JP3649304B2 - 耐熱性ポリエステルエラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的特性、加工適性に優れ、加熱時の揮散性が少なく、かつ耐熱性および耐加水分解性に優れた高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム弾性を有し、繊維、フィルム、各種成形体用材料などに有用な樹脂として、芳香族ポリエステルとラクトン類との反応により得られる熱可塑性ポリエステル型ブロック共重合体が知られている。このような共重合体を製造する方法としては、次のような方法がある。
【0003】
例えば、特公昭48−4116号公報には、結晶性芳香族ポリエステルとラクトンとを反応させる方法が記載されている。
【0004】
また、特公昭48−4115号公報には、結晶性芳香族ポリエステルとラクトンとを反応させ、得られるブロック共重合体に多官能性アシル化剤を反応させて鎖延長させる方法が記載されている。
【0005】
さらに、特公昭52−49037号公報には、結晶性芳香族ポリエステルの存在下でラクトン類を固相重合させる方法が記載されている。
【0006】
これらの方法によって得られるポリエステル型ブロック共重合体は、優れたゴム状弾性を有し、かつ耐候性にも優れる。しかし、これらの組成物は耐熱性が不十分であり、高温に長時間曝されると、強度および伸度が著しく低下するという難点がある。さらに、これらのポリマーは耐加水分解性が不十分であり、水の存在下で加水分解を起こし易い。そのため、これらの組成物は、そのまま、繊維、フィルム、成形材料などの素材として実用に供することが難しい。
【0007】
そこで、このようなポリエステル型ブロック共重合体の耐熱性および耐加水分解性を改善するため、1官能性以上のエポキシ化合物を配合する方法(特開昭58−162654号公報)などが提案されている。
【0008】
この方法により、上記組成物の耐熱性および耐加水分解性は改良される。しかし、この方法は、使用されるエポキシ化合物の種類によっては、得られる組成物を加熱した時に、未反応のエポキシ化合物が多く揮散するという問題点を有するため、熱可塑性性樹脂を成形品に加工する際、あるいは樹脂の着色、難燃性付与等の加工等を行う際に衛生上問題を生じる可能性がある。さらに、発生するガスは、押出機、成形機等のシリンダー、スクリュー、および金型の表面を腐食させたり、電器機器部品および電子機器部品の分野では、発生するガスが金属部分を腐食し、その結果、接点不良や導通不良を引き起こすおそれがある。
【0009】
また、前述のようなエポキシ化合物の配合により樹脂の耐熱性および加水分解性は改善されるが、用途によっては厳しい使用環境に曝される場合があるので、ヒンダードフェノール系化合物等の安定剤を配合することが一般的である。しかし、安定剤の配合は安定剤の種類と配合量が不適切である場合は、特性を改善出来ないばかりか、樹脂との親和性不良から機械特性を低下させる等の悪影響がある。さらに、安定剤の種類によっては加工工程で安定剤が揮散し、衛生上問題となる上、配合した安定剤の成形品中の残存量が低下するため、耐熱性や耐加水分解性改善効果が不十分となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、機械的特性、耐熱性、および耐加水分解性のいずれにも優れ、しかも加熱時が揮散性が少なく加工適性が良好な高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のポリエステルエラストマー組成物は、(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部と、(B)ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とし、該繰り返し単位が3〜50である高分子量安定剤を0.1〜5重量部、および(C)200℃で30分熱処理した場合の下式(I)で表される加熱減量比が0.1以下であり、前記ポリエステルエラストマーの末端基と反応し得る多官能性化合物0.1〜10重量部を含有するポリエステルエラストマーであって、前記熱可塑性エラストマー(A)が、結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類を反応させて得られるポリエステル型ブロック共重合体である、耐熱性ポリエステルエラストマー組成物である。加熱減量比=(W1−W2)/W1 (I)
ここで、W1およびW2は、それぞれこの熱処理前および後の多官能性の化合物の重量である。
【0012】
本発明の第2のポリエステルエラストマー組成物は、(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部と、(B)ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とし、前記繰り返し単位が3〜50である高分子量安定剤を0.1〜5重量部、および(C)200℃で30分熱処理した場合の下式(I)で表される加熱減量比が0.1以下であり、前記ポリエステルエラストマーの末端基と反応し得る多官能性化合物0.1〜10重量部、および(D)前記ポリエステルエラストマーの末端基と反応し得る単官能性化合物10重量部以下から形成されるポリエステルエラストマー組成物であって、前記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)が、結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類を反応させて得られるポリエステル型ブロック共重合体である、耐熱性ポリエステルエラストマー組成物である。
加熱減量比=(W1−W2)/W1 (I)
ここで、W1およびW2は、それぞれこの熱処理前および後の多官能性の化合物の重量である。
【0013】
