JP3645994B2 - GaN系半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GaN系半導体発光素子に関するものであり、特に、発光素子の積層体内にマスク層を設けることによって該積層体内に低転位の領域を形成し、これにさらにブラッグ反射層を組み合わせた構造を有する発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaN系半導体発光素子(以下、「GaN系発光素子」とも呼んで説明する)は、GaN系結晶材料を用いた半導体発光素子であって、近年高輝度のダイオード(LED)が実現されたのを機会に研究が活発に行われており、半導体レーザの室温連続発振の報告も聞かれる様になっている。
これらGaN系発光素子を作製する一般的な方法は、基板としてサファイアの単結晶を用い、その上に低温でバッファー層を成長し、その後GaN系結晶からなる発光部を形成するといった手順が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
結晶基板上にGaN系結晶層を成長させる場合、他の半導体の場合と同様、基板とGaN系結晶との格子定数が整合しない(格子不整合)状態では転位などの欠陥が発生する。また、転位は、不純物の混入や多層膜界面での歪み等の要因によっても発生する。これら発生した転位は、結晶層が成長するにつれて層の厚みが増しても上層側へ継承され、転位線(貫通転位)と呼ばれる連続した欠陥部分となる。
【0004】
GaN系発光素子、特にサファイア結晶を基板として用いたものにおいては、基板とGaN系層との間に大きな格子不整合が存在するため転位密度が1010cm-2以上にもなることが知られている。これら高密度に発生する転位が、GaN系発光素子の積層構造を形成する場合にも、転位線となって上層へ伝搬する。転位は結晶欠陥であるため、発光層では非発光再結合中心として働いたり、そこが電流のパスとして働き漏れ電流の原因になるなど、発光特性や寿命特性を低下させる原因となり問題となる。
【0005】
一方、GaN系発光素子の外部量子効率を向上させるための方法の一つとしてブラッグ反射層を設ける方法がある。この方法は、発光素子を構成する積層体のうち下層側、上層側のいずれか一方の側から光を取り出すとして、内部の発光層から発せられた光のうち、光を取り出す側とは反対側に向かう光を、ブラッグ反射層によって光を取り出す側へ反射させ、より損失を少なくしようとする方法である。
【0006】
ところが、一般的な構造として、ベース基板上に先にブラッグ反射層を形成し、その上層側に発光層を含む積層体を成長させる場合、上層側の各層を成長させるための熱や、上層側の各層からの不純物の拡散によって、ブラッグ反射層はダメージを受け、所望の反射率が得られないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、GaN系発光素子にブラッグ反射層を設け、転位線による発光素子の特性劣化を改善すると同時にブラッグ反射層を保護し得る構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のGaN系発光素子は、次の特徴を有するものである。
(1)GaN系結晶がC軸を厚み方向として成長可能なベース基板を最下層とし、その上に、GaN系結晶からなり発光層を含む複数の層が順次成長し積み重なって積層体が形成され、これにp型電極、n型電極が設けられた構成を有する半導体発光素子であって、
積層体中において発光層よりも下側には、マスク領域と非マスク領域とを形成するようにマスク層が設けられ、マスク層の材料はそれ自身の表面からは実質的にGaN系結晶が成長し得ない材料であり、
マスク層を覆う層は、非マスク領域を成長の出発面とし、マスク層上面を覆うまで結晶成長してなる層であり、この層を転位線制御層と呼ぶとし、
転位線制御層の下層側には、ブラッグ反射層が設けられており、該ブラッグ反射層の上面に前記マスク層が設けられていることを特徴とする、
GaN系半導体発光素子。
(2)転位線制御層が、C軸方向への成長速度とC軸に垂直な方向への成長速度との比を制御されながら形成された層であって、前記2つの成長速度の比の制御が、マスク層の形成パターン、結晶成長法、結晶成長時の雰囲気ガスの組合わせを選択することによってなされたものである上記(1)記載のGaN系半導体発光素子。
(3)マスク層の形成パターンが、帯状のマスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパターンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上に形成されるGaN系結晶に対して〈11−20〉方向に伸びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制御層で曲げられ、非マスク領域の上方部分が低転位化されている上記(1)または(2)記載のGaN系半導体発光素子。
