JP3645169B2 - 住宅設備集中制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、住宅の空調、換気等、温熱空気環境を快適に保つための設備の運転を集中制御する住宅設備集中制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅の空調、換気等、温熱空気環境を快適に保つためには、設備、例えば換気扇やエアコンや窓などを、そのときの気候や住まい方に応じて居住者が個別に運転操作している。
【0003】
ところで、住宅の設備機器が多様化し、かつ全室冷暖房などが行われるようになると、それらの操作に対する負担が増大するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、空調換気に関係する機器運転や生活行動の組合せを、実生活上必要な幾つかの基本パターンに集約し、それをモードとすることにより、住宅内の全設備機器をそのモード設定通りに運転することができるように集中制御が可能な住宅設備集中制御システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、この発明は、住宅の居室など必要個所に設置された換気扇やエアコンなどの設備の運転を集中制御するもので、全館空調、1階主空調、2階主空調、全館弱空調、換気のみ、お出かけ、全窓閉め、の各モードを含み、建物の断熱気密性能を生かす閉鎖モードと、ロフト排気、天窓開、全停止、特定窓開け、全窓開け、の各モードを含み、窓を開けて外の空気を直接導入する開放モードと、日除け開、日除け閉、の各モードを含む日射遮蔽モードと、前記閉鎖モード・開放モード・日射遮蔽モードに含まれている各モード中の任意のモードを切り替え可能なモードチェンジ手段と、このモードチェンジ手段の切り替えにより設定したモードのとおりに設備の運転を集中制御する制御手段とを具え、前記モードチェンジ手段により任意のモードが設定されると、該設定されたモードに関連する設備のみが個別に前記制御手段により運転制御されるようになっていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は住宅設備集中制御システムの全体を示す斜視概念図、図2はモード設定に基づく設備の運転状況を示す図面である。図1において1は1階部分と2階部分からなる建物で、この建物の1階部分には機械室2が設置され、該機械室には床置エアコン3と、送風機5,6が分離して設置されている。送風機5は1階用、送風機6は2階用となっており、これらからダクト7,8を利用して1階床下空間と2階小屋裏を全館空調可能にしている。1階部分の天井裏には全熱交換型換気扇10が設置され、熱交換した新鮮空気を機械室2のみに直接供給するようになっている。換気扇10はセントラル換気を行う。1階部分には図示省略したがトイレ用個別換気扇も設置されている。11はフィルター(プレフィルター:中性能フィルター又は活性炭フィルター)、12はファン付き吹き出し口で、土間コンクリート13の上面に向けて冷暖房空気を送り込めるようになっている。
【0008】
2階部分にはロフト排気ファン15、ファン付き吹き出し口16が設置され、また図示省略したがトイレ用個別換気扇と天窓も設置されている。また、1階部分及び/又は2階部分には図示省略したが日射が室内に入り込むのを遮蔽する日射遮蔽装置、南側又は北側など特定の窓、それ以外の一般の窓が設置されている。日射遮蔽装置の例としては窓とカーテンの間に電動アコーデイオン式に窓と室内を開閉可能に仕切るものを挙げることができる。日射遮蔽装置、特定の窓および一般の窓は瞬時の開閉動作により全体の動作を必要なときに制御され、この点で連続的に動作を保持するように制御されるエアコン3などと制御が異なる。したがって、日射遮蔽装置、特定の窓および一般の窓の場合はその制御後は居住者の判断で個々に異なる動作(開閉)が可能になる。これにより開放と閉鎖という全体のモードに対して多数ある窓あるいは日射遮蔽装置の開閉状態を容易に統一することができる。
【0009】
前記では運転制御される設備を説明したが、これらを制御する設備として1階部分の天井裏にモード切り替えを行って設備の運転を集中制御する制御パネル(制御手段)17が設置され、さらにダイニングキッチン(DK)の側壁にモード切り替え用のモードチェンジパネル(モードチェンジ手段)18が設置されている。モードチェンジパネル18と制御パネル17、および制御パネル17とエアコン3、送風機5,6など各設備機器は一点鎖線で示すように信号ケーブルで接続されており、制御信号が送られるようになっている。前記においては図示省略したが、個々の窓等にはその開閉状態が把握できるように感知センサが設置され、該センサからの信号がモードチェンジパネル18に表示されるようになっている。
【0010】