好適な実施態様においては、上記ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤は、200℃で30分熱処理した場合の加熱減量比が0.1以下の化合物である。
【0014】
好適な実施態様においては、上記多官能性化合物はビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種、あるいはポリカルボジイミド、あるいはビスオキサゾリン化合物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー
本発明のポリエステルエラストマー組成物に用いられるポリエステル型ブロック共重合体は、それ自体公知のものが用いられ得る。このポリエステル型ブロック共重合体は、(i) 結晶性芳香族ポリエステルと(ii)ラクトン類とを反応させることにより得られる。
【0016】
上記結晶性芳香族ポリエステル(i) としては、主としてエステル結合のみを有し、少なくとも1種の芳香族基を主たる繰り返し単位とし、そして分子末端に水酸基を有する結晶性芳香族ポリエステル、または、エステル結合とエーテル結合とを有し、少なくとも1種の芳香族基を主たる繰り返し単位とし、そして分子末端に水酸基を有する結晶性芳香族ポリエステルを用いることができる。
【0017】
上記結晶性芳香族ポリエステルは結晶性、耐熱性等の面より重合体骨格中に炭素数1〜17のアルキレン基を有するのが好ましい。
【0018】
上記結晶性芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレートなどの単独重合ポリエステル、ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ−p−フェニレンビスオキシエトキシテレフタレートなどのポリエステルエーテル、主としてテトラメチレンテレフタレート単位またはエチレンテレフタレート単位からなり、他にテトラメチレンまたはエチレンイソフタレート単位、テトラメチレンまたはエチレンアジペート単位、テトラメチレンまたはエチレンセバケート単位、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位、テトラメチレンまたはエチレン−p−オキシベンゾエート単位などの共重合成分を有する共重合ポリエステルまたは共重合ポリエステルエーテルなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して用いることができる。
【0019】
上記結晶性芳香族ポリエステルの融点は、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上である。
【0020】
上記結晶性芳香族ポリエステルの分子量は、用途によって変えることができる。例えば、成形用材料として使用する場合には、分子量は好ましくは5000以上、より好ましくは8000以上である。接着剤やコーティング剤などとして使用される場合には、分子医療は好ましくは5000以下、より好ましくは3500以下である。
【0021】
上記結晶性芳香族ポリエステルとして共重合ポリエステルまたは共重合ポリエステルエーテルなどの共重合体が用いられる場合には、結晶性、耐熱性等の点から、テトラメチレンテレフタレート単位、テトラメチレン−2,6−ナフタレート単位、またはエチレンテレフタレート単位が60モル%以上の割合で含まれることが好ましい。
【0022】
上記ポリエステル型ブロック共重合体に用いられるラクトン類としては、カプロラクトン、エナンラクトン、カプリロラクトンなどが挙げられる。これらのラクトン類は、単独でまたは2種以上混合して用いられ得るが、柔軟性と耐熱性のバランスよりカプロラクトンが最も好ましい。
【0023】
上記結晶性芳香族ポリエステルと上記ラクトンとを反応させることにより、ポリエステル型ブロック共重合体が得られる。反応は、通常窒素雰囲気下、200℃〜250℃の温度で、0.5〜3時間溶融反応させ、次いで真空下で未反応のラクトン類を除去することにより行われる。
【0024】
上記結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類との共重合割合は、その用途によって適宜変えられ得る。一般に、結晶性芳香族ポリエステルの割合が増大すると、得られる組成物は硬くなり、強度、震度などの機械的特性が向上する。ラクトン類の割合が増大すると、得られる組成物は軟質化し、低温特性が向上する。従って、機械的強度、低温特性などのバランスを考慮しながら、用途に応じて両者の共重合割合を選定することができる。
【0025】
一般的には、上記結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類との共重合割合は、重合比で97:3〜5:95の範囲であり、より一般的には95:5〜30:70の範囲である。硬質の成形体を得たい場合には、好ましくは上記割合は95:5〜70:30の範囲である。
【0026】
(B)ピペリジン骨格を有する安定剤
本発明で用いられるピペリジン骨格を有する高分子量安定剤は、安定化作用を有するピペリジン基をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体が、直接もしくはアルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリール基、またはそれらの基を組み合わせて形成される基、さらにはそれらの基が窒素、酸素等のいわゆるヘテロ原子を含有するもの等により高分子鎖に結合したものであり、ここでいう高分子鎖とは飽和炭化水素、不飽和炭化水素から構成されるものであっても、それら炭化水素基が酸素、窒素等のいわゆるヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有結合基を介して結合したものであってもよい。