(4)マスク層の形成パターンが、帯状のマスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパターンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上に形成されるGaN系結晶に対して〈1−100〉方向に伸びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制御層で曲げられることなく、マスク領域の上方部分が低転位化されている上記(1)または(2)記載のGaN系半導体発光素子。
(5)発光層よりも上層側にブラッグ反射層がさらに設けられ、このブラッグ反射層と、発光層よりも下層側に設けられるブラッグ反射層とが、発光層から発せられた光を共振させる共振器を構成している上記(1)記載のGaN系半導体発光素子。
(6)発光層の上層側には、さらに第二のマスク層とそれを覆う層が設けられており、第二のマスク層は、電流狭窄の役割を果しており、第二のマスク層により電流狭窄された部分に対応する発光層の部位が、発光層よりも下側のブラッグ反射層の上面に設けられた上記マスク層により低転位化されている上記(1)記載のGaN系半導体発光素子。
(7)p型、n型の両電極のうち発光層よりも上層側に設けられる上部電極が、発光層から垂直上層方向に発せられ外界に出る光を遮らない領域に設けられている上記(1)〜(6)のいずれかに記載のGaN系半導体発光素子。
【0015】
【作用】
本明細書では、GaN系結晶やサファイア基板などの六方格子結晶の格子面を4つのミラー指数(hkil)によって指定する場合があれば、記載の便宜上、指数が負のときには、その指数の前にマイナス記号を付けて表記するものとし、この負の指数に関する表記方法以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じる。従って、GaN系結晶の場合では、C軸に平行なプリズム面(特異面)は6面あるが、例えば、その1つの面は(1−100)と表記し、6面を等価な面としてまとめる場合には{1−100}と表記する。また、前記{1−100}面に垂直でかつC軸に平行な面を等価的にまとめて{11−20}と表記する。また、(1−100)面に垂直な方向は〔1−100〕、それと等価な方向の集合を〈1−100〉とし、(11−20)面に垂直な方向は〔11−20〕、それと等価な方向の集合を〈11−20〉と表記する。但し、図面にミラー指数を記入する場合があれば、指数が負のときには、その指数の上にマイナス記号を付けて表記し、ミラー指数の一般的な表記方法に全て準じる。本発明でいう結晶方位は、全て、ベース基板上に成長したGaN系結晶を基準とする方位である。
【0016】
「マスク領域」と「非マスク領域」は、共にマスク層が形成される面内の領域である。マスク層の上面の領域は、マスク領域に等しいものとみなし、同義として説明に用いる。
また、マスク領域の上方、下方とは、マスク領域の面に対して垂直に上方、下方のことである。非マスク領域の上方、下方も同様である。
【0017】
また、当該GaN系半導体発光素子に設けられるp型電極・n型電極のうち、発光層よりも上層側に設けられる方の電極を上部電極と呼ぶ。これに対して、他方の電極を下部電極と呼ぶ。上部電極は、積層体中の1つの層の上面全体に対して部分的に設けられるが、この層の上面全体を上部電極形成面と呼ぶ。
【0018】
本発明者等は、先にGaN系結晶とサファイア結晶基板との格子定数及び熱膨張係数の違いに起因するGaN系結晶層のクラック対策として、図6(a)に示すように、ベース基板1上に、格子状にパターニングしたマスク層Mを設け、基板面が露出している非マスク領域11だけにGaN系結晶層30を成長させ、ベース基板面全体に対してチップサイズのGaN系結晶層30を点在させることによって、クラックを防止することを提案している(特開平7−273367号公報)。
【0019】
その後本発明者らがさらに研究を重ねた結果、点在的に成長させたGaN系結晶層30をさらに成長させると、図6(b)に示すように、厚さ方向(C軸方向)だけでなく、各GaN系結晶層30からマスク層M上へ向けての横方向(C軸に垂直な方向)へも成長が行われることが確認された。しかも、横方向への成長速度は、結晶方位によっては厚さ方向と同程度の高速な成長が可能な場合もあり、結晶方位依存性が判明した。
【0020】
このマスク層よりも上方への成長をさらに進めると、厚み方向、横方向への成長がさらに継続され、図6(c)に示す如く、GaN系結晶は、マスク領域12を完全に覆ってマスク層を埋め込み、非常に転位などの欠陥の少ない平坦でクラックの無い大型且つ厚膜のGaN系結晶層30が得られる事を見いだした。
