JP3644025B2 - カバー水栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、本体をカバーで被覆したカバー水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吐水口をカバー外に露呈させたカバー水栓が用いられている。例えば、図4(a)に示すように、カバー20に設けられた挿通部24より吐水口Tを露呈させたカバー水栓(以下、「従来例1」という。)が用いられている。このカバー水栓では、カバー20内に配置されるフランジ部(本例では、吐水口T中間部のフランジ部を例示)Fと、カバー20外に配置される外部部材(本例では、吐水口キャップを例示)Cとでカバー20を挟持することが行われている。これにより、吐水口Tの「ガタツキ」が防止されると共に、挿通部24と吐水口Tとの間の隙間を通じて、カバー20内にゴミ等の異物が侵入することを防止できる。
【0003】
また、吐水口の突出方向とカバーの着脱方向とが一致しないカバー水栓等においては、カバーの着脱の容易化を図るために、カバーを挿通部の周囲で分割することがある(以下、「従来例2」という。)。例えば、図4(c)に示す具体例では、カバー20を挿通部24の前後で、主要部をなす主カバー2Aとこれを補完する副カバー2Bとに分割する。そして、主カバー2Aに形成される挿通部24後方に「逃がし27」を設けて、主カバー2Aの前後方向への着脱を可能とすると共に、上下方向に着脱される副カバー2Bによって「逃がし27」を封鎖することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例1及び従来例2に示すカバー水栓には以下のような問題点がある。
即ち、従来例1においては、外部部材Cを螺合固定する構造とされるのが一般的であるが、その締め込み量を常に適量とすることは困難である。このため、締め込み量が過量となり、カバー20に不要な応力を生じ、カバー20の外観の低下や破損等を生じさせたり、締め込み量が不足して吐水口Tに「ガタツキ」を生ずることがある。特に、外部部材C、フランジ部F、カバー20等に寸法上の誤差や位置ずれを生じた場合には、図4(b)に示すように、カバー20に不要な「たわみ」等を生じ、カバー20の外観が低下する等の不具合を生ずることになる。
【0005】
また、従来例2では、吐水口Tをカバー20に固定する構造でないため、吐水口Tに「ガタツキ」を生ずる可能性がある。更に、主カバー2A及び副カバー2Bが正確に接合するように、両者を精度良く作製することが必要なため、カバー水栓の製造コストが高くなる。
また、従来例2のカバー水栓が、図4(c)に図示する具体例のように、挿通部24と吐水口Tとの間の隙間を許容するタイプである場合には、この隙間を通じてカバー20内に異物が侵入するおそれがある。更に、この隙間を許容しないタイプであっても、主カバー2A若しくは副カバー2Bの寸法上の誤差のために、予定外の隙間を生ずる可能性がある。一方、この不具合を防止するために、従来例1のように、カバー20内にフランジ部Fを設け、このフランジ部Fと外部部材Cとでカバー20を挟持することも考えられるが、この場合にも、外部部材Cの締め込み量を常に適量とすることが困難である。
【0006】
尚、特開平10−1987号公報に例示されたカバー水栓のように、本体を固定するためのステー(ブラケット)に吐水口を固定すれば、カバーに不要な応力を生ずることを回避できる。しかし、この態様においても、従来例1及び従来例2と同様に、カバーの挿通部と吐水口等との間の隙間を隠蔽しなければ、カバー内に異物が侵入することになる。
【0007】
本各発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、先ず、請求項1の発明については、カバーの挿通部を隠蔽できると共に、カバー外方への吐水流路を形成する口金をカバーにしっかりと組み付けることができ、しかも、カバーに不要な応力を生じさせないカバー水栓を提供することである。
次に、請求項2の発明については、請求項1の発明のカバー水栓において、カバーに不要な応力を生ずることをより確実に防止することである。
【0008】
また、請求項3の発明については、請求項1又は請求項2の発明において、本体、カバー等の寸法精度や、これらの位置関係のバラツキを確実に吸収して、請求項1又は請求項2の発明の目的をより一層、確実に達成することである。
更に、請求項1の発明については、カバー水栓の構成部品の共通化やカバーの着脱作業の容易化を図ることである。