【0027】
上記高分子量安定剤の分子量は、ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を少なくとも1単位含有する成分を繰り返し単位とし、該繰り返し単位が2単位以上結合したものである。繰り返し単位の数は好ましくは3個から50個である。繰り返し単位が少ないと安定剤の分子量が低く、揮発性が高くなるため、成形時に揮散して所定の添加量が得られない等の問題が生じ、繰り返し単位数が大きすぎると安定剤自体の粘度が高くなり、本発明ではエラストマーへの分散が困難になる等の不都合が生じる可能性がある。
【0028】
上記高分子量安定剤の添加量は、エラストマーの用途によって適宜変えることができる。一般にはより高度な熱安定性を要求される用途では添加量を高める必要があるが、添加量を高めすぎると安定剤が成形時に析出し、成形金型を汚染したり、ポリマー流路に堆積して成形に不都合を生じる原因となる。また、成形品として加工した後でも成形品を使用中にその表面に析出して、見栄えが悪くなったり、衛生上問題を生じる可能性がある。従って、添加量は0.1〜5重量部の範囲が適切であり、より好ましくは0.3〜3重量部である。
【0029】
上記高分子量安定剤は単独でまたは他の一般的な安定剤と混合して用い得るが、共に用いうる安定剤としてはヒンダードフェノール系、アミン系、リン系、チオエーテル系、金属塩系、などが挙げられる。本発明においては揮散性と機械的特性、耐熱性、耐加水分解性のバランスを取る観点より、安定剤としても揮発性の低い化合物を選定することが望ましい。
【0030】
(C)多官能性化合物
上記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)には、変成剤として多官能性化合物が用いられる。この多官能性化合物は、下式(I)を満足するものである。
加熱減量比=(W1−W2)/W1 (I)
ここで、W1は、熱処理前のサンプル重量であり、そしてW2は、後のサンプル重量である。
多官能性化合物は、200℃で30分熱処理した場合の加熱減量比が0.1以下、好ましくは0.05以下であり、かつ上記ポリエステル型ブロック共重合体の末端基と反応し得る官能基を同一分子内に2個以上、好ましくは、2個〜4個、より好ましくは2個〜3個有する。
【0031】
加熱減量比が0.1を越える場合は、多官能性化合物に揮発成分が多く含まれており、その結果、成形時などの加熱時にそれら揮発成分が揮発し、装置を汚染させたり、作業環境を悪化させるという不都合を生じる。
【0032】
上記ポリエステル型ブロック共重合体の末端基と反応し得る官能基の数が2個未満では、得られる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)に所望の機械的強度が得られない。
【0033】
本願発明に用いられる多官能性化合物(C)は、上記式(I)を満足する化合物であれば、その構造には特に制限がない。このような2官能性以上の化合物としては、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールS−ジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型グリシジルエーテル、フェノールノボラック型グリシジルエーテル、ポリカルボジイミド、ビスオキサゾリン化合物等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0034】
多官能性化合物としては、化合物の反応性、粘度、取り扱い性等の面より、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテルが特に好ましい。
(D)単官能性化合物
上記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)には、必要に応じて、変成剤としてさらに、単官能性化合物(D)が用いることができる。この単官能性化合物は、上記ポリエステル型ブロック共重合体の末端基と反応し得る官能基を1つ有する化合物であり、このような条件を満足する化合物であれば、その構造には特に制限はない。このような1官能性化合物を併用すれば、2官能性以上の化合物による鎖延長による溶融粘度上昇を抑える効果があり、その結果成形性を高範囲にわたり調整する上で有益である。
【0035】
本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物に用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は、後述のように、上記ポリエステル型ブロック共重合体と、上記2官能性以上の化合物(C)と、必要に応じて上記1官能性化合物(D)とを、従来公知の種々の方法で反応させることにより得られる。
【0036】
2官能性以上の化合物(C)の配合割合は、用いられるエステル型ブロック共重合体の末端に存在する官能基の量および/または最終的に得られる高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物に要求される特性によって変わり得るが、上記ポリエステル型ブロック共重合体100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部、好ましくは0.3重量部〜8重量部、より好ましくは、1重量部〜5重量部である。この2官能性以上の化合物(C)の配合割合が0.1重量部未満では、このような化合物を反応させることによって得られる作用効果、例えば、増粘による成形性の向上効果、耐熱性および耐加水分解性の向上効果が有意に発揮されない。2官能性以上の化合物(C)の配合割合が10重量部を超えると、未反応化合物が残存することによって、成形体の表面性状が粗雑になるなどのように成形体が品質に劣る。
【0037】
