JP3652131B2 - 走行用伝動装置の変速操作部構造 - Google Patents

走行用伝動装置の変速操作部構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの回転出力が走行用クラッチを介して主変速装置に入力し、この主変速装置の回転出力が副変速装置を介して走行装置に伝達するように構成し、
前記副変速装置が、変速クラッチの切り換えによって伝動状態と中立状態とに切り換わるように構成してある走行用伝動装置の変速操作部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記走行用伝動装置において、従来、主変速装置の変速操作に連係させて副変速装置の変速クラッチを自動的に入り切り操作する連係操作手段を備え、主変速装置の変速クラッチが切り換わるなど、主変速装置が変速作動をしている際には、副変速装置が中立状態に操作され、主変速装置を走行装置との連動が切れた状態にして変速操作でき、そして、主変速装置の変速作動が終了すると、副変速装置が伝動状態に復帰操作されて主変速装置が走行装置に連動するようになったものがあった。すなわち、主変速装置を走行装置の動慣性が及ばない状態にして有利に変速でき、しかも、副変速装置を中立状態と伝動状態とに切り換えるための特別な操作が不要で楽に変速できるものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
主変速装置の変速作動中に切り状態になっていた副変速装置の変速クラッチが、主変速装置の変速作動が終了するに伴って所定の伝動用クラッチ圧に一気に戻ると、それまでは副変速装置の中立状態のために主変速装置との連結が切れていた走行装置が主変速装置に急激に連結することになる。すると、副変速装置が伝動状態に戻るまでに動慣性で作動していた走行装置に主変速装置による抵抗が一気に掛かり、走行装置に急ブレーキが掛かる如き変速ショックが発生しやすくなる。
本発明の目的は、主変速装置に走行装置の動慣性が及ばないようにしながら、かつ、副変速装置を中立状態と伝動状態とに切り換えるための特別な操作を不要しながら主変速できるのみならず、副変速装置の面からもその他の面からも変速ショックを出にくくしながら主変速できる走行用伝動装置の変速操作部構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】
〔構成〕
エンジンの回転出力が走行用クラッチを介して主変速装置に入力し、この主変速装置の回転出力が副変速装置を介して走行装置に伝達するように構成し、
前記副変速装置が、変速クラッチの切り換えによって伝動状態と中立状態とに切り換わるように構成してある走行用伝動装置の変速操作部構造において、
主変速装置が変速作動している際には走行用クラッチ及び副変速装置が中立状態になり、かつ、主変速装置の変速作動が終了するに伴って走行用クラッチが入りで副変速装置が伝動状態に復帰するように、主変速装置の変速操作に連係させて走行用クラッチ及び副変速装置を自動的に切り換え操作する連係操作手段を備えさせるとともに、この連係操作手段は、副変速装置の変速クラッチが漸次に入りになり、かつ、副変速装置が伝動状態に復帰したことの情報に基づいてその後に走行用クラッチが入りに復帰する状態に復帰操作するように構成してある。
【0006】
〔作用〕
主変速装置の変速を行う際、連係操作手段による自動操作によって走行クラッチも副変速装置も自動的に中立状態になり、主変速装置がエンジン側に対する連結も走行装置側に対する連結も切れた状態になって変速作動する。そして、主変速装置の変速作動が終了すると、連係操作手段による自動操作によって走行クラッチも副変速装置も伝動状態に自動的に復帰する。そして、走行クラッチ及び副変速装置が伝動状態に復帰する際、走行クラッチが切りになっている状態で副変速装置の変速クラッチが漸次に入りになり、主変速装置が走行装置に対して比較的容易に付いて動いて抵抗を与えにくい状態で走行装置と主変速装置が連結し、副変速装置が伝動状態に復帰したことの情報に基づいてその後に、走行用クラッチが入りになり、主変速装置が走行装置に同期して回動していて連結ショックが出にくい状態で主変速装置がエンジン側に連結する。
【0007】
〔効果〕
主変速装置をエンジン側に対しても、走行装置側に対しても連結が切れた状態にして迅速に変速作動させられるなど有利に変速でき、走行クラッチ及び副変速装置の入り切りを連係操作手段によって自動的に行わせて楽に変速できる。しかも、走行クラッチを切りにしながら副変速装置の変速クラッチが入りに操作されるとともに変速クラッチが漸次に入りになるように操作されて走行装置を主変速装置に対して連結ショックが出にくいとか、連結に伴うブレーキが掛かりにくいとかの状態にして連結でき、さらに、副変速装置が伝動状態になったことの情報に基づいてその後に走行用クラッチが入りに操作されて主変速装置をエンジン側に対して連結ショックが出にくくしながら連結でき、全体として変速ショックが出にくくて軽快に走行しながら変速できる。
【0008】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】