最後に、請求項4の発明については、請求項1乃至請求項3の何れかの発明において、カバー水栓の構成部品の数を少なくすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本各発明が採った手段は、先ず、請求項1の発明については、
「本体をカバーで被覆したカバー水栓であって、カバー外方への吐水流路を形成する口金を、カバーに設けられた挿通部を通じてカバー外より前記本体に接続し、該口金のカバー外方への露呈部分によってカバーを押圧したカバー水栓であり、
前記本体を弁装置を内蔵する本体部と、該本体部に固着され、前記口金の接続部位を形成する接続部と、を有するものとしたカバー水栓であり、
前記本体は、壁面に取着され、
前記カバーは、過膨出部を備えた略容器形状のものであり、該過膨出部の底面に前記挿通部が穿設され、
前記カバーは、背面側の両端と過膨出部の底面とを支持されて固定されること」
をその要旨とする。
【0010】
請求項1の発明によると、露呈部分をカバーに押圧させることで、挿通部を隠蔽しながら、口金をカバーにしっかりと組み付けることができる。即ち、単に、カバーの一面側(表面側)が押圧されるだけであるため、カバーに不要な応力を生じ難い。
また、本発明では、本体にカバーを被着した後に、「吐水流路を形成する部材」としての「口金」を本体に接続するため、「口金」の露呈方向とカバーの着脱方向とが一致しない場合においても、従来例2に示すように、カバーを分割タイプとしたり、特開平10−1987号公報に示すように、「吐水流路を形成する部材(特開平10−1987号公報では、吐水口)」を回転可能とする必要はない。但し、本発明は、分割タイプのカバーを備えるカバー水栓に対しても好適に適用できる。この態様では、挿通部を口金の露呈部分で隠蔽できるため、分割カバー(主カバー、副カバー等)の接合部分の寸法精度をラフにできるという効果が得られる。
【0011】
次に、請求項2の発明については、
「請求項1のカバー水栓において、前記口金を手締めによって前記本体に接続したこと」
をその要旨とする。
請求項2の発明では、口金を工具によらず、手締めによって本体に接続するため、カバーに不要な応力を生ずることをより確実に防止できる。
【0012】
また、請求項3の発明については、
「請求項1又は請求項2のカバー水栓において、前記本体と、口金との間に接続調節用のクリアランスを設けたこと」
をその要旨とする。
請求項3の発明によると、口金、本体、カバー等の構成部品に寸法精度や位置関係のバラツキがあっても、これらを「クリアランス」によって確実に吸収できるため、カバーに不要な応力を生ずることをより一層、確実に防止できる。
【0013】
更に、請求項1の発明については、
「前記本体を弁装置を内蔵する本体部と、該本体部に固着され、前記口金の接続部位を形成する接続部と、を有するものとしたこと」
をその要旨とする。
請求項1の発明では、本体をその主要部をなす本体部と、口金との接続に関与する接続部とに分けて構成する。従って、接続部の装着箇所や、装着される接続部のサイズ等を適宜、選択することによって、同一の本体部を種々の態様のカバー水栓(例えば、底面側より吐水口が突出するカバー水栓や上面側より吐水口が突出するカバー水栓等)の共通部品として汎用的に用いることができる。
【0014】
また、本発明によると、接続部を本体部に十分な水密性を確保した状態で取着した後に、本体をカバーで被覆し、接続部に口金を接続できる。
【0015】
最後に、請求項4の発明については、
「請求項1乃至請求項3の何れかに記載のカバー水栓において、前記口金は吐水口を形成すること」
をその要旨とする。
請求項4の発明は、「口金」の一具体例を示すものであり、この発明によると、口金に別途「吐水口」を接続する必要がないため、カバー水栓の構成部品の数が少なくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本各発明に関わるカバー水栓の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
このカバー水栓は、図1及び図2に示すように、本体10と、カバー20と、口金30とを備えている。
このうち、本体10は、請求項1の発明の一具体例を示すものであり、屈曲板状のステー50を用いて浴室等の壁面Yに取着されている。また、この本体10は、請求項1の発明の「弁装置」の各具体例を示す温調弁A及び切換弁Bを内蔵した本体部11と、後述する口金30の接続部位を形成する接続部12と、を有している。