モードは前記した1,2階の換気・空調設備の運転を14の主要モードに整理し、機器類のみそれに応じた一元操作とすることで操作上の負担軽減を図るもので、図2に示すように建物1の断熱気密性能を生かす閉鎖モードと、窓を開けて外の空気を直接導入する開放モードと、日射遮蔽モードとが設けられている。閉鎖モードの1は全館空調、同2は1階主空調、同3は2階主空調、同4は全館弱空調、同5は換気のみ、同6はお出かけ、同7は全窓閉め、開放モードの8はロフト排気、同9は天窓開、同10は全停止、同11は特定窓開け、同12は全窓開け、日射遮蔽モードの13は日除け開、同14は日除け閉となっている。
【0011】
図2を参照して設備の運転状況について説明する。「全館空調」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの1のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にあるエアコン3が運転、1階用送風機5が運転(強)、2階用送風機6が運転(強)、換気扇10が運転(強)、トイレ換気扇が運転する一方、2階部分にある吹き出し口16のファンが運転、トイレ換気扇が運転、天窓が閉となる。このモードでは2階部分にあるロフト排気ファン15は運転されない。「1階主空調」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの2のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にあるエアコン3が運転、1階用送風機5が運転(強)、2階用送風機6が運転(弱)、換気扇10が運転(強)、トイレ換気扇が運転する一方、2階部分にある吹き出し口16のファンが運転、トイレ換気扇が運転、天窓が閉となる。このモードでは2階部分にあるロフト排気ファン15は運転されない。「2階主空調」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの3のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にあるエアコン3が運転、1階用送風機5が運転(弱)、2階用送風機6が運転(強)、換気扇10が運転(強)、トイレ換気扇が運転する一方、2階部分にある吹き出し口16のファンが運転、トイレ換気扇が運転、天窓が閉となる。このモードでは2階部分にあるロフト排気ファン15は運転されない。
【0012】
「全館弱空調」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの4のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にあるエアコン3が運転、1階用送風機5が運転(弱)、2階用送風機6が運転(弱)、換気扇10が運転(強)、トイレ換気扇が運転する一方、2階部分にある吹き出し口16のファンが運転、トイレ換気扇が運転、天窓が閉となる。このモードでは2階部分にあるロフト排気ファン15は運転されない。「換気のみ」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの5のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にある換気扇10が運転(強)、トイレ換気扇が運転する一方、2階部分にあるロフト排気ファン15が運転、トイレ換気扇が運転、天窓が閉となる。このモードでは1階部分にあるエアコン3、1階用送風機5、2階用送風機6は共に運転されない。また2階部分にある吹き出し口16のファン、トイレ換気扇も運転されない。「お出かけ」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの6のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にある換気扇10が運転(弱)する一方、2階部分にあるロフト排気ファン15が運転、天窓が閉となる。このモードでは1階部分にあるエアコン3、1階用送風機5、2階用送風機6、トイレ換気扇は共に運転されない。また2階部分にある吹き出し口16のファン、トイレ換気扇も運転されない。「全窓閉め」を行うときはモードチェンジパネル18にある閉鎖モードの7のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分及び/又は2階部分にある特定の窓及び一般の窓が共に閉となる。
【0013】