〔構成〕
請求項1による発明の構成において、前記連係操作手段を、前記主変速装置の変速目標段によって異なる復帰操作モードで変速クラッチを漸次に入りに復帰操作するように構成してある。
【0010】
〔作用〕
走行装置を主変速装置に連結するべく副変速装置の変速クラッチを入りに復帰操作させる際の復帰操作モードとして、そのときに主変速装置がなっている変速段の相違にかかわらず同一のモードを採用すると、走行装置が主変速装置に連結するに伴って発生する連結ショックとか主変速装置によるブレーキ作用が、主変速装置の変速段の相違によって異なる。これに対し、前記復帰操作モードとして、変速クラッチを入りに復帰操作させる際に主変速装置がなっている変速段に対応するモードを採用させ、主変速装置がいかなる変速段になっている場合でも、走行装置を主変速装置に対して連結ショックが極力出にくいようにして、かつ、ブレーキ作用が極力掛からないようにして連結させるものである。
【0011】
〔効果〕
主変速装置をいかなる変速段に変速する場合でも、副変速装置が伝動状態に復帰操作される際に走行装置が連結ショックやブレーキ作用の発生を極力抑制した状態で主変装置に連結され、多段階にわたる主変速が変速ショックの少ない状態でできる。
【0012】
請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】
〔構成〕
請求項1又は2による発明の構成において、前記主変速装置を、変速クラッチの切り換えによって変速するように構成してある。
【0014】
〔作用〕
変速クラッチの切り換えによって変速ショックが出にくいとともに迅速に変速作動する状態に主変速装置を得るものである。
【0015】
〔効果〕
主変速装置を変速ショックが出にくいとともに迅速に変速作動するものにし、主変速装置の変速作動の面からも軽快かつ迅速に変速できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、左右一対の駆動自在な前車輪1,1と後車輪2,2とによって自走し、前車輪1を操向操作するステアリングハンドル3、運転座席4及び運転キャビンCを有する運転部が備えられた自走機体の後部を形成しているミッションケース5に、ロータリ耕耘装置などの各種作業装置を昇降操作自在に連結するリフトアーム6、及び、連結した作業装置に動力伝達する動力取出し軸7を設けて、農用トラクターを構成してある。
【0017】
自走機体の前端部の原動部に位置するエンジン8の回転出力を前後輪1,2に伝達して自走機体の走行を可能にする走行用伝動装置を図2に示す如く構成してある。
すなわち、エンジン8の回転出力を前記ミッションケース5の内部に導入して2つのクラッチ11,12を備える前後進切換え装置10に伝達し、この前後進切換え装置10の回転出力を6つのクラッチ21〜26を備える主変速装置20に伝達し、この主変速装置20の回転出力を1つのシフトギヤ30aを備える第2副変速装置30に伝達し、この第2副変速装置30の回転出力を後輪用差動機構2aに伝達してこの差動機構2aから左右の後車輪2,2に伝達する。また、前記第2副変速装置30の回転出力を回転軸32を介して前輪変速装置33に伝達し、この前輪変速装置33の回転出力を回転軸34を介して前輪用差動機構1aに伝達してこの差動機構1aから左右の前車輪1,1に伝達する。
尚、図2に示すクラッチ35は作業用クラッチであり、エンジン8から回転筒軸14を貫通する回転軸36を介して伝達される回転動力を前記動力取出し軸7に伝達する。
【0018】
前後進切換え装置10は、前記2つのクラッチ11,12、及び、一方のクラッチ12の出力側にギヤ連動する後進伝動軸13を備え、2つのクラッチ11,12を入り切り操作することによって前進伝動状態と後進伝動状態と中立状態とに切り換わる。すなわち、2つのクラッチ11,12のいずれもは、クラッチボディの内部に位置する油圧ピストン11a,12aによって湿式の摩擦式多板クラッチ機構を入り切りする油圧クラッチに構成してあり、2つのクラッチ11,12のうちの一方の前進クラッチ11の油圧ピストン11aに圧油を供給してこの前進クラッチ11を入りに操作し、他方の後進クラッチ12の油圧ピストン12aに対する圧油供給を解除してこの後進クラッチ12を切りに操作すると、エンジン8からの回動力を前進クラッチ11から前後進切換え装置10の出力軸と前記主変速装置20の入力軸とに兼用の回転筒軸14に伝達するように前進伝動状態になる。前進クラッチ11の油圧ピストン11aに対する圧油供給を解除してこの前進クラッチ11を切りに操作し、後進クラッチ12の油圧ピストン12aに圧油を供給してこの後進クラッチ12を入りに操作すると、エンジン8からの回動力を後進クラッチ12から後進伝動軸13を介して前記回転筒軸14に伝達するように後進伝動状態になる。前進クラッチ11と後進クラッチ12のいずれもを切りに操作すると、前記回転筒軸14に対する動力伝達を停止するように中立状態になる。これにより、前後進切換え装置10は、エンジン8からの回動力を主変速装置20及び第2副変速装置30に伝達したり、この伝達を切ったりする走行用クラッチとなっている。