【0017】
温調弁Aは、給湯管Hからの湯と給水管Cからの水を所定の混合比率で混合して所望温度の混合湯水とするものである。尚、本例では、この温調弁Aとして、「ワックスエレメントや形状記憶合金エレメント等の温度変化に対応して変形する感温素子を用いて構成され、湯及び水の混合度合いを自動的に調節するサーモスタットカートリッジ」を用いている。但し、この温調弁Aとして、摺動ディスク方式、2ハンドル方式等の他の方式のものを用いてもよい。
【0018】
この温調弁Aより流出する混合湯水は、本体部11内に設けられた供給路Kを介して切換弁Bへと流入する。
この切換弁Bは、供給路Kから供給された混合湯水を「本体部11下面のカラン側接続口1aの側」若しくは「本体部11側面のシャワー側接続口1bの側」へと択一的に流出させたり、流出量の調節や同時止水を行う。尚、切換弁Bの方式も種々選択でき、例えば、「互いに平面摺動して流路の開閉を行う固定ディスクと可動ディスクとを用いて構成される摺動ディスク方式」、「対向する一対の弁口に対して弁体を進退させて流路の切換及び流量の調節を行うリフト方式」、「各々円筒状に形成されると共に互いに挿嵌された可動弁体及び固定弁体を有し、互いに周面摺動して流路の開閉を行うロータリー方式」等を例示できる。
【0019】
また、本例では、カバー水栓に設けられる吐水流路が、「カラン側の吐水流路」と「シャワー側の吐水流路」との2つであるため、切換弁Bとして三方弁を用いるが、吐水流路が3つ以上である場合には、四方以上の多方弁を用いることができる。更に、切換弁Bが同時止水を行わないものであってもよい。
接続部12は、請求項1の発明の「接続部」の一具体例を示すものであり、図3に示すように、袋ナット部1cと、この袋ナット部1cより一体的に延設された筒状部1dとを備えている。そして、筒状部1dの中間側周面には雄ネジ部1eが設けられ、先端側周面の周回溝にはパッキングPが装着されている。
【0020】
この接続部12は、図3に示すように、カラン側接続口1a周面の雄ネジ部1fに袋ナット部1cを螺合して本体部11に取着される。この取着の際には、パッキング1hが介在されると共に袋ナット部1cが工具(スパナ等)を用いて、しっかりと締め付けられるため、接続部12及びカラン側接続口1a間の水密性は確実に確保される。しかも、袋ナット部1cの締め付け作業は、カバー20を被覆する前の本体部11に対して施せばよいため、容易に行うことができる。
【0021】
尚、本例と異なり、接続部12より袋ナット部1cを除外し、別体の締結部材(袋ナット等)を用いて本体部11に取着することもできる。また、本例の本体部11は、図3に示すように、カラン側接続口1aの他に、不使用状態の接続口1kを備え、この接続口1kにはキャップ1mが水密状に被着されている。即ち、本例は、カバー20の底面側よりカラン吐水を行うカバー水栓であるため、底面側の接続口(カラン側接続口1a)を利用するが、例えば、このカバー水栓をカバー20の上面側よりカラン吐水を行うものに改変する場合には、上面側の接続口1kを利用すればよい。また、左右勝手違いとする場合に、接続口1kを下側としてこれをカラン側接続口とすることもできる。このように、請求項4の発明に従って、本体部11と接続部12とを別体とすれば、同一の本体部11を複数タイプのカバー水栓の共通部品とできる。
【0022】
また、請求項1の発明では、本体部11と接続部12との取着方法は特に限定されず、例えば、本例に示すカラン側接続口1aと接続部12の各ネジ部の雌雄を逆にしたり、一方に設けられたソケットと他方に設けられたプラグとを水密状に嵌合するもの等であってもよい。
更に、本例では、図1に示すように、シャワー側接続口1bに「シャワー側の吐水流路」の上流側を構成するシャワー管Qの一端が接続され、その他端にはジョイントJが接続されている。
【0023】
カバー20は、図1及び図2に示すように、前面上半側に過膨出部21を備えた略容器形状のものである。そして、過膨出部21には、前面左右に通過孔2a、2bが穿設され、底面に本各発明の「挿通部」の一具体例を示す挿通部(挿通孔)24が穿設されている。また、背面側左端は屈曲弾発状の板バネ部2cとされ、背面側右端には通過孔26が設けられている。
本カバー20は、温調弁AのスピンドルDと左方の通過孔2aとを位置合わせすると共に、切換弁Bのスピンドルdと右方の挿通孔2bとを位置合わせした状態で斜め下方へと移動すると、本体10に被着される。その際、後述する口金30を接続部12に接続する前の状態であるため、本体10側にはカバー20の斜め下方への移動の邪魔になる突出部分は存在しない。
