯電させる構成である。
【0129】
これにより、現像剤や、現像剤を帯電させる帯電手段にに加わる機械的/ 熱的負荷を抑制することができる。従って、現像剤の破壊を防止することができる。また、現像剤の帯電特性の劣化を防止することができる。また、現像剤における帯電量のばらつきを抑制することができ、現像剤の表面電位を所望の値で安定させることができるといった効果を奏する。
【0130】
本発明の印刷装置は、画像信号に基づいて形成された静電潜像を保持する潜像保持体と、静電潜像を現像する、上記記載の現像装置とを備えている構成である。
【0131】
これにより、信頼性の高い印字装置を提供することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る印刷装置の構成を示す説明図である。
【図2】トナー帯電ローラの構成を示す詳細図である。
【図3】光電子帯電実験の一例を示す説明図である。
【図4】現像ローラ、トナー帯電ローラおよびグリッド電極の構成を示す説明図である。
【図5】グリッド電極の形状を示す詳細図である。
【図6】グリッド電極による電子の流れの制御を示す説明図である。
【図7】トナー層における、現像ローラの回転方向への変位とトナー層の表面電位との関係を示すグラフである。
【図8】現像部に印加される電圧を示す説明図である。
【図9】波長変換素子を設けた場合の光電子帯電実験の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 現像部(現像装置)
2 感光体ドラム(潜像保持体)
3 帯電ローラ
4 転写ローラ
5 定着ローラ対
6 LSU
10 現像槽
11 現像ローラ(搬送手段)
12 トナー供給ローラ(供給手段)
13 トナー帯電ローラ(帯電手段)
14 攪拌ローラ
31 ITO層
32 金属層(電子誘起部)
33 紫外線照射器(照射手段)
40 グリッド電極
70 波長変換素子(波長変更手段)
Claims (11)
- 電子写真装置に用いられ、帯電された現像剤によって潜像保持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
現像剤を保持して上記潜像保持体に搬送する搬送手段と、
光の照射を受けることにより自らの電子を誘起させる電子誘起部と、この電子誘起部における搬送手段に対向する対向部分に光を照射する照射手段とを有し、電子誘起部の対向部分に誘起された電子を搬送手段上の現像剤に付与することにより現像剤を帯電させる帯電手段とを備え、
上記帯電手段と搬送手段との間には空隙が設けられており、該空隙に、上記電子の流れを制御するグリッド電極を備えており、
上記の帯電手段が、照射手段を内蔵するとともに電子誘起部を表面に有する、回転ローラからなることを特徴とする現像装置。 - 上記現像剤は負に帯電し、その帯電量の絶対値は、5μc/g 以上、かつ、30μc/g 以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 上記グリッド電極には、上記搬送手段に印加されている電圧の値に、上記現像剤を帯電させるための電圧の値を加えた値の電圧が印加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 上記電子誘起部は、半導体または金属からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 上記電子誘起部と搬送手段との間には、バイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の現像装置。
- 上記搬送手段上には、上記現像剤を搬送する方向に沿って、現像剤を搬送手段に供給する供給手段と上記帯電手段とがこの順に対向配置されており、
上記供給手段は、搬送される現像剤における上記搬送手段上の厚さを一定の厚さに規制することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の現像装置。 - 上記帯電手段とグリッド電極と搬送手段とには、それぞれ同極性の電圧が印加され、それらの電圧の絶対値は、
帯電手段への印加電圧>グリッド電極への印加電圧>搬送手段への印加電圧
の関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の現像装置。 - 上記現像剤は、1成分系のトナーであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の現像装置。
- 上記電子誘起部と該電子誘起部に光を照射する照射手段との間には、該照射手段から照射される光の波長を変更する波長変更手段が配されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の現像装置。
- 静電潜像を可視像に現像する現像剤を帯電させる帯電方法であって、
光の照射を受けることによって自らの電子を誘起させる電子誘起材料を回転ローラの表面に配し、この回転ローラに内蔵した照射手段から、電子誘起材料における搬送手段に対向する対向部分に光を照射し、
グリッド電極を介して、電子誘起材料の対向部分に誘起された電子を現像剤に放出することにより現像剤を帯電させることを特徴とする帯電方法。 - 画像信号に基づいて形成された静電潜像を保持する潜像保持体と、
上記静電潜像を現像する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の現像装置とを備えていることを特徴とする印刷装置。
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