【0019】
主変速装置20は、6つの変速用クラッチである前記クラッチ21〜26のうちの4つのクラッチ21〜24、及び、入力軸としての前記回転筒軸14を備える主変速装置本体20aと、前記6つのクラッチ21〜26のうちの他の2つのクラッチ25,26を備えるとともに主変速装置本体20の出力軸27が入力軸に成っていることによって主変速装置本体20に対して直列に連結している第1副変速装置20bとによって構成してある。そして、図5に示す如く各クラッチ21〜26を入り切り操作することにより、第1速〜第8速の8段階に速度変化する。図5に示すONは、各クラッチ21〜26の入りを示し、−は、各クラッチ21〜26の切りを示す。すなわち、6つのクラッチ21〜26のいずれもは、クラッチボディの内部に位置する油圧ピストン21a〜26aによって湿式の摩擦式多板クラッチ機構を入り切りする油圧クラッチに構成してあり、主変速装置本体20aの4つのクラッチ21〜24のうちの第1速クラッチ21の油圧ピストン21aに圧油を供給してこの第1速クラッチ21を入りに操作し、第1副変速装置20bの2つのクラッチ25,26のうちの一方の低速クラッチ25の油圧ピストン25aに圧油を供給してこの低速クラッチ25を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第1速クラッチ21、出力軸27、回転軸36に相対回転自在に支持される伝動ギヤ28、低速クラッチ25を介して第2副変速装置30に伝達するように第1速になる。主変速装置本体20aの4つのクラッチ21〜24のうちの第2速クラッチ22の油圧ピストン22aに圧油を供給してこの第2速クラッチ22を入りに操作し、第1副変速装置20bの前記低速クラッチ25を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第2速クラッチ22、出力軸27、前記伝動ギヤ28、低速クラッチ25を介して第2副変速装置30に伝達するように第2速になる。主変速装置本体20aの4つのクラッチ21〜24のうちの第3速クラッチ23の油圧ピストン23aに圧油を供給してこの第3速クラッチ23を入りに操作し、第1副変速装置20bの前記低速クラッチ25を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第3速クラッチ23、出力軸27、前記伝動ギヤ28、低速クラッチ25を介して第2副変速装置30に伝達するように第3速になる。主変速装置本体20aの4つのクラッチ21〜24のうちの第4速クラッチ24の油圧ピストン24aに圧油を供給してこの第4速クラッチ24を入りに操作し、第1副変速装置20bの前記低速クラッチ25を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第4速クラッチ24、出力軸27、前記伝動ギヤ28、低速クラッチ25を介して第2副変速装置30に伝達するように第4速になる。主変速装置本体20aの第1速クラッチ21を入りに操作し、第1副変速装置20bの2つのクラッチ25,26のうちの他方の高速クラッチ26の油圧ピストン26aに圧油を供給してこの高速クラッチ26を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第1速クラッチ21、出力軸27、高速クラッチ26を介して第2副変速装置30に伝達するように第5速になる。主変速装置本体20aの第2速クラッチ22を入りに操作し、第1副変速装置20bの高速クラッチ26を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第2速クラッチ22、出力軸27、高速クラッチ26を介して第2副変速装置30に伝達するように第6速になる。主変速装置本体20aの第3速クラッチ23を入りに操作し、第1副変速装置20bの高速クラッチ26を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第3速クラッチ23、出力軸27、高速クラッチ26を介して第2副変速装置30に伝達するように第7速になる。主変速装置本体20aの第4速クラッチ24を入りに操作し、第1副変速装置20bの高速クラッチ26を入りに操作すると、前後進切換え装置10からの回動力を第4速クラッチ24、出力軸27、高速クラッチ26を介して第2副変速装置30に伝達するように第8速になる。
【0020】
そして、1速〜4速クラッチ21〜24の全てのクラッチを切りにすると、主変速装置本体20aが第1副変速装置20bへの伝動を停止するように中立状態になる。低速クラッチ25と高速クラッチ26の両クラッチを切りにすると、第1副変速装置20bが第2副変速装置30への伝動を停止するように中立状態になる。1速〜4速クラッチ21〜24、低速クラッチ25、高速クラッチ26の全てのクラッチを切りにすることにより、主変速装置20が前後進切換え装置10と第2副変速装置30への連動を断つように中立状態になる。
【0021】
