JP3652557B2 - ろ過装置の逆洗方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下向流にてろ過処理を行うろ過装置、特に複数のろ過層を有するものにおける逆洗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川水などを原水として浄水や工業用水を製造する場合や、排水処理等において、懸濁物質の分離のためにろ過装置がよく使用され、溶解成分を除去するために活性炭吸着装置がよく使用される。また、ろ過装置に使用されるろ材としては砂が最も一般的であるが、砂とアンスラサイトの二層のろ過層を用いる二層ろ過も知られており、さらに活性炭を砂層の上部に設置した活性炭・砂ろ過装置もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アンスラサイトの層を有する二層ろ過装置や活性炭を砂層の上部に設置した活性炭・砂ろ過装置では、アンスラサイトや活性炭は比重が軽いため逆洗の際に洗浄排水と一緒に流出しやすい。従って、洗浄条件が限定されたり、ろ材の粒径や比重が規定されてしまい、十分な洗浄が行えないという問題があった。
【0004】
一方、例えば重力式のろ過装置においては、ろ過層における損失水頭を考慮して、有効水頭を2000mm〜3000mm程度確保している。このフリーボードは必ずしも全て必要なわけではない。例えば、有効水頭2500mmのろ過装置において、損失水頭が2000mm程度に達するとろ過処理水中に濁質が流出してしまう。そこで、損失水頭2000mmの時点でろ過装置の洗浄が必要となる。つまり、実際に使われる水頭は2000mmで良く、残りの500mmは安全のために用意した余裕の容積であり、実質的には必要がないといえる。そこで、このような余裕の容積の有効利用を図りたいという要求もある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ろ過装置における余裕の容積を有効利用して第2のろ過層を配置し、かつろ材の洗浄を効果的に行うことができるろ過装置の逆洗方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明におけるろ過装置は、下向流にてろ過処理を行うろ過装置であって、第1ろ材が充填され、通過する被処理水から懸濁質を分離する第1ろ過層と、この第1ろ過層の上方に、第1ろ過層の表面から離間して配置され、第1ろ材より粒径の大きい第2ろ材が充填された第2ろ過層と、この第2ろ過層の第2ろ材を支持する支持体と、を有する。
【0007】
このように、第2ろ過層を第1ろ過層上に離間して配置したため、この第2ろ過層において、第1ろ過層と独立した処理が行え、より高度な処理を行うことができる。特に、第2ろ過層の第2ろ材は第1ろ過層の第1ろ材に比べて粒径の大きなものである。そこで、この第2ろ過層における損失水頭はそれほど大きくない。一方、ろ過装置では、ろ過層における損失水頭に余裕をみている。従って、第1ろ過層のみによるろ過装置において第2ろ過層を追加しても、ろ過装置全体としての大きさは変更する必要はない場合が多い。従って、余裕の容積を有効利用して、より高度な処理を達成することができる。また、第2ろ過層において損失水頭が発生する場合においても、第1ろ過層における負荷がそれだけ減少するため、それに応じて第1ろ過層の層厚を小さくでき、全体としての容積はあまり変わらない。
【0008】
さらに、支持体により第2ろ過層を保持したため、通水性を維持しつつ、第2ろ過層において追加の処理が行える。また、第1ろ過層の逆洗を大きな線速度で行った場合においても、支持体により第2ろ過層のろ材を保持できろ材の流出を防止することができる。
【0009】
また、前記第2ろ過層の第2ろ材は、粒状活性炭であることが好適である。活性炭により吸着処理が行え、より高度な処理を行うことができる。特に、活性炭は、溶解性有機物を吸着除去することが主な目的であり、粒子の粗いものを利用することができる。このため、ここでの損失水頭を非常に小さなものにできる。そこで、第1ろ過層に対するろ過圧発生のために第1ろ過層上に存在する被処理水中に第2ろ過層を位置させることで、ろ過装置の全体の大きさを変えずに第2ろ過層を設けることができる。