【0021】
このとき、GaN系結晶層30中に存在する転位線は、ベース基板を含む下地から継承するか、成長界面で発生し、図6(c)に示す如く、単に非マスク領域から上方へ伝搬していくものと考えられていた。
【0022】
ところが、その後の本発明者等の研究によって、上記のようにマスク層を形成し該マスク層を埋め込むまで結晶成長を行なう場合、マスク層の形成パターン、結晶成長法、結晶成長時の雰囲気ガスの組合わせを選択することによって、その層において、転位線の上方への伝搬方向を制御できることを見い出したのである。この制御方法によって、非マスク領域からそれに隣接するマスク領域の上方へ、あるいは非マスク領域からそのまま上方へ、いずれの領域の上方へも転位線の継承方向を意図的に変化させることができるようになった。
【0023】
上記のようにマスク層を埋め込むまで成長させてなるGaN系結晶層を発光素子の積層体内に設けることによって、マスク層よりも上層側の層を低転位化できる。特に、上記のように、マスク層を用いて積極的に転位線の上方への伝搬方向を制御することによって、光が発生する部分や上部電極形成面など、マスク層よりも上層側の重要箇所を自在に低転位化し、光度、出力、素子寿命を向上させることができる。また好ましい態様として、電流狭窄構造を構成し発光層に部分的に電流を集中させて発光層を部分的に強く発光させるときに、その強く発光させる部分を、転位線の制御によって低転位化することで、光度をより向上させることができる。また、低転位化された発光層とブラッグ反射層との組合せが重要であり、転位線制御層が発光層とブラッグ反射層との間に位置するのが最も好ましい態様である。
【0024】
本発明では、発光素子の積層体内にブラッグ反射層を設け、外界へより多くの光を放出させる構造としているが、このとき、ブラッグ反射層の上層側にマスク層を設ける、という上下関係の限定を行なっている。これによって該マスク層を、上層側の低転位化のための層、電流狭窄のための層として機能させると同時に、新たに、下層側のブラッグ反射層の劣化防止のための保護層としても利用することができる。
【0025】
ブラッグ反射層を下層側として、その上にマスク層を形成することによって、マスク層よりも上層側から下層に向かう不純物の拡散に対して、マスク層は保護層となり、ブラッグ反射層のダメージが軽減される。例えば、不純物としてMgなどがブラッグ反射層にまで拡散すると、ブラッグ反射層を構成する元素の配列が乱され、界面急峻性が低下し、反射率が低下する。
また、マスク層は、エピタキシャル成長法のような高温を用いずに形成し得るため、マスク層の形成自体がブラッグ反射層に熱的ダメージを与えることがない。形成されたマスク層は、上層を形成する際の熱に対して保護層となり、ブラッグ反射層の熱的ダメージが軽減される。
【0026】
ブラッグ反射層のうち、マスク層によってダメージが軽減される部分は、マスク領域の下方の部分が直接的であり、さらにマスク層がブラッグ反射層に近接しているほうがより保護を受ける度合いが顕著となるが、非マスク領域の下方であっても、斜め上方マスク層の影響によって保護されることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明による発光素子を製造方法と共に説明する。
本発明の発光素子は、図1に簡単な構造の一例を示すように、ベース基板1を最下層とし、該ベース基板上に、GaN系結晶からなる層を順次結晶成長させて積み重ね、pn接合による発光層S3を含む積層体Sを形成し、これに上部電極Xと下部電極Yを設けて形成したものである。図1の例では、発光層S3は、ダブルヘテロ接合構造によって2つのクラッド層S2、S4によって挟まれた活性層である。また、図1の例では、ベース基板1は、サファイア結晶基板のような基礎となる結晶基板1a上に、格子整合性を改善するためのバッファー層1b、さらにGaN系結晶薄膜層1cが順次形成されたものを用いている。
【0028】
図1の例におけるp/n型の上下位置関係は、p型、n型の導電型を形成するための加工上の理由から、ベース基板側をn型とし上層側をp型とする一般的なものとなっている。また、ベース基板には絶縁体(サファイア結晶基板)を用いており、n型GaN層S1の上面を露出させ、その面に下部電極Yを設けるという、一般的な電極の配置となっている。また、光が外界に出ていく面は積層体の最上層の上面としており、下層側にブラッグ反射層を位置させている。以下、本発明の発光素子の他の態様を説明する場合にも、p/n型の上下関係、ブラッグ反射層の位置、電極配置については、これと同様の例を挙げて説明する。しかし、p/n型の上下が逆の態様や、導電性を有するベース基板の場合には、ベース基板に下部電極を設ける態様なども自由に選択してよい。
【0029】