図2及び図4に示すように、第2副変速装置30は、前記第1副変速装置20bの出力軸に入力ギヤ30bが一体回転するように連結していることによって第1副変速装置20bに直列に連結している。そして、前記シフトギヤ30aを摺動操作して前記入力ギヤ30bと、出力軸が相対回転自在に支持するギヤ30cとに掛け換えることにより、高速状態と低速状態との2段階に速度変化する。
【0022】
前記各クラッチ11,12,21〜26を操作するための油圧回路を図3に示す如く構成してある。
すなわち、前進クラッチ11の制御弁41、後進クラッチ12の制御弁42、第1速クラッチ21の制御弁43、第2速クラッチ22の制御弁44、第3速クラッチ23の制御弁45、第4速クラッチ24の制御弁46、低速クラッチ25の制御弁47、高速クラッチ26の制御弁48のそれぞれを、前進クラッチ11及び後進クラッチ12の制御弁41,42への圧油供給を漸次に行わせて前進クラッチ11及び後進クラッチ12を伝動用クラッチ圧に漸次に昇圧させる電磁比例制御弁49を有する給油路50を介して一つの油圧ポンプPに接続してある。前進クラッチ11の制御弁41の操作部にパイロット回路を介して電磁操作弁41aを、後進クラッチ12の制御弁42の操作部にパイロット回路を介して電磁操作弁42aをそれぞれ接続してある。各電磁操作弁41a,42aは排油側にバネで付勢してあり、電磁操作弁41aに操作電流を供給して給油側に切り換え作動させることにより、制御弁41がパイロット油圧のために排油側への自己復元力に抗して給油側に切り換わって前進クラッチ11が入りになる。電磁操作弁42aに操作電流を供給して給油側に切り換え作動させることにより、制御弁42がパイロット油圧のために排油側への自己復元力に抗して給油側に切り換わって後進クラッチ12が入りになる。電磁操作弁41aも42aも排油側に操作することにより、両制御弁41,42が排油側になって前進クラッチ11も後進クラッチ12も切りなり、前後進切換え装置10が中立状態になる。
第1速クラッチ21の制御弁43の操作部にパイロット回路を介して電磁操作弁43aを、第2速クラッチ22の制御弁44の操作部にパイロット回路を介して電磁操作弁44aを、第3速クラッチ23の制御弁45の操作部にパイロット回路を介して電磁操作弁45aを、第4速クラッチ24の制御弁46の操作部にパイロット回路を介して電磁操作弁46aをそれぞれ接続してある。各電磁操作弁43a〜46aは排油側にバネで付勢してあり、電磁操作弁43aに操作電流を供給して給油側に切り換え作動させることにより、制御弁43がパイロット油圧のために排油側への自己復元力に抗して給油側に切り換わって第1速クラッチ21が入りになる。電磁操作弁44aに操作電流を供給して給油側に切り換え作動させることにより、制御弁44がパイロット油圧のために排油側への自己復元力に抗して給油側に切り換わって第2速クラッチ22が入りになる。電磁操作弁45aに操作電流を供給して給油側に切り換え作動させることにより、制御弁45がパイロット油圧のために排油側への自己復元力に抗して給油側に切り換わって第3速クラッチ23が入りになる。電磁操作弁46aに操作電流を供給して給油側に切り換え作動させることにより、制御弁46がパイロット油圧のために排油側への自己復元力に抗して給油側に切り換わって第4速クラッチ24が入りになる。
【0023】
低速クラッチ25の前記制御弁47も、高速クラッチ26の前記制御弁48も電磁比例制御弁に構成し、クラッチ25,26を入り側に操作する際、所定の伝動用クラッチ圧に漸次に昇圧するように制御できるようにしてある。すなわち、制御弁47,48の電磁ソレイノイドに操作用電流を供給することにより、制御弁47,48をクラッチ入り側に操作するが、操作用電流の電流値、供給時間を調整することにより、制御弁47,48の開度及び開時間が変化し、クラッチ25,26のクラッチ圧を調整できる。
【0024】
前進クラッチ11及び後進クラッチ12のパイロット回路に開閉弁51を接続してある。この開閉弁51は、運転部に位置するクラッチペダル52によって切り換え操作し、前進クラッチ11も後進クラッチ12も電磁操作弁41a,42aに優先して切りに操作したり、前進クラッチ11及び後進クラッチ12の電磁操作弁41a,42aによる操作を可能にしたりするものである。すなわち、クラッチペダル52によって前後進切換え装置10を中立状態に操作することを可能にするものである。図3に示す油圧クラッチ53〜56のうちのクラッチ53は、前輪用差動機構1aをデフロック状態とデフロック解除状態とに切り換え操作するものであり、クラッチ54は、後輪用差動機構2aをデフロック状態とデフロック解除状態とに切り換え操作するものであり、クラッチ55と56は、前記前輪変速装置33を標準状態と増速状態とに切り換えるものである。すなわち、クラッチ55の方を入りに操作すると、前輪変速装置33が標準状態になり、左右前輪1,1と左右後輪2,2の平均周速度がほぼ同一になるように前輪駆動を行う。クラッチ56の方を入りに操作すると、前輪変速装置33が増速状態になり、左右前輪1,1の平均周速度が左右後輪2,2の平均周速度の約2倍になるように前輪駆動を行う。
【0025】
