JP3644405B2 - 採血針 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は採血針に関し、さらに詳細にはその一端を被検者の血管に穿刺し、他端を真空採血管内に連通させて、真空採血管内の負圧に応じた量の血液を採取できるようにした採血針に関する。本発明の採血針によれば、他端を真空採血管に連通させる前に一端が被検者の静脈に穿刺されたこと、いわゆるフラッシュバックを確認できる。
【0002】
【従来の技術】
従来から真空採血管による採血に際して、真空採血管を取り付ける前にフラッシュバックを確認できるような採血針が提案されている。
このような採血針としては、例えば、略筒状のハブと、該ハブの軸方向両端から延出する鋭利な先端を有する針管と、該針管の一端を包囲するように前記ハブに嵌着された有底筒状の弾性キャップとからなり、前記ハブに前記弾性キャップ内部と外部とを連通させる通気孔が設けられ、該ハブの先端部に設けられた通気孔の外部口部に空気透過性血液不透過性フィルタが設けられた採血針(特公平7−32766号公報、特開平7−379号公報、特開平8−150134号公報等)等が挙げられる。
これらの採血針は、フラッシュバックを確認するために、該採血針を被検者の静脈に穿刺した時に該採血針内に血液が流入するように空気は外部へ逃がしながら、その流入した血液は外部へ漏れることがないように、空気透過性血液不透過性フィルタを設けたものである。前記空気透過性血液不透過性フィルタとしては、メンブレンフィルタや焼結フィルタなどが用いられている。
【0003】
しかし、前記公報に記載された採血針は、ハブの成形時に該ハブの内部に通気孔を形成する必要がある。前記通気孔は、前記ハブ自体を小さくするために、その孔径をなるべく小さく形成することが好ましいので、前記ハブの構造は自然と複雑になり、成形が困難になってしまう。また、これらの採血針は、フィルタがハブの先端部に設けられているため、フィルタが邪魔になってフラッシュバックの確認が容易かつ迅速に行えないおそれもある。さらに、前記採血針は、採血針を被検者の静脈に穿刺した時に該採血針内に流入した血液が、一端弾性キャップ内部を満たした後、ハブ内の通気孔を通って初めてフラッシュバックが確認されるため、被検者への穿刺からフラッシュバック確認までにある程度の時間を必要とする。
【0004】
また、フィルタを融着することなく、嵌合によりフィルタを固定させた採血針も開発されている(特公平2−21809号公報、特許第3086024号公報等)。
特公平2−21809号公報に記載された採血針は、第一のカヌラと第二のカヌラを有し、第一のカヌラを固定する部材と第二のカヌラを固定する部材を固着させて採血針を形成する際に、前記固定部材の固着面に間隙を形成させて、該間隙にフィルタを保持するものである。しかし、この採血針は、採血針の基端側に真空採血管を接続した際に、該真空採血管内の負圧が直接フィルタにかかるため、該フィルタを通して外部から空気が流入するおそれがある。またそれによって、真空採血管の採血量が減少する可能性がある。
また、特許第3086024号公報に記載された採血針は、2部材からなるハブの部材間の間隙に、板状の通気性フィルタを平坦面がハブ軸方向に対して70〜110度の角度を有するように介在させるものである。このような採血針はフィルタにある程度の強度が必要であり、また空気チャンバーを必要とする。その結果、ハブの構造が複雑でかつ大きくなるため、医療従事者が使用しづらくなる。
【0005】
一方、フィルタに邪魔されることなくフラッシュバックを容易かつ迅速に確認できる採血針も開発されている(特開昭58−212455号公報および特開平4−141151号公報等)。
特開昭58−212455号公報に記載された採血針は、ゴムさやの口部分にフィルタが狭持されており、透明のゴムさやに流入した血液を目視することによりフラッシュバックを確認しうるものである。しかし、このような採血針は、ゴムさやの上にホルダが設けられ、さらにその上から手で保持されるため、フラッシュバックの確認が非常に困難である。また、ゴムさやに嵌合されたフィルタは、採血管を着脱するときのゴムさやの伸縮に耐えきれず、血液が漏れるおそれがある。