積層体Sの最上面とベース基板1の上面とを除く、いずれかの層の上面には、マスク領域12と非マスク領域11とを形成するようにマスク層Mが設けられる。さらに、非マスク領域11を成長の出発面とし、マスク層上面を覆うまでGaN系結晶を成長しており、転位線制御層S1が形成されている。
【0030】
本発明では、この積層体S内にブラッグ反射層B1が設けられ、該ブラッグ反射層B1が、発光層S3および転位線制御層S1よりも下層側に設けられる。図1の例では、ベース基板1を最下層として、上層側へ順にブラッグ反射層B1、マスク層Mを含む転位線制御層(n型GaN層)S1、n型AlGaNクラッド層S2、InGaN発光層S3、p型AlGaNクラッド層S4、p型GaNコンタクト層S5の積層構造である。
【0031】
ベース基板は、GaN系結晶がC軸を厚さ方向として成長可能なものであればよく、例えば、従来からGaN系結晶を成長させる際に汎用されている、サファイア、水晶、SiC等を用いてもよい。なかでも、サファイアのC面、A面、6H−SiC基板、特にC面サファイア基板が好ましい。またこれら材料の表面に、GaN系結晶との格子定数や熱膨張係数の違いを緩和するためのZnO、MgOやAlN等のバッファー層を設けたものであっても良く、さらにはGaN系結晶の薄膜を表層に有するものでもよい。
【0032】
ベース基板は、成長させるGaN系結晶となるべく格子定数が近く且つ熱膨張係数ができるだけ近いものを選択することが、転位などの欠陥を本来的に少なくする点及びクラック等をより生じにくくする点で望ましい。また、後述するマスク層の薄膜形成の際における高熱やエッチングに対する耐性に優れることが好ましい。このような点から、ベース基板は、少なくともその表層がInX GaY AlZ N(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)からなるものが好ましい。具体的には、サファイア基板上に、MOVPE法によりZnOやAlN等のバッファー層、次いでGaN又はGaAlNの薄層を順次成膜したものが好適に用い得る。このようなベース基板であれば、該ベース基板上に成長させるGaN系結晶内に新たに発生する転位の密度を低く抑える事が出来、良好な結晶性を得ることができる。
【0033】
積層体の材料に用いられるGaN系結晶は、式InX GaY AlZ N(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,X+Y+Z=1)で決定される化合物半導体である。特に、GaN系発光素子として有用なものとしてはGaN、InGaNなどが挙げられる。
【0034】
積層体の層数は限定されない。積層体中における、発光のメカニズムに直接関係する層だけを挙げるならば、単純なpn接合構造による2層、ダブルヘテロ接合構造による3層など公知の構造が挙げられる他、発光層の形態として、超格子構造を有するSQW (Single Quantum well)、MQW (Multi Quantum well) 、量子ドットなどでもよい。
上記発光に関係する層に加えて、図1に示すようにダブルヘテロ接合構造の上層としてコンタクト層S5、下層(=転位線制御層)S1を加えた積層構造などが挙げられ、さらに、図2に示すように、発光層の上層側で電流狭窄を行なうためのマスク層を含む層や、図3に示すように上部にもブラッグ反射層を加えて共振器を構成するなど、種々の機能層を加えてもよい。
【0035】
ブラッグ反射層は、発光層よりも下層側に位置し、発光層から下層側に発せられた光を反射して、少しでもロス無きように光を外界に放出させる。これに対して、転位線制御層は、ブラッグ反射層の上層側であるならば、積層体のなかのどの層とするかは自由である。転位線制御層が発光層よりも上層側であるならば、上部電極を形成する部分を低転位化でき、また、発光層よりも下層側であるならば、発光層の部分的な低転位化も可能となる。しかし、マスク層によってブラッグ反射層を保護するという観点からは、マスク層はブラッグ反射層に近い方が保護層としての効果は高い。図1に示すように、ベース基板から順にブラッグ反射層、転位線制御層、発光層とする構成は、発光層を部分的に低転位化しながら、ブラッグ反射層を好ましく保護する点で好ましい一例である。
【0036】
ブラッグ反射層は公知の反射層であって、屈折率の異なる材料同士の界面が多重に形成されるように、それらの材料からなる層が多層に積層された構造を有するものである。なかでも、GaN系結晶からなる多層構造が好ましいものとして挙げられる。特に、超格子を構成する2層のGaN系結晶層を1ペアとして、これを所望のペア数だけ積層したものが、高い反射率を有するので好ましい。
【0037】
マスク層は、それ自身の表面からは実質的にGaN系結晶が成長し得ない材料を用いる。このような材料としては、例えば非晶質体が例示され、さらにこの非晶質体としてSi、Ti、Ta、Zr等の窒化物や酸化物、即ち、SiO2 、SiNX 、SiO1-X NX 、TiO2 、ZrO2 等が例示される。特に、耐熱性に優れると共に成膜及びエッチング除去が比較的容易なSiNX や、SiO1-X NX 膜が好適に使用できる。