「ロフト排気」を行うときはモードチェンジパネル18にある開放モードの8のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分にあるトイレ換気扇が運転する一方、2階部分にあるロフト排気ファン15が運転、トイレ換気扇が運転、天窓が閉となる。このモードでは1階部分にあるエアコン3、1階用送風機5、2階用送風機6、換気扇10は共に運転されない。また2階部分にある吹き出し口16のファンも運転されない。「天窓開」を行うときはモードチェンジパネル18にある開放モードの9のスイッチをオンする。これにより建物1の2階部分にある天窓が開となる。このモードでは1階部分にあるエアコン3、1階用送風機5、2階用送風機6、換気扇10、トイレ換気扇は共に運転されない。また2階部分にある吹き出し口16のファン、ロフト排気ファン15、トイレ換気扇も運転されない。「全停止」を行うときはモードチェンジパネル18にある開放モードの10のスイッチをオンする。これにより建物1の2階部分にある天窓が閉となる。このモードでは1階部分にあるエアコン3、1階用送風機5、2階用送風機6、換気扇10、トイレ換気扇は共に運転されない。また2階部分にある吹き出し口16のファン、ロフト排気ファン15、トイレ換気扇も運転されない。「特定窓開け」を行うときはモードチェンジパネル18にある開放モードの11のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分及び/又は2階部分にある特定の窓が開、それ以外の一般の窓が閉となる。「全窓開け」を行うときはモードチェンジパネル18にある開放モードの12のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分及び/又は2階部分にある特定の窓及び一般の窓が共に開となる。
【0014】
「日除け開」を行うときはモードチェンジパネル18にある日射遮蔽モードの13のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分及び/又は2階部分にある日射遮蔽装置が開となる。「日除け閉」を行うときはモードチェンジパネル18にある日射遮蔽モードの14のスイッチをオンする。これにより建物1の1階部分及び/又は2階部分にある日射遮蔽装置が閉となる。
【0015】
前記のように建物1内にある空調換気に関係する設備や生活行動の組合せを、実生活上必要な14の基本パターンに集約し、それをモードとして設定しておくことにより、全設備機器をそのモード設定どおりに運転できるように集中制御するものである。したがって、従来のように居住者は生活の中でモードの選択に注意を払い、個々の設備の運転操作に煩わされない。
【0016】
この実施の形態では2階建ての建物を例にとったが、これは一例であり3階以上の建物に実施してもよいことは勿論である。また、制御される設備としてエアコン、送風機、換気扇などを挙げたが、これも一例であり、その他に外付けブラインド、通風用副窓、居室設置のエアコンなどを制御設備とすることも可能であるなど、この発明はその実施に際して設計を種々に変更修正することができる。
【0017】
【発明の効果】
この発明は前記のような構成からなるので、住宅内の全設備機器をそのモード設定通りに運転することができるように集中制御が可能となる。しかもその制御が簡単なモード選択で行えるため、従来のような設備の個別運転に比べて無駄な運転がなくなり、省エネルギー効果が期待できる。さらに瞬時の開閉動作のみ行う日射遮蔽装置や特定の窓、一般の窓の開閉制御も併せて行うことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態としての住宅設備集中制御システムの全体を示す斜視概念図である。
【図2】同上のモード設定に基づく設備の運転状況を示す図面である。
【符号の説明】
1 建物
2 機械室
3 エアコン
5,6 送風機
7,8 ダクト
10 全熱交換型換気扇
12 ファン付き吹き出し口
15 ロフト排気ファン
16 ファン付き吹き出し口
17 制御パネル(制御手段)
18 モードチェンジパネル(モードチェンジ手段)
Claims (1)
- 住宅の居室など必要個所に設置された換気扇やエアコンなどの設備の運転を集中制御するもので、
全館空調、1階主空調、2階主空調、全館弱空調、換気のみ、お出かけ、全窓閉め、の各モードを含み、建物の断熱気密性能を生かす閉鎖モードと、
ロフト排気、天窓開、全停止、特定窓開け、全窓開け、の各モードを含み、窓を開けて外の空気を直接導入する開放モードと、
日除け開、日除け閉、の各モードを含む日射遮蔽モードと、
前記閉鎖モード・開放モード・日射遮蔽モードに含まれている各モード中の任意のモードを切り替え可能なモードチェンジ手段と、このモードチェンジ手段の切り替えにより設定したモードのとおりに設備の運転を集中制御する制御手段とを具え、
前記モードチェンジ手段により任意のモードが設定されると、該設定されたモードに関連する設備のみが個別に前記制御手段により運転制御されるようになっていることを特徴とする住宅設備集中制御システム。
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