運転部の運転座席4の横側に設けた図4の如き副変速レバー60、この副変速レバー60の握り部の横側に設けたシフトアップスイッチ61、シフトダウンスイッチ62及び副変速検出スイッチ74、運転部のステアリングハンドル3の近くに設けた図4の如き前後進レバー63、運転部の運転パネルに設けた表示装置64を備える変速操作装置により、各電磁操作弁41a〜46a及び47,48、電磁比例制御弁49、シフトギヤ30aを操作することによって走行変速を行うようにしてあり、この変速操作装置は次の如く構成してある。
【0026】
すなわち、図4に示すように、副変速レバー60は、取付けボス部の軸芯60aまわりで自走機体の前後方向に揺動するように自走機体に支持させるとともに、副変速レバー60の握り部の横側に設けてあるロック解除ボタン65を押し操作し、副変速レバー60の握り部と取付けボス部の間から突出するロックピン66を機体側に固定されている位置決め具67から抜き外れた状態にすることにより、揺動操作できるようにしてある。副変速レバー60の取付けボス部から一体回動自在に延出するアーム部を、ロッド及び揺動リンクなどで成る機械式連係機構68によって第2副変速装置30のシフトフォーク支軸30dに連動させてあり、副変速レバー60を軸芯60aまわりで揺動操作すると、このレバー操作力のためにシフトフォーク支軸30dが摺動操作され、このシフトフォーク支軸30dによって一体摺動自在に支持されているシフトフォーク30eがシフトギヤ30aを摺動操作して前記入力ギヤ30bに噛み合う高速位置と、前記ギヤ30cに噛み合う低速位置と、ギヤ30bと30cのいずれにも噛み合わない中立位置とに切り換え操作する。
【0027】
副変速検出スイッチ74は、前記ロック解除ボタン65が押し操作されることによってON操作されるように構成してある。すなわち、第2副変速装置30を変速するには、ロック解除ボタン65を押し操作して副変速レバー60の操作が可能となるようにそのロック解除が行われることにより、ロック解除ボタン65が押し操作されたことを検出すると、第2副変速装置30の変速操作が行われたものとして検出し、この検出結果を電気信号で制御装置69に出力する。
【0028】
副変速レバー60の取付けボス部にポテンショメータ70の回転操作部を連動させてあり、このポテンショメータ70は、副変速レバー60が高速位置H、中立位置N、低速位置Lのいずれの操作位置に操作されたかを検出し、検出結果を電気信号で前記制御装置69に出力する。
【0029】
シフトアップスイッチ61及びシフトダウンスイッチ62は、制御装置69に連係させてある。シフトアップスイッチ61は、これのボタンを押し操作する毎に一回のシフトアップの変速指令を電気信号で制御装置69に出力し、シフトダウンスイッチ62は、これのボタンを押し操作する毎に一回のシフトダウンの変速指令を電気信号で制御装置69に出力する。
【0030】
前後進レバー63の基部に前後進検出スイッチ71を作用させてあり、この前後進検出スイッチ71は、前後進レバー63が前進位置F、中立位置N、後進位置Rのいずれの操作位置に操作されたかを検出し、検出結果を電気信号で前記制御装置69に出力する。
【0031】
表示装置64は、変速表示部64a、前進ランプ64b、後進ランプ64c、中立ランプ64dを備えている。変速表示部64aは、主変速装置20が第1速〜第8速のうちのいずれかの変速段になっている場合、その変速段に相当する値のアラビヤ数字を点灯させる。たとえば、主変速装置20が第8速になっている場合には8という数字を点灯させる。すなわち、数字を変速段の表示の指標の一例とし、主変速装置20が第1速〜第8速のうちのいずれの変速段になっているかを表示する。前進ランプ64bは、前後進切換え装置10が前進状態になった場合に、点灯によって表示する。後進ランプ64cは、前後進切換え装置10が後進状態になった場合に、点灯によって表示する。中立ランプ64dは、前後進切換え装置10が中立状態になった場合に、点灯によって表示する。
【0032】
制御装置69は、各電磁操作弁41a〜46a、各制御弁47,48、電磁比例制御弁49、前記各クラッチ11,12,21〜26のそれぞれに圧力検出に基づいて入りになっているか否かを検出するように付設してある圧力センサ73、表示装置64、ブザー72に連係するマイクロコンピュータで成り、副変速レバー60が操作された場合、変速制御プログラムで成る変速制御手段69aが副変速検出スイッチ74、ポテンショメータ70、圧力センサ73からの情報に基づいて次の如く作動する。
【0033】
すなわち、副変速レバー60によってシフトギヤ30aのスライド操作が行われ、第2副変速装置30が高速側と低速側の一方から他方の伝動状態に切り換わるべく変速作動している際には、前後進切換え装置10の前進クラッチ11と後進クラッチ12の両クラッチを切りで主変速装置20のクラッチ21〜26の全てのクラッチを切りに自動的に操作し、第2副変速装置30に対するエンジン出力の伝達を停止するように前後進切換え装置10も主変速装置20の主変速装置本体20aと第1副変速装置20bの両装置も中立状態に切り換え操作する。そして、シフトギヤ30aが前記高速位置や低速位置に操作されて第2副変速装置30が高速側や低速側の伝動状態に切り換わるに伴い、前後進切り換え装置10が前進又は後進側の伝動状態のうちの副変速操作前になっていた伝動状態に、主変速装置20の主変速装置本体20aが第1速から第4速の伝動状態のうちの副変速操作前になっていた伝動状態に、主変速装置20の第1副変速装置20bが低速側と高速側の伝動状態のうちの副変速操作前になっていた伝動状態にそれぞれ自動的に復帰して第2副変速装置30にエンジン出力を伝達するように前後進切換え装置10及び主変速装置20の所定のクラッチを入りに復帰操作する。