【0010】
そして、本発明に係るろ過装置の逆洗方法は、前記第1ろ過層と、前記第2ろ過層の中間部に、第1ろ過層についての逆洗排水を排出する中間排出管を有し、当該逆洗方法は、第1ろ過層の下方より逆洗水を供給し、第1ろ過層および第2ろ過層に逆洗水を通過させるとともに、このときの第2ろ過層の膨張率を20〜50%として第2ろ過層を洗浄する第2ろ過層水逆洗工程と、この第2ろ過層水逆洗工程の後、第1ろ過層の下方より空気を送り、第1ろ過層を空気逆洗する第1ろ過層空気逆洗工程と、この第1ろ過層空気逆洗工程の後、第1ろ過層の下方より逆洗水を供給し、前記中間排水管から逆洗水の一部または全部を系外に排出して、第1ろ過層を水逆洗する第1ろ過層水逆洗工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記第2ろ過層は、個別の支持体で支持された活性炭カートリッジを複数個枠材上に着脱自在に並べて構成されていることが好適である。これによって、第2ろ過層のろ材の交換を容易に行うことができる。特に、第2ろ過層のろ材として、活性炭などの吸着剤を利用した場合には、これを定期的に交換しなければならないが、この構造により交換が容易になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る凝集分離装置の全体構成を示す図である。河川水、湖沼水などの原水は、まず混和槽10に流入される。この混和槽10には、凝集剤貯槽12からの凝集剤が凝集剤ポンプ14によって供給される。凝集剤は、PACなどの無機アルミニウム凝集剤が好適であるが他の凝集剤でもよい。そして、混和槽10には、攪拌機16が設けられており、原水と凝集剤が急速攪拌される。この混和槽10において、凝集剤が混和された凝集剤混和水は、凝集槽18に流入する。この凝集槽18には、緩速攪拌機20が配置されており、凝集剤混和水が緩速攪拌され、凝集フロックの合体、粗大化が図られる。
【0014】
次に、凝集槽18からの緩速攪拌後の凝集剤混和水は、傾斜板沈殿槽22に流入する。この傾斜板沈殿槽22は、仕切板22aにより入口側と出口側に仕切られており、入口側に槽深の深い沈殿部22bが形成されている。そして、この沈殿部22bの下部は、沈殿汚泥を貯留する汚泥貯留部分22cになっている。また、出口側には多数の傾斜板22dが配置されて傾斜板沈殿部22eが形成されている。凝集剤混和水は沈殿部22bに流入され、ここで沈殿処理された後、仕切り板22aの下を通過して、傾斜板沈殿部22eを上向流で通過する。そして、この傾斜板沈殿部22eの傾斜板22dを通過する際にさらに沈殿処理がなされ、スラッジが槽底へ向けて沈殿する。傾斜板沈殿部22eの槽底は、汚泥貯留部分22cに向けて深くなるように傾斜しているため、沈殿スラッジは重力により汚泥貯留部分22cに移動する。そして、傾斜板沈殿部22eを通過した上澄みが傾斜板沈殿槽22から排出される。なお、傾斜板沈殿槽22の汚泥貯留部分22cに沈殿した汚泥は、適宜引き抜かれ別途処分される。
【0015】
このような凝集沈殿処理により、傾斜板沈殿槽22からの沈殿処理水は、懸濁固形物のかなりの部分は除去されたものになっている。この沈殿処理水は、ろ過装置24に流入される。なお、場合によっては追加の凝集剤注入あるいは凝集助剤注入を行いラインミキサーにて撹拌し、ろ過装置24に供給してもよい。
【0016】
このろ過装置24は、第2ろ過層24bと、第1ろ過層24aの二層のろ過層を有する重力式のろ過装置である。そして、第2ろ過層24bは、第1ろ過層24aの表面から離間した上方に位置している。そして、この第2ろ過層24bの上下には、支持体としての支持網24cが設けられ、第2ろ過層24bを上記位置に支持している。なお、ろ過装置24は、圧力式の急速ろ過装置でもかまわない。
【0017】