また、図2に示すように、マスク層Mの上層にさらに第2のマスク層を設けて電流狭窄を行い、かつ転位線の伝搬を止める場合、該マスク層の材料は、転位線の伝搬を止め得るものであればよい。
マスク層は、ブラッグ反射層を保護するために用いられるので、発光層から発せられる光に対して透明であることが好ましい。
【0038】
マスク層は、例えば真空蒸着、スパッタ、CVD等の方法により基板全表面を覆うように形成した後、通常のフォトリソグラフィー技術によって光感光性レジストのパターニングを行い、エッチングによって基板の一部を露出させる等の手段で形成される。なお、厚さは限定されないが、通常50nm〜500nm程度とされる。
【0039】
マスク層を設けることによって、下層側から伝搬してきた転位線のうち、少なくともマスク領域に到達しているものについては、マスク層自体で伝搬を止めることができる。一方、下層側から伝搬してきた転位線のうち、非マスク領域に到達したものは、さらに上層側へ伝搬する。この上層側に伝搬する転位線の伝搬方向を、転位線制御層によって積極的に制御する方法について次に説明する。
【0040】
転位線制御層となるGaN系結晶層は、マスク層が設けられた面の非マスク領域から結晶成長を開始する。このとき、GaN系結晶を成長させるに際し、該GaN系結晶の、C軸方向への成長速度とC軸に垂直な方向への成長速度との比を制御することによって、結晶がマスク層よりも高く成長する時の結晶表面の形態を、大きく分ければ、次の(1)、(2)のように変化させることができる。
【0041】
(1)C軸方向への成長速度の比をより大きくとれば、結晶表面の形態は、図4(a)に示すように、先ずピラミッド状となる。このように成長させることによって、転位線Lの伝搬を、非マスク領域上方から、隣接するマスク領域の上方に屈曲させることができる。さらに結晶成長を続けると、図4(b)に示すように、隣合ったマスク領域からの結晶同士が合流し、平坦な上面の状態へと向かう。このとき転位線は、結晶同士の合流面に沿って上方に向かい、非マスク領域の上方を低転位化することができる。
【0042】
(2)C軸に垂直な方向への成長速度の比をより大きくとれば、結晶成長時の表面の形態は、図5(a)に示すように、最初から上面が平坦な台形のように成長する。このように成長させることによって、転位線Lを同図のように、上方に向かって伝搬させることができる。この場合さらに結晶成長を続けると、図5(b)に示すように、隣合ったマスク領域からの結晶同士が合流し、平坦な上面の状態は維持され、結晶層の厚みが増す。このとき転位線はそのまま継続して上方へ向かい、マスク領域の上方を低転位化することができる。
【0043】
上記C軸方向(厚み方向)への成長速度と、C軸に垂直な方向(横方向)への成長速度との比を制御するための要素は、マスク層の形成パターン、結晶成長法、結晶成長時の雰囲気ガスであり、これらをいかに組合せるかが重要である。その選択によって、転位線制御層は上記(1)、(2)のように結晶成長し、転位線の伝搬方向(逆に言えば上方の低転位化部分)が選択できるのである。
【0044】
転位線の伝搬方向を制御するためのマスクの形成パターンは、マスク領域の外形線の方向、即ちマスク領域と非マスク領域との境界線の方向が重要である。
マスク領域と非マスク領域との境界線を〈11−20〉方向の直線とする場合、ファセット面である{1−100}面がこの境界線を越えて横方向に成長する面として確保され、横方向への成長速度は遅くなる。横方向成長速度に対しC軸方向の成長速度が速いため、{1−101}面などの斜めファセットが形成され易い。よって上記(1)のようにピラミッド状の形状が先ず形成されてから平坦化する。このため平坦に埋め込むにはある程度の厚みが必要となる。
【0045】
逆に、マスク領域と非マスク領域との境界線を〈1−100〉方向に伸びる直線とする場合、GaN系結晶の{11−20}面が、この境界線を越え、マスク層の上面に沿って横方向に成長する面として確保される。{11−20}面はオフファセット面であるため、ファセット面である{1−100}面に比べて、GaN系結晶は上記(2)のように横方向に高速に成長する。横方向成長速度が速くなると、{1−101}面などの斜めファセットが形成され難い。その結果平坦に埋め込むのが〈11−20〉に比べ薄くて済む。
【0046】
上記マスクパターンの効果を最も顕著に現すパターンの一例として、ストライプ状のマスクパターンが挙げられる。ストライプ状のマスクパターンは、帯状のマスク層を縞状に配置したパターンである。従って、帯状のマスク領域と帯状の非マスク領域とが交互に並ぶ。このストライプ(即ち、各帯)の長手方向が、上記したマスク領域と非マスク領域との境界線の方向である。図2の例は、マスク層をストライプ状のマスクパターンとして形成し、ストライプの長手方向を〈1−100〉方向とした例である。マスクパターンは、ストライプ状だけに限定されず、境界線を考慮して任意のパターンとしてもよい。