上記ポリエステル型ブロック共重合体および2官能性以上の化合物(C)と共に1官能性化合物(D)が用いられる場合には、この1官能性化合物の配合割合は、上記ポリエステル型ブロック共重合体100重量部に対して、5重量部以下、好ましくは0.3重量部〜3重量部、さらに好ましくは、0.3重量部〜1重量部である。この1官能性化合物(D)は成形加工性を改善するために有用であるが、その配合割合が5重量部を超えると、未反応化合物が残存することによって、成形体の表面性状が粗雑になるなどのように成形体品質が劣り、さらに1官能性化合物の分子量が低い場合には、成形工程での揮発分量が増加するなどの不都合を生じる。
【0038】
本発明に用いられるポリエステルエラストマー組成物は、あらかじめ上記ポリエステル型ブロック共重合体と、2官能性以上の化合物(C)と、必要に応じて1官能性化合物(D)とを反応させて合成することができる。この場合、2官能性以上の化合物(C)と1官能性化合物(D)および熱安定剤(B)とを、加熱・混練・成形することが好ましい。
【0039】
このようなポリエステル型ブロック共重合体と、2官能性以上の化合物(C)と、必要に応じて配合される1官能性化合物(D)との反応は、触媒を用いなくとも起こり得るが、反応の促進または親和性の向上の点から、触媒を用いることが望ましい。
【0040】
上記触媒としては、一般に、アミン類、リン化合物、炭素原子数が10以上であるモノカルボン酸および/またはジカルボン酸類の、元素周期律表の1a族またはIIa族の金属塩類などが挙げられ得る。なかでもトリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの3価のリン化合物;およびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウムなどのステアリン酸の金属塩類が好ましい。これらの触媒は、単独でまたは2種以上混合して用いられ得る。
【0041】
上記触媒は一括して添加しても分割して添加しても、同様の効果が得られ、触媒の添加量は、通常、上記ポリエステル型ブロック共重合体100重量部に対して3重量以下、好ましくは0.03〜2重量部である。
【0042】
本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物は、必要に応じてさらに、繊維状強化材および/または無機フィラーを含有し得る。繊維状強化材としては、ガラス繊維、シリカガラス繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、チタン酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカーなどのウィスカー、および炭素繊維等が挙げられる。無機フィラーとしてはタルク、ワラストナイト、カオリン、マイカ、セリサイト、クレー、アルミナシリケート、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、炭酸カルシウム、シリカ、ミルド炭素繊維などが挙げられる。
【0043】
このような繊維状強化材および/または無機フィラーは、得られる高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物の強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などの向上を図るために、通常、上記熱可塑性ポリエステルエラスマー(A)100重量部に対して、100重量部を超えない範囲で配合することができる。
【0044】
本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマーには、さらに用途、目的などに応じて、従来公知の結晶化促進剤、結晶核材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、耐加水分解改良剤、多官能架橋剤、耐衝撃改良剤、着色剤などを配合することができる。また、本発明の目的を損なわない限り、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンのような他の種類の樹脂もブレンドすることができる。
【0045】
上記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)およびピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を有する高分子量安定剤(B)を含有する高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物を用いて、所望の形状を有する成形体が製造され得る。これには従来公知の任意の方法を用いらることができる。例えば、上記(A)熱可塑性ポリエステルエラストマーとその構成成分、および必要に応じて上記繊維状強化材および/または無機フィラーを混合し、押出機、ロールミルなどで加熱・混練することにより、上記目的の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物からなるチップを得ることができる。
【0046】
例えば、内径40mmの二軸押出機を用いる場合には、上記(A)熱可塑性ポリエステルエラストマーと前記構成成分とを混合し、得られた混合物を190℃〜260℃の温度で、1時間当たり5kg〜25kgの吐出量で押出すことにより、本発明の高耐熱性の組成物(チップ)が得られる。
【0047】
本願発明によれば、ポリエステル型ブロック共重合体(A)が本来有する特性(例えば引張破断強度、引張破断伸度、反発弾性、柔軟性、精密成形性、低温屈曲性など)に優れ、加熱時の揮散性が少なく加工適正が良好で、かつ優れた耐熱老化性、耐加水分解性を兼ね備えたポリエステルエラストマー組成物が提供される。従って、本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物は、ギヤーなどの機械部品、ホース・チューブ状製品、シート状製品などの各種成形体用の材料として有用である。