また、特開平4−141151号公報に記載された採血針は、二つの針が間隔Lを隔てて透明なハブに固定されており、間隔Lの部分からハブを介してフラッシュバックを確認しうるものである。しかし、この採血針は、一方の針を包囲する軟質キャップの一部がフィルタ部材で形成されているため、採血管着脱時のゴムさやの伸縮に耐えきれず、フィルタ部分が破損して血液が漏れるおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情に鑑み、本発明はフラッシュバックの確認が迅速でかつ容易であり、真空採血管の採血量が減少するおそれがなく、またハブの構造が簡単で成形および製造が容易な採血針を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために種々鋭意検討した結果、ハブと弾性キャップ接続部材と弾性キャップを組み立てて、それぞれの部材間の間隙により通気路を形成し、また該通気路内にフィルタを嵌合して固定し、さらに採血針に欠切部を設けることにより、所期の目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は軸方向に貫通された連通孔を有する透明または半透明のハブと、該ハブの連通孔に挿入されて該ハブの軸方向先端側および基端側からそれぞれ延出する鋭利な刃先を有する針管と、該ハブとハブの基端側から延出する針管との空間に基端側から挿入される中空の管体である弾性キャップ接続部材と、該弾性キャップ接続部材の基端側に気密的に取り付けられてハブの基端側から延出する針管およびその刃先を収納しうる弾性キャップと、前記針管、ハブおよび弾性キャップ接続部材によって形成される弾性キャップ内部をフィルタを介して外部雰囲気と連通させるための通気路と、該通気路内に設けられた空気透過性血液不透過性のフィルタとからなり、前記針管の該連通孔に配置される少なくとも一部に欠切部が形成されてなる採血針である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の採血針を添付図面に示す好適な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの説明に限定されるものではない。
図1は、本発明の採血針の一実施例を示す縦断面図であり、図2、図3および図4は、本発明の採血針の他の実施例を示す縦断面図である。
本発明の採血針1において、先端とは患者に穿刺する側(図中、左側)を、基端とは真空採血管(図示せず)に穿刺する側(図中、右側)を指す。
【0010】
本発明の採血針1は、略筒状の透明または半透明のハブ2を有する。該ハブ2は射出成形等により中空の管体に成形され、軸方向に貫通された連通孔21および挿入孔22からなる孔を有する。該連通孔21は、前記ハブ2の先端側に設けられ、針管3が挿入されて固定されるためのものであり、その内径は該針管3の外径よりも若干大きく形成されている。また、前記連通孔21の基端側には先端部よりも内径が大きい挿入孔22が形成されており、該挿入孔22は、針管3と弾性キャップ接続部材4が挿入されて固定されるためのものである。該挿入孔22は、後述するように前記針管3および弾性キャップ接続部材4に加えて、フィルタ7も挿入される場合がある。
前記ハブ2の先端部外周には、リブ23が設けられていてもよい。該リブ23は、患者に穿刺する側の針先を保護するための針キャップ(図示せず)と係合して、該針キャップ内で採血針1が回転することを防止するため等に使用される。また、該ハブ2の基端部外周には、ねじ部24が設けられており、該ねじ部24には真空採血管を保持するためのホルダ(図示せず)の口部が螺合しうるようになっている。
該ハブ2は、フラッシュバックを容易に確認するために、透明ないし半透明の材質により好ましく形成される。該ハブ2は、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ABS樹脂等から形成される。
【0011】
前記ハブ2の先端側に設けられる連通孔21には、該ハブ2の先端側および基端側からそれぞれ延出するように針管3が挿入されて固定される。本発明における針管3は中空の管であり、該針管3は前記ハブ2の連通孔21に配置される少なくとも一部に欠切部が形成されてなる。この欠切部31は、針管3の一端が患者の静脈に穿刺された時に、針管3内に流入した血液をハブ2を介して欠切部31で外側から目視することにより、フラッシュバックを確認するためのものである。前記欠切部31は、針管の一部に孔をあけたものであってもよいし、針管が一部断裂しているものであってもよい。具体的には、図1に示すように、ハブ2の先端側から延出される先端側針管32と、該ハブ2の基端側から延出される基端側針管33の2部材からなる針管3や、図2に示すように、両端に鋭利な刃先を有し、かつ側孔31を有する1部材からなる針管3などがあげられる。図1において、該先端側針管32は、先端側に患者に穿刺するための鋭利な刃先321を有しており、該基端側針管33は、基端側に真空採血管に穿刺するための鋭利な刃先331を有している。