【0047】
結晶成長法としては、HVPE、MOCVDが挙げられる。特に、厚膜を作製する場合は成長速度の速いHVPEが好ましく、また、薄膜の場合はMOCVDが好ましい。
【0048】
雰囲気ガスはH2 、N2 、Ar、He等が挙げられるが、成長速度を制御するにはH2 、N2 が好ましく用いられる。
H2 リッチな雰囲気ガス中で成長を行った場合、C軸方向の成長速度が速くなる。特に、マスク領域と非マスク領域との境界線の方向を〈11−20〉方向の直線とする場合(横方向に遅い場合)の組合せでは、上記(1)のように、顕著にピラミッド状の形状が先ず形成されてから平坦化する。このため平坦に埋め込むにはある程度の厚みが必要となる。
【0049】
一方、N2 リッチな雰囲気ガス中で成長を行った場合、H2 リッチな雰囲気の場合に比べ、C軸方向の成長速度が遅くなるため、相対的に横方向成長速度が速くなる。マスクパターンとの組合せによって横方向への成長をより高速にした場合、上記(2)の態様となり、転位線をそのまま上方に伝搬させ得る。
【0050】
MOCVDによる結晶成長は、主にH2 リッチ雰囲気下で行われる場合が多い。例えば、 III族ガスとして、キャリアガス水素10(L)+有機金属バブリング用水素100(cc)。V族ガスとして、キャリアガス水素5(L)+アンモニア5(L)。この場合、水素濃度は75%であり、これがH2 リッチの一例である。この場合、窒素濃度は0%である。
【0051】
MOCVDによる結晶成長でいうと、上記の III族キャリアガスを窒素に変えた場合の窒素濃度は約50%である。また、V族キャリアガスのみを窒素に変えた場合の窒素濃度は約25%である。よって、本発明では、MOCVDによる結晶成長において、窒素濃度が25%程度以上をN2 リッチとする。
【0052】
本発明によるGaN系発光素子の他の構成例を図2、図3に示す。
図2の例は、ベース基板1からダブルヘテロ接合構造(S2〜S4)までは図1と同様であるが、その上層側の構造が異なる。即ち、p型AlGaNクラッド層S4の上面には、第2のマスク層M2が形成され、p型GaNコンタクト層S5がそのマスク層M2を覆う層となっている。第2のマスク層M2は、電流狭窄構造を構成している。上部電極Xは、電流狭窄がなされる部分の上方を避け、電流狭窄によって発光の中心とされた部分S31から発せられる光が外界へ出ていくのを妨害しない位置に設けられている。
【0053】
また、発光層において電流狭窄に対応する部分S31は、下層側のマスク層Mによって低転位化され、発光効率が改善されている。さらに、第2のマスク層M2は、転位線Lを止める層としても機能しており、これによって上部電極Xが形成される領域は低転位化されており、電極材料が転位線に入り込むことによる素子寿命の低下が抑制されている。
【0054】
図3は、発光層よりも上層側に第2のブラッグ反射層を設け、下層側のブラッグ反射層と共に共振器を構成し、面発光型の半導体レーザとした例である。
図3(a)の例は、共振器を構成するためにブラッグ反射層B1、B2間の層厚を考慮する必要があるが、ベース基板1からマスク層M2を覆う層S5までの積層構造は、基本的に図2のLEDと同様である。図3(a)の例では、層S5上に第2のブラッグ反射層B2が設けられ、その上に上部電極Xが設けられている。上部電極Xは、電流狭窄によって発光の中心とされた部分S31から発せられる光が共振し、レーザ光となって外界へ出ていくのを妨害しない位置に設けられている。共振器を構成するブラッグ反射層B1、B2の例としては、例えば、GaN層/AlN層の2層を1ペアとし、各々、共振・放出に必要なペア数だけ積層したものが例示される。
【0055】
このような構成によって、ブラッグ反射層のうちマスク層直下において直接保護された部分を共振に利用でき、ブラッグ反射層におけるロスが軽減される。また、図2の例における効果と同様、下層側のマスク層Mによって発光の中心部分S31が低転位化されて発光効率が改善され、第2のマスク層M2によって上部電極Xが形成される領域が低転位化されて素子寿命の低下が抑制されている。
【0056】
図3(b)の例は、下層側のマスク層Mの配置、転位線制御層を形成する際の成長条件が異なる以外は、図3(a)の例と同様の半導体レーザである。図3(a)の例では、下層側のマスク層Mを共振の光軸からはずし、ブラッグ反射層B1のうち非マスク領域下方の部分を反射に用いる構成としている。転位線制御層を形成するに際しては、図4で説明したように、厚み方向の成長速度の比を大きくする成長条件のもと、転位線がマスク領域の上方側へ曲がるように形成されており、非マスク領域の上方が低転位化されている。
【0057】