【0048】
【実施例】
以下の実施例により、本発明を具体的に例示するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。本明細書中に記載の主旨に適合し得る範囲で本発明を変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。
【0049】
本明細書においては、特に指示しない限り、「部」はすべて重量部を表す。尚、以下の実施例および比較例において用いられる2官能性以上の化合物を200℃で30分間熱処理したときの加熱減量比(%)を表1に示す。
【表1】
【0050】
(製造例1)ポリエステル型ブロック共重合体の調整
ポリテトラメチレンテレフタレート70Kg、ε−カプロラクトン30Kgを反応容器にとり、窒素ガスでパージした後、230℃で撹拌しながら2時間溶融反応させることで、ポリエステル型ブロック共重合体のチップを得た。得られたポリエステル型ブロック共重合体は、還元比粘度が1.163であり、酸価が65当量/106 gであり、引っ張り破断強度が370Kg/cm2 であり、引っ張り破断伸度が710%であった。
【0051】
(製造例2)
ポリテトラメチレンテレフタレートの代わりにポリテトラメチレン−2,6−ナフタレートを用い、溶融反応温度を245℃とする以外は製造例1と同様の方法で、ナフタレン基含有ポリエステル型ブロック共重合体を得た。得られたナフタレン基含有ブロック共重合体は、還元比粘度が1.052であり、酸価が48当量/106 gであり、引っ張り破断強度が400Kg/cm2 であり、引っ張り破断伸度が650%であった。
【0052】
(実施例1)
製造例1で得られたポリエステル型ブロック共重合体のチップ100重量部、2官能性以上の化合物として、(C−1)ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル3重量部、ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤として(B−1)ヘキスト社製ホスタビンN−30を0.4重量部をドラムタンブラーに入れ、室温にて30分間撹拌した。得られた混合物を内径40mmの同方向2軸押出機(プラスティック工学研究所製、型番BT−40)を用いて230℃にて押出し、水冷したのち、切断してチップにした。得られたチップを100℃で減圧乾燥して、本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物のチップを得た。
【0053】
(実施例2)
ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤の配合割合0.6重量部とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物のチップを得た。
【0054】
(実施例3)
ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル(C−1)の配合割合を2重量部とし、さらに1官能性化合物(D−1)としてポリエチレングリコールモノグリシジルエーテルを1重量部添加した以外は、実施例1と同様にして、本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物のチップを得た。
【0055】
(実施例4)
ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤と共に、一般的に耐久性改良材として知られる、ヒンダードフェノール系安定剤を0.8重量部配合した以外は、実施例1と同様にして、本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物のチップを得た。
【0056】
(実施例5)
製造例2で作成したナフタレン基含有ブロック共重合体を用いる以外は、実施例1と同様にして、本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物のチップを得た。
【0057】
(比較例1)
ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤を添加しない以外、実施例1と同様にしてポリエステルエラストマー組成物(チップ)を得た。
【0058】
(比較例2)
ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤ホスタビンN−30の代わりに、ヘキスト社製の同様の構造を有するが、低分子量の安定剤ホスタビンN−20(B−2)を、0.4重量部用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエステルエラストマー組成物(チップ)を得た。
【0059】
(比較例3)
ビスフェノールF−ジグリシジルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール−ジグリシジルエーテル(C−2)を3重量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルエラストマー組成物(チップ)を得た。
【0060】
(比較例4)
ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤を添加しない以外、実施例5と同様にしてポリエステルエラストマー組成物(チップ)を得た。
【0061】
上記実施例1〜5および比較例1〜4で得られた高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物を、以下の項目について評価した。
【0062】
[引っ張り破断強度および引っ張り破断伸度]