【0034】
前後進レバー63が操作された場合、変速制御手段69aが検出スイッチ71及び圧力センサ73からの情報に基づいて次の如く作動する。
すなわち、前後進レバー63が前進位置Fになると、電磁操作弁41aに操作電流を供給して前後進切換え装置10を前進状態に切り換え、そして、表示装置64の前進ランプ64aを点灯させる。前後進レバー63が後進位置Rになると、電磁操作弁42aに操作電流を供給して前後進切換え装置10を後進状態に切り換え、そして、表示装置64の後進ランプ64cを点灯させるとともにブザー72に間欠作動させて警報を実行させる。前後進レバー63が中立位置Nになると、電磁操作弁41a及び42aに対する電流供給を停止して前後進切換え装置10を中立状態に切り換え、そして、表示装置64の中立ランプ64dを点灯させる。
【0035】
シフトアップスイッチ61及びシフトダウンスイッチ62が操作されると、前後進レバー63が前進位置Fと中立位置Nと後進位置Rのうちの前進位置Fと後進位置Rのいずれかに操作してある場合においてのみ、制御装置69が図6及び図7に示す如く作動する。
【0036】
すなわち、#1〜#3ステップに示すように、シフトアップスイッチ61又はシフトダウンスイッチ62が押し操作されると、このスイッチ操作が行われたときに主変速装置20がなっていた変速段と、スイッチ61,62からの変速指令とを基に、主変速装置20を切り換えるべき変速目標段を設定する。シフトアップスイッチ61が操作された場合には、この操作前の主変速装置20の変速段より1段階だけ高速側の変速段を変速目標段として設定し、シフトダウンスイッチ62が操作された場合には、この操作前の主変速装置20の変速段より1段階だけ低速側の変速段を変速目標段として設定する。
次に、#4ステップに示すように、変速目標段を現出するには主変速装置本体20aの1速〜4速クラッチ21〜24のうちのいずれのクラッチを入りに操作するべきかを判断し、この判断結果を基に、低速クラッチ25又は高速クラッチ26を入りに復帰させるべく制御弁47,48を入り側に復帰させる復帰操作モードを設定する。そして、#5ステップに示すように、変速指令が出力されたときに前後進切換え装置10が前進側と後進側のいずれの伝動状態にあったかを圧力センサ73からの情報に基づいて検出するとともに制御装置69のメモリー部で成る記憶手段69bに記憶させる。
次に、#6〜#8ステップに示すように、電磁操作弁41a及び42aをクラッチ切り側に操作して前後進切換え装置10を切りに操作しながら、かつ、制御弁47及び48をクラッチ切り側に操作して第1副変速装置20bを中立状態に操作しながら、電磁操作弁43a〜46aのうちの所定の操作弁をクラッチ入り側に操作する。
#9及び#10ステップに示すように、主変速装置本体20aが変速目標段を現出するべき所定の速度状態に切り換わった否かを圧力センサ73からの情報に基づいて判断し、所定の速度状態に切り換わったと判断すると、低速クラッチ25と高速クラッチ26のうちの所定のクラッチが漸次に伝動用クラッチ圧に昇圧していくように制御弁47又は48を先に設定した入り操作モードでクラッチ入り側に操作する。
次に、#11及び#12ステップに示すように、第1副変速装置20bが変速目標段を現出するべき所定の速度状態に切り換わった否かを圧力センサ73からの情報に基づいて判断し、所定の速度状態に切り換わったと判断すると、電磁操作弁41aと42aのうちの前後進切換え装置10を記憶手段69bによる記憶伝動状態にするべき方の操作弁をクラッチ入り側に操作する。
そして、#13及び#14ステップに示すように、前後進切換え装置10が所定の伝動状態になった否かを圧力センサ73からの情報に基づいて判断し、所定の伝動状態になったと判断すると、記憶手段69bによる記憶を消去させ、次にシフトアップスイッチ61又はシフトダウンスイッチ62が操作された際にそのときの伝動状態を記憶させられるようにリセットさせる。
【0037】
制御装置69は、クラッチ25,26を入りに復帰させるための復帰操作モードを次の如く設定する。