【0024】
また、このカバー20の被着の際に、図1に示すように、板バネ部2cをステー50の左端の屈曲部51に係止すると共に、ジョイントJをステー50の右端の屈曲部52の挿通孔53及びカバー20の背面側右端の通過孔26に挿通する。そして、ジョイントJにシャワーエルボーEの基端を接続しながら、ジョイントJ及びシャワーエルボーEでカバー20の背面側右端及び屈曲部52を挟持する。このように、シャワー側の吐水流路に対して本各発明を適用しないのは、シャワーは、その使用に際して振り回されるものであるため、シャワーエルボーEに捻りや引っ張り等の応力が加わる。よって、これらの応力に十分に耐え得るよう、シャワーエルボーEを堅固に固定するためである。但し、シャワーエルボーEに大きな力が加わらない場合には、シャワー側の吐水流路に対しても、後述する「カラン側の吐水流路」と同様に本各発明を適用してもよい。シャワー側の吐水流路がカバー20の前面側で露呈する場合には特に有効である。
【0025】
口金30は、請求項1〜請求項4の発明の「口金」の一具体例を示すものであり、図3に示すように、挿通部24に遊挿可能な外径とされた略筒状の非露呈部分31と、「挿通部24より大径のフランジ部3A」及び小径部3Bからなる露呈部分32と、を備えている。また、非露呈部分31の根本側内壁面には雌ネジ部3aが設けられ、小径部3Bの先端側外壁面には雄ネジ部3bが設けられている。更に、フランジ部3Aの周面にはローレットR等の滑り止めが設けられている。
【0026】
この口金30は、図3に示すように、カバー20外より挿通部24を通じて、接続部12に接続される。この作業は、請求項2の発明に従って、作業者の手で口金30を締め込むことによって行われ、これにより、図2に示すように、非露呈部分31の雌ネジ部3aが接続部12の雄ネジ部1eに螺合され、フランジ部3Aがカバー20の挿通部24周囲の表面に当接する。その際、フランジ部3Aを手でつまみ、口金30を手締めすることになるため、作業者は手感触で口金30の締め付け量、フランジ部3Aのカバー20への当接の有無、当接の程度等を的確に認識できる。尚、口金30側を雄側とし、接続部12側を雌側として互いに螺合してもよい。
【0027】
また、この締め込み作業は、工具を用いて一気に行うのではなく、手作業によって序々に行われるため、フランジ部3Aからカバー20に加わる押圧力を適度なものにコントロールし易い。例えば、作業者が口金30を序々に締め込み、フランジ部3Aがカバー20に当接したことを手感触で認識したところで、この作業を完了することとすれば、フランジ部3Aからカバー20へと無用な外力が殆ど加わらない。但し、請求項1の発明、及び請求項3〜請求項4の発明においては、口金30を工具を用いて締め込んでもよい。この場合においても、フランジ部3Aがあくまでも、カバー20の挿通部24周囲の表面に当接するのみであるため、挿通部24周囲を挟持する従来品のように、カバー20に過大な応力を生ずることはない。
【0028】
この口金30の接続によって、カバー20は、背面側の両端と過膨出部21の底面との3点を支持されて固定されると共に、口金30もカバー20にしっかりと固定される。
また、本例では、この口金30を接続したときに、図2に示すように、非露呈部分31の奥端部3pと接続部12の先端面1pとの間に隙間Wが設けられる。これは、請求項3の発明の一具体例を示すものであり、互いに螺合状に挿嵌される口金30(非露呈部分31)及び接続部12(筒状部1d)の雌側部材の寸法を、やや「短か目」に設定する等、当接させないようにすることで、両者間に「接続調節用のクリアランス(即ち、隙間W)」を形成している。
【0029】
更に、本例では、接続部12をやや「短か目」に設定するため、カバー20の着脱時に、カバー20が上下に若干ぶれても、カバー20と接続部12とが接触し難く、カバー20の着脱を気軽に行うことができる。
また、本例では、口金30を接続すると、図2に示すように、筒状部1dに予め取着されたパッキングPによって、口金30及び筒状部1d間の水密性が確保される。即ち、カバー20外からのシール作業を一切行わないため、口金30の接続作業がより一層、容易となっている。
【0030】