前記針管3は、例えば接着剤Sを用いて前記ハブ2に気密的に固着されている。該接着剤Sとしては、エポキシ硬化剤やUV硬化型接着剤等が用いられる。該接着剤Sは、前記ハブ2と針管3との間隙の一部を埋めるように使用されても差し支えない。また、前記針管3は、接着剤Sを使用せず、超音波や高周波などによって融着することにより、前記ハブ2に固着されていてもよい。針管3が2部材からなる場合は、それぞれの針管がハブ2に固着される必要がある。
前記針管3の材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、あるいはこれらの合金などの金属材料があげられる。
【0012】
前記ハブ2の基端側に設けられる挿入孔22には、該挿入孔22の基端側から弾性キャップ接続部材4が挿入される。該弾性キャップ接続部材4は中空の管体であり、その内径は該針管3を挿入しうるように該針管3の外径よりも大きく形成される。
該弾性キャップ接続部材4の基端部には、基端側がより大きい外径を有する段部41が形成されており、これにより後述する弾性キャップ5の開口部を気密的に、かつ離脱できないように係止する。該段部41は、先端側の外径が小さい部分と基端側の外径が大きい部分の径の差が、0.6〜1.4mmであるのが好ましい。該弾性キャップ接続部材4の段部41よりも先端側には、後述するフィルタ7を所定の場所に固定するために、先端側がより小さい外径を有する肩部42が設けられていてもよい。また、該弾性キャップ接続部材4の段部41よりも基端側は、弾性キャップを取りつけやすいように、基端側に向かって外径が減少するテーパー状に形成されていてもよい。
【0013】
前記弾性キャップ接続部材4の段部41に係止される弾性キャップ5は、有底筒状形状を有しており、針管3の基端側の刃先331を収納でき、かつ針管3との間に血液が通ることができる間隙51を有する大きさに形成される。該弾性キャップ5の内径は、該針管3の外径よりも0.1〜1.0mm大きいことが好ましい。前記弾性キャップ5の材質としては、天然ゴム、イソプレンゴムやシリコンゴムなどの合成ゴム、エラストマー等、ゴム弾性を有するものがあげられる。
【0014】
前記ハブ2の基端部では、該針管3および弾性キャップ接続部材4が該ハブ2の挿入孔22に基端側から挿入されることにより、該挿入孔22を利用して弾性キャップ5内部をフィルタ7を介して外部雰囲気と連通させる通気路6が形成される。
該通気路6は、例えば図1に示すように、弾性キャップ接続部材4と針管3との間隙61、針管3とハブ2との間隙62、ハブ2と弾性キャップ接続部材4との間隙63およびハブ2と弾性キャップ5との間隙64から形成される。したがって、本発明の採血針1は弾性キャップ5内部をフィルタ7を介して外部雰囲気と連通させるためにハブ2に孔をあけて通気路を形成する必要がなく、製造が容易である。また、該通気路6は、該ハブ2と弾性キャップ5との間隙64を介して外部雰囲気と連通するため、前記間隙64の外側端部である該通気路6の外部口部65が該ハブ2のねじ部24よりも基端側に形成されることになる。
また、該通気路6は、図3に示すように、弾性キャップ接続部材4の軸方向に垂直な方向に貫通された孔66を利用したものであってもよい。この場合、弾性キャップ5内部は、弾性キャップ接続部材4と針管3との間隙61、前記孔66およびハブ2と弾性キャップ5との間隙64を通って外部雰囲気と連通する。したがって、図1に示す通気路のようにハブ2と針管3との間隙62およびハブ2と弾性キャップ接続部材4との間隙63を形成する必要がない。つまり、ハブ2と弾性キャップ接続部材4は挿入孔22内で液密に嵌合している。
前記通気路6を形成する間隙のうち、弾性キャップ接続部材4と針管3との間隙61は、針管3の外周全域に設けられていてもよいが、針管3の上下に2ヶ所設けるなど、外周の少なくとも一部に設けられていてもよい。また、ハブ2と弾性キャップ接続部材4との間隙63も、前記間隙61と同様に、外周全域に設けられていてもよいし、外周の少なくとも一部に設けられていてもよい。前記通気路6を形成する間隙61、62、63および64は、空気および血液が静脈圧により押されて通過できる程度の大きさであれば、大きさも形状も特に限定されないが、好ましくは該間隙の断面積が0.01〜10mm2である。さらに、前記間隙は、空気透過性血液不透過性のフィルタ7を固定する部分においてのみ、その断面積が大きく形成されていても良い。
前記通気路6の外部口部65の断面形状は、好ましくは円形であり、その内径は2〜4mmであるものが好ましい。
本発明の採血針1における通気路6は、フラッシュバックを確認するためのものではなく、弾性キャップ5内部と外部雰囲気とを連通させるためのものであるため、できるだけ全長が短く形成されることが好ましい。
【0015】