すなわち、図8(ロ)の縦軸は制御弁47,48の電磁ソレノイドに供給する操作電流の電流値Aで、横軸は操作時間tを示す。図8(イ)の縦軸はクラッチ25,26のクラッチ圧Pで、横軸は操作時間tを示す。つまり、電流値A2の操作電流を供給して制御弁47,48のクラッチ入り側への操作を開始する。操作開始時点から油充填時間Tfが経過すると、操作電流の電流値A2をこれよりも低い電流値A1に変更するとともにこの電流値A1を維持し、最低のクラッチ圧Pcを維持する。電流値A1に変更してから一定時間Tcが経過すると、電流値を徐々に増大させ、クラッチ圧をモジュレート圧力勾配Paで漸次に上昇させる。このモジュレート時間Tmが経過すると、電流値を操作開始時と同じ電流値A2に上昇させ、伝動用クラッチ圧P2にする。そして、前記油充填時間Tf、一定時間Tc、モジュレート時間Tm、モジュレート圧力勾配Pa、最低圧力Pcを調整すると、クラッチ25,26が切りから入りに復帰する際にスリップ状態になる時間、そのスリップ状態でのクラッチ圧などが異なり、第1副変速装置20bを切りから入りに復帰させるべくクラッチ25,26が入りに復帰する際、主変速装置本体20aの入りになっているクラッチが異なっていても、前後輪1,2が主変速装置本体20aを構成している部材に対して連結ショックが極力発生しにくいように漸次に同期回動しながら連結していくように、復帰操作モードをクラッチ21〜24に適応したものに調節して設定できる。
つまり、主変速装置本体20aを変速目標段によって決まる速度状態に変速した後に第1副変速装置20bを中立状態から伝動状態に復帰させるべくクラッチ25又は26を入りに復帰させる際の復帰操作モードとして、主変速装置本体20aの4つのクラッチ21〜24に各別に対応したものを予め設定しておき、#10ステップでの第1副変速装置20bの変速操作が実行される際、#8ステップで入りに操作された主変速装置本体20aのクラッチ21〜24に対応する復帰操作モードを選択し、この復帰操作モードによってクラッチ25,26の入り操作が実行される。
【0038】
これにより、#4〜#12ステップが連係操作手段69cを構成しており、この連係操作手段69cは、主変速装置本体20aの変速操作が行われると、これに連係させて走行用クラッチとしての前後進切換え装置10、及び、第1副変速装置20bを次の如く自動的に切り換え操作するものである。
すなわち、シフトアップスイッチ61又はシフトダウンスイッチ62が操作され、主変速装置本体20aが主変速装置20を変速目標段に切り換えるべくクラッチ21〜24を切り換える変速作動をしている際には、前後進切換え装置10の前進クラッチ11及び後進クラッチ12を切りで第1副変速装置20bの低速クラッチ25及び高速クラッチ26を切りに自動的に操作し、主変速装置本体20aに対するエンジン及び前後輪1,2の回動力伝達を停止するように前後進切換え装置10も第1副変速装置20bも中立状態に切り換え操作する。そして、主変速装置本体20aの所定のクラッチ21〜24が入りになって主変速装置本体20aの変速作動が終了する伴い、前後進切り換え装置10が前進又は後進側の伝動状態のうちの変速操作前になっていた伝動状態に復帰するとともに、第1副変速装置20bが低速側と高速側の伝動状態のうちの変速目標段によって決まる所定の伝動状態にそれぞれなって前後輪1,2の駆動が可能になるように前後進切換え装置10及び第1副変速装置20bの所定のクラッチを入りに復帰操作する。そして、この復帰操作を行うに当たり、第1副変速装置20bが伝動状態に復帰した後に前後進切換え装置10が伝動状態に復帰するように操作する。さらに、主変速装置20aの入りに操作されたクラッチ21〜26に応じた復帰操作モードを選択し、この復帰操作モードで第1副変速装置20bのクラッチ25,26を伝動用クラッチ圧に漸次に復帰させる。
【0039】
つまり、機体の走行操作を行うに当たり、シフトアップスイッチ61とシフトダウンスイッチ62とによって主変速を行い、副変速レバー60によって副変速を行い、前後進レバー63によって前後進切り換えを行う。
【0040】
すなわち、シフトアップスイッチ61を押し操作すると、このスイッチ61がシフトアップの変速指令を一回だけ出力し、変速制御手段69aがスイッチ61からの変速指令と、このときに主変速装置20がなっている変速段とを基にこの変速段より1段階だけ高速側の変速段を変速目標段として設定し、第1〜第4速クラッチ21〜24、低速クラッチ25、高速クラッチ26のうちの変速目標段を現出するための所定のクラッチの油圧ピストン21a〜26aを駆動してそのクラッチを入りに操作する。これにより、主変速装置20が第1速〜第8速のうちの変速操作前の変速段より1段階だけ高速側に変化した変速段になる。そして、シフトダウンスイッチ62を押し操作すると、このスイッチ62がシフトダウンの変速指令を一回だけ出力し、変速制御手段69aがスイッチ62からの変速指令と、このときに主変速装置20がなっている変速段とを基にこの変速段より1段階だけ低速側の変速段を変速目標段として設定し、第1〜第4速クラッチ21〜24、低速クラッチ25、高速クラッチ26のうちの変速目標段を現出するための所定のクラッチの油圧ピストン21a〜26aを駆動してそのクラッチを入りに操作する。これにより、主変速装置20が第1速〜第8速のうちの変速操作前の変速段より1段階だけ低速側に変化した変速段になる。
そして、シフトアップとシフトダウンのいずれの変速操作の場合も、連係操作手段69cの作用により、前後進切換え装置10と第1副変速装置20bとを中立状態にしながら主変速装置本体20aの変速操作が実行され、主変速装置本体20aの変速操作が完了すると、第1副変速装置20bがクラッチ25,26が漸次に伝動用クラッチ圧に昇圧するようにして低速側または高速側の所定の伝動状態に操作され、第1副変速装置20bが伝動状態になった後に前後進切換え装置10が変速操作前にあった前進又は後進側の伝動状態に操作され、変速ショックが出にくいように変速操作される。