尚、本例では、図2に示すように、カバー20の平坦な面部分(過膨出部21の底面)に露呈部分32を当接させる態様を例示するが、請求項1乃至請求項4の発明は、カバー20の湾曲状の面部分(例えば、図1の符号Gで示す面部分)に対しても好適に適用できる。即ち、前述の従来例1に従って、フランジ部Fと外部部材Cとで湾曲状の面部分を挟持することは実質的に困難であるが、請求項1乃至請求項4に従って、露呈部分32を当接させ、口金30をカバー20に組み付けることは容易であるからである。従って、請求項1乃至請求項4によれば、「カバー20の湾曲状の面部分」から口金30(吐水管、シャワーエルボー等)を露呈させることも可能なため、カバー水栓のデザイン、機能等の選択の自由度が大きくなる。
【0031】
本体10に接続された口金30の雄ネジ部3bには、図2に示すように、パッキング65と整流網66を介在させた状態で、吐水口キャップ60が取着されている。このように、本例では、「カバー20外方への吐水流路を形成する口金30」自体が請求項4の発明に従って、吐水口を形成している。但し、請求項1〜請求項3の発明においては、口金30の露呈部分32側の端部に、別体の「吐水口を構成する部品(吐水管等)」を接続したり、「吐水口を構成する部品(シャワーヘッド等)との間に介在される部品(シャワーエルボー等)」を接続してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明のカバー水栓では、挿通部を隠蔽できると共に口金の「ガタツキ」を防止でき、しかも、カバーに不要な応力を生じさせない。また、請求項2の発明のカバー水栓では、カバーに不要な応力を生ずることをより確実に防止できる。更に、請求項3の発明のカバー水栓では、本体、カバー等の寸法精度や位置関係のバラツキを確実に吸収することができる。更に、請求項1の発明では、カバー水栓の構成部品の共通化やカバーの着脱作業の容易化を図ることができる。また、請求項4の発明のカバー水栓では、構成部品の数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態のカバー水栓の横断面図である。
【図2】図1のカバー水栓の1−1縦断面図である。
【図3】図1のカバー水栓の組み付け方法等を示す縦断面図である。
【図4】(a)は従来例1のカバー水栓の概略的な一部縦断面図、(b)は図4(a)に示すカバー水栓に生ずる不具合の一例を示す概略的な一部縦断面図、(c)は従来例2のカバー水栓の概略的な一部縦断面図である。
【符号の説明】
10;本体、11;本体部、A;温調弁、B;切換弁、D、d;スピンドル、1a;カラン側接続口、1f;雄ネジ部、1b;シャワー側接続口、1h;パッキング、1k;接続口、1m;キャップ、Q;シャワー管、J;ジョイント、H;給湯管、C;給水管、K;供給路、12;接続部、1c;袋ナット部、1d;筒状部、1e;雄ネジ部、P;パッキング、1p;先端面、Y;壁面、T;吐水口、F;フランジ部、C;外部部材、
20;カバー、21;過膨出部、2a、2b、26;通過孔、24;挿通部、2c;板バネ部、2A;主カバー、2B;副カバー、27;逃がし、
30;口金、31;非露呈部分、32;露呈部分、3A;フランジ部、3B;小径部、3a;雌ネジ部、3b;雄ネジ部、R;ローレット、W;隙間(接続調節用のクリアランス)、3p;奥端部、
50;ステー、51、52;屈曲部、53;挿通孔、
60;吐水口キャップ、65;パッキング、66;整流網、E;シャワーエルボー。
Claims (4)
- 本体をカバーで被覆したカバー水栓であって、カバー外方への吐水流路を形成する口金を、カバーに設けられた挿通部を通じてカバー外より前記本体に接続し、該口金のカバー外方への露呈部分によってカバーを押圧したカバー水栓であり、
前記本体を弁装置を内蔵する本体部と、該本体部に固着され、前記口金の接続部位を形成する接続部と、を有するものとしたカバー水栓であり、
前記本体は、壁面に取着され、
前記カバーは、過膨出部を備えた略容器形状のものであり、該過膨出部の底面に前記挿通部が穿設され、
前記カバーは、背面側の両端と過膨出部の底面とを支持されて固定されることを特徴とするカバー水栓。 - 前記口金を手締めによって前記本体に接続したことを特徴とする請求項1記載のカバー水栓。
- 前記本体と、口金との間に接続調節用のクリアランスを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカバー水栓。
- 前記口金は吐水口を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のカバー水栓。
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