前記通気路6内には、該通気路6の外部雰囲気との連通を遮断するように筒状で空気透過性血液不透過性のフィルタ7が設けられている。
該フィルタ7は、採血針1が図1に示す通気路6を有している場合、ハブ2と弾性キャップ接続部材4との間隙63に配置されることが好ましい。該フィルタ7の外径はハブ2の挿入孔22の内径よりも若干大きく形成されており、その内径は弾性キャップ接続部材4の外径よりも若干小さく形成されている。したがって、前記フィルタ7が前記間隙63に配置されることにより、フィルタ7はハブ2および弾性キャップ接続部材4によって確実に嵌合されて固定される。これにより、本発明のフィルタ7は通気路6内の空気は外部へ通過させるが、血液は外部へ漏らさず、通気路6内の液密性を維持している。該フィルタ7は、ハブ2と弾性キャップ接続部材4との間隙63だけでなく、該間隙63からハブ2と弾性キャップ5との間隙64にかけて配置されていてもよい。また、前記フィルタ7は、針管3の欠切部31におけるフラッシュバックの確認を妨げないために、できるだけハブ2の基端側に設けられている必要があるため、ハブ2のねじ部24から基端側に、好ましくはねじ部24よりも基端側で通気路6の外部口部65に設けられている。
前記弾性キャップ接続部材4に前述した肩部42が設けられている場合は、前記フィルタ7の内径は、該弾性キャップ接続部材4の肩部42よりも先端側の外径より若干小さく形成されていることが好ましい。これにより、弾性キャップ接続部材4が所定位置よりフィルタ7の先端側へ移動してしまい、弾性キャップ接続部材4に固定されている弾性キャップ5から針管3の基端側の刃先331が飛び出すおそれがない。
前記ハブ2、弾性キャップ接続部材4およびフィルタ7は、該ハブ2とフィルタ7および該弾性キャップ接続部材4とフィルタ7が、それぞれ互いに嵌合することにより固定されるものである。これらの部材をより確実に固定するために、ハブ2の挿入孔22の内側には、ハブ2と弾性キャップ接続部材4を直接固定するために、軸方向に延びるリブを設けてもよい。また、通気路6を塞がない程度に、ハブ2と弾性キャップ接続部材4が融着あるいは接着によって固定されていてもよい。
一方、採血針1が図3に示す通気路6を有している場合、フィルタ7は弾性キャップ接続部材4に設けられた孔66をふさぐようにハブ2と弾性キャップ5との間隙64に配置されることが好ましい。該フィルタ7の内径は弾性キャップ接続部材4の外径よりも若干小さく形成されている。該フィルタ7は、該弾性キャップ接続部材4の孔66をふさぐように、該弾性キャップ接続部材44にきつく嵌合されるか、融着されることにより、通気路6内の空気は外部へ通過させるが、血液は外部へ漏らさず、通気路6内の液密性を維持している。
該フィルタ7は、メンブレンフィルタや焼結フィルタなど、気体を通過させ、液体を通過させない細孔を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等からなる焼結体であり、さらに好ましくは、血液と接触すると膨潤して焼結体の細孔を塞ぐ吸水性ポリマーを含有しているものである。前記吸水性ポリマーとしては、デンプンやアクリル酸塩などがあげられ、その含有率は焼結フィルターの全重量に対して好ましくは1〜30%である。
【0016】
本発明の採血針1は、ハブ2のねじ部24にホルダ(図示せず)を螺合した状態で、針管3の先端の刃先321を患者の静脈に穿刺して使用される。この時、針管3内の空気は前記弾性キャップ5内を通り、通気路6を通って外部へと逃れ、血液が針管3内に流入する。該血液は弾性キャップ5内の間隙51を満たした後、通気路6内に流入し、空気透過性血液不透過性のフィルタ7によりせき止められる。
前記採血針1は、このような機構により針管3内に流入した血液を、ハブ2を介して針管3の欠切部31で外部から目視することにより、フラッシュバックが確認できる。したがって、本発明の採血針1は、従来の採血針のように、弾性キャップ内に流入した血液を目視してフラッシュバックを確認するものや、弾性キャップ内部と外部雰囲気とを連通させる通気路に流入した血液を目視してフラッシュバックを確認するものと比較して、フラッシュバック確認に要する時間が大幅に短縮でき、患者の負担が軽減される。また、欠切部31でのフラッシュバックが確認しやすいように、図4に示されるように欠切部31付近のハブ2の連通孔21の内径が大きく形成されていてもよい。これにより、針管3に流入した血液は欠切部31から連通孔21へとあふれだすため、ハブを介してのフラッシュバックの確認がさらに容易になる。このように、連通孔21の一部の径を大きくするために、成形上必要があればハブ2を2部材としてもよい。