ここで、第2ろ過層24bのろ材として利用されている第2ろ材は粒状活性炭であり、その粒径は0.9〜1.6mm程度である。また第1ろ過層24aの第1ろ材は砂であり、その粒径は0.45〜0.8mm程度と、第2ろ過層24bの活性炭よりは粒子が細かい。なお、第1ろ過層24aの第1ろ材について、砂に代えガーネットなどを利用したり、砂及びガーネットを多層とすることも好適である。また、第2ろ過層24bの第2ろ材に、アンスラサイトを利用することもできる。また支持網に代えて、カゴ等も用いることができる。すなわち本発明における支持体は、第2ろ過層24bを所定の位置に保持でき、かつ水の流通が可能となるようなものであればいかなるものでもよい。
【0018】
そして、このろ過装置24のろ過処理水は、処理水タンク26に貯留された後、配水される。
【0019】
また、沈殿処理の後で、ろ過装置24の前段にオゾン処理を行っても良い。またオゾン処理を行わない場合、塩素(次亜塩素酸ナトリウム等)の注入を、混和槽10、第2ろ過層24bと第1ろ過層24aとの間の1カ所以上、及びろ過装置24の出口で行うことが好ましい。
【0020】
また、この処理水タンク26内の処理水は、逆洗ポンプ28によりろ過装置24の底部に供給できるようになっている。これによって、ろ過装置24に処理水を上向流で供給し、ろ過装置24内の第1ろ過層24a、第2ろ過層24bを逆洗できる。
【0021】
ここで、本実施形態のろ過装置24では、第2ろ過層24bが第1ろ過層24aの上方に第1ろ過層24aの表面から離間して配置されている。また、この第1ろ過層24a、第2ろ過層24bの中間から逆洗排水を排出できるようになっている。
【0022】
次に、ろ過装置24の具体的構成について図2に基づいて説明する。このように、ろ過装置本体24dの内部には、下から、支持材24e、支持砂利層24f、第1ろ過層24aが配置されている。そして、この第1ろ過層24aの表面上には、中間部24gを介して、第2ろ過層24bが形成されている。また、中間部24gには、集水トラフ等に連通する中間排出管24hが接続されている。
【0023】
図中Aで示したのは、通水時(ろ過処理時)における第1ろ過層24aの表面位置であり、Bで示したのは、逆洗時における第1ろ過層24aの表面位置である。このように、逆洗によって、第1ろ過層24aが膨張して表面位置が上昇する。しかし、第2ろ過層24bの下端位置は、Bで示される位置より上方であり、砂が第2ろ過層24b内に至ることは基本的にない。
【0024】
また、図中Cで示したのは、通水時(ろ過処理時)における第2ろ過層24bの表面位置であり、上部側の支持網24cより下に位置している。そこで、逆洗時において、第2ろ過層24bのろ材を流動させることができる。
【0025】
そして、この例において、第2ろ過層24bは、複数のカートリッジ30によって構成されている。このカートリッジ30は、図3に示すように支持体としての網かご材32から構成されており、その内部に粒状活性炭34が収容されている。
【0026】
なお、この粒状活性炭34は、上述のように、網かご材32内にいっぱいには詰まっておらず、上部に余裕の空間が形成されている。この余裕の空間は、第2ろ過層24bの逆洗時において、内部の第2ろ材(活性炭)が逆洗水により上方に押しつけられず、十分流動するように設定する。
【0027】
また、カートリッジ30にはとって部36が設けられており、このとって部36を用いてカートリッジ30を着脱自在とすることができる。
【0028】
そして、このカートリッジ30が、図4に示すように、枠材40上に載置されることによって、第2ろ過層24bが構成されている。なお、図4(A)は、ろ過装置本体24dが角形の場合を示し、(B)は円形の場合を示している。なお、図においては、枠材40の最外部のみを示したが、カートリッジを保持できるように、格子状の枠材が内部に向けて配置されている。
【0029】
このような構成により、必要に応じてカートリッジ30を枠材40からはずして、交換することができる。また、枠材40は、ろ過装置本体24dに固定されており、この枠材40の位置によって、第2ろ過層24bの位置が決定されている。なお、枠材40を着脱自在とし、メンテナンス時においては、これをはずして第1ろ過層24aの砂の交換などが可能になっていることが好ましい。