【0041】
副変速レバー60は、ロック解除ボタン65を押し操作してロックピン66によるロックを解除した状態にしながら揺動操作する。
そして、副変速レバー60を高速位置Hに操作すると、このレバー操作力によってシフトギヤ30aが前記高速位置になり、第2副変速装置30が第1副変速装置20bからの回動力をそのままの回転速度で出力するように高速状態になる。副変速レバー60を低速位置Lに操作すると、このレバー操作力によってシフトギヤ30aが前記低速位置になり、第2副変速装置30が第1副変速装置20bからの回動力を減速して出力するように低速状態になる。
この副変速を行うに当たり、シフトギヤ30aがスライドする変速作動中は、副変速操作検出スイッチ74からの情報に基づく制御装置69の自動操作のために、前後進切換え装置10も主変速装置20も自動的に中立状態に切り換わり、ギヤ鳴りが発生しにくいように第2副変速装置30に対する伝動を停止しながらシフトギヤ30aをスライド操作できる。そして、シフトギヤ30aが高速位置又は低速位置に切り換わった変速完了後には、ポテンショメータ70からの情報に基づく制御装置69の自動操作により、前後進切換え装置10及び主変速装置20が変速操作前の伝動状態に自動的に復帰する。
【0042】
副変速レバー60を中立位置Nに操作すると、シフトギヤ30aが前記中立位置になる。これにより、第2副変速装置30が第1副変速装置20bからの回動力を後輪用差動機構2a及び前輪変速装置33に伝達しないように中立状態になる。 副変速レバー60を高速位置H、中立位置N、低速位置Lのそれぞれに操作した際、ロック解除ボタン65に対する押し操作を解除する。すると、ロックピン66が位置決め具67のピン孔に入り込み、副変速レバー60を各操作位置H,N,Lに固定できる。
【0043】
前後進レバー63を機体前後方向に揺動操作して前進位置Fに操作すると、変速制御手段69aが検出スイッチ71からの情報に基づいて前進クラッチ11の油圧ピストン11aを駆動してこのクラッチ11を入りに操作する。これにより、前後進切換え装置10がエンジン8からの回動力を前進駆動力として主変速装置20に伝達するように前進状態になる。
前後進レバー63を後進位置Rに操作すると、変速制御手段69aが検出スイッチ71からの情報に基づいて後進クラッチ12の油圧ピストン12aを駆動してこのクラッチ12を入りに操作する。これにより、前後進切換え装置10がエンジン8からの回動力を後進駆動力にして主変速装置20に伝達するように後進状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクター全体の側面図
【図2】走行用伝動装置の概略図
【図3】変速制御の油圧回路図
【図4】変速制御のブロック図
【図5】主変速装置の変速段の説明図
【図6】変速制御のフロー図
【図7】変速制御のフロー図
【図8】低速及び高速クラッチの入り操作の説明図
【符号の説明】
1,2 走行装置
8 エンジン
10 走行用クラッチ
20a 主変速装置
20b 副変速装置
21〜26 変速クラッチ
69c 連係操作手段

Claims (3)

  1. エンジン(8)の回転出力が走行用クラッチ(10)を介して主変速装置(20a)に入力し、この主変速装置(20a)の回転出力が副変速装置(20b)を介して走行装置に伝達するように構成し、
    前記副変速装置(20b)が、変速クラッチ(25)(26)の切り換えによって伝動状態と中立状態とに切り換わるように構成してある走行用伝動装置の変速操作部構造であって、
    主変速装置(20a)が変速作動している際には走行用クラッチ(10)及び副変速装置(20b)が中立状態になり、かつ、主変速装置(20b)の変速作動が終了するに伴って走行用クラッチ(10)が入りで副変速装置(20b)が伝動状態に復帰するように、主変速装置(20a)の変速操作に連係させて走行用クラッチ(10)及び副変速装置(20b)を自動的に切り換え操作する連係操作手段(69c)を備えさせるとともに、この連係操作手段(69c)は、副変速装置(20b)の変速クラッチ(25)(26)が漸次に入りになり、かつ、副変速装置(20b)が伝動状態に復帰したことの情報に基づいてその後に走行用クラッチが(10)入りに復帰する状態に復帰操作するように構成してある走行用伝動装置の変速操作部構造。
  2. 前記連係操作手段(69c)を、前記主変速装置(20a)の変速目標段によって異なる復帰操作モードで変速クラッチ(25)(26)を漸次に入りに復帰操作するように構成してある請求項1記載の走行用伝動装置の変速操作部構造。
  3. 前記主変速装置(20a)を、変速クラッチ(25)(26)の切り換えによって変速するように構成してある請求項1又は2記載の走行用伝動装置の変速操作部構造。
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