【実施例】
実施例1
本実施例では、図1に示す態様のGaN系LEDを実際に製作した。
〔ベース基板の形成〕
最も基礎の結晶基板1aとしてはサファイアC面基板を用いた。まずこのサファイア基板をMOCVD装置内に配置し、水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、サーマルエッチングを行った。その後温度を500℃まで下げAl原料としてトリメチルアルミニウム(以下TMA)、N原料としてアンモニアを流し、AlN低温バッファー層1bを30nm成長させ、さらに、温度を1000℃に昇温しGa原料としてトリメチルガリウム(TMG)を、N原料としてアンモニアを流しGaN層1cを3μm成長させ、ベース基板1を得た。
【0058】
〔ブラッグ反射層の形成〕
GaN層/AlN層の2層を1ペアとし、かつ各々の層の厚みを発光波長の1/4として、これを20ペア積層してブラッグ反射層B1を形成した。各層の形成はMOCVD法を用いた。
【0059】
〔マスク層の形成〕
この試料をMOCVD装置から取出し、スパッタリング装置にて厚さ100nmのストライプ状のSiO2 マスク層Mを形成した。マスク層Mの長手方向は、ブラッグ反射層の結晶方位に対し〈1−100〉方向になるように形成した。
【0060】
〔転位線制御層の形成〕
この試料をMOCVD装置内に配置し、水素雰囲気下で、1000℃まで昇温し、TMG、アンモニア及びドーパント原料としてシランを流し、n型GaN結晶をマスク層の上面を覆うよう5μm成長させ、転位線制御層(n型GaN層)S1とした。
【0061】
〔ダブルヘテロ接合構造の形成〕
TMA、TMG、アンモニアおよびドーパント原料としてシランを流し、n型AlGaNクラッド層S2を0.8μm成長させた。次に、成長雰囲気ガスを水素から窒素に変えアンモニアを流した条件下で700℃まで成長温度を下げた。700℃に安定した後、In原料としてのトリメチルインジュウム(TMI)、TMG、アンモニアを流しInGaN活性層S3を3nm成長させた。なおこのときのTMG、TMIのバブリングは窒素で行った。その後1000℃まで昇温し、成長雰囲気ガスを窒素から水素に変え、TMG、TMA、アンモニア、およびドーパント原料としてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を流し、p型AlGaNクラッド層S4を0.1μm成長させ、ダブルヘテロ接合構造を得た。
【0062】
〔コンタクト層の形成〕
次に、TMG、アンモニア、およびドーパント原料としてCp2Mgを流し、p型GaNコンタクト層S5を0.5μm成長させた。成長後、雰囲気を窒素に変えて室温までゆっくり冷却した。
【0063】
〔電極の形成〕
上記のようにして得られたサンプルをドライエッチングにより、積層体の上面からp型層とダブルヘテロ接合構造の一部をエッチング除去し、転位線制御層(n型GaN層)S1の上面を露出させ、n型電極(下部電極)Yを形成し、積層体の最上面にはp型電極(上部電極)Xを形成し、LEDとした。
【0064】
実施例1の態様に対する比較例として、マスク層Mを設けず、ブラッグ反射層B1を保護しない構造のものを製作した。即ち、図1における転位線制御層S1内にマスク層Mを設けることなく、単に層厚0.5μmのn型GaN結晶層を形成したこと以外は、実施例1とまったく同様にLEDを形成した。
両LEDを、To−18ステム台にマウントし、20mAでの出力の測定を行ったところ、実施例1のサンプルは8mW、寿命5000hr、比較例のサンプルは2mW、寿命500hrであり、本発明による発光素子が、出力、寿命ともに優れた特性を有していることがわかった。
【0065】
実施例2
本実施例では、図2に示す態様のGaN系発光素子を製作した。積層体の構造は、次の点以外は実施例1と全く同様である。
▲1▼p型AlGaNクラッド層S4の上面にマスク層M2を形成し、発光層に対して電流狭窄を行った。また、その電流狭窄によって発光の中心となる部分は、下層側のマスク層Mのマスク領域上方に対応させ、その部分を低転位とした。p型GaNコンタクト層S5は、転位線制御層の形成と同様、マスク層M2を覆う層とした。
▲2▼光の外界への放出を遮らないよう、上部電極を、発光層の発光の中心となる部分の上方を避けて形成した。
【0066】
本実施例によって得られたLEDを、実施例1と全く同様に出力を測定したところ、15mW、寿命5000hrであり、実施例1と比較して、より高い出力であり、さらに好ましい態様であることがわかった。
【0067】
【発明の効果】