【0030】
さらに、図2に示すように、ろ過装置24には、第1ろ過層24aと、第2ろ過層24bの間の中間部24gに連通する中間排出管24hが設けられている。そこで、逆洗時には、この中間排出管24hから第1ろ過層24aを通過し、第2ろ過層24bに至る前の逆洗排水がここから排出される。
【0031】
このように、本実施形態のろ過装置24では、第1ろ過層24aの上方に第2ろ過層24bを有している。従って、通常の第1ろ過層24aによるろ過に加え、第2ろ過層24bにおける吸着処理等が行われる。これによって、溶解性有機物の除去率などが上昇し、より高度な処理水を得ることができる。
【0032】
さらに、第2ろ過層24bは、第1ろ過層24aに比べて粒子の粗いものであり、この第2ろ過層24bを設けたことによる損失水頭の増大は、ほとんどない。従って、ろ過装置24において、元々持っているろ過層上の余裕の空間に配置することができる。特に、重力式のろ過装置の場合、損失水頭に見合った量以上の被処理水をろ過層上にためる構成となっており、その余裕の空間に第2ろ過層24bを配置することで装置全体としての大きさは変更することなく、第2ろ過層24bを追加することができる。これによって、第2ろ過層24bによる主に溶解性有機物の吸着処理による、より高度な処理を行うことができる。なお、第2ろ過層24bのろ材として比較的小さな粒径(ただし第1ろ過層24aのろ材よりは粒径が大きい)のものを用いれば、この第2ろ過層24bにおいて、第1ろ過層24aの前処理としてのろ過処理を行うことができる。この場合、この第2ろ過層24bにおいてある程度の損失水頭を見込まなければならないが、この場合第1ろ過層24aの層厚を小さくできるため、トータルとしてのろ過装置24の大きさはあまり変わらない。
【0033】
また、この第2ろ過層24bのろ材にアンスラサイトなど吸着能力のないものを利用することもできる。この場合には、ここにおいて上述のような前処理としてのろ過処理を行う。
【0034】
そして、通水を継続していくと、次第にろ過層(特に、第1ろ過層24a)に捕捉される懸濁物質が増加しろ材が飽和して、ろ過装置24はそれ以上懸濁物質を捕捉できなくなる。これは、ろ過抵抗の上昇や、処理水濁度の上昇等によって確認できる。しかし、通常はろ材が完全に飽和する前に、洗浄によりろ材の再生を行う。
【0035】
このろ材の洗浄は、逆洗ポンプ28を駆動して処理水を逆流させる逆洗浄によって行う。ここで、第2ろ過層24bは、ここにアンスラサイトを充填した場合も含め、ろ材の比重が軽い。そこで、第2ろ過層24bを第1ろ過層24a上に直接載置した状態で、第1ろ過層24aを十分に流動洗浄させる流速で逆洗すると、第2ろ過層24bのろ材をろ過装置24内にとどめておくことが難しい。一方、網かご材32により、第2ろ過層24bのろ材を保持する場合には、ろ材の流出を防止できる。しかし、第2ろ過層24bのろ材は逆洗水の流れによって支持網24c(網かご材32)の上部に押しつけられてしまい、流動することができず十分な洗浄が行えない。
【0036】
本実施形態では、中間部24gに接続された中間排出管24hにより、第1ろ過層24aを通過した逆洗水の一部または全部を系外に排出する。従って、第1ろ過層24aについての逆洗水の線速度と、第2ろ過層24bにおける線速度を独立して決定することができる。そこで、第1ろ過層24aについての逆洗水の線速度を第1ろ過層24aを十分流動洗浄できるようなものとして、かつ第2ろ過層24bについての逆洗水の線速度を第2ろ過層24bのろ材が支持網24cの上部に押しつけられることなく十分流動する線速度にすることができる。これによって、第1ろ過層24aおよび第2ろ過層24bの両方について、十分効果的な逆洗を行うことができる。
【0037】
なお、洗浄のタイミングは、経験的に得られる時間に基づくタイマー設定や、差圧計によるろ過抵抗の設定により行われる。通常の急速ろ過装置の洗浄では、ろ過水を用いた逆流水洗浄や、逆流水洗浄に表面洗浄あるいは空気洗浄を組み合わせることも好適である。