フラッシュバック確認後、前記ホルダ内に真空採血管(図示せず)が挿入され、前記針管3の基端側の刃先331が該真空採血管の口部に設けられたゴム栓を穿刺して該真空採血管内部に挿入されることにより、該真空採血管内部に血液が流入して採血が行われる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の採血針は、針管に設けられた欠切部で、ハブを介して外部から血液を目視することによりフラッシュバックを確認するため、従来の採血針と比較して、フラッシュバックの確認に要する時間が大幅に短縮できる。また、前記採血針は、ハブと弾性キャップ接続部材と弾性キャップを組み立てたときにできる、それぞれの部材間の間隙を通気路とするため、ハブ自体の内部に通気路を形成する必要がなく、その構造が簡単で、かつ成形および製造が容易である。また、前記構造を有する本発明の採血針は、採血針の基端側に真空採血管を接続する際に、該真空採血管内の負圧が直接フィルタにかからないため、該フィルタを通して外部から空気が流入するおそれがなく、真空採血管の採血量が減少するおそれがない。
さらに、空気透過性血液不透過性のフィルタがハブの基端側に設けられるため、フラッシュバックを通気路内に流入した血液を、針管の欠切部でハブを介して確認するときに、フィルタが確認の邪魔になるおそれもない。さらに、本発明の採血針は、フィルタを嵌合により通気路に固定するものであり、該フィルタ部分における空気および血液の漏れが生じない限り、その材質や形状、あるいは配置する角度等を特別に限定する必要はなく、製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の採血針の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の採血針の他の実施例を示す縦断面図である。
【図3】 本発明の採血針の他の実施例を示す縦断面図である。
【図4】 本発明の採血針の他の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 採血針
2 ハブ
3 針管
31 欠切部
321、331 刃先
4 弾性キャップ接続部材
5 弾性キャップ
6 通気路
61、62、63、64 間隙
7 フィルタ
Claims (7)
- 軸方向に貫通された孔を有する透明または半透明のハブと、該ハブの孔に挿入されて該ハブの軸方向先端側および基端側からそれぞれ延出する鋭利な刃先を有する針管と、該ハブとハブの基端側から延出する針管との空間に基端側から挿入される中空の管体である弾性キャップ接続部材と、該弾性キャップ接続部材の基端側に気密的に取り付けられてハブの基端側から延出する針管およびその刃先を収納しうる弾性キャップと、前記針管、ハブおよび弾性キャップ接続部材によって形成される弾性キャップ内部をフィルタを介して外部雰囲気と連通させるための通気路と、該通気路内に設けられた空気透過性血液不透過性のフィルタとからなり、該ハブの孔に配置される前記針管の少なくとも一部に欠切部が形成されてなる採血針。
- 前記針管は、一端に鋭利な刃先を有する2つの針管からなり、前記ハブの先端側から延出する針管は鋭利な刃先を先端側に向けてハブの孔に挿入され、また前記ハブの基端側から延出する針管は鋭利な刃先を基端側に向けてハブの孔に挿入され、両針管は間隔をおいた状態で固定されることによって欠切部が形成されてなる請求項1記載の採血針。
- 前記針管は、両端に鋭利な刃先を有する1つの針管からなり、ハブの孔に配置される針管の側面の一部に孔が設けられることによって欠切部が形成されてなる請求項1記載の採血針。
- 前記通気路は、弾性キャップ接続部材と針管との間隙、針管とハブとの間隙、ハブと弾性キャップ接続部材との間隙およびハブと弾性キャップとの間隙からなり、該ハブと弾性キャップとの間隙を介して外部雰囲気と連通する請求項1〜3のいずれかに記載の採血針。
- 前記空気透過性血液不透過性フィルタは、ハブと弾性キャップ接続部材との間隙からハブと弾性キャップとの間隙にかけて設けられてなる請求項4記載の採血針。
- 前記弾性キャップ接続部材には軸方向に垂直な方向に貫通された孔が設けられており、前記通気路は、弾性キャップ接続部材と針管との間隙、弾性キャップ接続部材に設けられた孔およびハブと弾性キャップとの間隙からなり、該ハブと弾性キャップとの間隙を介して外部雰囲気と連通する請求項1〜3のいずれかに記載の採血針。
- 前記空気透過性血液不透過性フィルタは、弾性キャップ接続部材に設けられた孔をふさぐようにハブと弾性キャップとの間隙に設けられてなる請求項6記載の採血針。
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