本発明のGaN系発光素子では、転位線制御層によって発光層における発光の中心となる部分や、上部電極が形成される領域などを低転位化し、発光素子の特性劣化を改善すると同時に、転位線制御層におけるマスク層によってブラッグ反射層を保護することもできる。従って、より発光効率の改善されたGaN系発光素子とすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一例として、LEDの構造を示す断面図である。図1、図2では説明のために、各層の厚み・幅の比などを誇張して示しており、実際の比率とは異なる。また、他の層と区別するために、電極、発光層、マスク層にハッチングを施している。ブラッグ反射層は、多層の構造であることを表現している。
【図2】本発明の発光素子(LED)の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の発光素子の一例として、半導体レーザの構造を示す断面図である。
【図4】転位線制御層の成長に際し、C軸方向への成長速度の比をより大きくとった場合の、GaN系結晶の成長状態、転位線の伝搬方向を示す模式図である。
【図5】転位線制御層の成長に際し、C軸に垂直な方向への成長速度の比をより大きくとった場合の、GaN系結晶の成長状態、転位線の伝搬方向を示す模式図である。
【図6】マスク層上へのGaN系結晶の成長を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ベース基板
11 非マスク領域
12 マスク領域
B1 ブラッグ反射層
M マスク層
S 積層体
S1 n型GaN層(=転位線制御層)
S2 n型AlGaNクラッド層
S3 InGaN活性層
S4 p型AlGaNクラッド層
S5 p型GaNコンタクト層
X 上部電極
Y 下部電極
Claims (7)
- GaN系結晶がC軸を厚み方向として成長可能なベース基板を最下層とし、その上に、GaN系結晶からなり発光層を含む複数の層が順次成長し積み重なって積層体が形成され、これにp型電極、n型電極が設けられた構成を有する半導体発光素子であって、
積層体中において発光層よりも下側には、マスク領域と非マスク領域とを形成するようにマスク層が設けられ、マスク層の材料はそれ自身の表面からは実質的にGaN系結晶が成長し得ない材料であり、
マスク層を覆う層は、非マスク領域を成長の出発面とし、マスク層上面を覆うまで結晶成長してなる層であり、この層を転位線制御層と呼ぶとし、
転位線制御層の下層側には、ブラッグ反射層が設けられており、該ブラッグ反射層の上面に前記マスク層が設けられていることを特徴とする、
GaN系半導体発光素子。 - 転位線制御層が、C軸方向への成長速度とC軸に垂直な方向への成長速度との比を制御されながら形成された層であって、前記2つの成長速度の比の制御が、マスク層の形成パターン、結晶成長法、結晶成長時の雰囲気ガスの組合わせを選択することによってなされたものである請求項1記載のGaN系半導体発光素子。
- マスク層の形成パターンが、帯状のマスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパターンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上に形成されるGaN系結晶に対して〈11−20〉方向に伸びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制御層で曲げられ、非マスク領域の上方部分が低転位化されている請求項1または2記載のGaN系半導体発光素子。
- マスク層の形成パターンが、帯状のマスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパターンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上に形成されるGaN系結晶に対して〈1−100〉方向に伸びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制御層で曲げられることなく、マスク領域の上方部分が低転位化されている請求項1または2記載のGaN系半導体発光素子。
- 発光層よりも上層側にブラッグ反射層がさらに設けられ、このブラッグ反射層と、発光層よりも下層側に設けられるブラッグ反射層とが、発光層から発せられた光を共振させる共振器を構成している請求項1記載のGaN系半導体発光素子。
- 発光層の上層側には、さらに第二のマスク層とそれを覆う層が設けられており、第二のマスク層は、電流狭窄の役割を果しており、第二のマスク層により電流狭窄された部分に対応する発光層の部位が、発光層よりも下側のブラッグ反射層の上面に設けられた上記マスク層により低転位化されている請求項1記載のGaN系半導体発光素子。
- p型、n型の両電極のうち発光層よりも上層側に設けられる上部電極が、発光層から垂直上層方向に発せられ外界に出る光を遮らない領域に設けられている請求項1〜6のいずれかに記載のGaN系半導体発光素子。
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