【0038】
また、第2ろ過層24bの逆洗と、第1ろ過層24aの逆洗を順次行い、両層を順次流動化させて逆洗を行うこともでき、この場合には中間排出管24hを利用しなくもよい。さらに、中間部24gへ逆洗水を導入できるようにして、第2ろ過層24bへの逆洗水を完全に独立して供給できるようにしてもよい。
【0039】
このように、本実施形態によれば、第2ろ過層(ろ材は活性炭でなくアンスラサイトでもよい)24bの少なくとも上下に支持網24c(網かご材32)を設けた。これによって、第2ろ過層24bを第1ろ過層24aの上方に独立して支持できる。また、支持網24cの上下の網の間隔は、通水時の第2ろ過層24bの層高の1.1〜2.0倍(実際には1.2〜1.5倍)とした。これによって、第2ろ過層24bの逆洗時における膨張流動を十分なものにできる。さらに、第2ろ過層24bをカートリッジ構造とした。これによって、吸着剤として使用される活性炭の交換を容易に行うことができる。
【0040】
さらに、第2ろ過層24bと第1ろ過層24aとの間に空間(中間部24g)を設け、そこから第1ろ過層24aの逆洗排水を取り出せるようにした。これによって、第2ろ過層24bと第1ろ過層24aの洗浄を独立して行え、第2ろ過層24bと第1ろ過層24aの洗浄を異なる流速で行える。そこで、第2ろ過層24bおよび第1ろ過層24aを十分洗浄することができる。
【0041】
【実施例】
図1の装置を用いて実験を行った。
【0042】
「実験条件」
・原水流量:23.6m3/d
・混和槽:滞留時間4分、G値250〜400s−1
・沈殿槽:上向流式傾斜板付き沈殿池、滞留時間40分、上昇速度5cm/min
・ろ過器仕様:φ500mm×H4000mm(ろ過面積0.196m2)、濾層高400mm
・ろ過速度(LV):5m/h(120m/d)
・ろ材:ケイ砂 比重2.5、有効径0.6mm、均等係数1.4
・第2ろ材(活性炭):石炭系 比重1.1、平均径1.8mm、均等係数1.6、層高400mm
・第2ろ過層支持網:ステンレス製、目開き1.5mm
・通水時間:48時間(タイマーにより洗浄開始)
・原水濁度:8〜30度
・原水pH:7.5〜8.2
・凝集剤:PAC10〜30mg/l
・目標処理水濁度:0.1度未満
「実験結果」
濁度8度の原水に凝集剤としてPACを10mg/L添加し、pHを7.0に調整するために酸として硫酸を加え、混和槽10にて急速攪拌機を用いて混和を行い、凝集槽18にて緩速撹拌を行い、傾斜板付きの沈殿槽22にて沈殿処理を行った。そして、この処理水をろ過装置24によりろ過処理を行い、処理水を得た。
【0043】
また、ろ過装置24はある程度通水を行っていくと、濁質により活性炭及び砂ろ材の間隙が飽和し、通水を継続できなくなる。これはろ過抵抗の上昇やろ過処理水への濁質の流出といった形で現れる。このろ過が継続できなくなるまでの時間は、ろ過装置流入水中の濁質濃度や通水速度などによって異なり、通常は24〜72時間程度である。本実施例では、48時間毎に逆洗を行った。
【0044】
この逆洗は、まず(i)第2ろ過層24bを洗浄するために、LV=27m/h×5分の逆洗を行った。この時の活性炭の膨張率は約40%であった。なお、洗浄時の膨張率は、20〜50%が適当である。これによって、第2ろ過層24bの洗浄が行われる。ついで(ii)第1ろ過層24aの空気洗浄をLV=40m/h×3分行い、さらに第1ろ過層24aの水逆洗をLV=37m/h×4分行った。この場合、第1ろ過層24aの洗浄については、第2ろ過層24bの下部の中間排出管24hから洗浄排水を排出するので、第1ろ過層24aが洗浄される。なお、この場合、中間排出管24hから洗浄排水の全量を引き抜いたが、一部を引き抜いてもよい。
【0045】
処理水質を表1に示す。
【0046】
【表1】