射出成形機(山城精機社model−SAV)を用いて、上記の各実施例および比較例で得られたチップを、それぞれ100mm×100mm×2mmの平板に成形した後、ダンベル状3号形の試験片を各平板から打ち抜いた。得られた各試験片を東洋精機社製テンシロンUTM−III を用いて、常温で毎分500mmの早さで伸張し、試験片が破断したときの荷重(Kg)を測定した。破断したときの荷重(Kg)を初期断面積(cm2 )で除した値を引張破断強度(Kg/cm2 )とした。さらに、試験片が破断するまでの試料の伸びの、原試料長に対する割合を引張破断伸度(%)とした。
【0063】
[溶融粘度]
JIS K6760記載の試験法に準拠し、230℃でのメルトインデックス(MFR)を測定した。
【0064】
[揮散性]
上記各実施例および比較例で得られたチップをそれぞれ乾燥して水分率を0.03%以下にした。直径6cm×高さ3cmのガラス製秤量瓶に各チップをそれぞれ約20g採取し、初期重量(S0)を精秤した。次いで、各ガラス製秤量瓶を150℃で2時間、熱風乾燥機内で加熱処理した。加熱処理した各ガラス製秤量瓶を冷却後精秤することで、加熱後の試料重量(S1)を求めた。このようにして求めたS0,S1から、下式を用いて加熱減量率を算出した。加熱減量率が低いほど揮散性が少なく、良好な試料である。
加熱減量率(%)=(S0−S1)×100/S0
【0065】
[耐熱性]
各ダンベル状試験片を、180℃の熱風乾燥機内で加熱処理し、処理後の引張破断伸度が処理前の伸度の50%になる時間を測定し、伸度半減時間を求めることで、耐熱性の指標とした。
【0066】
[耐加水分解性]
各ダンベル状試験片を、沸騰水中に浸漬処理し、処理後の引張破断伸度が処理前の伸度の50%になる時間を測定し、伸度半減時間を求めることで、耐加水分解性の指標とした。
【0067】
上記評価項目について、実施例で得られた本発明で得られた高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物および比較例で得られたポリエステル組成物を評価した結果を表2および表3に示す。
【表2】
【0068】
【表3】
表2および表3より明らかなように、ポリエステル型ブロック共重合体からなる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)と、ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とする高分子量安定剤(B)、および該熱可塑性ポリエステルエラストマーの末端基を反応し得る、2官能性以上の化合物(C)と1官能性の化合物(D)とを特定の割合で配合することにより得られる、実施例1〜5の本発明のポリエステルエラストマー組成物は、本発明には含まれない比較例で示されるポリエステルエラストマーに比べて、加熱時の揮散性が少なく、かつ耐熱性、耐加水分解性の点で優れている。
【0069】
【発明の効果】
本発明の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物を用いることにより、機械的強度、耐熱性、耐加水分解性に優れ、しかも加熱時の揮散性が少なく加工適性が良好なエラストマー成形体が得られる。
Claims (4)
- (A)熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部と、(B)ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とし、該繰り返し単位が3〜50である高分子量安定剤を0.1〜5重量部、および(C)200℃で30分熱処理した場合の下式(I)で表される加熱減量比が0.1以下であり、前記ポリエステルエラストマーの末端基と反応し得る多官能性化合物0.1重量部〜10重量部を含有し、前記熱可塑性エラストマー(A)が、結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類を反応させて得られるポリエステル型ブロック共重合体である、耐熱性ポリエステルエラストマー組成物。
加熱減量比=(W1−W2)/W1 (I)
ここで、W1およびW2は、それぞれ該熱処理前および後の多官能性化合物の重量である。 - (A)熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部と、(B)ピペリジン骨格をその構成成分の一部とするジアザスピロデカン誘導体を繰り返し単位とし、該繰り返し単位が3〜50である高分子量安定剤を0.1〜5重量部、および(C)200℃で30分熱処理した場合の下式(I)で表される加熱減量比が0.1以下であり、前記ポリエステルエラストマーの末端基と反応し得る多官能性化合物0.1重量部〜10重量部、および(D)前記ポリエステルエラストマーの末端基と反応し得る単官能性化合物10重量部以下から形成されるポリエステルエラストマー組成物であって、前記熱可塑性エラストマー(A)が、結晶性芳香族ポリエステルとラクトン類を反応させて得られるポリエステル型ブロック共重合体である、耐熱性ポリエステルエラストマー組成物。
加熱減量比=(W1−W2)/W1 (I)
ここで、W1およびW2は、それぞれ該熱処理前および後の該多官能性化合物の重量である。 - 前記ピペリジン骨格を有する高分子量安定剤の200℃で30分熱処理した場合の加熱減量比が0.1以下である、請求項1または2に記載のポリエステルエラストマー組成物。
- 前記2官能性以上の化合物が、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、およびビスフェノールS−ジグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の高耐熱性ポリエステルエラストマー組成物。
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