このように、第2ろ過層(活性炭層)24bによるDOC(溶解性有機炭素)の除去と除濁がなされ、さらに第1ろ過層(砂層)24aにより仕上げの除濁処理がなされていることが分かる。一般に活性炭処理施設では、活性炭層の層高1000〜3000mm、SV=5〜15h−1となるように設置されるが、これはいわゆる生物活性炭として用いるためであり、活性炭本来の吸着のみを行うためには、第2ろ過層(活性炭層)24bの層高300〜500mm、SV=10〜15h−1程度あれば良い。今回の実験では、5m/h÷0.4m=12.5h−1とした。また、砂層の層厚は600〜700mmが一般的であるが、今回の場合は活性炭層がろ材の役目も果たすため、第1ろ過層(砂層)24aとして300mm程度あれば十分であった。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第2ろ過層を第1ろ過層上に離間して配置したため、この第2ろ過層において、第1ろ過層と独立した処理が行え、より高度な処理を行うことができる。特に、第2ろ過層の第2ろ材として、粒径の大きなものを利用したため、ここでの損失水頭は小さく、第1ろ過層のための有効水頭についての余裕の容積を効果的に利用することができる。また、支持体により第2ろ過層を保持したため、第1ろ過層の逆洗を大きな線速度で行った場合においても、支持体により第2ろ過層のろ材を保持できろ材の流出を防止することができる。
【0048】
また、第2ろ過層のろ材として活性炭を利用することにより、吸着処理が行え、より高度な処理を行うことができる。また、第1ろ過層の逆洗排水を中間排出管から排出することで、第1ろ過層への逆洗水の線速度と、第2ろ過層への逆洗水の線速度を独立して制御することができる。また、前記第2ろ過層を個別の支持体で支持された活性炭カートリッジで構成することによって、第2ろ過層のろ材の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の装置の構成を示す図である。
【図2】 ろ過装置の構成を示す図である。
【図3】 カートリッジの構成を示す図である。
【図4】 角形および円形のろ過装置にカートリッジを適用した例を示す図である。
【符号の説明】
10 混和槽、18 凝集槽、22 傾斜板沈殿槽、24 ろ過装置、24a第1ろ過層、24b 第2ろ過層、24c 支持網、24d ろ過装置本体、24g 中間部、24h 中間排出管、32 網かご材。
Claims (4)
- 下向流にてろ過処理を行うろ過装置における逆洗方法であって、
前記ろ過装置は、
第1ろ材が充填され、通過する被処理水から懸濁質を分離する第1ろ過層と、
この第1ろ過層の上方に、第1ろ過層の表面から離間して配置され、第1ろ材より粒径の大きい第2ろ材が充填された第2ろ過層と、
この第2ろ過層の第2ろ材を支持する支持体と、
前記第1ろ過層と、前記第2ろ過層の中間部に、第1ろ過層についての逆洗排水を排出する中間排出管と、
を有し、
当該逆洗方法は、
第1ろ過層の下方より逆洗水を供給し、第1ろ過層および第2ろ過層に逆洗水を通過させるとともに、このときの第2ろ過層の膨張率を20〜50%として第2ろ過層を洗浄する第2ろ過層水逆洗工程と、
この第2ろ過層水逆洗工程の後、第1ろ過層の下方より空気を送り、第1ろ過層を空気逆洗する第1ろ過層空気逆洗工程と、
この第1ろ過層空気逆洗工程の後、第1ろ過層の下方より逆洗水を供給し、前記中間排水管から逆洗水の一部または全部を系外に排出して、第1ろ過層を水逆洗する第1ろ過層水逆洗工程と、
を含むことを特徴とするろ過装置の逆洗方法。 - 請求項1に記載の方法において、
前記第2ろ過層の上方には、ろ材流出防止用の支持網が設けられており、前記第2ろ過層水逆洗工程において逆洗水が第2ろ過層を通過する線速度は、第2ろ過層のろ材が前記支持網に押さえつけられない流速に設定されていることを特徴とするろ過装置の逆洗方法。 - 請求項2に記載の方法において、
前記第2ろ過層における支持網は、層高の1.1〜2.0倍の位置に設置されていることを特徴とするろ過装置の逆洗方法。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法において、
前記第2ろ過層の第2ろ材は、粒状活性炭であることを特徴とするろ過装置の逆洗方法。
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